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2018年6月5日火曜日

経済合理性はない消費増税 撤回のチャンス乏しいが…延期する政治判断が正解だ ―【私の論評】消費税を5%に戻せば、日本は再び世界第二の経済大国に返り咲き安倍政権は長期政権に(゚д゚)!

経済合理性はない消費増税 撤回のチャンス乏しいが…延期する政治判断が正解だ 

安倍晋三首相

2019年10月の消費税増税に備え、安倍晋三首相は19、20年度の当初予算を大型にする意向を示し、6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に景気対策の必要性を明記すると報じられている。消費増税を止めることはもうできないのか、一時的な景気対策で増税の悪影響を食い止めることは可能なのか。

本コラムで何回も指摘してきたように、統合政府のバランスシート(貸借対照表)を見れば、ネット債務残高はほぼゼロである。すでに財政再建をする必要は乏しいので、経済政策としてみれば、あえて消費増税を実行する必要はない。

それでも、政治的な理由で実施するというのであれば、そのときの対応策は増税効果を打ち消すような理論的な最善策に可能な限り近づけるべきだ。

最善策とは、8%から10%への消費増税を行うと同時に、全品目を8%の軽減税率の対象として適用することだ。笑い話のようだが、理論的に考えるとこうなる。筆者は、実際にこの話を国会で参考人として答弁したことがある。

これができない場合、何にも増して、景気を過熱させておくことが必要だ。そのために即効的な対策は、有効需要を高める減税を含む意味での財政出動である。一度きりの補正予算より恒久的な本予算でやるほうがいいが、少なくとも複数年度は必要である。手法としては広い範囲で財政出動をしたほうがいい。所得税減税と給付金の組み合わせであれば、全品目軽減税率適用に近い経済効果になる。

規模としては、恒久的な措置であれば増税額に見合う数兆円規模でもいいが、一時的な措置であれば10兆円以上を行って景気を過熱させることが必要になる。現在の需給ギャップなどから、こうした規模の財政出動であれば、景気は過熱するであろうから、増税によって冷や水をかけてもいいだろう。

そこまでして消費増税を行う経済政策上の合理性はない。消費増税が政治的に撤回できないので、増税分も政治的に使ってしまうというもので、あくまでも経済政策としての判断というより、政治的な判断だといえる。

政治的な判断というのなら、いっそのこと、財務省の公文書改竄(かいざん)などの不祥事から政局になりかかっていることもふまえて、国民の行政に対する信頼が回復するまで、当分の間、消費増税を延期するというのが、国民生活をかんがみても正解ではないだろうか。

もっとも、実際の政治スケジュールをみると、今年は大きな国政選挙が行われない可能性が高く、その場合には、消費増税の撤回を政治的な争点にする機会がなくなり、既に法律で決まったものとして、増税が実施されてしまう。

秋に予定されている自民党総裁選で消費増税の是非でも争点になれば、撤回のチャンスも出てくるが、そうならない場合、客観的にみて今の政治スケジュールでは苦しいところだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】消費税を5%に戻せば、日本は再び世界第二の経済大国に返り咲く(゚д゚)!

2019年10月に予定される税率10%への消費増税をめぐり、自民党の若手議員らが11日、増税凍結と、基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の撤回を求める提言を発表しまた。首相官邸の後押しを受けたもので、消費増税をすでに2度延期している安倍晋三首相の政策判断や、秋の自民党総裁選に影響をログイン前の続き与える可能性があります。

提言をまとめたのは「日本の未来を考える勉強会」(呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員)。増税凍結などの理由として、前回14年の増税(5%→8%)の影響が残り、「再デフレ化の危機に直面している」と主張。全派閥の衆院1~3期生と参院1期生、前職の計39人が賛同の署名をしました。

以下に彼らの提言の内容を示す動画を掲載します。動画のタイトルは、「デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言(Ver.2)」記者会見です。 平成30年5月11日にYouTubeに掲載されたものです。



