2012年8月11日土曜日

【藤井厳喜】進行中の世界エネルギー革命:安い天然ガスと石油の時代−【私の論評】世界エネルギー革命を前提に物事を考えよ!!

 【藤井厳喜】進行中の世界エネルギー革命:安い天然ガスと石油の時代


【シェールガスとシェールオイルによるエネルギー大革命:安い石油と天然ガスの時代が始まった!!】

近年、シェールガスとシェールオイルという全く新しいタイプの天然ガスと石油が世界中で大量に発見されています。 この為、国際的なエネルギー状況は革命的に変化しました。一言で言えば、安い石油と天然ガスが大量に供給される時代が始まったのです。

現在の技術で、しかも、現在の価格帯で生産する事の出来る天然ガスは約400年分、石油は約200年あることがほぼ確実に分かっています。これらの天然ガスと石油の生産コストは極めて安く、加えて、これらのエネルギー源は、先進国内にも大量に埋蔵されている事が分かっています。

この7月、日本でも、秋田県でシェールオイル油田が発見され(鮎川油ガス田)、その採掘が急がれています。 このエネルギー情勢の革命的な変化により、日本では、原子力発電を大幅に削減ないし全廃しても、不安のない状況が生まれています。

取敢えず、安全性に最大の重点を置きながら、原子力発電を削減しても、これを完全に補えるエネルギー状況となってきました。電力供給に限って言えば、今後の世界の主流は、天然ガスを燃料とするガスタービン・コンバインド・サイクル(GTCC)による発電となりつつあります。 しかも、このGTCCは、日本の重電メーカーの独擅場である。

このエネルギー革命がもたらす政治的かつ経済的変化には実に大きなものがあります。アメリカ国内のエネルギー生産が増大する為、アメリカの経常収支は改善します。これは、世界の基軸通貨のドルの寿命をより長期化する事に役立つでしょう。

又、アメリカのエネルギー自立度が高まる事は、アメリカの中東に対する外交的干渉へのインセンティブが著しく低下する事をも意味するでしょう。イスラエルにおいても、サウジアラビア並みのシェールオイルが発見され、同国のアラブ諸国やイランに対する外交的立場を著しく強化しつつあります。

エネルギー大革命の先端を切ったのは、シェールガス(Shale Gas)でした。 シェールとは、頁岩(けつがん)の事です。 この頁岩という堆積岩層に含まれている天然ガスの事をシェールガスと言います。 従来から、シェールガスが存在すること自体は知られていましたが、開発・生産コストが高すぎる為、実用化されてきませんでした。 ところが、アメリカの中堅エネルギー企業が、これまでの油田開発などで培った水平掘削、水圧破砕、三次元探査、マイクロセンシング(微細探査)などの既存技術を組み合わせて、シェールガスの商業開発に成功したのです。

21世紀に入ったばかりの頃には、シェールガスの生産コストは100万BTU(英熱量単位)あたり200ドル以上でしたが、技術革新の結果、シェールガスの生産コストは100万BTUあたり2ドルから2.5ドルにまで、劇的に低下しました。 米国のシェールガス生産が本格化したのは2006年からです。 米国の天然ガス生産量は、2005年を大底に、今やうなぎのぼりに急増しています。

【私の論評】世界エネルギー革命を前提に物事を考えよ!!

最近は、デフレやそれを加速する増税、あくまでも、デフレ政策に固執し、金融引き締めばかりやる日銀<いじめなどのいわゆる暗い閉塞感漂うことばかり掲載してきましたし、それに昨日は、韓国大統領の竹島訪問など、さらに、うんざりする報道もなされたことから、ここいらで、少し明るい話題を提供するという意味あいで、上記の記事を掲載させていただきました。


シェールガスや、シェールオイルなど、私も5年ほど、前から知っており、いずれは、これらを掘削する技術がでてきて、実用化されるであろうとは、思っていましたが、それにしても、その当時は、まだ"眉唾"という感じで、あまり信用していませんでした。それに多くの人も、掘削に経費がかかり実用化はまだまだという具合に論評していました。そのため、まだまだ、実用的ではないと判断していました。そうして、最近の原発事故により、日本のエネルギー政策の転換が迫られる中でも、シェール・ガスやオイルのことは選択肢としては、なかなか思い浮かんではきませんでした。

米テキサスのシェール・オイル掘削現場
しかし、あれから5年たって、シェール・ガスやオイル採掘しても、十分採算の目処がついたようです。これは、次期エネルギーとしてかなり有望というより、確実な情勢になってきたと思います。ただし、シェールオイルが実用的になったからといって、すぐに、日本国内のエネルギーを全部これに置き換えるということはできないため、いまだ、原発をすぐに全廃などということにはならないと思います。ただし、今から無理をして、新たな原発を多くつくるということは必要なくなったと思います。

日本では、上の記事でも明らかなように、秋田県で油田が発見されていますが、シェールオイルは、一箇所発見されると、他にもその近辺に多数発見されることが多いそうですから、これからも、期待できます。ここで、秋田の油田についての記事を下にコピペしておきます。

秋田でシェールオイル試掘へ 石油資源開発が来年、わが国初

政府系の石油資源開発は6日、秋田県由利本荘市の「鮎川油ガス田」で来年にも、新型石油として注目される「シェールオイル」の試掘に乗り出すことを明らかにした。米国を筆頭に世界で開発が加速しているシェールオイルだが、日本国内での開発は初めて。 
 これまで存在は確認されながら採掘は難しいとあきらめられていたが、技術の進歩で採算性が見込めると判断した。 
 同社によると、シェールオイルの埋蔵が確認されているのは、同油ガス田の地下1000~1500メートルにある、頁岩(けつがん)と呼ばれる粘土質の岩盤層。付近の地層で十数年にわたる石油や天然ガスの採掘作業の中で、存在が明らかになっていたという。 
 シェールオイルは頁岩の中に閉じ込められており、通常の石油のように地層の間に貯留していないため、パイプで掘削しても自噴しない。これまで、採掘は不可能と考えられていた。 
 だが、米国で水平採掘や水圧を使って岩を砕く技術が発展し、採掘コストも低下。同社は、日本国内でも開発しても「採算に見合う可能性が高まった」として、試掘に踏み出す。 
 まず、詳しいシェールオイルの分布を調べるため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助金交付を受け、探鉱作業を本格化させる。500万バレル程度の採掘が見込める地層が見つかれば、試掘のうえ、来年にも試験生産に着手する計画だ。 
 シェールオイルは広範囲に分布するのが特徴。同社は、周囲地域でも埋蔵が有望視されるとして、探鉱作業のエリアの拡大も検討中だ。これらを合わせれば、国内の年間石油消費量の数%に当たる1億バレルの採掘も視野に入るという。
ただ、シェールオイルの採掘は、通常の石油掘削と比べ多くのパイプを土中に埋め込む必要がある。先行する北米などでは環境問題も指摘されており、試験生産に成功したとしても、生産拡大への課題は多い。
シェールオイル、なにせ岩盤の中の原油を取り出すことから、地震による地盤沈下などが懸念されているようですが、オイルのかわりに、水を注入するという技術も開発されているそうですから、是非これからも、進めていただき、エネルギー問題を一挙に解消してもらいたいですし、実際にアメリカでは随分生産が進んでいるそうですから、日本でも、そのようにすべきです。


