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2020年4月12日日曜日

「マスク戦争」の戦犯は誰なのか 中国、日本から“奪った”マスクを政治利用!? 有事に備え「中国依存」の脱却が急務だ―【私の論評】安倍政権は、中国から生産拠点を国内や第三国に移転する企業への支援を表明(゚д゚)!

「マスク戦争」の戦犯は誰なのか 中国、日本から“奪った”マスクを政治利用!? 有事に備え「中国依存」の脱却が急務だ

マスク姿の習近平

 新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)はさらに加速しており、米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、死者が10日、世界全体で10万人を超えた。2日に5万人を上回って約1週間で倍増したかたちだ。日本でも同日、新たに過去最多となる634人の感染者が確認された。累計は6159人。無症状でも他人に感染させるリスクが指摘されるなか、日本だけでなく世界各国で「マスク不足」が深刻化しており、強奪・盗難事件まで発生している。前代未聞の「マスク戦争」を引き起こした戦犯は一体誰なのか。国際投資アナリストの大原浩氏が緊急寄稿で解き明かす。


日本政府が、「1世帯あたり2枚」の布マスクを郵送すると発表したことに対して、「アベガ-」などを中心に激しい反発が起こった。「アベノマスク」などという言葉も登場したようだ。

 これについては、中身のないウソを国民に広げるためにプロパガンダが洗練されているファシズム国家や共産主義国家と違って、日本人の伝統的考えである「良い仕事をすればみんな分かってくれる」という政府・官僚の広報対策の不備が責められるのは、ある意味仕方がない。しかし、この「布マスク2枚」は国家の全体戦略のあくまで一部だということを考えるべきであろう。

 現在有事にある日本国民は、ジョン・F・ケネディ大統領の「国があなたのために何ができるかを問わないでほしい。あなたが国のために何ができるかを問うてほしい」という名言を思い出すべきだ。

 特に悲しいのは、日本人同士がいがみ合うことである。

マスク不足の原因として、転売屋やドラッグストアに行列する高齢者などがやり玉にあげられる。それが事実である部分もあるが、根本的原因は「中国」または「中国依存」にある。


 新型コロナウイルスの感染が拡大する前、日本のマスクの年間生産・輸入量は約55億枚だったが、そのうち約44億枚が輸入品(=ほとんど中国製)で、国内の生産量は約11億枚しかなかった。つまり国産比率が20%程度なので、(輸入が止まって)国産だけで過去の需要を満たそうと思えば、これまでの5倍を生産しなければならない。政府の要請で国内各社が増産しても、5倍というのは厳しいハードルだ。

 しかも、現在はほとんどの国民がマスクを使用しているので、全国民の8割程度の1億人が毎日マスクを使用すれば、年間では365億枚と過去の需要の約7倍にも膨らみ、到底調達できない。

 だから、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化するなか、日本政府が(病院などに医療用マスクを回すために)再使用が可能な布マスクを国民に送付して、有効利用を要請するのは理にかなっているのだ。

 気になるのは、過去44億枚あった輸入品の行方である。AFP通信(7日)などは「中国は医療用物資の輸出を制限しているのか」などと報じている。

 検証可能な数字はないのだが、現在の中国からの輸入は週に1000万枚程度ともいわれるから、単純計算で年間5億枚程度で、過去の輸入量から比べれば雀(すずめ)の涙だ。

 しかも、そのようにして事実上日本企業=日本国民から奪ったマスクを、中国側がマスク不足に苦しんでいる各国にもったいぶって売りつけるという政治利用を行っているとすれば許しがたいことである。

 例えば、フランスには、マスク10億枚の供給と引き換えに、第5世代(5G)移動通信システムについて、中国の華為技術(ファーウェイ)の導入を求めたと伝えられた(=中国側は否定)。

 日本国民が怒りをぶつけるべき相手は、初期に日本からのマスクの寄贈を受けたにも関わらず(=そもそも、寄贈には問題があったが)、恩をあだで返す(人の足元を見る)中国共産党だとしか思えない。

 輸入依存で危険なのはマスクだけではない。

 在宅医療現場で使用されている人工呼吸器の約98%が輸入製品である。その他の医療製品も輸入比率がかなり高い。世界中で医療製品の取り合いが起こっており、この状況は非常に危険だ。

 食糧調達にも暗雲が立ち込めている。日本農業新聞によれば、4月3日時点でロシア、カンボジア、カザフスタンなど11の食糧輸出国が、自国への供給を優先する輸出規制を行っている。

 世界の穀物供給センターである米国でも状況は厳しい。新型コロナウイルス感染症の広がりによる国境封鎖・都市封鎖などによって外国人を始めとする労働者の確保が難しくなっているほか、配送トラック・配送センターの業務にも大きな支障が出ている。

 新型コロナウイルス感染は早く終息してほしい。もしそれが実現されなければ、われわれはまさに「戦時」の中で暮らさなければならないのだ。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

【私の論評】安倍政権は、中国から生産拠点を国内や第三国に移転する企業への支援を表明(゚д゚)!

中国への過度の依存について、政府も手を拱いているわけではありません。これに対応スべく安倍総理は行動を開始しています。

日本政府は、新型コロナウイルスの感染拡大で製造業のサプライチェーンの分断を受け、中国などから生産拠点を国内や第三国に移転するための支援を表明しました。米上院議員らはこの報道を受けて、米国もこの動きに追従すべきだと発言しました。脱中国依存の流れの始まりとしています。

この移転支援策は、4月7日に発表された緊急経済対策の一つとして盛り込まれました。総額は2435億円で、国内回帰分が2200億円、残り235億円が第三国への移転分として用意されます。

安倍首相は3月5日、官邸で開かれた未来投資会議でこの支援策について、次のように述べています。「中国などから日本への製品供給の減少による我が国のサプライチェーンへの影響が懸念される中で、一国への依存度が高い製品で付加価値の高いものは、我が国への生産拠点の回帰を図る。そうでないものも、一国に依存せず、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国などへの生産拠点の多元化を図る」


マスクがなくなったということで、マスクに関しては中国に依存していることが、多くの人に知られるようにはなりました。しかし、日本がどの程度中国に依存しているのかも明らかにしておく必要があります。

中国の主要な輸出先(2017年)は、1位米国、2位香港、3位日本、4位韓国の順。トップ4の顔触れは、20年前の1997年と全く同じです。ただ、日本は低下しており、輸出先としてのシェア(同)は6%と10年間で3分の1に低下しました。

急浮上したのが5位ベトナムです。同国への輸出額は過去20年間で約70倍、同10年間で6倍に急増、中国の対世界輸出額が各々13倍、2倍だったのに比べ大きな伸びを記録しました。この結果、ベトナムは中国の輸出先として10年前(2007年)の22位から急上昇しました。

世界貿易に占める中国の中国のシェア
上のグラフからすると、中国の対日輸出・輸入のしエアは年々減っていたことがわかります。この流れを加速することは、十分できそうです。米国もドイツも低下傾向です。

さらに、GDPに占める貿易の割合は、日本は29.3%、米国は20.56%です。韓国は、70.31%です。日本や、米国は元々貿易依存度が低いので、中国依存をやめることは比較的簡単です。とはいいながら、コロナ禍においては、マスクなどが品薄になるわけですから、早急にすすめるべきでしょう。

米国においては、ジョシュ・ホーリー(Josh Hawley)米上院議員は4月9日、日本政府が中国市場から撤退する企業を支援するとの報道をリツイートして、「米国も同じことをすべきだ」(1万8千いいね)と主張しました。トム・コットン(Tom Cotton)上院議員もまた、同記事を共有して「今後、世界でもっと中国に反旗を翻す動きが出てくるだろう」(3万5千いいね)とコメントしました。

中共ウイルス(武漢肺炎)の大流行は経済に大きな打撃を与え、多国籍企業は全体主義体制下にある中国市場からの撤退の動きが強まっています。調査会社によると、米国人の7割以上が米国のビジネスの中国市場撤退を予想しています。米国の上院議員は、米国も日本を見習って、米国のビジネスマンの復帰を支援するための資金を配分すべきだと考えています。

グローバル製造業コンサルティング会社・カーニー(Kearney)が4月7日に発表した第7回目の年次「回帰指数」(Reshoring Index)によると、2019年の米国国内製造業のシェアは、中国を含むアジア14カ国の生産品のシェアを大幅に上回りました。中国からの輸入が減り、自国生産品の流通が増加したことを示しています。

回帰指数は、アジア14カ国からの輸入品と、米国製品の変化を調査しています。 中国、台湾、香港、マレーシア、インド、ベトナム、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、カンボジアの14カ国を含めます。