提言は近く、首相と二階俊博幹事長に申し入れるますが、提言には首相の意向が働いています。首相は今年2月、公邸で若手議員と会食。その際、参加者がPB黒字化への異論を唱えると、首相は理解を示し、「党の方でどんどん議論を盛り上げてよ」と応じたといいます。

また、提言の文案は当初、増税「凍結」を「必須」としていましたが、官邸幹部と調整し、「当面の『凍結』を検討」という表現に落ち着いた経緯もあります。勉強会メンバーの一人は「官邸がOKと言わない提言は出せない」と話したそうです。安藤氏は提言発表の記者会見で、「大きな政策変更だ」と述べ、総裁選の争点になるとの認識を示しました。

この動きからすると、自民党総裁選で消費増税の是非が争点になる可能性はあると考えられます。

安倍首相はこの動きだけではなく、党内で様々な「増税見送り」の動きを期待しているでしょうし、実際にそのような動きをする人々を支援するのではないでしょうか。

2018年9月の自民党総裁選で誰が勝者となるのか。安倍晋三総裁の対抗馬として誰が立候補するかもまだ明白にはなっていない状況ですが、私は、安倍氏と岸田文雄政調会長の一騎打ちになる可能性が高いと予想しています。

岸田氏

そうして、こと日本経済にとっては、安倍氏の勝利が望ましいです。

岸田氏が勝って岸田政権が誕生すれば、消費税の8%から10%への引き上げが2019年10月から予定通りに行なわれるはずです。その結果は、火を見るより明らかです。前回の消費税率引き上げ後と同様に、日本の景気が大きく失速することは間違いないです。10%増税ともなれば、切りがよくて計算しやすく、8%増税のときよりもさらに個人消費が落ち込むことが考えられます。

一方、安倍氏が勝てば、少なくとも消費税が上がることはないと考えられます。安倍氏はおそらく、自民党総裁選前に再び消費税の凍結、あるいは引き下げを表明すると、私は見ています。なぜなら、内閣支持率の急落という逆境から一発逆転勝利を狙う最後の切り札は、それしかないと思われるからだ。

日本経済にとって最良のシナリオは、安倍氏が消費税率の引き下げを総裁選の争点にして勝利することです。その結果、たとえば消費税が5%に引き下げられれば、日本の株価も一気に上がるはずです。

そうして、実は上記の「日本の未来を考える勉強会」も過去に同じような提言をしています。8%増税で大失敗したのですから、その失敗を取り返すには消費税を5%に戻すというのは自然な流れです。しかし、そうなると決まって出てくるのが、財源の問題です。

しかし、財源はすでに潤沢にあります。消費税を5%に引き下げても、通貨発行益を財源として利用すれば、財源的には何の問題もないはずです。日銀は量的金融緩和で国債を大量に買い増し続けていますが、日銀が保有する国債は、元利の返済が実質不要です。

日銀が国債を買い入れるということは、国債を日銀が供給するお金にすり替えることを意味します。日銀券は元本返済も利払いも不要なので、日銀保有の国債は借金にカウントする必要がないです。それが通貨発行益です。

2017年度ベースの日銀の国債買い入れ額は、約31兆円に上りました。ということは、通貨発行益が2017年度ベースで約31兆円出たということです。一方、2017年度のプライマリーバランスの赤字額は約19兆円なので、2017年度の日本の財政は実質的に約12兆円の黒字だったのです。

それに対して、消費税を5%に引き下げるために必要な財源は約8兆円なので、問題なく可能なのです。これについては、このブログでも政府の日銀の統合政府ベースではすでに、財政は黒字であることを何度かとりあげてきました。


これを語ると、反アベノミクスの方々は、そんなのインチキだと言うのですが、彼らの頭の中は静的で、動的な金融政策を無視しています。景気が悪ければ、日銀が市場(銀行など金融金)から国債を買い取って、市場に大量の銀行券を流通させることによって景気は良くなります。

このままであれば、景気は加熱しっぱなしなりますが、景気が過熱すれば、今度は日銀が市場(銀行などの金融機関)に国債を売り、市場から銀行券(お金)を吸い上げて、景気の行き過ぎを抑制します。これが、中央銀行のオープンマーケットオペレーションというものです。

