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2020年3月5日木曜日

<独自>事実上、中国人と韓国人の入国を制限 イランも新たに対象―【私の論評】台湾の動きに注目!日本の親中派は今のままだと中共の道連れに(゚д゚)!


新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、関西国際空港の検疫検査場では、
サーモグラフィーで入国者の体温を確認していた=1月23日午前(須谷友郁撮影)

政府は5日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染を防ぐ水際対策として、中国と韓国に所在する日本大使館で発行した査証(ビザ)の効力を停止する方針を固めた。香港・マカオ・韓国はビザなし入国の特例も停止する。

 中国と韓国には、観光客の来日を自粛するよう要請する。これにより、事実上中国人と韓国人の入国を制限することになる。

 韓国に対しては、滞在歴のある外国人の入国を拒否する地域を大幅に拡大する。具体的には、慶尚北道慶山市、安東市、永川市、漆谷郡、義城郡、星州郡、軍威郡が新たに対象となる。これまでは、大邱と慶尚北道の一部が入国制限の対象だった。

 イランも新たに入国の制限対象とし、コム州、テヘラン州、ギーラーン州を対象地域にあげた。

 5日夕の国家安全保障会議(NSC)の会合で確認する。

 中国と韓国からの入国者は、検疫法に基づく「停留」措置を取り、政府指定の施設などで2週間隔離したうえで、入国許可を出す。

 また、中国と韓国からの航空便の到着空港を成田空港と関西空港に限定する。船舶は、中国と韓国からの旅客運送を停止するよう要請する。

【私の論評】台湾の動きに注目!日本の親中派は今のままだと中共の道連れに(゚д゚)!

私自身は、上記の措置を待ち望んでいました。特に中国からの入国制限は、一ヶ月前から実行すべきと思っていました。

何やら、様々な理由で、中国全域からの入国制限には意味はないとする人々もいましたが、たとえそれが正しかろうと、間違いであろうと、まずは中国からの入国は最初制限すべきだったと思います。

最初の時点で、中国からの入国者はを検疫法に基づく「停留」措置を取り、政府指定の施設などで2週間隔離したうえで、入国許可を出すようにしていれば、そもそも中国全域の入国制限に意味がないか、あるかは実際に検査できたはずです。

その時に、中国全域からの入国制限が無意味とわかれば、入国制限を解除すれば良いですし、意味があるなら継続ということで良かったと思います。

しかし、一ヶ月遅れたとはいえ、実施されたことは非常に良かったです。

本日は、この他菅義偉官房長官が午後の記者会見で、日中両政府が4月上旬で調整してきた中国の習近平国家主席の国賓としての来日について、時期を再調整すると発表しました。

菅官房長官

これに関しては、首相は2月28日、首相官邸で中国の外交担当トップである楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員と面会した際、「十分な(習氏来日の)成果を挙げるために入念な準備を行わなければならない」と述べ、来日時期よりも成果を重視する考えを強調し、延期を示唆していました。事実上この時で延期は決まっていたのですが、今日正式に発表したということです。

今日まで、発表が遅れたのは、やはり党内の親中派に対して懐柔する必要があったのかもしれません。私自身は、もうとっくに延期は決まったものと断定していたので、本日の発表には驚きました。そういわれてみれば、正式の発表は今日までなかったことに気づきました。

日本における新型コロナウイルスの流行はもはや危機的状況であり、これを抑えるためには、できることは何でもしなければいけない段階にきていると見るべきであると、台湾と比較して、そういう人も多いです。しかし、これは本当に正しいのかどうかは、なんともいえないことをこのブログで以前掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
五輪延期では済まぬ。韓国式「新型肺炎」検査が日本経済を潰す―【私の論評】武漢肺炎も、数値で見て客観的に物事を判断しないとフェイクに煽られる(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。

今後、このようなデマが多く出回ることでしょう。以下はデマとまでいえるかどうかわかりませんが、日本での感染者数はかなり多いと認識されているようですが、そうともいえないデータがあります。それを以下に掲載します。

以下の表は、武漢肺炎感染者数の人口比率(2020/03/03)です。

感染に限らず統計は、客観的に見ないと理解できませんし、見方を誤ってしまいます。上の表は、感染者➗人口の比率で比較した表です。 
この表でみると、現在では韓国が世界で一番感染率が高いです。少なくとも、韓国の防疫体制が優れているとはいえないことがわかります。それと、中国の統計は単純に信じることはできないと思います。中国の経済統計はデタラメです。コロナウイルスの感染者数だけが、正しいということはできないと思います。 
この表によれば、日本は16位ということで、19位の台湾とあまり変わりません。現時点では、特に日本が台湾などの他国と比較して、格段に防疫体制が格段に劣っているとは思えません。
台湾の人口は、約2千3百万人です。日本の人口は、1億2千万人 です。日本の人口は、台湾の5倍以上です。これでは、単純比較はできないわけで、やはり感染者者数の人口比でみるのが正しいです。

