蓮舫氏 |
民進党の蓮舫代表は10日、政府、与党の協議で配偶者控除の廃止が見送られる方向になっていることについて「安倍晋三首相は『廃止』と指示を出したはずなのに頓挫したのはやる気がない。中途半端な(見直しは)挫折だ」と批判した。さいたま市内で記者団の質問に答えた。
首相が掲げる「働き方改革」に関し「『女性の活躍』と同じでスローガンで終わるのではないか。非常に残念だ」と指摘した。【共同通信 10月10日】
【私の論評】滑稽な財務省のピエロ蓮舫氏は安倍政権の強力な応援団(゚д゚)!
ブログ冒頭の記事、先月10月10日のものです。
滑稽な財務省のピエロ蓮舫氏 |
配偶者控除の見直しに関しては、以前にもこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
麻生大臣を怒らせた、佐藤慎一・財務事務次官の大ポカ―【私の論評】日本の巨大政治パワー財務省の完全敗北は意外と近い?
参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を 聞く安倍晋三首相(左奥右)=9月28日午前 |
2017年度税制改正について、8月末から9月にかけて盛り上がった配偶者控除見直しの動きが10月上旬、一気にしぼんだ。新聞報道によると、その理由は「衆院解散風」が吹き、有権者の反発を怖れた自民、公明両党が消極的になった、とされている。
だが、首相官邸筋によると、迷走させた張本人は財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦だという。
彼らは財務省内の合意を得ないまま、与党幹部には「首相官邸の了承を得ている」とウソをつき、暴走した。それを止めたのは副総理兼財務相・麻生太郎と官房長官・菅義偉だった。この佐藤と星野の暴走には、さすがに財務大臣である麻生氏も激怒したようです。この記事にも掲載してあるように、結局財務省案をそのまま実行すると、かえって増税になるという内容でした。その部分を以下に引用します。
一見、良さそうに見えるが、夫婦控除を受けられる世帯主の年収は「800万円~1000万円以下」。これ以上の年収を得ている人は配偶者控除がなくなっただけとなり、年間数万円、税負担が増えることになる。
つまり、年収が少ない人にとっては減税となるものの、多い人にとっては増税となる。社会の平準化は進むが、配偶者控除を「民法上の扶養義務」ととらえるなら、これを無くすことは社会の根幹を揺るがすことになる。蓮舫氏は、このようなことは一切無視で、まるで財務省の応援団のような発言をしていたということです。
さて、以下に配偶者控除の見直し議論に関してまとめた内容を掲載します。
配偶者控除とは、専業主婦やパートなど収入が一定額以下の配偶者がいる家庭で所得税や住民税が軽減される制度です。妻の年収が103万円以下であれば、所得税は38万円、住民税は33万円が世帯主の課税所得から引かれます。このため、控除の対象外になることを心配して、「103万円の壁」といわれるように、女性が働く時間を自ら制限してしまう現象が生じていました。
さらに、「130万円の壁」もあります。妻の年収が130万円以下の場合は、夫の扶養になり、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)を負担する必要はないのですが、年収130万円を超えると夫の扶養から外れ、社会保険料が自己負担になるのです。
実際には、妻の年収が103万円を超えたとたんに、配偶者控除が適用されなくなるわけではありません。妻の年収が103万円から141万円以下の場合、配偶者特別控除が適用され、段階的に控除を受けられます。ただし、夫の所得が1000万円以上ある場合には適用になりません。
さらに、「130万円の壁」もあります。妻の年収が130万円以下の場合は、夫の扶養になり、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料など)を負担する必要はないのですが、年収130万円を超えると夫の扶養から外れ、社会保険料が自己負担になるのです。
実際には、妻の年収が103万円を超えたとたんに、配偶者控除が適用されなくなるわけではありません。妻の年収が103万円から141万円以下の場合、配偶者特別控除が適用され、段階的に控除を受けられます。ただし、夫の所得が1000万円以上ある場合には適用になりません。
こうした制度の下では、妻の年収が130万円から150万円くらいの範囲だと、家計全体での年収は増えるのに、手取りの可処分所得が少なくなってしまう恐れがあります。
これが問題だとして財務省は配偶者控除の廃止ありきとしてきました。しかし、女性の社会進出を助けるというなら、配偶者控除の金額を引き上げるのも効果的な政策のはずです。配偶者控除の拡充で多少は税収が落ちますが、女性に働いてもらって、その所得に課税して税収を増やすことも可能です。