このようなダイナミックな動きをする機動的金融政策を実施することを前提とすれば、大量の国債を日銀がいつまでもため込んで離さないということではないので、何の不都合も生じません。

反アベノミクスの方々は、過去の日銀が動的に引き締めや緩和政策をその時々実行するという動的な金融政策をとらず金融引締めばかり実行してきたので、日銀風の静的金融緩和(引き締めたら引きしめぱなし)という金融政策を前提でものごとを考えるようになってしまったのかもしれません。そもそも、なぜ日銀が買いオペをしなければならないのかといえば、過去の日銀が頑なに金融引締めばかりを実施してきたからに他なりません。

確かに、日銀が国債をいつまでも市場から国債を買い取る(買いオペ)ばかりをしていれば、いずれ市場にお金が溢れ、ハイパーインフレになることになります。そうなる前に、今度は日銀は市場で国債を売って、市場からお金を引き上げれば良いのです。これが売りオペです。過去の日銀は、このダイナミックな動きをしなかったので、金融政策に失敗し続けてきたのです。

話を元に戻します。もし安倍氏が総裁選に勝って消費税率が8%に据え置かれた場合でも、岸田氏が勝って消費税率が10%になった場合を比べれば、日経平均株価は5000~6000円の差、あるいはそれ以上の差が出ることになるでしょう。一般の個人投資家にとっても、安倍氏の勝利が望ましいです。市場は間違いなく、安倍総裁再選を歓迎しています。


ところで、2108年1~3月期の実質GDPは、2年3か月ぶりのマイナス成長となっています。「リーマン・ショック並みの経済危機がくれば、消費税凍結を考える」と総選挙で発言した安倍総理が、消費税の凍結あるいは引き下げを断行する環境は整ってきています。

安倍総理が3選され、安倍総理が10%増税延期するどころ、消費税を5%に戻すようなことになれば、財政政策は金融政策よりは即効性があるので、あっと言う間に景気が回復して、物価目標も達成され、日本経済は盤石となり、数年後には低迷している中国の経済を追い越し、再び世界第二位の経済大国になることも夢ではありません。それだけ、日本の経済の潜在能力は高いのです。

そうして、無論安倍政権が長期政権になるのも確実です。

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2013年6月18日火曜日

中国、水増し統計相次ぐ 貿易統計は7兆円過大 地方都市の工業生産額も―【私の論評】中国の水増しは女の子のメイクアップのメイク技術の水準よりはるかに上であることが判明!!隠しきれなくなり、日本が再び世界第二の経済大国に返り咲く可能性が非常に高くなってきた(゚д゚)!


中国江西省の貿易港=9日
中国で経済統計の水増しが相次ぎ発覚、公式発表への信頼性が揺らいでいる。貿易統計は架空取引により750億ドル(約7兆円)も水増しされた疑いがあり、地方当局が工業生産を4倍近くに過大報告していたことも判明。政府は対応を迫られている。

 中国税関総署によると、1~4月の中国から香港への輸出は前年同期比69・2%増の1451億ドルに急拡大。しかし当局が架空取引を取り締まった結果、5月の輸出は1~4月より大きく低下。中国紙、21世紀経済報道によると、1~4月の貿易統計に計上された架空取引の金額は750億ドルに上ったとの指摘がある。

 また、国家統計局は6月14日、広東省中山市横欄鎮が2012年の工業生産額を62億9千万元(約970億円)も水増ししていたと明らかにした。公表額は85億1千万元だったが、国家統計局が調べると、実際は22億2千万元しかなかった。

【私の論評】中国の水増しは女の子のメイクアップのメイク技術の水準よりはるかに上であることが判明!!隠しきれなくなり、日本が再び世界第二の経済大国に返り咲く可能性が非常に高くなってきた(゚д゚)!