そうすると、台湾と日本とでは、感染比にさほど大きな差異があるとはいえないことがわかります。しかし、若干の違いはあります。この差異が当初に中国からの入国を制限したものによるかどうかは今後の経過をみていけばわかるでしょう。

さて、日本と台湾では感染比ではさほど違いはないのですが、それでも日本は台湾に見習うべきところがあります。

とにかく、台湾の反応は素早かったです。まず中国大陸との各種往来をいったん絶ちました。また、中国の意向を汲んで台湾の出席を拒み続けてきたWHOに対して、「台湾人の健康と命の安全」という人道上の問題として訴えることで国際会議への台湾のオブザーバー参加を認めさせました。

1月早々に専門家を交えた緊急対応会議を開き、2月2日から空港などの検疫体制を強化。台湾での感染者が出ていない1月20日の段階で「国家感染症指揮センター」を立ち上げて、水際作戦の体制を整えました。

1月23日には蘇貞昌行政院長の「マスク輸出制限指示」があり、2月6日にはマスク購入実名制度を導入し、オンラインマップでマスク在庫状況を公開しました。さらには政府補填による民間企業へのマスク増産指示、医療機関への優先的配布といったと素早い対応で、各国で起きているマスクの買い占めによる不足や高額転売問題を回避しました。

台湾がこれほど果断に素早く政策を打ち出せたのは、蔡英文政権がここにきて台湾の親中派財界や大陸世論を考慮しなくてよいほど、台湾社会の反中感情が高まったせいもあります。

蔡英文台湾総統

こうした台湾の動きと対照的なのが、日本の中国政府への配慮からくる新型肺炎対応の鈍さです。

どうして日本がこういうことになったかといえば、主に以下に3つの点があると思います。
①WHOの機能不全と厚労省のリスク管理部門が杜撰
②二階幹事長を初め多数の親中媚中派がいて中国に支援すべきと動いたこと。そのため、菅官房長官と総理の関係が現在最悪の状態になっていること  
③日本企業は中国で利益を得ても持って帰れない。撤退すればBSが一気に壊れ 倒産する企業も出てくる可能性が高いという現実がある。
このような複合的な要因が重なり、日本政府は中国に配慮して、なかなか思い切った措置がとれなかったようです。

しかし、かつての台湾も中国との結びつきが強く、中国への配慮は欠かせなかったのですが、最近の台湾はそうではなくなっています。

蔡英文政権2期目のテーマは台湾の国際社会における国家承認の推進です。こうした方向性は中国側から武力恫喝と経済制裁を伴う強い圧力を受けると想像されていました。

武力に関しては、さすがの中国側もなかなか実際の行動はとらないとしても、台湾と中国の長年の経済緊密化のせいで、中国からの経済制裁はかなり台湾経済に強い打撃を与えると予想されていました。

ところが幸か不幸か、新型肺炎という突然の疫病蔓延で、台湾だけでなく世界各国で中国との人的交流、物流の制限が否応なくかけられることになったのです。

2月10日は中国が全国の工場再稼働を宣言した日ですが、台湾はこれに合わせて、中国との直行便を北京、上海など5空港をのぞき全面一時停止措置をとり、海運交通なども大幅に制限をかけました。

中国に工場をもつ台湾企業社員や、中国工場で働く台湾人労働者に足止めを食らわせた格好です。台湾企業としては早々に中国に戻って工場を再稼働させたいところでしょうが、「両岸の人民に感染を拡大させていいのか」と問われればイエスとは言えずにいます。

武漢封鎖当初、武漢市に残っていた1140人余りの台湾人の帰国問題も、2月3日に第1チャーター便で戻った247人の中に感染者が出たことから、台湾政府としては受け入れが整っていないとして、依然900人が台湾に戻れないままだ。

一方、総統選挙の動きの中で、完全に中国共産党の代理政党に落ちぶれていることが発覚した国民党は、親中路線からの脱却を図ろうとしている。中国共産党の言いなりだった呉敦義が選挙惨敗の責任をとって党主席を辞任したあと、元台北市長の郝竜斌と立法委員の江啓臣が主席の座を争うことになったが、ともに台湾ファースト、脱中国イメージを訴えています。

