マックとユニクロ、低価格路線で好調(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
30日間マクドナルドを食べつつけた人の記録(クリックすると写真が拡大します)
日本マクドナルドホールディングスが2日発表した2009年1~9月期連結決算によると、フランチャイズ店も含めた全店の売上高は前年同期比3・3%増の3974億円と、1~9月では過去最高を記録した。
「ユニクロ」のファーストリテイリングが2日発表した10月の国内売上高(既存店ベース)も、前年同月より35・7% 増えた。単月としては、フリースブームが起きた01年3月(42・6%増)以来の高い伸
びだ。消費不況が深刻化する中、低価格路線を追求する小売企業の好 調ぶりが一層、際立ってきた。
マクドナルドは、コーヒー1杯が無料となるキャンペーンや、一回り大きなハンバーガー「クォーターパウンダー」が人気を集め、客足が鈍っている ファミリーレストランや居酒屋など、他の外食チェーンを突き放した。利益も好調で、1~9月連結決算では、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比23・ 9%増の176億円となり、01年の株式上場以降で最高となった。
ユニクロは、保温性の高い肌着「ヒートテック」や定番商品のフリースが売れた。靴の新ブランドや有名デザイナーのジル・サンダー氏がデザインした衣料も好調といい、衣料販売に苦しむ百貨店やスーパーを尻目に独走状態が続いている。
安いだけか?
ユニクロのやり方を見ていると、デザインなどは、別として、工場をバングラディシュに移すなどして、かなり低廉化しています。いろいろ努力しています。ユニクロについては、また別の機会に述べることとして、本日はマクドナルドで気付いたことを掲載します。
マクドナルド、以前のような100円マックというような単純な値下げをしているわけではありません。全部で2,000円の商品をセットで1,000円にするというような、売り方をしています。
個々人で食べると、割高ですが、複数人数で食べるとかなり割安になるということです。そうすると、家族で食べるとか、友人・知人同士、会社の同僚などと食べるということになると思います。相当前から、マイナスイメージの個食が増えつつあるので、こうした共食の機会を創出するのは良い方法だと思います。いわゆる共食縁を積極的につくりだしていこうという考えだと思います。
現在不況の最中にあるため、あまり目立たないですが、「共食」により、人と人とのネットワークを再活性化し、日本の食生活をプラスの方向にもっていく業態が成功を収めるようになると思います。マックは、その先駆け的なことを実施していて良い業績をあげているのだと思います。そういった意味で、マック動向は今後も注目に値します。
そうして、チラシなどを見てみると、色使いは、赤や黄色などを用いていますが、従来のようなカラーではなく、ある程度高級感のあるカラーにしています。また、商品に影をつけるなどの工夫をして、高級感を出しています。残念ながらチラシは、捨ててしまったので、サイトの写真を上に掲載してみました。
さて、数年前のマックのチラシというと、残念ながらこれも捨ててしまって今はないのですが、サイトで探してみると似たようなイメージのものが見つかりました。下は、タイのマック・デリバリーのチラシです。
日本でも、数年前までは、このような感じだったと思います。同じ、ハンバーガーを訴求するにしても、随分違います。やはり、下の方は、特に安さと、デリバリーという利便性を訴求しているのだと思います。
先の、サイトの場合は、安さではなく高級感を出しています。2000円のものを1000円で売れば、確かに安売りには違いないですが、安いだけではないというところを打ち出したいのだと思います。マクドナルドでは、最近では、メイド・フォー・ユーといって、従来はつくり置きをしていたのを改め、すべて、注文が入ってからつくるようにしています。何とか努力して、価格を安くしてはいるのですが、品質が良いということをアピールしているのだと思います。
チラシや、サイトの画像などは、企業の訴求したいポイントを表現しているものです。やはり、マックのものは、安さだけを前面に打ち出しているわけではないので、企業としてもそういう考え方なのだと思います。マックは、戦略面では個食の代表
であったハンバーガーを共食のアイテムとして再構築しようとしているのだと思います。さらに、戦術面では、最近の景気動向にあわせて、低めの価格設定をしているのだと思います。ただし、ただ安くするというのではなく、戦略に沿った下げ方をしているのだと思います。
