2011年9月28日水曜日

グーグル検索方式変更で悲鳴 もうテクニックが通用しない!―【私の論評】【私の論評】サイトの品質は、もともと、コンテンツが勝負!!

グーグル検索方式変更で悲鳴 もうテクニックが通用しない!



   検索エンジンのグーグルが実施した、検索結果をランキングするアルゴリズム(検索ルール)の変更が波紋を広げている。

   通信販売業などの中小企業が自社サイトを上位にランク付けしてもらうために、対策を講じるSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)。それを請け負うSEO業者が淘汰される可能性が出てきたからだ。

グーグルは口コミ情報や取材力を評価する
   本来グーグルなどの検索エンジンは、ユーザーのキーワードを一定のアルゴリズムに基づいて判断し、役に立つ、価値のある情報を上位に並べようとする。情報の価値が低かったり、調べるのに時間がかかったりしては、検索エンジンとしての信用が損なわれるからだ。

   SEOとは、そういった検索エンジンに自らのサイトを上位に表示できるようにするテクニックをいう。国内でSEOを手がける業者数は統計のうえでは不明だが、「1000~2000社はある」(あるSEO業者)とされる。SEO専門業者からWEB制作会社が業務を請け負うケースまで幅広いからだ。

   インターネット上のSEO業者の比較サイトでは、数百社から1000社程度の実績を有する業者が上位にあり、どの業者もグーグルやヤフーの検索エンジンで「10位保証」などと謳っている。

   ところが、2011年6月にグーグルがアルゴリズムの大幅な変更を行ったもようで、これまでのテクニックが通用しなくなり、SEO業者を利用している中小企業が大混乱した。グーグルの上位表示から漏れて自社サイトへの来場者が減少。通信販売業者などはそれが売上げにも響いた。

   自社サイト内のコンテンツに他社と同じ情報が含まれていたり、他社と重複するコンテンツが含まれていたりする場合、また住所や店舗名など著作権のない情報を寄せ集めてつくられたサイトの表示順位を、グーグルは著しく落としたとされる。

   全日本SEO協会の鈴木将司代表理事は、「もともとグーグルには口コミ情報や取材力のあるサイトを高く評価する思想があります。その思想をさらに強化するため、今回の変更が行われ、それによって無名でもコツコツ情報を更新する企業のサイトが上位に表示されるようになったのです」と説明する。

SEO業界は淘汰の時代にある
   SEO業界はこれまで、自らリンク目的のダミーサイトをいくつもつくって大量にリンクを張ったり、あるいは業者からリンクを買ったりすることを「SEO対策」と称し、業績を伸ばしてきた「コンテンツファーム」と呼ばれる業者が少なからずある。

   YST(ヤフー・サーチ・テクノロジー)のようなロボット検索エンジンでは、「それが通用していました」(鈴木氏)が、ヤフー・ジャパンも検索エンジンにグーグルを使うようになり、徐々にそんな「裏技」が通じなくなった。

   今回のグーグルの変更でも、「業者によっては付け焼刃な対応として、在宅ワーカーに無理ヤリ検索させて上位にもっていっているが、手間もかかるしコストもあわないので採算がとれなくなる」と、あるSEO業者は漏らす。競争が激化して、「単価が落ちてきている」こともある。

   前出の鈴木氏によると、「SEO業界はすでに淘汰の時代に入っています」と指摘する。米国のSEO業界では、アウトソーシング型のシェアが落ちて、インハウス型へとシフトしている。鈴木氏は「(検索の上位にランクされるには)コンテンツを磨くことが大切であるということが再認識されたようです」と話し、日本でもその流れが広がっているという。

【私の論評】サイトの品質は、もともと、コンテンツが勝負!!
私は、このブログもそうなのですが、いわゆるSEO対策なるものをやったことは一度もありません。どちらかといえば、コンテンツを充実させようと努力してきました。だから、私のブログは影響が全くないです。

それにしても、SEO対策、できなくなれば、それにこしたことはないと思います。優良なサイトが、SEO対策をするサイトに埋もれて検索しにくいなどということがあれば、全く意味がないです。Googleで検索していても、本当に探したいものがなかなか、見つからなくていらいらすることもありました。アルゴリズムが変わったということで、今度は、そのようなことがなくなっているに違いありません。

