2012年10月23日火曜日

モチベーションを保つには「一度に一つの目標に絞る」べき―【私の論評】ドラッカーの原則や、本質を知れば簡単に理解できるし、この種の罠にははまらない!!

モチベーションを保つには「一度に一つの目標に絞る」べき


あなたは多くのプロジェクトに同時に取り組むタイプですか? そうであれば、気をつけてください。複数の目標を持つことが思わぬ落とし穴になるかもしれません。モチベーションを持つこと自体は素晴らしいことです。しかし、あまり欲張るのも考えもの。作家のScott Young氏は、モチベーションを維持するためには「一度に一つの目標に絞る方が良い」と言っています。

【私の論評】ドラッカーの原則や、本質を知れば簡単に理解できるし、この種の罠にははまらない!!

本日は、ドラッカーの話題を掲載します。ドラッカーの話題では、いつもドラッカーの写真を掲載してきましたが、それも飽きてきたので、本日は、映画「もしどら」に主演した前田敦子さんの写真を掲掲載します。


上の記事の結論以下のようなものです。
モチベーションがあり過ぎることの問題は見過ごされがちです。熱意にまかせて手当たり次第にプロジェクトを始めてしまうと、結局どれも完了できなくなります。同時に複数のことに集中できるはずだという幻想がそうさせるのです。
Young氏の提言はシンプルです。「一度に一つの目標に絞れ」です。これは、何かのプロジェクトに取り組んでいる間はジムに通うなということではありません。その時その時で一つの目標に集中して取り組むべきだ、ということです。
モチベーションがないということも、困りものですが、ありあまるモチベーションも時には、害をなすということです。上記のような落とし穴にはまらないためには、以下のような考え方が重要です。

「実際にやっていることと、やりたいこと、やらなければならないこととは違う」

これを仕事に関連づけて説明すると、実際にやっていることとは、実際に手がているプロジェクト(仕事)のことです。やりたいこととは、やりたいプロジェクト(仕事)です。やらなければならないこととは、やらなければならないプロジェクト(仕事)です。これらは、冷静に考えれば誰もが区分できるものと思います。


やらなければならないプロジェクトをそっちのけで、やりたいプロジェクトをやっている人は、単なる夢想家です。

上の記事の例は、実際にやっているプロジェクトの中に、やらなければならないプロジェクトにプラスして、やりたいプロジェクトを多数詰め込んでいる状況です。

そうして、なぜこのような状況に陥るかは、明々白々です。まずは、過去のこのブログにも掲載した、イノベーションの心得である、集中という原則に反しています。

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話−【私の論評】愛は社会を変革する!!

詳細は、上のURLをごらんいただくものとして、集中することとは、以下のようことをさします。
 第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。
エジソンだって、集中したから、あの偉業を達成できたのです。いくつも、いくつも複数のプロジェクトを走らせていては、個人は無論のこと会社でも、失敗するのは目に見えています。

また、時間管理の本質からも逸脱しています。

目標を達成し、思考の質を向上させるために「連続4時間」の作業時間を持つ―【私の論評】ライフログを取得や、時間管理の究極の目的は、本当に重要なことを考えるときにたっぷりと時間をとりとことん考えること!!

詳細は、上のURLをご覧いただくものとして、時間管理の本質とは以下のようものです。

 問題でも、課題でも、表面をなぞるだけではなく、その背景や、根本にまで、さかのぼって考えるには、寸断した時間では無理です。 毎日というわけてにはいかないでしょうが、本当に重要なことを考えるときには、意図して意識して、このくらいの時間をさくことが必要です。無論、上の元記事にもあるように、毎日それを実行するということは不可能です。しかし、少なくとも、最低でも1ヶ月に一回、できれば週に一回くらいは、そのような時間を意図して意識してつくるべきです。



ここでいうまとまった時間とは、情報集めの時間など含めていません。そのようなことは、事前に終わらせて、思考がいっさい中断されないようにしたまとまった連続した時間であり、目安としては、最低4時間ということです。特に重要な新規のプロジェクトには、このような時間が必ず必要です。最低1週間に一度は必要です。細切れに寸断された、時間の中では無理です。個人で複数のプロジェクトを走らせていたら絶対に無理です。

そうして、集中すること、時間管理の本質にのっとって、時間を管理しながプロジェクトを実施すれば、必ず成果があがります。これを無視して、プロジェクトを同時並行して、実施すれば、めぼしい成果をあげられず、モチベーションが挫かれることになります。



これらの原則、本質は、私自身の言葉もありますが、もともとは、すべてドラッカーによるものです。今日の話題のようなことにも適応でき、しかも簡単に解決策がみつかります。このようなマネジメントの原則、本質など日々努力すれば、いずれ誰もが見つけることができると思います。しかし、もともと知っていることを前提として、仕事をしているのと、そうではないのとは、大違いです。やはり、ドラッカー氏が提唱したマネジメントの原理・原則は、現代の組織人にとっては、必須だと思います。トライアンドエラーで、あちこちぶつかることも、時には必要です。特に、原則・本質の意味が理解できない場合はそうです。しかし、元々原則として知っていると随分違います。

皆さんは、どう思われますか?

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2012年10月22日月曜日

消費税 過去2回の増税時に日本経済にどんな影響を与えたか―【私の論評】ガジェト通信が、消費税反対の旨を掲載するこの潮目の変化に気づかない政治家は、次の選挙で全員討ち死にさせよ!!

