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2018年7月25日水曜日

米ロ会談が酷評でも支持率上昇のトランプ―【私の論評】日米マスコミの報道は鵜呑みにできない、特に総理と大統領関連の報道はそうだ(゚д゚)!

米ロ会談が酷評でも支持率上昇のトランプ

「命運が尽きた」と言われながらも支持層は盤石

ベルギーの首都ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、
北大西洋理事会の会合の会場に到着したドナルド・トランプ米大統領(2018年7月11日)

 西欧訪問やロシアのプーチン大統領との会談を終えた米国のドナルド・トランプ大統領が米国主要メディアから酷評を浴びている。政界でも民主党側はもちろん共和党の一部からも批判が起きた。

 だが、その一方で米国民一般のトランプ大統領支持は5割に近い水準を保ち、共和党支持者の間では一段と高くなっている。激しく糾弾されるトランプ大統領と、支持層を堅く保つトランプ大統領と、まるで2人の人物が存在するかのようだ。

根拠が薄弱な米国メディアのトランプ評

 欧州を訪問し、ロシアのプーチン大統領と会談したトランプ大統領の言動に対して、米国のメディアや民主党系識者たちからは以下のような非難がぶつけられた。

「トランプ大統領は西欧との同盟を破壊する」

「敵であるはずのロシアと手を結ぼうとする」

「トランプ氏は無知で衝動的であり、政策がない」

 トランプ批判の先頭に立つニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの記事は、このような非難に満ちていた。その筆致はまるでトランプ大統領の命運が尽きたと断じているようでもあった。

 このようにトランプ大統領を切り捨てる論評は、そのほとんどがトランプ大統領のメディアとのやりとりや、トランプ氏自身のツイッターでの発信が根拠となっている。トランプ大統領が正式に発表した政策や決定を基にしているのではなく、記者が個人的な感想を述べるという次元の記事が多いのが実状だ。

 確かにトランプ氏の言動は既成の政治リーダーとは、まったく異なる。単純明快だが、粗雑である。ごく平均的な米国人たちが日ごろ口にするような言葉で、難しい国際問題や国内問題を平易に説明しようとする。そうした言葉遣いは、政治やメディアの世界のエリートとされる層をいらだたせ、怒らせ、反発させる。

 日本でのトランプ評も、米側のそんな傾向に依拠するところが多い。実際に、いまだに以下のようなトランプ評が見受けられる。

「トランプ氏は不動産業出身だから大統領職はまともには務まらない」

「大統領としての行政や統治も、みな損得のディールなのだ」

「トランプ氏の最近の言動はみな中間選挙目当てである」

 だが、こうしたトランプ評は根拠が薄弱であり、明らかに事実と異なる部分もある。まず「不動産業だから」という批判は、不動産業への差別意識だともいえる。かつて1981年に共和党のロナルド・レーガン大統領が登場したとき、民主党側の政治家やメディアは「しょせん彼は映画俳優だったから」と見下す言葉を浴びせた。映画俳優という職業への偏見だった。しかし、現実にはレーガン大統領は米国の政治史でも最高レベルの国民の人気を得る国家指導者として名を残した。

 トランプ大統領は政策や理念ではなく金銭上の損得だけを考えて「ディール」している、中間選挙で共和党の勝利を得るために目先の人気取りだけで動いている──といった批判も、裏付けとなる事実があるわけではない。

国民の支持を得ているトランプ大統領の政策

 米国メディアは、以上のようにトランプ大統領を徹底的に「浅薄、無知、無思慮、無政策、無思想な人物」として描き、「ドン・キホーテのように孤立して奇矯な人物」というレッテルを貼ろうとしている。

 だが現実のトランプ大統領は、決してそうではない。

 私は、2015年6月にトランプ氏が大統領選への立候補を宣言したときから大統領選キャンペーン中の彼の言動を追い、トランプ氏が大統領に就任してからも、その政策や演説を取材してきた。また、トランプ大統領の支持層にも接してきた。その体験を踏まえて彼を眺めると、どうしても異なるトランプ像がみえてくる。

 今、話題になっているトランプ大統領の欧州への防衛政策やロシアへの態度に焦点を当てて説明しよう。

 今回の欧州訪問で北大西洋条約機構(NATO)の首脳会談に出席したトランプ大統領は、NATOの欧州側加盟国に防衛費の増額を強く要求した。加盟各国は最低限、GDP(国内総生産)2%の防衛費支出をするという約束を守れ、という要求だった。

 トランプ氏のこの要求は、NATOを壊す動きだとして広く報道された。トランプ氏はきわめて衝動的であり、米欧同盟の破壊につながるという批判も多かった。

 しかし実際には、トランプ氏は「NATO諸国の防衛費負担の増大」を2016年4月の大統領候補として初の外交演説で第1の公約として挙げていた。当時から一貫して変わらない「公正な負担を」という政策なのだ。国民から広く支持を得ている政策であり、オバマ前政権もこの政策を推していた。