さて、SEOの例として、たとえば、最近Googleが、発表した、2011年世界で最も検索された女性がありましたが、これなど、典型だと思います。

特に、歌手が多いのが目立ちます。これって、おそらく、版権を持っているようなところが、やはり、かなり力を入れて、SEO対策をしているのだと思います。

本日は、このGoogleの発表をただ掲載するだけでは面白くないので、50位~1位まで、下に写真を順番に掲載します。


50:ブレイク・ライヴリー(女優・4780万回)


49:マリリン・モンロー(女優・4790万回)


48:シェリル・コール(歌手・4970万回)


47:キャリー・アンダーウッド(カントリーミュージシャン・5050万回)


46:ケリー・クラークソン(歌手・5140万回)


45:ヒラリー・クリントン(政治家・5140万回)


44:スカーレット・ヨハンソン(女優・5270万回)


43:ミシェル・オバマ(ファーストレディ・5290万回)


42:ナタリー・ポートマン(女優・5310万回)


41:ニコール・シャージンガー(歌手・5640万回)


40:ペネロペ・クルス(女優・5720万回)


39:チェルシー・ハンドラー(スタンダップコメディアン・5780万回)


38:ヒラリー・ダフ(女優・5850万回)


37:シアラ(歌手・5880万回)


36:ケシャ(歌手・6160万回)


35:カイリー・ミノーグ(シンガーソングライター・6270万回)


34:ヴァネッサ・ハジェンズ(女優・6240万回)


33:エマ・ワトソン(女優・6750万回)


32:ジェシカ・シンプソン(シンガーソングライター・6910万回)


31:クリステン・スチュワート(女優・7130万回)


30:ジェニファー・アニストン(女優・7140万回)

29:アシュレイ・ティスデイル(女優・7160万回)


28:ファーギー(歌手・7370万回)


27:ジェシカ・アルバ(女優・7950万回)


26:キャサリン(ケンブリッジ公爵夫人・8130万回)


25:サラ・ペイリン(政治家・9010万回)


24:マライア・キャリー(シンガーソングライター・1億700万回)


23:クリスティーナ・アギレラ(シンガーソングライター・1億1100万回)


22:ミーガン・フォックス(女優・1億1800万回)


21:オプラ・ウィンフリー(テレビ司会者・1億2400万回)


20:アンジェリーナ・ジョリー(女優・1億3400万回)


19:パリス・ヒルトン(ソーシャライト・1億4500万回)


18:テイラー・スウィフト(カントリーミュージシャン・1億5900万回)


17:リンジー・ローハン(女優・1億7300万回)


16:アヴリル・ラヴィーン(シンガーソングライター・1億7500万回)


15:アデル(シンガーソングライター・1億7700万回)


14:セレーナ・ゴメス(女優・1億7900万回)


13:ビヨンセ(シンガーソングライター・1億9500万回)


12:マイリー・サイラス(歌手・2億700万回)


11:ジェニファー・ロペス(歌手・2億1400万回)


10:マドンナ(シンガーソングライター・2億3000万回)


9:キム・カーダシアン(ソーシャライト・2億3200万回)


8:シャキーラ(ラテンポップシンガーソングライター・2億3900万回)


7:ケイティ・ペリー(シンガーソングライター・2億6300万回)


6:ブリトニー・スピアーズ(歌手・2億7700万回)


5:ニッキー・ミナージュ(ラッパー・2億9600万回)


4:シェール(歌手・3億4000万回)


3:リアーナ(歌手・3億8400万回)


2:ジャスティン・ビーバー(歌手・4億9600万回)

※彼はもちろん男性ですが、ジョークとしてランキング入りしています。


1:レディー・ガガ(歌手・5億7800万回)


レディー・ガガがダントツの一位で、5億7800万回です。アメリカの人口を上回る、アクセスがあったんですね。ある意味驚きです。しかし、やはり、何らかの形で、SEO的なものはあるのだと思います。

それにしても、あの韓国のスターは誰もでていませんね。ということであれば、SEOばかりが順位の決め手ではないのかもしれません。個人的には、私の、好きな、ジャズシンカーのダイアナ・クラールが入っていないのが非常に残念でした。

今回アルゴリズムを変えたので、この順位来年はどうなるのか楽しみです。

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2011年9月27日火曜日

ころころっとしてる定点観測デジカメが5000円台!―【私の論評】レコロの可能性は、無限?!!

