【大紀元日本2月17日】虎年が過ぎ、ウサギ年に入った中国では最近、「クワンクワン(クワンクワン)」というウサギのキャラクターが人気を博している。インターネットの動画サイトに流れていた風刺アニメの主人公で、虎の高圧的な統制に耐え切れずに「革命」を起こし、虎を噛み殺したウサギたちだという。虎ミルク(メラミン混入の「三鹿」粉ミルクを暗示する)を飲んで子ウサギが死んでしまったり、強制立ち退きにより家屋が破壊されて抗議の焼身自殺をしたり、トラックの下敷きにされて殺されたりと、アニメに描かれたこれらの悲惨なストーリーは、いずれも中国社会の実像を生々しく想像させる。
もちろんこのアニメは、当局によってすでにネット上から削除された。しかし、そのテーマソング「俺をこれ以上虐めるな。苛立ったら俺だって噛みつくぞ」は、すでに視聴者の記憶に焼きつけられている。
このアニメが広く支持された背景について、ある中国人読者が中国語版BBCへ文章を投稿している。それによると、「現在、中国社会には不安が蔓延しており、庶民は我慢の限界に来ている。アニメの広がりは、まさにそのシグナルである」という。
以下は、その投稿の抄訳である。
*************************************
最近「小兔子(クワンクワン)」」という短編アニメが全国で流行っている。このアニメには、中国で起きたいくつかの大事件を暗喩する内容が盛り込まれている。多くの幼児が被害を蒙ったメラミン混入粉ミルク事件、政府の幹部たちを先に逃がしたために小・中学生約300人が犠牲となった新疆カラマイの大火事、河北大学キャンパスで起きたひき逃げ死亡事故で犯人が「俺のおやじは李剛だ」と公安局局長の親の威光を借りて居直った事件、土地の不正取得をした官僚を告発した元村長・銭雲会さんが事故死に見せかけ殺害された事件などだ。各事件を忠実に表現するために、かわいいキャラクターのウサギが、耐えがたい暴力によって血まみれになる場面もたくさんあるが、いずれも現在の中国社会の実状を露わにしたものとして受けとめられている。
アニメの最後の場面には、「俺をこれ以上虐めるな。苛立って咬み返したら、取り返しがつかないことになるぞ」というセリフと、非常に恐ろしい光景が現れる。これは、我慢の限界を超えた民衆の爆発を予期させるものであろうか。
このアニメの流行から帰納的に言えることは、現在、中国社会には不安の空気が蔓延しているということである。ここ数年、中国で発生した多くの集団事件は、最終的に政府当局に制圧されるか、または政府に一方的に断罪されてきた。そのため民衆の間には、政府への不信感と不満が募っているからだ。
近年発生した多くの社会事件に対する政府の対処は、一定のパターンに則っている。事件発生当初、政府は積極的にかかわるが、一たび事件内容が政府の意に反すると判れば、政府はその事件を避け、一切触れないようにする。さらに、民衆の側が自発的に真相を調査しようとすると、政府はそれを妨害したり、調査活動を発起した民間人に対して無実の罪を着せる。例えば、四川大地震で多くの子供たちが犠牲になった「おから工事」を調査し、当局の責任を指摘した譚作人氏や、メラミン汚染粉ミルクの被害者らを支援する趙連海氏など、社会的影響力が強いと見なされた人物は、「国家転覆扇動罪」や「社会秩序を破壊した罪」で有罪判決を言い渡されているのだ。
これらの事件を通して、民衆は政府を全く信じなくなり、政府もまた私利私欲のため民衆と対立してきたことで、民衆のうっ憤は募る一方であった。その限界を超えれば、エジプトで起きたことは、中国でも同様に発生しうるだろう。
【私の論評】中国分裂の日は必ずやってくる!!
