大阪府の橋下徹知事が全職員あてに、税金に対する意識の低さを嘆くメールを出したところ、ある職員が反論する返信を出した。知事は「物言いが非常識だ」と激怒。一連のやりとりを府幹部らに転送し、この職員の処分を検討するよう指示した。府庁内では知事の態度を「度量が狭い」と疑問視する声もある。
発端は、1日夜に知事が送信したメール。利水からの撤退によって府の損失が386億円に上った紀の川大堰(和歌山県)をめぐり、議会で原因を淡々と説明するだけだった府幹部について「何事もなかったかのよう。給料が保障される組織は恐ろしい」などと書き、全職員に送った。
2日昼、ある職員が「責任は(投資を)決断した人にある。こんな感覚の人が知事である方が恐ろしい」と職員を責める知事を批判する返信をした。「愚痴はご自身のブログ等で行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」ともたしなめた。
これに怒った知事は同夜、この職員に「上司に対する物言いを考えること。トップとして厳重に注意します。言い分があるなら知事室に来るように」と送信。職員も返信で「公務をどけてでもお邪魔します」と応酬した。
知事は7日、取材に「一般常識としてこの物言いはどうか。組織の体をなしてない」と述べ、上司も含めた処分の検討を人事担当者に指示したと明かした。職員の間からは「知事自身が『メールを送って』と言っていたのに、気に入らなければ処分なんて」とおびえる声も出ている。
また、知事はこれに先立つ先月24日、府内の市町村議会議員との懇談会に出席し、教師の服装や食育などについて意見交換した。市議からの「ジャージー、Tシャツ、 ジーンズの先生がいる。地域からも先生の服装がなっていないというクレームがある」との訴えに橋下知事は、「何とかならないのか。教育の自由をはき違えて いる」と批判し、「公務員である以上、服装まで教育の自由なんてあり得ない。(ジーンズやジャージーは)禁じないといけない」と話した。これについても、反論する職員も少なくない。
規範や序列のない組織は崩れる?
組織には恐ろしい側面もなければ崩壊する
今回の措置は厳しいと考える人もいるかもしれませんが、この件はそれなりの背景があったための措置です。橋下知事が、このようにメール配信をするのは結構前から実施しており、そのたびにこのような反論ともつかない返信が寄せられいたそうです。中には、「お前」呼ばわりするメールも多数あって、民間出身の副知事からは、「民間ならあり得ない」という指摘もあり、今回の措置に踏み切ったもののようです。
「度量が狭い」とか「おびえる」などの声もあるようですが、これは、ある程度の組織であれば仕方のないことだと思います。社会の公器といわれる組織の場合、どんな組織であれ、ある程度の「恐ろしさ」というものがなければ、組織は崩れてしまいます。
最近は、特に若者を中心にいわゆるヒエラルキー(序列)というものを極端に嫌う人が増えています。大企業でも、こうした若者が増えた場合どうしたらよいのか今から研究しているところもあるそうです。しかし、いわゆる組織呼べるものには、緩い、きついの差はあってもヒエラルキーはなくなりはしません。たとえば、危機に陥った場合、ヒエラルキーがなければ、混乱するのは必定です。完全にヒエラルキーをなくしてしまったら、おそらく、企業でも役所でも、いわゆる組織は成り立たないでしょう。
もう少しで、船が沈むというときに、船員や乗客と議論などしている暇はありません。やはり、船長が意思決定しなければ、混乱するだけです。航海法でも、沈没などの危機においては、船長が意思決定する旨を定めてあります。
やはり、組織にはヒエラルキーは厳然として存在しています。これを破れば、その程度に応じて必ず組織は報復してヒエラルキーを守ります。民間企業では、これがはっきりしています。役所などでは、これが曖昧になっているところも結構あるそうです。たとえば、函館市役所には、上司にも部下にも一切絶対に挨拶をしない人がいる(現在は定年したかも?)そうです。「お早うございます」と声をかけられても無言で、頭も下げないそうです。これは、函館市役所に勤務している人から直接聞いた話ですから間違いないことだと思います。
函館市役所では、こうしたことを許容したようですが、通常の民間企業だとどうなるでしょうか?おそらく、非常に問題になって、最初は口頭で直接の上司のからの注意ということになると思います。それでも、態度を改めなければ、もっと上の上司から注意とか、文書で注意とか、いろいろ段階を経て、直るまで何回でも繰り返されるでしょう。無論、降格や、降給なども実施されることでしょう。