 また、トランプ大統領は「NATO体制の維持と強化」も政策として掲げてきた。昨年(2017年)末から今年初頭にかけてトランプ政権が発表した「国家安全保障戦略」や「国家防衛戦略」でも、大統領として明言している。米国が主体となって進めるNATOの維持や強化は、今回のNATO首脳会議での共同声明でも確認された。トランプ大統領はNATO堅持を主張した上で公正な負担を求めているのだ。

 ロシア政策にしても、トランプ大統領は前記の「国家安全保障戦略」や「国家防衛戦略」の中で、ロシアをはっきりと米国主導の国際秩序を侵食し、破壊することを企図する危険国家として位置づけてきた。トランプ大統領はプーチン大統領と握手はしても、ロシアのクリミア奪取を許してはいない。ロシアへの経済制裁もまったく緩めていないのだ。

 トランプ政権のロシアへの基本姿勢は、軍事力の強化によっても明らかだといえる。トランプ大統領は2017年9月の国連演説で「原則に基づく現実主義」という理念を掲げ、国家主権に基づく「力による平和」という政策を語った。それとともに、潜在敵であるロシアや中国の膨張を抑えるために、軍事力を大幅に強化し始めた。トランプ政権の2018年度の国防予算は、前年度から13%増加し、GDPの4%ほどに達している。

トランプ大統領はもう1人いる?

 だが、反トランプのメディアはそうした政策をほとんど取り上げない。その代わりにトランプ大統領の自由奔放な発言、放言、失言を引き出して、集中砲火を浴びせる。 

 それでも、米国一般のトランプ支持は揺らがない。大手世論調査機関で唯一、毎日、大統領支持率の調査を実施するラスムセン社の発表では、トランプ大統領への一般米国民の支持率は45%以上であり、ときには50%近くにもなる。この支持率はこの数カ月間、上昇傾向にある。

 さらにトランプ大統領への支持の特色は、本来の支持層の支持がきわめて堅固であり、しかも増加の動きをみせている点である。ごく最近でもその支持率は85%以上の高い水準にある。「命運が尽きた大統領」というイメージとはほど遠いといってよい。

 7月24日の報道でも、トランプ・プーチン会談の最中と直後の7月中旬に、ウォール・ストリート・ジャーナル紙とNBCテレビが共同で実施した全米世論調査では、トランプ大統領への支持率が前回の44%から45%に上昇したという。ネット・メディアの「ザ・ヒル」の同時期の世論調査では共和党支持層のトランプ大統領への支持率は88%という記録破りの数字を出したという。

 こうした諸点をみてくると、米側の反トランプメディアや日本側のいわゆる識者の多くが描くのとは異なる「もう1人のトランプ大統領」を、私はどうしても実感させられるのである。

【私の論評】日米マスコミの報道は鵜呑みにできない、特に総理と大統領関連の報道はそうだ(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事にもでている、米国の調査会社ラスムッセン社が毎日行っている世論調査で、今年2月27日にはトランプ大統領の業績を支持する者が50%となりこの内35%が「強く支持」していました。一方不支持率は48%で「強く不満を持つ」は39%でした。

トランプ大統領の支持率が50%になるのは昨年6月中旬以来のことです。その後30%台にまで転落していたのですが昨年暮れ以降上昇機運にありました。

この50%という支持率が高いのかどうかですが、オバマ前大統領の第一期目の同時期の支持率が43%であったのと比較すると、かなり良い数字だと考えざるを得ません。

その原因ですが、時期的に見るとトランプ大統領に大きな影響力を持っていた超保守派のスティーブ・バノン前主席戦略官が暴露本「炎と怒り」に、大統領の娘イバンカさんや娘婿クシュナー氏を批判する発言を引用されて、ホワイトハウスから完全に放逐されたことと重なります。

暴露本「炎と怒り」

その後トランプ大統領の口から「アメリカ・ファースト」という言葉も出なくなり、政策的にも移民に同情的だったり、今年3 月のフロリダの高校での銃乱射事件でも銃規制強化を提案したり柔軟な姿勢が見えるようになったことが支持を拡大した可能性が大きいです。

ただ、同時期に発表されたCNNの世論調査ではトランプ大統領への支持は35%で過去最低と並んだとされました。片やラスムッセン社がトランプ大統領は「評価されている」としたのに対して「最低水準」という結果はどうして生まれたのでしょうか。

トランプ大統領の支持率を伝えるCNNの画面

同じ疑問を米国でも持ったようで、ワシントンの保守系のニュースサイト「デイリー・コーラー」が分析を試みていました。

同サイトはまず回答者について調べた結果、CNNの場合「民主党支持者」33%「共和党支持者」23%「その他」44%となっていることに着目した。通常米国国民の内共和党を支持する者は37%とされているので、14%ほど民主党寄りの回答者が多かったのではないかと指摘しました。

次に、回答者の選び方もCNNが「18歳以上の成年男女」としたのに対してラスムッセンは「投票すると回答した有権者」だった。大統領選挙の投票率は通常50%前後なので、世論調査の対象としては「投票する」とした有権者の方が正確を期せるといいます。

