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2019年8月23日金曜日

韓国GSOMIA破棄でクーデターの可能性も!? 日韓防衛OBにも衝撃「現役将官のほぼ全員が“失望”している」―【私の論評】日韓関係は現在正常化しつつある。過去が異常だったのだ(゚д゚)!

韓国GSOMIA破棄でクーデターの可能性も!? 日韓防衛OBにも衝撃「現役将官のほぼ全員が“失望”している」

文大統領(左から2人目)は会合でGSOMIAに関する報告を受けた

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことを、自衛隊OBや韓国の退役軍人は衝撃をもって受け止めた。文大統領に対する懸念や失望以上に、怒りが広がる。専門家は韓国内で近いうちに「文降ろしが始まる可能性がある」と指摘する。

 ■伊藤俊幸氏「あまりに合理性に欠けた反日カード」

 金沢工業大学虎ノ門大学院教授の伊藤俊幸元海将は「文氏が通商から安全保障まで反日カードを切ったのは、あまりに合理性に欠ける。これまでも、文氏は北朝鮮のスパイを摘発する部局をつぶすなど、『従北』のむちゃくちゃな対応を見せてきた。日米韓3カ国の安全保障の基盤が揺らぐのを危惧する現役の軍人らの生の声も届いていないようだ」と解説する。

 続けて、「韓国軍にとり、北朝鮮のミサイル発射時には、特に着弾情報は自衛隊頼み。文氏の判断は、情報担当部局には大迷惑な話なのだ。情報は『収集→分析→評価→配布』の流れをとるが、今後は米軍が日韓両国に相互に情報を渡す『配布』の場面で機密情報を一部、加工し、渡す作業が煩雑になるなど、3カ国の連携に支障が出るだろう」とした。

 日本政府はどう対応すべきか。伊藤氏は「日本は韓国の出方を静観すればよい。議論するだけムダだ。激変する国際情勢に備え、こういうときだからこそ、憲法を改正し、自衛隊の存在を明確に憲法に位置付けるべきだ」と強調した。

 ■高永チョル氏「支持率低下を挽回したい思惑」

 かつて朝鮮人民軍と対峙(たいじ)してきた元韓国国防省北韓分析官で、拓殖大学主任研究員の高永チョル(コ・ヨンチョル)氏は「文氏は想定外の行動に出た。政権への支持率低下を、反日をあおり、挽回したいとの思惑があるようだ」と分析する。

 韓国軍は文氏の判断をどうみているのか。高氏は「現役の将官らは100%近くが、『まさか』と失望しているはずだ。軍人は敵(=北朝鮮)と戦い、勝利するのを目的にしているが、『このまま北朝鮮に韓国が飲み込まれるくらいならば』と、正義感の強い一部の軍人たちが、政権の指導者に政変(クーデター)を仕掛ける公算がより大きくなった」とみる。

 その上で「退役軍人団体らも文氏に猛抗議し、弾劾を訴えるデモが今後、激しさを増すのは確実だ。韓国に在韓米軍を置く米国側からの圧力もかかり、協定破棄を見直すべきだとの韓国世論が喚起され、『文降ろし』につながる可能性が出てきた」と語った。

【私の論評】日韓関係は現在正常化しつつある。過去が異常だったのだ(゚д゚)!

韓国は日本の隣国ですが、それだけの理由で親密な関係になる必要はないです。国際関係においては、隣国でも友人にならないこともあるし、離れていても気の合う国と友人になるべきで日本はインドやトルコのような親日国と親しくすべきです。さらに日本ではなぜか、韓国のニュースがかなり多く流れているというのも問題だと思います。

一方的に日本を敵視する国と、隣国であるという理由だけで、仲良くする必要など全くありません。

何やらテレビ等では、現在の韓国と日本の関係が異常であるかのように報道していますが、そうではありません。今が普通であり、過度に韓国に気を使いすぎた過去が間違いなのです。

韓国は、日本が貿易管理を強化したり、ホワイト国から除外したことに対して大騒ぎしていまずが、それ自体がおかしなことです。日本が現在、貿易管理の対象としたり、ホワイト国扱いをしていない国などいくらであります。たとえば、中国、台湾や、インドだってそうです。

さらに、日本だけではなく米国も韓国対して管理を強化したり、それ以上の措置をとっています。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。

それに関してはこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【コラム】文大統領専用機はなぜ米国で給油できなかったのか―【私の論評】文在寅は、米国による北朝鮮制裁の韓国への厳格な適用の事実を隠蔽しようとした?
コリアン・エアーの文大統領の「コードワン」と同型機

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、一昨年9月に北朝鮮の平壌に行った民間航空機・文大統領の「コードワン」はそれから6カ月間、米国に入国できない「制裁」に引っかかっていたようなのです。

文大統領専用機、つまり民間機「コードワン」が当初発表の米ロサンゼルスで給油せずにチェコで給油したのは、対北朝鮮制裁違反で米国に入国できなかったためではないのかと、韓国内では報道されていました。

私は、この報道は正しいと思います。考えてみますと、この頃から米韓関係は良くありませんでした。

米国の北朝鮮に対する独自制裁について調べてみました。米国版のWikipediaを調べると、以下の記事がありました。

Sanctions against North Koreaこの記事の中に以下のような文書がありました。

Also any aircraft or ship upon entering North Korea is banned for 180 days from entering the United States.これを訳すと、「北朝鮮に入ったいかなる航空機も船舶も、180日間米国に入国できない」です。これによれば、民間であろうが、軍用機であろうが、北朝鮮に入った航空機は、180日間米国に入国できないことになります。