上の水増しの史実、何も最近のことではなく、もう随分前からいわれてきたことです。昨年も、なんと中国副首相がそのことを認める発言をしていたことは有名なことです。それにしても、中国では、数年前くらいから、女の子のメイクアップ前後のあまりの変容ぶりが話題になっていましたが、中国では、政府や企業もそのようなことをやっていて、何とか、体裁を整えることに必死であることがみてとれます。以下にネットで話題になっていた、中国の女の子のメイクアップ前後の写真を掲載されていただきます。
さっぱり顔もこの通り!
童顔さんもギャル風に
これは何と表現すれば良いのやら!
ザ・別人
なにやら、凄いの一言の水準です。中国はパクリや、経済指標などの水増も凄いですが、女の子のメイクアッブ技能の高度化には、目を見張るものがあります。日本人でもこのくらい化けている人もいるのでしょうが、中国の女の子は、これをネットに掲載するというのですから凄いです。中国の中央政府も、地方政府も、企業もこのようにしていただきたいものです。

さて、中国の経済指標などの水増しにについては、このブログでも過去に掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
【大前研一のニュース時評】中国の経済統計、信用できず!副首相“発言”が示唆−【私の論評】大前研一氏が今更指摘するまでもなく、中国の統計はデタラメ!!気をつけなければならないのは、それだけではない!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に本日の記事に関係分のみ掲載させていただきます。
英フィナンシャル・タイムズ紙は、15日付で「中国経済、予想を超える急減速か」と題する記事を掲載した。来年3月に温家宝首相のあとを継ぐとされる李克強(り・こくきょう)第1副首相が、かつて経済成長を評価する際に「GDPではなく、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行という3つの統計を重視する」と語っていたことを紹介したうえで、最近発表されたこれらの数値がいずれも落ち込んでいる、と同紙は指摘したのだ。 
李氏は、「今度、首相になる予定の私は統計のことをよく知っている。だから(GDPではなく)、こういう即物的な(電力消費量などの)指標をみるという癖がついています」と言いたかったのだろう。逆にいうと、中国政府が発表するGDPなどの経済統計は信用できないことを示唆したわけだ。 
これは非常に重要なことだ。中国経済で信用できるのは、李氏の言うとおり電力消費量、貨物輸送量、融資のペースなのだ。不動産の売買、ガソリン売上高などを加えてもいいだろう。最近の即物的指標はたしかに、全部マイナスになっている。
当時の第1副首相がこのようなことを語るというのですから、中国の統計資料の水増しは、疑いようがないほど確かです。このブロクでこの記事よりもさらに古い時点で、中国で公式に発表されたGDPの値にとんでもない出鱈目があったことを指摘しています。以下にその記事のURLを掲載します。
「大躍進の再来」 各省のGDP成長、全国平均値を上回る ネットに批判殺到=中国―もうすでに中国ではバブル崩壊が始まった?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2010年のものです。とにかく、酷い出鱈目だったという事がお分かりになると思います。何も最近にはじまったことではなく随分昔からそうだったのだと思います。

この経済指標などの出鱈目ぶりから、実は中国は今でもGDPは世界第三位であり、日本を追い抜いていないという研究結果もあるほどです。それについても、このブログの過去の記事に掲載したことがありますので、その記事をURLを以下に掲載します。
中国全人代に1000億円長者は83人も―【私の論評】社会の変革を後回しにしたつけが効いてきた中国、習近平はラストエンペラーになる!!【4】
この記事は、今年の3月のものです。これも詳細は、この記事をご覧いただくものとして、本日の記事に関係する部分だけ以下に掲載させていただきます。