報告書を作成したパトリック・バン・デン・ボッシェ氏は、回帰指数の高まりについて次のように分析しました。米国の生産者は30年前、国内のコスト高を理由に生産と製造、調達を中国に移したましたが、米中貿易戦によって高関税のリスクにさらされています。また、中共ウイルス(COVID-19)の流行が非常事態宣言を招く危機的な状況にあるなか、米国企業は予測不能な経済ショックに対応できるかどうかを考慮しています。

カーニーの年次報告書は、中国発のウイルス肺炎の蔓延により、海外企業の中国生産活動や貿易の縮小、撤退が加速しており、パンデミック前の状態に戻る可能性は低いと指摘しています。また、パンデミックの影響で大きな打撃を受けた企業は、リスクを分散し、中国市場への依存から脱出するために「購買戦略とサプライチェーンを真剣に考え直すことになる」と書いています。

中国は世界の自動車部品、玩具、電子製品だけでなく、ペニシリン、抗生物質、鎮痛剤、手術用マスク、医療機器など多くの医薬品や医療品も生産しています。

ドナルド・トランプ大統領の貿易顧問ピーター・ナバロ(Peter Navarro)氏は2月、フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、今回のウイルス蔓延の発生は米国が中国やその他の国からの医薬品や医療品の輸入への依存度を減らすための「警鐘」(wake-up call)であると語りました。

企業活動においても、物品の購入先が一箇所の会社に集中していれば、その会社が業績不審になったり、倒産した場合はもろに影響を被ることになります。分散するか、企業にとって必要不可欠なものは、内製化も検討すべきです。

国と国との関係も同じことです。中国一国に依存しすぎると、これからも何が起こるかわかりません。早急に改めるべきです。ただ、そうはいっても、中国に進出している企業がそれを実行するつもりがなければ、それは実現できません。

中国政府としては産業の高度化を進めるためにも日本企業にもっと来てもらいたいという意向は非常に強いでしょうから、日本政府の補助金に対して、「中国政府もAI(人工知能)や5Gなどハイテク分野において日本企業に補助金を出し、中国にとどまるようインセンティブを付けることも想定されます。

そうなると、対中国冷戦を挑んでいる米国は、そのような日本企業に対して直接制裁を加えるようになるかもしれません。いずれの企業にとっても、対中国依存は危険であると自覚すべきです。

そんなことはないだろうと、高をくくっている企業もあるかもしれませんが、予めコロナ禍も予想できなかったように、コロナ禍後の世界も何が起こるかは全く予想できません。とはいいながら、世界秩序は大きく変わるのは間違いないです。リスクはなるべく減らしておくべきです。

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2019年5月2日木曜日

【日本の解き方】令和にデフレ脱却できるのか…最大の課題は消費税と財務省! 健全な経済感覚を持つべきだ―【私の論評】安倍総理はなぜ財務省に面と向かって逆らえないのか?

【日本の解き方】令和にデフレ脱却できるのか…最大の課題は消費税と財務省! 健全な経済感覚を持つべきだ




 「令和」の時代を迎えた。平成から持ち越したデフレから完全脱却はできるのか。平成の時代に大蔵省から改編した財務省という組織は、どうあるべきなのか。

 平成時代の財務省は年々ひどくなっていった。1989年4月の消費税3%創設はまだよかった。同時に物品税を廃止しているので実質的にあまり増税にならなかった。導入のタイミングも、景気はまだ悪くなかったので、ダメージは少なかった。

 97年4月の5%への消費増税はひどかった。これは政権運営に不慣れな村山富市政権を利用して、大蔵省(当時)の強い意向で導入された。そして、この増税は、平成のデフレ経済を決定的にし、景気は後退した。しかし、大蔵省は景気が後退したことこそ認めたものの、原因は消費増税ではなく、アジア危機のせいであると説明し、今日に至っている。

 14年4月の8%への消費増税はさらにひどいものだった。これも政権運営に不慣れだった民主党政権時代に導入した。民主党政権は当初、消費増税しないと公約していたが、財務省はこれを覆して野田佳彦政権時代に消費増税法案を成立させた。

 景気判断でもひどいことをした。景気判断の基礎資料である内閣府の景気動向指数をみると、消費増税によって景気後退になったのは素人目にも分かるはずだが、財務省はいまだに景気後退を認めていない。消費増税以外の原因を見つけられないので、景気後退そのものを認めないという戦術とも考えられる。

 こうした話は公の場で議論されることはまずない。というのは、財務省は消費増税シンパを各方面に作っているからだ。

 一つは財界である。消費増税は社会保障のためだと財務省は説明している。社会保障財源が問題ならば、本来であれば社会保険料を引き上げるのが筋だ。しかし、社会保険料は労使折半なので、引き上げると経営者側の負担も出てくる。そこで、財界は社会保険料の引き上げには消極的になる傾向が強い。そこで財務省は、法人税減税という「おまけ」をつけて、財界を籠絡した形だ。

 次に学会である。政府審議会委員への登用、その後は企業の非常勤社外役員への推薦などで、学者に便益を与えている。

 最後はマスコミだ。新聞への軽減税率はこれほど分かりやすいアメはない。日刊新聞紙法による現経営陣の擁護、新聞再販での保護などのほか、各種のリーク情報提供もあり、大半のマスコミは財務省をまともに批判できない。

 財界、学会、マスコミが財務省の庇護(ひご)者となるなかで、10月の消費増税を予定通りに実施するつもりだ。

 令和の時代にデフレ脱却できるかどうかの鍵は、消費増税をするかどうかにかかっている。これは日本経済最大の課題だ。

 そこでは、財務省が健全なマクロ経済感覚を持つかどうかにかかっている。財務省は、平成時代の景気判断や消費税に関する説明について猛省し、財政状況や社会保障状況、マクロ経済状況も、予断なく国民に説明しないといけない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】安倍総理はなぜ財務省に面と向かって逆らえないのか?

なぜ冒頭の記事のようなことがわかっていながら、安倍総理など財務省に逆らえないのでしょうか。それは、財務省は、政治家にとって恐ろしい存在だからです。それは安倍総理とて例外ではありません。

安倍総理はデフレ脱却への期待感から高い支持率を得てきましたが、消費税の10%への再引き上げでさらに景気が悪化すれば、支持率が急落する危険が高いことを感じているはずです。インターネット番組に出演した萩生田氏は、今年10月に予定される消費税増税を凍結する可能性にふれ、おまけに衆院解散の可能性すらにおわせました。

政治家の誰もが、まるで判を押したように、「財政再建のためには消費税増税が必要です」などという、わかりきったウソを述べます。政治家だけではありません。マスコミもそうです。

高橋洋一(元大蔵官僚)のような、気骨のある人間だけが、ネット上で財務省のウソを暴き立てているのです。ただし、高橋洋一氏は、元大蔵官僚だったので、大蔵省のすみからすみまで、裏の裏まで知っています。さらには、まだ表に出していない隠し玉もあると思います。

財務官僚が高橋洋一氏が目障りになった場合には、何らかの報復をする可能性もありますが、隠し玉があるかもしれないということで、大きな報復は受けないですんでいるという面もあると思います。

それにしても、財務省を怒らせると、いったい何がそんなに恐ろしいのでしょうか。財務省の意向に簡単に逆らえないのは、国民より財務官僚の信頼を失うことのほうが怖いからかもしれません。安倍首相は12年前の第1次政権でその怖さを身をもって経験しました。

当初は小泉政権から引き継いだ圧倒的多数を背景に公務員改革を進め、財務省の天下り先に大鉈を振るって政府機関の統廃合に取り組みました。ところが、半年経たないうちにその威勢は消し飛びました。

閣僚のスキャンダルや消えた年金問題がリークされ、支持率が落ち目になると、財務省は全くいうことを聞かなくなったのです。そうなると内閣はひとたまりもないです。

官邸は閣議の際に大臣たちが総理に挨拶もしない“学級崩壊”状態に陥りました。あの時のトラウマがあるから、安倍総理は政権に返り咲くと政府系金融機関のトップに財務省OBの天下りを認めることで7年前の償いをせざるをえなかったようです。

12年前安倍第一次内閣は崩壊

やはり12年前、安倍首相は新聞の宅配制度を支える「特殊指定(地域や読者による異なる定価設定や値引きを原則禁止する仕組み)」見直しに積極的だった竹島一彦・公正取引委員長を留任させました。その人事でさらなる窮地に陥ったのです。

財務省と宅配を維持したい大手紙側は竹島氏に交代してもらう方針で話がついていました。ところが、安倍総理が留任させたことから、財務省は『安倍政権は宅配潰しに積極的だ』と煽り、それまで親安倍だった読売などのメディアとの関係が冷え込んだのです。

