2010年6月22日火曜日

<公務員退職管理>「現役の天下り」を容認 改革に逆行―空想科学小説なみの幼稚な考えでは政治主導など実現できない!!

<公務員退職管理>「現役の天下り」を容認 改革に逆行(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

ある天下りの実体を示す図

政府が策定中の国家公務員の出向や再就職の指針などを盛り込んだ「国家公務員退職管理基本方針」の全容が21日、明らかになった。近く閣議決定する。毎日新聞が入手した原案によると、官庁人事の停滞回避や、公共部門での知見の活用を根拠に、独立行政法人などに公務員が出向する「現役の天下り」を容認。次官や局長レースに敗れた高級幹部の受け皿として上級の「専門スタッフ職」を新設するなど公務員に手厚い内容となっている。

政府関係者は「公務員に定年まで能力を発揮してもらうため」と説明。退職後の官僚OBが特殊法人や独法などに天下りを重ねる「渡り」などとは違う点を強調する。

しかし、民主党は昨夏の衆院選マニフェスト(政権公約)などで官僚の天下り根絶など公務員制度改革をアピール。官僚OBの天下りに加え、各省庁の既得権の温存などにつながりかねない現役官僚の政府系機関への出向なども厳しく制限する方針を示してきた。それだけに、従来の改革姿勢に逆行するような菅政権の「基本方針」に批判も出そうだ。

上のようなこともありますが、さらに、国家公務員が天下りせず、65歳の定年まで勤務するようになると、2025年度の総人件費は今より最大2割増加することが今年の2月22日の段階で、総務省の試算で判っています。 

民主党は衆院選の政権公約(マニフェスト)で、国家公務員が定年まで働ける環境を作り、天下りのあっせんを全面的に禁止する一方、総人件費を2割削減することを掲げており、矛盾が改めて浮き彫りになりました。

試算は、みんなの党の柿沢未途衆院議員の要請に対し、総務省が回答しました。 

それによると、一般職の国家公務員(約30万人)では07年度の退職者は1万2567人いましたが、そのうち3222人が勧奨退職者で、平均退職年齢は56・7歳でした。 

試算は、年金支給開始年齢の引き上げに伴い、定年を段階的に65歳まで延長した場合を想定し、 
〈1〉退職勧奨は行わない 
〈2〉新規採用の抑制は行わない 
〈3〉61歳以降の昇給は行わない 
――の3条件を適用して行いました。 
その結果、公務員数は25年度には4万9000人(16%)増え、総人件費は4000億円強(約20%)増加するという結果になりました。 

政府は「天下りの根絶」を訴え、天下りの背景にある、50歳代で肩たたきを受ける「早期勧奨退職」を廃止する方針を打ち出しています。一方、マニフェストでは総人件費を2割削減すると明記しています。早期勧奨退職を廃止しながら総人件費を削減するためには、給与水準か新規採用数を抑制する必要がありますが、いずれも実施は困難視されています。

空想科学小説なみの考えでは政治主導など実現できない!!
官僚が昔から、幅を利かせていて、事実上の支配階層になっているのは、日本だけではありません。EUだってそうです。多くの国で、官僚が実効的支配権を握っています。そうでないのは、公用語が英語圏のアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド などの限られた数少ない国だけです。

では、これら英語圏の国では、どうやって政治主導を実現しているのか、はっきり認識しておく必要があります。

政治主導を確保している国と日本との差異は、平たくいうと有能なシンクタンクがあるかないかの違いです。政治主導のできる国では、各政党とシンクタンクが不可分に結びついています。こうしたシンクタンクでは、無論官僚などの力をかりなくても、いや、官僚などよりももっと素晴らしい大規模な政策決定や、法律の設定案を作成することができます。

それと、シンクタンクは、その他にも重要な役割をになっています。たとえば、二大政党制下にあって、政権交代がおこったときに、日本と違って、政治家だけではなく、高級官僚なども大きく変るのですが、政権の座からおりた政党の政治家や、高級官僚などがシンクタンクに勤めるなどのことができます。だから、野党のときには、シンクタンクで仕事をしつつ、シャドーキャビネットを形成するなどのことができます。

だから、こそ、政治主導ができるのです。日本にもいろいろ、シンクタンクはありますが、政治にからむような、大規模な政策決定、法律案などの設定案をできるようなところは残念ながらありません。

ちなみに、自民党系のシンクタンクとしては、「シンクタンク2005」があります。

研究プロジェクトとしては、以下のようなものがあります。

【完了】

【継続中】

  • 政策コミュニケーション活動

継続中のものが、政策コミュニケーション活動しかありません。では、政策コミュニケーションとはどのようなものかと調べてみると、以下のようなものでした。
 ▼金曜研究会
 ▼出版
 ▼意見交換会 開催
 ▼交流会 主催



結局は、研究活動などしていないということです。これだけだと私のいわんとするところが、お分かりにならない方も、いらっしゃると思いますので。かつて、私が勤務していた経営コンサルタント会社の事業にたとえてみます。


いわゆる、まともな経営コンサルタント会社であれば、いろいろな国や地方自治体から依頼される、報告書などを出したり、いろいろな企業に対して直接指導したりします。たとえば、私が勤務していた会社では、ニトリ家具などでの指導の場合などは、具体的に新規店舗のオーブンなどの指導をしていました。具体的な商品のレイアウトなど、指導していました。

現在のニトリ家具では、生活シーンにあわせて、商品をディスプレイをするのがあたりまえになっていますが、これを最初に指導したのは、私が勤務していた会社です。そうして、新規店舗の業績を予算以上のものとしました。その他、北海道の企業の指導などを行って入ました。そうして、これらが、収入の大部分を占めていました。

しかし、二三流のコンサルタント会社の場合は、主な収入源が、企業の新人・幹部研修、接遇訓練などで、本格的な指導などできません。それプラス、たまに、シンポジュウムを開催したり、パネルディスカッションをしたり、アンケート調査などするというのが主な収入源です。

