2009年2月23日月曜日

1ドル70円台の日本経済:三橋貴明(作家)-なぜ世間知らずの大人がこんなに増えたのか?

うえは海外カタログの写真。円高は、私にとっては良いことづくめだ。海外カタログをみていると、向こうでは金融危機の影響で、30%ディスカウントは当たり前なので、さらに円高でかつてと比較すると考えられないくらいいろいろな高品質なものが安く手に入る。しかし、海外カタログなど気軽に入手するひとはあまりいないだろうから、まだ、円高メリットを享受できる人は限られるのだろう。

1ドル70円台の日本経済:三橋貴明(作家)(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)Voice2009年2月21日(土)10:00

超円高で経済破綻?

「79円50銭です! 79円50銭を付けました。史上最高値が、ついに更新されました!……繰り返します。ロンドン市場で、円が1ドル79円50銭まで買い進められ、1995年に付けた円の最高値79円75銭を上回りました。95年以来、じつに14年ぶりに円相場が最高値を更新したのです! 昨年から予想されていたように、超円高時代の到来です!」

雨はいまも降りつづいている。

7月に入ったにもかかわらず、長梅雨は一向に終わる気配を見せない。

最近の新聞やテレビでは、契約を打ち切られた派遣社員の話題で持ち切りである。明日はわが身だ。中堅クラスの商社に勤めて、はや30年になろうとする自分だ。この年で解雇などされると、さすがに再就職もままならないだろう。梅雨が重い。湿気を帯びた空気が全身に纏わり付いてくる感触に、山本は2度、3度、何かを振り払う動作を見せた。

「ただいま……」

口元から漏れ出た声があまりにもうつろに響き、山本はわが事ながら思わず皮肉な笑みを浮かべたものである。それほどの疲労は感じないのだが、声色はごまかせない。玄関脇の傘立てに重さを増した傘を突っ込み、顔を上げると、リビングの扉から薄明かりが漏れ出ているのが見えた。

(……帰っていたのか)

山本は口元に歪んだ笑みを張り付かせたまま、リビングルームへと足を向けた。

「あ、父さん。お帰り!」

50インチを優に超える大画面液晶テレビから目を離さずに、息子の和仁が声だけで出迎えてくれた。その口調は若者特有の快活さに満ちていて、山本の眉間に微妙に皺が寄った。大学に入学したばかりの息子は、いつも陽気な態度を崩さない。むろん陰鬱な顔ばかり見せられるよりはマシだが、日々の仕事で気が休まる暇がない身としては、いささか忌々しく感じるのも確かだ。5年ほど前に妻に先立たれ、いまは息子と2人暮らしの父子家庭だ。山本はソファに乱暴にビジネスバッグを放り出すと、何げなくテレビに目を向けた。

瞬間、山本は背筋が凍りつく思いを味わったのである。画面の上部に「79円50銭!」と極太のテロップが浮かび上がり、中年の脂顔の男がヒステリックな口調で繰り返している。

「79円50銭です! 史上最高値が更新されました!」

この脂顔のアナウンサーの名前は、たしか古林といったか。悲観的なニュースを嬉しそうに語るそのスタイルが、山本は個人的に大嫌いだった。

「超円高時代到来か……」

山本は搾り出すように呟き、続けようとした。これで日本経済はおしまいだ、と。ところが山本の台詞は、妙に明るい口調の息子に遮られてしまったのである。

「良かったね、父さん」

「な……」

唖然とする父親に向き直り、和仁は目を輝かせながら続ける。心の底から嬉しがっている表情である。

「通学にバイクを使っていると、やっぱりガソリン代がきついんだよねぇ。これだけ円高になれば、ガソリンの値段もそうとう下がるはずだよね」

「あのな、和仁……」

山本は声音が荒々しさを帯びないように、注意深く語り掛けた。未成年とはいえ、自分の息子がここまで世間知らずだと、さすがに腹立たしい。



「円高の意味を分かっているのか? 日本経済が、これまで以上に大変になるということだぞ。下手をすると、経済破綻だ。いや、この調子で円が上がっていけば、間違いなく破綻するな」

「どうして? これまでの歴史上、通貨高で経済破綻した国は、1つもないよ。その逆、つまり通貨暴落で経済破綻した国は山ほどあるらしいけど」

息子の淡々とした口ぶりに、山本はかなり面食らった。いきなり「歴史上」などという返し方をされるとは予想していなかった。山本はネクタイをわずかに緩め、疲れた素振りで椅子に腰を下ろした。

「歴史上の話はそうかもしれないが、なにしろ日本は世界最大の外需依存国だ。このまま円高が続くと、輸出が不可能になってしまう。外需に頼る日本経済は輸出ができなければ、破綻するに決まっているだろう」

「外需依存国?」

息子の目が面白そうな光を帯びた。山本は何となく不穏な気配を覚えたものだ。

「何、それ? 日本が外需依存国って?」

山本は大きく溜め息をつく。こんな基本からいちいち説明しなければならないとは、わが息子ながら呆れたものだ。自分の会社の若手社員もそうだが、若い奴らはどうしてこう、常識というものを知らないのだろうか。

「外需依存国ということは、つまり日本経済が輸出に頼っているということだ。GDP、国内総生産に占める輸出の割合が、とても大きいという意味だな。だから円高になれば、日本は経済破綻に追い込まれるわけだ。分かるか?」

「輸出の割合が大きい? 輸出依存度、つまり輸出対GDP比率が高いってこと?」

山本はギョッとし、思わず異星人でも見るような視線を息子に送った。「輸出対GDP比率」などという、専門的用語が息子の口からすらすら出てくるとは、かなり違和感がある。山本は何となく焦った素振りで、少し早口に言い返した。

「そうだ。輸出対GDP比率が高いということだ。日本は外需依存国だからな」

「日本の輸出依存度って、せいぜい15%だけど、これって高いかな?」

「……高いだろう。15%もあるのだから」

「でも他の国と比較すると、日本の輸出依存度は、主要国のなかではアメリカの次に低いよ。なにしろ製造業が衰退しちゃった、あのイギリスよりも低いんだから」一瞬、山本は返す言葉を失った。何と反論してやればいいのだろうか。父親の戸惑いになどまるで気付かぬ様子で、和仁は滑らかな口調で続ける。

「ついでにいうと、主要国で輸出依存度が高いのはドイツや中国、それに韓国ね。なにしろこれらの国の輸出依存度は4割近くにまで達しているから、日本の倍以上だよ。日本が外需依存国というのであれば、ドイツや中国は何と呼べばいいんだろう。超外需依存国でいいのかな?」

「……」

山本は少し考え込んだ。具体的な数字を出されるのは予想外だったが、自分は筋金入りの商社マンだ。日々、さまざまな客先で、円高に苦しむ輸出製造業のサポートを続けている。彼ら輸出製造業の苦しみを、ダイレクトに肌で感じつづけているのは、息子ではなく自分だ。「数字上はたしかにそうかもしれないが、実際にこの超円高で、日本の輸出企業はたいへん苦しい思いをしているんだ。このまま円高が続くと、日本の輸出産業 は全滅するとさえいわれている。父さんは、毎日毎日お客さまとお会いして、直接お話を聞いているのだから、輸出企業の皆さんの厳しさはよく分かっている」

「父さん。実質実効為替レートって知っている?」

また知ったかぶりか。山本は、一瞬、激高しかかった自分を必死に抑え込む。まったく聞きかじりの半端な知識で、父親である自分に対抗できるとでも思っているのだろうか。「当たり前だ。アメリカドルだけではなく、日本と関係がある国や地域の為替レートを貿易量で加重平均して算出した為替レートのことだ。それがどうした?」

「いまの父さんがいった定義で算出されるのは、名目実効為替レートだよ。名目実効為替レートは、関係国の物価水準の変動を加味していないから、輸出の厳し さを正しく測れない。どれだけ名目実効為替レートが高くなっても、相手国の物価がそれ以上に高騰しちゃえば、輸出はかえって楽になるんだから。

日本の輸出企業が厳しくなるのは、物価変動を加味した実質実効為替レートが上昇したときね。もちろんいまは名目値の円レートが高くなっているから、実質実 効為替レートも上昇しているよ。でもいまだに130ポイントにも届いていないんだから、せいぜい2001年レベルでしかないんだよ。なにしろ1995年に 1ドル80円を切ったときは、実質実効為替レートが160ポイントを超えたから、あのときに比べれば、いまはまだ円安なんだよ。それで本当に輸出産業が全 滅とかいう話になるの? 日本の輸出企業って、そんなに弱いのかなぁ。信じられないよ」

たしかにそうだ。実質実効為替レートでいえば、いまはまだ2001年ごろの水準にすぎない。仕事柄、山本はもちろん現在の実質実効為替レートの水準を知っ てはいたが、日頃の業務のなかで「円高、円高」といわれるので、とくに何の疑問も抱かず、そのまま受け取っていた。しかしあらためて考えてみれば、 2001年レベルの為替水準で、日本の輸出産業が全滅などありうるはずがない。



内需は絶望的という大嘘

「しかしだな……」

山本はもはや必死に頭を振り絞り、息子への反論の糸口を探したものだ。

「実際、マスコミや経済評論家は、日本の内需は絶望的だ。だから日本は輸出で成長していくしかない、と毎日のように繰り返しているじゃないか。内需が成長 しないなら、やっぱり輸出で食っていくしかないわけだ。実質実効為替レートの件はともかく、いずれにせよ円高は輸出企業にとっては望ましいことではない。 なにしろ日本の内需はまったくダメなわけだから、頼みの輸出を順調に成長させるためにも、円安のほうが良いに決まっている」

「マスコミや評論家って、それって『〇経新聞』のこと?」

息子は笑いをこらえるふうに、肩を震わせている。何がそんなにおかしいのだ。父親に対してこんな態度をとるなんて、最近の若者ときたら……。いや、自分が和仁の年齢のころも似たようなものだった気もする。どうだっただろうか? 山本は不意に、自分の年齢を強烈に意識した。

「まあそのマスコミが何新聞でもいいけど、いまの話って、因果関係が逆だよ」

「因果関係?」

「そう。だって、内需がダメだから輸出で成長していく、つまり円安のほうが望ましいというけど、内需の成長が抑え込まれているのは、そもそも円安だったか らだよ。円が安くなっているときは、日本人の購買力がどんどん削られていっているわけだよね。輸入価格が上昇するわけだから。日本人の購買力が小さくなれ ば、国内を主な市場としている中小企業だって、それはやっぱり経営的に厳しくなるでしょう。外国への輸出で稼いでいる大企業はともかく、円安になれば中小 企業の収益力が落ちて、内需の成長率が低下して当然だよ。

内需を成長させたいなら、方法は単純だと思うけど。円高にすればいいんだ」

「円高にすればいいって……簡単にいうな。そもそも日本の内需、とくに個人消費は規模が大きくないのだから、円高で個人の購買力を強くしても、高が知れているだろう」

息子は何か言いかけたが、すぐに口を閉じた。ようやく言いくるめることができたわけだ。山本が取り戻した父親の威厳に、ホッと息をついたところ、

「父さん、それは本気でいっているの? 日本の個人消費の規模が小さいって……」

再び、何となく嫌な予感が込み上げてきたため、山本は押し黙った。父親の沈黙を受けて、和仁は寂しそうな視線を送ってきた。その眼差しには明らかに哀れみの情が浮かんでおり、山本の不愉快度は急角度で上昇した。

「本気だとも。経済新聞だけではない。テレビでも経済評論家がいつもいっているじゃないか。日本の個人消費は絶望的だ。だから、これから伸びることが明らかな新興経済諸国、たとえば中国などの市場に注力しなければならないんだってな」

