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2008年4月4日金曜日

中国分裂の筋書き-(その1)繰り返される歴史

恐るべき中国part1

最近、とみにその壊れぶりが著しい中国。上の動画を見るまでもなく、通常の観念からすると信じられないようなほころびが目立ってきた。私は、中国は今後早くて10年、遅くても20年後には完全に分裂すると見ている。北京を中心とする比較的大きな国と、その他大勢の小さな国に分裂すると確信している。最近のニュースや報道をみると、ますますそう思わざるを得ない。これから、数回にわたり中国分裂の筋書きを掲載していきます。

その1回目として、繰り返される中国の歴史を振り返ってみよう。まずは、下に中国の簡略歴史年表を掲載する。

中国簡略歴史年表
王  朝 備            考
伝説

時代
三皇五帝の時代   伏羲
神農
黄帝
堯,舜等
人頭蛇身の王。
人身牛首の王。農耕を教えた。
初めて人姿の王。医薬を教え,五常を広めた。
(三皇五帝には諸説あり)
BC.
2100
陽城 帝舜の禅譲を受けて,夏王朝を建国。
1600 殷(商) 湯王 『酒池肉林』の夏の桀王を滅ぼし,商王朝の建国。
紂王 『封神演義』の時代。 紂王は妲己を愛し,炮烙の刑で恐怖政治。
周公・文王,太公望を得る。
1027 周(西周) 鎬京(西安) 武王 武王が殷を滅ぼし,周王朝の建国。
1024年。インドで釈迦誕生。
770


東周  落邑
(洛陽)
平王 周の幽王が殺され ,落邑(洛陽)に都を移し東周王朝となる。これ以降が,春秋時代と言われる。
周王朝は力を失うが,各国は盟主として,周王朝をいまだ敬う時代。周の王室を担いで,会盟を行い,諸侯の盟主となると,『覇者』とされる。斉の桓公,宋の襄公,秦の穆公,晋の文公,楚の荘王が『覇者』となった。
この時代には,多くの国あり。

『十八史略』の時代
老子誕生する。
552年。
魯に孔子生まれる。
 
  子嬰
桓公
襄公
文公
繆公
荘王
景公
昭公
夫差
勾踐
403


    晋が韓,魏,趙の三国に分裂したことにより,戦国時代が始まる。諸国均衡の時代は終わり,もはや周王朝は,一小国と化す。
法家の説(法事主義)を取り入れた秦の力が強大となり,縦横家に属する蘇秦が六国を連合させて秦と対抗する『合従』を実現させるが,秦の張儀は,秦と各国が個別に同盟を結ぶ『連衡』を説いて,結局
,各国は秦に併合されていく。
372年。魯に孟子生まれる。
感陽 政(始皇帝)
221 始皇帝 中国を統一。
胡亥 楚の項羽,劉邦などが挙兵し,秦を滅ぼす。
202 漢(前漢) 長安 高祖(劉邦) 劉邦が項羽を破り(四面楚歌),中国を統一 。
97年。司馬遷の『史記』完成。
AD.2年。仏教が中国に伝来
A.D.8 王莽 王莽が漢を滅ぼし ,新を建国。
23 後漢 洛陽 光武帝(劉秀) 劉秀が王莽を破り,漢帝国を復興。
57 明帝 倭の奴の国王に対し,金印を与える。
(初めて日本が歴史に登場)
184 少帝 黄巾の乱起こる。
220


曹丕 曹丕が後漢を滅ぼし,魏王朝を建国。
『三国志』の時代。
239年。邪馬台国の卑弥呼,魏に使者。
221 成都 劉備 劉備が蜀を建国
263年。魏に滅ぼされる。
222 南京 孫権 孫権が呉を建国。以後,三国が鼎立。
265 晋(西晋) 洛陽 武帝(司馬炎) 司馬炎が魏を内部から乗っ取り,晋を建国 。
280年。呉を滅ぼし,中国を統一。
304





