2012年8月16日木曜日

インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと―【私の論評】「インフレっていいものですよ!!」は、本当だ!!


インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと

今回は渡辺千賀さんのブログ『テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし』からご寄稿いただきました。


※記事のすべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/241603をごらんください。

■インフレのある暮らし - 15年ぶりの1ドル80円時代に思うこと
私がアメリカに旅行以外で最初にきたのは1995年であった。当時は1ドル8... 続きを読む
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【私の論評】「インフレっていいものですよ!!」は、本当だ!!

日本は、ご存知のように、統計上でもはっきりとデフレに突入してから、14年目です。もう、かなりの人が、インフレとはどのようなものだったのか、忘れていると思います。それにしても、こんなに、デフレが続くのは異常、異様です。しかし、あまりにも長い間デフレが続いてしまったために、多くの人がデフレが当たり前になっていて、インフレ時代のことを忘れているのではないかと思い、本日は上記の記事を掲載しました。

消費者物価指数(年平均値)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

実質、日本は、2000年あたりから少しずつですが、物価が下がり続きです。例外的に2008年あたりは物価が上がっています。これは、原油高、小麦粉などをはじめとする食料品高によるコストプッシュ・インフレで物価が上がっています。だから、デフレ状況であったには違いありません。

上の記事では、いろいろ書いてあるのでずか、やはり、インフレに関するところが重要だと思いますので、その部分だけ以下にコピペしておきます。

Sexy American Dream
インフレっていいですよ
さて、アメリカの方のインフレも年間3%くらいでしかないのだが、それでも15年たつとモノの値段が5割高になる。これはつまり、去年と今年の値段の差は誤差の範囲だが、10年、20年たつと目に見えて高くなる、というレベル。 
経済の教科書的に、インフレとデフレの消費者行動の違いは、
・インフレ=借金してでも買おう(将来買おうと思ったらもっと高くなる)
・デフレ=買い控えて現金で持っていよう(将来もっと安くなるから)
ということなのだが、いや、これ、自分個人の心理的に見て本当。 
インフレというと響きが嫌な感じだが、中にいる実感としては
「パイが大きくなっていく」
という感じ。減少していくパイを奪い合わなくても、平均的なことをしていれば15年で5割増なわけです。心証的には「将来は高くなるから今のうちに買っておこう」という打算的な感じより、「この先もっとよくなるから安心して今買いましょう」という感じが強い。
「幻想だ!勘違いだ!」
と思う人もいるかもしれない。 
でも、住んでいる人の多くが「今後も価値が上がっていく」と信じれば、消費行動が促進され景気が良くなる。そういう幻想を与えるのも政治の役目。(もちろん、ハイパーインフレは駄目ですが)。

この記事の末のほうで語っていることは本当です。多少のインフレは、かえって良いどころか、全く当たり前なのです。日本人は、賢いですから、黙って仕事をしていても、1年もすれば、様々な付加価値のついた製品を多くつくりだしますから、黙っていても、本来ならば、名目GDP2%成長をするのが、当たり前です。そうして、2%くらいのインフレ傾向になるのが当たり前のことです。しかし、日本はそうではありません。なぜ、そうなるかといえば、その理由はあまりにも簡単なことです。要するに、日銀が仕事をしないからです。それに関しては、私の解説よりも、このブログにも時々登場いただいている、上念氏の以下の動画をご覧いただければ、良くわかります。



それから上の記事では、「今年の3月に日本に帰ったとき、何冊か為替関係の本を買って読んだ。(アメリカでは、為替レートは日本ほど争点ではないので、一般人向けに為替の動きを解説した本はなかなかないのです。)それで思ったのは、「要は誰にもよくわからないんだな」ということでした。みんな言ってることが少しずつ違う」ということを言っておられますが、これも素直な感想だと思います。

