名古屋市長選で再選を果たした河村たかし氏 |
日本全国各地で見られる政治的騒乱は、あるうねりが徐々に勢いをつけていることを示唆するものだ。米国での茶会党ブームを思い起こさせる、静かな、既存の政治体制への軽蔑を込めた政治的うねりだ。
鹿児島県阿久根市は依然、竹原信一前市長の解任劇に揺れている。竹原氏は昨年12月、解散請求(リコール)による住民投票で市長の座を追われた。そして今度は議会の解散の是非を問う住民投票が20日に行われ、解散請求が成立した。2008年に竹原氏が市長に当選して以来、迷走を続けていた阿久根市議会にとって大きな転機となる出来事だ。
一カ月後に行われた出直し市長選で、竹原氏はわずか800票ほどの僅差で、対立候補の西原良将氏に敗れる。西原氏は、竹原氏のリコール活動を指揮した市民団体の元監事で、養鶏業を営む新人候補。だが、20日の投票結果は、竹原氏にとって多少救いとなるものかもしれない。有権者が(僅差ではあるが)竹原氏を失職に追いやったことは、同氏のやり方自体に不満を持っていたことを示すものかもしれない。しかし、官民セクターの賃金格差の縮小をはじめ、竹原氏が推進していた政策自体には必ずしも反対していたわけではないようだ。
こうした動きは阿久根市に限ったことではない。もう一つの顕著な例が名古屋市だ。名古屋市でもリコール、住民投票、再選という同様のサイクルが繰り返された。ただし、こちらの場合、河村たかし市長は、議論を呼んでいる自らの政策について住民の意思を問うため辞任し、今月初めに70%という圧倒的得票率で再選を果たした。また、同日行われた市議会解散の是非を問う住民投票では、賛成が過半数に達し、解散が決定した。出直し選は3月13日に行われる。河村市長が議会と対立する原因となった主な政策は、市民税の10%削減と市議報酬の800万円への半減案だった。
河村氏と共に勝利を祝ったのが、同日行われた任期満了に伴う愛知県知事選で、やはり住民税減税を公約に掲げて当選を果たした大村秀章氏だ。両氏の勝利は、米国の茶会党に似た、既存体制を敬遠する新たな地域政党の台頭を示すものだ。元民主党議員の河村氏は、昨年4月、太平洋の向こう側で興隆していた茶会党の動きに呼応するかのように、自ら地域政党「減税日本」を立ち上げ、選挙に臨んだ。元自民党議員の大村氏も、選挙にあたって自らの政党「日本一愛知の会」を結成した。
河村氏は、自身の主要政策の議会通過に向け、出直し市議選(定数75)では、減税日本から40名の候補者を擁立する意向だ。河村氏は、減税運動の全国規模への拡大を目指すとし、次の衆議院選挙では、減税日本から少なくとも5名の候補者を立てる予定だとした。次期衆院選は早ければ4月に実施される可能性がある。
河村氏は17日、共同通信のインタビューに応じ、「市や愛知県の減税を成就するため、国政で勢力を拡大する」と述べた。
最近のこうした選挙結果は、4月の統一地方選挙を前に、民主党にとって決して明るい予兆とはいえない。【私の論評】今はデフレ退治が最優先課題!!それから、離れたことを言う政治家は、資格を剥奪すべきだ!!!
減税に関しては、最近ようやっとその正当性を多くの人に認められつつあるようですが、少なくとも、昨年の参院選の前までは、自民党も、そうして民主党も増税が当たり前であるような論調で、世論も、「増税いたしかたなし」という論調が高まりつつあったように思います。
このブロクでは、参院選の直前に、
【参院選序盤情勢】民主失速 民主目標「54」下回る可能性―スウェーデンよりも国民負担の重い日本でもボストン・ティー・パーティーを開こう!!
という、タイトルで増税には、何が何でも反対であること。さらには、実は、税金の還付まで含めれば、国民負担という面では、日本は、スウェーデンよりもはるかに重いことを徹底的に強調し、増税を安易に主張した民主党を指弾しました。このブログでは、昨年の2月には、当時の菅財務大臣が増税論議をしたときにも、大反対しました。このときは、菅さんがそのわずか2年前の野党時代に増税に大反対している動画も掲載しました。結局は、菅さんは、何も経済についてわかっていないということです。
このブログでは、特に、増税の根拠になっている財政に関しても、再三にわたって掲載してきました。日本は、財政危機にあるというのは、一面的見方にすぎず、経済の癌である、デフレの解消のほうが先であることも強調してきました。
そうして、現在の日本は、本来マクロ経済学でいうところの、デフレ克服ためにすべきことを過去20年にわたって実施してこなかったことを強調してきました。そのなかに、デフレの時期においては、増税するか、減税するかいえば、減税すべきであって、増税など、とんでもないということも強調してきました。そうして、私だけの意見では、信ぴょう性が低いと思ったので、ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏の日本の政策に関する意見も掲載するなどして、私の論点を強化することにも努めて来ました。
特に、マスコミや、中途半端な経済学者たちがいうことなどは、あてにはならず、日本でも、マクロ経済で教えるところの、対処法の王道を実施していくべきことを掲載してきました。特に、日本では、これをやってもみないうちから、駄目だとか、増税などの反対などのことをいう、マスコミや、政治家や、政党など厳しく糾弾してきました。
お陰さまで、様々の方々から、賛同意見の多くコメントをいただくことがきました。そうして、今日私がそのことを強調するまでもなく、減税が当たり前であることを一流紙のウォールストリートジャーナルがはっきりと新聞記事に掲載するようになってきたことは誠に喜ばしいことです。
私の主張してきたことは、理屈としては難しい物でも何でもなく、誰もが理解できることだと思います。しかし、まだまだ油断はならないと思います。日本でも、これから、アメリカのような、茶会運動が根付き、実際に政治を動かす原動力になり、当たり前のことが、当たり前に行われるようになることを希望してやみません。私は、アメリカよりも、日本のほうが、はるかに茶会運動が重要であり、また、実際にこの運動が高まれば、はるかに効果があると思います。
とにかく20年以上も継続するデフレに対処するどころか、財政再建を優先させるとか、そのために、増税をするなどという愚かな既存政治勢力には、さっさと表舞台から姿を消してもらい、さっさとまともな勢力に肩代わりしてもらいたいものです。有権者は、すべからく、デフレを退治する気が全くない、政治家の資格を剥奪する方向で投票すべきです。上の記事の動きが、全く普通のことであり、今までが異常であったことを、さらに多くの人々に認識していただきたいものです。
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