これから、数百年くらいは、シェールオイルやガスで人類は、エネルギー問題を解消できます。しかし、これらもいつかは底をつくようになりますから、将来を考えてエネルギーの無駄遣いはやめ、省エネを徹底して、代替エネルギーの開発も進めててくべきでしょう。



いずれにしても、今日の私たちは、当面エネルギー問題に頭を悩ます必要は、なくなりそうです。今後、政治の世界でも、経済でも、事業でも、世界のエネルギー革命を前提に物事を考えていく必要があります。いくつか、はっきり言えるのは、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーは、ドイツやアメリかなどでも大失敗していますし、不安定であることから、もはや見込み薄とみておくべきです。これらには、投資することもやめたほうが良いと思います。そうして、新しい原発の建造の必要性もなさそうです。それに、先日もこのブログに掲載したように、地球温暖化二酸化炭素説とか、地球温暖化災厄説など全くのデタラメです。

太陽光発電は魅力的に見えたが・・・今は望み薄
だから、気にせずにバンバン大気中に二酸化炭素を放出いたしましょう!!ただし、無駄遣いはダメですよ!!おそらく、地球温暖化二酸化炭素説も近いうちに姿を消すと思います。それよりも、地球寒冷化になっても、人類はしばらくは、エネルギー不足には見舞われないということです。そのことに、私達の子孫は、福音を感じることと思います。とにかく、当面は、エネルギーに関してあまり悩まなくてすむということは、素晴らしいことです。素直に喜ぶべきことと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さん、はどう思われますか。


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2012年8月10日金曜日

家庭料理のパラダイムチェンジ~家庭の調理もだんだんと鍋とレンジ台を使わなくなる? | 勝間和代オフィシャルブログ−【私の論評】日本のホーム市場の最後のフロンティアが始動するか?

家庭料理のパラダイムチェンジ~家庭の調理もだんだんと鍋とレンジ台を使わなくなる? | 勝間和代オフィシャルブログ


今日つくった朝ご飯は、なんの変哲もない朝ご飯ですが、実はこれ、すべての料理、いわゆる普通の調理で使う「お鍋」と「レンジ台」を使っていないのです。

実は、いま各種オーブンやレンジ系の技術がものすごく発達しており、ほぼ全ての料理は簡単なプログラムを手で行うことで、実は炊飯器と同じように、「チン」で終わるのですが、意外と使われていないと思いませんか?

例えば、今朝のメニューのうち、小松菜の胡麻和えと焼き芋はこちらで作りました。左がスチームコンベクションオーブン、右がスロークッカーです。



これまでですと、例えば小松菜をゆでようと思ったら、たっぷりの水を湧かして、小松菜を茹でて、水を切って、など大変でした。あるいは蒸すにしても、蒸し器を用意して、温度管理をして、たいへんです。電子レンジで茹でてもいいのですが、電子レンジは構造上、表面から近いところが温まりやすくなりがちで、均一に茹でるにはそれなりの手間がかかります。

ところが、スチームコンベクションオーブンを使うと、「80度10分」でチンというように、直接、温度と時間が管理できるのです。鍋を使って強火や弱火にする理由は、一定時間、一定の温度で調理をしたいからで、それをもともと、コンピュータ制御された機器でできるとしたら、そちらを使った方が楽ですよね。すると、完璧なゆであがり具合で、しかもしゃきしゃき感が残ったまま、おいしくできあがります。

また、手羽先も、こちらも1晩たれにつけておいて、軽く小麦粉をまぶしたあと、ヘルシオの水蒸気オーブンで「220度で12分」、チンとしたら、できあがりです。外はぱりっと、中はジューシー、そして、油はもともとの手羽先の油以外まったく使っていないのに、パリパリーーと仕上がっています。こちらも、揚げたり煮たりしたら、ここまで上手にできません。

味噌汁も、電子レンジとスチームコンベクションオーブン使いました。まずは電子レンジ用の「だしポット」に水と鰹節と昆布をいれて、600Wで7分ほど、チーーーン。一番だしができあがったら、ここに味噌をといて、シリコンスチーマーにこの味噌汁と具材をいれて、シリコンスチーマーをそのままスチームコンベクションオーブンオーブンに入れて、「煮込み弱、12分」でチーーーンとしたら、できあがりです。

しつこいですが、ほんと、腕も何もいりません。全ては材料を用意して、切ったり、混ぜたりして、あとは「チーーーン」するだけ。炊飯器でご飯を炊くのにまったく料理人の技術が関係ないように、残りの料理もどちらかというと、

・何の機器を使うのか
・どのレシピを使うのか

のほうが重要になってきます。

なお、チーンの問題点は、電源が足りなくなること、及び、通常は電子レンジオーブンは1家庭に1つしかないので、一度に何品もできないことです。私が買ったような、小型のスチームコンベクションオーブンが普及してくると、また変わってくるのかもしれません。

その時には、台所の構造も変わることでしょう。うちのIHレンジ台が、ほとんど調理台としてしか使われていない一方、スチコンは置き場所がないので、リビングの窓際に置かれています。鍋も、ほとんど天板か、せいぜい、シリコンスチーマーしか使わないので、多種類の鍋たちはほとんど、シンクの下にしまわれっぱなしになってしまいました。

スチコンが業務用に普及したのもここ10年で、さらには真空調理が新しいトレンドとして加わっています。真空調理については、私も少しずつ、チャレンジしてみたいと思っていますが、まずはオーブン系の使いこなしをやってみたいと思います。

勝間さんの上の記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】日本のホーム市場の最後のフロンティアが始動するか?