確かに、このような制裁が存在するのです。米国はこの制裁を厳格に適用したのでしょう。

さらに、次のような制裁もあります。
【暴走する韓国】数々の裏切り行為や侮辱発言…日本人の堪忍袋の緒は切れた―【私の論評】韓国にとって重要な国、日本を粗末に扱った文在寅の代償はかなり大きなものになる(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
韓国の銀行は既に米国で送金できなくなっています。米ニューヨークに進出した韓国系銀行の支店と現地法人が昨年11月から送金中継や貸付などの核心業務を相次ぎ中断しています。米金融当局のコンプライアンス強化の要求に対応できないためです。グローバル金融の中心地ニューヨークで韓国系銀行は連絡事務所に転落しています。 
これは、北朝鮮に対する制裁破りをしている韓国に対する米国の事実上の制裁と考えるべきでしょう。 これは、韓国内ではソフトに報道されていますし、米国もはっきりと制裁とは言ってはいません。
ここでいう、「米金融当局のコンプライアンス強化の要求」とは実際には、コンプライアンスを遵守するため、新たなシステム(コンピュータ・システムも含む)を導入しなければならないようです。ただし、詳細はほとんど報道されていません。

なぜ米国がこのようなことをしたかといえば、韓国銀行による不正な送金があったか、ありそうであった、ということです。だからこそ、コンプライアンスを重視するシステムの導入を韓国銀行に迫ったのでしょう。

このような米国による韓国に対する制裁もしくは、制裁に近いような内容はあまり詳しく報道されないので、詳細を把握することは難しいです。

しかし、このようなことは時々行われているのでしょう。しかし、考えてみてください、もし日本が米国と同じことを実行したら、韓国はどうのような反応をしたでしょうか。

たとえば、文大統領の「コードワン」を日本国内に入国させないようにしてみたり、韓国銀行に対して何らかの制裁をしたとしたら、どうなるでしょう。

たとえば、現在日本のメガバンクが韓国の銀行が発行する信用状に保証を付けなければ、貿易決済さえまともにできないのが実態です。日本が、この保証に制限を設けたりしたらどうなるでしょうか。

またまた、韓国は大騒ぎして、様々な対抗措置を出すかもしれません。それにしても、米国が韓国に対して厳しい措置をしても、韓国はほとんど対抗策らしい対抗策をとったり、韓国内でもほとんど報道さませんが、なぜ日本が同じようなことをすると激しく反応したり、対抗措置を出したりするのでしょうか。

それは、おそらく、米国は韓国が騒いだり、対抗措置をだしたとしても微動だにせず、場合によっては制裁をさらにきつくするのかもしれません。だから、韓国も米国に対してそのようなことをしても無駄だし、そんなことをすれば、「コードワン」の場合は、文大統領の恥をさらすようなものであり、韓国銀行による措置に関しては、さらに制裁などが課されるだけなのでしょう。

米国だって、このような措置をするには、それなりに十分考えて根拠も明確にして実行しているので、韓国が騒ごうが喚こうが、放置し、場合によっては新たに制裁を課すということなのでしょう。ちなみに、日本のメガバングが保証をつけなれば、韓国は貿易決済ができなくなり、完璧に経済が破綻します。

過去の日本は、過度に韓国に気を使いすぎ、韓国が騒いだり喚いたりすれば、それに反応したり、実際に措置を緩和するなどのことをしてきました。それが長い間続いたので、韓国に一種の日本に対する甘えができたのでしょう。

普通の国同士ではありえないことです。たとえば、ロシアに対しても日本は厳しい措置をとることもあります。2019年の初めから日本はロシア産石油の買入量を一気に40.5%削減しました。また液化天然ガス(LNG)の輸入も前年同時期比で7.6%減少しました。一方で米国の炭化水素の輸入は急増。石油は328%、LNGは36.1%増加しています。

これは、一方ではアジアのエネルギー市場でのシェア拡大を望む米国と、もう一方にはロシアの領土問題への不変の姿勢に否定的に反応し、交渉姿勢を強めようとする日本の試みがあると考えられます。
日本は昨年も1月から9月にかけての時期にロシア産石油の輸入量を減らしていました。ところが両国間での平和条約の議論が始まるやいなや状況は変化しはじめ、11月には日本はロシアの石油の購入を急増させました。そして現在は、交渉の行方が不透明になりはじめたことから、ロシア産エネルギーの日本の輸入量は再び減少し始めているのです。
このような措置を韓国に対してとった場合、韓国は大騒ぎすると思います。しかし、ロシアは同じようなことをされても、何も騒ぎもしないし、当然のこととみなしているでしょう。ロシアは日本に対して甘えがないからです。普通の国同士ではこれが当たり前です。
だから、このようなことなど当たり前すぎることなので、日露両国ともテレビや新聞等のマスコミも特段報道もしないので、両国の国民とも知らない人がほとんどでしょう。しかし、日韓は違います。日本が韓国に対して、安全保障上の理由から、貿易管理を強化しただけで、日韓双方のメディアは大騒ぎです。異常です。
相手が友好的になれば、こちらも友好的になるし、相手が敵対的になれば、こちらも敵対的になる。これが国際社会の常識です。

