2012年1月17日火曜日

《書評》英語を社内公用語にしてはいけない3つの理由 津田幸男著−【私の論評】日本語でのコミュニケーションは世界最高!!

《書評》英語を社内公用語にしてはいけない3つの理由 津田幸男著:


2010年、楽天とファーストリテイリング(以下、ファストリ)が英語を社内公用語にすると宣言し、各所で賛否両論を呼んだ。筑波大学大学院教授である著者も、このニュースに衝撃を受けた者の一人である。英語支配論や言語政策、国際コミュニケーション論を専門とする著者はこの発表に危機感を抱き、両社の社長へ抗議の手紙を送った。 本書は、実際に送った手紙の全文掲載から始まる。その中で、「英語の社内公用語化」の弊害...

 【私の論評】日本語でのコミュニケーションは世界最高!!




論評のため、上記の記事の理由の要点を以下に掲載します。

1.「日本語・日本文化の軽視」の問題だ。現在の日本には「英語信仰」が広がっており、その結果「英語偏重社会」が生まれ、日本語や日本文化の軽視が起きている。

2.「英語の社内公用語化」が一般的になれば、収入や就職などの面で「社会的格差」が拡大する。いずれは「英語ができる階層」と「英語ができない階層」という社会階級的な分裂が生まれて国民意識の統一が保ちにくくなり、国家の維持までも危うくなる。

3.言葉は単なる道具ではなく「権利」だと主張し、「英語の社内公用語化」が、もし日本語禁止や英語使用の強制を伴うものであれば、それは重大な「人権侵害」に当たる。


特に上の、津田幸雄氏の主張は、正しくそれに付け加えるようなことはほとんどありません。日本の会社の公用語をわざわざ英語にする必要はないと思います。特に日本人同士で日本語で語れば、よく分かり合えるのに、それまで禁止するとのなら、それは、人権侵害であり完璧に法律違反です。


英語を勉強すること、グローバルな考え方を持つこと、海外に進出することなど、良いことだと思います。しかし、それと、会社の公用語を英語にするなどの愚かなことは、全く別の次元の問題だと思います。


津田氏の上の主張の1.に関しては、確かに今でも深刻なものがあります。このブログに以前「最近の死語について驚いた件」というタイトルで、この問題について掲載したことがあります。それを以下にコピペします。


数年前に、新入社員研修で「ゴルバチョフ」という人名を話したところ、ほとんどの人が知りませんでした。高卒だけでなく、大卒でも知らない人がほとんどでした。おそらく、現代史などは、歴史の教科書でも、最後にほうに出てくるし、まだ歴史的評価も定まっていないところがあるので、高校でほとんど教えていないし、試験にも出ないのだと思います。そうなると、今の大学生の多くは、現代国際政治などとは無縁なのかと思ってしまうこともあります。

また、ある機会に文学の話になって、「谷崎潤一郎」とか「耽美派」という言葉で話すと、わからない女性がいました。この人は驚いたことにある国立大学の文学部出身でした。今の大学はこの程度のことも知らないての卒業できるのかと驚いてしまいました。まあ、知らなくても別に社会人としては生活していけるから良いのでしょうが、これには驚いてしまいました。


それから、これは、会社の新人ではありませんが、ある機会があってまだ、入りたての現役の東大生と話をする機会がありました。そのときに驚いたのですが、彼は理系であるにもかかわらず「ファラディーの右手、および左手の法則」を知りませんでした。驚いたことに、彼は工学部志望でした。今の東大は、高校で物理を履修しなくても、工学部に入ることができるのです。


それと、これは、数年前から必ず、特に女性には必ず聞くようにしていますが、今の新卒のほとんどの人が貞操という言葉を知りません。こんな事実から、やはり、現代ではいわゆる昔の貞操という概念は完全消滅したのかもしれません。(下の写真は、中世の貞操帯)




高卒の人や大学卒でもかなり多くの人が、「雄雄しい」」という言葉を知りません。これは、「雄雄しい」男性がいなくなったこということでしょうか?「雄雄しい」を知らなければ、もちろん「masculine」も知らないのだと思います。


それから、最近の「全然」という言葉の遣いかたは昔とは完全に異なります。今では、「全然いいです」というような言い方が主流になってきています。本来の使い方は「全然駄目です」などの使いかたが正解です。


これに関しては、似たようなことが「たいそう」という言葉の使い方にあって、昭和初期までは、使い方としては「たいそう、不味い」などと使うのが普通であって「たいそう美味しい」などという使い方はしなかったそうです。しかし、今では、「たいそう」に関してはどちらでも使うのが普通です。これに関しては、ある小説家の随想に「最近の女子学生の流行言葉」ということで記載されていたのを覚えています。ただし、その書籍名ならびに小説家の名称は失念しました。

さて、以上のような状況皆さんはどう思われますか?「たいそう」のように言葉が移り変わっていくのは、わかりますが、やはり、日本人としてコミュニケーションが普通にとれるようにするためには、基本的な語彙はあまり変えていくべきではないと思います。

それから、「逢瀬(おうせ)」という言葉がありますが、これも、以前のブログに以下のように掲載しています。


・・・・・・・・・・語彙というと、これに関して最近面白い体験をしました。最近ひょんなきっかけで、20代の女性が「逢瀬」という言葉を知らないということを発見しました。 



「逢瀬」は皆さんご存じだとは、思いますが、小説などにはでてきても、学校のテキストなどにはまずは、出てこない言葉だと思います。だから、知らなくても、別にほとんど困るということはないでしょうが、この言葉を知らないということであれば、他の文学的な語彙もあまりわからないのではないかと思います。

現在でのこのような有様ですから、英語の公用語化や、中途半端な英語の早期教育など行われれば、とんでもないことになってしまいそうです。

2.の場合は、私自身は意外とさほど深刻なことにはならないのではないかと思います。先日もテレビでみていましたが、アメリカの大学院を卒業して、英語関係の仕事で生計を立てていた人が、最近は、仕事がないということで嘆いていました。英語ができるというだけで、階層ができあがるというのであれば、こんな人は出ないと思います。


それに、最近は、確かに英語の能力を重視する企業も増えていますが、以前にもこのブログにも菅さんについて書いたように、日本文化のバックボーンを持たない人は海外に行ってもまともに相手にされないと思います。


私は、菅さんが海外の会議に行っても、先進主要国のリーダーたちからまともに相手にされないのは、決して言葉だけの問題ではないと思います。いくら、お遍路に行ったとしても、彼は、おそらく、日本の伝統文化の背景からは程遠い存在なのだと思います。こうしたことは、いくら、外見を整えてみても、すぐに相手に悟られるものです。それは、思想や、イデオロギーなどとは無縁なものです。どんなイデオロギーがあったにしても、自分の属する文化を知らないものは、そうではない人々には、見透かされてしまいます。フランスや、イタリアの共産主義者たちは、少なくとも自国の伝統文化を背負って話をします。だから、妥協点もみいだしやすいです。


これはとりもなおさず、日本人であれば、日本の伝統文化を背負った人間と、他の国の人から認められない限り、まともな扱いはされないということです。今は、こんな簡単な理屈のわからない人があまりにも増えていると思います。まともに相手にされないのは、決して言葉だけの問題ではないと思います。いくら、お遍路に行ったとしても、彼は、おそらく、日本の伝統文化の背景からは程遠い存在なのだと思います。こうしたことは、いくら、外見を整えてみても、すぐに相手に悟られるものです。それは、思想や、イデオロギーなどとは無縁なものです。どんなイデオロギーがあったにしても、自分の属する文化を知らないものは、そうではない人々には、見透かされてしまいます。フランスや、イタリアの共産主義者たちは、少なくとも自国の伝統文化を背負って話をします。だから、妥協点もみいだしやすいです。