勝間さんの上のブログ、パラダイムチェンジという言葉を使っているので、ご本人自身は、twitterで大げさと語ってらっしゃいましたが、そうではないかもしれません。

実は、このことについては、このブログでも随分前にとりあげたことがあります。それは、たとえば、イタリアでは、ほとんどの料理がオーブンを使っているのに、日本ではまだまだ使われていない、これを使うようにできれば、日本のホーム市場の最後のフロンティアになるかもしれないという趣旨でした。実際、勝間さんが上記のようなことをブログに掲載するわけですから、まだまだ、実際に日本の家庭では使われていないのだと思います。

この話題しばらく、掲載していなかったので、以下にその部分をコピペしておきます。
オーブン料理が普及する欧米-日本でのオーブン向け商品の少なさ
日本を含め米を主食とするアジアでは、湯を使う(ゆでる、蒸す)調理法が一般的であるため、欧米のオーブン(蒸し焼き)の文化とは全く違う食文化を営んできました。米を食べる文化圏では、レトルトパウチ食品が広く普及しました。
欧米諸国でも1970年代に家庭用としての実用化が試みられましたが、商品としては育ちませんでした。今でもアメリカではレトルト食品は宇宙食であるとの観念が強いようです。
大型の冷凍冷蔵庫が早くから普及して常温保存の必要性が高くないこと、一般的にローストするなどオーブンでの加熱調理が食事作りの基本となっていることがその理由としてあげられます。実際、最近の様子を欧米現地在住者に聞いてみても、冷凍食品とともに缶詰、びん詰、乾燥食品が圧倒的で、レトルトパウチ食品は見当たりません。
ひるがえって日本ではスーパーなどの食品売場や食器売場にはオーブントースター用とか、電子レンジ用の商品は豊富においてあり、レトルトパウチ食品なども相当豊富ですが、オーブン用の素材・食器・道具となると驚くほど少ないです。
アメリカのスーパーだと、オーブン用に半加工してあるローストビーフ用や、半焼成したロースト・ビーフや詰め物をして下ごしらえしてある鳥などはもとより、アミーズ・キッチンなどのオーブン用の冷凍食品や瓶詰、缶詰が豊富です。
今後のオーブン・レンジの普及にともないこれらの商品に対する需要が高まる可能性は大きいと考えられます。この需要は日本国内に残されたホーム関連市場のフロンティアとなる可能性が大です。ただし、現状のままでは同じことの繰り返しになります。飲食産業、流通産業、メーカーなどが協同したインフラ整備などしていく必要があるものと考えます。

数年前(2007年当時)当時)から都内などのハイグレードマンションにはオープンキッチンシステムは当たり前で、大容量のアメリカ製のオーブンやガステーブルはもとより、アメリカ製の冷蔵庫が最初から備え付けられるようになりました。 
アメリカ製のオーブンや冷蔵庫の最大の魅力は容量が大きいことです。冷蔵庫は日本製のファミリー世帯用冷蔵庫の平均容量が概ね300L~400Lであるのに対し、アメリカ製の容量600L~700Lが標準でありその大きさの違いは明らかです。 
ハイグレードマンションの住人は、よく友人やお客様を招待してホームパーティを開きます。その際、大容量の冷蔵庫はその威力を大いに発揮してくれます。次に魅力として挙げられるのがアイスディスペンサーです。欧米製の大型冷蔵庫には必ずといっていいほど付いている。アイスディスペンサーは、普通の氷だけでなく、クラッシュアイスや冷水も自動的に作くる。氷や冷水の利用頻度の高い欧米人にとっては必須の機能といえます。 
洗濯機・乾燥機も欧米の製品は大容量が大きく大量の洗濯ができることと、ビルトインにより見た目を美しくコンパクトに収納できるため、新築のハイグレードマンション取り入れられています。数年前からハイグレードマンションに居住する日本人の富裕層が、自宅に料理人を出張させてパーティを開いているという話をよく聞きます。グローバル化の時代、欧米製のキッチン機器は富裕な日本人の生活にも必需品となりつつあり、もっと下の層にも浸透しつつあります。 
オーブンの掃除はなかなか大変、だから、欧米ではブロの掃除人がいるくらいです
しかしながら、この浸透は遅々として進んでいません。なぜでしょうか?富裕層は別にして、もっと下の層ではせっかくシステムキッチンがあったとしてもそれを使いこなせい家庭も多いからだと思います。富裕層に関しては、自分で調理せずにケータリングをしたりするの使いこなせなくても何とかなるのでしょう。 
 
最近は普通のマンションでもシステムキッチンが導入されています、システムキッチンには必ずといっていいほどオーブンがついています。これを使いこなせない人が意外と多いのです。ですから、せっかくのシステムキッチンのオーブンで何を調理するかといえば、冷凍ピザを焼くとか、フライパン等で調理した料理を保存しておきそれを温めるとかが多いようです。
新築のマンションに入って、初めてシステムキッチンを使う機会に恵まれた新婚の奥さんが冷凍ピザを焼いて真っ黒焦げにしているなどの話はよくききます。さらにやっかいなのは日本では元々システムキッチンを活用するようなライフスタイルがなかったことなどが多大な影響を与えていると思います。 
しかし、こうしたギャップがあるからこそホーム関連市場の最後のフロンティアになる可能性が大きいと考えます。
さて、上のコピペは、2007年当時のものですが、あれから5年随分世の中も変わってきました。あの当時は、電子オーブンレンジなどが家庭にあっても、ほんど電子レンジとして使っているというのが当たり前のようでした。


しかし、最近では、電子レンジ調理によるインスタント食品などでてきて、以前よりはかなりオープンレンジを使う機会が増えてきました。そうして、上の勝間さんの記事のように、実際にオーブンを使う人もそれなりに増えてきました。しかし、勝間さんのブログを見ている限りでは、まだまだという感じがします。まだ、おかずのうちの何かを作るという感じて、欧米のようにメインデッシュから何から何までをつくるというようにはなっていないような気がします。


私の実家には、昔からドイツ製の大きなガスオーブンがあって、それでかなりいろいろな料理をしていました。たとえば、ロースト・ビーフ、チキン、ポークなど当たり前に作っていました。そう書くと、何やら、日本の一般の人には、たいそうなことをしていたように思われがちですが、これらの料理をつくるということは、本当に簡単で楽です。


とにかく、牛肉や、豚肉の塊、鶏肉など、塩コショウして、タコ糸や竹ひごで整形して、火を入れたオープンの中に、所定の温度で、所定の時間いれておけば、誰でもできます。うちでは、普段は、そうではないのですが、お客様多数がいらした時には、中学生くらいの頃から、これらをオーブンで焼くのは私の仕事でした。何回かやれば、誰にでも造作もなく簡単にできます。焼くといっても、フライパンなどで焼くのとは異なり、一旦オーブンの中に入れれば、後は、焼きあがるまで何もする必要もありません。無論、ソースをつくるなどのことは、味覚などが優れていないとダメなので、難しいとは思いますが、ローストチキンなど、塩コショウだけでも十分美味しいくいただけます。ローストポークなど、焼き豚のかわりラーメンにつかうと、かなり差別化できて美味しいです。

だから、母などは、普段は、オーブンで何かを焼きながら、他の料理をしていました。ただし、お客様が来たときには、簡単なオーブン料理は、私に任されたのでした。しかし、温度と、時間さえ間違えなければ、本当に簡単にできます。こんなに簡単な料理を私は、他に知りません。だから、今でも、自分で焼いてしまうことも良くあります。


それから、もう一つ、揚げ物などにも利用できます。日本だと、厚手の鍋かフライパンに大量の油を入れて、揚げますが、イタリアやドイツなどではそんなことをするのは、プロの料理人だけかもしれません。