ころころっとしてる定点観測デジカメが5000円台!

かわいいくせに、やることはやるんです。

決まった時間になるとシャッターをパチリ。それを最高で365日も続けられるインターバルレコーダー「レコロ」がお安く買えますよ!

センサーはVGAのCMOS。でもここで「なーんだ」というのは早い。単3乾電池2本で動作するのですが、3秒間隔だと約2000枚、1日間隔で撮影する設定にすれば、前述したように1年間も、同じ時間に1枚づつ撮影して動画ファイルに仕立ててくれます。

IPX3相当の防雨設計なのもポイント。焦点距離も35mmフィルム換算で32.5mmとなかなかの広角っぷり。

実際に作れる動画はどんな感じなんでしょうね? 見てみましょうか。




SDHCカードに対応していますが、そこまで容量をつかわない(別売りのACアダプタをつけて9999枚の撮影をしても約750MB)ので、512MBとか1GBなどの、余ったSDカードを使うのがよさそう。ああ、こういうストレージに優しい仕様もキングジムだ...!

というわけで、トクモードで絶賛発売中です。ペットのケージの前に1つ。ドライブレコーダーとしてクルマに1つ。畑や田んぼに1つづつと、あっちこっちに置いちゃいましょう。

【私の論評】レコロの可能性は、無限?!!
この、レコロ、結構売れるのではないかと思います。こうしたインターバルレコーダーは、従来は、機材などが高価で、一般の人には、なかなか手の出せないものですが、この5000円台という価格で手に入るということですから、誰にも気軽にできます。

このインターバルレコーダー機能といえぱ、あのタブレット端末の、auXoomにもついていましたが、確かに便利といえば、便利ですが、タブレット端末につけた機能としては、失敗だったと思います。だかでしょうか、ほとんど話題にもなりませんでした。タブレット端末など、インターバルレコーダとして、用いれば、その間、タブレット端末としては、使えませんし、野外においておくのも、不安です。

しかし、レコロであれば、手軽にできます。たとえ、機材がなくなったとして、5000円台ですから、それほど痛手ではありません。まさに、開発元キング事務さんは、凄いです。あのポメラもすごかったですが、レコロも、きっとかなり売れるヒット商品になることでしょう。

それに、このレコロ、上記のように、単に、遊びで使っても、面白いですが、上の記事のような、ドライブレコーダー以外にもいろいろ使えそうです。まず思い浮かぶのは、防犯用ですね。防犯カメラなど、インターバル撮影していないと、そのままみていては、時間がかかるし、早送りだと、見逃すおそれもありますが、インターバル撮影なら、そのあたりは、適当に調整できて、非常に便利だと思います。

それから、マーケティングに、強力な助っ人になりそうです。たとえば、スーパーで、動線をみるとか、特定の売り場にどのようなお客さんが来ているのかを知ることに用いるとか、さらには、新店をオープンする際に、物件などに、設置しておけば、店舗の前の通行車両量、通行者量が正確に調べられます。1年間も継続して調べられたら、これは、すごいです。1台、5000円なら、たとえ、10台設置したとしても、たった、5万円です。100台でも、50万円です。これは、凄いことですね。

それに、医療でも、睡眠時無呼吸症候群を調べるにも、もってこいです。また、癲癇症の人は、発作が起こったときの状況が良くわかれば、対処法も講じやすいとか、原因を突き止められやすいという話も聴いたことがあります、それに、自閉症の子供を観察するにも適していると思います。このそれ以外にも、医学的や、研究開発用にいろいろな用途が考えられます。

これらは、すべて、実用的な用途ですから、480ピクセルで十分すぎるほどだと思います。しかし、アート的な撮影には、やはり、720ピクセルは欲しいところです。キング事務さん、もし、レコロがかなり売れたら、これも、挑戦してみる価値があるのではないかと思います。

下に、アート的なインターバルレコーディングの事例をアメリカの動画サイトのvimeoから、貼りつけておきます。


こういうのが、手軽にできたら、本当凄いですね。今までだと、特定の人しかできなかっのが、素人でもできるようになり、素人の感性を活かした、素晴らしい作品ができるようになるかもしれません。