消費税 過去2回の増税時に日本経済にどんな影響を与えたか

ガジエット通信で募集していたガジエット女子
消費税率が2014年4月には8%に、2015年10月には10%に引き上げられる見通しだが、かつて、3%の消費税導入時と5%への税率アップ時は、日本経済にどんな影響があったのか。経済アナリスト・森永卓郎氏が解説する。

 * * *
 1989年の3%の消費税導入の際は、その影響は実は不明です。1990年にバブルが崩壊したことで日本経済が大混乱に陥ったことで、その内のどれほどが消費税による悪影... 続きを読む

■著者データ
NEWSポストセブン
「NEWS ポストセブン」は小学館が発行する「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」「マネーポスト」4誌を統合したニュースサイトです。各誌の最新記事・コラム等をネット用に再編集し、掲載するほか他のニュースサイトにも配信します。

ウェブサイト: http://www.news-postseven.com/


【私の論評】ガジェト通信が、消費税反対の旨を掲載するこの潮目の変化に気づかない政治家は、次の選挙で全員討ち死にさせよ!!


このブログでは、過去に消費税反対の旨について、ならびにその理由については、過去に何度も掲載してきました。そうして、自分としては、いい尽くしたという感じで、もう今更何を掲載しようと、過去の繰り返しになるだけなので、最近は、あまり掲載しなくなりました。だから、本日もそれについて、詳細を掲載するつもりはありません。それについては、下の【関連記事】のところに掲載しておきますので、興味のある方は、是非ご覧になってください。

しかし、本日Google Readerで、いろいろな記事をみていたところ、上の記事を発見しました。記事の内容は、当たり前の真ん中であり。何も新しいことはありません。しかし、私は驚きました。何に驚いたのかといえば、記事の内容そのものに驚いたわけではありません。媒体に驚いたのです。


そうです、媒体が、がジエット通信だったからです。元記事は、NEWSポストなのですが、それをがジエット通信に転載してあるということに驚きました。なお、本日は、がジェット通信で応募しているガジエット女子の写真を掲載させていただきました。ただし、ガジエット通信、従来は、何らかのガジェットを使いこなしいることを条件に応募していていましたが、最近では、その条件を外しています。本日掲載している写真は、すべて、2年以上前のもので、それぞれ使いこなしているガジエットとともに写っています。

ガジエットとは、英語てはどういう意味なのか辞書で調べていただくものとして、いわゆる日本ではそれも、現代の「デジタル小物」くらいの位置づけになると思います。実際、がジエット通信も、過去には、 ノート・パソコン、デジタルカメラ、その他のデジタル小物についての話題が多いです。


そのガジェット通信が、消費税のことに関して、転載という形でも掲載していることに新鮮さを感じ、驚いたのです。ただし、サイトで調べてみたところ、過去に一度も掲載されていないということはなく、結構掲載していることがわかりました。無論、経済関係のブログに比較すれば、少ないです。

しかし、過去の記事、今回のように、消費税増税に関して、それが間違いてあることをその背景を掲載して、はっきり反対である旨を表明しているものはありませんでした。中には、消費税増税にの前に自転車を購入すべきかという趣旨の記事もありました。


しかし、このように特定のテーマに絞ったサイトが、消費税増税反対をはっきりと打ち出しているということです。少し前までは、考えられなかったことです。これを皆さんは、どうご覧になりますか?

私は、不況の最中に、消費税をあげても税収は増えるどころか、下がる、よって財政再建に寄与するどころか、悪影響を及ぼすということが、ようやっと多くの人々に認知されるようになってきたということです。


とにかく、多くの国民も増税に関する認識が変わり、潮目が変わっています。この潮目私たちも読むべきですが、もっとも敏感んでなければならないのは、政治家です。そういった点では、前谷垣総裁も野田総理も、落第です。それにもともと、消費税増税法案を自民公明民主の三党合意で成立させたわけですから、これらの政党の中にも、潮目の読めない政治家もたくさんいて、これらの政治家は、平成14年の増税を当然のことと受け止めていると思います。

事実日曜の朝テレビを見ていたら、前原さんが、日銀が金融緩和をするべきと主張しておきながら、増税は三党合意で成立したものだから、するのが当然というような発言をしていました。


安部総裁は、かねてから、デフレなら消費税増税は先送りということをはっきりと明言しています。潮目が読める政治家の一人なのだと思います。消費税法案では、実際に平成14年に増税するか否かは、来年平成13年の秋に政権の座にある政府が、 決定することとなっています。

だから、自民党が、来年の秋に政権の座について安部総裁が、総理になっていれば、無論増税先送りを決定するものと見込まれています。しかし、自民党の中には、潮目が読めない政治家もたくさんいます。


これら潮目の読めない各政党の政治家どもと日本弱体化を目論む大手マスコミが大同連携をして、熾烈な安部叩きをすることは十分考えられます。そうなって、安部総裁が、総理大臣になれないとか、失脚するなどの最悪の事態は、回避しなければなりません。増税が決まれば、またぞろ、デフレスパイラルが進み、私たちは、失われた20年どころか、失われた30年を覚悟しなければならなくなります。そんなことは、まっぴらごめんです。

そうならないためにも、とにかく、次の選挙では、自分の指示する政党がどこの政党であろうと、とにかく、増税先送りをはっきりと明言する候補者は、いろいろと候補者の公約などを判断して投票する、増税先送りに反対の政治家には、他の公約などが魅力的に思えても絶対に投票しないという姿勢で臨むべきです。増税実施派の議員に関しては、所属政党、影響力、公約など他のことは一切関係なく、全員討ち死にさせるべきです。


潮目を読んで、行動するということは、こういうことだと思います。かつての民主党の選挙スローガン「政権交代」などという本当の潮目の変化などとは無関係な、今から思えば浅薄なスローガンに踊らされるべきではありません。そう思うのは私だけでしょうか。皆さんは、どう思われますか?

