2012年8月13日月曜日

【五輪閉会式】景気後退、将来への懸念は消えず 政争の予感も―【私の論評】イギリスの今日の姿は、明日の日本の姿である!!

【五輪閉会式】景気後退、将来への懸念は消えず 政争の予感も:


【ロンドン=内藤泰朗】テロや警備員不足、ストなど多くの不安を抱えながら開幕したロンドン五輪は12日、無事その幕を閉じた。


英中央銀行のイングランド銀行は先週、英国経済が長期的なゼロ成長に突入したとの展望を発表した。景気後退期にどこまで変革をもたらすことができるのか、将来への懸念が消えたわけではない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかも五輪の成功は、皮肉なことに開催地ロンドン市長で、キャメロン氏と同じ保守党の異色政治家として知られるボリス・ジョンソン氏の政治的立場を強化し、両者による政争を予感させている。

エリザベス女王を中心とした英国の伝統と、発展を求める若い世代の変革に向けた挑戦の物語は、第二章に入った。

レリン・フランコ。美女の国・パラグアイの女子槍投げ代表選手
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【私の論評】イギリスの今日の姿は、明日の日本の姿である!!


大失敗した、英国の増税策の概要をみよう。2010年5月に発足したキャメロン保守党・自由民主党連立政権はさっそく付加価値税率17・5%を11年1月から20%に引き上げる緊縮財政政策を決定しました。他にも銀行税を導入するほか、株式などの売却利益税の引き上げ、子供手当など社会福祉関連の予算削減にも踏み切りました。

他方で法人税率を引き下げ、経済成長にも一応配慮しましたた。こうして国内総生産(GDP)の10%まで膨らんだ財政赤字を15年度までに1%台まで圧縮する計画でしたが、このまま低成長と高失業が続けば達成は全く困難な情勢です。



窮余の一策が、中央銀行であるイングランド銀行(BOE)による継続的かつ大量の紙幣の増刷(量的緩和)政策に踏み切りました。BOEといえば、世界で初めて金(きん)の裏付けのない紙幣を発行した中央銀行だ。

上のグラフを良く見てほしいです。BOEは11年秋から英国債を大量に買い上げ、ポンド札を金融市場に流し込みました。マネタリーベース(MB)とは中央銀行が発行した資金の残高のことです。BOEは08年9月の「リーマン・ショック」後、米連邦準備制度理事会(FRB)に呼応して量的緩和第1弾に踏み切りましたが、インフレ率が上昇したのでいったんは中断していました。


インフレ率は5%前後まで上昇しましたが、そんなことにかまっておられず、今年5月にはリーマン前の3・7倍までMBを増やしました。そうして、この事実は、このブログでも以前紹介したように、反リフレ派がいう、「不況だかといって大量に増刷すれば、ハイパーインフレになる」というおかしげな理論を裏付ける格好のケーススタディーとなっていました。

幸いというか、全く当たり前のことですが、インフレ率は需要減退とともにこの5月には2・8%まで下がりました。国債の大量購入政策により、国債利回りも急速に下がっています。

しかもポンド札を大量に刷って市場に供給するので、ポンドの対米ドル、ユーロ相場も高くならずに推移し、ユーロ危機に伴う輸出産業の競争力低下を防いでいます。それでも、イギリス経済は、未だ不況のままで、先日もこのブログで述べたように、EUの不況もあり、結局ロンドンは地元観光客も、EUの観光客も例年に比較しても少なく、閑古鳥が鳴いていたという状況で、経済波及効果はほとんどありませんでした。

ここで話を日本に話をもどすと、参院で消費増税法案が採決され、電力料金引き上げや来年からの東日本大震災復興増税などに加え、家計に負担がのしかかりますが、さっそく懸念されるのはデフレ不況のさらなる深刻化です。

このイギリスの状況をみれば、消費税増税など狂気の沙汰としか思えません。上で、見たように、わずか1年もしないうちに、経済が悪化して、イングランド銀行が、増刷せざるを得なくなっています。こんな事実をみても、増税一本で進む、民主党、自民党、公明党など、異常カルト集団にしか見えないのは、私だけでしょうか。それに、財務省も、日銀も、増税は経済に良い効果をもたらすなどと、とんでもないことを言っています。一体、日本の中枢はどうなってしまったのでしょうか?

リーマンショックは、2008年でしたが、その後増税に踏み切り緊縮財政を取ったイギリスは猛烈な不況に陥りました。しかし、メディアを含め政府、財務省、日銀、はこのことは発表しません。


現在、消費税増税法案が、参院を通過したばかりですが、このまま増税してしまえば、日本もイギリスと同じようになることでしよう。なんでこんな袋小路にわざわざはまらなければならないのでしょう。

イングランド銀行は、増税後に大増刷をやっていました。これは、順番が逆です。増税前に、大増刷をすべきでした。そうしていれば、大増刷により、インフ気味となり、景気が加熱します。そうなったときに、増税すれば、ベストのタイミングでした。そうすれば、景気の加熱も冷ますこともでき、税収も増え、財政再建もできたことでしょう。

順番を間違えれば、日本もイギリスと全く同じことになります。まずは、日銀あたりがデフレ対策として、大増刷を行い、政府も財政支出を増やし、インフレ傾向にして、インフレが加熱した後に、増税すべきです。



ものごとには、順番と、集中すべきことがあります。それを間違えれば、とんでもないことになります。その事例は、日本国内でも、このブログでも掲載したように、昭和恐慌のとき、国外では、上のイギリスの例が典型的です。そのような、例が世界にはゴマンとあるにもかかわらず、今や、マスコミなど、もうすでに、増税は規定路線であるかのような報道ぶりです。

消費税増税法案は、参院を通過したとはいえ、まだ、本決まりではありません。景気条項は、まだ生きており、再来年の4月に増税するためには、来年の秋にそのときに政権を担っている政府が決定する必要があります。

09年7月の衆院解散
来年の秋といえば、まだ、1年あります。その間に選挙があれば、有権者として、増税しないと公約する政党に投票すべきです。



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