レコロ製品仕様
■品番/IR5
■本体色/オレンジ
■カメラ/VGA画質CMOSセンサー
■レンズ/f=2.53mm(35mmフィルム換算:32.5mm),F=2.4±5%
■画角/67.6゜
■動画ファイル形式/AVI(Motion JPEG フォーマット)
■撮影距離/約50cm~∞
■メモリーカードスロット/SDカード(最大容量2GB) SDHCカード(最大容量16GB)
■防水性/保護等級:IPX3相当(防雨型)
■電源/単3形アルカリ乾電池x2本(別売)またはACアダプタ(別売)
■本体寸法/約102x73x30mm
■質量/約95g(電池,SDカード含まず)
3つのメリット
①動画編集は一切不要!
②長時間駆動!
③いざというときの防雨設計!
http://www.kingjim.co.jp/sp/recolo_ir5/



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2011年9月26日月曜日

中国経済の再均衡、阻害重なる=ニューヨーク・タイムズ―【私の論評】中国を等身大に見れない日本人?!

中国経済の再均衡、阻害重なる=ニューヨーク・タイムズ

成長しているかに見える中国の経済
【大紀元日本9月26日】北京にせよ、成都にせよ、中国の地方政府の官僚たちは中国の経済成長に関して、心の中でははっきりした認識がある。インフラ建設や輸出工業への依存から脱却し、内需拡大による消費型経済成長への転換が大変困難である。ニューヨーク・タイムズは先月、中国の経済構造の再均衡を実現させるに当たって、多重の阻害に直面すると報道している。

米副大統領バイデンが先月訪中した際、四川省で中国の習近平副主席と会談した。中国当局はこの会談を利用し、メディアを通して世界に向かって次のように発信した。中国はこれからも持続的経済発展を実現し、同時不況に陥った世界経済を牽引する。

しかし、専門家の間では、これを実現させるには、中国経済の構造を徹底的に「再均衡」させなければならないとの認識が示されている。

成都を例にして言えば、オフィスビルや住宅建設の工事現場が至るところに溢れている。他の内陸都市も同様な現象を持っているのが一般的である。

ニューヨーク・タイムズの報道によると、目下、中国の経済成長モデルがもたらした過度な資源浪費、貧富の差とインフレ(統計局の資料によると、8月のCPI上昇率は6.2%)は、当局からすれば、皆社会的不安定要素である。そのため、中共の第12次5カ年計画の中、この焦眉の急を突破し、家計部門による購買力の向上を期待する内容を盛り込んだが、その実効性は疑わしいものである。

欧亜集団(Eurasia Group)の中国アナリスト、方艾文(Evan A. Feigenbaum)氏が最新の報告の中で次のように述べている。「中共の指導者たちは自分たちの国の経済の総体変革を約束したが、中国の政治経済の基本的な部分における改革は多くの国内外の関心のある人の期待を裏切るものとなろう。今後10年、中国経済の苦境は人の想像を絶するものとなる」

また、北京大学の経済専門家・姚楊氏によると、国内経済においては、企業と地方政府は潤沢な資金を保有しており、民間消費を刺激し国民の不満を抑えるために福利厚生を増加せねばならない。このことについて、中共の指導者たちははっきり知っているはずだ。

しかし、この種の変革を実施するにあたって、相当な阻害が待ち受けている。たとえば、私営企業の生存空間を犠牲にして、国有企業の発展を強化させており、その結果市場原理の運行が損なわれている。大型国有企業の政治への影響力は大きく、同時に、国有銀行も政府がバックアップする投資案件への融資を好んでいる。これらの投資案件の多くは資本集約的なインフラ関連や不動産関連のものである。

一方、地方政府は上記のような資本集約型投資を支持するインセンティブが極めて大きい。これらの投資を増やすことにより、地方のGDPが目を見張る数字になるからだ。地方政府官僚の腐敗との関連も一因となる。大型の投資案件こそ多額の賄賂を受け取れるからだ。