さて本日は、消費税に関する話題を提供させていただきました。しかし、本日は、ガジェット通信の話題でもありますから、そちらのほうのでも話題を提供させていただきます。

上の記事で、ガジェット女子の募集は、従来は、何らかのガジェットを使いこなしていることを条件としていたのに、現在はその条件を外していることを述べました。考えてみると、従来は、ノートパソコン、スマホ、携帯型ミュージックプレイヤー、一眼レフなどのガジエットはほんの2〜3年前くらいまでは、圧倒的に男子の使用が多く、女子の使用例は低かったです。

しかし、いまでは、ノートパソコンも従来型比較すると格段に薄くて軽い使いやすいものができ、一眼レフカメラもミラーレスが主流になり、これも軽くて使いやすくなり、スマホも普及し、その他のガジェットもかなり使いやすくなり、女子で使っている人もかなり増えています。そうして、珍しくもなくなりました。だからこそ、ガジェット女子の応募でも、ガジェットを使いこなしているを条件とはしなくなったのだと思います。

潮目を読むことは漁師にとっては死活問題だ
これも潮目の変化だと思います。しかし、増税に関する一般の人々の認識が変わってきているにもかかわらず気づかない、気づいても行動に移せない政治家が多数存在するように、この潮目の変化に対応できない、あるいはしようとしない人も多いのだと思います。この潮目の変化を利用すれば、いろいろな商売にも適用できたし、これからもできると思います。そうして、イノベーションも起こせると思います。皆さんは、どう思われますか?


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2012年10月21日日曜日

リスクの代償払うのは?ユニクロ上海の「尖閣は中国領」張り紙−【私の論評】中国の反日デモは、官製であることがいよいよはっきりしてきた!!ところで、その背景は?

リスクの代償払うのは?ユニクロ上海の「尖閣は中国領」張り紙

中国からスマートフォン越しに届いた声は悲痛な訴えだった。


 ユニクロを展開するファーストリテイリングで中国事業を統括する最高責任者の言葉だった。流暢(りゅうちょう)な日本語を話す中国人である。海外から優秀な人材を集めて事業展開する同社ならではの幹部のひとりだが、異常事態に気持ちが高ぶっている様子がひしひしと伝わってきた。中国の騒動について聞いたときの話だ。

 騒動とは、9月の反日デモの際、上海のユニクロ店舗に「尖閣は中国領土」という趣旨の張り紙が掲示された一件だ。写真とともにネットで伝わった結果、日本国内でユニクロへの苦情が殺到し、不買運動が懸念される事態となった。売らんがために中国に迎合した張り紙を出したのなら、批判は避けられない。だが、実際はそうではなかった。

 すでに報じた通り、真相は地元の警察官から強制的に張らされたというものだった。断れば、デモに襲われても守ってもらえない恐れがあったという。別の店では無断で同様のシールが張られた。気づいた店長がはがそうとすると、ショッピングモールの保安員が店長を取り囲んで阻止する強硬措置に出たそうだ。現地社員らの苦しい胸の内は察するにあまりある。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】中国の反日デモは、官製であることがいよいよはっきりしてきた!!ところで、その背景は?

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、ユニクロの柳井社長は、まだ中国からの撤退などは視野にはいれていないようだ。柳井社長の中国へのこだわりは、以前このブログに掲載したことがあります。

ユニクロ商品、脱中国生産へ ヒートテック8割→5割に―【私の論評】カントリーリスクを織り込んで事業を展開すべきではないのか?

詳細は、上記のURLをご覧いただくものとして、柳井社長は、2010年10月にあった、中国のでの反日デモに関する部分をコピペしておきます。

ユニクロ柳井社長
ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は同日の会見で、中国・成都で16日に反日デモが起きた際、1店を一時閉店したことを明らかにした。日本政府の対応については「中国に進出した企業は自己責任でやって下さいというのはどうかと思う。ビジネスがやりやすいようにするのが国としての義務」と述べた。
冒頭の記事によれば、「尖閣は中国の領土」という張り紙を警察当局から、強制的にさせられたということになっています。このような自体が発生しても、「ビジネスがやりやすいようにするのが、国としての義務」であると思っているのでしょうか。さすが、それをはっきりと、記者会見などで述べたという報道はなされていませんが、まだ中国への拘りを捨てきれないところをみると、心の中ではそう思っているのかもしれません。

私は、この記事で、以下のように結論を述べました。

中国に関しては、このブログでも、このカントリーリスクに関して、手を変え品を変え再三にわたって掲載してきました。それに、わたしなどが掲載するまでもなく、昔からチャイナリスクについてはいわれてきました。
こんなことは、当然のことなので、先の柳井さんの発言は、首をかしげてしまいます。日本国政府による安全保障などは当然日本国内に限られます。当然、在外邦人が生命の危機などにあえば、政府として何とか努力するのは当たり前ですが、それでも間接的にしか行動することはできません。かといって、最初からリスクがあることがはっきりしているところに、自分で店を出しておきながら、「自己責任でやって下さいというのはどうかと思う」という発言はいただけません。これは、あくまで、自己責任で対処すべき筋合いのものです。それがいやだったら最初から店などだすべきではありません。それに、もともと商売にはリスクがつきものです。柳井さんどうしてしまったのでしょうか?
それに、これらか、世界のユニクロになることを宣言しているわけですから、たかだか中国で、多少のデモがあったくらいで、このような発言になるとは、先が思いやられます。資生堂など随分前から、中国に進出していますが、今までなんども危機にあっても、びくともしません。
理想論は、別として国の安全保障は、自国主権の及ぶ範囲内においてのみ保証されるものです。外国に行って商売をするならば、カントリーリスクは、最初から折り込みずみで行い、最終的には、自己責任にで対処するしかないことは自明の理です。それに、商売はリスクがあるから儲かるので、全くリスクのない商売を石橋をわたってやっていたら、そもそも商売など成り立ちません。

世界中に進出しているユニクロ。なぜ、中国にばかり拘るのか?
私は、ユニクロに限らず、中国に進出している企業は、すぐにでも撤退できるように今から準備しておくべきです。中国には、撤退するにしても、複雑な手続きがあります。準備をしておかなければ、なかなか抜け出すことはできません。しかし、そうした配慮をしておくことは、経営者の責任だと思います。