制度見直しでは、配偶者控除の代わりに「夫婦控除」の導入が検討されていました。そうなると、所得税がこれまでの「個人課税」から、「世帯課税」の色彩を強めることになりりそうでした。これは、世帯課税から個人課税へという世界の趨勢(すうせい)に逆行するものでした
税制の比較が容易な経済協力開発機構(OECD)の主要24カ国では1970年代以降、世帯課税から個人課税に移行したのは9カ国、世帯課税から選択制への移行は2カ国、そして選択制から世帯課税に移行したのが1カ国です。
世帯課税から個人課税への流れの理由は、個人課税のほうが、課税の中立性が高いからです。たとえば、専業主婦が働こうとするとき、世帯単位課税では累進税率が効いて不利になりますが、個人課税では中立的です。
税制には、簡素、公平、中立の三大原則があるとされていますが、個人課税のほうが中立性の点で優れています。
安倍政権の取り巻きは個人単位より家族単位のほうが良いと信じているようです。財務官僚は、こうした情報をうまく利用して、個人課税から世帯課税として、結果として配偶者控除の廃止をもくろんでいる。あまりにひどい「増税指向」です。
制度見直しでは、配偶者控除の代わりに「夫婦控除」の導入が検討されていました。そうなると、所得税がこれまでの「個人課税」から、「世帯課税」の色彩を強めることになりりそうでした。これは、世帯課税から個人課税へという世界の趨勢(すうせい)に逆行するものでした
税制の比較が容易な経済協力開発機構(OECD)の主要24カ国では1970年代以降、世帯課税から個人課税に移行したのは9カ国、世帯課税から選択制への移行は2カ国、そして選択制から世帯課税に移行したのが1カ国です。
世帯課税から個人課税への流れの理由は、個人課税のほうが、課税の中立性が高いからです。たとえば、専業主婦が働こうとするとき、世帯単位課税では累進税率が効いて不利になりますが、個人課税では中立的です。
税制には、簡素、公平、中立の三大原則があるとされていますが、個人課税のほうが中立性の点で優れています。
安倍政権の取り巻きは個人単位より家族単位のほうが良いと信じているようです。財務官僚は、こうした情報をうまく利用して、個人課税から世帯課税として、結果として配偶者控除の廃止をもくろんでいる。あまりにひどい「増税指向」です。
この内容がまともでないことと、財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦の暴走があったからこそ、麻生財務大臣は激怒し、官房長官・菅義偉氏がこれを止めたのです。
麻生財務大臣(左)と菅官房長官(右) |
さて、本日は以下のようなニュースも入ってきています。
自民税調 配偶者控除の収入上限めぐり調整へ
詳細は、この動画もしくは記事をご覧いただくものとして、以下に「配偶者控除」に関する部分のみ引用します。
自民党税制調査会は、来年度の税制改正に向けて、21日から本格的に議論を始めることにしていて、焦点の所得税の「配偶者控除」の見直しについては、控除を受けられる配偶者の収入の上限をどの程度まで引き上げるかなどをめぐって調整が行われる見通しです。
自民党の税制調査会は、来年度の税制改正に向けて、21日、総会を開き、本格的に議論を始めることにしていて、来月中旬までに税制改正大綱を取りまとめる方針です。
議論では、配偶者の給与収入が年間で103万円以下の場合に所得税を軽減する「配偶者控除」の見直しが焦点で、税制調査会の幹部は、「女性の就労を阻害する要因になっている」として、控除を受けられる配偶者の収入の上限を引き上げる方針を確認しています。
このため、控除を受けられる収入の上限を、どの程度まで引き上げるかや、上限を引き上げた場合、全体の税収が落ち込むことを踏まえ、世帯の所得がどの程度であれば控除の対象から外すのかをめぐって調整が行われる見通しです。これでは、配偶者控除廃止や夫婦控除を主張していた財務省や蓮舫氏を含めた財務省の応援団が赤っ恥をかいたとも言えそうです。
それにしても、ブログ冒頭の記事、財務省の悲願である配偶者控除廃止を安倍総理がやめることにすると、民進党は財務省の味方をするという格好の実例となりました。まるで、民進党は財務省の別働隊のようです。
おそらく、財務省の官僚は、民進党の幹部のところに、ご説明資料を持って足繁く通い、自分たちの望ましいと考える、政策を民進党に何度も刷り込んでいるのでしょう。経済・金融・雇用に疎い民進党幹部らは、これらの資料を批判的に読んだり、財務官僚の話を批判的に聴くなどということもできず、単純に鵜呑みしているのでしょう。
このような民進党の代表である、蓮舫氏はまるで滑稽な財務省のピエロのようです。このような民進党と、蓮舫代表が存在する限り、安倍政権は安泰です。支持率もあがっています。これからも、民進党と蓮舫代表は、安倍政権の強力な応援団として頑張っていただきたいものです。
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