しかし、過去においては、日韓関係はそうではありませんでした。今日の日韓関係がまともなのであり、過去の日韓関係は歪だったのです。

韓国がGSOMIAの破棄しても、日米の安全保障に何ら影響は与えません。孤立して困るのは韓国のほうです。これは、文在寅(ムン・ジェイン)政権による反日政策の延長線上にあり、驚くにあたらないです。

そもそも、人工衛星や情報収集能力に関しては、日米が格段に上です。対潜哨戒能力は日本は世界のトップクラスです。先日の北朝鮮による短距離ミサイルに関しても、韓国は690メートル飛行したとしましたが、日本側の分析では600キロメートルであり、後で韓国は600メートルと訂正しました。

日本の哨戒能力は強力で、レーダー照射のときもかなりの情報をつかんでいるとみられる

韓国がGSOMIAを破棄すれば、韓国には日本からの正確な情報が入ってこなくなるだけの話です。韓国側は破棄の理由として、日本が安全保障上の輸出管理で優遇措置の対象国から韓国を外す対応を取ったことを挙げています。

これらは、本来全く別な話であって、一緒くたにするのは異常です。やはり、韓国には日本に対する甘えが通じると今だに思っているようです。

このような状況はしばらくは続くかもしれませんが、日本が態度を変えないどころか、韓国が今のまま態度をかえなければ、さらに対応を厳しくし、さらに制裁などを加えるというような正しい対応をすれば、韓国も少しずつ変わっていくことでしょう。少なくとも、日本に対する甘えを捨てることになるでしょう。

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2018年5月23日水曜日

米韓首脳会談、文氏「仲介」は完全失敗 トランプ氏は中朝会談に「失望」怒り押し殺し…米朝会談中止も―【私の論評】米国は北攻撃準備を完璧に終え機会をうかがっている(゚д゚)!


文大統領(左)と会談したトランプ大統領(右)。金正恩氏の勝手にはさせない

 ドナルド・トランプ米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対し、米国の条件に応じなければ米朝首脳会談(6月12日)を中止すると通告した。ホワイトハウスで22日(米国時間)に行われた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談で明言した。文氏は「米朝の仲介役」として米国に乗り込んだが、完全失敗に終わった。

 「われわれは一定の条件を求めている。それがなければ、(米朝首脳)会談は行われないだろう。会談は北朝鮮と世界にとって素晴らしい機会になる。行われなければ、会談は延期され、別の機会に行われるのではないか」

 米韓首脳会談の冒頭、トランプ氏は記者団にこう述べた。

 北朝鮮は16日、トランプ政権が求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)を理由に、米朝首脳会談中止を示唆した。得意とする「揺さぶり外交」の一貫だが、トランプ氏は改めて、北朝鮮に「完全非核化」を突きつけた。

 トランプ氏の批判は、北朝鮮に急接近している中国にも及んだ。

 今月7、8日に中国・大連で行われた習近平国家主席と正恩氏による2回目の中朝首脳会談について、トランプ氏は「少し失望している。なぜなら、正恩氏の態度に変化があったからだ」と怒りを押し殺した。

 大連会談で、正恩氏は「関係各国が責任をもって段階的かつ同時並行的な措置を講じ、最終的に朝鮮半島の非核化を実現させることを希望する」と主張した。習氏は、米朝首脳会談で非核化合意に達した場合、中国が段階的支援に乗り出すことが可能との考えを示したとも報じられている。

 トランプ政権は、経済、軍事両面で「最大限の圧力」をかけ、正恩氏を対話に応じさせた。その努力を中国が台無しにしようとしているとするなら大問題だ。

 中国という「後ろ盾」を得て再び、米国への反発に転じた北朝鮮に対し、マイク・ペンス副大統領はクギを刺した。21日に出演した米FOXニュースの報道番組で、「北朝鮮は守る気のない約束で、米国から譲歩を引き出すようなまねはしない方がいい」と述べ、軍事的選択肢を行使する可能性を「一切排除していない」と語ったのだ。

 米国、北朝鮮、中国による駆け引きが続くなか、「米朝の仲介役」を自認し、米国に乗り込んだ文氏の存在感はまるでない。北朝鮮にも会談をキャンセルされるなど、「韓国パッシング」に見舞われている。

【私の論評】米国は北攻撃準備を完璧に終え機会をうかがっている(゚д゚)!

昨年米韓合同軍事演習「ビジラント・エース」伝えるテレビの画面

米軍が北朝鮮を先制攻撃した場合、最新資料では北朝鮮は1日で壊滅するといわれています。その根拠となるのは、2017年12月4~8日に実施された米韓合同軍事演習「ビジラント・エース」です。

日本では戦闘機や偵察機など米韓両軍で230機が参加したと伝えられていましたが、11月29日に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星15」発射したことを受けて260機に増強され、史上最大規模の軍事訓練となりました。

詳細はこれまで明らかにされてこなかったのですが、訓練内容を分析した文書を見ると本当に実戦さながらでした。米軍が本当に先制攻撃を仕掛けた場合、その攻撃力は想像を絶します。北朝鮮は報復攻撃さえできずに、早ければ1日で壊滅すると考えられます。

これまで米国が北朝鮮に対して先制攻撃を実行した場合、全面戦争に発展するのは避けられず、北朝鮮の報復攻撃によって日米韓は甚大な被害を受けることが予想されました。

特に非武装地帯(DMZ)の北方に配置された北朝鮮の多連装ロケット砲や長距離砲がいっせいに火を噴き、付近に展開している米陸軍第2歩兵師団が標的になるばかりか、ソウルが“火の海”に化す悲劇も現実味を帯びていました。