リーマンショックの後、中国政府は5860億ドルの大型景気刺激対策を採った。しかし、政府が今夏に公布した統計からの予測では、地方政府の負債総額は2.4兆ドルから3.1兆ドルにまで膨らんでおり、昨年の全国のGDPの半分にも及ぶ数値である。これだけの債務返済のための利息負担は年間1500億ドルにも達する。巨額の負債残高と利息支払いの負担から、銀行の不良債権の増加に直接影響を与え、インフレや貯蓄の減少などの悪循環に陥る危険性が大きい。

中共の指導者は現状認識をしたうえでのさらなる改革への意欲はあるものの、有効な手段を実行できない理由は明白である。莫大な富を積んだ利益集団と強大化した国有企業は自分たちの既得権益を損なうような改革を許さないからだ。こう考えれば、中国経済の再均衡を阻害しているのは、中共の体制的阻害にほかならないのである。

【私の論評】中国を等身大に見れない日本人?!
私は、国の富をはかるにおいて、単純にGDPだけで見るのは、間違いだと思います。GDPを見るにしても、まずは、一人あたりのGDPも指標になるとは、思います。そのような目でみれば、中国の一人あたりのGDPは、日本の1/10以下です。新興国なら、ともかく、ある程度成熟化した国の場合は、インフラがいきとどきは、GDPが少なくなる傾向にあるので、個人あたりの、資産も見るべきと思っています。

では、資産ではどうなのか、掲載してみます。2010年6月末時点の個人資産(金融資産と不動産など非金融資産から負債を引いた額)は、中国が16兆5千億ドル(約1400兆円)で、米国の54兆6千億ドル、日本の21兆ドルに続き世界3位だった。00年時点と比べると3.5倍に膨らんだ。インドも3.5兆ドルと11位に入りました。

しかし、ここで、良く考えてみてください、アメリカの人口は、日本の3倍くらいですから、そうなる、個人あたりてば、日本のほうが、アメリカより資産を持っていることになります。これは、最近の傾向で、これは、歴史始まって以来のことではないかと思いす。しかし、それをマスコミは報道しません。

実際、アメリカでは、リーマン・ショックあたりで、株価が低落したため、アメリカ人の個人資産は、目減りしていました。日本では、あまり目減りしなかったため、このあたりで、実は日本とアメリカの個人資産ははじめて、横並びになりました。そうして、現在では、アメリカを追い越しているというわけです。

では、中国は、といえば、どうなのかといえば、日本の10倍程度の人口ですから、中国の個人資産総額16兆5千億ドルを1/10にわってみましょう。1.65兆円ということです。これと、日本の21兆ドルと比較するとどいうことになるかといえば、日本は、個人あたりの資産では、日本は、中国の12.7倍ほどということになります。

確か、日本人の個人資産は、赤ん坊か、老人まで、あわせて、個人あたりでは、800万円台でしたから、中国は、80万円未満ということになります。こうして、比較すると、個人あたりの、GDPも、資産個人あたりでは、この程度にすぎないということが良くわかります。

うえの記事では、中国の最近の状況を述べています。中国の景気対策は、ここ20年ほど、景気が悪くなると、金融緩和をして大幅な財政出動をする、財政出動して、景気が上向きすぎて、インフレ気味になると、金融引き締めと、緊縮財政をするという、マクロ経済で教えているまっとうなことを繰り返してきました。そのたびに、中国の経済は上向いてきました。この間、日本はといえば、この逆をやってきたので、実体経済がすっかり停滞してしまいました。

しかし、経済は、循環するものです。良い時期が、永遠に続くこはなく、悪い時期も永遠に続くということはありません。また、経済学用語でいうところの、経済の復元力という言葉があります。経済の復元力とは、日本のように長い間不景気が続いてきた国でも、いずれ回復するし、アメリカや中国のように、長い間、不況対策などによって、景気を回復し続けてきた場合には、いつまでも、景気が良い状態はなく、いずれ、不況陥るというものです。

アメリカも、中国も、ここしばらくは、景気が少しでも落ち込めば、必ず、景気対策を素早くうち、景気が本格的に落ち込むことを避けてきました。だから、両国とも、いわゆる、経済の復元力はなくなっており、これからしばらくは、どう頑張っても、不景気に陥るのだと思います。

実際、オバマ氏大統領も、最近も、いろいろ景気対策をうっていますが、あいかわらず、消費も、雇用も回復しません。そんなことから、来年の大統領選挙を危ぶむ声もあります。中国に関しては、アメリカのように、経済をはっきり公表しませんから、日本のマスコミなど、あまりよくわかっていないようですが、上のニューヨーク・タイムズの記事は、最近の中国経済の復元力のなさを査証しているのだと思います。

日本人は、中国というと、等身大に見ることができずに、過大に見る人が多いですが、いまこそ等身大に見ていくことは、より一層重要になってくると思います。

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2011年9月25日日曜日

日本マクドナルドが定年制を復活 「成果主義」思惑はずれ若手育たず―【私の論評】成果主義の陥穽?!