ところで、これらのチラシやサイトなどを見ていると、ふと思い出すことがあります。そうです、色使いや、デザインなどをみていると、いわゆる、ファスト・カジュアルという業態を思い出してしまいます。これは、数年前はやった業態ですが、マックダイニングというファスト・カジュアル業態などつくりましたが、結局はうまくはいきませでした。そうです、少し前にはやった、1000円バーガーの一種ともいえる業態でした。
このファストカジュアル、とは、
ファストフードと
ファミリーレストランの中間の新業態で、アメリカでは外食業界で一番伸びている業態でした。 ファストフードより高価格で注文からの時間は長く、ファミリーレストランより低価格で待ち時間を少なくしたものです。店内で食事を採れるものもあれば、持ち帰りも可能です。要するに、店に入ると、つくりはファスト・フードの店の少し高級な感じで、料理の注文方法、受け取り方法はファストフードと同じなのですが、出てくる料理は、手づくり部分が多く、こだわりもあり、いわゆるアメリカいうところの、カジュアルレストラン(フォーマル・レストランよりは低価格なレストラン)のような料理が提供されている業態です。
店舗形態はさまざまである。ファストフードチェーンやファミリーレストランチェーンなども参入しており、既存の店舗にファストカジュアルのメニュー をそろえることもあれば、ファストカジュアルのみの新店舗を出店することもあります。大型スーパー等に併設されるイートインタイプの店舗もファストカジュアル の一種です。
このファスト・カジュアル、日本ではレストランの概念としては、まだ根付づいていないようです。しかし、現在のマックは、こうしたファスト・カジュアルを相当意識しているではないかと思います。マクドナルドは、業態としてはファストフードではありながら、ファストカジュアル寄りにしているのだと思います。現在金融危機の最中にあるため、本当はファストカジュアルの業態にしたいところを、景気回復を待っているのかもしれません。
マクドナルドは、数年前から、マックのファストカジュアル業態でもある、マックダイニングを展開(写真左)してきましたが、まだ、店舗数は圧倒的に少ないです。景気が回復してきたら、一気にこの業態を増やしたいと考えているのだと思います。通常の店舗で、いろいろ実験をしつつ、機会を狙っているのだと思います。
アメリカの典型的なファスト・カジュアル・レストラン"Panera Bread" 実は、私たちのピザ・テンフォーも、こうしたファスト・カジュアルレストランと似たようなところがあり、誕生したのも、今アメリカで有名なファスト・カジュアル・チェーンと創立と同じような時期でした。そうして、ファスト・カジュアルが日本に入り始めた頃には、特にテンフォーでは他のピザ宅配業者などとは全く異なったコンセプトで、和風テイストのピザの種類も多かったものですから、私自身は勝手に
「元祖和風ファストカジュアル」などと命名していました。ただし、今考えると、その当時のファストカジュアルは、いわゆる1000円バーガーに象徴されるように、価格はファストフードよりも高めでした。ところが、ピザ・テンフォーのピザは、価格帯が低く、ファストカジュアルとして認知されることは無理があったと思います。
さて、マクドナルドの話を掲載してきましたが、私たちのピザテンフォーでは、創業当初の20年前から、「低価格、高品質」ということを看板にかかげてやってきました。「高品質」などと書くと手前味噌のお仕着せのように感じられる方もいるでしょうが、でも、私たちは本気でそのつもりでやってきました。そのため、手作りの部分も未だ多く、ピザも創業当初から作り置きはしていません。実際、デンマーク農業理事会の運営する日本にあるチーズ学校の先生も、品質に関しては、高く評価していただくことができました。それよりも、何よりも、20年間続けられたということは、それなりにお客様に支持されたということでもあると思います。
発祥は、北海道函館ですが、現在では、北は稚内から、南は鹿児島まで、展開しています。ただし、関西にはほとんど店はなく、東京も少ないです。
マクドナルドのことを書いているうちに、私たちのピザ・テンフォーも10年、20年前から比較すると、世の中が随分変わってきたので、東京などに多店舗展開しても、お客様に理解していただけるのではないかという気になってきました。いずれにせよ、マックにしろユニクロにせよ、現状の景気の良くない時期でも、努力して業績をあげているわけですから、目は離せないです。このブログでも、また、時々掲載していきます。
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