自民党のシンクタンクも同じようなものです。結局、大規模な政策決定案、法律改定案など作成できず、パネルディスカッション、シンポジュウムくらいしかできないというのが実情です。設立されたのが、2005年ということで、まだ新しいですから、仕方ないといえば仕方ないです。人材もロクに揃ってい無いのだと思います。だからこそ、政治主導もできず、結局は官僚主導になっていたのです。

さて、では、民主党はどうなのかといえば、「公共政策プラットフォーム Platon」というシンクタンクがあるにはあります。

ちなみに、活動の中身としては、

藤井裕久プラトン理事の講演のご報告
2006年03月06日 12:59 | 活動報告
設立記念シンポジウムの開催報告
2006年01月27日 10:43 | 資料集 | 活動報告 | シンポジウム
シンポジウム
プラトン『新しい年金制度のあり方 ~現行制度のサステナビリティと新しい制度の可能性~』開催報告
2007年12月28日 18:44 | 新着情報 | シンポジウム
プラトン『新しい年金制度のあり方 ~現行制度のサステナビリティと新しい制度の可能性~』開催のお知らせ(2007年12月 5日)

2007年11月26日 15:30 | 新着情報 | シンポジウム
プラトン設立一周年記念シンポジウムの開催報告
2007年06月03日 20:00 | 資料集 | 新着情報 | シンポジウム
プラトン設立一周年記念シンポジウムについて新聞で紹介されました
2006年12月20日 09:00 | 新着情報 | シンポジウム
プラトン『設立一周年記念シンポジウム』開催のお知らせ
2006年11月24日 16:00 | 新着情報 | シンポジウム
設立記念シンポジウムの開催報告
2006年01月27日 10:43 | 資料集 | 活動報告 | シンポジウム

こちらも、ほとんど機能していないというのが実情のようです。

両党のシンクタンクとも、政策決定案、法律案など設定しておらず、活動らしい活動は何もしていないということです。これでは、両党とも、政治主導などといっても無理です。やはり、シンクタンクなど設立しても、まずは人材を揃えること、人材を揃えても、それらを教育・訓練して、十分政策、法律案など設定できるようにするには、膨大な経費と、時間を要します。

民主党は、政治主導などといっておきながら、結局そのための準備など何もしていなかったということです。

日本では、残念ながら、いまのところ、まともな大規模な政策決定案や、法律案など当面作成できるのは、官僚組織しかないということです。シンクタンクに力を入れたとしても、その育成には時間がかかります。少なくとも、あと5年から10年くらいは、官僚の力を借りなければならないということです。

このようなことを書くと、皆さんは、そんなことは政治家自身がやればいいではないかということをおっしゃられるかもしれません。しかし、それはなかなか難しいことだと思います。政治家自身にやれということには、無理があります。だからこそ、政治主導が根づいているアメリカでも、有能なシンクタンクを設立しているわけです。

頭が良くて、政策案を立案できたからといって、立派な政治家になれるわけではありません。政治家には行動力が必要です。会社でいえば、シンクタンクは、企画部門のようなもので、政治家はいわゆる営業ではないかと思います。ただし、小さな事業会社の営業というわけではなく、ある程度大手の、営業の幹部というところの位置づけに近いと思います。

ある程度の規模以上の会社である程度の地位以上の地位まで就いたことのある方なら、お分かりになると思いますが、企画と営業は性質が全く異なるので、この仕事を一緒に行うことなどまず不可能です。企画をやってれば、日々の営業がおろそかになります。営業をやっていれば、長期にわたる計画などを含む企画などなかなかできません。やはり、両者は、それぞれが得意な別の人間が分業して実施した方が良いです。

だから、日本で、政治主導を確保しようとした場合、こうしたシンクタンクを時間をかけてつくるか、官僚組織そのものの制度設計をきちんと行い、政治主導ができる体制にするしかありません。

おそらく、日本では、後者のほうが手っ取り早いと思います。それに、日本の官僚についての仮説について、かの経営学のドラッカー氏が次にのように述べています。

1.官僚の優位性はほとんどあらゆる先進国で見られるとの仮説である。アメリカといくつかのあまり人口の多くない英語圏の国、すなわちオーストラリア、ニュージーランド、カナダのほうが例外である。日本の官僚の優位性は、他の先進国、特に他のフランスにくらべるならばまたまだ劣っている。

2.日本の官僚は、われわれが考えるよりもはるかに耐久性があるというものである。日本の官僚は、長年の不祥事と無能の暴露にもかかわらず権力を維持してきた。

3.先進国では、アメリカを別として、社会の維持にはエリートの指導力が必要されているというものである。後を継ぐものが現れない限り、既存の指導層に頼らざるを得ない。今日の日本には、官僚の後をつぐものは現れそうにない。

4.日本では、先送りが有効であるというものである。日本はこの40年間(現時点では50年間)、解決不能さされていた社会問題を、問題の解決ではなくむしろ先送りによって二度までも解決してきた。もちろん、今日の金融システムにおける構造上の脆弱さと資金的な余力を考えれば、今度ばかりは先送り戦略もうまくいかない。しかし経験的には、日本の先送り戦略には一概に不合理とはいえないものがある。

5.日本の政治家、官僚、経済界などの政策形成者にとっては、大事なのは経済よりも社会であって、先送りこそ合理的な戦略というものである。

特に、5.は重要ですね、これは、ドラッカー氏が亡くなられてから、5年くらいで、急速にこうした考えかたが、薄れつつあります。多くの政治家がアメリカの賭博師や、金融馬鹿の影響を受けて、社会のことなど忘れて、経済、経済とばかり、ぬかしています。

しかし、かといって菅政権のように、大きな政府による社会保障を拡充するという考えが良いというわけではありません。これについては、ドラッカー氏は、「政府による社会的救済」の幻想として、きっぱりと退けています。そんなことよりも、今世紀に入って、先進国および新興国の社会は、それまでとは異質な社会になったにも関わらず、20世紀の対応の仕方で対処していることに問題があるとしています。ドラッカー氏は、特にネクストソサエティーという著書の中で、20世紀は、組織の世紀だった、ありとあらゆる組織が興隆した、それと同じように今世紀はありとあらゆるNPO(非営利組織)の爆発的な興隆が先進国にとって重要になるとしています。NPOについては、ここでは本筋から離れますので、また別の機会に述べます。