日本は今も世界2位の経済大国だ 中国は“水太り”
詳細は上の記事をご覧いただくものとして、以下にその興味深いグラフとその説明を掲載しておきます。 
 さっそくグラフを見よう。日中の物価の変動分を差し引いた実質GDPのドル換算値で、基準年を2000年としている。これに物価上昇率を上乗せした名目GDPのドル換算値が2010年に中国が日本を上回り、国際的に中国が世界第2位の経済大国だと認知された。ところが、この実質値では00年の価格水準でみて、11年でも中国を約1・5兆ドルも上回っているではないか。つまり、日本は実質ベースでは依然、世界第2位なのである。 
 12年に中国が実質GDPで日本を抜くためには、少なくても43%の実質経済成長率を遂げなければならないが、これまでの中国の大本営式の発表でも今年は実質成長率が7%台にとどまるのだから、対日逆転はありえない。仮に日本が実質ゼロ成長で今後も停滞し、中国が同7%成長を続けるとしても、中国が名実ともに日本を抜くには6年かかる計算になる。 
 中国は輸出と投資主導で実質成長率を押し上げしてきたが、輸出は大きく減速し、投資を担ってきた地方政府も不動産バブル崩壊に伴う巨額不良債務により身動きがとれないのだから、中国が実質でも日本を抜くメドはたたない。
このような指摘は、前からされていて、アメリカでは、中国の統計は信用ならないとして、宇宙から中国の夜の明かりの強さを測定して、その変化から、中国GDPの推移を見ようとする研究をすすめているくらいです。これば、景気が良ければ、工場は夜遅くまで操業するし、歓楽街もより多く、より遅くまで営業するという事実から、中国のGDPの真の姿を読み取ろうとする試みです。アメリカではこんなことまで、本気で実施しようとしています。

そうして、現在中国はすでに事実上バブルが崩壊し、非常に危ない状態であるといわれてます。今のところ、中国では、この状況をひた隠しに隠してしていますが、実はあちこちでほころびが目立ってくるようになりました。

その一つが、本日このブログの冒頭にあげた記事です。そのほかにも、見過ごすことのできない記事もあります。たとえば、以下の記事です。
【経済裏読み】中国の経済指標は水増し・捏造の疑い……投機マネー移動のための偽装の可能性
これについても、詳細は、この記事をご覧いただくものとして、要点だけ以下に掲載させていただきます。

最近香港への輸出が異常に増えていて、その理由で考えられるのは、以下のようなものだそうです。
 香港は中国政府の統治下だが、中国は一国二制度で貿易上、香港を外国として扱う。複数のエコノミストが指摘するのは、香港への輸出を装った投機的資金の流入だ。 
 中国は資本取引や外資流入への規制が強い。しかし輸出入の手続き書類を整えて貿易決済の体裁さえ取れば、中国本土の銀行に簡単にお金を振り込むことができる。 
 実体のない偽の輸出は当然、違法行為だが、中国本土は金利の高さや人民元高への期待感、不動産高騰など、外資を含め投資家が資金を持ち込みたくなる土壌が整っている。
おそらく、これは事実だと思います。このからくりを図式化すると以下のようなものだそうです。


 そうして、この話の信ぴょう性を裏付けるエビデンスとして、以下のような事実も掲載されています。
 こうした指摘は今年に入って急速に強まり、中国国家外貨管理局は5月5日、外貨資金流入の管理を強化すると発表し、偽の輸出や違法な域外からの不動産投資・投機資金の流入を取り締まる姿勢を示した。 
 そのとたん、同月の貿易統計が輸出の急減速したのだが、当局の摘発を恐れる存在がいかに多いか-を疑われても仕方がないのではないか。 
 中国の貿易を見る上で、香港は「混乱の種」(証券系アナリスト)とされてきたが、問題は統計の信頼性だけではない。水増しだとすれば、実際の輸出の伸びを把握し損なった中国自身、誤った政策判断を下すことにつながりかねないためだ。
この事実を示すのが以下のグラフです。



こうした事実からみて、私は、実は中国のGDPが日本を追い越したということは、虚偽だと思っています。そうして、中国の経済は本格的に落ち込んでいること、そうして日本がアベノミクス、特に金融緩和措置をやめない限り、中国の経済は本格的に落ち込み、いずれ、中国政府もそのことを隠蔽できなくなり、中国のGDPは、世界第三位どころか、それ以下かもしれないことを認めざるを終えなくなると思います。その日は、刻々と近づいていると思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年12月7日金曜日

2012-12-06 ニコ動・安倍晋三元総理がリフレ派に転向した訳―【私の論評】安倍総裁の主張する財政・金融政策は、強い日本をつくり最終的に「戦後レジームからの脱却」を目指すものだ!!