西晋 恵帝 匈奴を初めとする北方5族(五胡)が中国に進入し,次々と国(十六国)を作った。
316 漢(前趙 平陽 劉聡 西晋を滅ぼし,漢が建国。但し,匈奴族である。
317 東晋 健康 元帝 東晋が建国。
351 前秦 洛陽 苻健 前秦が建国。
384 後秦 長安 太祖(姚萇) 後秦が建国。
386 北魏 長安 拓跋珪 北魏が建国。
420 健康 武帝劉裕 宋が建国。東晋滅亡。
439



北魏 平城 太武帝 北魏が 華北をほぼ統一。南の宋と共に,南北朝時代へ。
479 健康 高帝 南朝の宋が滅び ,斉が建国。
502 健康 武帝 斉が倒れ,梁が建国。
534 東魏 長安 孝静帝 北魏が東西に分裂する。
557 健康 武帝 梁を滅ぼし,陳 が建国。
557 北周 長安 孝閔帝 西魏が倒れ、北周が建国。
581 文帝(楊堅) 楊堅が北周を滅ぼし ,随を建国。
589 随が陳を滅ぼし ,中国統一。
604 煬帝 煬帝が父文帝を殺害し ,即位。
607年。聖徳太子,小野妹子を隋に派遣。
618 高祖(李淵) 煬帝が部下に殺され 随滅ぶ。唐が建国。
626 太宗 太宗即位。
629年。玄奘,印度に出発。『西遊記』の時代。
630年。日本より唐に第一回遣唐使派遣。
690 則天武后 則天武后が帝位につき,帝号を周とす。
755 玄宗 安禄山の乱。蜀に逃れる途中,楊貴妃殺害さる。
907




梁(後梁) 開封 朱全忠 唐を滅ぼし,後梁が建国されるが,その後,中原では,後唐・後晋・後漢・後周と五つの国が興亡し,中原の外においては十国が興亡した。五代十国時代と言われる。
960 宋(北宋) 開封 太祖(趙匡胤) 趙匡胤が北宋を建国 。
中国歴史上,最も優れた統治者であったとされる。
宋末期においては,『水滸伝』の時代。
1115 北宋 阿骨打 蒙古の女真国,金国を建国。
1127 南宋 高宗(趙構) 金が北宋を滅ぼす。 亡命政権である南宋が建国。
1138年。臨安に遷都。
1206年。チンギス・ハーン,蒙古統一。
1234
チンギス・ハン 南宋とモンゴルは,金を挟撃し,滅ぼす。
1271 北京 世祖 (フビライ・ハン) 蒙古が国号を元とする 。
1279 元が南宋を滅ぼす 。中国統一。
1274年。蒙古日本来襲(文永の役)。
1281年。蒙古日本来襲(弘安の役)
1368 南京 洪武帝(朱元璋) 朱元璋が元を北に追いやり,明を建国。
1421 北京 永楽帝 蒙古対策のため,北京に遷都。
1616 金(後金) 興京 ヌルハチ 女真族のヌルハチが満州に金を建国。
豊臣秀吉が朝鮮出兵(文禄の役。1597に慶長の役)。
1636 瀋陽 太宗(ホンタイジ) ホンタイジが,国号を清に改める。
1644 北京 順治帝 明王朝滅亡。清朝が山海関より北京へ入城する。
1735 乾隆帝 乾隆帝即位。乾隆帝の時代に,清は絶頂期となり,全中国王朝最大の版図を得る。
1840 宣帝 アヘン戦争始まる。
1894 光緒帝 日清戦争始まる。
1912 宣統帝(溥儀) 清の宣統帝が退位させられ,中華民国が建国。
■繰り返される中国の歴史
中国の歴史を振り返ると、時代が移り変わり、登場人物も変わり、一見すべてが変わって見えるのだが、非常に単純化すると以下のような図式になる。
1.天下統一して、現代中国に近い版図の大国家ができる。
2.官僚主義により行政が腐敗する。
3.民衆が官僚主義の現況である大国家に反発する。それにつけこんだ新興宗教が広がり、大国家全土で反乱が多数興る。
4.叛乱の多発に乗じて地方軍が軍閥化する。軍閥が肥大化して群雄割拠の時代となる。
5.国内の乱れにより周辺異民族の活発化する。大国家の権威が地に落ちる。長い戦乱の世が続き多くの人民が疲弊する。厭戦的な世論が形成される。
6.大国家の権威が地に落ちたのを機に英雄が現われ周辺異民族を巻き込み再びの天下統一をはかる。
以上サイクルを繰替えす。多少の前後があったとしても、大体がこのパターンに従うのが中国の歴史だ。現代中国でも、まさに短期サイクルでは、建国以来繰り返されきたし、長期サイクルでもまず間違いなく、これから繰り返されいくだろう。