この現実、民主党も素直に認めるべきです。官僚抜きの、政治主導など当面夢想に過ぎないわけですから、役人を活用しつつも、政治主導をするという形にもっていくべきです。役人に政策設定案をつくらせたにしても、複数の官僚グループにいくつかの代替案をつくらせて、そこから、どれが一番良いのかは、政治家が意思決定するようにして、役人同志を競わせるようにして、結果的に良い政策案を出して、成果をあげた官僚グループや、そのヘッドを重用するようにすれば、そうでない、グループやヘッドは冷遇するなど、しっかりとした制度設計をすれば、政治主導も十分可能です。

意思決定をしないものには、する立場にないものには主導権などないことをはっきりさせるべきです。主導権を握りたければ、政治の世界では官僚ではなく、政治家になるしかないことをはっきりさせるべきです。特に、人事に関しては、最終的には、政治家の意思決定によるものにすべきです。

役人は、エリート意識は強いですが、意外と意思決定などは得意ではありません。制度設計のみならず、かつて、田中角栄氏がそういわれたように、政治家、特に閣僚たるもの、「人たらし」になるべきです。多くの高級官僚をたらしこめるようになるべぎです。

かといって、私は、天下りが良いなどと言っているわけでもないし、民主党を擁護するつもりなどさらさらありません。それどころか、民主党が何も準備をしないで、政治主導などという夢想構想をぶちあげたことには、怒りさえ感じています。

他のことでは、野党だったので経験がないからといって、容赦できることもありますが、日本国解体法案などという、現在では、完全に世界の潮流に逆行するようなものを成立させようとか、政治主導に対する夢想家的、空想科学的考えしかもてなかった民主党は、最初から政権を担う資格はなかったのです。考えてみれば、日本国解体法案も空想科学小説的なものであるといわざるをえません。大方の国民は、日本国解体など望んでいません。夢想家集団に国政など任せておけません。

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2010年6月21日月曜日

iPhone 4の発売が遅れそうな原因判明! このままでは先の先まで入手困難かも...―世界の工場の終焉か?

iPhone 4の発売が遅れそうな原因判明! このままでは先の先まで入手困難かも...(この内容すでにご存じの方は、この項は読み飛ばしてください)

イギリスにて新品で購入したあるユーザのiPhone3G
保存されていた中国の生産ラインでの少女の写真

上は、2,年ほど前に有名になったiPhone3Gの中に入っていたとされる、中国の製造ラインの女の子。この少女が自殺したのではないだろうが、同じような年恰好の子も自殺したかもしれない。私たちが、気楽に使うiPhone労働者が大勢自殺したと思うと心が痛む。

世界的な品不足が続きそう...
日本でも早々と予約が締め切られ、本家の米国では予約しても7月半ばまでは手に入らないという空前のiPhone 4フィーバーが沸き起こっていますが、その一連の製造ラインともなっているFoxconnの工場で、まだ極秘情報ながらもトンでもない大計画が進行中であるとの事態が伝わってきてますよ。

従業員の謎の怪死が止まらないことで、ついに北京の中国政府からは特殊調査団が送り込まれ、そのお沙汰を待っているFoxconnなのですが、すでに経営トップは問題の中国広東省深センにある工場だけでなく、中国全土の80万人に上る製造ラインを一斉閉鎖し、完全に中国での生産から撤退する計画を打ち出しているようです。そう言えば、もうFoxconnの首脳陣は責任追及にブチ切れてしまってましたからね〜

どうやらまずはベトナムの製造ライン拡張と台湾でのロボット技術による製造ライン自動化で当座をしのぎつつ、早急にインドで新工場の建造を進めるとの話ですが、Foxconnが生産を請け負うiPod、iPhone、iPadなどの一連のアップル製品のみならず、デル、HP、ノキアといった大手メーカーが一斉に影響を受けそうな感じです。あと中国で大量解雇される従業員からも抗議の嵐が起きそうですよね。

破格の賃上げを約束することで、なんとか社員に募る不満を押さえつけた格好のFoxconnでしたが、その昇給がスタートする今秋までに中国から撤退し、もっと人件費の安い国へのシフトを強める目論見なんだとか。ボクらは安くで早く最新ガジェットを手に入れたいのだけど、なかなかこの問題の裏に潜む真相は複雑ですね...

iPhoneの中身のかなりの部分がリチュウムイオン電池



iPhoneでも、iPadでも、リチュウムイオン電池はかなりの体積を占めている。このようなガジェットには欠かせない部品だ。上記の大きな白いブロックがリチュウムイオン電池。


今年の1月から飛降り自殺9件

今年1月から、広東省深セン市の携帯電話メーカー「富士康公司」で従業員の飛降り自殺が多発していました。

中国メディアの報道によると、先月14日夜、同企業の男性従業員・梁さんが工場内のビルから墜落して死亡。現場には血が付着したナイフが発見され、遺体には4箇所の刺し傷がありました。同社の発表によると、梁さんは安徽省出身で、享年21歳。昨年11月に入社し、第一線で働く作業員でした。同社は今月11日にも、女性従業員の飛び降り自殺があったばかりです。

今年1月以来、同社では従業員による飛降り自殺が9件発生していました。重体となり病院で治療を受けている女性2人を除き、その他の自殺者は皆即死。自殺した9人のうち1人は27歳で、そのほかは17歳から22歳までの若者でした。

同社の広報担当者によると、自殺者は全員農村からの出稼ぎ労働者。勤続年数が最も長かったのは1年半で、最も短いのは20数日間。自殺の主な動機について、同社は恋愛や家庭内のトラブルとしている。また、同担当者は、工場敷地内で未遂に終わった自殺は20~30件に上ると話している。