「個人消費は日本のGDPの56%を占めるよ。日本のGDPは、半分以上が個人消費なんだ。それはもちろん、個人消費が7割近いアメリカには負けるけど、 個人消費がGDPの3割程度しかない中国なんかとは、比較にならないほど大きいんだよ。しかも中国の個人消費はGDPに占める割合が年々減りつづけている けど、日本のほうは逆に増えているよ。昨年にしても、あれだけ不景気だ、不況だってマスコミが悲観論をばらまいたのに、日本の個人消費はそれなりに成長し ていたんだよ。もちろん円が高くなって日本人の購買力が高まったのが原因だと思うけど」

「……」

「だいたい、父さん。マスコミや評論家が何かいうときに、数字を使って説明するのを聞いたことがないでしょう。数字を出すと嘘がばれちゃうから、みんな 『日本は外需依存国』とか『日本の内需は絶望的』みたいな、印象論だけを何度も繰り返してミスリードしているんだよ。なにしろ、世界に外需がゼロの国はな いから『日本は外需依存国』だってけっして嘘ではないし、円安のせいで日本の内需の成長率が輸出に負けていたのは確かだから、『日本の内需は絶望的』も嘘 とは断言できないからね。かなり、ぎりぎりだと思うけど」

「……」

「ついでにいうと、超が付く外需依存国である中国の純輸出(輸出-輸入)、つまり外需ね。外需がGDPに占める割合は10%近いんだよ。純輸出がGDPの1割近いって、ここまで外需に頼りきっている国はほかにはないんじゃないかな。逆に日本の外需、つまり純輸出がGDPに占める割合は、2%未満だよ。つまり日本のGDPは、じつは98%以上が内需なんだよ」

「しかし、日本は少子化で人口が減っているんだ。人口が減っているのだから、内需がこれから伸びるわけがないだろう」

「人口が減っているって……」

和仁は呆れたふうに、1つ大きく溜め息をついた。

「たとえば、昨年は日本の人口が5万人ぐらい減ったみたいだけど、それって日本の人口の0.04%にも満たない人数だよ。誤差レベルにも達しない人口が減って、内需がそんなに影響を受けるはずがないでしょう。

日本のGDPの半分以上が個人消費だから、日本に住む人が1年間に2%だけ消費を増やせば、それだけでGDPが1%増えるんだよ。どう考えても、人口よりも個人の消費の影響のほうが大きいでしょう」



政府の「債務」は民間の「債権」

「凄いな……」

さすがに敗北を認めざるをえず、山本は思わず口に出して呟いた。

「いったい、どこでそれだけの知識を身に付けたんだ。学校か。よくもまあ、それだけ具体的な数字がポンポン出てくるもんだ」

父親の賞賛の言葉に、和仁はやや照れくさそうな笑顔を見せた。

「大学で勉強したのもあるけど、やっぱりネットかな」

「ネット? まさか、インターネットのことか?」

思わず顔をしかめた山本に、またもや息子は寂しげな視線を送る。だから、その哀れみに満ちた顔はやめてくれ、と、山本は心の奥底で叫んだ。

「父さん。まさか、いまどき『インターネットは便所の落書き』なんて時代錯誤なこと言い出したりしないよね。ネットの世界では、不特定多数の見知らぬ人を 相手にするわけだから、きちんとした情報ソースに基づいて話をしないと、まったく相手にされないよ。だいたい父さんだって、会社でインターネットは活用し ているでしょう」

「……」

「ちなみにGDPや輸出依存度なんかのデータは、日本政府のホームページに掲載されているよ。たしかGDPが内閣府で、日本の輸出入が財務省。それに実効 為替レートが日本銀行のホームページだったかな。データを載せてくれるのはいいけど統計によってバラバラの場所に置かれているのは何とかしてほしいよね」

(政府のホームページからデータをもってきているのか!)

山本はかなり驚愕し、思わず言葉に詰まった。何というか、時代も変わったものである。これまで自分は、統計情報を調査するときに政府の一次ソースをきちんと確認したことがあっただろうか。ちょっと記憶にない。

「しかし日本が外需依存国ではないことも、円高が内需拡大に有効なことも分かったが、それならば政府は内需拡大に的を絞った景気対策を打てばいいんじゃないのか? これほどまでに簡単な話なのに、なぜやらないんだ?」

「やっているじゃん。昨年の12月に40兆円規模の景気対策を打つって発表して、きちんと予算を通したから、すでにいろいろな対策が始まっているはずだよ。マスコミがあまり報道しないので、状況がよく分からないけど」

「40兆円!」

山本は息子の話の内容よりも、金額のほうに衝撃を受けた。

「財政破綻寸前の日本が、40兆円もの景気対策を打つのか! そんなことしたら、瞬く間に財政が崩壊するぞ!」

「あははははははっ!」

いきなり息子が腹を抱えて笑いだしたので、山本は危うく反射的に怒鳴り散らすところだった。何がそれほどおかしいのか、さっぱり分からない。というか、父親の威厳はどこに消え失せてしまったのだろうか。自分が何か、とても大切なものを失った気分だ。

「ざ、財政破綻って、日本政府が? よ、よくもまあ、それだけ滅茶苦茶な話を信じられるね。あははははっ」

「いったい何がそんなにおかしいんだ」

「だ、だって、父さん、マスコミに毒され過ぎだってば……。ああ、面白かった……はあ……」

ようやく息を継ぎ、息子は涙目の笑顔を見せたものだ。

「あのね、父さん。日本が財政破綻するとか、あれ、嘘だから」

「嘘……?」

「そりゃ、嘘でしょう。日本政府の債務はたしかに巨額だけど、95%以上が国内向けの国債、分かりやすくいうと日本国内の民間からの借り入れなんだよ。つ まり円建ての債務ということになるよね。円という通貨を発行できる政府が、円建て債務のせいで財政破綻するわけがないでしょう」

「しかし、夕張市は財政破綻したぞ。ほかにも危ないといわれている自治体はいっぱいある」

「当たり前だよ。夕張市は紙幣発行権があるわけじゃないんだから。夕張市が日本円を刷ったら、普通に犯罪でしょう」

いわれてみると、たしかにそうだ。夕張市と日本政府を一緒にすることには無理がある。

「財務省が掲載している日本政府のバランスシートを見ると一発で分かるけど、日本政府の債務、つまり負債は840兆円もあるけど、同時に資産もでかいんだ よ。なにしろ政府の金融資産だけで550兆円近くもあるんだから。これだけ巨額の資産をもっている政府は、世界中にどこにもないよ。債務額から金融資産を 差し引いた純債務額で見れば、日本の政府の債務はGDPよりも少なくなり、普通の先進国並みになるよ」

山本は言葉を失った。そういえば、借金の額にばかり目が行って、政府は資産ももっているということに考えが及んだことは1度もなかった。



「それにそもそも日本政府がどうしてここまで債務を膨らませることができるかといえば、貸してくれる人がいるからだよね。当たり前だけど貸し手がいなければ借り手は借りることができない」

それはそうだ。山本は心中で同意した。

「日本政府の債務のほとんどは、さっきいったとおり日本の民間から借りているんだよ。ということは、政府の債務はそのまま日本の民間の『債権』ということになる」

「マスコミは『国民1人当たりの借金』といって危機感を煽っているじゃないか」

「あれもひどいミスリード、というかインチキ・レトリックだよね。正しい言い方に改めるならば、『国民1人当たりの政府に対する債権』になるよ。だって、借りているのは政府であって、国民じゃないからね。国民はどちらかといえば、貸しているほうでしょう」

「……」

「だいたい国債を買っている人たちは、資産運用として国債を保有しているわけだから、償還するといわれても逆に困ると思うよ。国債が償還されても、みんな 結局また国債を買う羽目になるに決まってる。日本国債以上の安全資産は、この世に存在しないから。だから、日本政府は国債の償還期日が来たら、同額の国債 を発行して永遠にロールオーバー(借り換え)していけばいいだけ。日本国内に国債の買い手がいるかぎり、日本政府の債務規模は問題になるわけがない。しか も日本の家計の金融資産が1400兆円を超えている状況だから、日本政府が国債の買い手に困るなんて、ちょっと考えられないと思うよ」

世界経済への義務を果たそう

「うーむ……」

山本は思わず唸り声を上げた。国債を買っているのは誰だ? こんな基本的な疑問を、これまで考えたこともなかったのは、なぜだろうか。

「それにさっきもいったけれど、日本政府は通貨発行権をもっているんだよ。いざとなれば、日本政府は日銀に日本円を発行させて、国債を買い取らせることも 可能なんだ。だから日本政府が財政破綻など、現実にはありえないよ。アメリカがいま、FRBにドルを増刷させて米国債を買い取らせているけど、あれと同じ 事をすればいいだけだから」

何というべきか、山本は自分のこれまでの常識が根底から覆される感覚を覚え、呆然とした思いで言葉を搾り出した。

「それでは、政府の債務が800兆円を超えていようが、40兆円の景気対策を打とうが、大した問題ではないのか」

「それはそうでしょう。景気対策が順調に行なわれて、名目成長率が上がれば、政府債務のGDP比は勝手に小さくなっていくもの。それよりも、とくに財政危 機でも何でもないのに、景気対策を打たずに内需拡大の機会を逃すほうが危ないと思うよ。さっきも父さんがいったとおり、円高で輸出企業が厳しくなっている のは、紛れもない事実なんだから」

息子が一瞬、皮肉とも受け取れる笑みをこぼした気がするが、気のせいだろうか。

「まあ、輸出企業が厳しいのは、円高よりも世界的な需要の縮小のほうが原因としては大きいと思うけど、だからこそ、世界中の政府が財政支出をして景気を下 支えしようとしている。そんなときに、日本だけが何もしないわけにはいかないよ。なにしろ円高という日本の内需に対する絶好の追い風が吹いているんだか ら。

だいたいサブプライム危機やリーマン・ショックで、主立った国はみんな借金頼みの不動産バブルや株式バブルが崩壊して、内需がボロボロになってるんだ。そ んななかで、幸運なことに日本の内需はそれほど痛めつけられていないうえ、もともと規模が世界で2番目に大きいんだよ。内需を拡大させて、輸出よりもむし ろ輸入を拡大して、世界経済復活のために貢献する。これこそが世界経済に対する日本の義務であり、いま、日本がやるべきことだと思うよ」

山本はもはや心の底から感嘆し、降参の意を込めて両手を軽く上げた。

「おまえの年齢で、経済についてそこまでしっかりとした考えをもっているとは。正直、父さんは感動した」

完膚なきまでの敗北だったが、なぜか山本はすがすがしい気分を味わっていた。息子は恥ずかしそうにいったん顔を伏せ、何も言わずに晴れやかな笑顔を見せた。

翌朝のこと。

いつものようにテレビのスイッチを入れた山本の目に、いきなり古林の脂顔が飛び込んできた。

「また、こいつか……」

山本は思わず声に出して悪態をついてしまった。

古林はまるで苦行僧のように顔を歪め、嫌そうな口ぶりでニュースを読み上げている。昨日のヒステリックな態度とは、まるで別人のようだ。

「……繰り返します。内閣府が本日発表した前四半期における日本のGDP、国内総生産は、輸出の大幅な落ち込みを個人消費の増加がカバーし、若干のプラス 成長に終わりました。全般的に輸入価格が下落したことや、ガソリンが1リットル100円を切ったことなどが、消費を下支えした模様です……」

どう考えてもよいニュースだと思うのだが、古林の口調はいかにも悔しそうで、山本は思わず声に出して笑ってしまった。

リビングの大きな窓に目をやると、眩いばかりの陽光が差し込んできている。雨は上がったらしい。

そういえば、もうすぐ夏がやって来る。

なぜ世間知らずの大人が増えたのか?
この内容については、私自身も前から手を換え、品を換え、このブログでも主張してきたことです。でも、この内容さすがは、作家が書いたもので、包括的にしかも誰にでもわかりやすく書かれていると思います。だから、全文をそのまま掲載しました。