中国全域からの入国禁止の措置に関しては、政府の小中高校などのほぼ全面休日など国民に対して厳しい措置をしていながら、中国人は日本に自由に入り我が者顔で、町を闊歩するようなことにでもなれば、国民の反発は必至ということで、さすがに親中派もいつまでも、全域からの入国禁止を拒むことはできなかったのでしょう。

安倍総理は、元々セキュリティダイヤモンド構想で中国封じ込め政策を主張していました。これは、オーストラリア、インド、アメリカ合衆国(ハワイ)の3か国と日本を四角形に結ぶことで4つの海洋民主主義国家の間で、インド洋と太平洋における貿易ルートと法の支配を守るために設計されたものです。

中国の東シナ海、南シナ海進出を抑止することを狙いとします。日本政府としては尖閣諸島の領有問題や中東からの石油輸出において重要なシーレーンの安全確保のため、重要な外交・安全保障政策となっています。インド太平洋、Free and Open Indo- Pacific Strategyの概念の確立、アメリカの対アジア戦略に「Indo-Pacific economic vision」(インド太平洋構想)として採用されました。

その安倍首相が、二階氏など自民党内で重要なポストについている議員などのため、党内政治を円滑にするため、中国に配慮せざるを得なくなっているので、新コロナウイルス対策においても、なかなか思い切った手が打てなかったのでしょう。

しかし、安倍首相も、中国全域から入国制限に踏み切ることを決意したのです。台湾では、すでに国内世論は反中国に大きく傾いています。この世論には、さすがの国民党も逆らえなくなっているのです。

台湾にできたことは、日本にもできるはずです。日本も、今回の新コロナウィルスを奇貨として、自民党内はもとより政治家の親中派、マスコミの親中派、財界の親中派などの力を弱めていくべきです。

台湾もそうですが、わずか数年前までの米国も親中派が幅をきかせていて、その状況はどうにもらないように見えていました。トランプ氏など絶対に大統領にならないだろうと見られていました。しかし、そうではありませんでした。

米台にできて日本にできないはずがありません。現在の中国はもともと経済がかなり弱っていたことに加えて、現状はコロナ肺炎で大変なことになっています。しかも、経済もコロナ肺炎も中国共産党の自業自得である部分がほとんどです。

それに、米国からかなり厳しい対中国冷戦を挑まれています。これは、どう考えても、中国に勝ち目はありません。

米国は、民主化、政治と経済の分離、法治国家化などするつもりのない中国共産党に見切りをつけ、かつてのソ連に対してそうしたように、中国の経済がかなり弱体化するまで冷戦を継続します。

日本の親中派も、かつての米国のパンダハガー(親中派)のように中国に配慮しても無意味であることを理解すべきです。そうでないといずれ中共の道連れになるでしょう。

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2019年5月23日木曜日

欧州議会選挙 きょう投票 EUに懐疑的勢力の議席焦点―【私の論評】欧州議会選挙より、EU理事会の動きに注目せよ(゚д゚)!




EU=ヨーロッパ連合の加盟国から議員を選ぶヨーロッパ議会選挙の投票が23日に始まります。選挙の結果は、EUの今後の重要政策を左右するだけに、支持を伸ばしているEUに懐疑的な勢力が、どこまで議席を増やすかが焦点です。

ヨーロッパ議会選挙の投票は23日に、イギリスとオランダで始まり、26日まで加盟国ごとに行われます。

選挙は5年に1度行われ、28の加盟国から合わせて751人の議員が選ばれます。

イギリスは、選挙までに離脱の手続きを終えることができず、参加することになりました。

今回の選挙は、EUが進めてきた統合の是非を域内およそ4億人の有権者に問う大きな節目となります。

ヨーロッパ議会は現在、EUの統合を支持する政党でつくる中道の2つの会派が401議席と、過半数を維持しているためEUは安定して政策を進めてきました。

しかし大手メディア「ポリティコ」の最新の世論調査によりますと、今回は315議席と、過半数に届かない見通しです。

一方、国の主権の回復などを目指すイタリアの右派やフランスの極右政党などEUに懐疑的な勢力は、各国で支持を伸ばしていて、最新の世論調査によりますと合わせて254議席と全議席の3分の1を獲得する勢いです。

こうした勢力が、EUの政策決定に大きな役割を担う議会で大幅に議席を伸ばせば、貿易や移民・難民をめぐる重要な政策などが停滞する可能性があるだけに、どこまで議席を増やすかが焦点です。

【私の論評】欧州議会選挙より、EU理事会の動きに注目せよ(゚д゚)!