これも、オーブンで手軽にできます。たとえば、鳥の唐揚げなら、衣をつけて、その鳥を耐熱皿に入れで、鳥に油をかけて、それをオーブンに入れます。そうすることにより、少ない油で、カリカリの唐揚げができます。これだと、油を大量に使うことがなく、油を何回か使うということもなく、廃油の問題もなくなり、それに油であげたのと変わりがなく美味しくできます。フライドチキンだって、これとほぼ同じ手順でカリカリに美味しいく焼くことができます。特に、アメリカなどでは、バターミルクに漬け込んでから焼いているようで、そうすると肉が柔らかくなり、本当に美味しくなります。私は、バルサミコにつけこんだりします。これもかなり美味しいです。


ピザなども、時間と温度を間違わなければ、誰でも、美味しく焼けます。アメリカなどでは、ビザのドウ(生地)が、プラスチックの容器に入って、スーパーなどで普通に売っていますから、これと、シュレッダーチーズとソースを一緒に買ってきたら、それを説明書に書いてある通りにすれば、誰でも簡単で焼けます。それから、このドウでパンなどもできます。

特に、ピザは、こうしたものがあれば簡単ですが、そうでなければ、結構大変です。パンやピザなどは、さすがに電子レンジではできません。日本では、パンを自分で焼く人などいないので、パン屋さんが、発達したのかもしれません。それにしても、スチームつきの、オーブンレンジがあって、かなり普及しているのに、ごパンなるものが新たに開発されてそれが売れる日本、本当に不思議といえば不思議だと思います。私などは、逆に「そこまでしてオーブンを使いたくないのか」と思ってしまいます。ちなみに、米粉のパンも勿論、オーブンで焼くことができます。


そうして、いろいろ書いていて思ったのですが、日本の場合は、スーパーに行っても、あまりオープン関係の食材とか、道具なども売っていないし、料理教室でも、オーブン料理は教えていませんから、これを欧米なみにすれば、日本でも十分にできると思います。それに、スチームコンベクションオーブンが頭脳を持ち、クラウドにもつながり料理にあわせて、自ら最適の調理をするようなれば、かなり便利と思います。それから、掃除も最近のエアコンのように、ある程度オープン自体がやるようになれば、最高です。このあたり、新たな市場として、もっともっと注目されても良いと思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

あのカレーを日本に導入して、誰もが食べるようになった日本、オーブン料理はまだまだですが、勝間さんのブログにもみるように、だんだんと普及の兆しがあるようです。家庭でオーブンを自在に使えるようになったとき、日本の家庭料理も、欧米の食文化を本格的に取り入れ、より豊かになるのではないかと思います。それに、日本人のことですから、思ってもみかなった美味しい料理が生まれてくる可能性は十分あると思います。そう思うのは、私だけでしょうか?


【関連記事】

オーブン料理が普及する欧米(2)オーブンをあまり使わない日本の家庭






2012年8月9日木曜日

いじめ 警察に被害訴える動き相次ぐ―【私の論評】「いじめ」という言葉は間違いではないか!!

いじめ 警察に被害訴える動き相次ぐ

アメリカでは、いじめを"bully"という。アメリカでもその被害は甚大だ!!

同級生から暴行を受けたなどとして、いじめの被害を訴える子どもやその家族が、警察に被害届を出したり、捜査を求めたりする動きが相次いでいます。

今月6日、仙台市の高校2年生の男子生徒が、同級生から腕にたばこの火を20回以上にわたって押しつけられるなどの暴行を受け、登校できなくなったとして、警察に被害届を出しました。

また、7日、新潟県長岡市の高校1年生の男子生徒が、中学時代に同級生から受けた暴行がいじめだったとして、警察に捜査を求めました。

16年前、中学生の息子を自殺で亡くした、大分県佐伯市の大沢秀明さん(68)は、NPO法人「全国いじめ被害者の会」の代表を務め、いじめの被害を訴える子どもや保護者を支援する活動をしています。

大沢さんのもとには、全国からいじめに関する相談が寄せられていて、大津市で中学2年生の男子生徒が自殺した問題のあとは特に増えているということです。

大沢さんは、「子どもや親たちは学校や教育委員会にいじめについて相談してきたが、納得のいく対応をしてもらえず、頼ることはできないと感じている。いじめを『犯罪』として警察に捜査してもらうなど、より踏み込んだ対応も必要ではないか」と話しています。

【私の論評】「いじめ」という言葉は間違いではないか!!



いわゆる「いじめ」に見られる行為の多くは、刑法などに記載された犯罪行為です。「いじめ」という言葉は曖昧ですが、犯罪行為ということであれば、定義が明瞭です。以下に、いわゆる「いじめ」という言葉で曖昧にされている犯罪への刑法の適用事例など掲載してみます。
殴る・蹴るなどの暴力
→ 暴行罪(ぼうこうざい・2年以下の懲役)

暴力行為によって怪我をさせる
→ 傷害罪(しょうがいざい・15年以下の懲役)
→ 殺人未遂罪(さつじんみすいざい・5年以上の懲役など)

所持品を壊す、教科書やノートに悪口を書き殴る
→ 器物損壊罪(きぶつそんかいざい・3年以下の懲役)

所持品を隠す
→ 窃盗罪(せっとうざい・10年以下の懲役)

悪口を言う、悪口を黒板いっぱいに書く
→ 名誉毀損罪(めいよきそんざい・3年以下の懲役)
→ 侮辱罪(ぶじょくざい・拘留または科料)
※ こういった行為が原因でPTSDと診断された場合は、傷害罪が適用されることもあります。
相手が嫌がることを脅しや暴力などの手段を使って無理強いする(「パシリ」など)
→ 強要罪(きょうようざい・3年以下の懲役)
→ 脅迫罪(きょうはくざい・2年以下の懲役)
暴力や脅しを使って、お金を出させる
→ 恐喝罪(きょうかつざい・10年以下の懲役)

◆ 罪名、量刑は刑法による
◆ 量刑は懲役刑(刑務所に入るもの)のみ記載。
      懲役刑のないものは他の刑を記載。
◆ 親告罪(告訴の必要なもの)もあります。

もっとも、法律で定められていても、上記のような行為があれば直ちに処罰されるものでもありません。実際に警察などに届けても、証拠物や目撃情報などが明らかでない場合も多く、また、何度も言っていますが、被害者本人も心の傷やトラウマなどから自分がされたことをうまく話せず、そういう部分で警察側も「あなたが言わなければ、何もわからないんだよ!」と怒鳴ったりすることもあるので、弁護士などが付き添ったり、警察側も余程の理解がないと捜査まで行くことはないでしょう。余計に許せないことです。


その上、加害者も未成年の場合が多いので、少年法も適用され、上記のような罰則が課されることはまずないと思います。もっとも、「未成年だから、何をやってもかまわない」と思っているのなら、それ自体が最悪です。

もちろん、「陰口を言う」など上記にはないものもありますが、それでも道徳上「やってはならない」ことですし、それを実行する者自身の評価を下げることにもなります。そのあたりを十分認識させるべきです。


学校内ということで、上記の犯罪行為が「いじめ」という言葉で曖昧にされているだと思います。犯罪を見逃すという行為は、犯罪です。犯罪を見逃してきた、教育委員会や、学校の先生も犯罪者集団になると思います。いじめ被害者も、いじめ加害者だけではなく、こうした集団犯罪者も訴えるべきです。


これは、最早いじめではない傷害罪だ!!