菅さんの行動をみていれば、日本の伝統文化を背負わない人間は結局は何もできないことがお分かりになると思います。菅さんは、鳩山さん同じく、普天間問題に関して、結局何もできないばかりか、さらに後退させたものと思います。そうして、尖閣問題に関しては、完全に失敗しました。これらの交渉に関して、菅さんが英語や中国語ができるとか、できないなどはほとんど無関係だったと思います。


私は、現在多くの会社が、英語能力を基準として、日本文化など軽視して、多くの新卒などを雇用し海外進出を目論んでいますが、このな企業はかなり大きな危機をはらんでいると思います。どのような危機かといえば、もともと、英語ができるだけでは、交渉などできるわけもないし、それを短期間養成することは困難だからです。


しかも、現在新興国も含めた、世界同時不況が進行中です。この不況が本格的になれば、英語ができても、日本文化の背景のない人間など、交渉も何もできずに無用の長物になってしまう危険性があります。そうなれば、このような人たちの大量解雇ということだってあり得ると思います。これと似たようなことは、過去にもありました。バブルの頃に大量採用された人たちが、30歳台前半になって多数解雇されたことがあります。非常に不味いやり方だと思います。


3.に関しては、まったくその通りだと思います。日本には古い歴史があります。今年は、皇紀2671年です。これは、日本の歴表示であり、最初の天皇が即位してから、2671年目という意味です。キリスト誕生を基点とした、西暦よりもはるかに古いです。この年号を知らない日本人も大勢います。しかし、これだけ古い歴史を持って、一体感を維持してきた日本人は、先の事例のように、言葉を知らない若い人が増えていることもし事実ですが、言葉も共通ですし、さまざまな文化、慣習なども共通点が多いです。




そのため、特にコミュニケーションに関しては、かなり緊密です。言葉で表せないような細かなことまで、理解しあえる土壌があります。これは、日本人はあまりに当たり前であって、気づきませんが、意外なところで発揮されたりします。たとえば、昔から今に至るまで、日本の軍隊や、大砲などは、命中率が高いです。これは、やはり、緊密なコミュニケーションによるものだと思います。他国では、コミュニケーションが日本ほど緊密ではないため、複数の人間のチームによる大砲の射撃の命中率などどうしても低くなるのだと思います。


また、日本は、他国に比較すると、さまざまな事業をしていく上で、もっともやりやすい市場だと思います。まずは、言葉は、ほとんど均一とみても良いですし、習慣なども似通っています、ものの感じ方も導入です。だから、日本の場合は日本国内を一つのマスマーケットとして、扱っても何とかなります。これが、外国の場合はそのようなことは不可能です。おそらく、今でも、一つのマスマーケットとして、扱える国としては、日本が世界一ではないでしょうか?そうして、これは、事業をする立場からすれば、本当にやりやすいと思います。


こんな話をすれば、そんな馬鹿なと思う人もいるかもしれません。たとえば、あの中国やインドがあるではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、良く考えてください、中国や、インドは、そもそも多民族国家です。民族によって、生活習慣もかなり異なります。そういう、意味では、中国、インドも一つの省や、州が一つの国のようなものです。しかも、各々の省や、州も、複数の民族から構成されているのが普通です。そのようにみると、一つの集団という意味では、日本が最大ということになります。それに、あの広大なロシアはどうかといえば、人口は、たったの1400万人です。日本より、数千万多いだけの国ですが、多民族国家であり、領土は広大で、白人系は少数派です。


それに、皆さんご存知のあの日体大の「集団行動」。これは、やはり、かなりコミュニケーションがとれなければ、できない仕業です。諸外国でも、マーチングなどはありますが、「集団行動」には、及ばないと思います。




あの世界でも稀にみられる「集団行動」の基となっているのは、一見非合理にみえるものの、さまざまな細やかなニュアンスを含む日本語によるコミュニケーションだと思います。なるべく、すべてを言葉にする英語のコミュニケーションによっては、なかなかできないものだと思います。


最近、若い人のコミュにけーション不足が目立つようですが、これはやはり、日本語が良くできないということにも原因があると思います。日本語には、英語と比較して確かにに不合理な面もあります。しかし、たとえば、雪ひとつとっても、さまざまな表現があるように、自然に関する語彙はかなり多いです。また、感情を表す表現も豊富です。それに、日本語の非合理生などは、他国にない長い間のコミュニケーションの伝統があり、省略しても意味が十分通じるものは、省かれたがゆえにいまのような形式になっているのだと思います。日本語を知るためには、こうした、何が省略されているのかということを知らなければなりません。これが、わからないので、コミュニケーションがとれなくなるのだと思います。


しかしながら、日本語がある程度できれば、他の日本語のできる人との会話は、おそらく、世界でも最高水準のコミュニケーションとなると思います。そうした、最高水準のコミュニケーションを会社の公用語を英語とすることによって、すべてを廃止したとすれば、結局コミュニケーション不足になって、日本企業の良さを発揮できなくなると思います。それに、津田氏が語っているように、これは、重大な人権侵害にあたると思います。


そうして、このようなことは、外国語との比較の上でないと気がつかないものです。だから、私は、英語を勉強することの意義は、日本語をより良く知るためであると思ってます。また、日本語の伝統文化を広く海外に広めるという意味もあると思っています。そのためには、まずは、日本文化を知らなければなりません。

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2012年1月16日月曜日

「笑顔で接客する店員ほど実は自分自身が精神的に疲れてしまっている」という調査結果−【私の論評】仕事と割り切る以外に根本的に解決する道はないか?!

「笑顔で接客する店員ほど実は自分自身が精神的に疲れてしまっている」という調査結果:

 

買い物でも食事でも、お店に入って店員さんが笑顔で良い対応をしてくれると、自然とこちらも気分が良くなるものですよね。逆に、無表情だったりすると同じ対応をしていても印象は変わるものです。接客業において、笑顔はとても重要な要素だといえるでしょう。

しかし接客する側にとっては、常に微笑んでいなければいけない状況がストレスを感じる要因になっているようです。最新の研究で、笑顔で接客する人ほど精神的に疲弊し皮肉っぽくなるということが明らかにされました。

ノーサンプトン大学のガルシア教授率いる研究チームは、サービス業に従事している人を対象に、彼らがどれほどのストレスを感じているか調査を行いました。

調査では、仕事中に笑顔をどれくらい要求されているか、その要求を達成するにはどのくらいの努力を必要としているか、また精神的な疲労や自分の皮肉っぽさをどの程度感じるかなどの質問に答えてもらいました。

結果、なによりも第一に明るく笑顔で接客するよう努めていると回答した人ほど、ストレスを感じ、皮肉っぽい自分に悩まされているということがわかったそうです。



教授によると、「雇用者側は、笑顔での接客を求められる従業員たちが精神的な疲労を和らげられるような環境作りをする必要があります。また、今回の調査結果をもとに、雇用の際にはどのような人が精神的に疲弊しやすいかを認識しておくことも重要です」とのこと。

客を笑顔にしてくれる人ほど、実は自分自身が精神的に疲れてしまっているというのは皮肉なものですね。仕事とはいえ、素敵な笑顔で接客してくれる店員さんには、より感謝をしたいものです。

参照元:Mail Online(英文)

オリジナル記事: 「笑顔で接客する店員ほど実は自分自身が精神的に疲れてしまっている」という調査結果

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【私の論評】仕事と割り切る以外に根本的に解決する道はないか?!