EU加盟国では、移民排斥や国民主義を謳う極右政党が議席を増やしています。ドイツのための選択肢(独)、国民連合(仏)、同盟(伊)、国民党(デンマーク)、民主党(スウェーデン)など、その勢いは熱病のようにEU全域に広がっています。彼らは必ずしもEUからの離脱を目指しているわけではないですが、EUの現行制度に対する懐疑的な勢力として、各国で政権の座を争うまでに成長しています。

EU懐疑派が躍進している最大の理由は、2015年以降に急増した中東・アフリカからの難民問題です。100万人を越える難民が欧州に押し寄せ、治安の悪化や財政負担の増大が目立ち、人々の不満が爆発しました。加えて、債務危機の発生以降、EU各国で緊縮財政が続いていることも、人々の閉塞感につながっています。

そうした中、5年に一度の欧州議会選挙が5月23~26日に行われるのです。前回の選挙では極右・極左政党が議席を伸ばして衝撃を与えましたが、今回は前回をさらに上回る得票が見込まれており、結果次第ではEUの政治システムが大きく揺さぶられる事態も想定されます。

フランス、ストラスブールの欧州議会

EUの立法制度は、欧州議会、EU理事会、欧州委員会の3つの機関が重要な役割を果たしています。日本に例えるならば、それぞれ衆議院、参議院、内閣といったところでしょうか。

衆議院に当る欧州議会の議員は、EU圏5億人の市民から直接普通選挙によって選出される(定数751名)。議会では政治会派が結成されており、これまでは中道右派「欧州人民党(EPP)」と中道左派「社会民主進歩同盟(S&D)」の2大勢力が議席の過半数を握って、安定的に議会運営を行ってきました。

ところが最新の世論調査によれば、EU懐疑派が議席を伸ばすと予想されていて、EPPは最大会派を維持するものの、S&Dと合わせても過半数には届かない見通しです。そうなれば欧州議会の運営が滞り、ユーロの不安定化につながるのではないかと、つい先読みしたくなります。

しかし実際には、仮にEU懐疑派がEPPを凌ぐ最大勢力になったとしても、過半数に届かないのであれば混乱は限定的と思われます。まず、小数与党の立場になった彼らは、過半数を取るために他の会派と連立協議を行う必要があります。ところが、彼らは既成政党と激しく対立しており、議会内で孤立する可能性が高いです。

また、反EUを掲げて選出された議員と言えども主義主張は様々で、彼らが一枚岩になれる保証もないです。そう考えると、結果的に既成政党が大連立を組んで過半数を確保し、EU懐疑派が最大野党として対峙するシナリオが有力になります。

確かに、EU懐疑派の躍進は議会運営を複雑にするでしょう。しかし、彼らが野党に甘んじる限り、議会運営が直ちに停滞するわけではないです。

一方、参議院に相当するEU理事会は、加盟国の閣僚から構成されています。当然ながら政権が代わる度に閣僚も入れ替わるので、各国で行われる1つ1つの総選挙が理事会メンバーの改選時期ということになります。

ブリュッセルにあるEU理事会

今年はエストニア、フィンランド(ここまで実施済み)、スペイン、ベルギー、デンマーク、ポルトガル、ギリシャ、ポーランドで総選挙が行われます。EU懐疑派の目覚しい躍進を考えると、これらの国の中から新たな反EU政権が誕生する可能性は十分にあるでしょう。

私は、理事会メンバーに反EU派が増える方が、ユーロにとってリスクが高いと考えています。理事会は3つの機関の中で権限が最も大きく、内部分裂を起した場合、EUの求心力低下を招きかねないからです。

どれだけ反EU派が増えると、EU理事会は内部分裂してしまうのでしょうか。その警戒ラインを考える上で、理事会の意思決定プロセスが参考になります。

EU理事会では一部の重要案件を除き、ほとんどの案件が「特定多数決」という方式で決議されまか。これはリスボン条約で定められた方式で、28加盟国の55%に相当する16ヵ国以上が賛成し(加盟国基準)、かつ賛成国の人口の合計がEU全体の65%以上である(人口基準)、という2つの要件を満たす必要があります。

幸い、反EU政権と既に目されているイタリア、ギリシャ、デンマークの3ヵ国が反対に回ったとしても、現時点では加盟国基準で25ヵ国、人口基準で86.4%となり、特定多数決の要件を満たしています。しかし仮に、これから総選挙が行われる6ヵ国全てで反EU政権が誕生すると、人口基準が64.2%まで低下し、特定多数決の要件を満たさなくなります。

ただし、一般的な市民の極右政党に対する不信感や嫌悪感は根強く、理事会で決議できなくなるほど反EU政権が急拡大すると考えるのは、現実的ではないです。したがって、加盟国基準か人口基準のいずれかが未達にならない限り、ユーロ崩壊といった過度な悲観論は封印すべきものと思います。