大阪市の橋下徹市長は7日、市役所で市教育委員と意見交換し、いじめ問題の指導について、「多数で少数をいじめるなんてことをやったら、ぶちのめしたらいいと思うんですよ」と述べ、いじめた側への厳しい対処の必要性を強調しました。

市の「教育振興基本計画」改定のための協議での発言。 
各地で深刻なケースが発覚しているいじめ問題について、教師側が踏み込んだ指導ができていないことを指摘。「生徒の支援と同時に先生の支援を、法律家ががっちりくんでルール化し、手順を踏みながら、いじめはいけない、という明確な方針を(立てるべきだ)。一線を越えたら厳しく対処するという姿勢が必要だ」と話し、いじめを把握した際の生徒指導の方針作りや、教師を支える支援体制の構築などを提案しました。
この橋下市長の発言に関して、古賀茂明氏は、現代ビジネスにコラムを寄せています。


詳細は、当該コラムをご覧いただくものとして、以下に要旨だけ掲載しておきます。 
教育に関して強大な権限を独占している教育委員会が、教師と役人の保身の組織であり文科省の御用機関であるという構造に陥っていると何が起きるか。今回の大津市の事例がこれを如実に示した。 
やはり、住民の選挙という審判を受ける自治体首長に、教育に関するより大きな責任を負わせる仕組みを作っていくべきだということだ。「教育に政治的介入を許すな」というのもわかるが、今は、「教育を教師と役人から住民の手に取り戻せ」ということを重視すべきだと思う。
古賀氏のいうことは、もっともです。時間をかけて、じっくりと取り組むべき課題であると思います。しかし、これを実行するためには、システム、法律、条例などを変更する必要があります。そうなると結構時間もかかります。それに、官僚組織にはありがちなことですが、結局法律など変更したり、システムを変えても、いろいろな方策を考えて骨抜きにします。そうして、従来と全く変わらず有名無実にすることなど得意中の得意です。古賀氏は、そのような実体を嫌というほど、見せつけられてきていると思います。

多数で少数を「いじめ」の中の多数には、「いじめ」を見逃した者も含まれると思います。であれば、教育委員会や、学校の教師も含まれると思います。無論、現在の法律や条例などでは難しい面もありますが、「いじめ」を刑法犯罪として捉えれば、そのようなことも十分可能であり、法律や、条例を変えたり、付加しなくても、できることはかなりあります。明らかな刑法犯罪が、「いじめ」という名のもとで、見過ごされることがあってはならないことです。


実際にそのようなことで職を失ったり、刑務所に入る教師や、教育委員などでてくれば、いじめの問題などもかなり解消されるのではないかと思います。このような責任が生じてくれば、教育委員会や、教師もいじめに対して責任を意識し、まともに対策をやらざるをえなくなります。

今後、私たちは「いじめ」の問題を語るのではなく、「学校犯罪」という行為をどうするかという視点でものごとをみていくべきです。そうして、自らも犯罪者にならないように、絶対に見過ごさないようにすべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?





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2012年8月8日水曜日

抹殺されたヤルタ密約知らせる「小野寺電」 「奥の院」情報軽視の連鎖―【私の論評】現在でも、同じようなことが繰り返されている日本だが、今の私達はそれを打ち破る手段を手にしている!!

抹殺されたヤルタ密約知らせる「小野寺電」 「奥の院」情報軽視の連鎖:

大本営参謀だった堀栄三氏が小野寺百合子氏にあてた書簡で、
「あの電報が参謀本部に不着ということは絶対にありません」
と小野寺電が届いていたことを証言していた(小野寺家提供)

「台湾沖航空戦誤報」堀電も


日本近海で行動するアメリカ軍の第38任務部隊(第58任務部隊)。台湾沖航空戦は、この部隊に向けて行われた
大本営に届きながら抹殺された可能性が高まった小野寺信武官のヤルタ密約電報。書簡で「着信」を証言した大本営参謀の堀栄三氏自身がヤルタ会談4カ月前、台湾沖航空戦の戦果を訂正する電報を打ちながら、参謀本部作戦課を中心とする「奥の院」で握り潰されるなど、極秘情報は生かされなかった。ソ連に和平仲介を託す愚策によって終戦工作がもたつくうちに、原爆を投下され、ソ連の侵攻で多くの命を失い、北方領土を占領されただけに、機密情報を抹殺した代償はあまりにも大きい。(岡部伸)

覆された定説

大戦末期の昭和20年2月4日から11日、米英ソ首脳がクリミア半島のヤルタに集まり、南樺太返還、千島列島引き渡しなどを条件にドイツ降伏3カ月後に対日参戦することが決まった。ヤルタ協定は密約だったため、「日本側は全く知らず、なおソ連に希望的観測をつないでいた」(防衛研究所戦史室『戦史叢書(そうしょ)』)というのが定説だった。

小野寺武官が亡命ポーランド政府参謀本部から得たヤルタ密約の核心部分の「ソ連が対日参戦に踏み切る意向を固めた」との情報が公電で参謀本部に届きながら「奥の院」が抹殺した疑いが濃厚となったことで、少なくとも軍中枢は密約を知っていたことになる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「大本営ムラの暴挙だ」

□昭和史に詳しい作家 半藤一利氏

小野寺電が大本営に届きながら抹殺されたことは間違いない。証拠がなく本人は認めなかったが、握り潰したのは瀬島龍三氏だろう。ヤルタ電抹殺は堀栄三氏の台湾沖航空戦戦果訂正電報握り潰しの延長線上にあり、連続性のものだ。

小野寺電が届いた昭和20年2月中旬は、瀬島氏が偽名でクーリエとしてソ連を訪問して帰国した直後。瀬島氏はモスクワでソ連仲介和平の下交渉を行ったとみられ、係累の岡田啓介氏、迫水久常氏らと和平工作のグランドデザインを描き始めたところに、ドイツ降伏後3カ月でソ連参戦を伝えた小野寺電は都合が悪かった。2月の時点では、ドイツは降伏しておらず、瀬島氏は、ソ連参戦は先のことと考え、参戦までにソ連仲介で和平を成立させようと邪魔な小野寺電を抹殺したのだろう。

現在の原子力ムラと同様の大本営ムラの暴挙だ。(談)