この文書の一番最後の、「眩いばかりの陽光が割きこんできている。雨はあがったらしい。」に関しては、この作家の予測ですね。日本の遅れていた景気回復が、梅雨どきには、そろそろ気配がみられ、夏には完全に回復基調になっているということだと思います。

私自身もこのブログでも、かねてから主張してきたように、おそらく5月くらいからは、景気回復の気配がみられるようになり、9月頃には回復していると思います。

今の日本の現状は、欧米より少し出たしが遅れたということであり、日本の実体経済は欧米のように悪くはなっていませんから、日本が一番先に回復するどころか、しばらくすると内需景気に沸いてくると思います。

上の文書でも触れていましたが、日本は昔から経済は、内需依存型です。そのため、もともと国際競争力も他国と比較すれば、高くはありませんでした。わずか、10年以上前までは、GDPに占める輸出の割合は8%以下でした。この10年間で倍の16%程度になっていますが、それとて、他国と比較するとアメリカに次いで低いです。だから、日本は、今でも輸出大国ではないし、過去もそうだったことは一度もありせん。というより、日本は内需大国です。

アメリカがサブプラムローンや、GMの金融小会社がやった車のローンのように、信用のない人にまで貸付するなどして、無理やり消費拡大をしなくても、十分可能です。

日本のマスコミなど、ごく一部の現象を極大化して見せてたり、ごく短期間のできごとを長期間にわたって続くことを平気でやります。これに関してはこのブログでも何回も主張してきたことです。

経済に限らず、環境問題でも、そのような傾向が見られます。環境問題に関しても、マスコミはいろいろな不確かな情報を拡大して流します。これに関して、私は大学生の時に貴重な体験をしました。これに関しても、以前このブログに書きましたが、これに関しては、まだ読んでいない方は是非ご覧になってください。その頃的確なアドバイスを聞かせてくださった大学の先生には、今でも感謝の念で一杯です。そうでなければ、私もいわゆる世間知らずの大人になっていたかもしれません。

ここまで、読んでいただいた方は、世間知らずの大人とはどういう意味かもうお分かりだと思います。これだけの情報化社会になったにも関わらず、マスコミのいうことに関してなんら批判的な観点ももたず、一方的に信じてしまうような大人のことです。いまでは、インターネットも普及していますから、自宅からでも、会社からでもふと疑問に思ったことは、調べてみれば、相当なところまで、短時間で確かめられます。あまり重要なことでないことで、労力を費やす必要はないとおもいますが、自分の仕事や、生活に直接関わる事柄に関してわずかの労を厭うようでは、お話にならないと思います。

にもかかわらず、それをしないで、マスコミの垂れ流す情報をそのまま信じてしまう人。これが、私の言う「世間知らずの大人」というところです。上の文章に出てくるお父さん、まさにこのタイプですね(笑)。最近では私は、バチカン報道のおかしさを掲載しましたが、あの一方的な中川元大臣バチカンご乱行報道など、ただ鵜呑みにしてしまう人も結構多いのだと思います。私の陰謀説など信じなくても良いですが、中川元大臣を取り巻いていた人の中には著しく配慮に欠ける人がいたのではないかとか、マスコミの一方的な報道には少しおかしいと思ってもらいたいです。

それに、マスコミにも「世間知らずの大人」が多くなったのではないでしょうか?特ににマスコミで不足していると思うのは、「現代世界史」の分野です。高校だと、あまり受験に関係ないことと、世界史でも、年度末に近い頃に教えるので、あまり教えていないのかもしれません。

大学では、学問の分野が専門化するため、教養の時代に世界史などとらなくてもいいわけですから、興味のある人だけが選択する。そうなると、マスコミや外務省に入るような人でも一生知らないで過ごしてしまうということがあるのかもしれません。私も、有名大学を卒業している文系の新卒の人が「ゴルバチョフ」を知らないというのを知って、少なからずショックを受けたことが何回かあります。

以前ブログ界でも「ナチス、ソ連」といっても通じない若者たちが増えているということが話題になっていたことがあります。逆に、このへんのことでも、何でも情報通の若者も増えています。まさに、二極分化しています。

しかし、これは若者だけではなく、上の文章にでてくるお父さんの世代も同じことだったのかもしれません。ただし、お父さんの世代には、インターネットなどが普及していなかったので、気づかれないですんでいただけだと思います。

ここで、若者だろうと、壮年層だろうと、道は二つに分かれると思います。若者層には将来「世間知らずの大人」にならないために、すでに「世間知らずの大人」になってしまったお父さんたちにも、マスコミで報道された事柄をそのまま鵜呑みにしないで、必ず裏取りをするという習慣をつけることです。こういった習慣を身につけるかどうかで、その後の人生は大きく異なってくると思います。そうして、最大の違いは、裏取りをする習慣を身につけた人は、「自分自身の人生を自分自身で選択して送ることができる」ということです。そういう習慣を身に着けなかった人は、たとえ経済的に恵まれようが、なんであろうが「他人の考えに従属し、自分自身の人生を他者の選択」でしか送れなくなってしまいます。

できたら、なるべく客観的な数字にあたるということだと思います。さらに、それも一箇所だけではなく、なるべく複数の数字をあたるということだと思います。さらに、数字で表せないような情報に関してこそ、なるべく多方面の情報を仕入れることだと思います。

上の文章のお父さん「最近の新聞やテレビでは、契約を打ち切られた派遣社員の話題で持ち切りである。明日はわが身だ。中堅クラスの商社に勤めて、はや30年になろうとする自分だ。この年で解雇などされると、さすがに再就職もままならないだろう」と述べていますが、「世間知らずの大人」を続けていたら、こうした運命をたどる率はかなり高くなると思います。裏を取る習慣がなかったら、会社の仕事も失敗だらけになると思います。もし、こうした運命をたどったとしても、景気のせいや、人のせいにはできないと思います。自分が一番悪いということです。

さて、若者諸君、君たちはどっちの道を選ぶのかな?

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ピザテンフォー今年の10月4日に生誕20年!!

ピザテンフォー今年の10月4日をもちまして、創業20周年を迎えることができました。これも皆様のおかげです。

ピザテンフォー、年末年始も10.4で決まりです!!今回はオードブルなども提供させていただきます。よろしくお願いします!!

テンフォーのピザは楽天デリバリーからも購入できます!!

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2009年2月22日日曜日

中川前財務相、バチカンでも騒動=G7後、博物館で柵越え警報-ますます納得がいかないバチカン報道?

中川前財務相、G7会見後のバチカン博物館見学時に展示物に触るなどマナー違反数回犯す


中川前財務相、バチカンでも騒動=G7後、博物館で柵越え警報
 中川昭一前財務・金融相が先にローマで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の記者会見で醜態を演じた後、視察したバチカン博物館で美術品の周囲にあった柵を乗り越え、警報を鳴らす騒動を起こしていたことが21日、関係者の話で分かった。

 中川氏は会見終了後、現地時間で14日午後4時すぎから約1時間半、バチカン博物館などを見学。財務省の玉木林太郎国際局長や、案内役を務めた在バチカン日本大使、博物館側の職員ら約10人が同行した。博物館側が特別な見学コースを用意していたという。

 美術品を鑑賞する際、周囲に柵があり、立ち入り禁止になっていたにもかかわらず、中に入って美術品に近づき、警報機が作動した。会見でのもうろうとした状態が続いていたとみられる。 
 中川氏の事務所は「体調が悪かった。関係者に迷惑を掛けることになり、申し訳ない」としている。(2009/02/21-17:07)

ますます納得がいかないバチカン騒動?

最初上の記事を読んだとき、何か割り切れないものを感じたので、目を皿のようにして、5~6回程度読んでみました。そうして、ある事実に気がつきました。さて、皆様、上の文章の中で赤字の部分に注目していただきたい。14日午後4時すぎとあります。バチカン博物館を一度でも、訪れた人ならわかるはずですが、ここの博物館は、朝9時にオープンして、昼12時までで閉館してしまいます。しかも、時間が設定されおり、9時に入館した人は10時まで、10時に入館した人は11時まで、11時に入館した人は12時までとなっています。出るのは、この時間の範囲ならいつもでも出られますが、入るときは自分の好きな時間に入館できるわけではありません。

バチカン博物館(私が撮影した写真ですが、博物館しか掲載されていない写真はこれしかなかったので掲載します。ちょっとフレーミングがおかしく、下の方が少し切れています。というより、人の姿が写っていたのでカットしました。すみません。)

しかし、中川元大臣が見学した時間は、14日午後4時過ぎです。これは、私の当て推量ですが、おそらく、前もって、博物館側に本来開館していない時間帯だか、何とか見学させていただきたいとの打診をしていて、博物館側も了解して、この見学が成り立ったのだと思います。

だから、中川元大臣が訪れたときには、一般入館者は誰もいなかったことになります。しかし、上の記事などみていたら、そのようなことは何も触れられていません。上の記事や、下の朝日新聞の記事をただ読んでいると、まるで、中川大臣が一般の入館者にも見られて、大恥をかいたかのような印象を受けます。

朝日新聞は、ここぞとばかり詳細に触れています。以下朝日新聞より部分引用

「到着時から中川氏の足取りはフラフラとおぼつかなく、言葉もはっきりしなかったという。案内役の説明を聞かずに歩き回ったほか、入ってはいけないエリアに足を踏み入れたり、触ってはいけない展示品を素手で複数回触ったりした。そのため警備室の警報が少なくとも1回鳴ったという。

バチカン博物館でも特に有名な、「八角形の中庭」の「ラオコーン」像を見学した際には、観光客が近づき過ぎないようにするための高さ約30センチのさくを乗り越えて石像の台座に触るなど、非常識な行動をとったという。」

以上、引用終了

これが、中川元大臣が触れたとされる。ラオコーン像。この写真には、柵は写ってはいないが、柵は本当に低いものだ。この写真は無論私の撮影ではありません。博物館内では写真は撮影できません。

それでは、一体この朝日新聞の記事は、記者自身がそこにいたということでしょうか?それとも、誰かから聞いたのでしょうか?どうやら、バチカンの人間が話したようです。しかし、バチカンではこの事に関して公式見解は一切出していないところからみると、バチカンの人間も聞かれたから仕方なく非公式に答えたというのが実情だと思います。

公式見解を出さないということは、中川元大臣の奇異な行動は公式にはなかったということです。ここで、公式見解というと、日本人には公式、非公式の区別はあまり重要なことではないので、ピンとこないでしょうが、バチカンでは大きな意味を持ちます。詳細は忘れましたが、たとえば、昨年も250年も前の人々の名誉が公式に回復されたという公式見解が発表されています。また、昨年の2月には、死後360年もたってから、ガリレオ・ガリレイの名誉が回復されたというのも記憶に新しいところです。何百年も前の人々の咎を、公式に回復しなければならないほど、バチカンの公式見解は大きな意味を持つということです。だから、軽々しく、出すこともできません。だから、バチカン博物館の人や、バチカンの人が、最初から軽々しくこの事件のことにつき、話すということは考えられません。もう、他のメディアで流れていて、その内容を具体的に聞かれたら、特定のスポークスマンのような人が、渋々話すということは考えられます。

では、この朝日新聞の記者もしくは、その情報源になった人は、バチカンの人間でないとすると、いったい最初は誰から聞いたのでしょうか?財務省の玉木林太郎国際局長や、案内役を務めた在バチカン日本大使のいずれかになると思います。それとも、他に誰かいるのでしょうか?もしそのような人がいなかったとしたら、この二人のどちらかは、全くの馬鹿か、裏切り者か、あるいは陰謀か何かの共謀者としか考えられません。玉木国際局長は、他の記事などでは、中川元大臣が素手で展示品に触っていたのは見ていないと語っています。