それにしても、中国の反日デモは、そもそも、その根底は、熾烈な権力闘争があることは、このブログでも何回か掲載しました。ただし、特に直近の反日デモが完璧に官制デモであることは、私にとっては、あまりにも自明の理であったため、あまり強調はしてきませんでした。以下の動画をみていただくと、中国の反日デモは、完璧に官製デモであることが良く理解できます。



私のブログでは過去に、中国の官製デモの背景は、熾烈な権力闘争であることを掲載してきました。そうして熾烈な権力闘争の背後についても、解説もしてきたのですが、あまり十分ではなかったと思うので、以下にそれを解説します。

なぜ、熾烈な権力闘争をしなければならないかといえば、中国の社会が極めて不安定な状況にあるからです。中国では、反日デモを含めて、暴動などは日常茶飯事であり、驚くに値しません。中国の事情通にいわせると、中国では、建国以来小さな暴動まで含めると、毎年平均2万件あるわけです。

中国で執拗に繰り広げられた官製反日デモ
しかし、過去においては、この暴動も、武装警察や、場合によっては、人民解放軍を用いて何とか圧殺することに成功してきました。しかしながら、最近では、賃金水準が上昇し、労働者の権利意識も強くなり、困難になりつつあります。いくら鎮圧しても、人民の憤怒のマグマは、収まりません。いつどこで、大爆発してもおかしくない状況にあります。それに輪をかけるように、インターネットなどの情報通信の発達により、いくら統制しても、憤怒のマグマを沈静化することはできません。

さらに、これに輪をかけて、今までは、諸条件が整って躍進してきた、中国経済に陰りがでてきました。これは、すぐにも、陰りどころではなく、かなり落ち込むことが予想できるような兆候があちこちにでてきています。その予兆として最も顕著なのは、現在の中国は富の流出をなす術もなく見ている状態になっていることです。

中国は、資本の出入状況を発表していませんが、貿易関連や外貨準備数値などの経済統計資料を調べると、今後の資金流動状況を読み取る事ができます。以下に日本の富裕層向けサイトYUCASEE MEDIAに掲載されていた記事をコピペしておきます。
 米ウォール・ストリート・ジャーナルが分析したところによると、今年9月までの12カ月間、約2250億ドル(17兆7000億円)の資金が中国から流出していることが分かった。これは去年中国のGDPの3%前後にあたる。 
 北京大学金融学教授のMichael Pettis氏は、国内の富豪たちは資金を外に移した方が良いと選択するようになっており、世界経済は非常に低迷している中、これは良い傾向とは言えないとしている。 
 中国では制度上、個人では年間5万ドル(約400万円)以上資金を移出しては行けないという事になっている。ところが、実際は抜け道がいくらでも存在している。 
 知人の名義を使うなどして、海外に資金を移転させる例は数多く見られる。というよりは、もはや一般的でさえある。 
 キプロスでは不動産デベロッパーが中国人に積極的に販売し、かなりの好セールスをあげているのだという。
このような予兆は、キプロスに限らず世界のあちこちで見られます。たとえば、今フランスでは、経営不振に陥っている、ワイナリーの中国人富裕層による買収が盛んです。こんなことは、驚くことに、アフリカかや、太平洋の南の島々でも起こっていることです。

中国の富裕層に買い取られたフランスのワイナリー
そうして、こうした富裕層として、いわゆる、中国官僚で裸官と呼ばれる人たちの行動も見逃せません。裸官とは、中国の官僚で、自分の配偶者や、親子、親族などを海外に住まわせている人のことをいいます。この裸官は、中国内で、せっせと儲けて、それを親族の住む海外に送金しています。いずれ、外国で暮らすことを夢みています。中には、政府の金を不正に略奪して、海外逃亡を企てるものも多数存在します。

これは、中国共産党の中央委員を見ても良くわかることです。この秋の党大会でメンバーは入れ替わることになるでしょうが、中央委員は現在、204人を数えます。国と地方の党・政府機関、国有企業、軍の幹部たちです。いわゆる中国のエリート中のエリートです。彼らは選出されたという形を取っていますが、実際には、党大会の代表が選んだのではありません。政治局常務委員、政治局員が選抜したのものです。もともと、中国には選挙制度なるものは存在せず、厳密な意味では、政治家など存在しません。存在するのは、官僚だけです。中国共産党大会は、単なる、お披露目の晴れ舞台です。

16回党大会で選出されたは、中央委員
香港で刊行されている月刊誌、「動向」の5月号が明らかにした政府関係機関の調査によれば、この204人の中央委員のうち実に92%、187人の直系親族、総計629人が米国、カナダ、オーストラリア、欧州に居住し、中にはその国の国籍を取得している者もいるのだといいます。ニューヨークや米東海岸の諸州、そしてロンドンで高級住宅を扱う不動産業者の最大の顧客はここ数年、圧倒的に中国人であり、現金一括払いの最上得意となっています。党の最高幹部たちが自国民の目を一時でも眩(くら)ましたいのは、こうした事実からです。だからこそ、尖閣上陸は必要不可欠となったのです。とにかく、日本を悪者にしたたて、自分達への関心をそらそうとしたということです。

そうして、中国の特権貴階級ともいえる人々がどうして海外に資産を移し、親族を米英両国に移住させるのかは、もう先述べたように、人民の憤怒のマグマが煮えたぎり、近いうちに大爆発することになるかです。そうなれば、中国自体が分裂するかもしれません。そんなことはなくても、第二の文革のようなことが起こるのは、必至です。そうなれば、今の中国の特権貴族階級も権力の座から降りるよりしかたなくなります。そんなことから逃げるためにも、懸命に資産を海外に移しているのです。

裸官を揶揄する中国の漫画
官僚といえば、国会を背負って立つ存在です。その官僚が、この有様ですから、ただ腐敗しているというだけではなく、背後に何か重大なことがあると考えるのが当たり前です。中国の官僚たちは、立場上中国に関するありとあらゆる情報を得ることができ、それをつかって大儲けしています。しかし、その彼らが、上記のようなことをするにはわけがあります。もう、彼らは、現体制の中国には、将来がないことを理解しているということです。

柳井社長のように、この事実を理解していない人も多いようですが、どのような形になるかは定かではないものの、もう現体制の中国には、将来はなく、それがすぐなのか、あるいは、10年後になるかは別として、必ず近いうちに新しい体制になるとみるべきです。そうして、新しい体制には、すんなりとは移行しません。まずは、国民の憤怒のメガマグマが中国各地で大爆発し、この機会に乗じ、中国の各派閥が権力を獲得しようとして、内乱もしく、本格的な戦争にまで発展する可能性は、十分にあります。そうして、中国は分裂します。私は、そう思います。そうして、過去のブログにもこの内容を掲載し続けてきました。こう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?


