2018年9月30日日曜日

中国は米企業技術をこうして入手する―【私の論評】米国だけでなく、中国より高い技術を持つ国々はすべからく泥棒中国をぶっ叩き潰せ(゚д゚)!

中国は米企業技術をこうして入手する
デュポンの事例に見る、技術移転「強要」の手口とは

ウォール・ストリート・ジャーナル

中国はジェット旅客機「C919」の開発に乗り出した時、中国企業と技術を
共有する外国企業との合弁からしか部品を購入しないと表明した

 かつて提携していた中国企業が貴重な技術を奪おうとしている――。疑いを抱いた米デュポンはこれを阻止するため仲裁を申し立てて1年以上争った。

 その後、中国独占禁止当局の捜査官20人がやってきた。

 捜索は昨年12月、上海にあるデュポンの複数のオフィスで4日間にわたって行われた。捜索について説明を受けた複数の人物によると、捜査官は同社の世界的な研究ネットワークへのパスワードを要求した。文書を印刷し、コンピューターを押収し、社員を脅した。一部の社員がトイレに行くときは捜査官が同行した。

 米国の企業や政府によると、中国政府はさまざまな手段を駆使して米企業から技術を入手しようとしている。強制的な手段を取ることもある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが米中両国の企業・政府の関係者数十人から話を聞き、規制に関するものなどさまざまな文書を精査したところ、中国が組織的かつ手際よく技術を入手している様子が浮かび上がった。中国当局は米国からの批判を不公平と受け止めている。

中国による技術移転の強要は今や、激化する米中貿易戦争の核心の
一つとなっている(写真はトランプ米大統領と中国の習国家主席、2017年)

 関係者の話や文書によると、中国は、国内企業と合弁を組む米国企業に圧力をかけて技術を手放させる、裁判所を使って米国企業の特許や使用許諾契約を無効にする、独禁当局などの捜査官を派遣する、国内の競争相手に企業秘密を漏らす可能性のある専門家を規制委員会に送り込む、などの手法を採用している。

 デュポンの件で争いの種となったのは、トウモロコシから柔軟性のある繊維を生産するプロセスだった。この素材の2017年の事業規模は4億ドル(約450億円)に上った。中国の独禁当局はデュポンに対し、提携先だった中国企業に対する申し立てを取り下げるよう命じたという。

 米国の企業は以前から、知的財産を引き渡すよう中国政府から圧力を受けていると不満を訴えていた。特に最近は中国が化学製品、半導体、電気自動車などさまざまな産業で力を付けており、米国企業は懸念を強めている。

 中国による技術移転の強要は今や、激化する米中貿易戦争の核心の一つとなっている。ホワイトハウスの推計では中国が米国企業に与えている損害額は年間で500億ドルに上る。米国企業の幹部は強制的な技術移転が競争力の低下を招き、イノベーションへの意欲をそぐと繰り返し訴えている。



 中国当局は取材に対し、国務院(内閣)が24日に公表した文書に言及。そこには「中国の米国企業は技術移転やライセンス契約を通じて多大な利益を得ており、技術協力の最大の受益者である」と記されている。さらに、米国企業は自主的に協力関係を結んできたとある。

 「世界に対する中国のオファーは明快だ」。ある当局者はこう話した。「外国企業は中国市場へのアクセスを許されているが、その見返りとして何かで貢献する必要がある。それは技術だ」

 米企業はほとんどの場合、十分警戒しながら中国に進出している。不満を公言することにも多くは慎重だ。米企業が中国に合弁事業というアイデアを持ち込んだのは、人口14億という中国市場と低賃金の労働力へのアクセスを得るためだった。中国企業の技術向上を支援することも合弁の条件に含まれていた。

 首都ワシントンで今年1月に開催された米商工会議所の夕食会で、企業幹部らはテリー・ブランスタッド駐中国大使に対し、技術問題に関して中国に打撃を与え過ぎないよう強く求めたという。出席者らによると、IBMのバイスプレジデント、クリストファー・パディラ氏は、中国は多くの報復手段を持っていると述べた。IBMは中国企業に技術をライセンス供与している。

 パディラ氏は夕食会でこう話した。「暗い路地で誰かがナイフで刺されても、翌朝になるまで誰がやったのか分からない。それでも殺人はすでに起こってしまっている」

 デュポンは米当局者に自社の案件を説明した。だが事情に詳しい関係者によると、貿易協議のなかでその件を持ち出してほしくないと述べた。同社のかつての中国パートナー、張家港美景栄化学は繊維を作るために使われる化学製品を販売し続けている。その製品の技術はデュポンから盗まれたものだと同社は確信している。両社の幹部からコメントを得ようとしたが、両社とも応じなかった。

 中国の独禁当局は「まだ調査中だ」とし、詳細については明らかにしなかった。

「著しい圧力」
 上海の米商工会議所が今春実施した調査では、会員企業の約5社に1社が中国当局から技術移転を迫られたことがあると回答した。そのうち航空宇宙関連の44%、化学関連の41%が「著しい圧力」を受けたと報告している。中国は両業種を戦略的に重要な分野だととらえている。