「外交立て直しの教訓に」

□作家、元外務省主任分析官 佐藤優氏

ヤルタ密約を伝える小野寺氏の公電は参謀本部に届きながら葬り去られたのだろう。なぜこのようなことが起きてしまったか。2つの可能性がある。

第1は、小野寺公電があるとソ連を仲介者とする和平工作の障害になるので、陸軍上層部が意図的に握り潰した可能性だ。第2は、目の前の和平工作で頭がいっぱいになったエリート陸軍官僚に小野寺公電の内容がガセネタのように見えたので、ノイズ(雑音)を消すために公電を抹消した可能性である。第1の場合、エリートの良心が問われる。第2の場合は、情報を判断する能力が低いということになり、エリートとしての能力が問われる。

日本外交が停滞している大きな原因は、エリートであるはずの外務官僚の能力が低下し、良心がまひしているからだ。日本外交を立て直すためにもよきケーススタディーになる。(談)



上の文章では、歴史的事実の解説がないので、若干の説明を加えさせて頂きます。

まずは、台湾沖航空戦について掲載します。まずは、下の動画を御覧ください。これは、大本営による台湾沖航空戦の戦果発表などをまとめた内容です。




【私の論評】現在でも、同じようなことが繰り返されている日本だが、今の私達はそれを打ち破る手段を手にしている!!
これによれば、まさに一大大戦果であり、本当にこのくらいの戦果があれば、本土防衛もうまくいったかもしれません。これだけの大打撃を与えることができたら、米国と講和を結び、大東亜戦争を終結させたこともできたかもしれません。しかし、これは、虚偽の発表だったということです。事実は、ほとんど何も戦果をあげられなかったということてず。この虚偽に関しては、大多数の人が、終戦後に知りました。本当にとんでもない虚報です。

台湾沖航空戦の詳細については、こちらをご覧いただくものとして、要旨だけ以下に掲載しておきます。
台湾沖航空戦(たいわんおきこうくうせん、1944年10月12日 - 10月16日)は、太平洋戦争における戦闘のひとつ。レイテ島の戦いに先立って台湾から沖縄にかけての航空基地を攻撃したアメリカ海軍空母機動部隊を、日本軍の基地航空部隊が迎撃した。アメリカ軍の損害は軽微であったが、日本軍は戦果を誤認したまま大本営発表を行い、続いて生起したレイテ沖海戦にも影響を与えたとされる。
さて、次にヤルタ会談ですが、これもまずは、下の動画をご覧になってください。


ヤルタ会談(ヤルタかいだん、英:Yalta Conference)は、1945年2月4日~11日にクリミア半島のヤルタで行われた、F.ルーズベルト(アメリカ合衆国)・チャーチル(イギリス)・スターリン(ソビエト連邦)による首脳会議です。

第二次世界大戦が佳境に入る中、ソビエト連邦(ソ連)の対日参戦、国際連合の設立について協議されたほか、ドイツおよび中部・東部ヨーロッパにおける米ソの利害を調整することで大戦後の国際秩序を規定し、東西冷戦の端緒ともなりました(ヤルタ体制)。

特に、ヤルタ会談の中で、握りつぶされてソ連の対日参戦に関する情報が伝わらなかったということは、とんでもないことです。この情報を察知して、それに対する行動をしていたら、北方領土なる言葉はなかったかもしれません。

以上のようなこと、過去の話しではありません。たとえば、上の記事では、原子力ムラの話がでていますが、このような例は、まだまだ多くあります。

最近は、税と社会保障一体改革法案をめぐって、政局が鳴動していますが、たとえば、財務省の増税を正当化するための増税キャンペーンなどもこれに類するものです。やれ、日本が財政破綻するとか、国民一人あたりの借金700万とか、滅茶苦茶、破茶目茶な話をつくりだし、一大キャンペーンをして、新聞などのマスコミもこれに追随しています。これに関しては、もう、随分私自身も、このブログで掲載してきましたし、他のメデアでも、とことこん述べられているので、これを知らない方などいないと思いますし、もし、知らない方がいらしたら、私のブログでも、三橋さんや、上念さんあたりのブログなどをご覧いただければ判ることなので、ここでは、掲載しません。

ここで、強調しておきたいのは、日銀の嘘八百です。そうして、この嘘八百、少し考えれば、誰にでも理解できるのに、日本の新聞記者などの金融知識があまりにお粗末なので、垂れ流しされているというのが実体です。これについても、以下の動画を御覧ください。



上の動画では、経済評論家の上念司氏が、世に蔓延するデタラメ経済評論をブッタ斬っていく『メディアの嘘を見抜け』というものです。今回は「日銀の独立性」を盾に、異論を何でもかんでも圧力と切り捨てる­日銀の傲慢姿勢と、それに率先して援護射撃するマスコミの世論操作ついて警告しています。

なお、「日銀の独立性」とは、世界で常識にもなっている「中央銀行の独立性」とのことですがこれは、「一国の中央銀行は、政府の金融政策に従い、それを実行するために専門家的立場から、実施する方法を選ぶ自由がある」というものです。しかし、日本では、日銀法が改悪されて以来、日銀の独立性を「政府ではなくて、日銀が日本国の金融政策を決定して、実行する自由」と勝手に解釈して、暴走どころか、爆走しまくっています。ことごとく、デフレを推進する政策を繰り返して、日本がデフレから脱客できないような政策を打ちまくっています。とにかく、この日銀なんとかしなければ、政府が増税をやめるとか、財政出動をしたとしても、全部日銀に握りつぶされてしまいます。

今年1月訪日したガイトナー長官と、安住財務大臣
日銀がやる情報操作など、たとえば、先日ガイトナー長官が、来日して公演したときも、長官自信は、中央銀行の独立性に関して、正しい認識を述べているにもかかわらず、日銀が出した日本語の資料によれば、まるでガイトナー氏が、「中央銀行には、国の金融政策を決定できる」ように言っているように改ざんしていました。これに関しては、英語を聴いたり読んだりできるのか、という程度のレベルで、こんな簡単な間違いなどできるものではなく、意図的に歪曲しているものです。

日銀は、こういうことを平気で度々行なっています。これでは、昔大本営が、台湾沖航空戦の戦果に関する正しい情報や、ヤルタ会談のソ連参戦の情報を握りつぶしたのとあまり変わりありません。そうして、始末に悪いことに、今では、マスコミがそれを正すこともなく、間違った情報をそのまま垂れ流しです。これでは、戦中よりも悪いと思い、暗澹たる気持ちになってきます。

リーマンショックで何もしなかった日銀
しかし、一つだけ救いがあります。大東亜戦争の頃までは、通信手段があまりありませんでしたから、多くの国民は、大本営発表など、そのまま鵜呑みで信じるしかなく、そうではない情報としては、伝聞によるもので、情報量も微々たるものだったし、即時性もありませんでした。随分たってから、判るというようなもので、実際には役に立つものではありませんでした。

ところが、現代の私達は、インターネットなるものがあり、これによって、様々な情報を即時的に多くの人に流すことができます。だから、伝聞情報もバカにできなくなりました。そうして、それを活用する、ジャーナリストや評論家も多くいます。