本当に他には、随行員はいなかっのでしょうか?玉木国際局長は、すでに前の記者会見などで、飲酒が原因か、それとも風邪か、あるいは両方なのかは別にして、相当具合が悪いのを知っていたと思います。にもかかわらず、見学を中止することなく、のこのこついてくるとはどういうことなのでしょうか? それに、仮に中川元大臣がすっかり酒におぼれて、多少のご乱行があったとしても、オフレコにするのが普通だと思います。現実に、博物館側の職員も、バチカンの人間も第一報は、もらしていないと思います。中川元大臣が器物損壊をしたとかなら別ですが、そんなことはしていなければ、バチカンが公式見解も出していないものに関しては、口をつぐむというのがまともな大人の礼儀というものだと思います。

イタリア人にはそれくらいの道徳心はあったということです。おっと失礼、バチカンですから、博物館とはいえども、神に仕える人々でしたね。失礼しました。神に仕えるひとがそんな恥知らずのことをするはずはありませんね。

それに、バチカンは小さくても国です。博物館の警報機が鳴ったとしても、イタリアの警察に連絡がすぐいくわけではありません。バチカン市国には、軍隊も警察組織もありません。警護にあたる衛兵隊はいます。ただし、現在この組織の上部組織はイタリア警察になっています。しかし、何かあった場合には、この衛兵隊に連絡がいき、出動すると思います。

これは、今から500年ほど前に結成されたスイス人の部隊です。一昨年設立500周年を祝ったばかりです。このときのお祝いの晩餐会のときに、アンチ・エージングピザが、法王に献上されたという話はこのブログにも掲載したことがあります。このスイス人護衛部隊は、雇用のときに徹底的に調べられるため、口の軽い者は誰もいません。私としては、どのメディアをみても、衛兵隊がどうのこうのという記載はないため、もしかすると警報は伝わっているかもしれませんが、実際に出動はしなかったと思います。博物館側でも、事を荒立てたくなかったと思います。仮に出動したとしても、メディアなどにぺらぺらいきさつを語る馬鹿者は誰もいないと思います。そんなことをすれば、スイス、イタリア、日本を巻き込む、国際問題にまで発展するかもしれません。

バチカン市国のスイス人警護隊

朝日新聞はマキャベリズムのお国柄のイタリア人もできなかった、日本の恥を厚顔無恥にも大喜びで伝えています。この国のマスコミは一体どうなっているのでしょうか?日本の威信を地に貶めたいのでしょうか?それに、玉木国際局長は、どうなっているんでしょう?もし、この一連の事件に関して、背後に陰謀があったとしたら、このバチカン件も考え合わせると、背後で糸をひいているのは誰であれ、玉木国際局長が実行犯ということになりそうだと思います。先にこのブログても書いた、ホテルでの昼食に同伴した、女子アナたちは、実行するための誘い水として利用されたのかもしれません。

仮に、アメリカなどの陰謀がなかったとしても、日本人のこのような行動、アメリカの3S政策がかなり功を奏しているということだと思います。本当に今の政局はや、マスコミの報道ぶりはアメリカの思う壺です。日本の政治家、マスコミ、そうして国民よ!!覚醒せよ!!

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2009年2月21日土曜日

アカハラ准教授3人解雇 道教大 セクハラ准教授1人も-セクハラはわかるが、アカハラは?

東大元教授と准教授セクハラ×2+院入試問題漏洩で懲戒処分依願退学

この事件は、女性らが学内のハラスメント防止委員会に申し出て発覚。同委が、元教授が勤務していた研究所の当時の所長で、50歳代の男性教授に事情を伝えたところ、男性教授は学内規定に反し、女性からの申し出を元教授に伝えていた。このため同大は、この男性教授を懲戒処分(戒告)とした。元教授は、女性らの申し出を知った後に依願退職していた。
大学院の入試問題を漏えいしたとして今年4月に懲戒解雇された30歳代の元准教授の男 性が、東大に勤務中の06年から辞めるまでの間、研究室の女性職員や大学院生に手を握 るなどの行為を繰り返していた。最近、こうした事件が目立つようになってきている。

アカハラ准教授3人解雇 道教大 セクハラ准教授1人も(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

 道教大は二十日、自らの研究に利用するため長時間にわたる調査を強制するなど、学生にアカデミック・ハラスメント(アカハラ=大学の上下関係によ る嫌がらせ)をしたとして、旭川校の三十五-三十九歳の准教授三人を諭旨解雇処分にした。また、女子学生三人にセクハラ(性的嫌がらせ)をした五十歳代の 准教授を懲戒解雇した。

 道教大の後藤嘉也理事が同日、記者会見して発表した。処分はいずれも十九日付。旭川校の三人はアカハラを認めず、札幌地裁に二十日、地位保全の仮処分を申し立てた。

 旭川校の三人は英語教育講座の所属。大学によると、二〇〇六年から〇八年九月まで、ゼミで指導する学生に自分たちのアイヌ語共同研究プロ ジェクトを早朝から深夜まで手伝わせた。四日間、徹夜で作業させたケースもあった。従わない学生は「意識が低い」としかり、担当する授業の単位を与えない ことをほのめかしたという。

 その結果、九人の学生が幻覚が出るなど心身の調子を崩し、うち二人は不登校になっているという。同大は昨年九月、この三人の准教授のゼミを停止させる措置を取っていた。

 これに対し三人は「(アカハラは)事実ではない。自分たちの主張を司法の場で明らかにしていきたい」と反論している。

 一方、セクハラで懲戒解雇となった男性准教授は〇五年十月から〇八年九月まで、ゼミで指導する三人の女子学生に対し、研究室に呼び出して 体を触ったり、交際を迫るようなメールを送った。大学によると、准教授はこうした事実を認め、「学生に好意を抱いていた。申し訳ないことをした」と話して いるという。同大はこの准教授がどのキャンパスに所属するかについては「被害者が特定される恐れがある」として明らかにしていない。

 後藤理事は「学生をはじめ、多くの人にご迷惑をかけた点をおわびしたい」と謝罪した。

セクハラはわかるが、アカハラは?

こうした事件、過去にはあまりなかったと思いますが、最近結構目立つようになってきました。やはり、大学も大衆化し、大衆化した学生に対して教える教授などの数も増えて大衆化してきたからでしょうか?一昔前の大学教授などというと、インテリ中のインテリでちょっと近寄りがたいところもありましたが、最近はそんなことはなくなってきました。結構きさくな人が増えてきているように見えます。それは、それで良いことなのですが、こういう事件は困りものです。しかも、東大や、学校の先生を養成する大学でこのような不祥事が起こるとは、残念なことです。

しかし、セクハラは判りやすいので、良いのですが、アカハラについては何かしっくりこないところがあります。実際私が卒業した大学でも、大学の4年から、大学院の人は、夜10時、11時くらいまでは残っているのは特に珍しいことではありませんでした。理工系ですから、実験などがあると、どうしても遅くなったり徹夜になることもありました。昨日たまたま、NHKテレビで、女性宇宙飛行士の方のお話があり、この方も東大の大学院に通っていたころ、帰りがいつも遅く、それでも母親が毎日駅に迎えにきてくれたので感謝しているというお話をされていました。大学の理工系ならこんなことは特に珍しいことではないことだと思います。たとえ、女子学生であっても、医学部などでは、遅くまで残っている人はいくらでもいます。

講師や準教授などでも、新進気鋭の方なら、そんな人は珍しくはありません。ノーベル賞学者の利根川さんのところで働いた人の話をききましたが、とにかく、朝は早く、夜も遅くまで毎日実験だそうです。正直最初は勤まるかなと自信を失いかけたと言っていました。でも、不定期ですが、実験の区切りの良いときには、2週間ほど連続して休みをいただけたので、良かったと語っていました。

スペース・シャトル搭乗予定が決まっている女性宇宙飛行士 山崎直子さん

人間ですから、何十年も朝早くから、夜遅くまで、働いていたら、とんでもないことになりますが、一時集中してかなりやって、ものごとが成就したら休むということなら、そんなに問題はないと思います。それに、人生のうち数年くらいは、寝食を忘れてお金や時間など超越して仕事や学業に励むことがなければ、学問に限らずどのような道であれ、何事も成就はしないと思います。

ただし、問題になっている教育大学旭川校などは、文科系の大学であり、しかも、大学院もありません。アカハラ的なところもあったのかもしれません。まずは、通常なら大学院生にやらせるようなことを、学生にやらせてしまったのかもしれません。学生の方も、文化系ということもあり、あまり夜遅くまで残って作業をするなどということに慣れていなかったのかもしれません。また、この学生の親も、先の宇宙飛行士の親とは違って、女子学生が夜遅くまで残っているということに違和感があったのかもしれません。

また、この準教授たちが、女子学生の動機づけを十分行えていたかどうかも焦点になると思います。人間は、誰でも、本当に自分にとって重要だと思っている事柄に対して努力するということは苦にはなりません。それが、たとえば、単なる準教授たちのための助手的な仕事であれば、問題があると思います。

現時点では、情報不足なので、どちらが正しいのか何ともいえないと思います。アカハラで解雇処分になった3人の準教授は、裁判にまでもちこむようです。詳細は、この裁判の行方をみてみないとわからないと思います。これから、学生の大衆化に伴い、このような問題がもっと頻繁に発生することが考えられます。

このような問題、裁判になる前に、公正な第三者機関など設立して、判定や仲裁などできるようにすべきと思います。そういった場合、NPO(非営利企業)によってそのような機関を設立すべきではないかと思います。NPOなどというと、日本では、なぜ?と思う人も多いと思いますが、NPO自体は政府の機関でもないため、アメリカなどでは、有名なNPOの調査結果などが公正中立であるとして、裁判などでも幅を利かせています。政府がやると、どうしても政府の思惑が入るし、大学の調査は、そもそも自分たちのかかわりのある部署ですから、最初からあまり中立性など期待できません。

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2009年2月20日金曜日

“小泉氏欠席”に批判相次ぐ-本当にやらなければならないことで忘れさられたもの?

セグウェイで、首相官邸に向かうかつての小泉首相

“小泉氏欠席”に批判相次ぐ
(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

2月19日17時7分(NHKニュース)

小泉元総理大臣が定額給付金などの財源の裏付けとなる第2次補正予算の関連法案を再議決する衆議院本会議を欠席する考えを示したことについて、自民党の各派閥の会合で、党内を混乱させるような行動は慎むべきだといった批判が相次ぎました。

このうち、町村前官房長官は「小泉元総理大臣が第2次補正予算の関連法案の再議決には欠席すると発言したこ とは、理解に苦しむ。自民党議員のほとんどは、法案が衆議院を通過する際の採決で賛成しており、これと違う投票をする人はいないと思うので、再議決をため らうべきではない」と述べました。

伊吹元財務大臣は「薬にも必ず効果と副作用があるように、自分の行動には必ず副作用があるということを、小泉元総理大臣 にもよく考えてもらわなければならない。小泉氏が再議決に参加しないというのは『本音』だと思うが、すでに、法案が衆議院を通過する際に賛成票を投じてい る以上、『建前』で行動すべきだ」と述べました。

高村前外務大臣は「小泉元総理大臣が麻生総理大臣のことを『前から鉄砲を撃っている』と言ったが、麻生総 理大臣を最高司令官として全軍がたいへんに苦しい戦いをしているときに、元司令官が後ろから狙いを定めバズーカ砲を撃つようなことは、厳に慎んでもらいた い」と述べ、小泉元総理大臣を厳しく批判しました。

与党内中央からだけではない地方からも大きな声がわきあがっている!

