米Wall Street Journal(WSJ)は9日、AppleがiPadの新バージョンの製造を開始したと報じた。同紙によれば、この新しいiPadは現行製品よりも薄く軽量で、少なくともフロントにはカメラを搭載。また、画面の解像度は現行製品と同じで、メモリとグラフィックスプロセッサは強化されたものになるという。そしてさらに、この秋にiPad 3が登場するのではないかという噂が早くも流れ始めている。
WSJの報道では、この新型iPadは他のApple製品と同様にFoxconnが製造にあたっているという。また、当初はVerizon WirelessおよびAT&Tを通して販売され、Sprint NextelやT-Mobile経由での販売は行われないとしている。米Appleのスポークスマンはこの件についてコメントしていない。
第2世代iPadについては、2月末までに初期出荷分を製造完了、4月にローンチとなるとの予測が流れており、今回の報道はこれに合致する。また、1,536×2,048ドットのRetinaディスプレイを採用するのではないかという噂もあったが、それに懐疑的な見方も少なくなかった。
そして第3世代iPadが今秋登場か?
そして早くも、iPadの第3世代モデルがこの秋にも登場するのではないかという声が出はじめている。Daring FireballのJohn Gruber氏は、HPのタブレット製品について言及する中で「この製品の出荷が夏の終わりごろになるなら、第3世代iPadのリリースにぶつかることになる」と述べた。Gruber氏は直後にこのコメントは単なる予想だと補足しているが、同時にAppleがiPadのリリースを毎年9月に行うように製品サイクルを変更するのではないかとの予測を披露し、このために第2世代/第3世代iPadのリリースタイミングが近いものになったのではないかとしている。
また、TechCrunchは別ルートから「秋に大きなサプライズ(big fall surprise)」があり、「それが第3世代iPadに関連するものだ」という情報を入手したと伝えている。TechCrunchではその"サプライズ"の内容として、前述のWSJの報道で伝えられた第2世代iPadが第1世代iPadのマイナーチェンジ版という印象が強いことから、高解像度ディスプレイの搭載や小型化などのアグレッシブな進化を果たした製品が登場するのではないかと予測する。
この予測および情報の正否について、現時点ではまったく不明というしかないが、早くもこういった声が出るというところにiPadの将来に対する期待の大きさが表れていることはまちがいないだろう。
【私の論評】アンドロイド封じか?
最近のアンドロイドは、携帯、タブレットPCともにその成長が著しいです。実際、ビーブレイクシステムズは2月8日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。
12月以降増加傾向だったシステム開発の案件数は、年末年始の影響により案件の情報交換が一時停滞した後、1月下旬に再び活発な状況に戻り、案件数は引き続き増加傾向にあるという。
例年通り、12月から3月にかけて、3月末決算の企業が3月末までの契約で追加要員を募集するという内容の案件が多く見られる。4月以降そのまま継続する開発案件としては、予算などの裁量が広くIT投資が直接売上を左右する広告会社やIT系企業、そもそも3月末決算ではない企業からの案件などがあるという。
スマートフォン市場は、2月以降の開発案件も引き続き増えている。これまで増加傾向にあったiPhone/iPad案件は横ばいであるのに対し、Android案件は増加傾向にある。同社はこの要因について、「これまではシェアの関係からiPhone対応の需要が高かったが、急速にAndroid端末の普及が進んだため、その対応への引き合いが急増した」と分析している。
iPhone、iPadは、独自のアプリストアでアプリを販売、さらにアプリの独自の開発様式も生み出しました。これは、アプリを探す人にも、アプリを開発する人にとってもかなり便利な機能です。探す人にとっては、得体のしれないアプリをダウンロードするのはためらわれるのが、アップルが一定の保証つきのもとで販売敷いてるので安心です。また、特に規模の小さな開発者であれば、いくら優れたアプリを販売しようとして、サイトなどに掲載しても、知名度の低さから見向きもされなかったのが、アプリストアでは、そんなことはなく正統に評価されるようになったからです。
iPad、iPhoneに関しては、デバイスのみが注目されているむきがありますが、これらが変えたのは、上記のアプリ経済ともいえる新たな経済システムを構築したことが、最大のイノベーションであり、販売方法を変えたということで、今までない社会的イノベーションを実現したといえます。
