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2011年12月7日水曜日

Kindle Fireは2012年にAndroidタブレットシェアで50%に、残るのはiPadのみ?―【私の論評】物理的店舗を持つの企業の逆襲ははじまるか!!



http://journal.mycom.co.jp/news/2011/12/07/041/index.html



【私の論評】物理的店舗を持つの企業の逆襲ははじまるか!!
Amazon Kindle Fireやはり、爆走中ですね。何といっても、低価格なのと、7インチ型というのが、売りですね。なんといっても、7インチは軽くて良いです。iPad最近慣れて、あまり重いとも思わなかったですが、最初に手にとった人は、Fireの軽さも魅力と映るに違いありません。これは、売れると思いました。上の記事では、タブレット市場は、アップルとアマゾンで二分しそうなことを掲載していました。

iPadとKindle Fire
これらのデバイスを販売している二つの企業、全く異なるように見えて、共通点があります。それは、両方とも、物販をしているということです。Appleは、もちろん、パソコン、iPad、iPhoneなどなど、電子デバイスを製造販売(実際の製造は、外注)しています。そうして、Amazonは、ご存知のように最初は、書籍販売からはじめて、今は、電子書籍をはじめありとあらゆる商品の物販を行っています。そうして、どちらの企業も、eコマースをしているという共通点があります。

こういう共通点がある企業が、タブレットの市場を按分してしまうということは、非常に興味深いです。私たちは、どうして、これらの企業が市場を按分してしまうのか、今一度考えてみる必要があると思います。本日は、これについて、私の思うとろころを掲載しようと思います。

Appleは、従来典型的なパソコンメーカーでした。しかし、ご存知のように、iTunesでネットで音楽配信事業を展開するようになりました。最近は、iPhone、iPadのアプリをネット配信しています。また、iBookで電子書籍を販売したり、さらには、iAdにより広告をしています。そうして、eコマースの世界に踏み入りながらも、パソコンや、iPad、iPhone、iPodなどの物販も継続しています。

Amazonは、eコマース大手です。そのeコマース企業が、2007年にはじめて、電子書籍リーダーであるkindleを販売しはじめました。そうして、今回のKindle Fireです。そうして、この両社は、他社などを通じてではなく、直接、ユーザーに対する窓口を持つことになったということです。それも、ブラウザなどを通じて、間接的にではなく、自社製品による直接の窓口を持ったということです。

両方とも、直接の窓口を通じて、ユーザーと直接関係を持つことができるようになったということです。Amazonの場合は、従来は、eコマースで、従来から直接関係を保ってきましたが、その入り口は、他社の窓口に頼っていました。今回、Kindle Fireによって、初めて、この入り口を完璧に自分のものにすることができるようになったということです。


なぜ、窓口を自分のものにする必要があるかといえば、やはり、既存のeコマースの場合は、結局間接的であり、たとえ、amazonのように、多数の顧客を抱えて、さまざまな手法を用いて、顧客との関係を保ってきたとしても、顧客からすれば、パソコンのブラウザを通じて、いくつもあるサービスのうちの一つを利用しているにすぎないわけで、自宅にあるパソコンのディスプレイから覗き見る、いくつかのサービスの一つという位置づけになります。

これでは、他社のeコマースと差別化を図るのは、大変です。amazonは、ネットで、ユーザーに便利なようにいろいろい差別化をつけていたのですが、他社も負け時として、いろいろ差別化をしている現在それにも限界がありました。

Appleのeコマースも同じようなことがいえます。Appleのパソコンを用いて、Appleのeコマースを利用する人にとっては、いくら、他のサービスも利用しているとはいいながら、窓口では、必ず、Appleを意識するようになります。しかし、Appleのパソコンをすべてのユーザーが所有しているわけではありません。というより、圧倒的にWindowsのパソコンのほうが、多く、Appleのシェアは数パーセントにすぎませんでした。であれば、大多数のユーザーにとっては、Appleのeコマースは、amazonと同じように、自宅にあるパソコンのディスプレイから覗き見る、いくつものサービスの一つという位置づけになってしまいます。


このままでは、Appleがせっかくeコマースに進出し、これを成功させようとしても限界がありました。かといって、従来あるパソコンの販売台数を劇的に増やすような手立てはありません。そこで、ジョブズが考え出したのは、まさに、iPadだったのだと思います。Appleのeコマースの窓口としての位置づけの端末、それが、iPadなのです。

そうして、他社のeコマースとの差別化にかねてから着手してきて、そろそろ、ネタ切れになっていたのだと思います。そこにでてきた、iPadの意味をAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏は、すぐに悟ったのだと思います。そうして、すぐに製作に着手したのだと思います。

Kindle Fireを操作する女性
両社とも、eコマースの入り口としての、タブレットを開発したわけですが、おそらく、Amazonは徹底的にiPadを研究し、徹底的な差別化を最初からねらったと思います。iPadの二番煎じをしたのでは、市場にインパクトを与えることはできず、柳の下のどじょうを狙う多数の企業にすぐに真似されてしまったどころか、既存のもので用が足りると、多くのユーザーに受け取られたものと思います。それに、ありきたりのAndroidタブレットを開発しても、同じことだったでしよう。

以上、上記に掲載したように、Appleも、Amazonも、単にタブレットをつくるということではなく、eコマースの窓口として他のeコマースと徹底的に差別化するために、これらを導入したということです。他のメーカーのつくったタブレットなどとは、そもそも、出自が異なるのです。