日本マクドナルドが定年制を復活 「成果主義」思惑はずれ若手育たず

マクドナルドの店内
   日本マクドナルドは2012年1月から、60歳定年制を復活する。同社は年功序列の人事・賃金制度の廃止など、成果主義の人事体系を目指しており、その一環として06年に定年制を廃止していた。

   いったん定年制を廃止したものの、復活するケースは非常にめずらしいという。
定年制の廃止「時期尚早だった」

   日本マクドナルドの正社員は約3400人で、現在の平均年齢は35.5歳。今回、定年制の復活と同時に65歳までの再雇用制度を導入。高年齢者雇用安定法に対応し、雇用継続を希望する社員の健康や能力を判断して年間契約で雇用することにした。

   定年制の復活について、同社は「若手社員を伸ばしていく企業文化を根づかせていくため、年功序列を廃止するなど、実力主義への意識を高めようとしたなかで、定年制を廃止すべきと考えたが、時期尚早だった」と説明する。

   定年制の廃止は、ベテラン社員の経験やノウハウ、スキルが活かされるメリットがある。しかし同社によると、経験豊かなベテラン社員が自身の成果をあげることを優先してしまい、若手社員の育成が疎かになってしまったという。ベテラン社員のもつノウハウなどの若手社員への伝承がうまく進まなかったと反省している。

   6年前の廃止時には、「定年制の廃止は20~30歳代の社員のため、実力本位の意識を高めるのが狙い」(原田泳幸会長兼社長)と話し、年齢ではなく、実力本位であることを会社が明確にすることで「若手のモチベーションが高まるはず」としていた。

   ところが、「ベテランが職務に取り組むうえで、仕事の成果と人材育成のバランスのとり方が難しく、仕事の優先順位が崩れてしまった。(定年制を復活することで)人を育てていく企業文化を再度築き上げる」と話している。

定年がない企業はわずか0.8%
   厚生労働省は厚生年金などの支給開始年齢を2025年度に65歳に段階的に引き上げるのに伴い、65歳までの再雇用を義務付ける現行制度を、より厳格化することを検討している。そうした中で「定年制」をどうするか、企業にとっては悩ましい問題だ。 今回、定年制を「復活」する日本マクドナルドは、「将来的に定年制の廃止を目指していることは、変わりがない」という。

   定年制の廃止については、「本人の能力と年齢は無関係」と「歓迎」する考え方がある半面、年功序列が定着している日本では、いざ実際に廃止した場合、日本マクドナルドのような新たな問題点が表面化してくるケースがある。 厚労省の「2010年 就労条件総合調査」によると、企業規模1000人以上で定年を定めていない企業は0.8%しかない。

【私の論評】成果主義の陥穽?!
1990年代に導入が始まり、今や上場企業の8割以上が何らかの形で取り入れていると言われる成果主義型の人事制度ですが、15年以上の年月を経てここまで普及したにもかかわらず、評判が依然として芳しくないようです。成果主義は日本企業にはなじまないのでしょうか。

結局のところ、日本が成果主義のお手本とした外資では、本当は、「客観的」な成果主義などやっていません。外資では、「客観的」な情報は参考にするだけで、むしろ現場責任者が「主観的」に成果を評価しています。

外資では、現場をわかっている現場責任者が、採用・解雇の人事権も持っています。日本では、現場責任者が人事権を持っておらず、いっぽう人事担当は現場をわかっていないというのが実情です。

無論、「外資」や「日本」の例はすべての会社がそうだというわけではなく、一般的な傾向です。しかし、これが、大方の成果主義の失敗の理由であると思います。

本当に「成果主義」をやるのであれば、人事担当ではなく、現場での働きぶりをわかっている現場責任者がやるしかないでしょうし、減給や解雇まで含めた人事権まで現場責任者が持っていなければ、本当の「成果主義」にならないと思います。