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2012年10月20日土曜日

扇風機に革命を起こしたバルミューダが、今度は空気清浄機の常識を書き換える!?―【私の論評】この空気清浄機は、売れるか? イノベーションの観点から検証してみよう!!

扇風機に革命を起こしたバルミューダが、今度は空気清浄機の常識を書き換える!?:





二重構造の羽根をもつ、まったく新しい発想の扇風機「GreenFan」を2010年4月に発表し、ダイソンとともに“高機能ハイエンド扇風機”という市場を創出したバルミューダ。そんな彼らの次なる挑戦は、空気清浄機であった。その名も「JetClean」。果たしてその性能は? そしてその開発意図は?

ダイソンのハイエンド戦斧機を説明する図

【私の論評】この空気清浄機は、売れるか? イノベーションの観点から検証してみよう!!


扇風機など改良の余地などないようにも見えたが?
この空気清浄機も、立派なイノベーションですね。それにしても、扇風機や、空気清浄機など、ずいぶん昔からあるもので、特に現代人ならば、自分が使うとか、使っていないなどは別にして、その存在を知らない人などいないです。特に、扇風機などは、誰がも一度は使っていて、その原理や使うことの効果など誰もが知っていたことです。

空気清浄機にも改良の余地などないように見えたが?

そんな分野で、ハイエンド・扇風機の市場を確立したダイソンや、バルミューダは、イノベーションをおこしたわけです。

さて、購読者の方々は、よくご存知でしょうがこのブログには、過去にイノベーションに関する記事など、比較的多数掲載してきました。その中には、イノベーションの心得、イノベーションのタブーを掲載したものもあります。以下にその記事のURLを掲載します。

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話−【私の論評】愛は社会を変革する!!

詳細は、上記のURLをご覧いただくものとして、ドラッカーが提唱するイノベーションの心得は以下ようなものです。
 第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。 
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。
 第二に、強みを基盤としなければならない。あらゆる人、あらゆる組織に、得意と不得意がある。イノベーションに利用できるのは、得意とする能力である。あらゆる機会を検討し、自らの能力を最も生かしてくれる機会を探す。 

 相性も必要である。狙いとするものの価値を心底信じていなければならない。さもなければ、忍耐を必要とするイノベーションの仕事はできない。 

 ありがたいことに、多くの場合、強みと価値観は一致する。 

 第三に、世の中を大きく変えるものでなければならない。イノベーションとは、あくまでも市場志向たるべきものである。誰かが買って、使ってくれなければ、イノベーションとはならない。イノベーションとは、市場に発し、市場で花開き、市場で実を結ぶべきものである。
さて、イノベーションの心得に関して、バルミューダの新型空気清浄機は、この心得に合致したものでしょうか?以下に検証してみます。

第一の心得に関して、完璧に集中していたと思います。バルミューダや、ダイソンは、もともと、多数の工場を所有していて、様々な家電製品を製造する従来型の企業とは全く異なります。工場はありません。製造は、すべて外注です。バルミューダや、ダイソンは、新製品を開発する企業です。だから、普通のメーカーから比較すれば、開発自体に集中しています。これは、あのアップルも同じことです。

第二の強みを基盤ということでも、合致しています。まずは、扇風機で大成功しています。扇風機は、風を起こす、機械です。それに、両方とも、電気を用いる機器です。まさしく、強みを基盤にしています。

第三の、世の中を大きく変えるものとい心得にも十分合致しています。Jet Cleanは、日本国内でも、最高性能の空気清浄能力を持つ、最も設置面積の少ない空気清浄機です。総風量は、毎分1万ℓ。0.3μmというウィルスレベルの微粒子に対しては、他社空気清浄機を20%上回る除去性能を実現。6畳程度の部屋であれば、15分で90%以上の除去が可能です。



とにかく、従来型の空気清浄機と比較すると、設置面積が小さく、しかも、性能が抜群に良いです。これは、大きく社会を変えるものです。

これに対して、イノベーションのタブーは以下のようなものです。
 第一に、凝り過ぎてはならない。凝り過ぎは失敗の元であり、生産者側の自己満足にすぎない。懲り過ぎた財・サービスに大事な時間とおカネを使う者はいない。博物館で見せてもらえばよい。 

 大きな事業にしたいのであれば、時間もおカネもさほど余裕のない人たちが、気軽に買って気軽に使えるものでなければならない。ドラッカーは、組み立て方や使い方の凝ったイノベーションは、ほとんど例外なく失敗してきたという。 

 第二に、多角化してはならない。これは、イノベーションに成功するには集中しなければならないとの心得と同義である。核のないイノベーションは、雲散してアイディアにとどまり、イノベーションには至らない。 

 イノベーションの成功には大勢の人たちの参画が必要である。共通の核がなければ、参画に必要な理解も不可能となる。 

 第三に、明日のためにイノベーションを行なってはならない。イノベーションはすべて、今日のために行なわなければならない。 

 イノベーションが完成するには日にちを要するかもしれない。しかし、「20年後には大勢の高齢者がこれを必要とする」といえるだけでは十分ではない。「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。20年後にはもっと大勢いる」といえなければならない。 
医薬品の開発では、10年を要することが珍しくない。しかし今日、医療上のニーズがない開発に取りかかる製薬会社はない。 