反EU勢力の拡大や英国のEU離脱問題など、今のEUはいくつもの難題を抱えています。このようなときこそ、域内1位と2位の大国であるドイツとフランスの安定が何より重要なのですが、この両国も苦境に立たされています。

ドイツでは与党のキリスト教民主同盟(CDU)が昨年の州議会選挙で歴史的な大敗を喫し、メルケル首相は2021年までに首相職を辞すると発表しました。フランスではマクロン大統領の政策に抗議する「黄色いベスト運動」が、いまだ収束の兆しを見せていません。

メルケル首相

こうした状況で各国の不満を和らげるには、欧州中央銀行(ECB)の金融政策に頼らざるを得ないです。これは欧州債務危機のときに何度も繰り返された光景で、今回もドラギ総裁は年内の利上げを見送る考えを示し、新たな資金供給制度(TLTRO3)の導入も決定しました。

そのドラギ総裁も今年10月で任期満了を迎えます。今後のEU懐疑派の台頭によっては、ドラギマジックが消えた後の欧州が、再び市場のチャレンジを受ける展開を覚悟しなければないでしょう。

いずれにせよ、当面EUの動きは余程のことがない限り、欧州議会選挙よりも、EU理事会の動きに注目すべきでしょう。

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2013年9月15日日曜日

菅直人氏 台湾で原発について語り注目・歓迎される―【私の論評】菅総理を招いた台湾の市民団体とは、もちろんプロ市民団体!この馬鹿の勘違い人生はまだまだ続く(゚д゚)!ドラッカーのコミュニケーションの有り様を示す格好の事例か?

菅直人氏 台湾で原発について語り注目・歓迎される

台湾を訪れた菅直人元首相

菅直人元首相が15日、訪問先の台湾から帰国した。菅氏は台湾の原発反対グループの招きで台湾を訪れ、福島原発事故や、再生可能エネルギーについて語ることを宣言していた。

菅氏は15日に更新したブログで台湾における原発の関心レベルについて言及。「台湾では福島原発事故について話をするために訪問した私の言動について、連日新聞やテレビが大きく報道してくれた」とのことで、菅氏への注目度は高かったようであり、歓迎されたようだ。

この背景には、台湾で原発反対の世論が盛り上がっていることもあるという。台湾ではこの半年以上、反原発の集会が毎週行われており、中心は映画監督、作家、俳優など幅広い文化人だという。

菅氏が13日の集会でスピーチを行ったところ、大きな拍手を受け、テレビや新聞などのメディアから報じられたようだ。菅氏は参加している人気俳優に「仕事を干されることはないか」と聞いたところ、「それはない」と言われたようだ。これを受け、「日本より民主的で自由な社会の雰囲気を感じた」と感想を述べている。

【私の論評】菅総理を招いた台湾の市民団体とは、もちろんプロ市民団体!この馬鹿の勘違い人生はまだまだ続く(゚д゚)!ドラッカーのコミュニケーションの有り様を示す格好の事例か?

菅元首相が台湾を訪れたそうですが、この人の勘違い人生も相当なものです。もともと、菅さんのせいで、福島原発の惨劇が大きくなったということではありませんでしたか?なんで、わざわざ、官邸をあけて、福島までヘリコプターで乗り込む必要があったのでしょうか?これに関しては、あの枝野ですら、現地視察をやめるべきだということを進言していたことがわかっています。


余計なことをしたので、現地での対応が遅れてしまったということは否めません。

日本では、なぜか報道されませんが、台湾で菅さんを招いた市民団体とは、無論プロ市民団体です。それも、左翼系です。

こうした動きに対しては、当然台湾でも大反対の動きもありました。これに関しては、なぜかほとんどのメディアが無視です。まあ、そもそも、もと総理大臣とはいえ、今民主党の一国会議員にすぎないですし、それも、主流派ではなく亜流の政治家です。だから、報道しないのでしょうが、それだったら、最初からこんなものの台湾訪問など、報道すべきではありません。

しかし、以下のような反対運動の写真もあります。


台湾だって、メディアがありますし、それにインターネットもみることができます。それに、台湾では日本語が読める人もかなりいます。菅の原発事故での不手際も知っている人は大勢います。


菅は、日本では、メデイアがほとんど報道しないですし、台湾の報道はみないでしょうから、歓迎されていると思いこんでいるのです。菅さんは、総理大臣だったときに、政権の末期でも、現地に行くと、歓迎されたので、民主党も自分の政権も、まだまんざらではないと思い込んでいたようです。