財務省の天下り先を潰しただけで、それだけの報復を受けたのです。その後、自民党から政権を奪い、「総予算の組み替え」で財務省の聖域である予算編成権に手をつけようとした民主党政権の悲惨な末路を見せつけられたのです。

最近の事例では、獣医学部新設のときの文科省の抵抗をみれば、わかりやすいでしょう。あの事件の実態は、獣医学部新設を渋る文科省に対し、官邸主導で押しまくって認可させたという、ただそれだ出来事です。

これに怒った文科省は、腐敗官僚の前川を筆頭に、マスコミに嘘を垂れ流し、安倍内閣打倒に燃えるマスゴミがこれを最大限に利用して、ウソ記事のキャンペーンを大々的に行ったのです。

腐敗官僚前川

ただし、文科省とマスゴミのウソを見抜く人が結構いたため、安倍内閣の支持率はほぼ330~40%を保ち、選挙にも圧勝して、文科省とマスゴミの企みは脆くも崩れました。

しかし、安倍首相は、あのとき冷や汗をかいたに違いありません。三流の弱小官庁で知られる文科省ですら、あのくらいの抵抗し、猛然と牙をむくのだ。これが最強官庁の財務省なら、どうなるか、想像に難くないです。

現在ではすっかり忘れ去られてしまったようになりましたが、以前、テレ朝の女性記者が財務官僚のセクハラ発言を音声データにとって、週刊誌にタレこんだという事件が起こりました。

あのとき、マスゴミでは財務官僚のセクハラ発言ばかりに焦点が当たっていたようですが、実は問題の本質はそこにはありません。

あの問題の本質は、女性記者を介してマスコミに情報をリークしていたのが、財務省の主計局長だったということです。なんと、財務省の中枢が、安倍内閣のディすりネタをマスゴミに売り渡していたのです。

財務省は、政治の裏の裏まで知り尽くしています。ネタはいくらでもあります。ときの内閣が意に従わないと、ちょっとしたスキャンダルをリークして、内閣を窮地に陥れるくらいのことは平気でするのです。

こういうときの、省庁とマスコミのスクラムは固いようです。省庁と全マスコミが束になってかかられたら、これに対抗できる内閣など、そうはないでしょう。

安倍内閣は、いったんは見事にこれを凌いだのですが、そう何度も同じようなリスクを冒すつもりはないでしょう。

これは別に安倍首相に限った話ではなく、与野党を問わず、他の政治家も同様です。財務省の意向に逆らいそれが財務省に不利になりそうであると財務官僚がみなせば、個人に対してもそのようなことをするようです。だから、エコノミストなどの識者もなかなか財務省の意向に逆らえないのです。

だから、誰もが「増税反対」などというようなことは、口をつぐんでしまうのです。野党は増税には反対しているようではありますが、それは財務省からみれば、何の障害にもならないので、無視しているだけです。そもそも、野党のほとんどが、国民生活や経済理論などとは無関係に、倒閣の一環として増税反対を利用しているだけです。

上の記事で、「令和の時代にデフレ脱却できるかどうかの鍵は、消費増税をするかどうかにかかっている。これは日本経済最大の課題だ。そこでは、財務省が健全なマクロ経済感覚を持つかどうかにかかっている」としていますが、私自身は財務省が健全なマクロ経済感覚を持つことはできないと思います。

安倍総理としては、直前まで「増税凍結」などおくびにもださずに、時期がくれば、「増税凍結」を選挙の公約として、参院選もしくはこのブログで以前から掲載しているように衆参同時選挙を戦うと思います。そうして、勝利すれば、さすがに財務省もこれには抗えないでしょう。安倍総理は実際過去には、二度この手で、増税を延期してきました。三度目の正直も大いにあり得ると思います。

しかし、これには財務省ま様々なキャンペーンで対抗してくるでしょう。では、どうしたら良いのかということになりますが、財務省に直接働きかけるということは難しいです。ただし、直接質問して、その矛盾をつくということはできるとは思います。実際に、「質問者2」というハンドルネームの人がそれを実行しています。

ただし、それにはある程度経済的な知識が必要ですし、時間にある程度余裕がないとなかなかできません。それは、できる人がやれば良いと思います。

それ以外にも多くの人ができることがあります。それは、新聞などのメディアを購読しないことです。テレビなども、見ないことです。それによって、マスコミの力を弱めるのです。さらに、財務省やメディアが間違った報道をした場合、その間違いを晒すのです。

田中秀臣氏 本人のtwitterより

自力で晒すことができない場合は、高橋洋一氏や田中秀臣氏などのまともな経済学者等の考えをSNSなどで拡散するのです。彼らは、財務省がトンデモないことを発表すると、すぐにそれに対する批判をSNS等で展開しています。これを意図して意識して拡散するのは、造作もないことです。

これは、すでに多く行われているのですが、これは効き目があります。実際「もりかけ」も先程の述べたテレ朝の女性記者のタレコミも、結局は安倍内閣を窮地に陥れることはできませんでした。これには、SNSが大きな役割を果たしていると思います。

私は、このようなことが、SNSのない数十年前に起こっていた場合、かなり深刻な問題になったのではないかと思います。

なるべく多くの人が、SNSなどで拡散すれば、財務省もマスコミもなかなか動きがとれなくなると思います。

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2018年9月22日土曜日

【日本の解き方】二度あることは三度ある!? 消費増税「スキップ」あるか 改憲とデフレ脱却の切り札に―【私の論評】安倍総理は増税を再延期を公約として参院選になだれ込む(゚д゚)!

【日本の解き方】二度あることは三度ある!? 消費増税「スキップ」あるか 改憲とデフレ脱却の切り札に

総裁選後はじめて官邸に入る安倍総理

自民党総裁選で安倍晋三首相が3選されたが、憲法改正やアベノミクスの今後など、残る首相在任期間中の課題は少なくない。

 憲法改正の手続きは、国会が改正案を示し、最終的には国民が投票で決めるが、まず衆参両院の憲法審査会に国会議員が憲法改正原案を提出するところから始まる。まだ、安倍政権はスタートにも立っていない。

 今回の総裁選を受けて、憲法改正について自民党内での意見集約が進むだろう。安倍首相は国会議員から多くの支持を受けているので、争点はいつ、憲法改正原案を自民党として国会に提出できるかである。

 仮に提出できれば、衆参両院において憲法審査会での可決、本会議において総議員の3分の2以上の可決があってから、憲法改正を国会が発議でき、国民投票にかけられる。国民投票では賛成過半数によって、ようやく憲法改正ができる。

 このように憲法改正では、衆参両院の3分の2と国民投票による過半数という普通の法律にはない高いハードルが待っている。

 安倍政権は、この憲法改正のスケジュールをどう考えているのだろうか。最短でいけば、総裁選後、自民党内で憲法改正原案をもんで来年の通常国会に提出し、衆参3分の2で国民投票案を可決して、その半年後に国民投票というスケジュールだ。来年には改元もあるので、新しい時代に新しい憲法という流れだ。自公は衆参ともに3分の2をとっているので、参院選前に国民投票案を可決しやすいという環境を生かせる。

 しかし、これは公明党がどう出てくるかが問題になる。もし「参院選前にはやめてくれ」となるとスケジュールは崩れ、来年7月の参院選で自公で3分の2を維持しなければ、憲法改正は遠のく。

 となると、来年の通常国会を諦め、参院選で再び勝利を目指していくのか。そのためには、来年10月に予定されている消費増税をぶっ飛ばすのが政治だ。

 もちろん、来年10月の増税はすでに法律があり、準備作業に入っている。財務省は、システム対応が行われているので、来年になってからの消費増税のスキップは社会混乱を招くと主張するはずだ。

 ただし、実務を考えると、来年春に増税スキップを打ち出せばギリギリ間に合うだろう。そうした公約で参院選に突入すればいい、と筆者は考えている。

 これは、アベノミクスの課題対応にもなり、一石二鳥である。というのは、消費増税スキップはデフレ完全脱却の切り札になるからだ。

 来年10月の消費増税の悪影響をなくすためには、バブル景気並みの良い環境と、かなりの規模の減税を含む財政措置が必要だが、消費増税をスキップすればそうした措置も不要で、デフレ完全脱却への近道になる。

 安倍政権は、これまで2回も消費増税をスキップした。二度あることは三度あっても不思議ではない。確かに、安倍首相は来年10月の消費増税を明言しているが、来年7月の参院選の前に「君子豹変す」となっても筆者は驚かない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】安倍総理は増税を再延期を公約として参院選になだれ込む(゚д゚)!

