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2016年4月29日金曜日

野党共闘で無党派層が存在感 本格景気対策なければ与党は参院選苦戦免れず ―【私の論評】経済対策でサプライズを打ち出せば与党は選挙で快勝(゚д゚)!


衆院北海道5区補選で当選を決め、自民党の故町村信孝前衆院議長の
写真を手に笑顔を見せる和田義明氏。左は町村氏の娘で妻の直子さん
=24日夜、札幌市厚別区

衆院北海道5区の補欠選挙で勝利した自民党新人の和田義明氏=公明、日本のこころ推薦=は13万5842票、得票率52・38%、敗れた無所属新人の池田真紀氏=民進、共産、社民、生活推薦=は12万3517票、得票率47・62%だった。

北海道5区の補選は、町村信孝前衆院議長の死去に伴うもので、町村氏の娘婿の和田氏が優勢とみられていた。しかし、共産党が候補を取り下げて民進党と共闘したため、池田氏との間で、自民・公明党と民進・共産の対決となった。

同選挙区は、2009年を除いて町村氏が多選されてきたが、得票率は50%を少し上回る程度で、これまでも野党が統一候補にしていれば、常に接戦だったはずだ。例えば、14年12月の衆院選では、今回の補選とほぼ同じ投票率53・43%で、町村氏は13万1394票、得票率50・9%。民主と共産の票数を合わせて12万6198票、得票率49・1%と「僅差」だった。

今回のNHKによる出口調査が興味深い。政党支持率は、自民44%、民進20%、公明5%、共産5%などで、支持する政党のない、いわゆる無党派層は24%だった。

和田氏は、自民支持層の90%余り、公明支持層の90%台前半、無党派層の30%余りの支持ということで、今回の得票率をほぼ完璧に説明できる。

北海道5区の過去の選挙では、投票率が高くなると、町村氏の得票率が低下する傾向が弱いながらもあった。今回の選挙でも、もっと投票率が高ければ、無党派層の野党支持が増えて、結果はどうなっていたのかわからない。

自民・公明と民進・共産の対決の構図は結局、政権運営の評価になる。この意味で、今の政権運営がよければ与党有利、まずければ野党有利という当たり前の話になる。政権運営に敏感に反応する無党派層の動向が選挙結果を握るカギになることもしばしばだ。

与党が政権運営に失敗すると、それを批判する無党派層が投票に行き、与党候補が敗れるという構図が浮かび上がってくる。特に、野党が共闘した場合には、影響が大きく出ることになるだろう。

補選直前にあった熊本地震では、政府の対応も素早かったので、政権運営についてプラスの評価だったはずだ。それにもかかわらず、北海道5区の無党派層のうち3割しか、自民公認候補の和田氏に支持が集まらなかったことは、同党関係者から見ればショックであろう。

それでも、和田氏は前回の町村氏から4448票増やし、池田氏は前回の民主・共産の合計から2681票減らしており、町村氏の“弔い合戦”に臨んだ和田氏に票が流れた面もあるともいえるだろう。

出口調査によると、最重要視された政策課題は景気対策だった。熊本地震の補正予算のほかに、しっかりした景気対策を打たなければ、政権運営の評価は高まらないだろう。5月の伊勢志摩サミット後に本格的な景気対策が出てこない場合、7月の参院選で与党は苦しくなるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】経済対策でサプライズを打ち出せば与党は選挙で快勝(゚д゚)!

さて、この野党共闘ですが、その背後にはかつて、「選挙のプロ」とか「選挙の神様」と言われていた、小沢一郎氏の目論見があります。

国民連合政府構想を説明する党首会談に臨んだ共産党の志位和夫委員長(右)と
生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表=2015年9月28日午後、国会内
共産党の志位和夫委員長と生活の党の小沢一郎共同代表は先月下旬発売の月刊誌「世界」別冊(岩波書店)で対談し、夏の参院選や取り沙汰される「衆参同日選」に向け、野党共闘をさらに本格化させる必要性を確認しました。関係者が先月20日明らかにしました。

小沢氏は、参院選の改選1人区で独自候補を取り下げるなど、野党共闘を優先する共産党の判断が「日本の歴史を変えるきっかけになる」と称賛。同時に「共産党とは組めないとか、小沢は嫌いだと言っているようでは、安倍(晋三首相)さんになめられる。その他の野党の器量の問題だ」として、民進党などを念頭に、協力強化を促しました。

