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2011年1月25日火曜日

「忠臣蔵で抜けちゃった侍」石原氏が与謝野氏批判―【私の論評】道理を知らない小心者に日本の経済を復活させることは出来ない!!さらに悪化させるだけだ!!

「忠臣蔵で抜けちゃった侍」石原氏が与謝野氏批判―【私の論評】道理をしらず、肝っ玉のないものに日本の経済を復活させることは出来ない!!さらに悪化させるだけだ!!


東京都の石原慎太郎知事が23日、テレビ朝日の番組に出演し、応援団長を務める「たちあがれ日本」を離党し経済財政担当相に就任した与謝野馨氏について「忠臣蔵で抜けてしまった侍」と批判した。

与謝野氏が政策通とされることにも「あの程度の識者はたくさんいる」とし、「心配?心配していない。軽蔑しているだけだ」と吐き捨てた。

石原氏は14日の定例会見で与謝野氏の祖母、与謝野晶子の詩「君死にたまふことなかれ」を引き合いに出して「君恥かきたもうことなかれだ」と批判。13日にも記者団に「ばかじゃないかね。これで彼は終わりだ」と話していた。


【私の論評】道理を知らない小心者に日本の経済を復活させることは出来ない!!さらに悪化させるだけだ!!
与謝野さんは、たちあがれ日本全体を率いて、連立政権協議を民主党と行い、その結果政策で合意できれば、政権参加ということは、何の問題もなかったと思います。ところが、たちあがれ日本を離党して無所属で「単騎入閣」ということなので、様々な批判をよんでいるのです

一人であっても、重要閣僚である以上、菅首相と与謝野氏がどのような政策協議を行ったのか、そしてその結果どのような合意に達したのかを明らかにすべきです。そして、その政策合意が民主党のマニフェストと異なる場合、どうするのでしょうか。

マニフェストを修正するのなら、そのマニフェストで政権交代を実現した以上、解散総選挙で「修正マニフェスト」について国民の信を問うべきであったと思います。

それに、与謝野さんの場合、財政再建ばかりに力点を置きすぎることは、以前にもこのブログで指摘しました。

これに関して、高橋 洋一氏が現代ビジネスに『「消費税増税」賛成の裏側に大新聞の「非競争的体質」あり20年間成長なき日本の病巣』という内容で興味深い記事を書いていたことを掲載します。
2008年のセンター入試試験にもこんな問題が出ている。 
中央銀行が行うと考えられる政策として最も適当なものを以下から選べ 
1.デフレが進んでいる時に通貨供給量を減少させる
2.インフレが進んでいる時に預金準備率を引き下げる
3.不況期に市中銀行から国債を買い入れる
4.好況期に市中銀行に資金を貸す際の金利を引き下げる 
もちろん正解は3。ところが、2000年代の現実の日銀は1をやった。この問題は普通の高校生はできるが、日銀総裁や日銀の御用学者やマスコミには難しいらしい。実際に日銀のやったことは、センター試験も落第のデタラメだったので、日本のデータを一見しただけでは、ベースマネーと物価上昇率の関係がよく見えない。 
この話は、与謝野氏の「インフレは悪魔」という発言に関係する。 
2006年3月、日銀が量的緩和を解除したとき、与謝野氏は小泉政権で経済財政担当大臣だった。私は竹中総務大臣補佐官として総務省にいた。量的緩和の解除は消費者物価が安定的にゼロ以上になることだった。その当時、0.5%程度の統計数字がでていた。ところが、消費者統計には上方バイアスという高めに数字がでるクセがある。総務省は物価統計を所管しており、そのクセを知っていたので、竹中大臣は安定的にゼロ以上になっていないと主張し、量的緩和解除に反対だった。ところが、与謝野氏は、それを無視して、量的緩和解除に賛成した。 
要するに、デフレのままでいいと言ったわけだ。それは名目成長はいらないと同じで、与謝野氏の経済成長は失われた20年の継続である。 
与謝野氏も、この問題には正解を出せないのだと思います。ようするに、日本では、多くの関係者が、バブル崩壊によって、インフレの恐怖が心底刻みこまれ、「インフレは悪魔」という観念を持ってしまったのです。これに、関しては、あの経済学者のボール・クルーグマン氏が、このような観念を持つ人々を揶揄して、「日本の現状は、まるで、車で人を轢いてしまい、人を轢いたことをおそれるあまり、そのまま通りすぎれば良いものを、恐ろしさのあまり、車をバックさせ、人を二度轢いているのとおなじような状況だ」と酷評していました。与謝野氏はその急先鋒ということです。

実は、日本では、デフレが20年も続いており、その間、マクロ経済がデフレのときにこうしなさいと教えていることを、歴代のほとんどの政権が、やっていなかったのです。この間、何かをやったとすれば、小渕さんと、麻生さんが、大規模な財政出動を行ったのみです。

多くの人が、財政出動では日本の経済は浮揚しないとしていますが、この20年間で、わずかの期間で、しかも日本の経済の規模からみれば、わずかの出動では焼け石に水です。残念ながら、ご存じように、小渕さんは、政権担当中にお亡くなりなり、麻生政権も短命に終わってしまいました。他の政権はいろいろ理由を並べ立てたりしていますが、結局は緊縮財政ばかりやってきました。

だから、これをもって財政出動は効果がないなどとは言えないと思います。それは、過去にアメリカがやってきた財政出動の規模と比較すれば明らかだと思います。

無論、金融政策も重要ですが、金融政策だけでは、デフレは克服できません。大規模な財政出動と、金融緩和策の両方がうまくかみあって、デフレ克服は成就するとマクロ経済学でも教えています。

石原さんの動画を出したので、ここでついでに掲載しておきますが、東京都の新銀行東京の失敗は、「中小企業にお金を貸す銀行がないから、中小企業は苦境に陥っている、だから、中小企業にお金を貸す銀行があれば、中小企業は苦境に陥らずに済む」という基本的な理念に沿って設立されたものです。

しかし、私は、この仮定は、間違っていたと思います。「中小企業は銀行からお金を借りることができないから、苦境に陥っているのではなく、わかりやすくいえば、仕事がないから苦境に陥っているのです」だからこそ、新銀行東京は失敗したのです。

いくら金融的な支援があったとしても、仕事がなければ、中小企業は救われないのです。だからこそ、財政出動も必要なのです。財政出動するから、中小企業に仕事ができる、仕事があるなら、銀行からもお金を借りる。このあたり、うまく、まわせば、各方面で、仕事が増え、銀行からのお金も市中にまわり、デフレから克服できるのです。財政再建など後回しで良いのです。まして、増税などとんでもありません。やることが逆です。デフレの最中に実施すべきは、減税です。以上の話は、かなり、大雑把にまとめていますが、マクロ経済学的には正しいと思います。

冷静に考えれば、与謝野氏は、小心物なのです。与謝野さんにかぎらず、谷垣さんをはじめ、この日本のデフレの状況を見て、財政再建ばかり、叫ぶ連中は、まるで、おくびょうなサラリーマンが、癌を患っているのに、会社の仕事ばかり心配して、癌の手術が怖い、会社の仕事が心配で、癌の手術などしたくないといっていると何も変わりません。小心物がいくら頑張っても、日本の経済を復活させることはできません。今の日本には、もっと肝っ玉の座っていて、道理のわかる政治家が必須です。無論菅さんでは、無理ですね。


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