来年の10月に消費税を10%にした場合、経済が相当落ち込むことは想像に難くないです。なにしろ、今度はかなり消費税が計算しやすくなります。1000円のものを購入すれば、消費税は100円です。1万円なら千円です。10万円なら1万円です。かなり計算が苦手の人でも、すぐに正確に計算できます。これは、かなり消費に悪影響を与えることになるでしょう。

10%への消費税増税が日本経済にかなり悪影響を与えることや、現状では消費税をあげる必要など全くないことはこのブログで何度も掲載してきて、いまさら再度似たようなことを掲載するのも何やら倦怠感すら覚えてしまうほどなので、それは本日はやめておきます。

その変わり目先を変えた変わった見方を掲載しようと思います。それは、産経新聞特別記者の田村秀男氏の記事です。以下にその記事のリンクを掲載します。
【田村秀男のお金は知っている】自民総裁選に物申す、「消費税増税中止」の議論を
この記事は、9月15日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にグラフと、一部を引用します。

グラフは10年前のリーマン・ショック前後からの家計消費動向である。リーマン後、急速に落ち込み、アベノミクス開始後に急回復したが、増税で台無しだ。最近になって持ち直す兆しが見えるが、3%の税率上げ幅分を差し引くと、消費水準は10年前を大きく下回る。 
安倍首相は来年の再増税について「自動車とか、住宅とかの耐久財の消費を喚起する、あるいは商店街等々の売り上げに悪い影響がないように、きめ細やかな対応をしていきたい」と述べたが、小手先の対応に腐心するよりも、すっぱりと中止を宣言すべきではないか。 
石破氏は「経済の7割は個人消費が支えている。個人が豊かにならなければ消費は増えない」と一見もっともらしく語るが、所得がわずかに増えたところで、消費税増税で年間8兆円以上も家計からカネを吸い上げ、内需を抑圧しておいて、どうやって賃金が上がると言うのだろうか。他方で「地方創生」を最重要目標に据えるが、飼料代が増税分だけ負担増になるのに、卵1個の出荷価格の1円上げすらままならぬ地方の養鶏家の苦境にどう応えるのか。 
消費税と自然災害は無関係とみなす向きもあるだろうが、天災はすなわち人災である。人災とは政策の無為または失敗を意味する。国土の安全は治山治水インフラ、それを維持、運営するコミュニティーと組織・機構が整備されなければならない。支えるのはカネである。 
財務官僚が政治家やメディアに浸透させてきた「財源がない」という呪文こそは、国土保全に対する危機意識をマヒさせ、インフラ投資を妨げてきた。「財政健全化」を名目にした消費税増税によって、デフレを呼び込み、税収を減らして財政収支を悪化させ、さらに投資を削減するという悪循環を招いた。「備えあれば憂い無し」という常識が失せたのだ。 
もとより、国家の政策とは、安倍首相が強調するように「政治主導」で決まる。家計簿式に単純な収支計算によって国家予算の配分を決める財務官僚にまかせる従来の方式では大規模で長期にわたる資金を動員する国土安全化計画を遂行できるはずはない。 
多発性の災害までが加わった「国難」に対処する手始めは、消費税増税の中止など緊縮財政思考の廃棄とすべきではないか。
石破氏は経済の7割は個人消費が支えていると言っていますが、これは日本のGDPに占める個人消費の割合が六十数パーセントであることを示しているのだと思います。

増税すると、個人消費が低迷して結局GDPの成長率が落ちてしまうということです。そのことをこのグラフは良く示していると思います。

このグラフ各年は、4月始まりで3月終わりとなっているのでしょう。2014年の4月から、消費税の3%分を差し引いた家計消費はどんどん下がっています、17年でも元の水準に戻っていません。これは、各家庭が増税前よりも消費を減らしているということです。

8%増税で、これだけ消費が低迷しているわけですから、10%増税などしたらとんでもないことになります。

このようなことは、安倍総理はしっかりと自覚していると思います。というより、財務省はもとより、増税推進派の官僚や政治家、マスコミなどは全く信用しておらず、根強い不信感を抱いていると思います。



現状では、安倍首相と菅官房長官が財務省に包囲されてしまい、消費増税阻止のハードルが高くなっているという説が有力のようですが、これは増税派の願望かもしれません。

しかし、それを一応事実であるとして仮定すると、財務省は国民からの文書改ざん、トップのセクハラ疑惑での辞任、パワハラ的構造などでの批判など一切影響をうけずに自分たちの思いのままに政治を攻略していることになります。

さすがの財務省もここまで強くはないと思います。私は、安倍総理は総裁選の前後は無論のこと、後になってもしばらくは増税の再延長などには意図して意識して全く触れないようにしているのではないかと思っています。

なぜなら、そうすれば、財務省や大多数の議員、マスコミ、識者らの増税賛成派に警戒心を与え、増税推進のための大キャンペーンをはられて、それこそ2013年の8%増税決定のときのようになってしまうことを恐れているのではないかと思います。

私としては、やはり憲法改正の国民投票を成功させるため、高橋洋一氏もブログ冒頭の記事で主張しているように、増税の先送りを後押しに利用すべきだと思います。最近は改憲派が増えてきたとはいっても、依然護憲派の力も大きいです。何より、マスコミが護憲派の後押しをするということが大きいです。

改憲派の人でも、いざ国民投票となって、投票するということになれば、おそらくその時にはマスコミが徹底してかつてないほどの巨大な護憲大キャンペーンをすることでしょうから、それに押されて一時的にも護憲のほうに回る人も増える可能性が大です。

そんな時に、消費税10%引き上げをすでにしてしまっていたとすれば、それに伴う駆け込み需要・反動減を抑えるための大型景気対策を実施したとしても世論の不興は避けられないです。憲法改正の国民投票で過半数の賛成票を集めるためには増税の再々延期をすべきです。

そうして、護憲派を強力につなぎとめ、デフレからの完全脱却と、改憲も成功させるのです。そうして、それは安倍総理にとっても良いことです。もし、増税をそのまま強行してしまえば、再び個人消費が今度は8%増税のときよりもさらに低迷して、日本はデフレに舞い戻ります。そうなれば安倍政権は改憲どころか、安倍おろしの嵐が吹き荒れ、政権の座から追われることにもなりかねません。

そんなことは、当の安倍総理が絶対に避けることでしょう。最近、文部科学省の戸谷一夫事務次官が汚職事件の責任を取って辞任し、前任の前川喜平氏と2代続けて事務方トップが不祥事により途中で辞める事態になっています。

辞任した文部科学省の戸谷一夫事務次官

さて、先程の述べたように、財務省は国民からの文書改ざん、トップのセクハラ疑惑での辞任、パワハラ的構造などで批判を浴びています。確かに、佐川国税庁長官が辞任したり、次官は辞任したりはしていますが、まだこれでは甘いと言わざるを得ません。

私は、来年の4月あたりに、さらなる財務省の悪事が露見して、先の文部省人事よりもさらに厳しい人事が行われ、事務次官辞任はもとより、かなりの人数が辞任などに追い込まれたりで、財務省を骨抜きにした後に安倍総理は、増税スキップを打ち出し、それを公約としてで参院選に突入するのではないかと睨んでいます。

財務省に言いたいです、「首を洗って待て」と。一国の総理を甘く見るととんでもないことになります。一国の総理をなめているということは、多くの国民をなめていることでもあります。ふざけるなと言いたいです。

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2014年10月29日水曜日

堀 義人 日本を変える「100の行動」―【私の論評】今日本に100の問題があれば、デフレから脱却すれば、50くらいの問題は自動的に解消する!脱却できなければ何も解決できずモグラたたきになるだけ。今の日本の最優先課題はデフレからの脱却であるはず(゚д゚)!