2012-12-06 ニコ動・安倍晋三元総理がリフレ派に転向した訳

自民党安倍総裁の財政・金融政策には、自民党内でも異論があり本当に賛成しているのは1/4くらい?
12月2日に自民党安倍総裁が演壇に立ち、安倍氏がリフレ政策に転向した経緯と、現在の持論を展開している様子がニコニコ動画に掲載されていて、大変興味深いものがありました。 今朝の日経でも次の衆議院選挙で自公で過半数を取る勢いとも言われていますので、次期首相最有力の安倍総裁の考え方に耳を傾けてみましょう。
ここで私たちはどういう主張をしているかといえば、自民党の山本幸三さんという元財務省の人が主張していたことなんですね。 それを私は聴いていて、これは暴論だなと思っていたんですね。 実は私も誰も相手にしていなかったんです。 これは日銀の言うことの方が正しいのかな、と思ってきたんです。それがぱっとある時、必ずしもそうではなくて、山本さんの言うことの方が正しいのかなと。 
 私はこの分野(マクロ経済)は全然勉強をしてきたわけではないんですが、最近急にこれ(マクロ経済)についてお話を聴く機会を得ながら久しぶりに勉強したんですがね、今こそ山本氏の言う方がいいんじゃないか、と思ったら、国際的には、山本さんの言う方が主流なんですね。 
 先般もエール大学の浜田教授がやって来まして、…、「(リフレ政策を)堂々と主張してください」と言われました。 つまり我々が主張していることは、まずは現下のデフレを脱却しなければいけない。
このつづきは、ニコニコ動画から!!

【私の論評】安倍総裁の主張する財政・金融政策は、強い日本をつくり最終的に「戦後レジームからの脱却」を目指すものだ!!

この動画、もともとはChannelAjer(チャンネルアジャー)に掲載されたものの一部のようです。これは、1年ほど前の、もののようで、私自身も、見過ごしたものです。そうして、全部で7つくらいの動画があり、そのトップの動画を以下に掲載しておきます。そうして、1年前ですから、まだ安倍総裁になっていない頃の動画です。上のニコニコ動画は、この動画のうち、財政・金融政策に関して述べているものを再度、ニコニコ動画に投稿されたものです。以下に、YouTubeからそのトップ動画を掲載します。



最近このブログでは、安部自民党の応援する内容のものが多いです。それは、上の安部総裁の主張に全面的に賛成だからです。しかし、私自身は、安部総裁を前から支持してきたわけではありません。特に総理だった時代には、このブログでもほとんどとりあげたことはありませんでした。

確かに当時の安倍総理が主張する「戦後レジーム」からの脱脚は、絶対に必要だとは思っていました。今でもその考えに変わりはありません。しかし、そのために何をするかという点で、目ぼしいのは、教育に関するものでしたが、特に経済・金融対策は、その当時には何ら目ぼしいものはなく、これで本当にできるのだろうかと非常に疑問でした。しかし、安部総裁、総理辞任から5年間でずい分勉強されたようです。この財政・金融政策であれば、まずは、経済を回復させて、日本を強くすることができ、本当に「戦後レジーム」からの脱脚ができそうです。だからこそ、このブログでも、最近とみに安部総裁のことをとりあげているのです。