私たちは、これを活用すれば、大東亜戦争時の一方的情報だけではなく、様々な情報にあたることができます。そうして、幸いなことに、インターネットを使うことは、中国や、北朝鮮などのように露骨に干渉されたり、制限もありません。

だから、現在の世の中では、上記のような情報の完璧な握りつぶしなど、やりたくでもできないでしょう。


ただし、気をつけなければならないのは、インターネットから得られる情報は、ほとんどが伝聞情報ということです。だから、その情報源などにあたって確認するなどのことが重要で鵜呑みはいけいなと思います。

とはいいながら、仕事を持っている一般人がいつも、こま目に確認することなどできません。だからこそ、こま目に確認しなくても、良いよいようにマスコミが存在するはずなのですが、最近の大手新聞の経済・金融情報など、9割型真偽が疑わしいものばかりです。

マスコミがあてにならないので、やはり、インターネットの情報に頼る必要があるわけですが、全部の真偽を疑って、すべてチェックすると、それだけで、何もできなくなりますから、情報源として正しいと思えるものをピックアップして、それも、いつも鵜呑みするのではなく時々確認して活用するという姿勢で望むべきと思います。

そうすることによって、上のような簡単なだましは見破れます。情報、特に重要な情報に関して、現在でも、大東和戦争末期と同じようなことが繰り返されている日本ですが、今の私達はそれを打ち破る手段を手にしていることです。





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2012年8月7日火曜日

腹くくった谷垣氏 解散確約を優先、強硬作戦決断のウラに小泉元首相 - MSN産経ニュース −【私の論評】腹をくくったらいけるところまで行け!!国民のほとんどはデフレ下の増税に反対だ!!

腹くくった谷垣氏 解散確約を優先、強硬作戦決断のウラに小泉元首相 - MSN産経ニュース


自民党の谷垣禎一総裁が今国会中の衆院解散・総選挙の確約を求める強硬作戦にかじを切った。消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の成立と解散という「二兎」を追っていた谷垣氏だが、解散を優先することにした。このタイミングを逃せば解散の機運を逃してしまうだけでなく、9月末に任期切れを迎える自らの命脈も尽きてしまうとの「お家の事情」もあった。


岡田克也副総理「なんとか法案を成立させてほしい」

大島理森副総裁「解散の確約がないと難しい」

自民党は当初、法案を成立させたうえで解散に追い込む方針だった。野田佳彦首相が命運をかけている法案に協力した以上、首相から「見返り」として、解散時期について明示があると期待した。


ところが、首相は早期解散を確約しないどころか、1日に連合の古賀伸明会長と会談した際、来年度予算編成にまで言及した。これに激怒した谷垣氏が2日の記者会見で「俺にけんかを売っているのか」と珍しくすごんでも首相からはなしのつぶてだった。

自民党が2日の党幹部会で7日にも首相問責決議案を提出すると打ち出しても民主党が慌てる様子はなかった。首相は3日の内閣記者会のインタビューで解散・総選挙日程について明言を避けた。

エルサレムの嘆きの壁にて(小泉純一郎氏)
意外な人物も谷垣氏を後押しした。「政局勘」では定評のある小泉純一郎元首相だった。


7月28日。都内のホテルのロビーで、小泉氏が石原伸晃幹事長を呼び止めた。

「いったい何をやっているんだ。野党が解散権を握ってる政局なんてない。こんなチャンスは珍しいんだぞ!」

小泉氏は、それから10分にわたり石原氏に活を入れ、そのけんまくに他の客が立ち止まるほどだったという。小泉氏は他の党幹部や派閥領袖(りょうしゅう)らにも電話で「勝負時だ」と説得した。


歩調をあわせるように息子の小泉進次郎青年局長も1日、3党合意破棄を申し入れた。

これに対し、合意順守を求めてきた森喜朗元首相は5日、石川県小松市での会合で「自民党は国家百年の計と思って(法案成立に)協力すべきだ。そうでなければ民主党を割った小沢一郎(新党『国民の生活が第一』代表)にくみすることになる」と牽制(けんせい)した。

それでも党内で強硬論が強まるなかで、首相から解散の確約を引き出すか、解散に追い込まなければ、9月の総裁選を控え「谷垣降ろし」の号砲が鳴ってしまう。

「優柔不断が代名詞」ともいわれる谷垣氏だが、自民党幹部はこう語る。

「総裁は完全に腹をくくった。もう止まらんぞ」(佐々木美恵)

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】腹をくくったらいけるところまで行け!!国民のほとんどはデフレ下の増税に反対だ!!

新党「国民の生活が第一」など自民、公明両党を除く野党6党は本日、消費増税関連法案の成立を阻止するため、内閣不信任決議案を衆院に共同提出しました。また、自公を除く野党7会派は参院に野田佳彦首相に対する問責決議案を出しました。自民党も首相が衆院解散を確約しない限り、独自に不信任案や首相問責案を提出する構えです。

法案を審議している参院特別委員会は8日の採決でいったん合意しましたが、不信任案や首相問責案の提出を受け、見送られる見通しです。

不信任案を提出したのは生活、共産、新党きづな、社民、みんな、新党日本。提出理由で「国民の多くは消費増税法案に反対しており、今国会で成立させるべきではないとの声は圧倒的多数」と指摘。「国民への約束、国民の声に背く政治姿勢をとり続ける野田内閣は信任に値しない」と断じました。民主党幹部は、不信任案を採決する衆院本会議は10日になるとの見通しを示しました。


首相問責案は、生活、みんな、共産、社民、みどりの風、新党改革、新党大地・真民主の7会派が共同提出しました。

自民党は7日の役員会で、不信任案などの扱いを谷垣禎一総裁に一任しました。同党は、法案成立前の不信任案提出に慎重な公明党と幹事長・国対委員長会談を開催。生活などの動向を見極めた上で、対応を最終判断する考えを伝えました。

さて、少し前まで増税本決まりのようになったいたのが、最近は情勢が随分変わってきました。このことについては、以前のブログにも掲載したので、なぜこのように風向きが変わってきたかは、ここでは述べません。詳細は、当該ブログをご覧になってください。 


増税に関して最近のアンケートでは、実に61.8%もの人びとが反対です。以下のグラフは、週刊文春の最近のアンケートです。これは、政府から、財務省から、新聞・テレビのマスメディアが大増税キャンペーンをはっているにしては、かなり大きな数字だと思います。

それに、年齢があがっていくほど、賛成のパーセントがあがっているというのも頷ける結果です。結局増税は、富裕層や高齢者に優遇的であり、それを敏感に感じ取っているのだと思います。それに、若い世代のほうが、高齢者よりは、ネットなどの情報源が豊富にあるので、財務省増税キャンペーン以外の情報源も判断材料にしているためであると思われます。