堀 義人 日本を変える「100の行動」
Writing by フォーブス ジャパン 2014年12月号 : P.22 〜 27
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「批判より提案を」「思想から行動へ」「リーダーとしての自覚を醸成する」─。
政界、財界、学界、文化人などが、毎年冬に集まる会合がある。日本版ダボス会議と呼ばれる「G1サミット」だ。討論に終わらず、変革のために「100の行動」を始めるという。


「G1サミット」をご存じだろうか。2009年、冬景色の福島県アルツ磐梯で1回目が開かれて以来、毎年、地方のリゾート施設で開催されているが、一般メディアではほとんど報じられていないため、国民に広く認識されているわけではない。しかし、「日本版ダボス会議」と呼ばれている通り、参加者の顔ぶれからいったい何が話されているのか、興味をもたない者はいないだろう。

 iPS細胞の山中伸弥はノーベル賞を受賞する前からG1のボードメンバーであり、参加者には、安倍晋三、現役閣僚、与野党の政治家、霞が関の官僚、民間からは若手起業家に、名だたる企業の経営者たち、学者など大物から新進気鋭までがそろう。文化人やオリンピック選手もいて、第一線で活動中の人ばかりだ。(中略)

 G1の中から「100の行動」というプロジェクトが動きだしており、日本の100の課題を見つけて、解決していくという。

 まるで政府主催のような大がかりな取り組みだが、民間団体の取り組みに官僚を含めて政権内の人間までもが参加するのはどうしてだろうか。その理由は、G1サミットが生まれたプロセスに関係あるだろう。

 安倍内閣で官房副長官を務める世耕弘成は、辰巳と同じく創設時からのボードメンバーで、「100の行動」に参加している。政策提言を行う民間シンクタンクや社会変革を目指す民間団体と何が違うのか。世耕が言う。

「立派な提言や答案を書くのは簡単なんです。問題は実行すること。実現させなければ意味がない。『100の行動』に期待しているのは、これまで政権内で仕事をした人たちが参画している点です。提言を実行しようとすると、不利益を被る人たちがいるし、反発する人もいる。政治家はどこに障壁があるかを知っています。『そんなのは政治家が突破してよ』と、政治家だけに期待されても現実には合意形成は難しく、簡単にはいかないのです。だから、私は問いかけています。『政治の力だけではなく、民間はどう動くんですか。世論を動かすには、政治の力だけでなく、民間の皆さんの力も必要なんです』と」

 20年前だったら、こんな仕掛けをつくる必要はなかっただろう。政治は、プロレスのように役割が決まっていて、批判する人と批判される人が舞台の上で役割を演じる一方、社会システムはうまく動き続けていた。

 しかし、経済が右肩上がりではなくなると、合意形成は困難になり、停滞の時代になった。すると、こんな世の中に誰がしたとばかりの「犯人探し」に世間は懸命になる。(中略)

「犯人探し」が一巡したとき、「批判よりも提案を」と呼びかけたのが、G1の創設者、堀義人だった。
 賛同する人が多いのは時代の変化だろう。みな、イナゴの大群に辟易し、いい加減に停滞から脱したかったのだ。提案を呼びかける堀は、「100の行動」をこう言う。

「これは静かなる革命です」
(以下略、)
【私の論評】今日本に100の問題があれば、デフレから脱却すれば、50くらいの問題は自動的に解消する!脱却できなければ何も解決できずモグラたたきになるだけ。今の日本の最優先課題はデフレからの脱却であるはず(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事は、NewsPicsに掲載されていたものですが、日本を変える「100の行動」という表題なので、非常に気になってしまったので、記事内容を読んだり、リンク記事なども読んでみたのですが、デフレに関しては何も掲載されていないので、どうしても一言言いたくなって、この記事に対するコメントをしました。

そのコメントの内容を以下に掲載します。
何か、こういう記事をみていると、がっかりします。水を差すようで、悪い気もしますが、今の日本の一番の課題は、どう考えてみても、デフレからの脱却でしょう。こういうこと言うと、ニヒリストのように思われてしまうかもしれませんが、現実はそうでしょう(゚д゚)! 
日本に100の問題があったとして、デフレから脱却すれば、半分の問題は自動的に片付きます。残りの50もある程度目処もたちます。しかし、デフレから脱却できなければ、どの問題も解消せずにモグラたたきになるだけです。 
マクロ的には、そうです。ただし、そうはいっても、ミクロでの努力を否定するつもりはありませんが、水道管が破裂しているときに、それを修理すれば良いのであって、水を汲み出してばかりいても、根本的な解決にはならないことも事実です。
 これは、本当に私の偽らざる本心です。本当にそう思っています。デフレを解消せずに、日本国内でイノベーションやら何やらを実行したとしても、デフレが解消されなければ、日本の社会は良くなりません。

日本では、あまりにもデフレが長い間続いてしまったため、デフレがあたり前になっている人が多いような気がします。多くの人が、デフレを前提として物事を考えるようになっています。

しかし、デフレは、好景気と、不景気を繰り返すという、正常な経済循環から逸脱した経済の病です。あってはならない状況です。この事が理解されていないような気がします。

多くの人が、「デフレ=不景気」くらいに考えているのではないでしようか。しかし、この考えは全く誤りです。ただし、デフレは純然たる貨幣現象であり、人口減などとは全く関係ないものであり、金融政策によって是正されるものです。ましてや、日本国が駄目とか、日本人が駄目になったということでは決してありません。

デフレは社会に悪影響を与えます。これは、社会に大きな歪をもたらすものです。企業活動から、個人の活動にまで、あらゆる面で、悪影響を与えます。日本国が駄目になった、日本人が駄目になったように見えるのはこのためです。

これについては、このブログでも良く掲載することですが、最近では、自殺者が増えるということを事例として掲載します。

最近では、このことをツイートしましたが、かなり多くの人々にリツイートされましたので、そのツイートを以下に掲載します。


このブログを読まれている方にはご理解いただけると思いますが、何か、このツイートだけをご覧いただくと、非常に過激に思われるかもしれませんが、こうしたツイートをしたことについては、それなりの背景があります。

その背景を理解していただくため、このブログを購読されていないかたのために、以下にこのブログの過去の記事を掲載させていただきます。
若年者死因トップは自殺 先進7か国で日本のみ―【私の論評】若者の死因の第一位が自殺になったのは、デフレ退治をしなかったことによる大きな罪ということを理解しない人が多いためますます、悲劇が続く?

この記事では、日本においては若年者死因トップが自殺であることを中心に掲載ました。そうして、その原因がデフレにあることも掲載しました。
【週間現代】全国民必読 日本経済「隠された真実」安倍官邸と大新聞「景気は順調」詐欺の全手口―【私の論評】増税するしないはもう経済理論を超えた、殺人・詐欺マシーンと化した財務省と、それを粉砕しようとする勢力との政治・言論抗争である(゚д゚)!
佐藤慎一 官房長 '80年入閣

この記事では、財務省の増税推進のなりふり構わない、姿勢に関して批判しました。

再増税をすると、またさらに消費が落ち込み、デフレからの脱却が遠退き、自殺者が増えます。

この記事では、経済学者の田中秀臣氏の勇気あるツイートを掲載し、財務省の何が何でも、増税に走る姿勢を厳しく批判しました。

以下に、この記事にも掲載した田中秀臣氏の勇気あるツイートを掲載します。






田中秀臣氏もそうですし、私もわざわざ、「殺人」という言葉まで出して、批判するのは、生半可なことをしていては、本当に再増税が実行されてしまい、景気が落ち込み、また自殺者が増えるという最悪の事態を避けたいがためです。また、最悪の事態が発生しても、責任の所在が曖昧になることを避けるためです。

デフレは、個人ベースでもこのような惨禍をもたらすものです。

企業にとっても、デフレは悲惨な結果をもたらします。10%増税をすると、消費が落ち込み、日本は再びデフレスパイラルの底に沈み、とんでもないことになります。

たとえば、消費税「10%」なら新車販売は年50万台減という試算もあります。その記事を以下に掲載します。
消費税「10%」なら新車販売は年50万台減 政府・自工会試算 増税判断に影響
デフレでかなり悪影響を被っている自動車産業
 消費税率を10%に引き上げた場合の平成28年度の国内新車販売台数について、政府と日本自動車工業会が最大で年間50万台減少すると試算していることが27日、分かった。年間の総販売台数の約1割に相当する。国内の製造業出荷額の約2割を占める自動車産業の業績が落ち込めば、安倍晋三政権が最優先で取り組む景気回復の大きな足かせとなるだけに、年末の消費税再増税の判断にも影響を与えそうだ。
日本の自動車業界も、再増税に関してはさすがに根をあげて、このような資料を公開しているのだと思います。

飲食業界も酷いものです。この業界では、収益が最大だった頃に比較すると、:現在では5兆円も減っているそうです。いろいろな分析もありますが、原因の最たるものは、デフレでしょう。

たまたま、自動車産業や飲食業の事例をあげましたが、ほとんどすべての産業が、デフレの悪影響を被っています。

個人にも、企業にもデフレは悪影響を及ばし、社会に様々な歪みをもたらします。

アメリカのビッグスリーは従来から、経済が不振だったり、その他の理由で、自分たちの車が売れなくなると、エゲツないほどに、政府に圧力をかけていました。

このやり方に、私は、昔は「そこまでやるのか」とエゲツないと考えていましたが、今の日本では、このエゲツなさが重要だと思います。これだけ、過去の日銀の政策がまずかったり、政府の財政政策がまずければ、大きな声をあげないほうがおかしいです。

まずは、デフレを退治しなければ、マクロ的な視点からみれば、モグラたたきになるだけです。

それなしに、様々なイノベーションを実行したり、改善をしてみても、日本の社会は良くはなりません。一部の人が一時潤うだけのことで、その潤いもつかの間で終わってしまうだけです。だから、ブログ冒頭の記事をみると、何やら虚しさを感じてしまうのです。

せっかく、先端医療で、多くの人々の命を助けることができても、自殺者が増えては帳消しです。ただし、先にも述べたように、このような努力を否定するつもりはさらさらありません。

それに、堀 義人氏を個人攻撃するつもりもないですし、G1サミットを否定するつもりもありません。ひよっとしたら、G1サミットの中でも、デフレについて、語られているのかもしれません。私の、勉強不足、認識不足なのかもしれません。それにしても、ブログ冒頭の記事を読んだり、リンクをみてもそのようなことは、全くでてきません。

しかし、今は、政治家、官僚、民間、個人レベルでも、まずは一致協力して、デフレからの脱却を図ることが、日本の最優先課題だと思います。これだけは、絶対に譲ることはできません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

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2014年6月27日金曜日

有効求人倍率、1.09倍 5月、バブル後の最高更新―【私の論評】経済対策と経済失策には、タイムラグがあるということを知らない変態マスコミ・政治家・似非識者が多すぎ(゚д゚)!リフレは雇用を改善させないんだっけか?