同社で起きた従業員による連続自殺事件は、中国社会の注目を集めている。中国の精神医学や心理カウンセリングの専門家は、若者のストレス対応能力の弱さや、心の脆弱性などを指摘している。また、過酷な労働条件や、従業員に対する心のケアの不足などもあげられた。

世界の工場の終焉か?
さて、この状況どうみても、かなり異常です。中国では、インフレぎみだし、医者にかかるにも莫大な費用がかかるし、やはり、低賃金では生活苦に陥るのだと思います。数年前まで、世界最新型の電話の製造ということで従業員もそれなりに誇りもって働いていたのでしょう。

しかしながら、部品は他国から提供され、結局は組み立てだけを行うという方式では、従業員賃金は、安くせざるをえず、一方では、食糧費などの値上げで、低賃金では生活できないという状況だったのだと思います。

最近では、この工場のように自殺者が多量にでるというのは、珍しいケースですが、従業員のストライキなどかなり頻発しています。そうしたことから、賃金を数十%あげるようなところもでてきていました。

中国、もうそろそろ、このような単純な組み立て作業による「世界の工場」は出来ない状況になったのだと思います。今後、もっと付加価値の高いモノの製造や、企画力の必要とされる製品開発にシフトしていかなければ、もう、国の経済がもたないことでしょう。現代中国は、経済だけが突出し、社会のインフラなどは整っていません。現代中国の価値の共通尺度は、経済のみです。他の価値観などは、すべて隅に追いやられました。

だから、こそ、このような自殺さわぎが持ち上がるのだと思います。今後、この状況を放置しておけば、中国は間違いなく崩壊に向かうことでしょう。

鄧小平氏の、改革開放政策のコンセプトでもある、「富めるものから富め」という考えは、もうすでに随分前から、中国社会にとっては、逆機能しか果たさなくなりました。

世界銀行は先月、中国国内では1%の家庭が41.4%の富を所有しており、世界で最も貧富の格差が大きい国の一つであると発表しました。この大きな格差は、市場経済のメカニズムと逆行する資源の計画配分や、権力への牽制の欠如などによるものだと専門家らが指摘しています。

世界銀行が発表したデータによると、中国における富の集中は、米国の5%の人口に60%の富というデータよりもはるかに進んでいます。また、所得配分の不平等を測るジニ係数は昨年の時点で0.47に達しており、顕著な格差社会を示す警戒線の0.4を超えており、現在もその数値は上昇しています。

中国国営新華社傘下の経済誌「財経国家週刊」が8日に掲載した北京大学・夏業良教授の記事によると、中国の都市住民1人あたりの所得は農村住民の3.3倍、業界間の賃金格差は15倍、上場国営企業の高層管理者の収入は一般従業員の18倍、社会平均収入の128倍にも達するという。

特に電力、電信、石油、金融、保険、エネルギー、たばこなどの国有企業従業員は全国労働者数の8%に過ぎないのに、収入は全国総額の55%を占めています。

市場経済のメカニズムと逆行する資源の計画配分

夏教授は米国VOAの取材に対し、市場経済は本来、労働者に自らの労働や智慧で富を築くチャンスを提供しなければならないのに、現在はその機能は働いておらず、経済の資源配分など、市場の調整メカニズムと逆行した形で計画配分されていると指摘しました。

中国では市場経済化路線で国有企業改革が進んで来ましたが、08年の世界的な金融危機以降、景気刺激策として地方政府や国民企業への財政投入が急増してきました。

政府の計画的な資源配分は、市場メカニズムの働きを制限したと夏教授は指摘し、その結果、現在の中国の経済情勢は「国進民退」(国有企業が躍進、民間企業が後退)した様子を呈していると分析しました。

このような制度の下で、権力を握る特権階層は手中の権利を用い、経済資源を略奪独占し、一般労働者の競争チャンスまでも略奪したと同教授は批判しました。

「中国の金持ちは市場競争で成功を収めたのではなく、権力、略奪、独占によって富を築き上げたのだ」と指摘しました。

権力への牽制が欠如した社会制度

中国の著名エコノミスト、北京大学経済観察研究中心代表の仲大軍氏はVOAに、中国の収入格差は権力への牽制が欠如した社会制度によるものだと指摘した。「権力への牽制が働かない社会では、権力者はほしいだけもらい、富の偏在、貧富の両極化は不可避なものとなる」と同氏は話しました。

経済学者の郎咸平氏は、富と権力の結合による経済資源の略奪問題を解決するのが当面の重大課題だと指摘しました。

北京師範大学の李実教授はメディアに対し、市場の調整機構を促進し、権力の運用を一定範囲内に制限することで、労働者全員に平等な競争チャンスを与えることができ、その結果として、富の配分の不平等、貧富の格差を緩和することができると話しました。

大学の研究者らは、いろいろ言っていて、確かに彼らの言っていことは当てはまっています。このような話を聞いていると、OECDが予測した、中国の経済成長が間もなく停止するとしているのが理解できます。

とにかく、このブロクで何回も掲載したように、中国では、民主化、政治経済の分離、法治国家化がなされない限り、本当に経済成長が近いうちに止まります。

もう、秒読み段階に入ったと思います。市場原理に従い、間もなく、かなりの部分の製造組立ラインが中国からインドなどに移動することになります。

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2010年6月20日日曜日

“消費税 軽減税率導入も”―日本の法人税の実行税率は決して高くはない?!