さらに、CNNの調査は調査員が電話で尋ねる方法をとりますが、この場合回答者が調査員の意向をしんしゃくする場合があるのでラスムッセンのように録音メッセージで機械的に行う方が好ましく「CNNは調査のデータをねじ曲げ(skewing)た」と「デイリー・コーラー」は断じています。

CNNが「ねじ曲げた」かどうかはともかく、ラスムッセン社の世論調査は一昨年の大統領選の際にトランプ候補とクリントン候補の得票差をほぼ正確にとらえていたことで評価されており、いまトランプ大統領が上り調子であるという調査結果は素直に受け入れても良いと認識すべきと思います。

実際、ブログ冒頭の記事にも「大手世論調査機関で唯一、毎日、大統領支持率の調査を実施するラスムセン社の発表では、トランプ大統領への一般米国民の支持率は45%以上であり、ときには50%近くにもなっている」とあります。そうして、この支持率はこの数カ月間、上昇傾向にあります。

CNNといえば、昨年ドナルド・トランプ米大統領の上級顧問がロシア疑惑で連邦議会の調査を受けているという記事を米CNNが撤回し、CNNは26日、関わった記者3人の辞職を発表していました。

CNNを辞職したのは、記事を担当したトマス・フランク記者、調査報道部門編集者でピュリツァー賞受賞経験もあるエリック・リクトブラウ氏、調査報道部門の責任者のレックス・ハリス氏。

米国のCNNや他の報道機関の報道でも、トランプ大統領に関する報道は偏向しているとみるべきでしょう。やはり、ラスムッセン社の世論調査などを参照すべきです。

日米マスコミのトランプ報道は鵜呑みにできない

そもそも、このブログでも過去に何度か述べているように、米国のマスコミはリベラル派が牛耳っています。新聞はすべてが、リベラル派です。テレビ局では唯一フォックスTVだけが、保守派で他はリベラルです。

報道する時の視点はすべてリベラル派の視点からによるものです。米国のマスコミの報道だけを見ていると、それは米国の半分だけみていることになり、もう半分の保守派についてはスルーすることになります。

日本のメディアの安倍総理報道も鵜呑みにできない

それは、日本の安倍総理の報道も、産経新聞などを見ることなく、朝日新聞やテレビ報道を真に受けていれば、とんでもないことになると同じことです。

日米双方とも、マスコミの大部分は偏向しているとみなすべきです。そもそも、両方ともトランプ大統領の登場を予測できませんでした。そんなマスコミを単純に信じ込むことはできません。

【関連記事】

米ロ首脳会談 − 「ロシアからヒラリーに4億ドル寄付」プーチン大統領が発言―【私の論評】トランプ氏を馬鹿であると報道し続ける日米のマスコミは、自身が馬鹿であると気づいていない?

2017年2月23日木曜日

F/A-18に関し誤解を招く恐れのある東京新聞掲載記事に対する在日米海軍司令部の見解―【私の論評】またCNN報道を鵜呑みし垂れ流した東京新聞(゚д゚)!


在日海軍のエンブレム 写真はブログ管理人挿入

2017年2月17日、東京新聞は「厚木の米機FA18 6割飛べず? 部品なし修理不能 米専門誌惨状掲載」と題するF/A-18の運用状況に関する記事を掲載しました。記事には多くの憶測が含まれており、東京新聞の読者の皆様、ひいては日本国民の皆様の誤解を招き、誤った情報を与える恐れがあります。

ディフェンス・ニュースの記事で報道された任務遂行条件を満たせない航空機の割合は、前方展開海軍戦力の一員である飛行隊の即応性、とりわけアメリカの唯一の前方展開航空団である第5空母航空団に所属する、4つのスーパーホーネット飛行隊の即応性を示すものではありません。

米海軍は前方展開海軍戦力に多額の予算を投じており、最新鋭の航空機を日本に配備しています。日本に配備されている飛行隊には必要とされるリソースはすべて提供され、米海軍厚木航空施設を拠点とするスーパーホーネットは万全に整備されています。またこれらのスーパーホーネットは、米海軍の前方展開戦闘飛行隊を最大限の即応性で維持する為に必要となる、すべての部品と飛行時間を有しています。

定期的な整備や飛行時間管理など様々な要因により、個々の航空機および飛行隊の飛行スケジュールは多岐に亘っています。しかしながら、東京新聞の記事で引用されていた数字は、即応性や安全性のいずれの傾向をも反映しておりません。

東京新聞はなぜ厚木航空施設におけるスーパーホーネットの即応性に関し、米海軍に問い合わせることすらせず、米海軍航空機の即応性や日本防衛に対する米海軍の能力について憶測の記事を掲載されたのでしょうか。米海軍に事実やコメントを求めることなく東京新聞がこのような憶測を掲載されたことは残念です。東京新聞の読者の皆様、ひいては日本の国民の皆様は真実を知る権利があるのです。それはすなわち、第5空母航空団が完全に任務遂行可能であり続け、空母ロナルド・レーガンの艦上から展開し、地域に安全と安定を提供し、常に日本を防衛する即応態勢にあるという事実です。

米海軍が日米同盟について真摯に受け止めている中で、日本を拠点とする米海軍戦力の即応体制を提示する機会を頂けたことに感謝致します。新聞読者は重要であり、読者は正確な情報を知る権利があると理解しております。

第5空母航空団は引き続き空母ロナルド・レーガンの艦載機部隊として展開し、地域に安全と安定を提供するために課されたあらゆるすべての任務を遂行します。

(*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英語です。)

【私の論評】またCNN報道を鵜呑みし垂れ流した東京新聞(゚д゚)!