自民党内、とりわけ地方から反感、批判がわき起こっているようです。当然です。小泉改革のせいで地方は疲弊し、商店街はシャッター通りと化しました。「脱小泉」にかじ切りしなければやっていけない地方にしてみれば「エラソーに、おまえが何だ!」が本音で、袋叩きされない勢いです。

小泉さんの構造改革路線は、私自身はそれ自体は間違いではなかったと思っています。ただし、バランスを欠いた面はありました。派遣労働者問題、郵政民営化などでも中途半端でした。

派遣労働者の問題に関しては、それまでは、認可されていなかった製造業などの単純作業への小泉首相のときに派遣できるようにしました。それまでは、製造業への派遣というと、知識労働者に限られていました。小泉政権のときに、製造業などへの派遣を可能にはしましたが、それに対するセーフティーネットなど何も考慮せず、したがつて作りもしませんでした。だから、今回のような金融危機になって、これだけ派遣が着目されるようになったのです。この問題は、すでに小泉政権のときに発生したものですが、実際にその問題化噴出してきたのは、最近のことというだけです。

それから、郵政民営化にかかわる「聖域なき構造改革(せいいきなきこうぞうかいかく」は、小泉純一郎内閣スローガンでした。一般に「小泉構造改革」とも呼称されています。

発想そのものは新自由主義経済派の小さな政府論より発したものです。政府による公共サービスを民営化などにより削減し、市場にできることは市場にゆだねることとしています。


小泉氏の構造改革により、結局郵政民営化、道路公団の民営化、独立行政法人の統廃合が行われました。また、労働者派遣法の規制緩和、三位一体改革診療報酬本体の初のマイナス改定や市場化テストなどの拡大が行われました。旧来の地方の支持者を切り捨て、大企業および外資系企業を優遇する政策を次々と実行した結果、これらの企業の業績は急速に好転し、GDP国内総生産)も増加したとされます。一方で、地方で「構造改革」の弊害をまともに受け、経済がより疲弊し、財政に余裕のなくなった地方自治体は合併へと追いやられました。

具体的には福祉・公共サービスの縮小、市場原理主義の浸透により、以下の点が指摘されています。

  • 福祉の分野では障害者自立支援法により障害者福祉の分野で自己負担が増え障害者の生活が逼迫した。
  • 医療の分野では、医療制度改革のため患者の医療費負担が増大し、高額な医療は受けにくくなった。また、医療費抑制は医師の労働環境を悪化させ、地域の医療システムを疲弊させている。
  • 構造改革特区では地方での限定的な規制緩和を 行い、一定の成果を挙げ、地方の景気や雇用の掘り起こしがなされたと喧伝されるが、地方交付税や公共事業の縮小により、成長産業を持たない多くの地方自治 体が財政赤字に苦しんでいる。赤字に苦しむ自治体の公共サービスは切りつめられ、採算性が取れず廃業する学校、病院が出現した。
  • 労働の分野では、労働の供給システム(労働者)と労働の需要側(企業等)との間に亀裂が入り、不安定な環境に置かれる労働者が増加した。
経済は、ニューエコノミーへの転換により活性化し、景気は上向いた。ただし、転換の影響によって労働構造が変化(多数の熟練者を求める社会から、少数の創造的な社員と多数の単純作業を求める社会へと変化)したことに対し、現場では労働構造の変化に対応できず、アルバイト等、多数の非正社員が生まれた。
本当にやらなければならないことで忘れ去られたもの
さて、上までは、ウィキペディアなどをコピペしたものです。要旨のみ簡単に掲載しました。ここの内容のみだと、皆さんももうほとんどの人がご存知だと思います。

私自身は、実は構造改革そのものに対して反対ではありません。しかし、小泉さんのいうところの、構造改革のなかで、本当は絶対やらなければならないことが日本では綺麗さっぱり忘れられています。マスコミも追求しません。国民も何もいいません。政府も野党も口をつぐんだように何も言いません。本当に私はこのことは、不思議でなりません。

それは、実はNPO(非営利企業)です。NPOというと、皆さんはどう思われますか?大方の日本人は、NPOというと、情熱溢れた人々が手弁当で行う奇特な事業というくらいの感覚しかないと思います。構造改革などとは、全く関係ないと思っていると思います。このことについては、何回かこのブログでも書いてきましたが、再度掲載させていただきます。

しかし、実は関係はおおありなのです。実は、イギリス、アメリカを始めとする西欧諸国では、社会福祉的な事業に関しては、実はほとんどNPOがやっていました。それが、ほとんどやらなくなったのは、ソビエト連邦台頭後のことです。当時新興国だった、共産主義のソビエトは、大きな政府で国民の面倒をすべて見るということを高らかに宣言しました。それまで、伝統的に社会福祉的事業をすべてNPOに任せてきた、西欧諸国においては、この宣言は相当脅威に感じられました。当時のインテリは、ソビエト革命は正しいものであり、いずれ西欧諸国も階級闘争がおこり、共産化するという危惧を抱いていました。

そのため、イギリスなどいち早く、「揺り篭から墓場まで」というキャッチフレーズをだし、大きな政府を構築して政府が社会福祉政策のほとんどを実行するというように方針を変えました。この決定は国民にも好意を持って迎えられました。そのためそれまで、NPOが実施していた、社会福祉や、身近なところでは、ゴミの収集なども政府が実施するようになりました。そのため、NPOからは、ほとんどの仕事が取り上げられました。

そうして、資本主義諸国のなかでも、特に先進国の国民に大いなる幻想が生まれました。それは、「政府だからできる、何でもできる、不可能はない。なんといっても政府だから」というものです。民間などでは、できないことでも、利益をあげることは無縁の中立的な政府が中心になってやれば、不可能はないという考えです。この考えは、多くの国に蔓延しました。多くの国の国民が熱狂をもって、福祉大国の実現を望みました。そのため、イギリスを皮切りに、アメリカ、そうして他の先進国でも取り入れられました。福祉大国として、知られている北欧諸国の福祉政策もこの頃にかたちづくられました。戦後まもなくして、ほとんどの国が福祉大国を目指しました。日本もこの道を選択したことは皆さんご存知だと思います。しかし、皆さんご存知のように、福祉大国は結局どこの国でもうまくいきませんでした。

無論、ソ連の試みは、ことごとく失敗しました。それどころか、ソビエトは崩壊しました。これを気に、多くの国で、「大きな政府による社会の救済」などは不可能ということが理解されるようになりました。そうして、西欧諸国がやりはじめたことは、昔に戻すことです。そうです、社会福祉のかなりの部分をNPOに戻したのです。イギリスでは、90年代のブレアの時代にこれが実施されました。いわゆる、社会福祉として、補助金をただ配るということから「働くための福祉」ということで、対象者に対する職業訓練・教育を重視するというもので、かなりの成果をあげました。アメリカでも同じようなことが行われました。アメリカでは、細かい数字は忘れましたが、80年代から、90年代の終わりにかけてNPOの数が倍増どころか、数十倍に増えました。

NPOとはいっても、たとえば、アメリカでは大きなものから、小さなものまで、たくさんあります。ただし、地域に密着した小さなものが圧倒的に多いです。だからこそ、政府がやると、全国一律でやってしまい、本当に福祉が必要な人にはなにもいきわたらず、必要もない人に手厚い保護が施されるということはありません。また、政府特有の非効率もあまり発生しません。たとえば、アメリカなどだと、ある程度大きなところだと、都市計画のほとんどをNPOが実施しています。また、NPOといっても星の数ほどあるので、様々なサービスを提供しています。成功談の有名な話では、アフリカからきた言葉も満足に話せなかった女の子がNPOの提供するプログラムを受けて、ある企業に就職し、副社長にまで上り詰めたという話もあります。

アメリカのセーフティーネットは、こうしたNPOによるところがかなり大きいです。有力なNPOの中には、サブプライムローンの大失敗とは、対照的に、大昔から低所得者向け住宅を提供し続けて成功しているところもあります。こうした有力NPOでは、その構成員の中に最初から銀行、建築会社が含まれているものもあります。こんな世界は、日本では想像もつかないことでしょう。日本人の中には、悪徳NPOなどみて、胡散臭いと思っている人もいるようでしすし、アメリカの大きな社会事業を行うNPOのことも良くわからないようです。さらに、民間企業から有能な人がNPOにCEOとして迎えるられるなど、珍しくもなんともありません。でも、日本人はこうした話をなかなか理解できないと思います。

さて、私の下手な説明でも、ここまで読んでいただいたなら、お分かりになったと思います。福祉大国に失敗した西欧諸国は、NPOに福祉の仕事をやらせるということで、社会福祉の仕事の効率化を図ってきたといえます。もちろん、多くのNPOに政府から補助金がいきますが、経営の中身まで指示はしません。ただし、使命をどうしても遂行できないNPOに関しては、補助金を打ち切ります。NPO自身でも、資金を寄付金などで集めています。本当に、日本などより、幅も奥行きも広い数々のNPOが活躍しています。たとえば、年金を集めて、支給するなどの仕事も、アメリカでは年金機構というNPOが実施しています。

さて、日本では、急速に経済発展したため、実は、欧米のようにソ連台頭前から、NPOの歴史があったということはありません。だから、日本は、福祉大国からNPOに切り替えるということもなく、小さな政府を目指してしまっのです。それが、小泉さんの構造改革です。ただし、小泉さんの時代にも、NPOに関して何とかしようという気配は感じられました。しかし、結局何も行われませんでした。さらに、近いところでは、福田さんが、消費者庁を設立しようとしていた時期があって、その消費者庁では、NPOが活躍するようになっていたはずですが、それもうやむやになってしまったようです。

小泉構造改革は、こうしたNPOを旨く使って、効率の良い、しかも個々の国民のニーズに合致するセーフティーネットを構築するとか、大きな社会事業を実施させるというようなことは、全く考慮していません。これだけでは本当にバランスを欠いています。

なぜ、これが実現できないかというところでは、日本人の現代世界史に関する知識があまりないということもあるのかもしれません。こうした背景を知っている人は、日本では少ないです。日本の識者でも、あまり言う人はいません。おそらく、NPOの歴史がないので考えも及ばないのかもしれません。特に、戦前に生まれた人なら、日本全体が貧しかったので、NPOという考えそのものが珍奇で、意味をなさないのかもしれません。さらには、役人の抵抗があるのかもしれません。なにせ、社会福祉などの事業をほとんどNPOに実施させるということになると、高級官僚を除く、ほとんどの役人がいらないということになります。あるいは、NPOに移籍させるということになると思います。

いずれにせよ、小泉構造改革には、こうしたアメリカなどの先進国では当たり前になっているようなことが全く考慮されていなかったということだけは確かなことだと思います。どんな形であれ、セーフティーネットや、社会事業に取り組む主体を育てるなどの事をすべきだったと思います。

それと、こうしたNPOを旨く作っている国では、政府に対して「直接の社会的救済」まで、望むようなことはしません。そんなことは不可能だと多くの人が理解しています。政府というもは、どこの国のものであれ、もともとインフラなどをつくることはできても、そのインフラの上で具体的な行動などできないものなのです。インフラの上で動くことができるのは、民間営利企業であり、民間非営利企業なのです。しかし、今のマスコミや一般国民の考え方など、社会的救済は政府がやるものであり、できないのは、政府が悪いからだ。政府を運営している人間が悪いからだ。人間が変れば、すべては良くなると考えているようです。現在の日本でいえば、自民党でなく新たな政党もしくは、素晴らしい善人が政権を担当すれば、すべてが変わると思っているようです。しかし、そんなことはありません。また、イギリスやアメリカの国民は、インフラ整備のことでは、政府を責めますが、社会的救済を政府がやるべきものとは、もうほとんどの人がそうは思っていません。

しかし、日本人の多くが政府が社会的救済をするのが当たり前だ、できないのは、人が悪いからだと本気で信じているという事実。どこか、おかしいです。小泉構造改革で、アメリカでは取り入れられてる、NPOがすっかり無視されているということは、アメリカの差し金なのかも知れません。昨日は、中川大臣の辞職陰謀説について書きましたが、日本がこういう状況から一歩もでられないでいるこの状況や閉塞観、これもひよっとしたら、アメリカの陰謀なのかもしれません。日本が社会不安の最中にいつもあれば、国民の政府に対する信頼はがた落ちになり、社会は弱体化し、日本が世界向かってリーダーシップは発揮しにくくなります。

日本の政治家や官僚は、伝統的に、経済よりも社会を重視してきました。そのため、日本では、日本人が思っている以上に、諸外国から比較すると強い社会基盤を築いてきました。しかし、ここ10年ほどは、社会に対する配慮は影を潜め、経済というキーワードのみが重視されるようになりました。アメリカではあれほど、NPOが活躍しているというのに、小泉構造改革では、かえりみられることはありませんでした。そうして、多くの日本人は、未だに社会問題の解決の担い手は政府のみだと信じ込んでいます。なぜ、こんなことになってしまったのでしょう。経済的にはある程度恵まれているにも関わらず、日本の社会の絆が弱まり、国民の中にいつも社会不安があるような状況、誰が一番喜ぶのでしょうか?