有効求人倍率、1.09倍 5月、バブル後の最高更新

昨年はリフレに疑義を唱える人々も多かった。しかし1年たってそれ
が政策が正しいことを示す事実が次々に浮かび上がってきている。

厚生労働省が27日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0・01ポイント高い1・09倍だった。1992年6月の1・10倍以来の水準で、バブル崩壊後の最高値を更新した。総務省が発表した完全失業率(同)は前月より0・1ポイント低い3・5%で、97年12月以来の水準になった。(山本知弘)


【私の論評】経済対策と経済失策には、タイムラグがあるということを知らない変態マスコミ・政治家・似非識者が多すぎ(゚д゚)!リフレは雇用を改善させないんだっけか?

安部総理のいわゆるリフレ政策、昨年はかなり批判も多かったのですが、今年になってからそうではない事を示す事実がいくつも浮かび上がってきました。その最たる事例が、雇用の改善です。

雇用改善を伝える本日10:00AMのグーグル・リアルタイム‥ニュース
クリックすると拡大します!

ほんの例外はあるものの、20年近くにもわたって、結局のところ日銀は金融引締め政策ばかりしてきました。そのため、日本は円高とデフレ・スパイラルの深化に悩まされ続けてきました。

そこに昨年、日銀の人事が刷新され、前の白川総裁は任期をまっとうすることなく、その前に辞任、黒田体制が整い、ご存知の異次元の包括的金融緩和政策が打ち出されました。

黒田バズーカを放った日銀黒田総裁

その前から、株価が上がり始め、しばらくはみられなかった株価の高まりが見られました。しかし、当然のことながら、株価は下がったりもしました。特にその時に、やれアベノミクスは効き目がないだの、賃金は上昇しないなどと糞馬鹿みたいなことをいう、マスコミ・政治家・似非識者などがでてきました。以下にその代表格の人々の写真を掲げさせていただきます。

反リフレ派の論客 小幡績慶大教授

反リフレ派の小玉祐一・明治安田生命保険チーフエコノミスト

反リフレ派の浜矩子(はまのりこ)
反リフレ派の水野和夫日本大学国際関係学部教授

しかし、金融緩和が始まってから、雇用は改善しないとか、デフレも脱却できないなどとのたまっていた、変態マスコミ、政治家、識者どもは、本日のグーグル・ニュース等による雇用状況の明らかな改善をどう捉えているのでしょうか。

金融政策を含む、経済対策など、何か手を打ったとして、すぐに効き目がでてくることはありません。だから、金融緩和して、1から2年くらいは様々な指標は良くなりつも、雇用の改善や、賃金の上昇など明らかに体感できるような、経済の回復などないのが普通です。

そんなことは、国レベルでなくても、たとえば、大企業の経営改革だって同じことであり、企業が何かを手を打って、数ヶ月程度ですぐに効果が出ないからといって、その経営改革は間違いであるなどと批判するのは的外れというより、幼稚ですらあります。

こういうことを言う会社の従業員など、物事を知らない馬鹿と受け取られても仕方ないと思います。しかし、国レベルだと、これに近いようなことを言った無責任な人間が、何ら批判もされないというのは、本当におかしなことだと思います。

私は、このような風潮に棹さし、いつも批判してきましたが、最近になってリフレ政策が正しいことを示す事例がいくつも浮かびあがってきました。上の雇用の改善など最たるものです。

そもそも、金融緩和をしたからといって、すぐに最初から賃金などがあがるなどということがないことなど最初からわかっています。金融緩和をして、1年もたたないうちに、やれ給料が上がらないとか、何も変わらないと語っていたような、政治家・マスコミ・識者などは、はっきり言って白痴レベルであり、白痴状況はなかなか改善されるものではないので、これらの人々のいうことなど二度と拝聴するに値しないと思います。それどころか、拝聴してしまえば、判断を誤ると思います。

人によって違いますが、金融緩和をして、デフレから脱却するまでには、大体5段階くらいの段階があります。

これに関しては、多くの人が語っていました。この5段階については、このこのブログの過去の記事にも掲載したので、以下にそれらの記事のURLと5段階について簡単に解説します。
「株安でアベノミクスは頓挫した」と、1割の可能性にBETする危ない橋を渡る人たち―【私の論評】 危ない橋を渡りたい人たちは、どうぞお渡り下さい。ただし余計なことをくっちゃべって、安倍内閣を頓挫させ、日銀の政策を頓挫させるようなバカ真似はしないでくれ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事ではデフレ脱却の5段階について、高橋洋一氏のものと日銀岩田副総裁のものとを掲載しました。以下にそのあらましを掲載します。

高橋洋一氏


上の記事から引用させていただきます。

"高橋洋一氏は、以下のような5段階を上の記事でしています。
1.日銀がマネタリーベースを増やす
2.予想インフレ率が約半年かけて徐々に上昇し、実質金利が下がる
3.消費と投資が徐々に増える
4.外為市場で円安が起こり、徐々に輸出が増える
5.約2年~をかけて、徐々にGDPが増え、失業率が下がり、賃金が上がり、インフレ率も上昇する。その過程で株価も上がる。
この5段階とは少し違うのですが、上念司氏が、国会の公聴会であげていてたデフレ脱却に向けた5段階というのがあります。それを以下に掲載します。 ちなみに、この資料は、現在副総裁の岩田氏が大学の教授をしていたときにまとめたものだそうです。
現在の段階では、上の表の四段階まできているわけです。そうして、5段階まで行って、これが終了してはじめてデフレから脱却できるというわけです。いずれにしても、高橋洋一氏の5段階でも、この5段階でも、ある程度時間がかかるのは、間違いないです。現在株価が暴落したなどと騒いでいる人もいますが、これは、アベノミクス始動後、市場の期待があまりに大きく、かなりの勢いで株価が上がったため、調整局面にあるということであり、昨年の安倍総理誕生以前と比較すれば、現在下がったとはいえ、そのときと比べれば、かなり高水準であることには変わりはありません。

日銀岩田副総裁


いずれにしても、デフレ脱却をするにも、株価があがりきるにしても、それなりに時間がかかるということです。バーナンキの経済対策もそうでしたが、いかなる経済対策もそれなりにある程度の時間がかかるのは、当然のことです。こんな理屈を無視して、アベノミクスを今の段階で批判する人もいますが、そんな人に私はこう言いたいです「そんなにすぐに効果がでる経済対策があるというのなら、提案して下さい」と。1年もしないうちに、あっという間に株価が鰻上に上がったり、デフレからすぐ脱却できて、一般国民も潤うような経済対策などこの世に存在しないです。

そうして、私が最も危惧するのは、高橋洋一氏が指摘するように、1割の可能性にBETする危ない橋を渡る人たちに翻弄される人たちが、大勢でてくることです。そうして、そのような人たちが翻弄されるだけなら別にその人達が株で損するだけですから、何も問題はないわけで、大勢には影響がないから良いのですが、このような人たちのうち、発言力の強い人などか、アベノミクス大失敗を煽りまくり、それに輪をかけて日本の経済が良くなると、自国の経済がズタボロになる中国や韓国のスパイの尻馬にのる、馬鹿な親中・親韓の政治家たちが、力を増し、最悪の場合は、またぞろ安倍おろしが再燃して、安倍内閣が退陣に追い込まれ、アベノミクスが途中で頓挫することです。

そんなことになって、また日本経済がデフレから脱却できなければ、失われた20年どころか、失われた30年になってしまいます。そんなことにならなければ良いと思います。

しかし、私は多くの日本国民は、まともな感覚を持っているので、今回ばかりはバカ者どもに煽動されるということはないと信じています。"

高橋洋一氏も述べているように、金融緩和してからトータルで2年以上をかけて、徐々にGDPが増え、失業率が下がり、賃金が上がり、インフレ率も上昇する。その過程で株価も上がるのです。

失業率が下がり、 賃金が上がり、インフレ率も上昇するのは、金融緩和政策を始めてから少なくとも2年は要するということです。

であれば、黒田総裁が、異次元の包括的金融緩和をはじめたのが、昨年2013年の4月からですから、失業率が下がり、賃金が上がり、インフレ率も上昇するのは、2015年の5月からです。

しかも、これはデフレのときに増税をするなどという馬鹿真似は織り込んではいませんでしたから、今年の4月より消費税増税をしたので、これが悪影響を及ばし、さらに2年以上は軽くかかってしまうということになります。

そうして、さらに、来年2015年の4月より消費税を増税として10%としたとしたらとんでもないことになります。

財務省やマスコミは10%増税はまるで既定路線のようだが?