商売をやっている人のこのような笑顔については、私も昔から、いろいろな人の話を聴いて知っています。小さな商店であっても、お客さんがくれば、それまで喧嘩をしていても、すぐに切り替えてお客様には笑顔で接します。これができないようでは、商売人ではありませんね。


それは、お客様の立場にたってみれば、わかることです。日本ではそれがあたりまえになっているし、それ以上かもしれません。とにかく、もてなしの心ということでは、日本は定評があります。それにタイ国は、微笑みの国といわれ、商売であろうがなかろうが、目線があれば誰もが微笑みます。

当社の会長など、昔イトーヨーカドーの店長をしていたときなど、もちろん、笑顔の訓練をしたといいます。どんなときでも、お客様に対して微笑むというのは、当然のことで、それは当然いつもそうしていたそうです。


そうして、それどころか、お客様に対しては、笑顔、従業員に対しては、厳しい顔までできるようになったそうです。厳しい顔とは、管理者の顔という意味です。その方法とは、目を厳しい目つきにして、口は、歯が見えるようにして、お客様からは、笑って見えるという具合です。こんな顔だって真剣に練習すればできるのです。

まず、私たちは、いわゆる会社での顔というのは、仕事の一貫であり、仕事場では仕事の顔をしなければならないということを学ばなければならないと思います。しかし、時と場合によってはどうしても心から笑うことができない場合だって、人間なら誰にでもあるはずです。

そのうえで、どうしても笑いたくないときなどは、上記のように、口を開いてお客様に、歯が見えるようにして、顔全体での笑はやめてしまうという手もあります。しかしながら、こうしたことを繰り返し実施しているうちに、自然といつも笑い顔が自然にできるようになります。

そうして、一番肝心なのは、いつも心の底からお客様に喜んでもらいたいと思えるようになることだと思います。それがなければ、どんなにの笑い顔のテクニックがすごくても結局はなんにもなりません。自分たちの仕事場は、結局お客様に喜んでいただくためにあるのであり、たまたま、スーパーの店員をしているとか、飲食店の店員をしていると思えなけば、それは必ずお客様にに伝わります。



販売する人が心底からそう思えなければ、そういう従業員のいる店は絶対に繁盛しないと思います。そういう心がないのに、作り笑顔を無理にする人は、結局上記のようにストレスを感じて皮肉っぽくなるのだと思います。このような人を、自然に笑顔ができるようになってもらうよう、ストレスの発散も含めて、指導していく必要があります。そうして、それがで会社全体でできない会社は、結局マネジメントが徹底できず、業績をあげることはできなくなると思います。

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2012年1月14日土曜日

金正男氏の「世襲批判」をスクープ 東京新聞「特ダネ」記者の仕事ぶり―【私の論評】すぐれたジャーナリズムは地道な日々の積み重ねから生まれてくるものである!!

金正男氏の「世襲批判」をスクープ 東京新聞「特ダネ」記者の仕事ぶり:

金正日の葬列

北朝鮮の故金正日(ジョンイル)総書記の長男、正男(ジョンナム)氏(40)から届いた「世襲批判」メール内容を東京新聞が特報した。中央日報などの韓国メディアも「東京新聞が報じた」として記事を追いかけている。

金正男氏
続きは「J-CASTニュース」へ

【私の論評】すぐれたジャーナリズムは地道な日々の積み重ねから生まれてくるものである!!

五味洋治氏

正男氏から年明けにメールを受け取ったのは、東京新聞編集委員の五味洋治氏だそうですが、この方がなぜこのようなことができるのか、上の記事を見ている限りでは良くわかりません。それは、さておき、まずは、この方の経歴を以下に掲載します。
1958年7月26日長野県茅野市生まれ。1982年早大第一文学部卒。1983年東京新聞(中日新聞東京本社)入社。川崎支局、社会部、政治部(官邸、野党担当)を経て1997年、韓国延世大学語学留学。1999~2002年ソウル支局、2003~2006年中国総局勤務。2008~2009年、フルブライトフェローとして米・ジョージタウン大学在籍。主に北朝鮮問題を取材。現在東京新聞本社外報部勤務。
やはり、普段からの地道な積み上げあるからこそ、このようなことができるのだと思います。 特に、北朝鮮問題に関して、積み上げのあるところといえば、ラヂオプレスを忘れることはできないと思います。ちなみ、昨年暮れの金正日の死亡に関しては、日本政府や、韓国政府もその情報を掴んでいませんでしたが、これらにさきがて、ラヂオプレスが公開していました。おそらく、世界で一番早かったと思います。

ちなみに、ラヂオプレス(RP)=1941年に設置された外務省ラヂオ室が前身。情報機関として、戦時中は米国や英国の短波放送を受信・翻訳し、情勢分析などに利用されました。46年に財団法人となり、現在は北朝鮮のほかロシア、中国など約20か国・地域のラジオやテレビが報じるニュースの翻訳を、報道機関や官公庁へ配信するのが主な業務。職員は約60人。

ラヂオプレスの職場風景

以下は、2009年9月6日03時13分 読売新聞の『北に耳傾けるラヂオプレスって何?元は情報機関とか』というタイトルの記事の内容です。現在のラヂオプレスの有様を良く現しているとおもいましたので、掲載させていただきます。
北朝鮮のラジオなどの放送内容を伝える通信社「ラヂオプレス(RP)」に注目が集まっている。
昨夏の金正日(キムジョンイル)総書記の健康悪化説浮上後、現地メディアによる動静報道が急増する北朝鮮。今年は3日で100件に達し、過去最多(129件)だった2005年を上回るペースだ。金総書記の健在ぶりをアピールする狙いと見られるが、スタッフは、その背景にある意図を読み解くヒントを探し、24時間、耳を傾ける。
東京・新宿のビルにあるラヂオプレスのオフィス。受信機に囲まれた席にモニターと呼ばれる8人の編集部員が交代で座り、朝鮮中央放送と平壌放送の二つの短波放送を聴きながら、ニュース項目を書き取る。
1994年7月9日の金日成(キムイルソン)主席死去の報も、ここでキャッチされた。これまで聞いたことのない「特別放送」という言葉を何度も予告する放送に、重大な意味を感じ取ったモニターらが速報を流し、報道各社に緊張が走った。死去の一報を、北朝鮮以外のメディアで世界で最初に伝えたのも、ここからだ。
最近では、先月4日、クリントン米元大統領の電撃訪朝を報じたニュースも速報した。このときは、平壌放送が同日正午のニュースで、元大統領訪朝の冒頭部分を報じた後、突然、音声が消えた。約7分後、朝鮮中央放送と同時に、元大統領訪朝のニュースを再び伝え始めたが、平壌放送が決められた放送時間を間違えてしまったとみられる。
また、今年1月1日に金総書記の「新年の辞」を報じた放送は、録音にもかかわらず、アナウンサーがつっかえたり、読み間違えたりしたまま放送された。
斉藤竜成・編集部主任(39)は「北朝鮮メディアで、こうしたミスは考えられない事態」と指摘、金総書記の後継に三男・正雲(ジョンウン)氏が内定したとされていることについては「公式報道からは、正雲氏が後継とは断言できないが、国内の体制に緩みが生じ始めているのは間違いない」と話す。
無論ただ、「血統はしっかりと継承されているので、革命は引き続き勝利するであろう」(5月24日)などと、権力継承が進行中であることを示唆する文言を耳にすることが多くなっている。斉藤主任は「北朝鮮情勢が重大局面を迎えて注目が集まるが、流されることなく、正確な速報に努めたい」と話している。 
五味洋治氏しろ、ラヂオプレスにしろ素晴らしい仕事をしていると思います。このような仕事はどうすればできるのかと考えてみました。