さて、上の動画では、 話言葉でもあり、安部総裁の主張が明確に伝わりにくいところもあると思いますし、要点をさっと知りたい人もいると思いましたので以下に若干補いつつ安部総裁の目指す、リフレ派に転向したきっかけなどの部分は省き、安倍総裁の財政・金融政策に関わる根幹部分のみを掲載させていただきます。
リーマン・ショック後の各国の対応を見ると、まずアメリカは貨幣の発行量をリーマン・ショック前の2007年の2.5倍にしている。イギリスは3倍に増やしている。中国は、4倍にしている。日本は1.1倍程度だった。日本銀行はなぜか、過去20年間本格的な金融緩和は、実施したことがなく、他国と比較すると、引き締め傾向で推移してきた。このようなことを続ければ、世界金融市場で、円の需要は増し円高になるのが、当然の帰結である。また、デフレからも20年間脱却できないのも当然のことである。他国がマネタリーベースを増やしているのに、日本だけそうではなく、本来はほとんど影響を受けるはずのなかった日本が、リーマンショックの被害が世界で最も長引いたのも当然の帰結である。
日本は、金融緩和をしなかったため、震源地のアメリカよりも、
リーマン・ショックからの回復が立ち遅れた
そこで、デフレから本格的に脱却するためにはマネタリーベース(日銀が市中銀行に供給するお金のこと)を拡大しなければならない。震災対策を奇貨として15兆円から20兆円政府が国債を発行し、これを基本的には全量日銀に買いオペ(市中銀行から買う)してもらう。本来は、日銀直接引き受けの方が効果は大きいし、他国では当たり前に行われていることであるが、なぜか日本ではこれは各界の抵抗が大きいため、次善の策として、新発国債は金利も低く、今でも市場で十分吸収できる状況にあるので、日銀に全部買いオペで買って貰う。さらに、デフレから脱却を強力に推進するため、さらに15兆円から20兆円新たにお札を刷ってもらうということにする。
これは復興のために、直ちに建設などの投資に向かうので、お金は政府などを経由することなく、直ちに市中に出回ることになる。これにより、間違いなく円安そしてインフレに誘導されるわけだ。しかし、過度のインフレにはならないように、インフレにはある程度の目安をつけておく必要がある。これは本来財務省と日本銀行が相談して決めることなのだろうが、他国の共通認識としては、本来は(CPI)4(%)が良いと言われているが、4%という目標を掲げると、日本では、インフレを嫌う人々も多く、2%から3%として抵抗なく受け入れてもらえるようにし、これを上回った場合には直ちに日本銀行がインフレ是正を目指して金融引き締めを行う。政府が緊縮財政を行うという方向に持っていくのが望ましい。
インフレ・ターゲットの設定は、かつての自民党では疑問視されていた
安部総裁が、以上のような主張すると総裁の、総理大臣時代や官房長官時代の財務省の秘書官が直ちにやってきて提示した、資料によると、総裁が国債を日銀が、全部買い取りすべきだという話が出たとたんに国債の金利があがったことを示すものであったという。要するに官僚は、安部総裁が、上記のような発言をしたことにより、金利が上昇し、国債の信用が落ちたというのである。しかし、このような現象は、マネーゲームの世界の事象であり、金融業界は、上記のような総裁の発言を利用して国債金利を上下させて利益を得ようとするのが当然のことである。
では、麻生政権の時に15兆円、大量の国債を発行した。あの時は、金利は、1%以下の0.9%になった。ところが、財務官僚などは、下がった時には何も言わず、上がった時にだけそれを大きく拡大した提示する。(注:国債の金利があがるということは、それだけの金利をつけなければならない程度に国債の信用が落ちたということ。国債の金利が下がったということは、それだけ金利をつけずとも売れるということで、信用度があがったということ)
麻生総理は、大規模な財政出動を行ったが、日銀の金融緩和はなかったこのとき、
金融緩和も同時に行えば、日本は、今頃デフレから脱却できていたかもしれない
論理的には国債を日本銀行が全部買い取る買いオペをしようとしているのだから、特に国債の信用が落ちて暴落するようなことはあり得ない。それよりも、日銀がもう本当に国債をいっさい買い取れないという事態におちいった場合こそ暴落が起きる筈である。だから、日銀は、現段階では、十分買いとれるし、全部買い取ったとしても、それによって、国債の信用は落ちるということはあり得ない。
安部総裁は、現在でも日本銀行は月に1.8兆円位の買いオペを実施していることも例に出している。今回の買いオペは、それをかなり増やすだけのことであるともしている。日銀は、買いオペをリーマン・ショックより前は1.4兆円だったものを、今では1.8兆円に増やしている。しかし、金利が特に上昇したということはない。だから国債金利の上昇を恐れる必要はないと認識している。
いずれにしても、日本銀行は紙とインクで(紙幣を)刷る。20円で1万円を刷ることにより、9,980円貨幣発行費(益)が出る。貨幣発行費については基本的には政府に納付するため、これは政府が紙幣を発行するというのと同じと考えて良い。これは余り政治家が言うと、円の信任を傷つけるケースもあるので、これを余り強調することは控えるが、このような仕組みになっているので、これが、すぐに孫子の代にツケを残すということにはならない。それよりも、紙幣を増やすことでも、デフレを解消すべきである。
現在日本は、20年間もデフレに悩んでいる。安倍政権の時に財政赤字が、あと6兆円で解消できるまでになっていた。しかし、あの時もデフレであった。あの時に、もし(実質)成長率1%にインフレ率2%が乗れば、名目は3%の成長率になっていたはずであり、恐らくその段階で税収は60兆を越えて財政赤字が性解消された可能性が十分ある。2007年から8年には、解消されていたに違いない。
日本が、世界第二の経済大国出会った時代は40年にも及ぶ
この10年間、もし日本経済がデフレから脱却していて、2.3%のインフレ率に1%の(実質)成長を乗せて、もし4%の名目成長をしていれば、日本のGDPは600兆円から700兆円となっていたはずである。これは、断然中国より大きかったはずである。そういう状況になっていれば税収がかなり増えていたはずである。
我々はまずデフレから脱却し、経済を成長させ、税収をあげていかなければならない。そうして、安定的に成長した段階では、将来の年金・医療や介護(費用)、これに対応するための消費税増税というものを考えなければいけないことは確かである。しかし、そのためにも、今は震災対応や、デフレ脱却に活用すべきである。デフレ解消の前に、増税すれば、さらなるデフレスパイラルに落ち込むことになり、税収は増えないことは、以前の5%への消費税増税によっても、増税前の税収の水準を一度も上まったことがないことが雄弁に物語っている。
以上のような、安部総裁の財政・金融政策はデフレ脱却ための方策としては、かなりまともであり、期待できます。上記で、補足するとすれば、不景気なときにマネタリーベースを増やせば、ハイパーインフレになるとする意見もありますが、これはあてはまらないことが、はっきりしてきたことくらいです。