空母から発艦したF18
東京新聞のWeb版には、この記事が掲載されてはいませんでした。しかし、上の記事に掲載されているように、「厚木の米機FA-18 6割飛べず? 部品なし修理不能 米専門誌惨状掲載」というように東京新聞は報道したのでしょう。

だとすれば、本当に酷い報道だと思います。まずは、FA-18 がどのような戦闘機であるか、以下に基本的な情報を掲載しておきます。

すでに、運用開始から今年で34年目に入り、1,480機も製造され、米国以外でも、六カ国で運用されている戦闘機です。

このような戦闘機、しかもそれもエリート中のエリートともいわれる、空母ロナルド・レーガンの艦載機部隊のFA-18の6割が飛べないなどということはあり得ないです。これは、常識で考えても理解できます。

6割が飛べないということは、具体的には稼働率が4割ということを言っているのだと思います。しかし、この報道はにわかには信じがたいです。

おそらく、東京新聞はCNNの受け売りをしたのだと思います。実際、CNNは以下のような報道をしています。
米海軍のFA18型機、3分の2飛行出来ず 修理遅れなど

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
(CNN) 米海軍幹部は11日までに、海軍の主力戦闘機となっているF/A18型機の約3分の2が修理の遅れや部品の調達待ちで飛行が出来ない状況に陥っている実情を明らかにした。 
ウィリアム・モーラン副作戦部長(海軍大将)が米下院軍事委員会で証言した。海軍保有の航空機の半分以上を飛ばすことが出来ず、国防費増額の見通しも立たない中で、投入出来る航空機の使用回数は限度まで来ていると指摘した。 
「様々な理由に襲われ、海軍の造船所や航空機の格納施設では修理や維持管理作業を規定通りの時間内に終わらせることに苦労している」と表明。F18に限れば任務に使えない機材の数は本来あるべき水準の倍になっているとも述べた。同型機の62%が駐機を強いられているとの一部情報を確認する形ともなった。 
同機の機体寿命は約6000飛行時間を想定している。しかし、稼働させる機材が少なくなっている現状を受け、現在は8000~9000時間まで伸びているという。財源の制約やF18の後継機と位置付けられている最新型戦闘機F35の配備の遅れも作用している。
確かに、このようなことはあるのかもしれません。しかし、この記事から読み取れることは、アメリカ海軍のFA-18全体の稼働率が低いことを言っているのであって、厚木の米機FA18のこともそうであると言っているわけではありません。

実際、ブログ冒頭の在日米海軍司令部の見解では、「米海軍は前方展開海軍戦力に多額の予算を投じており、最新鋭の航空機を日本に配備しています。日本に配備されている飛行隊には必要とされるリソースはすべて提供され、米海軍厚木航空施設を拠点とするスーパーホーネットは万全に整備されています」とはっきり述べています。

これは、明らかに東京新聞の凡ミスです。やはり、在日米軍司令部に質問してから、記事を掲載すべきだったでしょう。少なくとも、空母ロナルド・レーガンの艦載機部隊のFA-18が6割も飛べない、稼働率が40%ということはないでしょう。

米軍の航空機の稼働率についてサイトでしらべてみたところ、以下のような資料がありました。


これは、残念ながら空軍の資料なので、F18-Aは掲載されていませんが、ほぼ同時期に開発され運用開始したF15、F14などは掲載されていて、その稼働率は70%台です。FA-18だけが、極端に低いということはなかなか考えにくいです。

それに、稼働率に関しては、海軍の幹部がCNNの記事のように低めにいうのにはそれなりに理由があると思います。

それは、トランプ大統領の発言に影響されたものかもしれません。実際、トランプ大統領は以下のような発言をしています。
トランプ氏、ボーイングにF18戦闘機のコスト算定要請 F35対抗機
英南部で開かれた「ファンボロー国際航空ショー」
に登場したロッキード・マーチンのF35戦闘機
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部だけ引用します。
米航空防衛大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)の最新鋭ステルス戦闘機F35にかかる費用が巨額すぎると不満を表明しているドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は22日、競合する米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)に対し、F18戦闘機を新たに導入した場合のコストを見積もるよう求めたことを明らかにした。
海軍の幹部としては、トランプ氏の発言のように、F18の改良型程度のものを導入されるようなことは、なるべく回避したいと考えるに違いありません。だからこそ、CNNの記事のように、FA-18の稼働率を低めに語ったのかもしれません。