“消費税 軽減税率導入も”(この内容すでにご存じの方は、この項は読み飛ばしてください)

菅さん、わずか2年前は、今と全く逆の発言をしていますね。あの頃から日本の経済の実体は変わっていません。というより、あの後から金融危機があり、デフレの状況でさらに悪いくらいです。はてさて、もう2年もすれば、その時は菅さんはどのような立場になっているかわかりませんが、今度は、減税などいいはじめるのでしょうか・・・・・・。いや、お遍路の旅かも・・・・・・・・


菅総理大臣は横浜市で街頭演説し、消費税について、「財政破たんの危機を避けるために超党派の議論を呼びかけている」と述べたうえで、税率の引き上げを実施する場合には、食料品などの税率を低くする軽減税率の導入も検討したいという考えを示しました。

この中で菅総理大臣は、社会保障について、「介護や保育のように経済成長の大きな可能性を持っており、例えば介護に携わる人の給料を上げれば仕事が生まれ、サービスが増える。その財源をどうするのか。もっともっと国債を発行して、下手をしたらギリシャのように財政破たんになっていいのかということで、超党派で議論しようじゃないかと呼びかけている」と述べました。

そのうえで菅総理大臣は、消費税率10%に言及したことに関連して、「消費税の議論になれば、消費税は逆進性が強いので、軽減税率の導入や、税の還付なども当然しっかりやることを前提に、大いに議論したい」と述べ、消費税率の引き上げを実施する場合には、食料品などの税率を低くする軽減税率の導入も検討したいという考えを示しました。

日本の法人税の実行税率は決して高くはない?!
何か、上の発言、従来は全く触れていなかったのに、何かとってつけたような発言ですね。また、誰か入れ知恵する人がいたのでしょうか?誰か、取り巻きにいわれたんでしょうね。鳩山さんも、普天間の問題に関しては、取り巻きの誰かが言ったことを間に受けだのだと思います。本当は、アメリカ側は、5月末の決着などと早期に期限をきることなどはもともと、望んでもいなかったことがはっきりしています。菅さんも、無責任な取り巻きの言葉で、二の舞を踏まないようにしてもらいたいものです。

昨日は、消費税の増税に関して掲載しましたが、本日は、菅内閣が消費税増税とともに、経団連の申し出に応じて、法人税を下げようとしていますが、これに関しても、納得のいかないところがあるので、本日はそれを掲載します。これに関して、昨日私のブログにコメントを寄せてくださった、ケムトレイルさんのブログを参照(以下にURLを添付しておきます)しています。

http://goo.gl/cNhR

まずは、「法人税率」と「法人税の実行税率」との違いを明らかにする必要があります。

「法人税率」と「法人税の実効税率」との違いは?

「法人税の実効税率」とは、国税である法人税だけでなく、地方税を含めて、法人企業の利益に課税される税の実質的な負担率を示すものです。その際、税の一部が税の計算上、損金に算入されることを考慮して算出しています。
「法人税率」と「法人税の実効税率」との違いは?
日本の場合、国税である法人税の税率(表面税率といいます)は30%です。このほかに、地方税が二つあります。一つは法人住民税で、これは「法人税額の17・3%」となっています。所得に対する率に換算すると、30×0・173=5・19で、5・19%ということになります。

もう一つの地方税は法人事業税で、この税率は7・2%です(このほかに「外形標準課税」による法人事業税がありますが、利益に課税される税ではないので、ここでは計算に入れません)。

以上の三つの税の税率を単純に合計すると、30+5・19+7・2=42・39で、42・39%ということになります。さらに、三つの税のうち法人事業税については、法人所得を計算する上で損金に算入できることを考慮する必要があります。

つまり、企業の実際の利益は、税の計算上の所得より法人事業税の分、7・2%だけ大きいのです。これを考慮して、企業の実際の利益に対する税の負担率を計算するためには、42・39を1・072で割ってやる必要があります。42・39÷1・072=39・54となります。こうして計算したのが実効税率です。

日本経団連の御手洗冨士夫会長は、「日本の実効税率は高い」といって、30%に下げることを主張しています。しかし、財務省の資料を見ても、アメリカのニューヨーク市の場合の実効税率は45・95%です。日本が高いという主張は成り立ちません。

日本の企業負担仏独の7~8割(2007年政府税制調査会(首相の諮問機関)に提出された資料)

経団連は法人減税求めるが…

日本の税と社会保険料の企業負担は、依然としてフランスやドイツと比べ軽いことが、政府税制調査会(首相の諮問機関)に提出された資料で分かりました。

同資料は、法人所得課税と社会保険料について法人がどれだけ負担しているかを業種別に国際比較したもの。それによると、日本の企業負担(二〇〇五年度)は、自動車製造業ではフランスの73%、ドイツの82%、エレクトロニクス製造業ではフランスの68%、ドイツの87%でした。特に、日本は社会保険料の企業負担が軽いことが特徴です。

これとは別に、経済産業省が来年度税制「改正」に関連してまとめた国際比較でも、日本の税と社会保険料の企業負担(〇四年度)は、対国内総生産(GDP)比で8・0%で、スウェーデンの14・6%、フランスの13・9%、ドイツの8・4%と比べ低い水準です。

日本経団連(会長・御手洗冨士夫キヤノン会長)は、地方税も含めた法人実効税率を現行の約40%から30%に引き下げることをはじめ企業の負担をいっそう軽くすることを求めています。その財源として、消費税の増税を提言しています。しかし、政府資料でも日本の企業負担は低い水準であり、空前の利益をあげる大企業にこそ応分の負担を求めることが課題となっています。

「減税しても帰国せず」7割

海外進出企業

経済産業省の委託調査「公的負担と企業行動に関するアンケート調査」によると、生産拠点の海外移転を計画している企業に理由(複数回答)を聞いたところ、「労働コスト」が84・7%と最も多く、「税負担・社会保障負担」は五番目でした。“企業に負担を求めると海外に逃げる”という宣伝に根拠がないことを裏付けています。一方、海外に進出している企業に、仮に法人実効税率が30%程度まで引き下げられた場合、「国内回帰を検討するか」と聞いたところ、「検討しない」が七割にのぼりました。

フランスでは、法人税は33%と日本より高いのですが、地方税がないので、実効税率も33%ということになり、日本より低くなります。しかし、ヨーロッパの場合は従業員の年金や健康保険などのための社会保険料を、企業が日本の場合より多く負担しており、それを抜きにして比較しても意味がありません。税と社会保険料を含めた企業の負担を計算すると、フランスの方が日本より多くなります。

グラフ


グラフ

はてさて、消費税に関しては、昨日もこのブログに掲載したように、景気回復に直接結びつくものではありません。それに、法人税減税も、何かピントぼけです。そもそも、実効税率をみれば日本は、それほど高くないことはハッキリしています。マスコミはどうしてこのようなことをキチンと調べて報道しないのでしょうか?それに、経団連の要求もおかしいです。経団連は日本の経済をわかっているのでしょうか?

