上は、TBSの「アッコにおまかせ」で「初音ミク」というDTMソフトを紹介する内容の動画。この報道の仕方をめぐって、ブログの世界では批判が集中しているという。
年金問題や相撲などの問題とは異なり、今回の
初音ミクの件は、世の中的にほとんど騒ぎになっていないようにみえます。これは、「
アッコに おまかせ」の取り上げ方が、世の中の多くの人々とそれほどズレてはいなかったからだと思います。地上波テレビは視聴率至上主義で常に視聴者が求めているものに迎合します。テレビは数字が取れないことはやりません。
私はこの番組を直接見ましたが、ごく普通の番組でした。制作側が用意した原稿を読むようにとか、コスプレ衣装を着るように強要されたと言 うなら話は別てすが、そうではないようです。私が見た限りでは、制作側に特に悪意があったとは思えません。ところがブログの世界では過激な批判が後を絶ちません。Yahooのブログ検索をみていても、かなりの量がアップロードされています。さらに、いくつかの検索サイトで画像検索をするとなぜか「初音ミク」の画像が検索できないなどの珍事も起っているようです。
いわゆるテレビ関係者とテレビ関係者が迎合する一般の人は、ブログ上での今回の番組に対する批判の大きさの理由がほとんど理解できないのだと思います。
テレビ局や世間的には「初音ミ ク=オタク」というステレオタイプ式が存在します。ところが初音ミクユーザー側もしくは、
DTMユーザーからすると初音ミクは、先進的なDTMであり、先進的なDTMとオタクとの相関関係など問題外であると考えていて、初音ミクとオタクを関連づけて見る見方には納得がいかないのだと思います。実際初音ミクは先進的なDTMであり、革新的であり、今後の音楽の常識を根底から覆すほどの可能性を秘めています。テレビ関係者も、テレビ局が迎合する一般の人もこのことが理解できないのでしょう。
テレビ制作者側や製作者が迎合する一般の人々が問題ないと思っていたとしても、特定の受け手側がそう思わないケースも数多くあります。時にマスコミの暴力と呼 ばれ、その程度の判断能力もないのかとさらに批判にさらされます。それに対して従来は受け手側はたい した武器も持っていませんでした。ところがブログを手にしたことで視聴者側も、発信することが可能となりました。とくに今回批判をしている人たちはITを駆使できる能力を持った人たちです。
いかなる番組を制作して提供したとしても、受け手側にはさまざまな意見や考え方があります。テレビ局が発言の場を用意しなくて 現在ではブログがあり、あちらこちらでこれまで無視してきたような小さな批判が、いつのまにか大きなうねりとなって押し寄せてくるようになっています。「テレビ関係者および、テレビ関係者が迎合する一般人」という、考えはもう成立しなくなってきています。かつての安保闘争の時に当時の岸総理大臣が「声なき人の声」ということを言っていましたが、現代では「声なき人の声」が「大きな声」になる可能性が高まってきているのです。
「アッコにおまかせ」の司会者である和田アキ子さんは「はっきり言わせていただく、分かりません」という言葉でコーナーを締めくくっています。テレビ関係者と和田アキ子さんは本当によく分かっていないのだと思います。
ここで「分からない」と言っているのは初音ミクのDTMソフトウエアとしての先進性、オタク文化に関してだけではありません。受け手としての視聴者がどんどん変わり始めているということが全く分かっていないということだと思います。
以上「NIKKEI NET IT PLUS」参照。ただし、自分と意見があわないところもあるため、大幅に書き換えてあります。
いわゆる沢尻エリカ問題についても、和田アキ子さんは、「しめてやる」などと発言して、ブログ界で波紋を呼んでいました。私は、この番組の前に、細木数子さんが和田アキ子さんに対して「あなたは、後輩を育成しようとしているが、できないでいる。後輩の育成がキチンとできるようになればあなた運気は大きく開ける」ということをアドバイスしていたのを覚えています。和田アキ子さんの「沢尻エリカ」に対する反応をみているとこのアドバイス、的を得ていると思いました。しかし、このときは、批判ではなく波紋だけで済んでいました。これは、多くのブロガー達が日本のテレビ界、あるいは芸能界が世界の中でも特異な状況にあるという事実を認識していないため、批判のレベルにまで達しえなかったのだと思います。
私は以前ブログに「沢尻エリカは悪くない」という記事を掲載しました。これには、日本のマスコミや、テレビ界の特殊性は述べていませんが、日本の芸能界の特殊性をグローバルな視点から海外との比較で述べました。あの中で私が述べた「一般の人にオピニオンリーダー的なことを言う芸能人」の急先鋒が和田アキ子さんだと思います。ネットが世界中とつながっているという事実を考えると、こうした視点からものごとを捉えるブロガーも増えてくるものと思います。
テレビ関係者も芸能人も、こうした視聴者の変化を察知して自らを変えていかなければ、いずれ世の中から取残されていくと思います。また、この事実を無視してマーケティングを行い、テレビCMを作成する企業の将来も同様になると思います。