私の考えでは、F35に切り替わることを想定して、近いうちに破棄する予定のもので、飛行させるつもりもないものも、稼働率に含めている可能性もあると思います。

しかし、これは、憶測に過ぎないのですが、かといってCNNのニュースをそのまま鵜呑みというわけにはいかないです。なぜなら、CNNは大統領選でとんでもない報道を続けて、最後の最後までヒラリー・クリントンが有利で、トランプ氏は圏外のような扱いをしたメディアです。

しかし、これが支那の空母の艦載機の稼働率が40%などといわれれば、私も鵜呑みにしたかもしれません。なぜなら、このブログには以前は以下のような記事も掲載したことがあるからです。
【緊迫・南シナ海】ベトナムが中国・人工島射程にスプラトリー諸島でロケット弾を配備 インドからミサイル購入も―【私の論評】日本の備えはベトナムよりはるかに強固、戦えば中国海軍は崩壊(゚д゚)!
中国空軍の大部分を占める時代遅れのJ-7戦闘機
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、結論部分だけ以下に掲載しておきます。
(戦力外の戦闘機は外してさらに)保有していても稼動しないのは飛べないので、存在しないのと同じなので除外します。そうすると、航空自衛隊の稼働率90%、従って実数は315機です。中国空軍の稼働率推定20%、従って実数は50機です。
この記事のように、支那の戦闘機は、あまりにも旧式で戦力にならないものを除外して、低い稼働率のため実際に日々運用できる稼働機は50機にすぎないという試算もあるのです。

このように稼働率がもともと低ければ、空母艦載機なども稼働率が40%などということもあり得るわけで、最初は、東京新聞は支那の航空機の稼働率の低さと取り違えたのかとも思いましたが、どうもそうでもないようです。

それにしても、支那の航空機の稼働率は一般にかなり低いようです。20%はともかくしても、かなり低く見積もる軍事評論家が多いです。

軍事漫談家を自称しておられる、井上和彦氏もその一人です。井上氏は以下の様な試算も示していました。

---------------------------------------
        ≪飛行時間≫
         航空自衛隊 ・・・・・ 年間最低150時間
         中国空軍  ・・・・・ 年間平均 25時間

ただし、最新鋭スホーイ27の部隊でもやっと年間100間程度と推測

出展 こんなに強い自衛隊 著者: 井上和彦
---------------------------------------

年間平均飛行時間が、25時間と、航空自衛隊の1/6程度ということは、やはり航空機の稼働率があまりにも低いのでこのようなことになるということです。

それにしても、軍事評論家などが、支那の航空機の稼働率の低さや、飛行時間の低さなどを指摘しても、支那政府はそれに対する反論は全くしません。にもかかわらず、最近では外国の一民間企業であるアパホテル批判などはしています。これは本当に矛盾しています。

やはり、支那の戦闘機の稼働率は異常に低いのだと思います。だからこそ、それに対して反論すれば、様々な軍事評論家などから反論され、かえつて支那の空軍力の弱さを露呈することになるので何も言わないのだと思います。

しかし、米海軍は、東京新聞の報道に関してはすぐに反論をしました。やはり、それなりの自信があるのでしょう。

少し脱線してしまいましたが、東京新聞の報道は酷すぎです。少し調べれば分かりそうなものですが、やはり、CNNの尻馬にのって、トランプ氏を色眼鏡で報道したその姿勢は今も変わりないようです。

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2015年2月23日月曜日

高橋洋一「ニュースの深層」「ピケティ格差解説」TV番組に出たら、出演者がみんな「所得トップ1%に入る年収」だった―【私の論評】ピケティ氏の理論を精査せず鵜呑みにすれば、ただブームにのる脳味噌のうっすいバカの展覧会の展示物になるだけと心得よ(゚д゚)!

高橋洋一「ニュースの深層」「ピケティ格差解説」TV番組に出たら、出演者がみんな「所得トップ1%に入る年収」だった


先週土曜日(21日)、面白い体験をした。その日は、たまたま2件、テレビとラジオの出演があった。ともに、格差問題で、ピケティ本に関する話だった。筆者が、ピケティ本の解説本(『【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める! 』http://www.amazon.co.jp/dp/4860637402/)を書いているから、お呼びがあったのだろう。

テレビはBS朝日『Live Nippon』(18:54~20:52)でテーマは「景気回復は本当か?格差問題は?」、ラジオはJ-WAVE『Prime Facto』(21:00-24:00)でテーマは「もしアイドルがピケティを読んだら?」だった。

BS朝日では、最近の格差拡大を意味する以下の図がでてきた。



これをベースにして、トップ1%の人のシェアが最近拡大しているという話だ。実は、ピケティ本の各国の格差のデータは、上の図の引用元のWorld Top Incomes Database(http://topincomes.parisschoolofeconomics.eu/#Database:)からのモノが多い。

土曜日のBS朝日では、おそらく出演者どころか、番組関係者の誰もピケティ本をきちんと読んでいなかったようだ。

それにもかかわらず、上の図で、まあいいたいことをみんな言っていた。

時間が許せば、ピケティ本でのトップ所得のシェアというのは、トップ所得者の所得が国民所得に占める比率であること、例えば、トップ1%は20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人だ、といいたかった。しかし、そうした時間はテレビでないので、日本でトップ1%とは年収いくらなのかについて、年収1300万円とだけ言った。