日本では、現場責任者に権限がないどころか、会社そのものが、法的に社員に対する減給や解雇がなかなかできないようになっています。減給や解雇ができない上に、現場をわかっていない人事が「客観的」な成果主義をやろうとします。何らかの「客観的に見える数字」をひねりだし、それを根拠にしたりいます。これではうまくいくはずはありませんん。

本当に成果主義を導入するつもりなら、どの職位の現場責任者にするかは、別として現場責任者に人事権まで与え、現場責任者が「主観的」な評価、「主観的」な採用・解雇を行ったとしても、別に問題はないと思います。

確かに、現場責任者が一人で主観的に評価することは問題があるかもしれません。ただし、現場責任者自身は部門の責任者として『成果』と言う客観的なモノサシで、評価されます。現場管理者に対するアナログな評価は直接の上司やら同僚やらからのもになります。

だから、情実評価やらアホな評価をして部下のモチベーションを落としたら、まず自分の『成果』が落ちますし、かつ、自分に対する上やまわりの評価も悪くなります。それをどうやるかということがその現場責任者の「仕事」ですから、もしデタラメにやっていれば、その現場責任者の評価が下がり、減給されたり、降格されたり、クビになったりするだけの話です。

日本では、平等主義という考え方が前提にあるので、このような考え方ができないようです。人事に関する決定に関しては、いくら客観的に公平にしようとしても、ある程度不平等になるのは、当たり前です、何から何まで、平等にするという考えは、もともと、できないことですし、無理にやろうとすれば、結果は不毛です。しかし、会社全体としては、機能していて、人事面で落ち度がない程度にすることはできます。しかし、神でもない人間が、完璧に平等を貫こうとしても、まず、無理です。

そうして、現場責任者の上司もまた、その現場責任者を「主観的」に評価します。だから、現場責任者には「ちゃんとやろう」というインセンティブがあるわけです。現場責任者が、その上司の「主観」をどうしても信頼できないと思ったら、別の会社に行くでしょう。

日本では、全く見られない風景ですが、アメリカだと、現場責任者が、直接部下に「お前は明日からこなくても良い」と、はっきり解雇を言い渡すシーンもありますし、逆に、従業員のほうから、「こんな会社やめてやる」というシーンも良く見受けます。これは、映画でも、良く見るシーンですから、本当にこのようなことが行われているのだと思います。それに、雇用の流動性も日本よりはるかに、高いです。本当の成果主義には、このような条件も揃っていなければならないと思います。

ところが、日本では現場責任者に人事権がないだけでなく、厳密な意味では、会社自体にも解雇の権限がありません。また、雇用の流動性もありません。これでは、根本的に「成果主義」と矛盾せざるをえません。「権限」と「責任」はつねにセットになるものであるにもかかわらず、クビというかたちで「責任」を取ってもらうことができないから、「権限」も与えられないということです。

「責任がなく、権限もない」個人というのは、会社の現場責任者だけでなく、日本のあらゆるところで見られるパターンであり、いわば「日本の縮図」です。日本では、個人にも、会社にも、自治体にもあまり権限がなく、権限はすべて政府に集中しています。権限がないかわりに、みんな「保護」されて、「護送船団方式」で団体旅行のように集団移動するので、誰も責任をとらなくていいのです。

本当の「成果主義」とは、「成果を出したものが報われる」という評価システムのはずです。これをやるためには、現場責任者はもちろん、末端の社員レベルにまで、「権限」と「責任」を委譲するということが不可欠です。「権限」を与え、自由にふるまって成果を出してもらいます。しかし、そこには「責任」もともないます。

つまり、個人に「責任がなく、権限もない」という中央集権的・全体主義的な日本方式では、そもそも「成果主義」はできるはずがないのです。成果や実力ではなく、「身分」で決まっているのがいまの日本です。多くの人は、大企業に勤めるということは、結局「身分」保証のように考えています。だから、前向きに働こうというインセンティブが生まれないし、「希望」もないわけです。

対局的は、そういうことになります。だから、日本では、良くドラッカーのいうところの、「権限、責任」があいまいなところがあります。だから、ドラッカー理論を本当に理解するには、日本以外の企業を前提にしなければならない部分があると思います。