北朝鮮の長距離砲

過去、米国はクリントン政権時代の1994年に北朝鮮の核施設への空爆を検討したことがありました。北朝鮮は93年に核拡散防止条約(NPT)を脱退した後、核実験と弾道ミサイル「ノドン1号」の発射を強行していたからです。

しかし、米国が空爆を実行すれば、朝鮮戦争の再開が危惧されました。開戦から90日で米軍の死者5万2千人、韓国軍の死者49万人、韓国の民間人の死者は100万人以上に達するという衝撃のシミュレーション結果を、当時の在韓米軍司令官がホワイトハウスに報告し、攻撃を中止したという経緯がありました。

いま、ICBMの完成を目前にして、核弾頭の実戦配置も終了したと考えられる、北朝鮮の“脅威”は当時の比ではありません。当然、米国本土も無傷では済まないはずです。

ところが、この想定は米韓合同軍事演習「ビジラント・エース」によって覆されました。米韓両軍が先制攻撃で遂行する作戦とは、一体いかなるものなのか、公開されている資料などから以下にまとめます。
攻撃は段階的に行われますが、最初に出動するのは3機の電子戦機『EA‐18G』です。電波を発射して北朝鮮のレーダー網を完全に麻痺させ、さらに対レーダーミサイルで通信基地を破壊する攻撃機です。実際、訓練中にも北朝鮮のレーダー網を麻痺させてしまったようです。このため、北朝鮮は演習内容をまったく把握できなかったといわれています。 
北朝鮮の通信網を無力化し、制空権を完全に奪ったところで、ステルス戦闘機のF35AやF22が出動。迎え撃つ北朝鮮の空軍を相手にすることもなく、ミサイル基地や生物兵器、大量破壊兵器関連施設など最優先のターゲットを次々と精密爆撃します。 
F35A
むろん、ソウルを照準にしたDMZ周辺の長距離砲陣地も完全に叩きます。反撃能力を潰えさせた後、ステルス機能のないF-15、F-16戦闘機、B-1B爆撃機が残る主要軍事施設を思うがまま絨毯爆撃するという手順です。
B-1B爆撃機
開戦となれば、金正恩朝鮮労働党委員長は要塞化された地下作戦部に身を潜めることになるでしょう。ところが、通信衛星で金氏の動きは捕捉され、バンカーバスター(地中貫通爆弾)を搭載したF-35Aが“斬首作戦”を実行します。
さらに驚くのは、260機もの戦闘機の上空で早期警戒管制機『E-8ジョイント・スターズ』という航空機が展開することです。1度に600カ所の目標物をレーダーで探知し、優先順位を決めて、すべての戦闘機に攻撃の指揮、管制をします。 
E-8ジョイント・スターズ 
おまえはこの基地を撃て、おまえはあそこを撃てというふうに、設定された軍事目標を一気呵成にしらみ潰しにしていくのです。その指示作業を確認する訓練も行われました。もはや、作戦は完璧に組み立てられています。もちろん、撃ち漏らしはあるでしょうが、開戦となれば、これまで考えられていたような反撃能力が北朝鮮に残っているとは考えにくいです。
仮に、北朝鮮が同時多発的な攻撃を企てたとしても、ほとんどのミサイルが液体燃料のため注入に1~2日かかります。その動向がキャッチされると戦争準備と認められ、米国にとってみれば先制攻撃の口実になります。
やる気になれば、米軍は韓国や日本に従来考えられていたほどの壊滅的な打撃を受けさせることなく、北朝鮮を蹂躙できるわけです。

金正恩として、金王朝存続のためトランプ大統領に北朝鮮の核保有を認めさせたいのでしょうが、トランプ大統領のほうはその気は全くありません。

米国は、北の完璧な核放棄がない限り、いずれ北に攻撃を仕掛けることになるでしょう。現在は、攻撃するにしても、どの規模で、どれくらいの期間攻撃するかを決めるため機会をうかがっているとみるべきでしょう。それでも、金正恩が核放棄に応じれば、別の道を用意する心づもりもあることでしょう。

いずれにせよ、金正恩が過去1年間で恐喝、融和、手のひら返しのような様々な策を弄しているうちに、米軍は目的、目標、期間、規模、効果の観点からありとあらゆる方式で北朝鮮を攻撃する方法をシミレーションならびに演習を通じて実行できる体制を整えているのは間違いないです。軍はすぐにでも行動に移せる状態になっていることでしょう。

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2018年1月29日月曜日

「世界のリーダーの品評会」での黒田日銀総裁の発言に失望した理由ここでビシッと決めてほしかったのに―【私の論評】野党、マスコミ、官僚はマクロ政策に目覚めよ(゚д゚)!