「成功したイノベーションのほとんどが平凡である。単に変化を利用したものにすぎない。したがって、イノベーションの体系とは、具体的、処方的な体系である。すなわちそれは、変化に関わる方法論、企業家的な機会を提供してくれる典型的な変化を体系的に調べるための方法論である」(『イノベーションと企業家精神』)


さて、次にイノベーションのタブーをおかしていないかどうか、検証してみます。

第一のタブー、凝りすぎてはならない、という点に関しては、確かに、内部のつくりに関しては凝りすぎとまではいかなくても、かなりこだわりがあります。しかし、使っている機器、素材等は、特に珍しいものでもなく、誰にでも入手可能であり、デザインもかなりシンプルだし。ユーザーにとっても、特に従来型の空気清浄機と異なるところは、なく、非常にシンプルです。

第二のタブー、多角化してはならない。これにも、合致しています。扇風機をつくっていた技術で、空気清浄機を作成したということで、同じく家電製品であり、しかも、両方ともファンを用いるということで、多角化とはいえません。

第三のタブー、明日のためのイノベーションを起こなってはいけないというものも破ってはいません。この空気清浄機、今日も需要は十分あるでしようし、さらに、従来型の空気清浄機ならそんなことは、自信を持っていえることではないですが、このJetCleanなら、間違いなく20年後にも十分需要が見込めるでしょう。

以上、このJetCleanは、イノベーションの三つの心得に合致しており、また、イノベーションの三つのタブーも破ったものではありません。これは、間違いなく売れるでしょうし、社会に大きな変化をもたらすことでしょう。

それにしても、本来日本の家電メーカーなど、このようなイノベーションを行ってきたはずなのに、最近はそうではありません。本来日本の家電メーカーは、従来のソニー、パナソニック、シャープなどのように、イノベーティブであったはずです。私は、以下の記事で、イノベーションの象徴でもある、ジョブズが日本文化を取り入れていたことを紹介しました。

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今日多くの日本のメーカーが、ダイソンや、バルミューダのようなイノベーションを起こすことなく、停滞していることか残念でなりません。バルミューダは、扇風機や、空気清浄機のように長い間使われてきた家電製品だって、それを全く異なる発想で定義しなおし、その定義で製品を作ればイノベーションを起こせることを示したと思います。

それから、ご存知だとは思いますが、ダイソンはイギリスのメーカーです。そうして、バルミューダは、日本の企業です。日本でも、このようなイノベーティブな企業がでてきたことは、誠に喜ばしいことだと思います。

他の日本のメーカーも、イノベーションの心得を実践し、イノベーションのタブーを忌避して、再び、イノベーションをおこしてもらいたいと思います。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2012年10月19日金曜日

“仕分けコンビ”、復興予算で開き直り連発 自公に責任転嫁―【私の論評】「復興税制」も「仕分け」も全くの間違い!!誰が正しい間違いではなく、何が正しい何が間違いという姿勢が重要!!

“仕分けコンビ”、復興予算で開き直り連発 自公に責任転嫁


東日本大震災の復興予算の「流用」問題を審議した18日の参院決算委員会で、かつての「仕分けコンビ」が開き直りとも取れる発言を連発した。平成21年の政権交代直後の「事業仕分け」では、歯切れ良く予算のムダ削減を訴えていた枝野幸男経済産業相と蓮舫元行政刷新担当相。3年余りの与党暮らしの末、「言い訳」を余儀なくされる場面が目立った。

「あのー、ミソもクソも一緒にした議論はやめていただきたい」

普段は理路整然と答弁することが多い枝野氏の冷静さを欠いた答弁に、委員会室は騒然となった。自民党の森雅子氏が、流用問題で地元・福島の企業向け立地補助金が不足していることを厳しく指摘したときのことだ。

山本順三委員長(自民)はすかさず、「言葉は慎重に選んでください」と注意したが、枝野氏は「間違ったことを言っているとは思わない」と収まらず、「被災地以外に予算が使われていることは、理由も原因も全然別の話だ」とまくし立てた。自民、公明両党にも責任があるといわんばかりだった。

枝野氏は自ら発した「ミソもクソも」という発言だけは、「あまり上品でなかったので、おわびして撤回する」と謝罪したが、復興予算に計上された立地補助金の大部分が被災地以外の企業を対象としているのは事実。激高したことで、かえって所管する「省益」を堅持しようという姿勢を印象づける結果となった。

民主党委員として質問の先陣を切った蓮舫氏は、より露骨な形で自公両党に流用問題の責任を転嫁した。


「一言言わせていただきたい。もともと内閣が出した復興基本法案は対象を被災地に限定していたが、自民党さん、公明党さんからの建設的な意見も踏まえ、対象は日本全国になった」

蓮舫氏は、被災地以外の全国防災事業に復興予算が充てられた経緯に関し、こう強調した。

初の本格的復旧・復興予算となった23年度第3次補正予算の編成をめぐる自民党の行状について「さらに7・1兆円上積みしろといわれた」「立地補助金が足りないから5千億円上乗せしろと指摘された」-などと“暴露”したが、逆に政権与党としての責任を棚上しようとする姿勢が浮き彫りに。

そこには、かつての「仕分けの女王」の面影はなかった。(桑原雄尚)

【私の論評】「復興税制」も「仕分け」も全くの間違い!!誰が正しい間違いではなく、何が正しい何が間違いという姿勢が重要!!