 市場へのアクセスの見返りに技術移転を迫るやり方が始まったのは、市場寄りの政策にかじを切った鄧小平氏の時代だ。この政策はのちに中国の繁栄につながった。ゼネラル・モーターズ(GM)の幹部は1978年の予備調査的な訪中で現地企業との合弁を提案した。中国政府関係者や歴史家、自動車業界の幹部らの話で分かった。

 この合弁案は、西側の技術は欲しいが西側の影響力は制限したいという鄧氏の望みと合致した。同氏は1984年に「(中国は)われわれが必要とする進んだ技術と引き換えに国内市場の一部を手放す必要がある」と述べている。コロラド大学、香港大学、ノッティンガム大学の経済学者らが今年3月に発表した論文によると、この政策は成功した。論文には、外国の技術が「合弁事業の範囲を超えて拡散」し、競合他社の技術向上を促進したとある。

 中国と外国企業の合弁では、外国企業は現金や技術、経営に関する知識といった知的財産を提供し、中国企業は土地使用権や資金調達、政治的な人脈、市場の知識を提供することが多い。米国企業との合弁が増えるにつれ、歴代の米政権は技術提供に関する要件の緩和を求めて中国に圧力をかけてきたが、大きな成果は出ていない。トランプ政権は中国に関税をかけて「枠組みを変え」たいとの意向を示している。


 中国は35の分野について、外国企業による新規参入や事業拡大は合弁企業を通じて行うよう義務付けている。ただ今年4月には、外国の自動車メーカーに工場の所有権と利益を中国企業と分け合うよう義務付ける規則を、2022年までに段階的に廃止する計画を発表した。

 中国指導部にとって革新的な技術とは、中国の各業界を高度化させ、豊かな国に仲間入りするための力だ。外国企業に最高の技術を提供させるため、規制委員会が外国企業の投資を詳細に調査し、政府の目標と一致するかを確認する。

 外国の自動車メーカーにとって、規制委員会は今や、電気自動車(EV)関連の技術をめぐる戦いの場となっている。外国メーカーによると、新車を大量生産するには政府の許可を得なければならず、必須の技術監査は数日かけて行われる。

 ある外国自動車メーカーの社員は今年の監査で、監査チームと中国の自動車メーカーが「共謀している明確な証拠」に気付いた。この社員によると、監査で調査員から提出を求められたのは、このメーカーが中国の合弁相手から守ろうとしていたEVの部品の設計図だけだった。

 社員は「(調査員は)どういうわけか調べるべき分野を正確に知っていた」「その他の非常に複雑なシステムについての質問は一切なかった」と語った。

デュポンは「人質」か
 デュポンは2006年、提携先の中国企業である張家港美景栄化学にトウモロコシを原料とする繊維用のポリマー「ソロナ」の製造販売を許可した。デュポンの社内では、美景栄との提携は中国市場に参入するための通行料のようなもの、という認識だった。同社は、ソロナの生産と繊維への加工のための工場設置に向けて美景栄を教育した。

 事情に詳しい関係者によると、デュポンは美景栄がソロナに類似した製品を販売するためにデュポンの知的財産を奪おうとしているとの疑いを抱き、美景栄のライセンスを更新しなかった。2013年頃のことで、当時、ソロナは中国で7000万ドル規模の事業に成長していた。デュポンは特許が侵害されたとして2件の仲裁を申し立てた。審問は2017年まで続いた。

 この頃、中国国家発展改革委員会の独禁法部門の関係者がこの問題に関心を持ち、デュポンと会合を持ち始めた。12月、委員会はデュポンが計画していたダウ・ケミカルとの合併について独禁法に基づく調査を開始したが、合併計画にはほとんど関心を示さなかった。合併は昨年、完了した。

 この問題について説明を受けた関係者によると、中国の当局者が注目していたのはむしろデュポンと美景栄の対立だった。12月に3日間にわたって会合を開くうちに、デュポンは強制捜査が入るのではと心配になり、強制捜査への対応について社員研修を計画したが、捜査官が来るほうが早かった。

 捜査官はデュポンに対し、中国企業に技術の使用許諾を認めることに消極的であることなど独禁法に反する行為と、美景栄をめぐる仲裁の申し立てについて調査していると説明した。中国政府は米国との貿易戦争で人質を欲しがっている可能性があり、デュポンは申し立てを取り下げただけでは中国政府は満足しないだろうと考えているという。

中国にある工場の電気自動車生産ライン

 トランプ政権高官はこうした案件を中国の経済侵略の証拠と受け止めている。対中強硬派のピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)は「中国市場への参入に意欲的な米国企業が世間知らずで傲慢(ごうまん)だったことに加えて、中国が手の込んだやり方で技術を入手しようとした。命取りの組み合わせだ」と話した。