そのヒントになるのは、 あるイギリスの元スパイが書いた、スパイの手口です。それも、第二次世界大戦中の話です。古い話ですが、その基本はいまでも受け継がれていると思います。この書籍随分前に読んだので、その書籍の名前も作者も忘れてしまいましたが、いわゆる、手口だけは覚えています。本日は、それを掲載させていただきます。


スパイというと、大方の人は、007とか、ミッションインポシブルなどの主人公がやっているようなことや、一昨年アメリカから国外追放になった、ロシアのスパイであるアンナ・チャップマンのハニートラップなどを思い浮かべるでしょうが、この元スパイによれば、そんなことはなく、日々やっているのは、各国が公式基出版している、新聞、雑誌、書籍などを丹念に調べるというものだそうです。もちろん、スパイ映画のように、敵地に潜入とか、女スパイによる手練手管というのもありますが、それは、スパイ全体の仕事の5%にしかすぎないそうです。

ロシアスパイ アンナ・チャップマン
では、具体的にどのようなことをしていたかといえば、たとえばスパイが新聞でドイツのスイス駐在武官が、ドイツのある村の結婚式に出席するという記事をみつけたとします。別な情報からその付近にドイツの機甲部隊が集まっているというものがあったとします。ドイツの駐在武官は、もともとは、機甲部隊の上級将校であったとか、その他のこういう情報を複数たどっていき、過去の経緯などから、ドイツ軍のポーランドへの侵攻が近いことを推定したそうです。この推定は、かなりの率であたったそうです。


メンデレーフ
この元スパイは、その当時の話ばかりではなく、古い話も例に出していました。それは、あの周期律表をつくったメンデレーフの話です。


メンデレーエフ(1834~1907 ロシア)は〈原子量〉という数値と〈元素の性質〉の間にある法則性(周期律)を発見した化学者で、「数量に基づく推理」の達人でした。その能力を見込まれて、あるとき彼はロシア政府から「無煙火薬」の研究を頼まれました。無煙火薬は、当時、限られた国だけの最新技術でした。


「火薬の原材料の配合比率がわからない……」


彼は、フランスの無煙火薬の工場に見学に行き、探ろうとしました。しかし見学はできても、肝心の部分は、当然機密で教えてもらえません。そこで彼はフランスの鉄道局で貨物列車の時刻表や輸送統計を調べました。統計には、火薬工場のある駅にどんな材料が何両編成運ばれたかが載っていました。そうして、列車時刻表を用いてその輸送量の割合を計算し、配合の比率を解明したのです。


「統計数値を使った謎解き」で、優秀なスパイ顔負けの活動をしたということです。


一見派手にみえるアドベンチャーの粋ともみられている、スパイ活動も実は、このような地味な活動によって支えられているのです。 そうして、その根底にあるものは、あくまで、国益のため行うという姿勢だと思います。これがブレているようだと、良い仕事はできないと思います。良い仕事どころか、相手に取り込まれてしまうのがおちです。


それから、忘れてはならないのは、自衛隊などもこのような地味な活動を日々行っているということです。自衛隊というと、最近では、災害派遣がクローズアップされていますが、日々地道な情報収集活動をしています。ただしこれは、あくまで、隠密行動であり、東京新聞やラヂオプレスのように表にはでません。私は、自衛隊OBの方から、冷戦時代のこのような活動についてうかがうチャンスに恵まれたことがあります。


冷戦時代に函館空港に飛来したこともあるMIG25、パイロットは米国に亡命


この方、どこのどなたであるか、いつどこでこのような話を聴いたのか、あるいは聴いた話の詳細に関しては本人からも言われていたので、ここには掲載しません。ただし、差し支えない範囲でその一部を紹介させていただきます。この方から聴いたところによると、この方は、稚内や函館の近郊などにあるレーダーサイトで勤務されたいたことがあるそうで、その方の当時の主要な任務は、サハリンや、ウラジオストックなど当時のソ連の空軍基地のパイロットたちの交信を傍受することだったそうです。


これをするためには、もとろん、ロシア語ができなければなりません。とにかく、日々当時のMig25などのパイロット達の交信を聴きどのような会話がなされているかを記録し、報告していたそうです。長く続けていると、パイロットたちの個人名や、家庭環境、健康状態までわかってくるそうです。おそらく、このようなことを日々実施して、異変があれば、それが上に伝わり、それに対する備えをするのだと思いました。

おそらく、上記の記事の五味洋治氏も、ラヂオプレスもこのような地味な活動を日々続けているのだと思います。彼らの活動もスパイと同じように、95%が地味な活動であり、後の残り5%が、たとえば金正男(ジョンナム)氏(40)から届いた「世襲批判」メール内容や、金正日氏の死亡のスクープだったりするのだと思います。 

普段から、地道なこのような積み上げを行わない人には、このようなチャンスは永遠に訪れないのだと思います。特に最近の日本のメディアなど大部分がそうだと思います。 特にテレビの劣化は酷いものがあります。あまりに安直すぎるものが多すぎです。

私たちの平素の仕事だってそうです。日々の地道の積み上げと、周到な段取り、それに大きな使命感が大きな仕事をやり遂げる原動力になることは言うまでもないことだと思います。

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2012年1月13日金曜日

年収が高い人ほどカバンは重いという調査結果 / 実はほとんどスマホで代用できるから手ぶら通勤も可!−【私の論評】鞄を重くしているなんて今時信じられない!!

年収が高い人ほどカバンは重いという調査結果 / 実はほとんどスマホで代用できるから手ぶら通勤も可!:

 


あなたのカバンは軽いだろうか? それとも重いだろうか? なんでも「年収の高い人(700万円以上)ほど、カバンは重い」という調査結果が発表され、さらに約9割のビジネスマンが「カバンを軽くしたい」と願っているとのことである。

調査対象は20代~40代の男性会社員400人。カバンが重くて困っている人は、一体何を持ち歩いているのかというと……手帳にノートPC、そしてビジネス書などが多いらしい。たしかに仕事に追われるビジネスマンは、仕事の書類も持ち歩く。そりゃ重くなるのも納得だ。

だがしかし。それら「カバンを重くしているもの」は、実は持ち歩く必要のないものなのかも知れないぞ。携帯電話に財布に定期。仕事の書類も手帳もビジネス書も……すべてスマートフォンで代用できるといえば代用できる。究極を言えば、手ぶらで通勤することも可能なのである!

――とは言えど、「スマホにどんなアプリを入れて活用すれば良いのか全然さっぱり分からない!」なんて人も多いだろう。事実、記者も分からない。そんな時はその道の達人がオススメする5つのアプリを参考にしてみるのが手っ取り早い。

例えばスマホで手ぶら通勤に適したアプリは、「ジョルテ」と「NetFront Line Documents Pro」と「NドライブApp」と「i文庫 for Android」、そして「SAMURAI ZAN」とのことである。

子育てにはげむイクメンならば、「タッチ!うごくうたえほん」と「ばぶぅショット」「au one Photo Air」「こっち見て!赤ちゃん」「愚痴壺・変声あそび」の5本がオススメらしい。

また、他にも水道橋博士がオススメする5本のアプリや、ナイトライフを楽しむための5つのアプリなど、様々なシチュエーションに適した5本のアプリが、KDDIの「This is My5」には公開されている。

スマホはあるけど、どんなアプリを入れたらいいのか分からない!という人は参考にしてみると良いだろう。そしてどんどん荷物を減らそう。明日からは手ぶらだ。ただしスマホは忘れずに。

参考リンク:KDDI「This is My5」

【私の論評】鞄を重くしているなんて今時信じられない!!



