2012年8月18日土曜日

「原発事故でチョウに遺伝的異常」 准教授論文に異論相次ぐ (2/2) : J-CASTニュース −【私の論評】衒学(げんがく)的言動には惑わされることのないように気をつけよう!!

「原発事故でチョウに遺伝的異常」 准教授論文に異論相次ぐ (2/2) : J-CASTニュース

大瀧丈二准教授
「原発事故の影響で、福島県内などのチョウ1種に遺伝的な異常が見られた」。琉球大学の大瀧丈二准教授(分子生理学)の研究チームが英科学誌サイトでこう発表したことに、科学者から異論が相次いでいる。

大瀧丈二准教授らの論文は、著名な英科学誌「ネイチャー」の出版社が2011年6月にサイト上で始めた「Scientific Reports」に掲載された。

英BBCも取り上げ、国際的に注目

2012年8月9日に載った論文によると、原発事故から2か月経った11年5月に、福島県や茨城県、東京都など10地域で、身近に見られるチョウのヤマトシジミについて突然変異による異常を調べた。成虫144匹を採取したところ、7地域の12%で羽が小さかったり、目が陥没していたりする異常が見られた。子の世代では、18%に異常がみられ、孫世代ではそれが34%にも達した。


こうした異常は、放射線量が高い地域ほど多く、死ぬケースも目立ち、福島県内は特に死ぬ確率が高かった。

さらに、その4か月後の9月に成虫240匹を採取すると、28%で異常が見られた。放射線に晒され続けた影響とみられ、子の世代では、52%にも達した。これは、5月時点より3倍近くにも率が高まっている。

ヤマトシジミ
事故の影響がない沖縄のヤマトシジミに放射線を当てる実験を行ったところ、同じような異常が確かめられたため、福島などのチョウに生じた異常は、原発事故の影響だと結論づけている。

大瀧丈二准教授らの発表は、日本の通信社各社が報じ、事故を巡る異例の発表だけに、ネット上で話題になった。さらに、英BBCなど海外主要メディアも相次いで取り上げ、国際的な注目を集めている。

これに対し、日本の研究者などからは、論文の内容について、次々に異論が唱えられた。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】衒学(げんがく)的言動には惑わされることのないように気をつけよう!!


本日の話題は、蝶々に関することなので、私の大好きなビクトリアズ・シークレッツの蝶々の写真を多数掲載しつつ、お話をさせていただきます(笑)。


上の記事の学者さん、わずか二年前には、以下のようなことを言っていました。

気温低下チョウ紋変化 大瀧准教授、ヤマトシジミで確認 
 県内にも広く生息するチョウ・ヤマトシジミが温暖化に伴い秋田県から青森県へと生息圏を拡大する中で起きた羽の模様変化に着目し、環境の変化が生物進化を促す鍵になり得ることを、琉球大学理学部の大瀧丈二准教授(分子生理学)らの研究チームが突き止めた。ランダムに異常が現れた中で環境に適応したものが残るという従来の常識から踏み込み、遺伝子の中に進化の基盤がある可能性を示した。 大瀧准教授は「環境の変化による生物進化をリアルタイムで研究した世界でもまれな事例」と話している。 8月19日に英学術誌「BMC… [記事全文]
2010/09/05 10:28 【琉球新報】

この記事「47NEWS」に掲載されていたものですが、[記事全文]をクリックすると琉球新報に飛びはするのですが、元記事はすでに削除されています。これは、古い記事なので削除されているのだと思います。上のの「45NEWS」のほうも時間がたてば、削除されてしまうかもしれないと思いコピペさせていただきました。


さて、これに似たことはこのブログの過去の記事においても掲載したことがあります。それは、以下のようなものです。

私が環境問題に興味を持ったきっかけ-マスコミの危険性を教えていただいた恩師の想い出

詳細は上のURLをご覧いただくものとして、この出来事の内容を以下に簡単に掲載しておきます。
今からもう随分前の話ですが、当時日本国内の猿に異変がありました。前脚のない猿が各地で多く生まれれたのです。テレビであどけない顔をした小さな前脚のない小猿の痛々しい様子が、連日のように放映されていました。テレビや週刊誌などのマスコミは「環境問題が猿に影響を与えたのだ」という内容のものを日々流していました。この猿の事例は今に人間もでてくるのではないか、自然の人間に対する仕返しではないかとの憶測が飛び交っていました。しかも、京都大学霊長類研究所にその当時在籍されていた北海道大学出身の方(名前は失念しました)が、そのための論拠のようなものを発表されていて、この説を後押ししていました。
しかし、青戸教授は、最後の講義でこの説をキッパリと否定しました。先生は、霊長類研究所の君達の先輩が後押しをしているが、「あまり勉強しないからあのようなことになってしまうのだ。マスコミに関して、君達は十分気をつけたもらいたい」と語っていました。もう、詳しいことは忘れてしまいましたが、青戸教授は当時発生学の立場から、前脚のない猿のこどもが多く生まれてくることに関して、国から調査を依頼されていました。青戸教授は調査を続け最終的に、その当時猿に対してえさを与えていたが、そのえさが「大量の大豆」(ブログ管理人注:正確には、大豆に含まれている化学物質)であったことが、今回の事変の原因であるとの結論に達しました。