そうしたら、出演者すべて、さらにはスタジオの多くの人が自分はトップ1%だと認識したようだ。

トップ10%に入る年収は576万円

男性の解説者が何か関係のない話にふったので、そのままスルーした。ただし、事前の進行では、富裕税の話が強調される感じだが、その勢いがそがれたみたいだった。

ラジオでも同じ話をした。ところが、ラジオでは担当者もトップ1%に入っていないといい、スタジオでは「へー、そーなんだ」という驚きはあったが、テレビとは違う反応だった。

トップ1%が年収1300万円というのを、正確に言おう。先のWorld Top Incomes DatabaseのJapanのところをみれば簡単に数字は出てくる。トップ1%の年収は1280万円。ついでに、トップ10%、トップ0.1%、トップ0.01%の年収はそれぞれ576万円、3261万円、8057万円だ(いずれも2010年)。

BS朝日の出演者は、トップ1%を3000万円くらいと思っていたのかもしれない。マスコミが高給取りというだけではなく、ピケティ本という学術書の性格を知らないことも理由かもしれない。というのは、トップ1%は20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人だ、とテレビではいえなかったことを書いたが、働かないで所得のない人も含めた上で、その1%なのだ。給料をもらっている人の中での1%ではないのだ。

ピケティ本のように、すべての人の所得分布を表す日本の統計もある。厚労省による所得再配分調査は、世帯の所得分布と等価所得という個人ベースの所得分布について所得再分配前後のデータがある。以下の図は、等価所得の所得再配分前の所得分布だ。



最高税率は先進国で最高水準

他の統計では、給与をもらっている人の中でトップ何%なのかというデータが多い。例えば、国税庁の民間給与実態統計調査は、毎年出されている統計でしばしば利用されるが、これは給与をもらっている人しか調べていない(下図)



これによれば、トップ1%は年収1500万円、トップ4%で年収1000万円である。ただし、いずれの統計でも、マスコミやそこに出演する多くの人はトップ1%に入っているだろう。

格差問題について、マスコミで議論すると、ほぼ格差を是正すべきという論調になる。もちろん、筆者も所得再分配をある程度は行うべきと考えている。ただし、それはあくまで海外と比較しながらである。日本の格差は、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度だ。

ピケティ本を見ると、格差是正のための所得税や相続税について、それぞれ最高税率の推移について各国のものが出ているが、日本は図に書かれていない。そこで、筆者の解説本では、日本の最高税率推移を書いておいた。特に、2015年から所得税と相続税の最高税率は先進国の中では最高水準である。

こうした海外事情にもかかわらず、所得税や相続税の最高税率をさらに引き上げるのは、あまり賢い選択ではない。

テレビでは格差問題の議論は綺麗事すぎてつまらない。何しろ議論している人のすべてがトップ1%なのに、そろいもそろって金持ちから増税、格差是正といったら、テレビ視聴者から見れば片腹痛しだ。しかも、自分が増税対象だとわかると、ひるむようでは視聴者に見透かされるだろう。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】ピケティ氏の理論を精査せず鵜呑みにすれば、ただブームにのる脳味噌のうっすいバカの展覧会の展示物になるだけと心得よ(゚д゚)!

この番組私もたまたま視聴しました。この番組を視聴した私にとっては、上の内容はかなり理解しやすいのですが、視聴しなかった人にとっては、理解しにくい面もあるかと思いますので、以下に若干説明したいと思います。

要するに、ピケティのいう年収トップ1%とは、20歳以上の人で、働いていなくて所得がない人、たとえば大学生や、定年退職した人も含めての20歳以上の人口の中で所得が上位1%に相当する個人ということです。さらに、それを職業としている人は別にして、株式投資とか、他の間接投資などで儲けたお金は所得とはいいません。

ということは、年収一千万を超えれば、上位1%に入る可能性が非常に高いわけです。

しかし、一般の人そうして、この番組に出演していた人たちも、そのことを理解せず、自分たちはピケティのいう所得上位1%にはあてはまっていないと誤って認識して、当然のこととして格差是正のため富裕税などをもうけるべきと主張しがちであることを諌めているわけです。

そもそも、欧米ではこのことは十分理解されていて、それでかなりの物議をかもしたわけです。そうして、反対する人もかなり多かったのです。

しかし、日本ではなぜかあまり物議が醸されることもなく、何やらピケティの理論がすんなりというか、当たり前であり、あっさり何の吟味もされず受けいられられ、それをもとにして格差問題が議論されていることに警鐘を鳴らしているのです。

私も、これに関してはこのブログで、結構はやい時期に警鐘を鳴らしました。その記事のURLを以下に掲載します。
ピケティ氏の陰鬱な「資本論」 ウォール街に警戒―【私の論評】日本はピケティ氏からみれば、理想の国! 余計なことをせず、デフレから脱却しさえすれば日本が世界で一番繁栄する国となるだろう(゚д゚)!
トマス・ピケティ氏