昨日も述べたように、日本は貿易大国ではありません。それは、マスコミがつくりあげた幻想に過ぎません。であれば、大部分の企業にとって、減税がどうのこうのという前に、日本経済がよくなることを望むのが当たり前だと思います。そのために、昨日のブログにも掲載したように、ハコモノ行政などではなく、本当に必要な公共工事をもっと増やしてくれと、要請するのが当たり前だと思います。本当に、今は、政府も、企業の経営者も一体何を考えているのか良くわからないと思うのは、私だけでしょうか?

もう、政治家や、無責任なマスコミに引っ掻き回されるのは御免だと思うのは私だけでしょうか?

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■消費増税論 公然と 主要2閣僚 安定財源求め―マクロ経済音痴炸裂!!民主党はまた順番を間違えるか?
■財政健全化目標に債務残高対GDP比縮減など、達成時期を明示へ――本気でやれば、また失われた今度は失われた20年の再来か?
■家庭の金融資産 3年ぶり増加―失われた10年を20年にしないためには?


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みんなで上げれば怖くない!? 消費税 各党競う―消費税いずれあげても良いが、マクロ経済的見地からいって今は絶対にあげるべきではない!

みんなで上げれば怖くない!? 消費税 各党競(この内容すでにご存知の方は、この項はよみとばしてください)



七月十一日投開票の参院選に向けた各党のマニフェストが出そろい、政策論争が始まっているが、今回は民主、自民の両党など多くの党が、消費税の増税を競うように掲げている。一党だけでは言いにくい公約も、ライバルが主張していれば打ち出せる。「消費税、みんなで上げればこわくない」と言っているかのような異例の展開だ。

自民はマニフェストで、引き上げ後の税率を「当面10%」と明記。その根拠も示した。民主党は、マニフェストには明記していないが、自民党に“便乗”する形で、菅直人首相が「10%を一つの参考としたい」と続いた。舛添要一代表率いる新党改革も「二〇二〇年ごろには10%以上」と足並みをそろえている。

たちあがれ日本は一二年度から8%に引き上げ、景気回復後さらに12~15%とする段階方式を提案している。

公明は、使途を社会保障などに限定した上での「消費税を含む税制の抜本改革を行う」との表現は盛り込んだが、引き上げの前提として「デフレ脱却」などの景気回復を掲げている。

一方、みんなの党は、今後三年間を「ムダ遣い解消期間」とし、消費税論議を封印。与党の一角を占める国民新党は、消費税にはひと言も触れていない。

共産は「消費税増税には絶対反対」、社民も「消費税率の引き上げはしません」と立場を鮮明にしている。

国民新党の亀井代表は18日、読売新聞など報道各社のインタビューに応じ、消費税率を「当面10%」に引き上げるとした菅首相の案に反対意見を表明した。

国民新党の亀井静香代表は17日、都内で街頭演説し「支持率が高いうちに選挙をやっちゃえと選挙戦に突入した。日本の政治は残念ながら堕落を重ねてここまできた」と民主党の対応を批判した。同時に「民主党の暴挙を許さないため歯を食いしばって連立に残った。増税すれば財源ができるなんてうそだ」と述べ、景気回復に向け大胆な経済対策を求めていくと主張した。

これに対し、仙谷官房長官は18日の記者会見で「菅首相は検討、議論したいと言っているわけで、決めたうちに入らない。亀井さんにお会いして、じっくり話を聞く」と語った。

国民新党の森田高政調会長は18日午前、菅直人首相が消費税率引き上げに積極的な姿勢を示したことについて、「邪推だが、自民党が(消費税を)10%といって、それを国民が称賛するから自分も10%と思うのであれば、お遍路さんをやって頭を冷やされた方がいい」と批判した。
また、「デフレ脱却しないままに増税と言い出すと、金融恐慌、経済恐慌だ。中長期的な経済、財政にどういう影響をもたらすのか、きちんと数字を示した上で発言しないと国民はついていけない」と述べた。参院議員会館で記者団の質問に答えた。(2010/06/18-12:06)

消費税いずれあげても良いが、マクロ経済的見地からいってデフレの今は絶対にあげるべきではない!!

なにやら、自民党とほとんど変わりない、ズル菅さん、自民
変わりない政策で、ひよっとして、二大政党制など
ぶっ潰して、一党独裁体制を作り出そうとしているのでは?


さて、財政についてはこのブログでは、何回にもわたって書いてきました。しかし、消費税論議が活発になってきたので、日本の財政について掲載します。

1.日本は借金大国どころか世界一の金持ち国家である
日本が、外国に貸しているお金「対外債権」は548.4兆円。外国から借りているお金「対外債務」は300.8兆円。借金より相手に貸しているほうが247.6兆円多く、これは世界最大です。(2009年9月末速報値)要するに日本の国全体では、借金(債務)国ではなく逆に債権国ということです。『ギリシャのように破綻する』と吹聴するテレビコメンテーターがいますが、彼らはこの事実を無視しています。(まさか知らないわけは無いと思うが・・人にものを伝える立場の人間としては低脳、無知?)そして、日本とは逆に外国からの借金が過剰なギリシャと同列に論じています。いいですか、日本は、お金がないわけではないんです。いや、それどころか、お金はゴマンとあるのです。ただ、それが市中に出まわっていないのが、不況や、デフレの真の原因なのです。

2.国の借金と言っているのは実は国民が政府に貸しているお金である。
ここでは国と言っていますが、正確には政府の借金と言うべきでその大半が国債です。国債のうち94%くらいを国内の金融機関(銀行や生保など)が引き受けており、その資金は我々国民の現金・預金です。言い方を変えると我々は銀行を通して知らない間に国債を買っているということになります。