私の感覚からすると、今時鞄を重くしているなんて、信じられません。最近なら、中高生ですら、電子辞書などで、随分鞄を軽くしているはずです。確かにスマホにすれば、辞書すら持っていく必要もなくなり手軽で良いようには思いますが、私自身はあまりお勧めしません。

スマホは確かに便利ではあります。しかし、画面が小さいなどの難点があります。それに、特に、ビジネスマンが何かまともに文章でも打ち込もうと思った場合には、最近では、いくら、フリック入力ができるからといっても、やはり、普通のキーボードで十本の指で打つのと比較すれば、どう頑張っても、かないません。




そんなことを考えれば、やはり、軽量モバイルパソコンをもって歩くのか一番かもしれません。しかし、既存のノートパソコンであれば、まだまだ、重いものが多いですから、鞄に入れてもって歩けば、かさばるし、重いですから、鞄は軽くできませんね。


私も以前、パソコンを鞄にいれてもって歩いたことがありますが、パソコンに加えて、アダブタも一緒に持って歩くとなれば、それだけで、1kgを超えてしまいます。最初は、面白半分に持ってあるいたこともありますが、やはり、重すぎるので、すぐにやめてしまいました。


その後は、もっぱらiPhoneを持ち歩いたのですが、先のように難点がありました。しかし、それも仕方ないと思いしばらくは、そのままにしていました。


しかし、最近でようやっと解法を見出しました。それは、iPad+iPhone+wimaxwifiルーター+アップル・ワヤレス・キーボードという組み合わせです。これらを全部鞄にいれて歩いても、どれも軽いですから、おそらく、1kgを超えることはないでしょう。私は、これプラスさらに、iPhone、IPad用の電源コードなど持って歩いていますか、これも軽いので、全部あわせても1KG前後だと思います。明らかに、以前ノートパソコンを入れて持ち歩いていたのとは違います。


これにAmazon Kindleのアプリや、dopbox、evernote、naver(詳細は、各アプリの説明を御覧ください。どれも、ストーレージの機能を持っています)などのアプリをいれています。Amazon Kindleのアプリは、便利で、これはAmazonの電子書籍きを読むことができるばかりか、所定のメールアドレスに書類をおくれば、その書類もAmzzon の電子書籍のように読むことができます。だから、書類はこれで全部見ることにしています。その他無論、電子書籍のアプリも搭載していますが、日本のものは、どれも書籍の幅も奥行きもいまのところ、あまりにお粗末でこれは、おすすめしません。ただし、日本語の書籍などこういうサイトからiPadにいれておけば、鞄はかなり軽くなります。だから、私も仕方なしに使っています。


この組み合わせだと、何が便利かといえば、もちろん文書は、いつでもどこでも、キーボードで自分のデスクとほとんど変わらずにできます。それから、電話をかけながら、相手と共通の資料をみながら話ができます。これが、スマホだけであれば、できない芸当です。 (ちなみに、以下は、私のiPadに、 bluetoothのAppleの純正キーボードをつけたところの写真です。接続も一度つながってしまえば、後はなにもしなくても良いので楽です。また、iPadと比較すれば小さいことがおわかりになるとおもいますが、それでいて通常のキーボードと大きさも使いごこちもほんど変わりません)




それから、IPadで何か文章を読んだり、書きはじめた場合、無論、資料調べはiPadでもできますが、いちいち画面を切り替えなければなりません。そのくらいであれば、iPhoneで調べればよいわけです。特に、英語の文章をみながら辞書をひくとか、文章を書きながら単語を調べるとか・・・・。これは、本当に楽です。


それから、誰かにプレゼンテーションするとき、無論スマホの写真相手にみせながらもできますが、やはり、スライドなど見せるなら、iPadのほうが画面が大きいので、やりやすいです。それに、スマホを組み合わせてプレゼンなどすれば、これは、あまりやる人がいないのでかなり効果的です。


営業のプレゼン資料は、大多数の人にあわせて、作成しますから、どうしても特定のお客様には、理解してもらえないことがあります。そんなときには、大多数の人々用のプレゼン資料をお客様に見せつつ、これは、一般の場合ですが、お客様の場合は、こうこうと、スマホの写真をご覧にいれたりすれば、かなり効果的です。


また、プレゼン資料をお客様にみせながら、スマホには、各スライドの要点をまとめたものを表示させるようにするとかかなり便利です。ここまで、書けば、スマホと、タブレットの両方を持ち歩くことの便利さをお分かりになっていただけたものと思います。こうした、タブレットと、iPhoneの両方を持ち歩くというスタイル、やりはじめてからまだ間がないので、まだまだ、十分に使いこなせていません。きっと、様々な可能性があると思います。


これらのもの全部揃えて、全部もちあるくことには、ためらいのある方もいらっゃるかもしれませんが、このやり方一度やってしまうと、もう元には戻れません。過去に書籍や、書類を山のように鞄に入れて移動していた自分が愚かにみえてきます。皆さんも、挑戦してみてはいかがですか?


なお、こうしたことを実施するためには、いわゆる「ノマド(原義は、アフリカの遊牧民のこと。転じて移動しながら、ノートパソコンなどで場所を選ばす仕事をする人々のこと)」の人々のやり方が非常に役に立ちます。しかし、詳細は、関連記事のところに掲載しておきますので、こちらも是非御覧になってください。


【関連記事】
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『IPhone』というキーワードが掲載されているかのブログの過去の記事はこちらから!!


仕事場探訪:キャンピングトレーラーでノマドする~職場そのものが移動するという働き方―【私の論評】来年は、ノマドの可能性が無限に広がっていく?!

2012年1月12日木曜日

これからは犬の目をしっかり見て接しよう! 犬は2歳の幼児と同じくらい人の考えていることが分かる−【私の論評】私には、それ以上の存在に思える!!

これからは犬の目をしっかり見て接しよう! 犬は2歳の幼児と同じくらい人の考えていることが分かる 

犬と一緒に生活をしていると、自分が落ち込んでいる時にずっと傍にいてくれたりと、「犬は人の気持ちが分かるの?」と驚かされる瞬間が多々ある。そして今回、その犬たちが持つ不思議な力の秘密が、ある研究によって解き明かされようとしている。


 今回の研究に加わっていたJszsef Topal博士によると、犬は人が話す言葉だけでなく、犬とコミュニケーションをとろうとする人の意思も読み取っているらしいのだ。その意思を読み取る鍵とは、ズバリ、人が犬に向けて行うアイコンタクト!

犬は2歳の人間の子どもと同じくらい、人のアイコンタクトを理解する能力を持つ。そしてさらに犬は、いつ自分が話しかけられているのかを分かっていて、人が考えていることも予想できるのだとか。

 この研究結果は、次のような実験から導き出された。 

1.パターン1の映像では、人が犬の方をまっすぐ見た後、高い声で「Hi dog!(ハイ、わんちゃん)」と言う。その後、人が2つある鉢(はち)のうちどちらかを見る。
 2.パターン2の映像では、アイコンタクトを避けながら、人が低い声で「Hi dog!」と言う。その後、人が2つある鉢のうちどちらかを見る。
   
その結果パターン1の映像のような、アイコンタクトによってコミュニケーションをとろうとする意思を見せた時の方が、犬は人の動きを追い、鉢を見る傾向にあることが分かった。「犬は人の気持ちが分かる」という多くの飼い主が抱いている考えを強く支持する今回の研究結果。これを踏まえてこれからは、自分たちの気持ちをきちんと伝えるためにも、犬たちの目をしっかり見て接していきたいものである。


【私の論評】私には、それ以上の存在に思える!!


