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2014年11月27日木曜日

中国、成長目標下げへ 15年7%前後 安定軌道狙う ―【私の論評】保八を捨てるのではなく、捨てざるをえなくなった中国に将来はないものと心得よ!体制の崩壊と、それに伴う天下の大乱は必定(゚д゚)!





【北京=大越匡洋】中国の習近平指導部は年間の経済成長率の目標を2015年に3年ぶりに引き下げる方向で最終調整に入った。今年まで「7.5%前後」としていた目標を「7%前後」に下げる案が有力だ。成長速度をいくぶん緩め、持続可能な安定軌道への軟着陸をめざす。足取りが確かとはいえない世界経済のけん引力が弱まることに懸念も広がりそうだ。

習指導部は12月初旬にも、翌年の経済運営方針を決める中央経済工作会議を開き、15年の成長目標を決める。複数の共産党関係者が「目標を下げるだろう。新たな目標は『7%前後』が軸になる」と語った。来年3月の全国人民代表大会(国会に相当)で公表する。

中国は成長目標を05年から7年連続で8%、12年から3年連続で7.5%とした。13年までは実績が目標を上回ったが、今年1~9月の成長率は前年同期比7.4%と目標に届いていない。住宅販売の不振が投資や生産の鈍化に波及したほか、製造業の過剰設備の解消など構造調整圧力も加わり、足元では景気の減速感が強まっている。

【私の論評】保八を捨てるのではなく、捨てざるをえなくなった中国に将来はないものと心得よ!体制の崩壊と、それに伴う天下の大乱は必定(゚д゚)!

そもそも、中国の統計は出鱈目であり、米国の経済学者などでは、中国は未だ世界第ニの経済大国にはなっていない可能性が高いことを指摘する人もいます。

しかし、出鱈目は出鱈目にしても、それなりにある程度の根拠があり、たとえば実際より10%増しにするなどのことはあると思います。

だから、過去の中国においては、それなりのこれだけは、下回ってはいけないという最低限の目標数値がありました。

それが、保八です。中国には、昔からこの保八という言葉があり、「8%以上の成長率を保とう」という意味合いですが、2009年の全国人民代表大会(全人代)においては、当時の温家宝首相は「保八」への決意を高らかに宣言し、政府の経済運営の最大の数値目標として設定しました。

2009年の全人代で高らかに保八を宣言した当時の温家宝首相
過去15年間に、中国では求職者人口がピークに達し、都市部の急速な発展期を迎えていました。そのため、雇用機会を創出するため、政府当局は経済成長率8%を目標にしなければならなかったのです。

経済の成長率が8%以下に落ちると、失業率が拡大して社会的不安が広がり、体制安定の基盤が根本から脅かされかねない状況なのです。日米独のような先進国とは異なり、8%以上の成長をしなければ、雇用情勢が悪化するのです。

そのため、「保八」は中国当局最大の政治保証で、または中国の経済成長を判断する分岐点となり、人々が中国経済への信頼感を測る最低水準とされていました。この「保八」方針を取りやめた中国政府はやはり国内の経済発展に自信を喪失したのでしょう。

もともと、出鱈目の経済成長率ですから、保八なども簡単に出来そうですが、出鱈目であっても、何とかその出鱈目を粉飾できる範囲というものがあります。おそらく、これから、雇用情勢も悪化することも予想されるのだと思います。その時に保八を実行したなどと言っても、現実の雇用情勢の悪化など隠しおおせない程度に悪化していて、隠しおおせる状況にないのだと思います。

だから、こそ保八を諦めたことを発表せざるを得なくなったのです。そういわれてみれば、中国では大学生の数が昔よりはるかに増えたとはいいなが、大学生の就職難が数年前からかなり深刻になっていました。それは、今でもかわりありません。もう中国の経済は破綻しつつあるとみるのが、妥当です。

中国の就職フェア 今年の6~7月の大卒予定者727万人、中国は史上空前の就職難

長い間、中国の労働生産性の成長速度は労働者賃金の成長速度よりもはるかに速く、労働者の所得が増えないため、国内消費拡大を妨ぐことができました。2012年でさえ、個人消費が中国GDPの約3分の1を占めていましたが、その割合が2分の1を超える多くの国と比べて異常な低さでした。

一方、GDPに占める中国の投資の割合は約半分となっていました。これは現在多くの国では見られないことです。多くの経済学者は中国がGDPに占める投資の割合を長期的に維持していくことは、不可能だと指摘していました。また、中国の輸出は、GDPの40%以上を占めています。投資と、輸出でGDPのほとんどを占めるという異常な経済構造です。

これは、裏読みすれば共産党の独裁的支配体制の存続は、「成長率」という経済的数値の変動に大きく左右されるような事態になっていたということです。要するに、エラのないサメのようなものです。エラのないサメは、泳いで前進しつづけなければ、息がてきなくて、死んでしまいます。

日本や、アメリカのような国であれば、たとえ経済成長しなくても、確かに大変といえば、大変ですが、何とか維持はできます。しかし、中国では経済成長が止まってしまえば、死んでしまうということです。そうして、輸出や、投資にもかなり左右さます。そうした中にあっては、是が非でも、高い成長率を維持しなければならなかったのです。

過去の中国では、10%以上の成長率を維持して経済が繁栄している最中でさえ、年間数万件の暴動が起きていました。それが、2010年からは、10万件以上になったともいわれています。

中国で日常的に発生する暴動

日本やアメリカが経験しているようなゼロ成長や、マイナス成長ともなれば、体制の崩壊と、それに伴う天下の大乱は必定です。

あれだけこだわっていた保八を捨てた習近平の中国は、これからどういう道を歩むのでしょうか。ますます、社会不安が深刻になり、とんでもないことになりそうです。現体制がこのままずっと継続できるとはとても考えられません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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