しかし、こうした新たなアプリ経済も、少し送れたアンドロイドがアップルに追いつき、追い越そうとしています。先日も、PC版のアンドロイド・マーケットがオープンされたことを掲載しました。これで、アンドロイド陣営も、アップルと遜色ないマーケットを形成したということですし、将来は、こちらのほうが、発達するという可能性が大です。なぜなら、アップルのアブリは、あくまで、アップルのiPhone,iPadでしか搭載できないのに対して、アンドロイドのほうは、どのメーカーもアンドロイド向けデバイスを作ることができ、アンドロイドのアプリもそれらのどのデバイスにものせることができるからです。
この状況一昔まえに、マイクロソフトが、どのメーカーのパソコンにも、windowsが使えるようにしたのに対して、アップルは自社のパソコンに自社のOSという路線を変えなかったときと似ています。
ご存じのように、その後、世界のパソコンのOSのシェアは、アップ゜ルが5%程度で、あとほとんどがWindowsという状況になっています。ただし、5%といえば、小さいようにも思われますが、世界の5%であり、しかも、その5%すべてが、アップル社製のパソコンに搭載されているわけですから、両方あわせれば、かなりなものということもできます。
アップル側としては、いずれこのようになってしまうことは十分に理解しているのだと思います。しかし、最近のアンドロイドの追い上げは、すごいですから、少しでも速く、多くのユーザーに浸透させて、最初にアップル社製のものを持ってもらい、アップルのアプリをたくさん使ってもらうようにすれば、そのようなユーザーは、アップルからアンドロイドに移行することはなくなると考え、いわゆるアンドロイド封じのために、次のデバイスの発売を急いでいるのだと思います。
パソコンの世界では、5%くらいのシェアしかとれなかったものを、新しいデバイスでは、少なくとも10%や20%シェアは取りたいと考えているのだと思います。もし、このくらいのシェフをとってしまえば、一社としては、完全に他社をつきはなし、OS、デバイスともに、事実上のシェア一位という事になると思います。やはり、数%では安閑としていられないという事だと思います。
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2 件のコメント:
iOS vs AndroidとMac vs Winでは一つ状況が違うことがありまして、それはAndroidではCPUが限定されない、ということです。
パソコンでの戦いはMacOS + Motorola vs Windows + Intelと、いずれの陣営もCPUが固定されていたので、CPUの能力を最大限引き出すソフトを書くことが容易でした。
一方携帯での戦いではiOSがARMに特化したのに対し、AndroidはCPUを限定しません。これは携帯メーカーのCPUの選択肢を広げるメリットがある一方で、ソフトメーカーはCPUの能力を最大限引き出すソフトを書くことが困難になります。
現実には書こうと思えば書けると思いますが、そのようなソフトは別のCPUで動く携帯では動きません。これでは「どの携帯でも動く」というAndroidアプリを作るメリットがなくなってしまいます。結局「どの携帯でも動く」AndroidアプリはCPUの能力を引き出せないというジレンマを抱え込みます。
一方iOSはARMに特化させたので、ARMの能力を最大限引き出すソフトを書くことができます。とすると、iOS上でのソフト体験とAndroid上でのソフト体験に優劣ができてしまうように思います。
こういう視点で見ると、ハードとOSを垂直統合させたiOSにメリットがあるように思います。ただし携帯CPUがARMに収斂していった場合、AndroidもARM専用に化けるかもしれません(WindowsNTがそうだったように)。
かせっち様コメンと有難うございます。CPUとOSということになれば、鶏が先か、卵が先かという議論と同じようになってしまいますが、OSは、優れたCPUがあれば、すぐたものができるということもありますが、逆に、優れたCPUがあれば、優れたOSができあがるという関係にもあると思います。
Googleのほうは、CPUの開発もオーブンにしたいと考えていると思います。オープンな開発でOSができて、さらに、このような機能があれば、もっと良くなるというときに、メーカーがそれに応えて、開発するなどのことが考えられます。またこれとはぎくに、メーカーがいろいろ開発したものにあわせて、OSを開発するということも考えらます。この両方を自由行うことによって、よりよい、OS、CPUができる時代がくると思います。
いずれ、メーカーがこうしたオープン化をしないというのであれば、google側で、CPUのメーカーのうちどれかを買収し、上のような開発をやらせるということも考えられると思います。
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