ジャパニーズ・ドリームが描ける未来は来るのか?
上の写真は、杉本彩さんの写真集の表紙
事実、アメリカは、QE1、QE2そうして、現在は、QE3という大幅な金融緩和を過去三度にわたって行ってきたが、物価は安定しています。ハイパーインフレなどからは、程遠いです。イギリスは、2010年に大幅な付加価値税増税を実施した直後から、特に若年層の雇用がかなり悪化したため、これに対処すべく、2011年にイングランド銀行(イギリスの中央銀行)がかなりの増刷を行い、金融緩和を行い、インフレ率が上昇し、一時4%を超えた時期がありました。これは、不景気なときにマネタリーベースを増やすと、ハイパーインフレになるという論者の有力な根拠となってきましたが、そうなることはなく、今年に入ってから、2%台になり、落ち着いています。

すでに、今回の衆議院選挙では、自公は圧勝しそうな勢いです。これで安部政権が誕生すれば、景気が上向く可能性はかなり高いです。さらに、来夏の参議院選挙で、自民が振るわず、自公維体制ができあがるとか、ねじれ国会になるとかの不測の事態になることなく、安部自民が圧勝でき、上記の財政・金融政策がそのまま実行されるようになれば、景気はかなり上向くことが予想できます。そうなった場合、多くの企業の業績回復や、新興企業がたくさん躍りでてくることになると考えられます。素晴らしいことです。そうして、国民は、景気が良くなっても、かつてのバブルのときのように浮かれることなく、安部総裁の本当の改革は、「戦後レジーム」からの脱脚であることを知り、その方向性でさらに頑張り、新しい日本を創ることに邁進しようではありませんか?私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?





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