このブログを長年読んでいただいている読者の方には、私の会社では、ジャーマンシェパードを飼っていることは、ご存知のことと思います。しかも、昨年の6月11日まで、一頭がなくなるまでは、2頭を飼育していました。

その経験からいうと、2歳の子供よりもはるかに頭が良いように感じられます。たとえば、うちのジャーマンシェパードは、オヤツをあげるときに、「噛んで待て」という指示を出すと、オヤツを噛んだまま待っていて、「よし」と言われてからでないと食べません。


2歳のこどもがこのようなことはができるとは、思いません。一度口に入れてしまえば、食べてしまうと思います。そう思えることが、他にもあります。たとえば、昨年亡くなったチャナは、いっとき「おはよう」と声をかけると、「おはよう」という声に近い吠え声で応えていたことがあります。これなど、特にしけたわけでもないのに、そのようにしていたので、もっとし込めば、いろいろと話すようになったかもしれません。

また、両方の犬とも、お客さんがきて自分たちに用がないとわかると、雰囲気でそれを察知し、部屋のすみにいくか場合によって部屋を出ていくなどということもありました。

ちなみに、下は、レインコートを着たジャーマンシェパードのウインです。ウィンは、レインコートを着せられることを嫌がりません。また、着せられた後も嫌がることはありません。なぜ、着せられるのかその意味がわかっているようです。

送信者 Funny Restaurant  犬とレストランとイタリア料理

また、オヤツをねだるときもありますが、そのときには、目線をあわぜすに「おしまい」といっても、なかなかねだるのをやめないのですが、アイコンタクトをしながら「おしまい」とはっきりいうと、もうねだっても無駄だとおもうのでしょうか、すぐに諦めてどこかにいってしまいます。以下の動画は、その時の様子です。

それから散歩をする場合でも、人によって、喜んで行く場合もあれば、なかなか行きたがらない場合もあります。それから、これはあまりにも当り前になっていたので、書きませんでしたが、うちのジャーマンシェパードは、両方とも会社のドアを開けることができます。残念ながら閉めることはできないのですが、とにかく鍵がかかっていない限り自由に開けることができますから、どの部屋にも出入りができます。こんな有様をみていると、何か、うちのジャーマンシェパードは、2歳どころか、もっと上の頭をもているのではないかと思ってしまいます。

そうして、これは普段から思うのですが、ジャーマンシェパードなどは、賢いし、体も大きくて体などを用いる感情表現もはっきりしています。それに、最近ではなくなりましたが、過去には、噛まれた人もいたのですが、そのときには必ず、噛まれた本人は、気がつかずに、犬が嫌がることをしていたことが判明しました。ただし、本気で噛んでいるわけではないので、大怪我をした人は誰もいません。私自身は、多少嫌がることをしても、噛まれたことはありません。やはり、信頼関係が成り立っている人に対しては、何か嫌がることをされても、それなりに理由があることを理解するのだと思います。

こんなことから、私は、当社のジャーマンシェパードは、ペット(愛玩動物)などという次元ではなく、私たちのパートナーであり、人権ならぬ犬権を有する存在なのだと思っています。皆さんのところの、犬はいかがですか? 犬権を認めてあげて、アイコンタクトもとっていますか?

【関連記事】


YouTubeに掲載されている私の撮影したジャーマンシェパードの動画は、以下から!!(連続再生されます)




2012年1月11日水曜日

南京大虐殺描くチャン・イーモウ監督新作、「リアリティない」と米国では大不評―SP華字紙−【私の論評】虚構を現実にみせかけても、所詮つくりものと見透かされるだけ!!



 2012年1月8日、シンガポール華字紙・聯合早報は、チャン・イーモウ監督の新作映画「ザ・フラワーズ・オブ・ウォー(金陵十三釵)」が米メディアに酷評されていると報じた。



南京大虐殺をテーマとした同作は2011年末の公開。大ヒットを記録し、興行収入4億5000万元(約55億8000万円)で、中国映画としては2011年最大のヒットとなった。第84回アカデミー賞を狙い、2011年末には米国の一部都市で上映されているが、3月からは全米で公開される予定だ。

【私の論評】虚構を現実にみせかけても、所詮つくりものと見透かされるだけ!!
詳細は、上の記事を読んでいただくものとして、中国では、反日バーチャルリアリティー・キャンペーンが、江沢民らによって1980年代から組織的、体系的に繰り広げていたため、このような作品でも、多くの人民に受け入れられてヒットになるのも頷けなくもないです。


そうして、この反日バーチャルリアリティー・キャンペーンの目的は、皆さん驚かれるかもしれませんが、日本がターゲットではありません。それは、他ならぬ中国人民です。

これには、背景があります。中国では、建国以来毎年平均中国全土で、2万件もの暴動がおこっています。これは、中国では、民主化、政治と経済の分離、法治国家化がなされていないため、当然といえば、当然の結果かもしれません。こうした暴動は、発生するたびに、武装警察か、武装警察が手におえなければ、人民解放軍がことごとく鎮圧してきました。

厳しい取り締まりがあるので、数は増えていませんが、建国以来のこの暴動、そのまま放置しておけば、そのうち大事になるのは、わかりきっています。だから、建国以来中国では、反日キャンペーンなど継続して行ってきたのですが、天安門広場事件なる大虐殺事件も発生したわけですから、特に1980年代から単なるキャンペーンではなく、江沢民が体系的な反日活動に変更したのです。

江沢民

これによって、中国共産党に対する、人民のうらみつらみ憤怒の感情などを日本にそらして、中国の国家体制を維持したのです。このような、体系的反日キャンペーンは、意外と歴史は浅いのです。体系的というくらいですから、むろん、国家レベルで、教育から何から、ありとあらゆる、部分で、反日活動が行われるようになったのです。

そのため、中国では、年齢層が高い人は、子供の頃には反日キャンペーンの洗礼を受けていないので、あまり反日的ではありません。実際、1970年代くらいまでは、今日みられるような、大規模な反日キャンペーンなどあまりみられませんでした。しかし、1980年代あたりからの、体系的な反日キャンペーンが徹底的に行われたため、これらの洗礼を受けた人たち、30歳台以下の人たちに反日意識が高いという結果になっています。

その一環として、南京虐殺なるフィクションンもつくられたわけです。そもそも、実際には存在しフィクションであるため、歴史的な事実として残っていないため、映画がをつくっても、正確な時代考証などできないわけですから、アメリカ人などがみれば、いかに、巧妙につくったにしても、作り物にしかみえないわけです。

南京虐殺が歴史的事実をであれば、たとえば、映画をつくるにあたって、監督などが、南京市内をまわって、お年寄りなどから時の模様を取材すれば、真実を聞き出し、時代考証もきちんとでき、リアリティーあふれる作品になったかもしれません。しかし、そのような史実が存在しないから、取材のしようもありません。

そもそも、そのような事実が存在しないどころか、南京虐殺があったとされる時期に、住んでいたお年寄りに話をきけば、日本軍が、南京市民を馬賊から守って保護していたなどの話しかでてこなくて、映画作成のための取材などそもそも成り立たなかったことでしょう。