この検証結果は、正しかったものと見えて、その直後から、あれだけテレビや、新聞などで、毎日報道されていた前脚のないニホンザルに関する報道は、ピタリと影をひそめました。そうして、日本各地で、さるに与える餌を大豆だけというものから、いくつか混ぜたものに変えました。その結果、現在に至るまで前脚のないニホンザルのことは報告くも、報道もされなくなりました。


自然科学の世界でもこのようなことがあるのです。その後、私は、地球温暖化二酸化炭素説や、地球温暖化災厄説に遭遇しましたが、このときの経験により、マスコミで報道することに関しては、全く信用しませんでした。そうして、地球温暖化二酸化炭素説説などの有力な決めてとなるといわれている論文などいくつか読んでみましたが、全く確証が得られなかったため、今でも、全く信用していません。それに、これに対して反証となる論文も読みましたが、こちらのほうが、信用できたので、私自身は、地球温暖化二酸化炭素説は、虚偽だと断定しています。


それにしても、自然科学においても、このようなことがあるわけですから、社会科学などでは、当然このようなことはでてきます。特に、社会科学の分野などでは、 人間や、自然や、その他様々なファクターが絡まり、この説が正しく、別の説が絶対に間違いであると決めつけることはできないところがあります。


だから、経済や金融などの事柄では、何が絶対に正しいとか、何が絶対に間違いとはいえはないこともあります。しかしながら、私は先のような経験があったため、経済や金融に関わるものだって、新聞に書かれていることや、テレビで報道されていることなど鵜呑みにしたことはありません。


その結果、日本が財政破綻するとか、日本国債が暴落するとか、増税することによって、財政赤字を立て直せるなどの話が新聞にまことしやかに、報道されていても、それをそのまますぐに受け入れるなどということはしませんでした。


最初は、何やら腑に落ちないということでしたが、長い時間をかけて、これに反対派の人の論考を読んでみたり、自分で、統計資料にあたってみたりしているうちに、これらは、ほとんと間違いであるという確証を得るまでにいたりました。それどころか、いまや、日本の大手新聞に掲載されている、マクロ経済・金融記事など、その95%くらいは、真偽が定かではなく、残りの5%は、たまに正しい意見など掲載して、公正であるようにみせかけているだけであることに気づきました。


このような態度は絶対に必要だと思います。新聞報道など鵜呑みにすれば、物事を本質を見失いないがちです。皆さんも、何から何まで、自分で調べるということになれば、確かに、時間も手間もとられて、大変だとは思いますが、本当に自分にとって重要と思われるようなことは、マスコミ報道に流されることなく、実際に自分で調べてみるという態度が必要だと思います。

衒学という言葉があります。これは、学を衒(てら)うことです。ある事項/事象に関して知識があることを、必要以上に見せびらかすこと又はその物言いのことです。特に内容のない事項について、さも重要であるかのように見せ、さらに発言者自身が重要性を有するように見せる技法の一つです。


上の学者さん同じ事象をあるときは、温暖化によるものとし、あるときは、原発の放射能によるものとしています。いまのところ、この人のものいいは、衒学的なのかどうかは、まだはっきりしませんが、いずれにせよ、いまの段階においても、鵜呑みにはできないことは、はっきりしていると思います。

社会科学の分野では、このような衒学的なこといくらでもあります。これは、学者がどうのこうのというより、社会科学の分野では、ある有力な学説があれば、それに相対する学説も必ずあります。実際、アメリカでは、最近の不況を乗り切る手立てとして、従来は、反主流派といわれた、ハイマン・ミンスキーの学説が見直されいるというよなこともあります。

であれば、新聞でも、テレビでも、自分たちが何かを報道するにしても、自分たち報道内容にあった学者さんの意見を報道すれば良いわけで、これで新聞の購読者や、テレビの視聴者に自分たちの報道内容が正しいことを印象付けることができます。こんなことは、特にマクロ経済に関する議論においては日常茶飯事で行われていることです。マクロ経済と全く関係ない、経済学者といわれる人たちの珍説が頻繁に新聞紙面を賑わせています。彼らの話は、マクロ経済など少しでも理解すれば、マスコミはもとより、財務省、日銀の発表など、かなり滅茶苦茶・出鱈目・頓珍漢であることがすぐに理解できます。


ここはやはり、本当に重要なことは私たち自身が、自分の頭で考え方、自分で情報を集め、自分で判断する必要がありそうです。このようなこと、場合によっては、数年かけてゆっくりと調べても良いと思います。そのくらいの気持ちでやれば、そんなに難しくなく誰にでもできます。そうして、自分が正しいと、それも、理屈・道理・歴史などさかのぼって信じられる事実に巡りあうことができます。そういうことが増えてくると、何事にも確信を持って、自分の意見を持つことができます。

皆さんは、どう思いますか?

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