2013年9月11日水曜日

安倍首相、増税指標クリアと判断 GDP上方修正で―【私の論評】憶測記事なのに、そうではないように装い、印象操作をする典型記事、どうしようもない増税派の手口、とうとうそこまで詰まったか(゚д゚)!

安倍首相、増税指標クリアと判断 GDP上方修正で

朝日新聞2013年9月10日(火)06:20

昨日のテレビ報道
安倍晋三首相は9日、来年4月に消費税率を8%に引き上げるための経済指標面での環境は整った、と判断した。内閣府がこの日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)の2次速報値が大幅に上方修正されたためだ。安倍政権は増税した場合に景気が腰折れするのを防ぐため、経済対策の本格検討に入る。首相は好調な指標に自信を深めており、経済対策の規模や中身を見極めたうえで、10月1日にも増税の可否を最終判断する方針だ。

内閣府は9日、GDP2次速報値で物価変動の影響などを除く実質成長率が年率換算で前の1~3月期よりプラス3・8%になったと発表。名目成長率はプラス3・7%とした。企業の設備投資が上向いたり景気対策で公共事業が増えたりしたため、実質2・6%、名目2・9%成長だった1次速報値から大幅に上方修正された。

昨年8月に成立した消費増税法は「経済状況の好転」を増税の前提とし、その目安を「名目3%、実質2%の成長」と規定したが、2次速報値はいずれも上回った。雇用や消費などの指標も1年前に比べてほとんどが上向いている。

【私の論評】憶測記事なのに、そうではないように装い、印象操作をする典型記事、どうしようもない増税派の手口、とうとうそこまで詰まったか(゚д゚)!

以下に、上の記事にも掲載されていた、4~6月期の国内総生産(GDP)の2次速報値に関係する数字を表にまとめて掲載しておきます。
需要項目2012/4-62012/7-92012/10-122013/1-32013/4-6
1次QE2次QE
国内総生産 (GDP)▲0.3▲0.9+0.3+1.0+0.6+0.9
民間消費+0.1▲0.4+0.5+0.8+0.8+0.7
民間住宅+2.1+1.6+3.6+1.9▲0.2▲0.3
民間設備▲0.7▲3.2▲1.2▲0.0▲0.1+1.3
民間在庫 *▲0.3+0.1▲0.2▲0.0▲0.3▲0.2
公的需要+0.9+1.0+1.1+0.3+1.0+1.2
内需寄与度 *▲0.1▲0.2+0.3+0.6+0.5+0.7
外需寄与度 *▲0.2▲0.7▲0.1+0.4+0.2+0.2
輸出▲0.2▲4.5▲2.7+4.0+3.0+3.0
輸入+1.3▲0.0▲2.0+1.0+1.5+1.5
国内総所得 (GDI)▲0.3▲0.6+0.2+0.0+0.7+1.0
国民総所得 (GNI)▲0.2▲0.5+0.4+0.6+1.4+1.7
名目GDP▲0.9▲0.9+0.1+0.6+0.7+0.9
雇用者報酬▲0.3+0.7▲0.4+0.7+0.4+0.5
GDPデフレータ▲1.0▲0.8▲0.7▲1.1▲0.3▲0.5
内需デフレータ▲0.7▲1.0▲0.8▲0.8▲0.1▲0.3
これを見ている限りでは、どうみても、そんなに景気が良い状況とは思えません。確かに、景気が落ち込んでいた昨年などと比較すれば、良くはなっていますが、それは比較すればということであって、では過去のかなり景気が良かった時代と比較すれば、問題外の水準です。増税するなどという馬鹿真似をすれば、またすぐに景気が落ち込むという内容です。まずは、朝日新聞の記者は、こういうふうに数字を読めず、直近で単に比較して、前より良いだけであることを記載していません。その時点で経済記者としては失格だと思います。これを見て、景気が良いという論評はできないと思います。

それから、もう一つ気になることとして、上の記事を読んだ限りでは、安倍総理の発言そのものはでてはいませんが、これをそのまま読むと、どのような読み方をしても安倍総理が、増税決定の判断をしているようにしか読めません。