高橋洋一氏も述べているように、日本の格差は、一般にマスコミや左派勢力が喧伝しているように、とんでもない酷い格差というほどではく、米英のアングロサクソン国に比べれば、たいしたことなく、高齢化でも説明出来る程度のものです。要するに、高齢化すれば、資産は増えるのが当たり前で、資産を持たない若者と高齢者の間で格差を生じるのはある程度は、当然といえば当然です。

また、左派系などの語る格差問題で大きく見逃されているのは、デフレです。デフレを放置しておけば、そもそも雇用が悪化して格差が大きくなるのは当たり前であり、まずはデフレを解消しないことには、格差がどうのこうの語ってもはじまらないわけです。

そうして、高橋洋一氏も所得再分配をある程度は行うべきとしています。私もそう思います。

特に、デフレの真っ最中や、現状のように昨年4月の8%増税の悪影響があり、追加金融緩和の時期があまに遅すぎて本格的に効果があらわれるにはもうすこしたってからという状況で、しかも公共工事の供給制約がある現状においては、減税や、給付金政策、それも再配分的な政策が必要不可欠であることをこのブログにおいてもかねて主張してきました。

しかし、このような問題と、ピケティ本に影響されて、日本の状況を良く考えもしないで、富裕税をすぐに導入すべきなどいう主張は間違いです。特に、2015年からは、所得税と相続税の最高税率は先進国の中では最高水準にあります。にもかかわらず、格差是正のために所得税や相続税の最高税率をさらに引き上げよと単純に主張するのは間違いです。

そんなことをすれば、年収1千万を少し超えた程度の人にも、税金がさらに賦課され、富裕層は海外に国籍を移し、相続税の減税をしようとし、お金が海外に逃げるだけです。

それにしても、マスコミや評論家など、このあたりをほとんど理解しないで経済を語っています。それに左派など、ピケティ氏の理論を変な方向にもっていき、それで安倍総理を非難しようした動きもありました。

さらに、反リフレ派など、ピケティ氏の理論を変な方向に展開させ、アベノミクスが無効であるとの主張の根拠にしようとした動きさえあります。

増税派も、何とかこのピケティ氏の理論をあらぬ方向に展開させ、増税の正当化を図ろうとしました。

それに関しは、以前のこのブログにも掲載したことがあります。
ピケティ氏、消費増税に「ノー」 都内の討論会で発言―【私の論評】ピケティ氏の理論を利用して増税推進を正当化してみたり、イスラーム国人質事件で政府批判をする輩は、私達の生活を実質的に脅かす者共であると自覚せよ(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとしして。このような危惧は、経済学者の田中秀臣氏も、ピケティ氏の理論のおかしげな展開に関する危惧を先月ツイートしていて、この記事にも掲載したのですが、以下に再掲させていただきます。


まったく田中秀臣氏の言うとおりです。

テレビなどても、高橋氏や田中氏が指摘するように、浅薄な論議がなされています。この浅薄さが、マスコミを増税キャンペーンなどに駆り立てさせたのかもしれません。

そもそも、給料が高ければ、多少税金があがったとしても、痛くも痒くもありません。マスコミは、自分たちが富裕層であると認識しなければ、これからどんどん衰退し敗退し、いずれ、テレビも新聞もラジオ程度のメディアになると思います。その危機は、もう迫っています。気づかないのは当のマスコミの人間だけかもしれません。これについては、以前このブログにも掲載した事があるので、以下にその記事のURLを掲載します。
“テレビ画面“を奪い合う、戦争が始まる ネットフリックスの衝撃。テレビ局の猶予はあと5年だ テレビの「今、目の前にある危機」―【私の論評】どんなメディアであっても、ユーザーからそっぽを向かれれば、存立の基盤がなくなるという危機感がなければ、容易に腐敗する!その一旦は間違いなく、私達も担っていると心得よ(゚д゚)!


詳細はこの記事をご覧いただくものとして、ネトフリックスが日本に進出してくれば、テレビ局はとんでもないことです。

いずれにしても、テレビは、高給をもらって、浅薄な判断で反日、増税キャンペーンを繰り返しています。このような、メディアがいつまでも隆盛を極めることなどないと思います。私は、おそらく今のままのテレビ局も、ある程度残るには、残るとは思いますが、現状のラジオ局並みのメディアになると思います。その日は案外近いと思います。

それにしても、テレビ局にかぎらず、ピケティ氏の理論はきっちり精査すべきと思います。外国と日本との違いなど無視して、!鵜呑みにすれば、田中氏が指摘しているように、ただブームにのるだけの脳味噌のうっすいバカの展覧会の展示物になるだけと心得るべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2014年4月15日火曜日

第五福竜丸事件の真相 売血輸血による肝炎ウイルス感染だった―【私の論評】これは、マスコミの情報操作が昔から行なわれていたことの査証! 何でも鵜呑みにしていると過敏になりパニックに陥るだけ(゚д゚)!