取材がなりたたないとすれば、やることは、複数文献をあたることだけです。しかしその文献もありもしない事実を捏造しているだけなので、あてにはなりません。複数の文献をみて、その出典などあたっていっても、元の文献は存在しません。どこかで、矛盾が出るでけです。そうなれば、監督が自分の頭で創作するしかありません。だからこそ、12月の南京で、足をあらわにした、女性が登場するなどの、頓珍漢なことがおこってしまい、リアリティーが出ないのです。



皆さんは、カティンの森事件をご存知でしょうか? カティンの森事件(カティンのもりじけん、ポーランド語: zbrodnia katyńska、ロシア語: Катынский расстрел)は、第2次世界大戦中にソ連のグニェズドヴォ近郊の森で約4400人のポーランド軍将校、国境警備隊員、警官、一般官吏、聖職者が内務人民委員部(NKVD)によって銃殺された事件。「カティンの森の虐殺」などとも表記します。


「カティン(カチンとも、Katyń)」は現場近くの地名で、事件とは直接関係ないものの、覚えやすい名前であったためナチス・ドイツが名称に利用しました。(ちなみに下の写真は当時撮影された虐殺現場です。無数の死体が折り重なるように散乱しています)

カチンの森事件

第二次世界戦中にドイツと、ソ連は当時のボーランドに侵攻しました。その結果、ソ連によるポーランド人捕虜はコジェルスク、スタロビエルスク、オスタシュコフの3つの収容所へ分けて入れられました。その中の1つの収容所において1940年の春から夏にかけて、NKVDの関係者がポーランド人捕虜に対し「諸君らは帰国が許されるのでこれより西へ向かう」という説明を行った。この知らせを聞いた捕虜達は皆喜んだが、「西へ向かう」(ちなみに西方は、日本でも黄泉の国を意味という言葉が死を表す不吉なスラングでもあることを知っていた少数の捕虜は不安を感じ、素直に喜べなかったといいます。彼らは列車に乗せられると、言葉通り西へ向かいそのまま消息不明となりました。この人たちが虐殺されていたということです。

犠牲者は、二十数万人にのぼるといわれています。この虐殺事件に関しては、戦後でさえ大量の遺骸が何回も発見されていました。何回も発見され、かなり証拠もみつかっているため、ソ連も、いまのロシアでさえ、この事件があったことを否定はしていません。これだけ、明白であれば、否定のしようもないでしょう。

対して、中国はどうかといえば、南京では、30万もの人民が虐殺されたとしています。であれば、戦後数十年を経た現在までに、何回も遺体が発見されてしかるべきです。いまでもあちこち、探せば遺骨などでてくるに違いありません。確かに、遺体が発見されたという中国メディアによる報道は過去にあったことがあります。そうして、その証拠写真なるものも、報道されていたこともあります。しかし、その写真ときたら、素人の私にでもわかるような、偽造写真でした。

 もし、南京虐殺がカチンの森事件のように真実であるとしたら、とうに虐殺現場など世界の報道陣に公開され、日本に対しても、有無を言わせぬ証拠となったはずです。日本の歴史学者で、南京虐殺をまともに調べたかたが、「たかじんのなんでも言っていいんかい」という番組に出演して「南京虐殺は、玉ねぎのかわを剥ぐように、事実を時はがしていけば、いくほど、実体のないものであることがわかる」としていました。

私もそう思います。ドイツ軍によるユダヤ人虐殺の事実は、誰もが否定しようもない事実で、戦後も数多くの証拠や、証人もいます。30万人もの人間を虐殺すれば、その事実は、隠しようもなく、いずれ白日のもとにさらされたはずです。中国政府は、南京虐殺記念館などの展示物などを開陳して、全世界の歴史学者などに公開すべきと思います。そうすれば、南京虐殺事件は、歴史的事実にできたかもしれません。それを未だにしないということは、虐殺の事実などないことを認めているようなものです。します)

私は、このような映画をいま頃作成するということは、今にいたるまで、人民の不満がくすぶっている証拠だと思います。このような映画を放映しているうちに、中国人民の映画の見かたも変わってくるのではないかと思います。そうです。映画にででくる残忍な日本兵を中国人民解放軍に重ね合わせて見るようになるのではないかと思います。(下は、中国人民解放軍に虐殺された人々の遺体を取り囲むむ人々)


実際、一昨年あたりでは、反日デモがいつのまにか、中国体制批判にかわっているなどのことがあり、中国当局が、反日デモの開催を禁止するようになりました。また、反日サイトも閉鎖するようになりました。

私は、中国はこのままでは、人民の憤怒のマグマが鬱積して、いずれ暴力革命がおこるのではないかと思います。それを防ぐ唯一の道は、反日キャンペーンなど、一日もはやくやめ、民主化、政治と経済の分離、法治国家化を一日もはやく、強力に推進することです。

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2012年1月10日火曜日

IKEAにお泊りしたい! を叶えた「ファン限定」お泊りパーティー―【私の論評】チェーン店の逆襲が始まる!!

IKEAにお泊りしたい! を叶えた「ファン限定」お泊りパーティー:

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ユニークなキャンペーン・イベントを放ち続ける北欧家具メーカーのIKEAがまたまたファンにとってはたまらないイベントを行いました。なんと、IKEAのファンを100人も集めて実際の店舗で大きなお泊り会を開いたのです。

イギリスのエセックスで行われたこのパーティーは、およそ10万人のファン数を持つ「I Wanna Have A Sleepover In Ikea(IKEAでお泊り会がしたい!)」というFacebookページから発想を得た企画です。

招待された100人限定のファンはまさにVIP待遇。そこにはぐっすり眠るためのあらゆるものが揃っています。IKEAのふかふかなベッドはもちろん、ホットチョコレートやマッサージ、ネイルサロンまで用意されています。それだけでなく、どのベッドが本当に自分に合っているかを見極めてもらう機会を得られます。まさに、「一生に一度の経験」といった感じですね。

ただのPRとしてだけでなく、ファンのロイヤリティや購買意欲をも喚起できるので秀逸なイベントとなっています。Facebookを絡めて展開されたイベントではなく、Facebookから発想を得たというちょっとユニークな施策のご紹介でした。

お泊り会の模様をお伝えする動画はこちらです。



【私の論評】チェーン店の逆襲が始まる!!
上の記事では、Facebookを絡めて展開されたイベントではなく、Facebookから発想を得たイベントということで、なかなか面白いと思います。実際、上のリンクで当該ページをみてみましたが、確かにお泊りしたいということがページに書き込まれていました。

IKEAに限らず、ニトリ家具などでも、広い展示スペースに、いろいろなベッドや、ソファ、テーブルなどがおいてあれば、実際にそれを使って、食事をしたり、座ったり、寝たりしたくなるものです。このイベントそうしたお客の要望をうまく取り入れたと思います。

そうして、上の記事には、書かれてはいないですが、恐らく顧客との関係は深まり、売上も上昇したでしょうし、知名度も高まったのではないかと思います。

さて、IkEAでは他にどのようなイベントをしているか、動画を探して見ました。以下にそれをコピペしておきます。

まずは、下の動画をみつけたのですが、このようなイベントはなかなか日本ではできないかもしれません。車用のスピーカーのプロモーションイベントのようです。



さて、その他何か面白いイベントはないかと思い、探してみましたが、なかなかなかったので、次は何か面白いCMはないかと思い探してみたところ、あるは、あるは、次から次へとでてきます。その中から一部を以下に掲載します。







さて動画はこのくらいにして、画像はどんなものがあるか、さらに探索してみました。以下にそれを掲載します。

下の画像は、字も読めないので、一体何を意味しているのかさっぱりわかりません。


以下いろいろいと、画像を掲載します。



いろいろな、動画、画像を掲載しまししたが、そろそろ、私のいいたいことを掲載します。上の記事では、上の記事のイベントは、Facebookを絡めたものではないということ、何かを示唆しているとは、思いませんか?