しかしながら、朝日のこのソースを除いては、安倍総理がそのような判断をしているなどの情報は全くありません。どうも、この記事は、ガセネタのようです。

そうして、これがガセネタであることを確認した人がいて、その内容をご自分のブログに掲載している人がいました。

その人は、この記事にも何度か登場している、憲政史家の倉山満氏です。

倉山満氏

倉山満氏の「砦」というブログにその旨が記載されていました。その部分のみ以下にコピペします。

倉山塾掲示板を眺める。笑 
 倉山塾生のmercury55さんの書き込みを発見。 以下、全文紹介。太文字の部分。 ただいま、朝日新聞社の「お客様センター 記事問い合わせ」に確認しました。電話対応は「×××さん」とおっしゃる担当者でした。 当方質問「安倍首相、増税指標クリアと判断 GDP上方修正で」の記事について、文章上は安倍首相が主体的に増税指標クリアしたと判断したと捉えることができる。 御社がこの記事を書くにあたって一次資料となる会見やインタビューはいつどこで行われたものか教えていただきたい。 
 繰り返します。 御社がこの記事を書くにあたって一次資料となる会見やインタビューはいつどこで行われたものか教えていただきたい。  
お答え。 ×××さんには記事及び担当部署に確認を頂き、次の回答を頂きました。この記事については、安倍首相がこのような発言をしたものではなく、朝日新聞の記者が、GDPの上方修正や米倉経団連会長が増税を求めているなどの外部環境を総合的に鑑みた上で、このような記事を作成いたしました。 
 さらにmercury55さんのツッコミ。 こちらより、つまりこれは朝日新聞社自体の予想に基づく記事ということですねと念押しをしたところそうですと言われました。 この記事の記述ではあたかも安倍首相が発言したように取られる、朝日新聞社の意見であることを明示するべきと意見はしました。 
 まとめますよ~。Q.これは朝日新聞社自体の予想に基づく記事ということですね 
A.そうです
 担当者からは丁寧な対応を受けましたので、そこについてはお礼を伝えました。 結論 やはり、この記事は朝日の願望でした。
この記事の詳細は、倉山氏の「砦」を是非ご覧になってください。以下のそのURLを掲載します。



ひらたくいうと、上の朝日の記事は、単なる憶測記事にすぎないということです。さらに、始末に悪いのが、憶測記事であるにもかかわらず、そうではないように見せかけて、印象操作をしているということです。安倍総理は、すでに増税を決意しているとの印象操作です。

それにしても、増税派最近では、論理的な展開をしても、すぐにその齟齬が見破られてしまうため、ごく最近は、論理展開はやめて、情に訴える作戦にでていたのは、この記事でも紹介しました。以下にその記事のURLを掲載します。
消費税増税反対の浜田参与 財務省の説得工作の前に完オチか―【私の論評】増税派の焦りがでてきた!まともな論理なし、論理を展開すれば負けることが明らかに!残された手段はポエムと色仕掛けしかない(゚д゚)!
この記事では、増税派はジャーナリストの須田慎一郎氏を動員したようですが、須田氏の論評は、論理的ではなく、あくまで憶測と情に訴えるだけのもので、とてもじゃないですが、まともな反対意見になっていないことを掲載し、最早増税派は、ポエムで情に訴えることと、色仕掛けくらいしかのこされていないことを掲載しました。

増税派には、色仕掛け、ポエム、印象操作しかない?

そうして、本日の上の記事です。これも、最早論理的ではありません。完璧な憶測をあたかも、事実であるかのようにして、増税派優勢の印象操作を行おうとして、見事に大失敗しています。

このようなことを繰り返すということは、増税派はかなり旗色が悪いということを示していとしか思えません。もう、手立てがなく、かなり詰まっているということです。

安倍総理の腹は、とうに、増税見送りに決まっているだと思います。そのことをわかっているから、増税派は、必死で、増税すべきことを印象操作までして、報道するのだと思います。私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】

消費税増税反対の浜田参与 財務省の説得工作の前に完オチか―【私の論評】増税派の焦りがでてきた!まともな論理なし、論理を展開すれば負けることが明らかに!残された手段はポエムと色仕掛けしかない(゚д゚)!

日経世論調査 消費増税「7割容認」本当なの? 複数の質問で独特の計算法 ―【私の論評】とにかく酷い増税推進派のズタボロ論拠!ポエムは、無視すべし!これでガス抜き完了後は安倍総理は増税延期まっしぐら(゚д゚)!

話題を呼ぶ「ナベツネ書簡」消費税増税は政局化する―【私の論評】国売より、増税阻止のほうが自らの保身につながる!なら、特別な事情がない限り中国を裏切るべき!まともになるべき(゚д゚)!

【倉山満の砦】 売国奴への脅し文句―【私の論評】増税派は私たちの手で最後の審判をしてあげ、売国奴生命を絶ってあげよう(゚д゚)!

編集委員・田村秀男 アベノミクス効果を無視する官僚―【私の論評】経済変態の官僚どもはオカルト信奉者なのか、あるいは発狂したのか?いずれにせよ、まともでないことだけは確か!こんな連中はこの世に存在しないものとして、安倍総理は決断すべき(゚д゚)!

アベノミクスに立ちはだかる経済メディアは「オオカミ少年」そのもの―【私の論評】新聞の経済論考を信じれば、国民の生活を破壊するだけ!!俺たちでチェックして、反日マスコミを駆逐しょうぜ!!経済記事は田村の兄貴に決まり!


【関連図書】

検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む (光文社新書)
倉山 満
光文社 (2012-03-16)
売り上げランキング: 14,764





アベノミクスを殺す消費増税
田村秀男
飛鳥新社
売り上げランキング: 8,341


反逆の日本経済学
反逆の日本経済学
posted with amazlet at 13.08.26
田村秀男
マガジンランド
売り上げランキング: 129,586


0 件のコメント:

「最低賃金1500円」の幻想、石破政権の左派政策は失敗する 理念先行で具体的手順なし 安倍元首相は「リアル」を先に考えていた―【私の論評】フィリップス曲線の真髄:安倍政権の置き土産を食い潰す愚かな自民と立民

高橋洋一「日本の解き方」 □ 「最低賃金1500円」の幻想、石破政権の左派政策は失敗する 理念先行で具体的手順なし 安倍元首相は「リアル」を先に考えていた まとめ 石破茂首相が掲げる2020年代の最低賃金1500円目標は、左派的政策であり、実現可能性が低い 最低賃金の大幅引き上げ...