高田純 マーシャル諸島を2回調査

売血輸血による治療を受けた第五福竜丸船員23人のほとんどが急性肝炎になり、無線長の久保山愛吉さんが亡くなりました。私の現地マーシャル調査では、最も危険な線量を受けたロンゲラップ島民に急性肝炎はありません。

第五福竜丸の医療担当を継続した放射線医学総合研究所でも、死因は売血輸血による肝炎ウイルス感染にあったことを認めています。2004年放医研明石真言博士らの報告によれば、船員22人中、肝がん6人、肝硬変2人、肝線維症1人と肝臓の病気で計9人が亡くなっています。
【私の論評】これは、マスコミの情報操作が昔から行なわれていたことの査証! 何でも鵜呑みにしていると過敏になりパニックに陥るだけ(゚д゚)!

上の記事は、札幌医科大学の高田先生のサイトからの引用です。

高田純

第五福竜丸事件そのものが、風化していますので、その内容を以下にwikipediaから引用させていただきます。
第五福竜丸(第五福龍丸、だいごふくりゅうまる)は、1954年3月1日に、アメリカ軍の水素爆弾実験によって発生した多量の放射性降下物(いわゆる死の灰)を浴びた、遠洋マグロ漁船の船名である。無線長だった久保山愛吉 (くぼやま あいきち、1914年6月21日生まれ)がこの半年後の9月23日に死亡した。
これが事件の概要ですが、wikipediaも死因に関して掲載してあったので、それも以下に掲載しておきます。
米公文書が放射能が直接の原因ではないとの見解を出している理由は、そもそも、久保山無線長の死因の直接原因は重度の急性肝機能障害であること、日本医師団が診断した放射能症(放射線障害)の主な症状は白血球や血小板と言った血球数の減少、小腸からの出血、脱毛等で、肝機能障害は放射線障害特有の特徴的症状ではないこと、被曝が原因で肝機能障害が起きたなら、同様に被曝したはずのマーシャルの被曝者にも多数の肝機能障害を起こした被曝患者が居るはずであるが、実際はマーシャルの被爆者に重度の肝機能障害の患者は全く発生せず、第五福竜丸の被災者17名でのみ発生し、治療中の死亡に至っては久保山無線長のみだからである。 
重度の肝機能障害を起こす肝炎、肝癌、肝硬変の原因因子はそのほとんどが肝炎ウイルスの感染であり、アルコールやNASHは肝癌、肝硬変の原因としては全体から見れば少数派であり、放射線被曝での発症率はアルコールよりも低く放射線被曝が原因での肝炎肝癌発症の症例ほぼ皆無である。また、事件当時は医療器具、特に注射針に関してはディスポは殆ど行われず、消毒して使い回しされることもしばしばであり、各種法定予防ワクチンの集団接種で使い回しされた注射針が原因でB型肝炎ウィルス感染が引き起こされ集団訴訟になったのは周知の事実である。第五福竜丸乗組員17名が重度の肝機能障害を引き起こした原因は、ウィルス感染した売血による輸血であるという指摘も存在する。
キャッスル作戦・ブラボー(ビキニ環礁)での水爆実験
確かに、第五福竜丸事件に関しては日本では、過去何度も報道されていますが、死亡の原因までは報道されず、ほとんどの方は放射能による死亡であると思い込んているのではないでしょうか。

この、事件が起きてから、60年です。人々の記憶からこの事件の記憶そのものが薄れつつあります。もう一度、この事実を多くの人々に知ってもらうべきであると思い、この記事を掲載させていただきました。

60年も前から、マスコミが真実の報道をしてこなかったことに、改ためて驚かされます。放射能に関しては、放射能そのものが目に見えるものではないため、その実体が実際には多くの人々に知られておらず、今でも様々誤解があります。そのような誤解から、放射能に対して過度に過敏になったり、パニックに陥る人も多いです。

こうした誤解を解くために、高田純先生は日々活動されています。その一端として、以下に高田先生の動画を掲載させていたたぎます。


この動画は、平成25年4月5日衆議院予算委員会、山田宏議員の参考人として、現行の放射線基準は­科学を逸脱していると、高田純が証言し、安倍総理が答えています。

高田 純(たかだ じゅん、昭和29年/1954年4月 - )氏は、日本の物理学者です。専門は放射線防護学です。現在、札幌医科大学医療人育成センター教養教育研究部門教授をされています。

先生は、いわば放射能の専門家と言っても良い方で、この方の語っていることはかなり信頼できます。

以下に関連サイト、twitteなど掲載させていただきます。
以下は、放射線防護情報センターのURLです。
http://rpic.jp/

以下は、高田先生のツイートです。

放射能に関しては、目に見えるものではないため、多くの人が知らないことを幸いにマスコミは、恐怖を煽るような報道ばかりします。こんな報道に踊らされて、不安感や閉塞感に悩まされるようなことはありません。

ビキニでも、こちらのほうが平和的でよろしいようで・・・・・

高田先生のような専門家の信頼できる意見を参考にして、自ら対策などをたてるべきです。上のサイトや、先生ツイートなど、情報源として正しい知識を得てまともな対策をたてるべきものと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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