「世界のリーダーの品評会」での黒田日銀総裁の発言に失望した理由ここでビシッと決めてほしかったのに…

髙橋 洋一 経済学者 嘉悦大学教授 プロフィール

「問題発言」の内容

スイス東部のダボスで、1月23日から26日まで、世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」が開かれていた。今年は、トランプ大統領が初めて出席する関係もあり、例にない警備体制だったという。

周知のとおり、トランプ大統領は、再交渉を前提にTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への復帰の可能性を示唆した。アメリカが抜けた後、TPP11というアメリカ除きの自由貿易協定が日本のリーダーシップで既に合意しているので、アメリカも焦ってきたのだろう。

筆者は、トランプ自身は自由貿易論者であり、オバマ前大統領主導のTPPという枠組みが嫌いなだけで、かわりに日米FTAなどの自由貿易を提案してくるとみていたが、結局その通りになった。日本としては、日米FTAとTPP12の両方のカードがあるため、アメリカの出方を待って作戦が取るとれるので、トランプ大統領のこのスタンス変更は歓迎だろう。

さて、ダボス会議は世界のリーダーが集まる会議であり、各リーダーの品評会のようなところだ。小泉政権以降、日本の政治家も積極的にダボス会議に参加していたが、今年はちょっと寂しい状況だ。

ダボス会議に出席した日銀黒田総裁
そのダボス会議において、日銀・黒田総裁が出ていた会合で、金融政策についての興味深いやりとりがあった(https://www.weforum.org/events/world-economic-forum-annual-meeting-2018/sessions/a0Wb000000AlJAXEA3 の55分あたりから)。筆者の知り合いがダボス会議事務局をやっているので、ダボス会議には注目していたが、ネットの一部でもこの会合に出席した黒田総裁の発言を疑問に思う声が出ていた。

なお、マスコミはこのことについてまったく言及していない。黒田総裁の発言は至極重要なはずで、ネットで見られるものであるが、日本のマスコミはおそらく見ていないのだろう(役所の解説がないと記事を書けないマスコミが多いためだろ思われる)。

一部で問題視されているのが、26日に行われた「Global Economic Outlook」での発言である。参加者は、黒田日銀総裁の他に、カーニー・イングランド銀行総裁、ラガルド・IMF専務理事、ラム香港特別区行政長官、フィナンシャルタイムズのウルフ記者らであった。

ウルフ氏が進行役で登壇者に質問していたが、その後の質疑応答の際に、フロアーから「インフレ目標は2%がいいのか」という質問があった。ウルフ氏は、その他の質問も含めて、まずラガルド氏に聞いた。ラガルド氏は、「インフレ目標2%がいいのかどうかは、国によって異なることもある」などと無難に答えた。

ウルフ氏は、「日本はデフレが長かったので、2%では低く、4%目標でもよいのでは」と黒田氏に質問した。それに対する黒田氏の答えは、要約すると次の通りだった。

<インフレ目標の物価統計には上方バイアスがあるので、若干のプラスが必要なこと、ある程度プラスでないと政策の対応余地が少なくなること、先進国間の為替の変動を防ぐことなどの理由で、先進国で2%インフレ目標が確立されてきた。>

ハッキリ言って、役人答弁そのもので、何を言っているのかさっぱり分からなかった。

クルーグマンに問われたこと

実は、筆者は日本では2%ではなく、4%インフレ目標にすべきということを、かつてプリンストン大学でクルーグマン教授に同じことを問われたことがある。その時は筆者は、

「インフレ目標は、フィリップス曲線上でNAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment、インフレを加速しない失業率)を達成するための、最低のインフレ率である。

日本では、NAIRUは2.5%程度なので、インフレ目標は2%(が適当だ)。もし2%より高い、例えば4%のインフレ目標にしたら、失業率は2.5%程度でそれ以下には下がらないが、インフレ率だけが高くなるので、無駄で社会的コストが発生するインフレになってしまう」

と答えた。黒田総裁は、世界が注目するダボス会議で日本のリーダーとして男を上げる機会を逸してしまった。ラガルドがちょっと逃げて答えたので、ここでびしっと決めれば格好良かったのに。

おそらくなぜインフレ目標を2%にしているのか、筆者の解答部分の前半について、黒田総裁は明確に理解していないのだろう。それは、日銀事務局も同じである。それは、日銀が毎四半期ごとに出している「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」(https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/index.htm/)をみればわかる。

その中で、各回レポートに失業率の件があるのだが、直近のものでは「失業率も、足もとでは構造失業率をやや下回る2%台後半となっている」と書かれている。

その注には、「構造失業率には様々な考え方があるが、前掲図表3では、所謂『ベバリッジ曲線』の考え方に基づき、失業率と欠員率が一致する(=ミスマッチを勘案したマクロ的な労働需給が均衡する)場合の失業率として定義している。したがって、ここでの構造失業率は、NAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)の概念と異なり、物価や賃金との直接的な関係を表す訳ではない。」とされている(https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1801b.pdf)。

この「構造失業率であって、NAIRU」でないというのは、典型的な役人の言い訳だ。この言い訳が使われたのは、2016年7月のレポートからだ。その直前に、筆者が「日銀の構造失業率は3%台半ばとしており、計算違いである」と指摘した。その理由は簡単だ。構造失業率が、長きにわたって現実の失業率を下回るはずはないからだ。

たしかに「構造失業率」と「NAIRU」とは、その概念は違うが、計算すればほぼ同じ数値になるものだ。どうしても違うというのなら、日銀はNAIRUをいくらと推計しているのか、誰か国会質問で聞いたらいい。これが答えられなくては、中央銀行失格である。NAIRUの代替物として構造失業率を計算しているのではないか。

中央銀行として、NAIRUが重要なのは、それがインフレ目標に直結しているからだ。それは以下の図をみてもわかる。


これが、筆者の解答に書かれている、

「インフレ目標は、フィリップス曲線上でNAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment=インフレを加速しない失業率)を達成するために最低のインフレ率である」