 先月の米中通商協議で米国は技術移転の強要をめぐり中国に迫った。米国が例に挙げたのが半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーだ。同社は12月、中国の福建省晋華集成電路が技術を盗んだとして、カリフォルニア州の連邦地方裁判所に提訴していた。福建晋華は1月、マイクロンを相手取って福建省の裁判所で訴訟を起こした(福建晋華の経営には福建省政府が関わっている)。福建晋華は両者が特許権を主張している製品について、マイクロンの一部子会社による中国での販売を差し止める仮処分を勝ち取った。

 福建晋華はコメントを差し控えた。同社が7月に公表した声明では、マイクロンが「無謀にも」特許を侵害したと述べた。マイクロンは「あらゆる手段を通じて自社の知的財産および事業利益を積極的に保護する」意向を示した。

 米中協議に詳しい関係者によると、中国側の交渉担当者の王受文商務次官は8月の協議で米国側の懸念を一蹴した。王氏は、マイクロンと福建晋華は「兄弟のようなもの」で、「兄弟はけんかをするものだ」と言ったという。

【私の論評】米国だけでなく、中国より高い技術を持つ国々はすべからく泥棒中国をぶっ叩き潰せ(゚д゚)!

中国による知的財産侵害の手口が巧妙化の一途をたどっています。ブログ冒頭の記事の米国企業のように、日本でも、中国進出とひきかえに海外企業に技術を開示させる例が相次いで報告されているほか、模倣品の製造や流通も多様化しています。

他国の知財を効率よく奪う手法を「進化」させています。一方で、中国企業による特許の出願件数が増えたことで、海外企業が中国内で知財訴訟に巻き込まれるケースも目立ち始めています。

日本貿易振興機構(JETRO)によりますと、中国では、海外企業が自動車や船舶、送電網の建設といった一部の製造業などを国内で営む場合、中国側の出資が過半を占める合弁会社を設立しなければならないと定めた法令があります。

中国では、合弁会社をつくらないと運営できない海外企業の弱みにつけこんで、技術を無理やり開示させようとする例が後を絶たないのです。知財問題に詳しい専門家によると、進出企業が中国で合弁会社の相手企業に技術を教えたことで、1年もたたないうちに同様の技術を持つ全く別の企業が出現した知財流出事案も発生しているそうです。


長い期間、資金と時間をつぎこんだ技術を一瞬で奪い取られるというのです。これ海賊ののやり口と同じです。単なる泥棒です。

一方、知的財産権の侵害をめぐっては、模倣品の問題も深刻化しています。財務省によると、日本での模倣品の税関差し止め件数(2017年)全3万627件のうち9割以上の2万8250件が中国の製品でした。数だけではなく、中国の業者などによる模倣品の製造や販売の手口は巧妙化しています。

特許庁によると、近年、正規品の容器や包装を回収して粗悪な製品を詰めて偽って販売したり、正規品であることを示す識別シールを模倣して貼り付けたりする悪質な被害が発生しているといいます。最近はインターネットの販売など流通が多様化しており、各企業が模倣品を追いづらい状況にあります。

さらに、中国をめぐる知財問題で懸念されているのが、買い取った特許権を利用して他社に訴訟を仕掛ける特許管理会社「パテント・トロール(特許の妖怪)」の出現です。背景には、中国の特許出願件数の増加があります。

世界知的所有権機関(WIPO)が昨年12月に発表した16年の世界の知的所有権統計で、特許出願の受け付け国・地域当局別件数は中国が134万件となり、6年連続の首位となりました。

今や、中国人の特許出願意欲は世界一です。一方で、出願件数の増加に伴い、知財訴訟件数も増えつつあります。特許を管理する中国国家知識産権局によると、16年の中国の知財訴訟件数が約12万6千件(一審受理)だったのに対し、17年は約19万1千件(同)に上昇しました。

訴訟の中には、パテント・トロールが中国の裁判所で日本企業などを訴えるケースが出てきています。パテント・トロールは、経営が傾いた企業などから特許を買い取り、別の企業にライセンス料などを請求する悪質な手口です。
2015年の統計ではアップルが世界最大のパテント・トロールの標的となった

米国が発祥といわれ、15年に起きた同国の特許をめぐる訴訟約5800件のうち、6割以上がパテント・トロールが原告とされています。米国をしのぐ勢いでパテント・トロールの活動が中国で増加する可能性が高いです。 

今後、日米の進出企業が巻き込まれる中国の知財問題はより複雑化することでしょう。だからこそ、トランプ大統領は対中国貿易戦争を開始したのです。

これだけ、日本も知的財産権を侵害されているのです。これは、日米だけの話ではありません。どの分野にかかわらず、中国より高度の技術を持つ国々は、日本を含めて、米国と同じく中国を懲らしめるため貿易戦争等を挑むべきです。

中国の横暴を許すべきではありません。今まで米国を含め多くの国々が中国に対して厳しいことをしてこなかつたからこそ中国は増長してしまったのです。泥棒中国は、何が何でも、ぶっ叩き潰さなければなりません。

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