以前コミュニケーションについて、このブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。
消費税増税に7割が賛成 結論見え見えの有識者会議の意味 - 高橋洋一の俗論を撃つ!―【私の論評】確かに、これだけ増税賛成派ばかりだと作為的である。最終的には安倍総理はこれを吹き飛ばし、官僚を震撼させ覚醒のための大ショックを与え政治主導を勝ち取る腹か?
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ドラッカーはコミュニケーションについて以下のように語っています。
人の心は期待していないものを知覚することに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗する。コミュニケーションの発する側が、何かを話したとしても、受け取る側は、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取ってしまう。  
菅さん、まさにドラッカの言っているように、「期待していないものを近くすることに抵抗し、期待しているものを知覚できないことに抵抗」しているのだと思います。 そうして、コミュニケーションの発する側が、何か話したとしても、菅さんは、自らの既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受け取っているだと思います。

ようするに、いくら批判されても、自分の既知の枠組みの中にあてはめて受取、既知のものとして受け取っているのです。要するに、批判は一切受け取れず、自分の都合の良いように解釈をしてしまうとうことです。

上の菅さんの事例は、ドラッカーのいう「人は期待するものしか受け取らない」というコミュニケーションの最大の障害を如実に示す格好のケース・スタディーではないかと思います。

ドラッカーは、こういうときには、相手の期待を木っ端微塵に打ち砕く、覚醒のためのショックが必要としています。要する、「叱る」ということです。

しかし、叱って言うことを聴かせることも、あらがじめある前提をクリアしておかないと不可能だとしています。

それは、何かといえば、「経験の共有」です。これをクリアしておかないと、コミュニケーションは成立しないのです。しかし、菅さんや、民主党の幹部などと「経験の共有」をするというのは本当に難しいことです。大学で学生運動をやってみたり、「プロ市民」をやったり、プロ市民のデモにでも参加すれば、「経験の共有」ができるかもしれません。

しかし、そんなことはやりたくないです。であれば、もともとコミュニケーションなど成り立たないのかもしれません。

ドラッカーは、コミュニケーションの本質をコミニケーションとは私からあなたへ一方的伝えるものではないし、あなたから私へと一方的に伝わるものでもないとしています。

そうして、「コミュニケーションとは私たちの中の一人から、私たちの中のもう一人に伝わるもの」としています。このためには、普段からコミュニケーションをかわさなければならない人々と、「経験の共有」をしておかなければならないとしています。

そうなると、民衆党の人々とはなかなか「経験の共有」などできませんから、結局本当の意味でのコミュニケーションはなりたたないということです。

そうでしょうね。これに関しては、民主党のほうから、他の人たちに歩み寄る必要があるのだと思います。そうしなければ、彼らいつまでも多くの人々のコミュニケーションを交わすことができないということです。それに彼らは気づいてません。菅さんも全く気づいていません。

これは、民主党に限らず、最近では、いわゆる増税派の人々のも同じことなのだと思います。彼らが、気付くのは、増税が見送られ、景気が良くなり、本当にデフレから脱却できたときだと思います。そうなれば、増税の間違いが誰にでも理解できるようになります。

しかし、増税派にもそういうまともな人も少数かもしれません。やはり、なんだかんだと理由をつけて、自ら既知の枠組みの中に、あてはめて受取り、既知のものとして受けって、いつまでたっても、増税見送り派とコミュニケーションをまともに交わすことはできないのだと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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上の三冊は、有害図書です。良い子は買って読んではいけません。

2012年3月20日火曜日

増税撲滅 小沢新党の準備は整った!【私の論評】何がなんでも増税まっしぐらの現状では、注目すべき動きか?

増税撲滅 小沢新党の準備は整った!


<小沢版「船中八策」を発表>

いつでも新党を旗揚げする準備が整った。
15日、民主党の小沢一郎元代表が会長を務める「新しい政策研究会(新政研)」が独自のホームページを立ち上げた。
「国民の生活が第一。」――。
政権交代時のキャッチフレーズを前面に出しているが、「民主党」の文字やマークはどこにも見当たらない。まるで「小沢新党」のHPを見ているようなのだ。
「せっかく政権交代したのに、国民生活のニーズに応えた政権ができていない。このまま政治や国民生活が混乱に陥るのを無為に傍観しているわけにはいきません」と、新政研の幹部議員はこう続けた。