今のところ、増税の悪影響はさほど出ていません。しかし、金融緩和にも最低2年くらいのタイムラグがあるように、増税の悪影響もタイムラグがあります。

前回の2回の増税のときには、どちらも増税直後には大した影響はなかったのですが、数ヶ月たつとそろそろ悪影響がではじめ、1年後にはかなりの悪影響がでました。特に、2回目の増税のときには、日本は完璧にデフレに陥りました。

以上述べたように、経済対策など、デフレの時の金融緩和政策の効果がはっきり出てくるのは、少なくとも2年かかるわけです。

デフレの時の増税なども、悪影響がはっきり表面化するのは、1年後くらいからです。

こうした、タイムラグがあるということは、古今東西の事例で最初からわかっていることです。しかし、多数の変態マスコミ、政治家、識者どもはこれを知りません。

さて、今年の4月からの消費税増税8%、来年の4月からの消費税10%が実行されるとどういうことになるか、明らかです。

せっかく金融緩和をしても、消費税によってその効力は削がれ、とても2年くらいではデフレから脱却できなくなります。

タイムラグを考慮に入れない、変態どもは、今年7月くらの数字を見て、ブログ冒頭の記事のように雇用が改善しているとか、その他の指標も良くなっているとして、来年の4月からの10%増税に踏み切るべきと言い出すと思います。

そうなるとどうなるか、今年4月の増税の悪影響がはっきり出だすのは、来年の4月あたりだとします。景気がおちこみ、さらに増税ということで、とんでもないことになります。

そうして、再来年(平成16年)の4月からは、来年4月の10%増税がはっきりと悪影響を及ぼすようになります。

そうなれば、デフレからの脱却はさらに遠のくことになります。

本来デフレのときには、増税などすべきではありません。そんなことをすれば、消費が冷え込み、結果として、課税の源泉でもある国民所得が減り、増税しても税収は増えません。

2段階の増税を実施してしまえば、16年には税収はかなり減り、さらに日本はデフレスパイルの深みに再度はまることになってしまいます。

こんな馬鹿真似は絶対にするべきでも、させるべきでもありません。本来実施すべきは、金融緩和と積極財政です。公共工事の提供制約がある現状においては、金融緩和の他は、積極財政として本来なら減税と、給付政策をとるべきでした。

このままだと、日本経済は、再び平成16年において、再びデフレ・スパイラルの泥沼に落ち込み、円高となります。

これらのことは、経済対策を実行してから効果が現れるまでにはタイムラグがあることと同時に、増税などの経済失策をしてからそれが本格的に悪影響を及ぼすまでには、これもタイムラグがあるというあたり前のことを理解していればすぐに理解できるはずです。

これを知らないか、意図的に隠蔽してものを語る偽善者どもが日本国内に跋扈しています。

こんな者どもを放置しておいて良いのでしようか?そんなはずはありません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年5月26日月曜日

ピケティ氏の陰鬱な「資本論」 ウォール街に警戒―【私の論評】日本はピケティ氏からみれば、理想の国! 余計なことをせず、デフレから脱却しさえすれば日本が世界で一番繁栄する国となるだろう(゚д゚)!

ピケティ氏の陰鬱な「資本論」 ウォール街に警戒

日経新聞米州総局編集委員 西村博之

21世紀の資本論

 「エコノミスト界のスター」「新たな経済学の伝道者」「現代のマルクス」「いま最も熱い思想家」。呼び名は、さまざまだ。富の集中は資本主義の必然――。そう訴える大著が、米国で一大旋風を巻き起こしているフランス人経済学者がいる。米経営者の巨額報酬もやり玉にあげているだけに、ウォール街は神経をとがらせている。

ベストセラーになったピケティ氏の「21世紀の資本論」。米国では、売れ切れも相次ぐ(ニューヨーク市マンハッタンの書店)

■クルーグマンも絶賛

 そんな“時の人”が講演のため先月ニューヨークにやってきた。場所はウォール街にも近いニューヨーク市立大の施設。報道関係者も含め400人近い聴衆が集まった講堂は、熱気に包まれていた。

 壇上には、クルーグマン・プリンストン大教授とスティグリッツ・コロンビア大教授の2人のノーベル経済学者も並ぶ。だが聴衆の耳目が注がれたのは傍らに座る若干43歳、端正な顔立ちのピケティ氏だ。

 「いま街一番の人気チケット」。大学幹部が講演への関心の高さをそう紹介したあと、ピケティ氏はフランス語なまりの流ちょうな英語で、自著の中身を熱っぽく語り始めた。

 ピケティ氏の著書は、大きく3つの部分からなる。まず、ここ数世紀にわたる、主に米欧での経済格差の歴史。第2に、今後の見通し。そして、格差是正への処方箋だ。

 ピケティ氏の主張の中核をなすのは、「R>G」という数式だ。資本からの収益率(R)は、経済成長率(G)よりも大きいとの指摘。株式などへの投資で得られる利益は、労働から得られる賃金を上回る、と言い換えてもいい。だから、資本をもつ人々の富は雪だるま式に膨らむ一方、それ以外の人々は取り残され、経済の格差はひたすら広がる。これが資本主義の宿命である、との悲観的な見方を示す。

ピケティ氏の書籍が山積みにされた書店
  スティグリッツ教授や、ライシュ・カリフォルニア大教授など、多くのリベラル派経済学者は、研究を熱烈に支持した。

 一方、保守派の経済学者からは、批判が相次いでいる。ハーバード大のロゴフ教授は、「グローバルな富裕層課税などは施行に多くの問題があるし、政治的にも現実味がない」と批判。同大のフェルドシュタイン教授は、研究で使われた課税所得のデータは税制改正などの影響を加味しておらず、格差への解釈をゆがめていると指摘。「格差が永遠に広がり続けるとの結論は飛躍であり、誤りだ」と反論した。

■サマーズの疑念

 同書には一長一短がある、とみる経済学者も、保守・リベラルの両陣営で目立つ。ハーバード大のマンキュー教授はピケティ氏が示す予想や処方箋には疑念を呈しつつ、格差の歴史分析は「大きな貢献」と評価。エール大のシラー教授も「課税強化をめぐる議論は弱い」としながら、格差の力学の解明には賛辞を贈った。

 専門家の間で、特に目を引いたのはサマーズ元財務長官による批評だ。資本が生む利益が、労働の報酬を上回り続けるとの理屈に、本質的な疑問を呈している。主な指摘は、こうだ。

 ・資本がどんどん蓄積するにつれ、追加の資本投入によって生まれる利益は減るはず

 ・特に設備などの価値が時間とともに低下する減価償却を含めた「正味」でみて、資本が蓄積し続けると言えるだろうか

 ・むしろ、格差の根っこの原因は、グローバル化や、技術の発展。機械化が進めば、賃金(労働)よりも資本(設備)に利益が向かうのは当然

 ・資本が生んだ利益が、すべて再投資されるわけでない。富裕層はお金を使うので、ピケティ氏の言うほどに富は蓄積しない

 それにしても、同氏の著書がここまで米国で注目を浴びるのはなぜか。金融危機後の“時代精神”のせいだ、との声が多く聞かれる。

 2008年の金融危機の発生で、伝統的な経済学への懐疑が広がった。しかも、その後も、経済は振るわない。ピケティ氏自身が著書で述べているように、格差問題は高成長時には見逃されても、経済の停滞時には深刻な問題として認識される。

 過度な富の集中で、民主主義が揺らぐのではないかとの懸念も米国では広まっている。最近は「米国は寡頭政治に陥った」とするプリンストン大教授らの論文が大きな議論を呼んだ。経済エリートや、利益団体が独占的に政策を左右しているとの指摘だ。「資本主義は民主主義の奴隷であるべきだ」と主張するピケティ氏の主張が、多くの米国人の琴線に触れた面もあるかもしれない。