それでも、直らなければ、配置転換なども行い、本人がやりたくないような業務でも、無理にでもやらせるでしょう。無論、その間に、どのようなやりとりがあったか、すべて記録に取るでしょう。さらに、本人にも毎回、就業規則や、法律にも違反していることが伝えられるでしょう。そうして、最終的に直らなければ、解雇ということになると思います。まともな組織であれば、あるほど、これは徹底して必ず最後まで実施すると思います。なぜなら、そういう人が組織内にいては、しめしがつかないからです。そういう人間を長年温存した函館市役所という組織は、完全に機能不全を起こしているに違いありません。大阪府と同じく、破綻候補自治体の一つでもあります。
真のコントロールとは
これは、組織としては当然のことだ思います。人間組織には二つの側面があります。一つは、組織図にも掲載されている公式の組織です。もう一つは、個々の欲望や、思惑、価値観などのある生身の人間で構成される組織です。
この生身の人間で構成されている組織を真にコントロールするためには、情報を伝達したり、話し合いをしたり、教育、訓練だけでは不可能です。真のコントロールをするためには、やはり、人事的な手続きが必要になります。そうです、賞罰です。生身の組織の構成員に、特定の組織の中ではどう行動したり、考えたりすれば、報われるのか、その逆に、どう行動したり、考えれば、罰せられるのかをはっきりさせる必要があります。これがなけれは、真のコントロールはできません。鳩山総理大臣が昔スタンフォードで学んだというオペレーションズ・リサーチによる情報を提供するだけではうまくいきません。
橋下知事も含めた、大阪府は、今まで大阪府でないがしろにされてきた真のコントロールも実施していこうということだと思います。
組織には規範も必要
ただし、真のコントロールだけでも、組織はうまくはいかないことも事実です。そこには、規範も必要になってくるでしょう。組織には、組織特有の価値観や、目的、目標があります。規範は、それを支える、従業員の行動や、態度のあるべき姿を示すものです。それを従業員に教える必要があります。そのために、文章化したり、教育・訓練の中に盛り込んだりして従業員に熟知させていくことが重要です。
ただし、規範には時代や、地域によっても随分異なることがあります。たとえば、服装一つとっても、たとえば、アメリカ国内であっても、東海岸は黒や灰色の大人しい色合いが多く、フォーマルな着こなしが見受けられます。逆に西海岸、特にカリフォルニア州は気候の影響もあり、ラフな服装の人が多いです。業種では金融、職種では営業関係の人はスーツ姿が多く、その反対にサンホセ、シリコンバレーなどでのIT関連業界では、常にジーンズとTシャツの人が圧倒的に多いです。こういう人たちの中には、お客さんと商談するときも、Tシャツにジーンズ、靴はスニーカー、鞄はデイパックなどという人もいて、事情を知らない日本人が驚かされることもしばしばあります。
だから、規範については、ある程度細かく定めて誤解や誤認など生じないようにし、さらには、時代によっても変化するものであるため、定期的に見直しをする必要があります。見直しする場合には、広く従業員や一般の意見を聴くことも必要になると思います。
ただし、いくら服装もラフな場合もあるとはいっても、知事に対し「お前」はいつの時代にも許されないでしょう。序列もいやだ、はっきりし示された規範もいやだというのであれば、組織からはみ出すしか仕方がありません。大阪府でも、現在あいまいな規範をはっきりさせて、職員に提示し、場合によっては教育・訓練もすべきだと思います。
それをした後で、民間と同程度に厳しくしていくべきでしょう。公務員だからといって、上司を「お前」呼ばわりしたり、知事の投げかけに対して、反論というよりは、単なる「屁理屈」を言うようなことは許されません。公務員は特権階級ではないのですし、あくまで公僕であるべきです。公僕が世間の常識すら知らないようでは、勤まるはずがありません。これは、公立学校の教師など他のすべての公務員にも当てはまるものだと思います。ゆくゆくは、給料も、規範も、就業条件なども、民間と同等にしていくべきでしょう。私たちには、公僕たる公務員が必要なのであって、規律も、序列もお構いなしの、公務チンピラは必要ありません。
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