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1463?page=2

このブログでは、増税になれば、税収が減ることなど再三にわたって掲載してきました。しかし、増税による弊害はそけだけではありません。雇用の問題もあります。増税することにより、名目GDPがさがります。ということは雇用にもかなり悪影響を及びます。具体的には、賃金が減る、雇用状況が悪化して、仕事がなくなるということです。そうして、国民所得が減り、税収も減ります。


増税すると、税収だけではなく、具体的個人の生活がどうなるかなども、いろいろシミレーションされています。その中でも賃金が減るとどういうことになるか、以下でシミレーションされています。

http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20120807/zsp1208070847001-n1.htm


シミレーションの内容など直接このサイトをご覧いただくものとして、酷いことになるは、はっきりしています。

ちなみに、年収380万円の独身男性の場合のシミレーションは、以下のようになります。


 しかし、このシミレーションには含まれていないこともあります。そもそも、このシミレーションは賃金が下がらないということを想定しています。しかし、増税によってますますデフレ・スパイラルが進めば、賃金だって無論下がります。その場合、6万円どころではなく、10万円もしくはそれ以上になることも考えられます。

そうして、これはまだ良いほうかもしれません。デフレ・スパイラルに入れば、さらに、ものが売れなくなるので、多くの企業は設備投資は控え、人員も整理することになります。そうなると、年間6万減るどころか、解雇されてしまうかもしれません。

日本では、他国よりも消費税が安いように報道されていますが、それは事実なのでしょうか?日本の5%という数値は、諸外国に比べたらかなり低い税率のように見えます。2007年1月のデータによると、アジアでは中国が17%、韓国が10%、フィリピンが12%、日本と同じ5%なのが台湾とシンガポール。

さらに世界に目を向けると、フランスが19,6%、ドイツが19%、イギリスが17,5%とかなり高い税率に。そして最も高いのがデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北欧の国々で25%となっています。(*国によっては食料品や生活必需品などの特定品目のみ減税)ちなみにアメリカでは州や郡によって税率が異なります。

消費税率だけ比較してみると、確かに日本の税率は低く見えます。しかし問題なのは、日本では年金暮らしのおばあちゃんや派遣社員が買う100円の大根も、社長のドラ息子が道楽で買う1千万円以上のフェラーリにも、一律に税金を掛ける事です。消費税が10パーセントや15パーセントになっても金持ちのドラ息子は全然平気ですが、年金暮らしのおばあちゃんや派遣社員の生活は破綻してしまいます!

ゆえに先進国の大半では、消費税税率をひとくくりにせず、食料品などの生活必需品とそうでない商品とでは、税率を分けて設定しています。イギリスやアイルランド、メキシコ、オーストラリア等の国々では、食料品の消費税はゼロ(無税)に設定しています。贅沢品と生活必需品の税率をきっちり分けている国のほうが、世界的にははるかに多いのです。

そうして、こうした軽減税率を適用している国と比較すれば、日本の税率5%は決して低いとはいえず、実際には、20%程度にしているのと変わらないともいえます。

それに、日本ではほとんど知られていないことですが、スウェーデンなどの高福祉国家では、確かに税率が高いですが、そのかなり多くの部分は、国庫にはいらず、逆累進的に、国民に返還されるようになっています。(要するに、給料の低い人に多めに返還されるということ)

それに、気をつけなければならないのは、国民負担のことです。

スウェーデンよりも国民負担の重い日本

世間一般では、日本では何か税金がスウェーデンよりも低く、将来の社会保障などのことを考えれば、増税もやむなしという意見も多くなってきていました。しかし、この議論、何かを忘れています。さて、財務省から出されている税金と社会保障費を含めた、国民負担率は以下のような数字で表されます。
 
     国民負担率=(租税負担+社会保障負担)/(国民所得)


アメリカ34.5%
日本40.1%
ドイツ51.7%
フランス62.2%
スウェーデン70.7
国民負担率を諸外国との比較を表にすると上のようになるそうです。これは、2008年度の数字ですが、2007年にはじめて40%を超えたそうです。2007年、2008年というと、「実感なき成長」といわれ、経済が伸びていたはずなのに、どうして国民負担率があがったか理解できないところです。それは抜きとして、問題は一体この数字で何が言いたいのかというところです。

スウェーデンは高福祉だが高負担だ、といいたいのでしょうか。確かに、スウェーデンの国民負担は70%くらいと見えますが、実際には政府は「あずかる」だけで、政府は素通りして、そのまま右から左へ50%を国民に配るのです。それがばらまきかどうかは別として、金額としては国民から集めてそのまま国民に配るので国民は負担していません。

100万円もらったお給料のうち70万円天引きされたましたが、同時に50万円振り込まれました、その場合国民負担70.7%といえるのでしょうか。(但し、高所得者は多くとられて低所得者は大きく戻ってくるので、これは国民全体を一まとめとした場合と考えてください)。

上の式は、正しい用語などどう表記すれば良いのかは、わかりませんが、下の式のように「国民への還付」という項目を加えるべきです。

国民負担率=(租税負担+社会保障負担ー国民への還付)/(国民所得)

これを加えれて換算すれば、おそらくスウェーデンの本当の国民負担率は、20%程度です。日本は40%ほど集めて15%ほど配るので、本当の国民負担率は25%ほどです。これはスウェーデンより国民負担は重いといわざるをえません。


ですから、スウェーデンの国民負担率が高いなどというのは錯誤にすぎません。実際日本の財務省だけが、国民負担率なる他国にはない統計数値を発表し続けています。もちろん官僚の出す数字というのは数字そのものは虚偽ということはありません。しかし、毎年国民負担率なる数字を発表し、スウェーデンの数字を付記することを忘れない。こんな錯誤を誘発するようなことがいつまでも通用するはすがありません。

こんな状況で、消費税をあげれば、日本は、デフレの深見にはまり、上記でも示した通り、大変なことになります。

ロンドンオリンピックでスウェーデンを応援する観客
最近は、ロンドンオリンピックで寝不足になる人が多いでしょうが、イギリスといえば、日本で報道されるのは、オリンピックだけのようですが、日本のマスコミがほとんど報道しないことがあります。それは、イギリスでは不況の最中に財政赤字を解消しようとして、付加価値税(日本の消費税にあたる)を増税しましたが、それが、予想どおり失敗しています。

このブログでも、掲載したように、付加価値税(日本などとは異なる食品など軽減税率あり)をあげてから、イングランド銀行が、大幅な増刷を行ったのですが、それでも、不景気なままです。そうして、最近では、オリンピックでも、ロンドンの景気は良くありません。

デフレの最中で、こんな増税を行うなど、狂気の沙汰以外のなにものでもありせん。谷垣さん、一度腹をくくったというのであれば、とことん行けるところまで行ってください!!二兎を追う者は一兎をも得ずという格言があります。消費税増税を政局の道具として増税するのではなく、当面増税なし、景気が浮揚して、インフレになれば、増税するというように、宗旨替えしていただきたいものです。そうすれば、国民はついてきます。そう思うのは、私だけでしょうか?

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