私たちは、本当に、誰かの思う壺にはまっているのかもしれません。いずれにせよ、日本では社会問題の解決の手段として、まずは、多数のNPOを輩出させる必要がありそうです。

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2009年2月19日木曜日

中川財務相失脚につきまとう陰謀説-今の政局混乱はアメリカの思う壺?

中川財務相失脚につきまとう陰謀説
あの酩酊事件、今から考えると不思議です。あまりにも都合が良すぎると思いませんか?いろいろな方面で、まさに絶妙なタイミングで発生しています。それに、中川さんがいくら、飲酒好きといっても過去にあれほど酩酊したというような事例はなかったと思います。もし、アル中か何かで、どうしようもない状態になっているなら、今回でなく其の前に何らかの兆候があったものと思います。さらに、あの記者会見の席に着く前の足取りにも異常が見られたはずです。

麻生さんも、お酒は飲むし、北海道新聞の馬鹿女性記者から高い所で飲んでいるという前代未聞のお馬鹿指摘も受けています。中川さん、G7の会議そのものでは酩酊していたなどという話はでてきていません。背後になんらかの意図があったのではないかと勘ぐりたくもなります。あのロレツの回らないまるで泥酔とも見て取れるような状態で何故、記者会見を行う必要があったのでしょうか。普通なら側近の官僚や、SPが何らかの理由で取りやめてもおかしくない状態です。しかし、記者会見の前の足取りは普通で千鳥足ではありませんでした。あのくらい酩酊すると千鳥足になるのが普通だと思います。とすれば、丁度記者会見の時間を狙った、時限的に効力を出す薬物かもしれません。

酩酊事件がなければ、今朝の朝刊は、麻生首相の2月24日日米首脳会談決定が1面のトップニュースだったと思います。麻生内閣に非常に有利な話題がが見事に吹き飛んでしまいました。

記者会見直前のスタッフや記者を交えた昼食の席で、薬物が使われた可能性があるような気がします。古典的な手であれば、たとえば、目薬を酒や水の中に入れておくとか?外国だから証拠の保全はもはや不可能としても、記者会見直後の 大臣の血液を分析用に採取しているのでしょうか?あるいは、中川さんが病院にすぐに入院したのには、血液の中の成分を保全するという意味もあるのかもしれません。後で何か新事実が発表されるかもしれません。中川さんや、あるいは麻生さんなど勇気があれば、すぐに発表されるかもしれませんが、そうでなけば25年後くらいになるかもしれません・・・・・・。

上の行動日程をみると、やはり14日(土) 14:10~14:45 の「昼食会を中断、ホテルに戻り昼食」あたりが非常に不自然です。このへんで、何か不審な動きはなかったのでしょうか?財務省国際局長と、他の参加者が直接関与しているのでしょうか?あるいは、別の何かがあったのでしょうか。この疑惑、25年後あたりに解明されるかもしれません。

クリントン長官の訪日や、まるで出来レースのように用意したかのような、小泉元総理大臣のモスクワでの発言など、きな臭いにおいがプンプンとします。小泉さんは、日本の権力者などが本格的にアメリカに反意をみせれば、何らかの手段で潰されることを知っているひとであり、ブッシュとはべったりの関係を築いていました。

中川氏の後がまに添えられたのが定額給付金で麻生政権に大打撃を与えた与謝野であること、また中川氏の泥酔会見時に随伴していたのが財務省出身の官僚であったことがきな臭い臭いを発しています。

アメリカCIAの暗躍もあながち、否定できません。戦後、日本の総理大臣などの権力者が本格的に、アメリカに対抗しようとした場合CIAなどに潰されるというのは、知る人ぞ知る、事実です。たとえば、田中角栄は、ロッキード事件でCIAの暗躍で潰されています。このことに関しては、疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、私は、CIAの暗躍があったことは間違いないと信じています。当時、田中は原油の供給の安定化を図るために、エジプトに急接近していました。現在と違って、当時エジプトとアメリカは激しく反目しあっていました。

無論、アメリカ側は田中角栄や日本に対して、厳しくエジプトに接近するなというメッセージを送っていました。当時の、ある閣僚の随行員が、アメリカに閣僚と訪問したときに、アメリカのある閣僚より、「エジプトには手を出すな、さもなければ・・・・・・」といわれ、「なぜこんなことを言われるのか、日本は独立国ではないのか、こんなことってありうるのか」という感想を漏らしていたことを思い出します。

今の政局混乱はアメリカの思う壺?
今回のG7の後で、財務省の玉木国際局長(写真左)とともに、読売新聞越前谷知子、日本テレビ原聡子、ブルームバーグ下土井京子は、中川昭一財務大臣を同行取材するだけでなく、昼食後に飲酒した席に同席していたと報道されていますが、これらの人々が同席していたというのは非常に不可解です。

財務省の玉木林太郎国際局長が参院財政金融委員会理事会で虚偽の答弁をしたとして、財務省に対し、納得できる説明がない限り、玉木氏を同委員会と党財務金融部門会議に「出入り禁止」にすると通告しました。

玉木氏はローマの先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席した中川氏に同行。財政金融委の民主党理事によると、玉木氏は17日の理事会で、G7閉幕後にホテルで行った打ち合わせの様子を「同席していたが、中川氏が飲酒したかどうかは見ていない」と説明していました。

麻生政権を揺さぶる大打撃を与えるために誰かが何かを仕掛けたという可能性は十分考えられると思います。しかもこの事実いたるところから、その痕跡が消されています。たとえば、読売新聞のリクルートのサイトの中で社員紹介のものがあります。その中に以前は、越前谷知子記者の紹介も掲載されていて、その紹介記事に飛ぶためのバナーが設置されていましたが、現在では抹消されています。そのバナーが下のものです。このバナーは、画像検索でキャッシュとしてかろうじて残っていたものをダウンロードしたものです。サイトからはすでに抹消されています。さすがに、キャッシュまでは抹消できなかっのでしょう。しかし、このキャッシュもいずれ時間が経てば自動的に消えてしまいます。

越前谷知子氏、皆さんはどう思われますか?写真が小さくてわかりにくいですが、私には悪女面に見えます(笑)。

上の画像は、あるブログに掲載されていたものです。この画像は、今では、小さなものだけが、キャッシュとして残っている状態です。この画像は今回の事件が発生する前に何らかの動機でダウンロードされたものと思います。私なら、このオバチャンと一緒だからといって、大酒くらうようなことはしたくないですね。本当に酔っ払っていたとしても、「もっと若いのダセー」とわめき散らしているかもしれません(笑)。

Google の「他のキーワード」に「原聡子」「下土井京子」も捕捉されているので、さらなる抹消が進みそです。写真を探してみましたが、ヒットしません。もう抹消されたということでしょうか?読売新聞は、戦後一環して、アメリカが推進する日本弱体化のための3s政策をアメリカと協力して推進してきたとも言われています。無論真偽は確かでありません。もし、そうだとしても、そうだと公表する馬鹿はどこにもいませんから。もし、越前谷記者がこのことに関与していたとしたら?

これらのことが真実であるならばその卑劣極まりないやり方に非常に腹が立ちますし、中川氏になおのこと負けずにこの日本の国益を守る議員として今後も頑張っていただきたいと思います。もし、この説が正しかったとすれば、アメリカは弱体化した日本を望んでおり、金払いの良い、親密な政権を樹立したいということでしょうか?麻生氏も、中川氏も、常々アメリカから要請があったとしても、いつも気前良く金を出すべきではないと語っていたことが思い出されます。

今回訪日のヒラリー・クリントンの笑顔も、こういったことを考えながら思い出すと悪魔の微笑みに見えてきます。財務官僚主体の陰謀てはないかという話もありますが、私自身はその説は眉唾だと思います。まず、第一に、官僚が大きなリスクを犯してまでも、このようなことをする勇気はないでしょう。もともと、小心モノですから。それに、仮に官僚が関与したとしても、背後でCIAが糸を引いていると考えられます。何しろ、CIAの情報力をもってすれば、官僚の身辺のゴミをあさることはいくらでもできます。

今の日本の政局の混迷は、まさに、アメリカの思う壺なのかもしれません。100年に一度の金融危機というには、自民党も民主党も、あまりに余裕をかましていませんか?現在は、与野党一致で、対策を進める時期ではありませんか。アメリカは金融恐慌で力が落ちていて、世界に対する影響力が落ちるだろうといわれています。しかし、アメリカはそんなことは絶対に避けたいと考えるはずです、そのためには、アメリカにとって日本は、金払いがますます良くなり、アメリカのいうことは飼い犬のように何でも聞くようになってくれれば、一番都合が良いのです。私は、中川氏自身が「やられた!」と思って忸怩(じくじ)たる気持ちでいると思います。いずれにせよ、中川氏も油断してしまったということです。

上のことが誤解であり、中川氏がただ油断したというだけなら、良いのですが、このことに関してその誤解を避けたいのならば、読売新聞の越前谷知子氏や日本テレビの原聡子氏やブルームバーグの下土井京子氏は、中川大臣との食事の時の真相を話すべきだと思います。インターネット上からいろいろ情報を抹消するということは、何か後ろめたいことでもあるのでしょうか?

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2009年2月18日水曜日

クリントン長官インタビュー(主な内容)-オバマ政権にとって日本は重要なパートナー?

2月17日ニュース「クリントン長官来日」他

昨日はいろいろなニュースがあったような気がします。その中でも、クリントン長官来日のニュースは大きかったと思います。中川大臣の辞任に関しても、日本国内ではかなりの扱いですが、ちなみにアメリカのVOAを見てみましたが、何も掲載されていませんした。阿倍総理大臣の時には、扱っていましたが、財務大臣が辞めたぐらいでは、ニュースバリューとしては何の価値もないということなのだと思います。

クリントン長官インタビュー(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
クリントン長官の来日、やはり、重要だと思います。以下に朝日新聞のインタビューの内容を、日本語要旨とともに掲載します。

Following are key portions of an exclusive interview Tuesday with U.S. Secretary of State Hillary Rodham Clinton by Yoichi Funabashi, editor in chief of The Asahi Shimbun.

17日、都内のホテルで行われたクリントン米国務長官への船橋洋一・朝日新聞社主筆によるインタビューの主な内容は次の通り。

Question: Secretary Clinton, thank you very much for coming. We really appreciate you sharing your precious time and thoughts with us. Our first question is about North Korea. What would you say is the biggest difference between your administration's policy toward North Korea, particularly with regard to the nuclear issue, and the previous Bush administration's policy?

船橋 北朝鮮問題で前政権との最大の違いは何か。

Answer: Well, the previous administration's policy changed, as you know, over time. And I think the ending policy, that we had to engage in the six-party talks and even bilaterally with North Korea, is where they should have started, because I think that is exactly what we must do ... and that we have to work closely with the other partners, particularly Japan and South Korea, and engage with China and Russia to bring influence to bear on North Korea, to convince them that their pursuit of nuclear weapons is not acceptable and carries costs that are going to be quite high.