■短期サイクルを繰り返す現代中国
ここでいう、短期サイクルとは、現代中国の中央政府と地方政府のとの関係をいう。建国当初は圧倒的に中央政府が強かったのだが、だんだん経済発展などしてくると、地方政府の力が強まってきた。地方政府が強くなると、中央政府によってタガがはめられていたさまざま規制が、地方政府によって実質上緩和される。ところが、何年かすると今度は中国中央政府が力を強め、規制などを再強化する。しばらくすると、また地方政府の力が強まり規制などがゆるむ。現代中国はこれを繰り返している。まさに、短期で上記の歴史サイクルとぴったり符合する。今から8年くらい前までは、地方政府が強かったが、オリンピック開催もあるため、最近では中央政府の力が強まっていて、規制も強化されている。

■長期サイクルからみると私たちの生きている時代には中国は分裂する
さて、長期サイクルのほうはどうだろう。現代中国の共産党は大いに腐敗している。先日も昨年腐敗した官僚で処分を受けたものが20万人にものぼると報道された。官僚主義の弊害だ。民衆は共産党に大いに反発して、農民は暴動(つまりは叛乱)を起したりしている。

宗教に関しても、さまざまな問題をかかえている。各小数民族と、宗教が密接に結びついている。イスラム教徒もかなり多い。また、市場経済化に伴う中国社会の変容等に乗じ、民衆の無知につけこむ迷信と宗教の混在が起こっており、最近の例では、1999年7月、新興気功集団「法 輪功」に対し、中国政府は「迷信や邪説を流布して民衆をだまし、騒ぎを起こして社会の安定を破壊した」と断定、違法組織と認定し、一切の活動を事実上禁止 した。
(注)気功は、古来から心身両面の養生法とされ、改革開放政策が進んだ1980年代以降、国がスポーツとして奨励したこともあり、都市の中高年層を中心に広まった。
「法輪功」は、仏教的要素を取り入れた新興気功集団で、創始者の李氏が1992年から活動を始め、日本など約20か国に組織がある。会員数は数千万と称しているが、中国政府は200万人と発表している。
現在、「中華人民共和国宗教法」はまだ成立していないが、宗教の長期の存在を認め、社会主義と宗教の協調を探りつつ、宗教を効果的に現代化の建設に貢献させようとする点は、今後の宗教政策の大きな課題である。
今回のチベット問題をみても判るように、異民族は中国の支配に反発している。上海グループ、四川グループなん ていう言葉が聞こえてきたりしてなにかあれば直ぐにも軍閥が蔓延るだろう。つまり、今後数十年の内に英雄豪傑が各地で蜂起しての群雄割拠、英雄争覇となる可能性が(歴史から見る限り)大である。今回のチベット問題では、英雄はいわずと知れた「ダライ・ラマ」である。「ダライ・ラマ」が直接反乱を指揮はしてはいないだろうが、反乱をしている人々の心の中には「ダライ・ラマ」を反乱の統合の象徴としているのは、疑うべくもないだろう。我々が生きている時代には、中国は分裂時代を迎えるだろう。その日は刻一刻と近づいている。

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