そうです。つい最近まで、eコマースの話題が多く、まるで新機軸の商売はすべてネットとであるかのような状況になっていたと思います。しかし、正確な統計は知りませんが、いまだ小売では、物理的な店舗での売上が圧倒的に多く、eコマースは、そのうちのほんの一部の少数派にすぎないと思います。

そうして、上の記事では、イベントそのものは、物理的な店舗そのものを使っていて、SNSとか、ネットなどは何も関与していないということてす。

これは、以前にもここのブログに掲載したことですが、物理的な店舗を持つ、それもIKEAなどの大規模チェーン店はこれから、eコマースよりも、有利になります。それは、どういうことを意味するかといえば、AppleとAmazonの両社の動きをみればわかることです。

Appleがなぜ、わざわざ、既存のPCではなくiPadを、Amazonもわざわざ既存のPCではなく、Amazon Kindle Fireを投入したかを考えれば理解できることです。


以下に以前ブログに書いた内容をそのままコピペします。

Appleは、従来典型的なパソコンメーカーでした。しかし、ご存知のように、iTunesでネットで音楽配信事業を展開するようになりました。最近は、iPhone、iPadのアプリをネット配信しています。また、iBookで電子書籍を販売したり、さらには、iAdにより広告をしています。そうして、eコマースの世界に踏み入りながらも、パソコンや、iPad、iPhone、iPodなどの物販も継続しています。

Amazonは、eコマース大手です。そのeコマース企業が、2007年にはじめて、電子書籍リーダーであるkindleを販売しはじめました。そうして、今回のKindle Fireです。そうして、この両社は、他社などを通じてではなく、直接、ユーザーに対する窓口を持つことになったということです。それも、ブラウザなどを通じて、間接的にではなく、自社製品による直接の窓口を持ったということです。

両方とも、直接の窓口(タブレット端末)を通じて、ユーザーと直接関係を持つことができるようになったということです。Amazonの場合は、従来は、eコマースで、従来から直接関係を保ってきましたが、その入り口は、他社の窓口に頼っていました。今回、Kindle Fireによって、初めて、この入り口を完璧に自分のものにすることができるようになったということです。

 

なぜ、窓口を自分のものにする必要があるかといえば、やはり、既存のeコマースの場合は結局間接的であり、たとえ、amazonのように、多数の顧客を抱えて、さまざまな手法を用いて、顧客との関係を保ってきたとしても、顧客からすれば、パソコンのブラウザを通じて、いくつもあるサービスのうちの一つを利用しているにすぎないわけで、自宅にあるパソコンのディスプレイから覗き見る、いくつかのサービスの一つという位置づけになります。

これでは、他社のeコマースと差別化を図るのは、大変です。amazonは、ネットで、ユーザーに便利なようにいろいろい差別化をつけていたのですが、他社も負けじとして、いろいろ差別化をしている現在それにも限界がありました。

Appleのeコマースも同じようなことがいえます。Appleのパソコンを用いて、Appleのeコマースを利用する人にとっては、いくら、他のサービスも利用しているとはいいながら、窓口では、必ず、Appleを意識するようになります。しかし、Appleのパソコンをすべてのユーザーが所有しているわけではありません。というより、圧倒的にWindowsのパソコンのほうが、多く、Appleのシェアは数パーセントにすぎませんでした。であれば、大多数のユーザーにとっては、Appleのeコマースは、amazonと同じように、自宅にあるパソコンのディスプレイから覗き見る、いくつものサービスの一つという位置づけになってしまいます。

このままでは、Appleがせっかくeコマースに進出し、これを成功させようとしても限界がありました。かといって、従来あるパソコンの販売台数を劇的に増やすような手立てはありません。そこで、ジョブズが考え出したのは、まさに、iPadだったのだと思います。Appleのeコマースの窓口としての位置づけの端末、それが、iPadなのです。

そうして、他社のeコマースとの差別化にかねてから着手してきて、そろそろ、ネタ切れになっていたのだと思います。そこにでてきた、iPadの意味をAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏は、すぐに悟ったのだと思います。そうして、すぐに製作に着手したのだと思います。

さて、このような事実を目の当たりすると、Appleがなぜ、Apple Storeを運営しているのか、理解できます。物理的な店舗は、一般的なブラウザよりも、はるかに差別化がしやすいということです。店舗もさることながら、そこで働いている従業員なども、生身の人間であり、個々人がユニークな存在であり、サイトや、動画、静止画よりもはるかに差別化をつけやすい存在です。チェーン店だとしても、他チェーンとの差別化を図りやすいですし、ましてや、通常のブラウザから見るeコマースとは、徹底的な差別化をはかることができます。

そせに、ここにきて、物理的店舗を持つチェーンがかなり有利なことがらがあります。まずは、これは、従来からある有利な点ですすが、誰もがeコマースを実施することができるという事実です。物理的な店舗をもっているところが、eコマースなどしてはならないという規則や法律などありません。Amazonのように大きくはなっていませんが、実際大きなチェーンで、eコマースにも取り組んでいるところがいくらでもあります。


それに、最近こうした物理的な店舗を持つところに非常に有利な展開があります。それは、スマホなどの、モバイルガジェットGPS機能が普通に持つようになったことです。このGPS機能いまのところ、あまり活用されていませんが、今年からからかなり利用されようです。

最近では、高性能スマートフォンの普及を背景に、GPSを活用した位置情報系サービスがその存在感を高めています。これまでもPCやケータイで地図を見るサービスはありましたが、それに加えて、自分が現実にいる場所をソーシャルメディア経由でアピールしたり、付近の店舗を検索したり、ゲームに利用するといった行為が一般化しつつあります。

これらのサービスは比較的新しい概念ということもあって、その総称については定説を見ないですが、近年は「ジオメディア」「GIS」などと呼ばれることが多いようです。またゲーム分野に限定すれば「位置ゲー」という呼称がかなり定着しています。どんなサービスが実際に提供されているかは、以下のURLをご覧になってください。

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/link/20111111_490181.html

いずれにせよ、今後こうした、位置情報システムも活用して、物理的な店舗を多数持つチェーン店が何らかの動きをすることは明らかです。もうすでに、一部のスーパーが、顧客にiPadを配布したりしています。Apple Storeでは、顧客が自宅で、iPhoneから注文すると、店では、お客がくるとすぐにわかるようにして、商品を手渡せるようにしています。アメリカのスーパーでは、顧客が店のどこにいるかを把握できるシステムを導入しはじめたところもあります。

いわゆるチェーン店が、本格的にeコマースをはじめ、物理的な店舗とともに、さまざまなポートフォリオ(組み合わせ)を展開しはじめたら、どうなることやら。現在までのところ、eコマースのみの業態はほぼ完成したものと思います。むろん、まだまだ、開発の余地はありますが、従来のように開発の奥行きや幅が広くはないと思います。

これに比較すると、物理的な店舗を多数持つ業態はまだまだ、開発の幅と奥行きが果てしないほどあると思います。これらが、店とeコマースと、さらに、上記でいうところの、GISを活用し、これらをばらばらに運用するのではなく、統合するようなサービスを考え出したところが、将来は抜きん出てくると思います。さて、今年はどのような動きがでてくるか楽しみです。新たな動きがあれば、このブログでも掲載していきます。

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