家計の金融資産すなわち我々の預貯金は1400兆円超もあり、これが金融機関が国債を買う資金になっています。しかも、国債の長期金利は未だに低いです。要するに、金利を高くしなくても、日本国内に買っていただける人がたくさんいるということです。金利が高ければ、国債をたくさん発行すれば問題ですが、いまはそんなことはありません。それに、今後しばらくもないでしょう。

3.増税して政府の財政の収支バランスをゼロにしても、国民や企業の資産が政府に移るだけである
財政再建をするために、もし国債をすべて税金で償還したとします。そうすると、政府の終始バランスは黒にはなりますが、税をとられた分の民間の資産は減ります。仮に国の収支バランスをかなりの黒字にしたとしてます。そうなると、民間の資産が大量に政府に移り、増税により経済は圧迫され経済は停滞します。民間企業や、家計と異なり、政府が大黒字ということは、決して国の経済としては良いことではありません。

それで誰が幸せになるのかと言うことです。言い方を変えると、税を徴収する代わりに民間からお金を借りて、それでインフラの整備や経済対策など国民のために使ってきたのが今までの姿だといえます。特に、麻生政権は、それを意図して意識して行ったため、現在の景気回復があります。

これは、民間の企業が社債を発行して、投資のための資金を調達するのと似ています。国債発行は外国でも行っている普通の政策です。その結果として、私達は今の豊かな生活を享受してます。では、際限なく財政支出が増えても大丈夫かということになりますが、理論的には大丈夫です。

しかし、これは理屈の問題ではなく日本人の感性の問題としては受け入れにくいと思います。やはりいずれきちんとコントロールはしていかねばならないということになります。

しかし、これとて、時と場合があるのです。どんなときでも、国の財政の収支バランスを黒字にしたとしたら、とんでもないことになります。

4.デフレ脱却には個人消費や企業の投資を促進する政策と政府支出の増加しか手はない
デフレとは皆がお金を使わなくて経済が縮んでいる状態と言っていいです。この経済がもとより、知縮んだ部分をデフレギャップといいます。物の値段や給与が下がり、皆が益々お金を使わなくなるのでさらにデフレが進みます。

対策としては、たとえば、民間が貯蓄を取り崩してでもモノを買うように仕向ける政策があります。麻生政権が実施し、今も引き続き実施されているエコカー減税・エコポイントなどの政策がそれにあたります。また、企業が新たな投資をするような政策も必要です。でもこの方法には、限界がありますす。デフレの初期なら、この方法でも、ある程度の効果は期待できますが、デフレが深刻化した場合には、ほとんど効果がなくなります。

企業によっては常に新製品の開発など企業努力を続けており、それに必要な投資は行っているところもあります。しかし、消費が低迷している状況ましてや、デフレの最中では、多くの企業が設備投資や雇用を控えます。すぐに新たな投資を促すような政策はなかなかありません。やはり、政府支出の増加が絶対必要になります。財政支出にもいろいろ種類があります。社会福祉などは、支出を増加しても、それが、経済に良い影響を及ぼすまでには、かなり時間がかかります。また、経済の長期的な戦略にのっとって、産業構造の転換などをする政策などは、1年、2,年などではすぐに経済に良い影響を及ぼすというわけではありません。

公共工事のような場合は、それまでなかった工事をするわけですから、まずは、すぐに雇用が発生します。さらに、工事代金などがすぐに工賃として支払われ、労働者にも賃金という形でお金がもたらされ、すぐに市中にお金が出回ることになります。だから、経済が悪化したときには、公共工事を多めにするというのが、マクロ経済学上の常識です。だから、本来は現在というより、ここ10年間はまさに、公共工事のやりどきといっても良かったのです。

ところが、過去の景気の良い時期に公共工事を多数やり、これも、バブル崩壊の原因の一つとなったという苦い経験があるため、なぜか、日本では、「公共工事=悪」ということになっていますが、何も、何も役に立たないハコモノ行政などやる必要はありません。また、全国各地に無計画にいくつもの空港がつくられたように、このような無駄をするようなことをせずとも、本当に必要な公共工事は日本には、まだまだあります。たとえば、いずれ全国に通す、新幹線の工事など前倒しでやっても良いと思います。

実は、日本で「公共工事=悪」という、図式がバブル崩壊後すっかり出来上がってしまい。それから、かなり公共工事を手控えるようになってしまったため、実は、日本の公共工事の件数は極端にヘリ、いまでは、20年前の件数より少ないくらいになってしまっています。これは、世界の先進国と比較すると最低レベルの水準です。私は、これが、現在景気の悪い理由の一つにもなっていると思います。

5.経済が成長路線に乗ると自然に税収が増え、財政の改善を図ることができる
景気対策によって経済が成長路線に乗れば税収が増え、失業対策などの景気対策への支出を減らす事ができるようになります。

それに、経済が良くなった場合には、金のまわりがかなり良くなるので、政府が公共工事をやらなくても、民間がどんどん大きな工事をします。だから、政府は、公共投資を手控えれば良いのです。バブル崩壊の直前では、この歯車がくるって、景気が良いにも関わらず、政府がハコモノ行政などの大規模な公共工事をしてしまい、大規模なインフレを招き、バブル崩壊にも大きく寄与しました。

こうして景気が良くなれば、今度は、公共工事を手控え、増税などを実施すれば良いのです。なぜなら、今度は、金が世の中に出回りすぎるのですから、これを出回りすぎないようにするのです。そうして、財政支出を減らせば良いのです。財政バランスを黒字にもって行けば良いのです。

3項で述べたように政府の借金を別にゼロにしてもあまり意味が無いので、無理して早く返済しようとする必要はありません。むりせずに、場合によっては、数十年もかけてゆっくり返済すればよいのです。実際、普通の国では、財政収支はそもそも、マイナスのほうに傾いて、支出のほうが多いというのが普通です。ただ、アメリカだってそうです。ただし、アメリカや、日本と違って、経済の規模があまりに小さいので、目立たないだけです。