「野党がバラバラで選挙を戦っても自民党には勝てない」が持論の小沢氏は、衆参わずか5人のミニ政党(生活の党と山本太郎となかまたち)の共同代表で「もはや小沢の時代ではない」(自民党ベテラン)と見られながら、再び野党共闘のキーマンに浮上したといえます。

最近までの野党の動きを見ていると、失礼ながら本当に選挙で勝つつもりがあるのだろうかという体たらくでしたが、小沢氏の目論見によって、野党共闘が実現し、なにやら、それなりの動きになった観があります。

この野党共闘ですが、共闘するにおいて、各党で一致するのは、与党の安保法制に対する反対だけです。安保に関しても、民進党内では意見が別れるところもありますが、党としては、安保反対という姿勢で、共闘しています。結局のところ、安保以外では「反自民・反安倍」というだけで一致しているということです。

今年の2月民社党大会に異例の5党結集。5党幹部は壇上で手をつなぎ連携を訴えた。
このようなことから、野党共闘を野合と批判する人もいて私もそう思いますが、それでも北海道5区補選の結果からもわかるように、実際に無党派層の7割を惹きつけているわけですから、これは、侮るわけにはいきません。

次の参院選でも、無党派層の動きにかなり左右されることになります。そうして、その無党派層を与党が取り込むには、政府の景気対策ということになります。

では、景気対策として望ましいのはどのような政策かという話になりますが、それに関しては、以前のこのブログにも何度か掲載しています。それを掲載してある、記事のリンクを以下に掲載します。
中国ではリーマン級の危機 消費増税“強行”なら取り返しがつかない―【私の論評】10%増税で財務省は天国!国民は夢と希望を捨て、若者は、進学、就職、結婚を諦めよ(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では政府が行うべき経済対策として以下を掲載しました。
1.追加緩和
2%の物価目標も達成がなかなかできていないのですから、追加金融緩和を行い。これを達成する速度をはやめるべきです。イギリスの事例をみてもわかるように物価目標をいっとき4%程度にしても、ハイパーインフレになる可能性はありません。2%などと悠長なこと言っていないで、言っとき4%にするべきと思います。 
2.増税延期or凍結 
これは、上記で述べたように絶対に増税などすべきではありません。増税は、緊縮財政の手法であり、本来景気が加熱して、ハイパーインフレなどになりそうなときに行う手段であり、デフレから脱却するときに行う政策ではありません。デフレからの完全脱却を目指すなら、減税や給付金などの積極財政を行うべきです。 
3.20兆円ぐらいの大型補正予算 
日本には、未だ、10兆円のデフレギャプがあります。これを埋めるためには、補正予算3兆円など、焼け石に水です。最低でも10兆円、できれは20兆円の補正予算を組むべぎです。日本にはその能力があります。実際、特別会計には、為替特別会計など、円安の現状では、必要のないお金が天文学的に積み上げせられています。これで、20兆円など簡単に捻出できます。ただし、政治決断が必要。今回のリーマン・ショック級の危機はこれらを実行するために、良い口実になると思います。安倍総理は、これを口実に努力していただき、上記のような政策を実行していただきたいものです。
この記事は、今年の1月20日のものです。そのときは、熊本の地震が発生していませんでしたし、予想もつきませんでした。中国の景気がかなり停滞して、世界的に悪い影響を及ぼすことはもうはっきりしています。さらに、熊本の地震ですから、これは当然のことながら、何か政府としてサプライズがなければ、無党派層の有権者を惹きつけることはできません。

10%の消費増税を延期したり凍結するのは、もう当たり前です。諸費税の見送りは、2014年の衆院選でも実施した手であり、もはや目新しいものではなく、これではサプライズにはなりません。

サプライズを起こすとすれば、8%増税で失敗しているのですから、5%に減税するなどのことてもしなければ、決してサプライズにはなりません。

とにかく、上であげた3つの政策は当たり前に実施して、さらに消費税を5%に戻すくらいのことをしなければ、サプライズにはなりません。

考えてみると、安倍自民党政権が成立したときのことを考えると、やはり、金融緩和、積極財政、成長戦略を打ち出したことが大きなサプライズとなり、市場関係者もこれを好感して、安倍政権成立前から、株価が上昇しました。

夏の参院選、そうして同時選挙になるかどうかは、まだわかりませんが、次の衆院選でも、伊勢志摩サミット時か、その後に何かのサプライズを打ち出さなければ、与党は選挙で苦戦を強いられるのは確かなようです。

ただし、その逆も真ということです。2012年衆院選挙で、自民公明が大勝したときのように、経済対策でサプライズを打ち出せば、「反自民」だけで一致する野党共闘なども有名無実となり、大勝できます。

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