上の上念さんが言っておられるように、日本のマスコミの多くは、日銀に関しては、なぜかその発表を鵜呑みにする傾向が強いので、日銀がいかに仕事をしないか、報道することはありません。というより、勉強不足で報道できず、日銀発表をそのまま垂れ流しているというのが実情です。それどころか、最近では、上念さんの言うとおり、日銀を少しでも批判すると「日銀の独立性への冒涜」などと言い出す始末です。困ったものです。


為替に関しては、確かに、その時々での経済や、金融の状況により千差万別で、予測することなど不可能に近いのが普通です。しかし、日本の円高に関しては、60%は、確信をもってなぜ、かくも円高になるのかを言うことができます。

それは、どんなことがあっても、日本の日銀は、増刷拒否の姿勢を崩さないということです。実際、リーマン・ショックのときにも、アメリカ、イギリスなど他先進国がこぞって、貨幣の増刷をしましたが、日銀だけはしませんでした。


私自身は、リーマン・ショックの時日本が受ける影響は軽微であると予測していましたが、その予測は見事外れました。どうして予測が外れたかといえば、日銀が、他国がこぞって増刷しても、全く増刷しないなどという驚天動地の行動にうってでるとは予想だにつかなかったからです。このとき、日銀が、多少でも増刷していれば、いわゆる、日本でのリーマン・ショックなど、ほんどなかったと思います。しかし、実際には、増刷しなかったため、負ける必要など全くないのに、一人負けの状況で、しかも、回復するのは、アメリカよりも遅いという体たらくでした。


そうして、昨年震災が発生した後でも、増刷する気配はなく、実際増刷しませんでした。ところで、ここで、増刷というと、日銀が全く増刷してないということはありません。お金、特に紙幣は、いたんだりしますから、それを廃棄してその分を毎年増刷します。だから、毎年お金を刷っています。ここでいう、増刷とは、お札を普段より擦りまして、市場に流通する貨幣を多くするという意味です。

増刷しなければどういうことになるか、それも、他国が大幅に増刷している最中に、増刷しなければ、円高になります。増刷しなければ、当然市場に出回るキャッシュは少なくなり、デフレ傾向になります。また、震災のときに増刷しなければどういうことになるかといば、震災でその復興のためなどに円の需要が高まるにもかかわらず、増刷なしということになれば、円の需要が逼迫して、かなりの円高傾向になります。

不況下での増刷をすると、反リフレ派は、ハイパーインフレ(貨幣の流通量が爆発的に多くなる)になるなどという意味不明な主張をします。デフレ(実体経済において貨幣の流通量が少ない状態)不況下で増刷をすると、ハイパーインフレになるとは、全くおかしな論理です。これをいいかえると、デフレで、市場に流通しているお金が少ない状態のときに、お金を増やすと、ハイパーインフレになるということです。こんなこと、まともに信じる人はおかしいです。実際、反リフレ派の主張する「増刷=ハイパーインフレ説」は、最近のイギリスで、大増刷後でしばらくインフレは続きましたが、その後収束したことで、理論だけではなく、現実世界においても十分に証明されました。これに関しては、以前のこのブログにも掲載しましたので、ここでは、詳細は述べません、詳細を知りたい方は、当該ブログを御覧になってください。

上の、上念氏が言っているように、とくにかく、日銀は、デフレであるにもかかわらず、増刷はしないは、少しでも、インフレの傾向がみえたら、正常なインフレ傾向であっても、ただちに追加緩和措置を打ち切り、とにかく、デフレでさえあれば良いというような姿勢で金融政策を実施しています。


インフレとはいっても、上の記事のアメリカの例のように、一般の人々にとっては、1年、2年くらいは誤差の範囲、10年、20年位の間に目に見えて高くなるいうのは、全く当たり前であり、正常なことです。これすら、許容しない日銀の金融政策は、全くの間違いであり、日本がデフレが脱出できるとすれば、日銀の金融政策を根本的に改めなければなりません。

そうして、日本の金融政策がまともになれば、日本でも上の記事のように、「インフレっていいですよ」という声が聞こえてくるようになると思います。そう思うのは、私だけでしようか?



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