割合でいえば、大昔から、まともな国であればどこの国でも支出のほうがかなり多いのが当たり前といってもいいくらいです。しかし、デフレは違います。深刻な病です。すぐにでも直さなければならない病です。一般のサラリーマンにたとえると、病気でいえば、財政バランスなど会社の仕事上の悩みのようなものです。しかし、デフレは癌のようなものです。会社の仕事上の悩みを優先して、癌治療を怠るような人など誰もいません。

6.経済対策にはバランスと長期戦略が不可欠
逆に、景気対策をやめるのが早すぎると元に戻ってしまうので、注意が必要です。過去の例でも、小渕政権がその前の橋本政権の緊縮財政路線を改めた結果日本経済は回復路線を歩み始めたのですが、小渕さんは在職中になくなり、比較的短命だった森政権の後を継いだ小泉政権が再びなんだかんだといいながら、結局緊縮財政路線に戻した結果、また経済成長はマイナスに戻ってしまいました。

小渕政権は、100兆円使っても、経済を回復できなかったなどと言う人もいますが、小渕政権時代に経済がかなり回復したのは間違いありません。バブル崩壊以降、株価が2万円台に回復したのは、小渕政権のときだけです。それに、小渕さんが、100兆円財政支出したというのは誤りです。おそらく、それまでに積み上がった財政収支の赤も含めた数字だと思います。しかし、実際に、小渕政権が100兆円の財政支出を行っていたら、景気は完全に回復していたでしょう。

小泉政権の途中からは経済が回復してきたのでそんな事はないという人もいますが、そのころからアメリカの消費拡大により世界の景気がよくなってきたから日本の経済も恩恵を受けただけです。小渕さんが、政権を担当していた時代には、輸出はGDPの8%に過ぎませんでした。それから、どんどん増えて、金融危機の直前には、16%になっていました。

しかし、それにしても、16%です。中国や、ドイツなどは、40%以上です。これだけ、GDPに占める輸出の割合が低いのは、日本を除けばアメリカくらいなもので、他国はすべて、日本より輸出の割合がたかいです。だから、経済を良くするには、内需を拡大して、日本の経済のパイを大きくするしかないのです。経団連の中では、なにか輸出産業が幅をきかせていて、さらには、日本では、何か日本国が輸出大国であるというような完全に間違った考えが幅を利かせていますが、それは全くの間違いで、日本はもともと内需大国ですし、これからもそうです。日本国内の内需を拡大することなしに景気が浮揚することはありません。

要は、経済実態の一部だけを取り上げて不安を煽る風潮にだまされてはいけないということです。政府の財政収支の赤字を国の借金というのなら、国全体としては世界一の金持ち国(対外純資産世界一、国民の金融資産総額は世界で第二位、その中でも、現金・預金は世界一、政府の持つ金融資産は世界一)であることも同時に知らさなければパランスを欠いていると言わざるをえません。

国の財政収支に家計の論理を、そのまま当てはめると大変なことになってしまいます。デフレで景気が後退しているときに好景気時と同じようにように『財政再建』を叫んで緊縮財政を実施すれば皆が不幸になるだけです。

菅さんの言うように、増税しても、内需は拡大しません。逆に、縮小します。その結果、増税したとしても、税収はさほどあがりません。また、増税して、社会保障に資金をかなり投下したとしても、それですぐに経済は上向きません。いや、それどころか、まさしく、国がすべて国民の面倒みた、ソビエトは崩壊しました。崩壊後に経済の専門家が調べたところ、経済も実質的に崩壊していました。だから、ロシアの経済危機があったのです。それに、ソビエトの台頭によって刺激された、西欧先進国が、導入した、社会主義的な政策による高福祉国家はすべて破綻しました。もう、菅さんのやるようなことは、すでに、諸外国でやってどこでも破綻しているのです。だからこそ、以前のブログでも、管政権のことを社会主義ノスタルジア政権と呼んだのです。

日本は、例外中の例外として、実際のやり方では意見は別れても、デフレのときに財政を緩めよとか減税せよという政治家や、マスコミや、経済学者はゴマンといますが、デフレのときに緊縮財政をやれとか増税しろなどと、言う政治家や、マスコミ、経済学者はどこにも存在しません。日本の場合は、本当に特殊です。しつこいようですが、近代マクロ経済学が根づいて以来、デフレのときに緊縮財政をせよとか、増税しろなんていうのは、日本だけですから。日本だけが世界の中でも、ユニークな存在ですから!!

だから、このぶ菅さんのいうとおりに、経済を運営すば、小泉政権による失われた10年ではなく、失われた20年ということになってしまいます。

だから、菅政権は、鳩山政権のように短くはないにしても、比較的短命に終わると思います。なぜなら、菅さんが増税で財源をまかなえるようになると思っているのは、間違いだからです、それに輪をかけて、法人税を低くしようとしています。まずは、無理です。今のまま、経済が良くないままで、増税したとしても、大幅な財源の増加にはなりません。だから、必然的に公約が守れなくなります。さらには、子供手当てなど既存の政策も遂行できなくなるかもしれません。そのときになっても、国債にも予め、枠を設けてしまっていますから、財源が尽きます。そのときになれば、菅さんまた、前言を撤回しなくてはならなくなります。

さて、いろいろ書いてきましたが、現在のままで、増税を主張する人や、政党など、全くマクロ経済を理解していないということになります。国にとって重要なマクロ経済も理解できないということになれば、他の重要なことだって理解しているとは思えません。

ただし、大きな政党内であれば、意見も別れているということがあるかもしれません。自民党の中にも、増税に反対の人も大勢いると思います。だから、これは、非常に良い政治家を見る際のメルクマール(目印)になるのではないかと思います。財政再建だけを第一と、主張する人には政治は任せられません。皆さんも、そういう目で、これからの政治家の主張をみてはいかがでしょうか?

書きたいことは、ほかにも山ほどあるのですが、いちいち書いていたら、長くなってしまうので、今日はこのへんでやめておきます。まだ、書き足りないこと、いずれ書きますが、これを読んで下さっている方、まだ、書ききれていないことを指摘していただけば助かります!!

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