<野田が強引に進めれば総メンバー138人が動き出す>

「『国民の生活が第一』という理念を柱に据えて、政権を構築し直す必要がある。仮に増税選挙のような強引な事態になった時には、われわれが独自に動くことになるかもしれない。そうした事態に備え、よりよい国民生活を実現するために努力していく。そのためにさまざまな提言をまとめる目的で、実動体制を整えた。いつ政権を担ってもいいように、個々の議員が勉強を深めるという意味もあります」
HPでは、新政研としての政策ビジョンを発表。8つのテーマを掲げている。「小沢版・船中八策」の様相である。大阪の橋下市長の大風呂敷と違い、喫緊の課題や国民の関心が高いテーマに絞っているのが特徴だ。

(1)福島原発対応
(2)国の統治
(3)安全保障を含む危機管理
(4)立法府のあり方
(5)年金
(6)税制
(7)非正規雇用
(8)景気対策

テーマに合わせて、政策勉強会も立ち上げた。今週は「司法勉強会」が2回開かれ、石川知裕議員の秘書が検察のメチャクチャな取り調べの実態を証言したり、最高裁の担当者を呼んで検察審査会の問題点についての質疑が行われた。今後、この政策勉強会は「分科会」という名称になる。すでに8部門の座長も決定。メンバー登録も済んでいる。

「8部門もの分科会を擁するとなると、これはもう、ひとつの政党組織です。新政研は、既存の政党の垣根を越え、志を持った人間が集まって、この国をしっかり立て直していこうというグループ。今の民主党執行部は政権交代の理念を葬り、『歌を忘れたカナリア』になってしまった。政権交代時に国民の熱狂的な支持を集めた民主党が、今では新政研に衣替えしたということです。これは、新党への布石と見て間違いない。それを初めて内外に明確にアピールしたのが、今回のHPなのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

現在、新政研の総メンバーは138人。これは野田政権にとって脅威だ。増税反対派が新党に移行すれば、すぐに一大政党が誕生する環境が整っている。こんな状況で、野田は増税法案を強引に提出できるのか?

(日刊ゲンダイ2012年3月16日掲載)

【私の論評】何がなんでも増税まっしぐらの現状では、注目すべき動きか?

はじめに、お断りしておきますが、私は決して小沢氏待望論者ではないのですが、現在の政局を考えると、民主党も、自民党も主流派は、どちらも増税推進派ですから、やはり、小沢氏の動きには、注目せざるをえません。自民党西田参議院議員などは、民主党と、自民党では、同じ増税とはいっても、全く異なるとしています。(下動画)


とはいいながも、西田議員と、自民党総裁や執行部などの主流派との考えは、同じものではないと思います。現在のデフレの時期を無視した増税ということには、民主、自民ともに変わりないと思います。それに、上の記事と同日に日刊ゲンダイに以下のような記事も掲載されていました。

結局「児童手当」復活のバカらしさ

アホみたいな意地の張り合いが、ようやく終わった。民主党と自公両党の間でモメ続けた「子ども手当」に代わる新手当の名称問題が15日、決着した。昨年8月の見直し合意から7カ月に及んだ議論の末に出た結論は、かつての「児童手当」に逆戻り……。いい大人が集まって何を話し合ってきたのかと言いたくもなる。

子ども手当は言うまでもなく、民主党マニフェストの看板政策だ。民主党は「公約破り」の批判を恐れ、今年1月に新手当の名称は「子どものための手当」にすると主張した。略称を「子ども手当」とすることでゴマカし、メンツを保とうとしたのだ。

自公両党は「子ども」という名称が残れば、制度の「継続」を印象付けるとして、猛反発。児童手当の名称復活に固執し、3党の実務者協議は物別れに終わった。

「現行の子ども手当法は、今月末までの時限立法。自公政権時代の児童手当に上乗せする形で支給しており、このままだと、法律上は旧来の児童手当が復活してしまう。それだけは避けようと、民主党は『子ども』の名称を取り下げることで自公両党に譲歩。今月から3党協議を再開させたのです」(民主党関係者)

民主党は6日に「児童成育手当」、8日に「児童のための手当」と新名称を提示。土壇場まで「児童手当」の名称に抵抗したが、公明党が強く拒絶。結局、公明党が郵政見直し法案の賛成に回ったことにも配慮し、全面降伏した格好だ。

「そもそも児童手当は公明党が1968年、他党に先駆けて国会に法案を提出したもの。この名称にこだわるのも、やはり党のメンツの問題なのです」(政界関係者)

はっきり言って党のメンツも新手当の名称も国民にすれば、どうでもいい話。中身が肝心なのだが、子ども手当導入で廃止された「年少扶養控除」の復活論議は、これからだ。国民そっちのけで何をやっているのか。