それにしても、上の実物の動画、かなりグロテスクですね。しかし、これが中国の現実なのです。決して大げさではありません。中国では、建国以来今にいたるまで、年間で2万件ほどの暴動があります。
現実は、上の動画よりももっと酷いことになっているのです。虎の高圧的な統制に耐え切れずに「革命」を起こし、虎を噛み殺したウサギたちは、現実に多数存在しているのです。残念ながら、いくら虎に噛み付いて虎を殺したとしても、それは、現実世界では、下部組織の役人にすぎず、そのもっと上の上部組織である中国共産党は人民の軍隊ではない、共産党の私兵である、人民解放軍をもっていますから、弾圧されるだけなのです。弾圧だけならまだましです、最後の最後には命を奪われてしまうということです。
中国当局は、世界で最も厳しい検閲と「万里の長城(The Great Wall)」をもじって「グレート・ファイアウオール」と呼ばれるインターネットアクセス制限を通じ、ツイッターから法輪功までさまざまなウェブサイトを何年にもわたって遮断してきました。しかし、最近これを突破する方法が開発されています。
こういう人々は、はウルトラリーチ・インターネット社の無料の仮想プライベートネットワーク(VPN)「ウルトラサーフ」を利用しています。VPNは中国ネット市場での検閲回避に利用されるサービスで、現在増え続けています。2009年から中国で遮断されている米ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェースブックは、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の中国訪問後、同国での利用者が70万人超と、この1カ月間に2倍強に膨らみました。
VPNは、従業員による企業内ネットワークへのアクセス保護を目的に企業が主に活用しますが、データを暗号化する「代理の」サーバーが使用されるため個人が匿名でウェブを見て回ることが可能になります。
多くの人がこれを利用するようになれば、中国でも多くの人がFaceBookを活用できるようになるでしょう。政府が、これに規制をかけたとしても、また、何らかの新しい方法が開発されるでしょう。結局、イタチごっこや、モグラたたきのようになるわけです。
現在の中国は、特に食料品がかなり高騰しています。日本でいえば、米とか、卵、肉などが、インフレで上昇しつつあります。
中国国家統計局が昨年11月11日に発表した10月の消費者物価指数は、前年同月比で4.4%の上昇という高い伸びとなりました。
中でも食品が10.1%と高い伸びを示しました。食品の中でも、野菜は31%、果物は17.7%も上昇しました。農産品や食品など市民生活と密接に関わる分野が高騰しています。
その止まらない物価の上昇に、上海市民は目を白黒させています。主婦らの井戸端会議の話題は「物価速報」で持ちきりです。
そうして、大昔のローマや、中国でも、食料品の値上がりは、国民の生活を不安定させ、政権の交代に結びついた例は多いです。いきつく先は、今回のエジプトのようになるわけです。中国の場合は、もっと大掛かりになる可能性があります。少なくとも、中国共産党一党独裁は不可能になることでしょう。それよりも、何よりも、少なくとも、5つくらいに分裂するのは必定でしょう。
現実には、省単位で分裂することは十分考えられます。私は、おそらく、事実上、省単位で分裂してしまいますが、それではエネルギー供給や、軍事面でも、いろいろと不都合なこともおこるので、後からいくつかの省が合同して、最終的に五つくらいの国にまとまるのではないかと思います。
このブログでは、過去に中国分裂シリーズなど掲載してきましたが、その後の中国を見ていても、民主化、政治と経済の分離、法治国家化は進まず、どちらかといえば後退しているような有様です。
このような、ことは、どの時代のどの国でも長続きはしません。ドラッカー氏は、1980年代の終わりころに、すでに、ソビエト連邦の崩壊を予言していました。わたしは、これと同じように、中国も、今後10年以内に間違いなく崩壊すると思います。
【関連記事】
2 件のコメント:
コメントありがとうございます。
私は中国 シンセンにて 製造業(商社)をしております。
毎日 中国で生活していますが、中国人は以外に呑気です。
というかこれから先の事 何も考えていないというか、流に乗れればいいという生活ですね。
お金持ちがどんどん増えている中国。一般人はあきらめ ほとんどがそういう人達です。
エジプトが崩壊。これにより周辺諸国も独立運動が盛んになっております。中国にも飛び火しそうですね。
私も以前から分裂型を唱えております。
商売をしている関係上 分裂してしまうと困りますが、香港にも拠点を持っているので、分裂すると逆にチャンスが到来するかもと思ったりしています。
日本政府 資金面など助けてくれるのでしょうかね。
安西様 コメントありがとうございます。いくら分列したとしても、中国の人民がいなくなる訳ではないので、市場が消えて無くなるわけではありません。
どんなことが、あったにしても旨く立ち回れば商売も、うまくいくと思います。
一方法としては、民主中国が成立したあかつきには、指導層となるような連中と今から、気脈を通じておくことなどがかんがえられます。
コメントを投稿