ただし、日本も、随分変わってきています。確かに上記のように日本では、不可能なところもあります。しかし、ある一定年齢以上ともなると、大企業では、大企業には、残ることができず、他社に転籍という形にしているところが多いです。これは、はっきりいえば、本社では、クビということです。

このような会社は大会社であり、星の数ほどある関連会社や系列企業や、提携企業などへの転籍ができます。しかし、マクドナルドなどは、おそらく、企業体そのものは大きいのですが、転籍などの受け皿となる企業もないのだと思います。

だからこそ、マクドナルドでは、成果主義が難しいのだと思います。いずれにしても、成果主義という美名に隠れて、日本で、アメリカのような厳しい「権限と責任」もはっきりせず、ロワー、ミドル、トップマネジメントに必要とされ、いわゆる、ドラッカーのいうところの、「真摯さ」に欠ける人物が高評価を得る仕組みにおちいっているのではないかと思います。これに対して、アメリカでは、上記のように、厳しい「権限と責任」の枠組みの中で、「真摯さ」を発揮する上司が、たとえ最高位のものではなくても、職場ごとに、1人や2人必ずいるのだと思ます。また、結局はそれを理想としているのだ思います。

この〔真摯さ」という言葉は、以前にも、このブログに掲載したことがあります。これは、ドラッカーの書籍では、『マネジメント』をはじめとして、多くの書籍に頻出するものです。詳細は、そのブログをご覧いただくものとして、ここでは、その核心部分を掲載します。
うまくいっている組織には、必ず一人は、直接手をとって助けもせず、一見人付き合いも悪いようにみえるボスがいる。この種のボスは、とっつきにくく気難しく、一見わがままなように見えるにもかかわらず、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれている者よりもはるかに、尊敬を集める。一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、人づきがいがよかろうと、またいかに有能であって聡明であろうと危険である。そのような者は、職業人としても、社会人としても失格である。  
真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず、人事に関する決定において象徴的に表れる。真摯さは、とってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは二、三週間でわかる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許されない。 
マネジメントにできなけばならないことは、学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得できない資質、初めから身につけていなければならない資質がある。才能ではない、真摯さである。 
この真摯さということばは、マネジメンをはじめとして、ドラッカーの著書には、しばしば出てくる言葉ですり"integrity"を翻訳者が意訳したものです。辞書をひいてみると、「清廉、 高潔、完全無欠」などを意味するようです。しかし、これは、単純に「まじめ」あるいは「品行方正」などと受け取るべきではないし、それとは全く異質です。「まじめ」で「品行方正」でありながら、清廉さ、高潔さに欠ける人間はいくらでも存在します。

特に、「まじめ」だけの人間は、煮ても焼いても食えないと揶揄されるほどですし、マネジメントとしては相応しくありません。真剣さ度合い、本気さ、という言葉があてはまるものと推察します。能力が低くても、それは、マネジメントとして補うことはいくらでもできます。しかし、真剣さ度合いに欠けるものは、失格です。

また、真摯さという言葉の中には、統合的な考え方ができるかどうかも含まれるのだと思います。このあたりについては、本題ではないので、詳細を知りたいかたは、是非以前のブログをごらんになってください。

とくに、真摯さという資質を兼ね備えているボスは、「しばしば誰よりも多くの人を育てる」とありますが、これは、無論、単純にOJTや、OFFJTを時間的に誰よりも多く実践しているなどというような、単純なものではありません。本当の意味で育てているという意味です。

マクドナルドでも、たとえば、本当の意味で、人を育てるという項目が、成果主義の評価には含まれていなかっのだと思います。たとえば、現場であれば、誰よりも、多く店長になれる人材を本当の意味で、育てているということなどに相当すると思います。

日本では、上記のように、本当の意味で、「権限と責任」が明確ではありません、だから、職場で幼稚なイジメが発生したりします。しかし、日本では、日本でのやり方で、こうした「真摯さ」を評価することは可能ではないかと思います。

それなしに、単にアメリカの成果主義を導入したとしても、マクドナルドのように形骸化して終わってしまうのだと思います。結局、成果主義そのものを導入することが目的となっていて、本来の意味てでの成果主義がなおざりにされているのだと思います。

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