■スーパー経営者やり玉

 ピケティ氏は著書で、こうした「スーパー経営者」の「スーパーサラリー」が米国での格差拡大の主因だと主張している。経営者が巨額の給与のほか、ストックオプションなどを通じて受け取った株式や、その値上がり益、配当などによって資産を加速度的に膨らませているとの分析。その上で、経営者のこうした巨額報酬を正当化するための生産性の計測はできず、報酬額は「きわめて気まぐれに」決められていると喝破する。

 ウォール街は、反撃を始めている。

 多くの大手ファンド幹部らが理事に名を連ねる保守系シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ研究所のペソコウキス氏も、「ピケティ氏のソフトなマルクス主義が知識層に広がり、政治経済の政策論争の光景を一変させかねない」と危機感をあらわにした。

 ウォール街のエコノミストらは、どう考えるのだろう。探すとゴールドマン・サックスが、今年2月のリポートで格差問題の影響を分析し、過去のピケティ氏の論文に触れていた。格差が、中間層の購買力を弱め成長の足を引っ張るとの議論に対し、そうした証拠は見あたらないと指摘。格差そのものについても、今後は改善傾向をたどるとの見方を示している。JPモルガンも、格差問題を論じた最近のリポートで、同様の予想を示している。

 ピケティ氏が見通す陰鬱な未来。心配無用というウォール街。どちらが正しいか判明するのは、ずっと先。だが前者が正しかったとき、もはや打つ手が限られるのは間違いない。米国は、フランスからの警句をどう生かすのだろうか。

上の記事は要約記事です。この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】日本はピケティ氏からみれば、理想の国! 余計なことをせず、デフレから脱却しさえすれば日本が世界で一番繁栄する国となるだろう(゚д゚)!

上記の西村博之氏の記事、非常にまともです。日経新聞にも、このような記者もいるということは驚きでした。ただし、この方の記事あまり読んだことがないので、何ともいえません。アメリカのことを書くときには、まともなのかもしれませんが、日本国内のことを書くときには途端におかしくなるのかもしれません。

とにかく、私は日経新聞の特にマクロ記事に関してはほとんど信じていません。99%間違いであると今でも思っています。日経新聞を読むと、特に日本のマクロ経済が良くわからなくなります。

西村博之というと、私はあの「2ちゃんねる」の創立者西村博之氏を思い出してしまうのですが、そうではないようです。

ちなみにピケティのこの著書については以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
ポール・クルーグマン「ピケティ・パニック」---格差問題の言及者に「マルクス主義」のレッテルを貼る保守派はこれにまっとうに対抗できるのか?―【私の論評】中国のように格差を容認する国がどうなったか、これからどうなるのか?先進国は過去どのようにして豊になったのかもう一度真摯にみなおすべき(゚д゚)!
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、このまま、格差を放置しておくと、いずれとんでもないことになるというピケティ氏の主張に、クルーグマン氏は、大絶賛しています。

ポール・クルーグマン氏といえば、過去には格差問題でブッシュ政権を辛辣に批判してきました。

アメリカでは、ブッシュ政権末期の10年本当に経済一辺倒で社会がないがしろにされてきました。金融馬鹿や、賭博師だけが優遇され、何と国民の9割が自分は負け犬か、敗残者であると評価するまでになっていました。こうした風潮に対して、ノーベル経済学賞を昨年受賞したポール・クルーグマン氏は経済誌などに辛らつな論文を掲載するなどして、徹底的にブッシュ政権を批判してきました。

社会がなおざりにされてきて、すっかり疲弊して嫌気のさしたアメリカ国民は、オバマ大統領という選択肢を選びました。だからこそ、オバマ氏は就任直後には政策の大きな柱として、社会改革にのりだしました。その中でも目玉は、医療保険改革を本気で実施するということでした。しかし、これもかなり抵抗勢力が大きく、なかなかうまくいってはいないようです。

それにしても、アメリカの場合はまさにピケティ氏の批判があてはまります。投資銀行の経営者の数字が天文学的であったり、その経営者と称するものも、サブ・プラムローン問題などで、とんでもない連中であることが白日のもとにさらされました。

あの金融工学などという、現代の錬金術を駆使て、大儲けするつもりだったが、大失敗しました。そうして、金融工学や、サブ・プライムローンの内容たるや、とんでもないものであることがわかりました。あの程度の、少し考えればわかるようなことも理解できなかった、金融馬鹿や賭博師どもが、スーパー経営者の正体でした。

こんな馬鹿共が、天文学的な報酬をもらうなど、全くおかしな話です。

アメリカでは、ピケティ氏の主張はしっかりとあてはまると思います。あとの西欧諸国でもあてはまるところも多いです。

ピケティ氏
しかし、私たちはあのマルクスの「資本論」の大失敗を思い起こすべきです。ただし、私は、ウォール街の意見が正しいなどというつもりは全くありません。

マルクスの「資本論」大失敗は、あの書籍が書かれた当時のドイツにあてはまることを、時代も場所も超越した理論ということで一般化してしまったことです。その災厄たるやとてつもないことになりました。それは、共産主義黒書など読めば良くわかります。

私は、ピケティ氏の「資本論」もそうなる可能性があると思います。ただし、マルクスの資本論のようなことにはならないと思います。

しかし、ピケティ氏の資本論をそのままあてはめてもらっては困る国もあります。それは、日本です、日本は、格差社会などといわれていた時期もありますが、格差社会の根本原因はデフレです。日本がデフレでなければ、あのような格差状況は生まれていなかったと思います。

それに、日本では格差などといっていますか、あのようなこはアメリカあたりではあたり前のことで、特に珍しいことではありません。

日本の場合だと、アメリカのようなスーパー経営者はいないです。確かに高給とりの人もいますが、アメリカのような文字通りの天文学的な報酬をもらうような人はまずいないです。

アメリカの税制はもともと狂っていますから、ピケティ氏のようにかなり大きな累進課税をかけるということが望ましいと思います。一方日本の場合は、そもそも累進課税もきつく、貧富の差は日本国以外の国々と比較すると少ないです。そもそも、相続税も高く、さらに来年からは税率もあがります。

こんな国で、あまり格差の縮小をやってしまうととんでもないことになると思います。日本は、だいたい今のままで良いと思います。

ただし、現在はデフレですから、このデフレをはやく解消するためには、まずは実質増税などはやめる手立てとして、所得税減税など行い、さらに給付金政策も実行すべきです。公共工事など財政政策は、現状では公共工事の提供制約があるので、効率が悪いです。そんなことをするくらなら、再販分的な所得税減税、給付金政策を実行すべきです。

そうして、デフレから脱却できれば、そのような政策は、すぐに中止すればよいのです。これで、デフレが解消されれば、日本は格差の少ない、ピケティ氏が理想とするような国になるわけです。

一方、中国は格差問題があまりに大きすぎて、近いうちに崩壊するでしょう。アメリカも近年、格差が容認されているようなところがありますから、これも衰退していくでしょう。

そうなると、日本が今後世界で一番発展する国になるかもしれません。何しろ、日本のように格差のない社会はありません。ということは、ピケティ氏の主張からすると、日本以外を除く世界の国々は、ピケティ氏が見通す陰鬱な未来を迎えることになり、日本だけが繁栄することになるかもしれません。

ただし、一つ懸念があります。日本のでは政治家の白痴化が著しいので、ピケティ氏の書籍がでたりして、アメリカや西欧で格差の是正が広まるますさにその最中に、日本では格差を助長するような政策などやり始めるのではないかということです。

ゆとりの教育などはその典型例ですし、増税にしたって、イギリス、イタリア、スペイン、ポルトガルが増税して大失敗ということが明るみに出ているのに、このような事実など無視して決まりました。

日本の多くの白痴政治家や、マスコミ、その他の識者などが、格差の拡大を促すような政策を導入するようなキャンペーンをはるかもしれません。

そのような場合には、私たちは、こうしたフランス人著書のことや、アメリカの流れなどもきちんと把握しておき、いざというときには格差助長政策などに反論できるようにしておくべきです。そうでないと、10%増税なども導入され、さらに格差助長政策も導入とされ、とんでもないことになるかもしれません。今の日本の多数の白痴政治などみていると、一歩間違うとそうなる危険もあります。

いずれにしても、ピケティの「資本論」に関しても、時代や場所が変われば、柔軟にその時々で変えて適用するのが最上の策と思います。かつてのマルクスの「資本論」のような教条主義的な適用は間違いです。そのようなやり方、考え方をするのが真性保守だと私は思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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