というところだ。

では、その次にある

「NAIRUは2.5%程度」

はどうだろうか。日銀のレポートでは間違い続けているが「NAIRUは2.5%程度」というのは、かなり専門的な知識が必要である。

構造失業率でも日銀は間違っている
NAIRUの推計には、UV分析による方法と、潜在GDPによる分析がある。

まず、厚生労働省「職業安定業務統計」による欠員統計の利用が可能であるので、UV分析を若干アレンジしたい。UV分析とは、縦軸に失業率(U、通常は雇用失業率)、横軸に欠員率(V)をとり、失業率を需要不足失業率と構造的・摩擦的失業率に分解し、その動向からNAIRUを算出するものだ。

まず、1963年からのUV図を描いてみよう。欠員率=(有効求人数-就職件数)/(有効求人数-就職件数+雇用者数)、雇用失業率に対応する完全失業率としている。

これを見ると、1980年代は安定しており、左下方にシフトしてNAIRUが低下し、90年代には逆に右上方にシフトしNAIRUが高くなっていることがわかる。動きとしては右回りになっていることもわかる。


そこで、最近の2002年1月から2009年7月までの経路をみると、やはり右回りになっている(もっとも、リーマンショックがあったので、右下までこないままに右回りで一周している)。

最近の2009年8月から現時点までの経路を見ると、筆者の予想線の通りに右下に向かって下がっている。ここで、右回りになるとすると、さらに左下に下がり、完全雇用は下図のようになると、筆者はみている。その点に対応する失業率は2.5%程度であり、これが筆者の考えるNAIRUである。


ちなみに、この分析は、日銀レポートで構造失業率と言っているものと同じである。つまり構造失業率でも日銀は間違っていることを指摘しておこう。

ここでも野党は間抜けな批判を……
次に、潜在GDPからの分析である。この分析のために、内閣府が四半期ごとに公表しているGDPギャップを利用しよう。このGDPギャップとインフレ率と失業率の関係をみるのだ。

GDPギャップとインフレ率の関係は、GDPギャップがプラス方向に大きくなるとインフレ率が上昇する、正の相関関係がある。具体的には、GDPギャップがプラス2%程度になると、インフレ率が2%程度になる。


GDPギャップと失業率は、逆に負の相関関係である。GDPギャップがプラス方向に大きくなると失業率は低下する。具体的には、GDPギャップがプラス2%程度になると、失業率は2.5%程度になる。


これで、失業率2.5%に対応するのはインフレ率2%程度であり、これがインフレ目標になっているわけだ。

なお、GDPギャップとインフレ率は正の相関、GDPギャップと失業率は負の相関なので、インフレ率と失業率は負の相関になり、これが先の掲げたインフレ率と失業率の関係を表すフィリップス曲線になる。

現状の経済を見ると、失業率は2.7%であり、NAIRUにあと一歩の状況である。この傾向が続き、現実の失業率がNAIRUに近づくと、賃金はかなり上がり出す。現にその傾向は出ているが、今一歩の状況である。

そのためには、あと10兆円弱の有効需要を、金融緩和の継続または財政出動で作ればいい。そうなると、人手不足によって賃金を上げないと企業活動に支障が出てくるようになる。

安倍首相が賃上げを経済界に要請しているのは、こうした現状を踏まえた上のことであって、極めて政治的に巧妙である。経済界も現状をみると、首相に言われなくても賃金を上げないと企業活動に支障が出てくるのはわかっているから、要請に応じた形になるだけだ。決して、マスコミが報道するような「官製賃上げ」ではなく、マクロ経済をわかっていれば、賃上げは自然の動きなのだ。

こうした状況下で、いま、働き方改革が行われている。立憲民主などの旧民主党系の野党は「働き方改革は残業代をゼロにするためのもので、労働者に不利になる」とか言っているが、残業代ゼロでも、人手不足によって手取り給与総額は増えるだろう。何より、雇用を作れなかった旧民主党系の政治家たちがこんなことを言っているのだから、まったくお笑いの世界である。

雇用も作って、その上で給料も上がりそうな状況が出現している。野党は全く安倍政権にお株を奪われた状態なのである。

【私の論評】野党、マスコミ、官僚はマクロ政策に目覚めよ(゚д゚)!

私は、高橋洋一氏のように数学はさほど得意ではないので、上記のような計算はなかなかできないですが、それでも過去の統計資料と、現状の雇用情勢を比較すれば、いわゆる構造的失業率ないしはNAIRUは2%台半ばであることは過去から現在の失業率の統計資料などをみればわかります。

私自身は、以前このブログに掲載したように、大体2.7%ではないか目見当をつけたことがあります。

以下に、その検討をつけたときの資料などを掲載したブログ記事のリンクを掲載します。
「リフレ派敗北」という人の無知と無理解と統計オンチ デフレに逆戻りさせるのか―【私の論評】俗説、珍説を語る輩はエビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)を出せ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事より以下にグラフを掲載します。

 
上のグラフをみるだけでも、完全失業率は2%台半ばくらいであることは大体察しがつきます。90年代の半ばあたりからは、日本はデフレ気味であり、97年あたりから完璧にデフレに突入したことを知っていればこのあたりの失業率の値はあまり参考にならないことがわかります。

このときよりも前のデーターを参照すれば、大体2%の半ばくらいと見るのが妥当です。完全失業率はその時々で変わるのではといわれていますが、まともなマクロ経済学のテキストによれば、このくらいの期間ではさほど変わることはなく変わったとしても0.5%くらいといわれています。