復興予算に関しては、もともと復興税によって、賄うこと自体が間違いであり、そんなことをするから、他のことに流用されるような余地をつくってしまったことは、このブログにも掲載しました。

「日本再生」というばらまきに群がった官僚や政治家たち!「復興予算の乱用」を自民や公明、そしてメディアがいまごろになって批判する資格はあるのか−【私の論評】復興税法案と日本再生シナリオは、日本国解体の一里塚!!何でも増税すれば良いという愚かな考えがこのような事態を招いた!!

詳細は、上の記事をごらんいただくものとして、この記事では、大自然災害が発生したときなど、その復興のために、税金で賄ったような事例は、日本は無論のこと、古今東西でそのような事例はないことを掲載しました。当たり前の真ん中では、世界中で、日本でいえば、建設国債などをあたることであることも掲載しました。


そうして、こんな先例をつくってしまえば、運悪く、大自然災害などが、特にある年に集中するようなことが起こった場合に、後の世代の負担になるからといって、大自然災害を被災した世代が全部賄うことになれば、後の世代に引き継ぐべきまともな日本自体がなくなってしまうおそれがあることを掲載しました。

それに、日本再生などとして、役所主導で、日本再生シナリオを描いて、それを実行しても絶対うまくいかないことも掲載しました。その理由としては、政府主導のシナリオが大成功するというのなら、共産主義、社会主義の計画経済もうまくいったはずであり、そのようなことはなかったからです。

民主党以外の政党・政治家や官僚も復興税による復興予算に群がったという責任はあります。だから、一見枝野や蓮舫の言い訳は正しいようにもみえます。しかし、この愚かな復興税法案をつくり、国会で通してしまったという責任は重く、やはり、復興税法案はそもそも間違いであったことを認めるべきです。消費税法案も、これと同じ文脈で、全くの間違いです。絶対実施させるべきではありません。

それに、上の記事で、「「事業仕分け」で歯切れ良く予算のムダ削減を訴えていた」などとしていましたが、事業仕分け自体も完璧な誤りであったことは、今でははっきりしています。これについても、このブログで掲載したことがあります。

事業仕分け:JICA大幅縮減 4法人8事業「廃止」判定―劇場型政治の小粒なSMショー第二段始まる!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に主要な部分をコピペしてきます。
事業仕分けは、スケールの小さな小粒な劇場政治と変わりません。かつて、小泉さんの演出で有名になった劇場型政治。劇場型政治とは、政策より政局やパフォーマンスを多用する政治。またそうのような政治状況のことです。小泉さんのいわゆる小泉劇場は随分と有名になりました。 
先回と、今回の事業仕分、両方共はっきりいって、低級なSMショー並の小粒な劇場型政治といっても良いと思います。やるなら、小泉劇場くらいことをして欲しいものです。
そうです。蓮紡議員がSの女王様で、鞭打たれるMが、天下りしたもとの高級官僚などてす。どちらも、大きな枠組みの中では高級官僚が描いた予定帳場の演技をしているだけです。先回も、そうして、今回も大きなシナリオは官僚が書いています。政治家ならこんなシナリオは自分で書いて、そうして、こんなくだらない仕分けはしないで、特別予算に関連する部分に殴り込みをかけるべきだったでしょう。まったく、低俗なショーです。こんなものにいつまでも、国民がだまし続けられると思ったら大間違いです。
「事業仕分け」は、政治の具体的な仕事のできない民主党が、いかにも仕事をしているように見せかけるための、パフォーマンスにすぎなかったことが明らかになっています。


そうして、パフォーマンスだけに終わっていれば、さほど悪影響もなかったのですが、あの蓮舫による「一番じゃないとダメなんですか」という発言に象徴されるように、各方面に悪影響を与えました。

このわかりやすい事例としては、たとえば、あの「はやぶさ」の予算です。

はやぶさ、後継機の予算3000万に縮小…着手できず―事業仕分けは正しいことですか?


詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、この記事では以下のように結んでいます。
事業仕分けは、大岡裁きのようなものです。無論、これは、悪い意味で言っているのです。大岡裁きは、昔から日本人うけするのですが、現在の世の中で、大岡裁きに多数が拍手喝采をおくるような国民であれば、問題ありと言わざるをえません。
大岡裁きは、法律などに基づかない恣意的な裁定ということで、現代の法治国家では問題です。「事業仕分け」も、大岡裁きのように、基準もあいまいなものでした。このあいまいさのおかげで、「はやぶさ」の予算も削られらました。たった、3000万円でどうしょうというのでしょうか?何もできないですね。できることとしては、有能な技術者の飼い殺しくらいなものです。

これに関しては予算がある程度復活したようですが、世界一の技術に関する予算としては、まだまだ微々たるものです。これは、なんしかしなければ宝の持ち腐れになる可能性が大です。

他にもわかりやすい例があります。それは、今回のノーベル医学生理学賞を獲得した、京都大学の山中教授による、iPS細胞に関する研究の予算です。これは、直接事業仕分けで削減されたことはありませんが、それにしても、山中教授は、ノーベル賞受賞の記者会見の記事では以下のように掲載されています。
会見では国への感謝を口にしたが、決して研究資金が潤沢だったわけではない。iPS細胞そのものが対象ではないが、09年には、科学技術関連事業の予算が「事業仕分け」され、削減や見直しが相次いだ。その際、山中教授は批判と不安の気持ちを述べている。今年3月には、研究資金の“カンパ”を訴え、アピールするため、京都マラソンに自ら出場した。
山中教授の研究は、かなり進んでいましたから、仕分けの対象にはなりませんでしたが、もし、うん悪く10年くらい今よりも研究が遅れていたとすれば、どうなったでしょか?対象となった可能性は十分あります。そうなれば、せっかくの素晴らしい可能性が摘み取られていたかもしれません。


それを考えると、「事業仕分け」は本当に罪深いです。ひよっとすると、多くの人が気づかないで、将来大イノベーションにつながる何かが、摘み取られているかもしれません。

上記のように、復興税法案は全くの間違いです。役所による日本再生もまったく間違いです。これら、根本的なくす必要があります。

それから、「事業仕分け」です。このようなものも完全になくすべきと思います。しかし、科学研究における予算というものの取り扱いは、事業仕分けをなくすだけではでは良くすることはできないです。