So we start from the premise that the six-party talks are a good forum and we will be appointing a successor envoy to Secretary (Christopher) Hill and engaging as broadly as we possibly can while trying to speak directly to the North Korean people and to the others in the government who are jockeying for a position that there are benefits that they would obtain if they began to cooperate.

国務長官 ご存じの通り、前政権の対北朝鮮政策は時間とともに変遷した。最終的な政策は、6者協議に関与しなければならないということで、北朝鮮との直接対話すら行った。前政権はそこから始めるべきだったし、我々もまさにそうしなければならないと考えている。

我々は他のパートナー、とりわけ日本と韓国とは緊密に連携しなければならないし、中国、ロシアには北朝鮮への影響力を行使して圧力をかけてもらわなければならない。北朝鮮に対し、核兵器への企ては受け入れられず、極めて高い代償になることを説得しなければならない。

 我々は6者協議は有益な場だという前提に立つところから始め、ヒル国務次官補の後任となる特使を任命し、可能な限り広範囲に関与する。それと同時に、北朝鮮の人たちや、(国際社会との)協力を始めれば利益を得られるとの立場を進めようとしている政府内部の人たちに直接、語りかけることを試みる。

Q: With this approach, how you see the human rights issues in this context?

船橋 その中で人権問題はどう扱うのか。

A: I believe that the agenda for the six-party talks is a comprehensive one--denuclearizing in a verifiable and complete way, dealing with their missiles, and the human rights agenda, which includes the abductees. 

長官 6者協議の議題は包括的なものだと信じている。検証可能で完全な非核化とミサイル問題や、拉致を含む人権問題だ。

Q: On China, concerns have emerged about its nuclear build-up. Since you have started to talk about the reinitiation of the START (Strategic Arms Reducation Treaty) with Russia--and also the desire for ratification of the CTBT, how do you put China's nuclear build-up in this context?

船橋 米国は包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准に意欲的だが、中国の核能力強化をどうとらえるか。

A: Excellent question. And it is one of the issues I intend to discuss with the Chinese-about the possibility of their becoming more involved in nonproliferation and arms control, as the Russians historically have been. China has a role that is important for them to play, and I hope that there will be an opportunity for us to begin negotiating on some of those issues.

 長官 それは中国と協議しようと思っている課題の一つだ。ロシアが過去にそうしてきたように、中国がより(核)不拡散と軍縮にかかわる可能性を話し合いたい。中国には(核不拡散や軍縮で)重要な役割がある。これらの問題のいくつかについて、交渉を始める機会があることを望む。


Q: So you are trying to initiate a bilateral negotiation, at least a process, to discuss this issue between the United States and China in the coming months and years?

船橋 米中の二国間交渉を始めようとしているのか。

A: Yes, it will be a discussion that can very well lead to some process.

長官 そう。それは、何らかのプロセスにつながりうる議論だ。

Q: With regard to the United States, China and Japan, there have been some voices arguing for starting that new process among those three countries because, particularly on global issues, so much overlapping interest and concerns have emerged. Perhaps it is the right time for those three countries to get together to at least consult each other with those mutual interests and concerns. Do you agree with that?

船橋 日米中は世界の諸問題に対し、重なる利益や懸念を有している。3カ国対話をする好機ではないか。

A: I think that's an idea worth exploring. Certainly Japan and China and the United States have a lot of concerns in common. As you know, China and Japan both have historically exported a lot of goods to the United States. In this economic crisis, they're both confronting some difficult decisions. The United States has a great desire in creating a cooperative relationship among China, Japan and ourselves. So we will be asking both countries if there are such opportunities for a trilateral dialogue that we could perhaps look forward to.

長官 探求に値するアイデアだ。確かに、日米中には共通する多くの懸念がある。日中は、歴史的に多くの商品を米国に輸出してきた。そして両国とも経済危機により、いくつかの困難な決定に直面している。米国は日中と協力関係を築きたいと強く願っている。だから、私たちは日中に対し、期待できるような3カ国対話の機会があるか問うてみたい

Q: Would it possibly include trilateral summits?

船橋 それは、日米中サミットも含むのか。

A: Well, this is one of those ideas that is just being born, so I think we have to see whether we can create a format that is acceptable to all three countries.

長官 これは生まれたばかりのアイデアだ。3カ国すべてが受け入れられる形がつくれるかを調べてみないといけない。

Q: Specifically, in what way do you think that those three countries really should promote mutual understanding and explore that common approach with regard to the global warming/climate change issue?

船橋 地球温暖化問題で日米中の3カ国はどのように相互理解を深め、協調して対応すべきか。

A: Well, I think that's a perfect example. Japan is further advanced than the United States and China in energy efficiency and clean energy technology. So creating a partnership among the three of us would benefit China and the United States, and economically benefit Japan. I think that helping China understand ways that it can lower emissions without undermining their economic growth, which is their big fear-you know, they look at Japan, how advanced Japan is; they look at the United States and they say, well, we have the right to develop and give our people a higher standard of living. Well, they do. But it would be far better if they did so in a way that limited emissions and led to clean energy uses. Japan has so much to offer to China on that front, and we have partnerships that we can offer as well. So I think that's a perfect example for the kind of trilateral discussion that you refer to.

長官 それは(3カ国の対話にとって)完璧(かんぺき)な事例だ。日本はエネルギーの効率化とクリーンエネルギーの技術では、米国や中国よりずっと進んでいる。だからこの分野で3カ国の協力関係を築くことは、中国と米国に利益をもたらすし、日本にも経済的利益をもたらす。経済成長を損なうことなく温室効果ガスの排出量を減らす道があると、中国が理解する助けにもなるだろう。(経済成長を損なうことは)中国にとってとても怖いことだから。
中国が日本や米国を見たならばこう言うだろう。我々には発展する権利があり、自国民により高い生活水準を与える権利があると。しかし、温室効果ガスの排出量を減らし、クリーンエネルギーを使うやり方でそれができれば、ずっといいことだ。日本はこの点で、中国に多くのことを提供できるし、提供できる協力関係もある。3カ国による対話をするうえでこれは完璧な事例だ

Q: Your predecessor, Secretary Condoleeza Rice, twice skipped attending the ARF and the ASEAN Regional Forum-perhaps for good reason-but the Southeast Asian countries, the officials and the politicians were a bit disappointed with the lack of presence on the part of the United States. What is your view of the United States' presence and commitment to Southeast Asian countries, particularly regionalism?

船橋 前任のライス氏は理由があるにせよ東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムを2回欠席し、失望感が生じた。東南アジア地域に米国はどう関与すべきだと思うか。

A: I think it's an important part of our global strategy to be involved in organizations like ASEAN. I certainly intend whenever possible to be at the regional meetings where the United States is invited to participate. And I hope that we can create even closer cooperation between the United States and the ASEAN countries.

長官 ASEANのような組織にかかわることは、私たちのグローバルな戦略にとって重要な部分だ。米国が招かれる会合には、できる限り参加する考えだ。ASEANの国々との間で、より親密な協力関係を築けると期待している。

Q: Are you planning to also participate in the East Asian Summit?

船橋 東アジアサミットには参加するか。

A: That I'm not as familiar with, so I will have to look at that. I know the timing on the ASEAN summit; I don't know the timing on the East Asian Summit.

長官 その会合はよく知らないので、確認しないといけない。開催のタイミングが分からないから。

Q: As you know, Japanese politics have been in disarray, and this sort of political immobility actually has already hampered the Japanese government from pursuing perhaps more dynamic, more forthcoming approaches or postures. Do you think this problem already has caused some problems in the context of Japan-U.S. relations, or at least imposed some constraints on the United States in terms of it exploring a common approach with Japan?

船橋 日本の内政の混迷状況は、日米協力にとって問題か。

A: I don't believe so. Of course, it is up to the Japanese people to determine their own political leadership. But I think that our alliance and partnership is durable, and it continues no matter who's in the White House in Washington, and it continues no matter who is in charge here in Tokyo. And I want to underscore that, because as important as my ministerial meetings are-and I had excellent meetings today with the foreign minister and the defense minister, and I'm looking forward to my dinner with the prime minister-the people of Japan and the people of the United States have a close relationship. We have so many values in common, we have a view of how it's possible to improve life for everyone by working together and having economic growth and prosperity. So I see our relationship as being very fundamental and we look forward to working with whomever the people of Japan choose as their leaders.

長官 そうは思わない。政治指導者を決めるのは日本国民だ。両国間の同盟とパートナーシップには耐久性があり、ホワイトハウスにだれがいようが、だれが日本の指導者であろうが継続する。その点を強調したい。

閣僚同士の会談はもちろん重要で、実際、今日も外相や防衛相と素晴らしい会談ができたし、麻生首相との夕食会も楽しみにしている。一方で両国の国民同士も、緊密な関係を有している。非常に多くの価値を共有しているし、ともに協力し、経済成長と繁栄を実現することで、人々の生活をよくできるという見方も共有している。

両国の関係はたいへん深く根付いたものだと考える。日本国民がだれを指導者に選ぼうと、一緒に仕事をすることを楽しみにしている。

オバマ政権にとって日本は重要なパートナー?
さて、上のインタビューの内容、皆さんはどう解釈したでしょうか?私自身は、良い悪いは別にしてアメリカは日本をアメリカとって重要なパートナーとみなしていることは間違いのないように思います。

さて、一昨日もこのブログに書きましたが、内閣府が16日発表した2008年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比3.3%減、年率換算で12.7% 減となりました。マイナス幅は第1石油危機に見舞われた1974年1~3月期(13.1%減)に次ぐ大きさだそうです。2けたの減少は約35年ぶりで、戦 後2度目だそうです。経 済成長の要である輸出は過去最大の減少率を記録し、世界的な景気後退の波が直撃した日本経済を浮き彫りにしました。

一昨日このGDPの数字について、おかしいという書き方をしましたが、少し誤解を招いたかもしれません。数字は嘘をつくわけはないので、数字の解釈の仕方がおかしいと改めます。

GDPに関しては、日本でも、アメリカでも随分前から、1、2位ということはなくなっています。ある程度、経済発展がいきつくところまでいった国では当然のことだと思います。別に新たにものを作ったりしなくても、すでに蓄えがあるということだからです。豪邸に住んでいる人が、また家を新しく建てる必要などありません。

おそらく、先の数字日本は、金融危機直後に迅速に手を打たなかったことをあらわしているのだと思います。ご存知のように、日本は、サブプライムローンなどの直撃を受けていませんから、少しのんびり構えすぎていたのだと思います。それに比較すると、アメリカやEU諸国などでは、大パニックになり、とにかく緊急避難的に手を打ったのとは、対照的に日本は出遅れています。それだけ余裕があったということです。

しかし、現在アメリカでも、特にEU諸国においは、いち早く金融的に手を打ったということで、現在小康状態になっているのみです。これから本格的な失速した実体経済が表面に浮かびあがってきます。金融の世界と、実体経済は密接に結びついてはいますが、中・短期的には離反することもあります。アメリカや、EUのGDPの数字が日本などより良く見えるのは、短期的な手をすばやく打った打たないの違いがあるだけです。

この理屈個人の生活などにおきかえてみれば、たとえば、借金まみれの人が、急に金融危機になったからといって、借金に依存する生活をすぐに切り替えることなどできません。あるいは、自分から切り替えるなどなかなかできません。銀行から借りられる限りは借り続けます。そうすると、前と同じように消費をします。こういう人たちが多数存在すれば、短期的には、消費は減らず、GDPもあまり下がりません。しかし、時が経てば、借金まみれの生活は続けられなくなります。というより、強制的に打ち切られます。そうして、自己破産などします。そうなると、消費はやめるというより、できなくなります。そうなると、GDPもがくんと落ちます。