これは、1990年代の半ばより以前は、日本では失業率が3%を上回ると、危険信号といわれていたこととも符号します。米国ではずっと前から、米国の構造的失業率は4%くらいであるといわれてきました。それは今でも変わりません。

しかし日本では、2000年代にはいってから、完全失業率が3%台などは当たり前で、4%台や5%台になったこともありました。これは、日銀の金融政策が失敗していたことを物語っています。過去の日銀は、金融緩和すべきときに、金融引締めをするなどの愚策を行ってきたので、このようなことになったのです。

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は日本の構造的失業率ないしNAIRUを2.5%程度と考えていることが示されています。

高橋洋一氏は統計的手法を用いて、この試算を実施したのでしょう。おそらく、かなり正確なものと考えられます。

政治家などは、このような試算をすることは難しいかもしれません。しかし、私のように過去の統計などをみれば、どう考えても4%や5%の失業率がまともであるとは思えないはずです。さらに、自分で計算できなくなても、高橋洋一のような人、それも複数の人に計算してもらうことはできるはずです。そうすれば、まともではないということが認識できるはずです。

そのような見方をすれば、何かがおかしいということに気づき、金融政策に問題ありということになるはずです。しかし、多数の政治家はそのような見方がまだできません。特にブログ冒頭で高橋洋一氏が指摘するように野党はそうです。そうして、残念ながら、官僚もマスコミもそのような見方ができない人が多いです。

彼らの頭の中では、雇用とはマクロ経済政策である、金融政策などとは全く関係なく、ミクロ的な見方しかできません。そうして、雇用というと政府にミクロ政策のみを実行せよと迫ります。

これが根本的な誤りです。政府が行うべきはまずは、マクロ政策なのです。その他のミクロ政策は、政府としては法律や規制、インフラの整備はすべきですが、政府自身がミクロ政策を実行してしまえば、ことごとく失敗してしまいます。これがうまくいくというのなら、共産主義は大成功したはずです。でも現実はそうではありません。

だから、ミクロ政策は民間が実行すべきなのです。そうして、日本では民間というと営利企業のみがクローズアップされるのですが、これだけでは不十分で本来ならば民間非営利企業(NPO)が十二分に活躍しなければならないのです。

しかし、日本では未だに民間非営利企業(NPO)が欧米のように発達していないことが問題です。このあたりは、述べると長くなりそうなので、また機会を改めて、掲載します。

そうして、それ以前に日本では、政府は主にマクロ政策を実行すべきものということが、未だ前提となっていないところがあります。特に、雇用はそうです。マクロ政策である金融政策や、財政政策がまともでないときに、ミクロ政策(労務問題の解決など)だけを実行したとしても、雇用は改善できません。

まずは、これを根付ける必要があります。野党の政治家、マスコミ、官僚も政府はマクロ政策を実行する主体であることをはやく認識すべきです。はやく目覚めて欲しいものです。

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2014年9月23日火曜日

消費増税 米もダメ出し 財務長官が「失望」表明―【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!


日本の経済政策に失望を表明したルー米財務長官

日本の消費増税に米国からノーが突き付けられた。4月以降の成長鈍化について、ルー米財務長官が「期待外れとなった」と表明したのだ。増税推進派は「消費増税は国際公約」というのだが、再増税を強行すれば世界に迷惑をかけることになりかねない。

ルー財務長官は21日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後の記者会見で、日本とユーロ圏を名指しして、最近の成長鈍化を指摘した。日本については、消費税率を4月に8%に引き上げて以降、個人消費と投資が落ち込んでおり、「経済活動の縮小による困難に直面している」と懸念を示した。

G20初日の世界経済についての討議で、麻生太郎財務相は、議長に求められる形で、日本経済の現状や成長戦略などを説明。麻生財務相は「日本に対する期待の高さを実感した」と胸を張る一方、「日本経済は緩やかな回復が続いている」と各国の懸念解消に躍起だった。

アベノミクスで長年のデフレから脱却しつつあったが、消費増税をきっかけに変調がみられる日本経済。その先行きに米国が警戒しているのは明らかだ。

このところ急速に進んでいる円安についても、本来なら米国の自動車産業などにとって打撃となるはずだが、ルー長官はクギを刺すどころか、17日の講演会で「強いドルは良いことだ」と述べ、円安ドル高を事実上容認した。G20でも「為替の議論はなかった」(会議筋)という。

ルー長官は、19日には麻生財務相に「内需拡大を維持するための政策」を要請。政策を総動員して景気の底割れを回避すべきだと迫った。

麻生財務相は再増税に備えた補正予算を検討するとしているが、当然ながら税金が使われる。「なんのために消費増税するのか、本末転倒」(エコノミスト)という状況だ。再増税をやめれば済む話ではないのか。

【私の論評】日本のマスコミが伝えない真実!ルー米財務長官吠える!日本の増税DQNどもをそのまま放置するな(゚д゚)!