こんな記事を読んでしまうと、結局、民主党も自公とも、増税問題を「子ども手当」と同次元で、単なる政局の一ツールとして、利用しているに過ぎないのではないかと思ってしまいます。結局現状の経済や、国民のことなどは、どうでも良く、目先で、その時々で政局で有利なるように、そうして、各々の議員は、次の選挙で、また議員になれるように、立ち回っているだけに見えてきます。

そうして、それは、ズバリ真実なのだと思います。西田議員の語っていることは、このような中にあって、自民党は、民主党などと比較的すると少しはましだということを語っているに過ぎないのだと思います。

このブログでは、デフレのさなかに増税することは全くの誤りであることを何回も掲載してきました。だから、そのことに関してさらに、詳細をここで掲載するつもりはありません。しかし、先日ひさしぶりに、テレビでWBSを見ていたら、あのフェルドマン氏が、「増税すれば、税収が増えるという幼稚な頭では、どうしようもありません」と語っていました。


私自身は、フェルドマン氏は、もともと金融業界の人であり、金融界のことや、百歩譲って金融経済のことには、詳しくても、日本のマクロ経済のことなどほとんどわかっていないし、実体経済や、日本社会のことについては、ほとんど知らないと思っているので、彼の言っていることを単純に信じたり、参考にするということはほとんどしません。


しかし、今回だけは、まさに語っていることが正しいと納得しました。特に、「幼稚」という形容詞に関して、納得しました。本当に、古今東西デフレのさなかに増税して、その後に、それ以前よりも、税収が上回ったことはありません。増税は、インフレを沈静化するということはあっても、デフレを沈静化するどころか、さらに、デフレスパイラルの深みにはまることになり、物価が安くなり、雇用が悪化し、その結果として、税収も少なくなるという結果を招くだけです。


そのなことは、当たり前の史実であり、日本では、昭和恐慌時にデフレでしたが、そのときに増税してもますます、デフレスパイラルの深みにはまりましたし、橋本龍太郎内閣のときの消費税増税でも税収は増えていません。こんな簡単な歴史的事実も踏まえずに、論議をしたり、まともなシミレーションもせずに、単なる政局の道具にしている政治家達をフェルドマン氏は、「幼稚な頭」としているのです。


私は、このようなデフレのさなかにあっては、マクロ経済学の教科書が教えるように、政府が積極財政を行い、日銀は金融緩和をすべきと思います。そうして、税収が増えれば、かなりのことができます。デフレを前提として、社会保障その他の問題などの解決策など考えるべきではありません。このようなときに、それをやれば、あっちを立てれば、こっちが立たずというモグラたたきになるだけです。実際、現在の政府はそのようなことになっていますし、これからもそうなります。こういうと、増税賛成派の方々は、決まって、だからといって、すべてできるというものではないなどと言います。しかし、それは、当然のことです。私も、まともなマクロ経済対策をやったからといって、すべてがバラ色になるとは、最初からいうつもりはありません。かつて、民主党が言ったように、「政権交代すれば、すべてが薔薇色」になるようなことなど、言えるわけがありません。


しかし、マクロ経済対策を行って、景気が浮揚すれば、すべてができないまでも、現在懸案となっている、復興、雇用、社会保障に関することがらで、全部で10実施すべきことがあったとすれば、5から6は十分できます。しかし、現状のまま、デフレを克服しないうちに、増税してしまえば、何もできません。しかし、現実には、過去のブログにも掲載したように、日銀も1%のインフレ目処などを打ち出すのみで、実効的な金融緩和策などうちだしませんし、政府も増税という、緊縮財政策を打ち出すのみです。

こんなさなかに、小沢氏は、増税にまっこうから反対しています。小沢氏が、本当に歴史的事実を踏まえたり、あるいは、正しいシミレーションなどしてから、このようなことを言っているかどうかは、わかりません。小沢氏も単に、政局のツールにしているだけかもしれません。しかし、現在の政局においては、反増税の最大グループであることには違いありません。亀井さんも、反対の立場なのですが、あまりに影響力が少なすぎです。亀井さんは、理屈はわかっているようであり「右のポッケも左のポッケもお金が入っていれば一緒」、「財政破綻はフィクションだ」などと語ったこともあり、おそらく、マクロ経済学を理解している人には何となく理解できるのでしょうが、そうではない人にとっては、説得力に欠けます。

私は、現状を考えると、小沢氏が政局の台風の目となって、小沢新党や小沢新党といくつかの党の連立によって、新政権をつくるなどというところまでは、期待しているわけではありませんが、それにしても、小沢氏によって、反増税が政局主導の切り札になるように現在の政局を変えていっていだだけたらと、祈るのみです。もう馬鹿げたことで、日本経済や、社会を無意味に弱らせることは、終わりにしていただきたいです。

 

 

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