アメリカや、EUが打った手というのは、結局のところ上の借金まみれの人が短期に集中して、収拾がつかなくなるのを防いだというに過ぎません。たしかに、混乱が一度に大量に発生することを防ぐには役立ちます。しかし、いずれ、このようなことは続けられなくなり、真の実体経済が顔を現します。そのときには、12%減ではすまなくなるかもしれません。12%減とまではいかなくとも、低い数値が実体経済が良くなるまで長期間にわたって続くことになるでしょう。

アメリカでは、民間や政府のアナリストなどこうしたことをしっかり把握しているのだと思います。特にアメリカの政府筋の経済アナリストの能力は高いです。1950年代にアメリカのある経済アナリストは、ソビエト連邦の崩壊を予知していました。無論日本の実体経済についても把握していると思います。だからこそ、円高に傾くのだと思います。日本の場合は、短期的な生産大幅減によっても、在庫の調整や、雇用流動などがあまりうまくいっていないということだと思います。実体経済自体は、アメリカやEUよりはるかに良い状態にあるのだと思います。この実体経済の素顔は、早ければ、5月、遅くても9月頃には姿を現すと思います。日本が最も真剣に対策をすすめて、内需拡大策を図ると、もっと早くなるかもしれません。5月に関しては、もうすでにトヨタが増産体制に入ります。

日本は、もともと内需大国だったのをここ10年間で、トヨタやソニーなどの大企業が自国の国民にあわせた商売よりも、安易な北米のバーチャル需要に頼りすぎていただけの話です。ただし、それも、EUや中国などの他の国から比べれば、はるかに軽微です。金融危機がおこる直前の日本における、GDPが輸出に占める割合は16%に過ぎません。他国との比較でいえば、日本が輸出大国だったことはかつて一度もありません。日本輸出大国説は、現代史に関する勉強不足のマスコミの捏造です。

これが、EUや中国だと、40%を超えます。本当に大変なことです。しかも、日本が16%になったのはこの10年のことであり、10年以上前は、8%以下にすぎませんでした。ここ、10年で依存度が増えましたが、それさえも、他国から比較すれば軽微なものです。この10年で依存度が高くなったので、マスコミなどがそれを超過大に評価しているだけです。日本が高度成長していたとき8%だったものは、現時点でもある程度時間をかければ、8%に戻せるはずです。努力が足りないだけです。政府も、民間もある程度本気で努力すれば、何とかなる範囲内です。これが、EUや中国の場合は、なかなか難しいというより、相当時間をかけなければ無理でしょう。

アメリカは、日本のこうした掛け値なしの実力を知っているのだと思います。だから、こそ、現状で最も重要なパートナーという考え方をしているのだと思います。日本の外務省などでは、アメリカが中国に接近するのではないかとみていた節もありますが、今日の状況を冷静に判断すると日本重視は正しい選択です。今後しばらく、中国は経済的には低迷し続けることでしょう。

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2009年2月17日火曜日

09年度予算の衆院通過を待たずに辞任=中川財務相-海外の習慣と、メディアには気を使え!!

中川財務相、G7会見で迷言 泥酔か?


09年度予算の衆院通過後に辞任=中川財務相(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
 中川昭一財務相兼金融担当相は17日午後、財務省内で緊急に会見し、体調の不良や7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後にろれつの回らない会見を行ったことなどの責任を取り、2009年度予算案と関連法案が衆院を通過した段階で辞表を提出したいと述べた。

 中川財務・金融相は会見の冒頭、「(14日の)G7会合後の記者会見で関係方面にご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい」と、あらためて陳謝し、「09年度予算・予算関連法案が衆院を通過したならば、私自身のけじめとして直ちに辞表を提出したい」と財務・金融相の辞任を表明した。

 辞任を決意した理由は、体調とG7会見の「両方だ」と説明。体調については、昨夜と17日朝に病院で診察を行った結果、「腰や風邪、疲労がたまっているとの診断を受けた」とし、早ければ17日にも入院して病院から国会審議に向かう考えを示した。

 辞任を決めたタイミングについては「ローマでの記者会見の後、いろいろな人からお叱りやご意見をいただき、最終的にはきょうになってから(決めた)」と述べ、麻生太郎首相には辞任表明会見の直前に意向を伝えたという。麻生首相からは「全力を尽くして当面の懸案事項に取り組めとの指示があった」とし、首相も了承したことを明らかにした。

■続報
 中川昭一財務相兼金融担当相は17日夜、首相官邸に麻生太郎首相を訪れ、辞表を提出した。会談後、中川氏が記者団に語った。首相は辞表を受理したという。

 中川氏は17日昼、2009年度予算案と関連法案の衆院通過後に辞任する意向をいったん表明していたが、野党側が猛反発し、国会審議が中断するなど混迷が深まっていた。こうした事態に対し、与党内からも早期の辞任を迫る声が広がっていた。 

 共同通信は、後任に与謝野馨経済財政金融担当相が就任し、3つの担当を兼務すると報道している。

海外の習慣と、メディアには気を使え!!
日本では、飲酒に関しては未だかなり寛容な社会だと思います。本会議などであのような醜態を晒した場合はお陀仏だと思いますが、記者会見くらいなら、多少非難を浴びても何とか許容されることのほうが多いと思います。

しかし、厳密な意味でのアングロ・サクソン系の社会では、飲酒に関しては厳格です。アングロ・サクソンとは、現在のイギリス(イングランド)人の祖先のことで、アングル人、サクソン人らを混合人種としてさす場合と、アングル人の土地(英国)のゲルマン系サクソン族をさす場合と、二通りの意味があります。

ここでいう厳密な意味でのアングロ・サクソン系の社会とは、後者のアングル人の土地(英国)のゲルマン系サクソン族の社会をいいます。これらの人々は、現在、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどに居住しています。そうして、これらの人々の生活習慣は、当該国の他の多くの人々にも大きな影響を与えています。

この社会の人々は、飲酒に関してはかなり厳格な行儀作法を適用しています。日本やドイツなら、人に迷惑をかけなければ、多少飲んで騒いでもとやかく言う人はいません。それどころか、全員がある程度飲んで、陽気になって騒いだり、歌を歌ったりするときに、しらけているような人は無粋な人間だと思われます。しかし、アングロ・サクソン系の社会では、そのような習慣はありません。飲酒すること自体はとがめはしませんが、飲酒して酔った様自体を人に見られること、見せることは恥ずかしいことだとされています。だから、結構酔っていても、そのそぶりは人には悟られないようにします。むろん、これが堅持されているのは、上層のほうのみですが、他の階層の人々も相当影響を受けているのはいうまでもありません。

アングロ・サクソンとは言っても、大昔特にキリスト教に帰化する前は文化程度の低い野蛮人の集まりですから、酒を飲んで、騒いだりすると、殴り合いとか、強姦とか、酷い場合には殺し合いなどが多数起きたので、そういうことが起こらないようにこうした風習が出来上がったのだと思います。

こういう社会に育った人は、やはり中川氏の様子は見苦しかったのだと思います。たとえ、風薬のせいがあったとしても、ああいう醜態を見せること自体が耐え難いことなのだと思います。おそらく、アングロ・サンソン系の社会の人々は、ああいう醜態を見せるくらいなら、風邪などを理由として出席を辞退するのではないと思います。

この話、イギリスの昔の宰相であったチャーチルの動画などみると良くわかると思います。チャーチルはアングロ・サクソン系ですし、彼はいつも昼寝をする習慣を持っていました。重要な会議あるときほど、長めに昼寝をして、余裕で会議に出席 していました。そのため、会議などの場では、いつも、満面に笑みを浮かべて元気そうでした。それに、弁舌をぶちはじめると、2時間でも4時間でも平気で話 をします、しかもイギリス特有のレトリックをつかいながら滔々と演説をぶちます。そのため、他国の代表団など痺れをきらして、仕方なしに妥協するということが少なからずありました。彼は、相当のスコッチ好きであることは有名で、かなり飲んだようです。彼のトレードマークにもなっている、葉巻くゆらしながら、スコッチを飲んでいる姿を多くの人が目にしています。しかし、彼が人に自分が酔っている姿を見せたことは終生なかったと思います。

Winston churchill "finest hour"


今回、この出来事に関して、海外でも報道されましたが、やはり、手厳しい批判は、アングロ・サクソン系の国々のものでした。海外に出るということは、社会習慣の異なる人々と接触しなければならないということです。観光旅行くらいなら、さほど問題はないでしょうが、公式の場に出るときとか、海外メディアが入っているときなどは、気をつけなければなりません。飲酒のことなど、ごく一例にすぎません。他にも、たくさんの習慣・風習があり、それを理解していないと失敗することもあります。

中川さん、それなりに功績もあったし、優秀な人です。残念なことです。

ちなみに、本日は、ウインストン・チャーチルのことも掲載しましたので、彼の名言集を以下に掲載しておきます。

ウィンストン・チャーチル名言集
「過去を遠くまで振り返ることができれば、未来もそれだけ遠くまで見渡せるだろう」

"The farther backwards you can look, the farther forward you are likely to see."

「成功とは、意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである。」
"Success consists of going from failure to failure without loss of enthusiasm."

「真の天才とは、不確定で危険な、相矛盾する情報を評価する能力にある。」

"True genius resides in the capacity for evaluation of uncertain, hazardous and conflicting information."

「絶対に屈服してはならない。絶対に、絶対に、絶対に、絶対に。」
"Never give in. Never. Never. Never. Never."

「血と労苦と汗と涙のほかに、私が差し上げられるものはありません。」

"I have nothing to offer but blood, toil, tears and sweat."

「あまり先を読みすぎるのは誤りである。運命の鎖の輪は一つずつ扱われねばならない。」
"It is a mistake to look too far ahead. Only one link in the chain of destiny can be handled at a time."

「私はいつも前もって予言をするのは避けることにしている。なぜなら、事が起こった後に予言する方が優れたやり方だからである。」

"I always avoid prophesying beforehand,
because it is a much better policy to prophesy after the event has already taken place."

「人類の行いがかくも強大で恐ろしくなった今、然るべき人物が、然るべき場所で、然るべき時に、個人的に会うことが、我々が心から願う平和を実現する上で貴重な役割を演じるかも知れない。」

"Vast and fearsome as the human scene has become, personal contact of the right people, in the right places, at the right time, may yet have a potent and valuable part to play in the cause of peace which is in our hearts."

「我々の目的は何かとあなたは尋ねる。それに私は一語で答えよう。それは『勝利』 ― いかなる犠牲を払っても得るべき勝利、あらゆる恐怖に打ち勝つ勝利、長く苦しい道のりに関わらず得るべき勝利である、なぜなら、勝利なくして生存はありえないから。」

"You ask, What is our aim? I can answer with one word: Victory - victory at all costs, victory in spite of all terror, victory however long and hard the road may be; for without victory there is no survival."

「これは終わりではない。これは終わりの始まりですらない。しかし、あるいは、始まりの終わりかも知れない。」
"This is not the end. It is not even the beginning of the end. But it is, perhaps, the end of the beginning."

「築き上げることは、多年の長く骨の折れる仕事である。破壊することは、たった一日の思慮なき行為で足る。」

"To build may have to be the slow and laborious task of years. To destroy can be the thoughtless act of a single day."

「悲観主義者はすべての好機の中に困難をみつけるが、楽観主義者はすべての困難の中に好機を見いだす。」
"A pessimist sees the difficulty in every opportunity; an optimist sees the opportunity in every difficulty."

(死の恐怖はないかと問われて)
「私は創造主に会う準備はできている。主が私に会う準備ができているかどうかは、別問題だが。」

"I am ready to meet my maker. Whether my maker is prepared to meet me is another matter. "


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