麻生財務大新(左)とルー財務長官(右) にこやかに対話しているがその腹の中は・・・
上の記事、他のメディアではほとんど報道されていないため、敢えて全文掲載させていただきました。

4月からの増税でも、経済に悪影響が出ているのは明らかなのに、ここでまた日本が再増税をして、また経済が落ち込んでしまえば、日本国内がデフレ・スパイラルの底に再度沈むだけではなく、世界にも迷惑をかける可能性があります。

その懸念を、ルー財務長官が表明したということです。というよりも、アメリカにとっても日本の経済の落ち込みは、大きな懸念事項あるということです。

日本の増税に関しては、アメリカやオバマ大統領自身の利益にもならないことはこのブログでは随分前にも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
消費増税で日本国家を殺し給う勿れ―【私の論評】日本のデフレに終止符を打つのは、オバマか?
詳細は、この記事をご覧いただものとして、この記事は2011年7月のものです。この頃は、日銀は金融引締めを継続し、政府も緊縮財政を繰り返し、しかも大震災に見舞われた直後とあって、国内ではデフレスパイラルの泥沼に落ち込み、対外的には、かなりの円高で苦しんでいたときでした。

この記事は、オバマ大統領の二度目目の大統領選挙の前の年に掲載したものであり、オバマは米国の製造業の強化を目論んでいるときでもありました。

日本の経済が良くならなければ、オバマにも影響が出るという意味あいで、この記事を掲載しました。現実には、日本経済は良くはなりませんでしたが、それでもオバマは何とか大統領選に勝利し、現在でも大統領であるわけです。

それにしても、日本経済が悪化すれば、中国経済がここしばらく完璧に低迷することが明らかな現在、世界にかなり悪い影響を与えるのは必至です。

ルー財務長官は、G20で以下のような声明も発表しています。
アメリカ財務長官、経済成長に向けた努力を要請
ルー財務長官は19日金曜、20日土曜からオーストラリア北部のケアンズで開催されたG20・20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議の開幕に際しての表明で、雇用創出を促進するため、投資とインフラに対して、よりいっそう集中的な措置を行うよう要請しました。 
ルー長官はまた、「全体的に、世界経済は伸び悩んでおり、特にユーロ圏や日本はこれに当てはまる。また経済新興国の経済成長も鈍化している」と語りました。
さらに、「より急速でバランスの取れた経済成長のために、需要拡大と雇用の促進が必要だ」と述べました。
多くの先進国ではここ数年、債務の問題に直面しており、予算不足対策のために、本来は経済成長を優先させるべきにも関わらず、経済的な緊縮政策を採らざるを得ないと思い込み、実際それを実施した国々では大失敗しています。

また、アメリカの世論は緊縮政策の実施に強く反対しています。

世論調査では、現在、多くのアメリカ人が現行の予算バランスを支持していますが、ほとんどの人々は緊縮政策に反対している、ということが明らかになっています。

緊縮政策とは、公共工事などの削減、給付金などの削減、増税など、政府の支出を減らす政策です。これを実行すれば、大雑把にいうと、雇用が削減し、賃金も減ります。

アメリカでは、多くの国民も、財務長官自身も、緊縮財政ではなく、積極財政を実施することを望んでいるのです。

現状のアメリカ経済は、回復気味であり、もともとデフレではありません。そんな国でも、ほとんどの国民が積極財政を望んでいるのです。

にもかかわらず、日本は一体どうしたというのでしょうか。

何やら、増税などの緊縮財政が正しいものと信じているようで、すでに増税して、失敗しつつあるにも関わらず、再度増税しようなんて馬鹿真似をしようとしています。

本日も、増税ポチのとんでも報道がなされています。
岩田元日銀副総裁:円安は「自国窮乏化」-08年と類似
この記事読む価値もないトンデモ記事です。岩田は、岩田でも、現日銀副総裁の岩田規久男の記事ではなく、元日銀副総裁の岩田一政の記事です。紛らわしいです。

この記事読む価値もないトンデモ記事です。これに対しては、厳しい批判がツイートされています。

以下にその代表的なものをあげます。
岩田一政のいう、08年といえば、リーマン・ショック直後であり、この時には、欧米、中国その他多くの国々が、景気低迷のためかなりの金融緩和を実行したにも関わらず、世界で日銀だけが、何もせず、そのおかげて、日本はさらなるデフレ・スパイラルのどん底に沈み込み、超円高になったというのが、当時の日本経済の低迷の真の理由です。

日銀がまともな金融政策をしなかったため、リーマン・ショックの震源地であるアメリカや、リーマン・ショックにかなり影響を受けたEUなどが、比較的すみやかに経済を建て治すことができたにもかかわらず、日本だけが世界で一人負けの状態に陥りました。

だから、私はこのブログでは、日本におけるリーマン・ショックを日銀ショックと呼んでいます。

今のところ、アメリカはルー財務長官が、ダメ出しをしているだけです。それは、中国に対しても、ロシアに対しても、ウクライナ問題、シリア問題にしても、及び腰のオバマでは、結局何もできず、日本に対して強くダメ出しを出来ないのだと思います。

オバマの経済対策は批判を浴びている(゚д゚)!

しかし、次の大統領のときには、その時もまだ、日本において馬鹿な経済政策を継続していれば、ダメ出しどころか、内政干渉ギリギリのところまで、強く言ってくることになると思います。それよりも、何よりも増税がはっきり間違いだったことが、大勢の日本国民も理解することになると思います。

日本の経済が低迷すれば、世界への影響は甚大です。アメリカにとっては、経済低迷だけではなく、安全保証上の問題にもつながる重要で見逃せない問題です。

いつまでも、日本の増税DQNをアメリカも日本の国民もそのまま放置しておくとは思えません。いずれ、増税DQN一掃の動きが始まると思います。そのときは、財務省も解体されるのでしょうか・・・・・。

できれば、次期アメリカ大統領になどダメ出しを押させて、日本の経済をまともにするというのではなく、国民自らの手でそれを実現したいものです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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