だからこそ、両社とも他社に圧倒的な、差別化に成功し、世界でシェアを按分するまでになったのです。

さて、今年は上記のよういろいろな動きがありましたが、来年は、この動きが活発化すると思います。もうすでに、伏兵がでてきています。



そうです。来年は、あのfacebookが、スマホ"Buffy"を無料でユーザーに配布すると宣言しています。Amazon Fireは、廉価でしたが、Buffyは、廉価どころか、無料です。facebookのユーザーは、9月現在で、全世界で8億人を超えたとされています。日本国内でも、1000万人を超えました。

今までは、爆発的に成長してきましたが、Google+のような強豪も本年誕生しましたし、他のSNSの追い上げもあります。facebookは、やはり、爆発的にユーザーが増えているから、有利なのであって、これがとまってしまえば、優位性は損なわれると思います。しかしながら、今までのように、通常のパソコンや、スマホ、タブレットでユーザーがアクセスしていたのでは、やはり、上記のAppleや、Amazonの例のように、自宅にあるパソコンのディスプレイやスマホから覗き見る、いくつものSNSの一つという位置づけということになってしまいます。

ザッカーバーグ氏としては、このようなことを避けて、facebookの窓口を自ら用意して、他SNSと差別化して、圧倒的優位にたち、ユーザーの爆発的増加を維持し、これから発展していくfacebookコマースなどに拍車をかけるという意図があるのだと思います。

さて、この動きは、他のeコマースにも、波及するのでしょうか。一部には、そのような動きが出てくるものと思います。しかし、タブレットがAppleと、Kindle Fireで市場が按分され、おそらく、これからでてくるBuffyも、市場を席巻しそうな勢いですから、参入したとしても、かなり苦戦を強いられると思います。

では、そのような動きはもうしばらく全くなくなるのかといえば、私はそんなことはないと思います。上の内容を読まれて皆さんは、何かに気付きませんか?

そうです。世界的なIT関連企業が、こぞって、物理的窓口である、タブレットや、スマホを用意して、他のサービスに埋没しないように差別化を計っています。この物理的という言葉に注目してください。要するに、情報でもなく、イメージでもなく、モノということです。人は、情報や、イメージのようなものだけでは、愛したり、忠誠を誓うことはなかなかできないものです。そのために、実際にこの世の中に存在するものが必要なのです。だからこそ、プロテスタントでは、偶像崇拝を禁じているものの、カトリックでは、それがあるのです。他の宗教でも偶像が多く存在するのです。

そうして、eコマースのユーザーだって、特定のサービスのイメージや、情報がパソコンから覗けるだけではなく、タブレットやスマホという実体があれば、信頼感や、親近感、親しみの感情を抱きやすいのです。だからこそ、上記のようなことがおこるのです。

さて、この物理的な実体、実は大昔からこの世の中に存在しました。ここまで、いえば、皆さんおわかりでしょう。そうです。昔からある物販店舗や飲食店です。


最近、デフレや、巣篭もり傾向があったりして、既存の物販営業店舗や、飲食店はあまり業績が良くないのですが、eコマースなどの新しい形態の事業が伸びています。だから、多く人はそちらのほうばかりに目がいきますが、いまだに、物販のかなりの部分を既存の店舗が行っています。

そうして、上の事例のように、人々は、物理的な窓口を求めているわけですから、既存の店舗は、本当に物理的な窓口そのものであり、そこには、生身の人間がサービスを提供しているわけで、やりかたによっては、これほど、差別化しやすいものはありません。だから、今後も店舗や、飲食店がなくなることはないでしょう。

ただし、これから、急速に伸びる店舗は、従来のものとは異なると思います。これは、たとえば、appleの直営店である、Apple Storeが参考になると思います。Apple Storeといえば、最近グランドセントラル駅構内に建設中だった新アップル・ストアがオープンしました。これは、世界最大規模です。

築150年のクラシックな空間とアップルの組み合わせは斬新
さて、Appleが、新製品を発売する初日は、いつもお祭り騒ぎになります。そのお祭り騒ぎが繰り広げられるのは、どこでしょうか?無論、Apple Storeです。これが、オンラインのApple StoreでiPhone4Sなど購入して、家にモノが届いて、家でフィーバーしていても、全くさまになりません。典型的な、IT企業であり、パソコンメーカーだったAppleが、このstoreを設置したのは、やはり、ユーザーの窓口として、他のパソコンメーカーなどと徹底的に差別化をはかるためだと思います。

このApple Store、スティーブ・ジョブズの頭の中では、iPadと同じような位置づけだったと思います。設立当初は、これでも、十分他社と差別化できたものと思いますが、Appleが、eコマースに参入してからは、やはり、Apple社製品を販売するだけではなくなったので、新しい窓口であるiPadが必要になったのだと思います。そうして、新しいiPadという窓口ができた今も、やはり、Apple Storeは必要なのだと思います。

そんなことから、ここしばらく、eコマースや、SNSによるコマースが注目されるでしょうが、おそらく、今までとは異なる、裏側では、ITがサポートし、eコマースも、SNSも実践していて、物理的店舗を有している企業、ITと店舗が有機的に結びついていて、ユーザーフレンドリーな企業が今後伸びていくのではないかと期待しています。

やはり、いくら、ITだ、eコマース、SNSコマースだとはいっても、直接の人サービス、居心地の良い店にはかなわないところがあると思います。eコマースが定着し、タブレットやスマホによる窓口が定着した後には、これもたくみに取り入れなおかつ従来型店舗を持つ業態が台頭していくと思います。これらの業態がタブレットや、スマホをユーザーに無料で配布するかもしれません。そうして、顧客は、それらによって、自宅からでも、店舗内でも自由に買い物ができるようになるでしょう。また、人の助けが必要なときは、店舗で、それを受けることができるでしょう。あるいは、自宅で、それを受けられるようになるかもしれません。そうして、eコマースと、従来型の店舗や飲食店との境はあいまいになっていくと思います。

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