誰が、限られた予算を配布するのか、その最終意思決定は誰がするのかという重要な問題があります。これも、役所の官僚の裁量に任せておけば、ろくなことには、ならないと思います。

これに関しては、やはり、アメリカのように有力なシンクタンクをいくつかつくり、それらに任せるという形をとるべきと思います。ただし、日本では、有力なシンクタンクがないので、それを作れるように環境を整える必要があります。アメリカでは、主だった大規模で、有名なシンクタンクは、たいていは、NPOであり、政府の機関などではありません。


だからこそ、何か研究発表をしても、日本のような政府の紐付きである、行政独立法人とは全く異なります。このような複数の機関が、専門家を活用うして、調査研究ならびに政府に報告書を提出し、その報告書にもとづき、政府で意思決定をする、その過程は、シンクタンクの報告書の情報開示も含めて、開示するということで、「事業仕分け」のような出鱈目や、役人の恣意的な選択をまぬがれると思います。

皆さんんは、どう思われますか?いずれにせよ、民主党は数々の間違いを犯してきました。しかし、これを目の当たりにしてきた私たちは、誰(民主党)が良いとか、誰(民主党)が悪いという視点ではなく、何(システム)が良いとか、何(システム)が悪いのかという視点にたって、見直していく必要があります。民主党のやり方は、ご存知のように非常まずかったですが、それを民主党のせいばかりにしても、らちがあきません。無論民主党はやり方が悪すぎるので、次の選挙で大敗するのは間違いないですし、そうなるべきであります。

しかし、多くの人たちは、自民党時代に自民党(誰)が悪いということで、民主党(誰)にさえ変われば、少しはまともになると思い、政権交代を実現したはずですが、その結果は、惨憺たるものでした。こうした見方すれば、次の選挙でも何も変わらないかもしれません。誰がという視点ではなく、何がという視点にたつべきです。そうならなれれば、何も変わりません。そう思うのは私だけでしょうか?


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事業仕分け:JICA大幅縮減 4法人8事業「廃止」判定―劇場型政治の小粒なSMショー第二段始まる!!


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2012年10月18日木曜日

「怒鳴っても人間は変わらない!」史上最悪の工場を変えたシンプルな教え―【私の論評】同じような問題が何度も繰り返し起こる場合は、最早人の問題ではなく、システムの問題である!!

「怒鳴っても人間は変わらない!」史上最悪の工場を変えたシンプルな教え:


誰かがミスをすると私たちは腹が立ち、怒鳴ることもあります。怒る理由はミスをした人の行動を変えたいためです。しかし、いくら怒っても彼らの行動は変わらないどころか、反抗的になることさえあります。

100万人以上のメンバーが所属する非営利政治活動グループ「Demand Progress」の設立者で代表のAaron Swartz氏は、「重要なのは人間を変えることではなく、仕組み(システム)を変えること」と述べています。今回はSwartz氏が米・ゼネラルモーターズ社(以下、GM)の事例をもとに「史上最悪の工場を変えたシンプルな教え」について語ります。

 米・ゼネラルモーターズ社の実験

 米・カリフォルニア州フリーモントにあるGMの工場は最悪の状態でした。当時の労働組合長は「戦いの毎日でした」と振り返ります。「働いている時間より抗議活動をしている時間の方が長かったのです。ストライキは日常茶飯事で、毎日が混乱の連続でした。当時の自動車業界では、フリーモントの労働者は全米で最悪だと呼ばれていたのです」。


 当時の工場を調査した米・ミシガン大学のJeffrey Liker教授によると「フリーモントの工場で買えないものはない」がキャッチフレーズだったそうです。「セックス、ドラッグ、アルコール、すべてが工場内で手に入りました。昼食や休憩時間になると、賭博などの違法行為も見られました」。無断欠勤は常習化しており、労働者が十分に出勤していないため、製造ラインが動かせないことも多くありました。

管理者は、工場近くのバーに入り浸っている労働者たちを引きずり出して働かせたこともあったそうです。 会社が労働者に罰を与えれば、すぐに過激な仕返しがありました。会社の車にわざとキズを付けたり、ストライキを始めたり、部品を故意に取り付けなかったりしました。それは会社と労働者の戦争でした。

1982年、ついにGMはフリーモントの工場を閉鎖しました。しかしその翌年、トヨタがアメリカで最初の自動車工場を建設するにあたり、GMと提携することが決まりました。フリーモントの工場は再稼働することになったのです。この時、工場で再雇用されたのはGM時代に最悪と呼ばれたあの労働者たちでした。またこの出来事は、「GMとトヨタがそれぞれ同じ労働者を雇ったらどのような違いが出るのか」という、経営史に残る壮大な実験の始まりでもありました。

この記事の続きは、こちらから!!

【私の論評】同じような問題が何度も繰り返し起こる場合は、最早人の問題ではなく、システムの問題である!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、この事例は、アメリカではかなり有名なものです。この事例があってから、多くの工場などが、システムを変更しました。



上の記事を要約してみると、工場などで何かうまくいかなければ、多くの人は、ただ人を怒鳴ってそれで事足れりとして、何もしません。しかし、それでは、また似たような問題がすぐに発生するということです。

これでは、いくら人を怒鳴っても、本当の問題は解消しないわけです。そうして、同じようなことが、何回も繰り返されることになります。こうして、怒鳴られた人の行動や考えは全く変わらず、結局士気が落ちるだけとなります。

上のケースでは、はっきりとは示されていませんが、このケースにおける工場の問題は、主に二つに分類できます。

一つ目は、心理学者が指摘している「根本的な帰属の誤り」です。これは、私たちは状況を考慮せずに、他人の行動を性格と結びつける傾向があるということです。上のケースでは、現場監督が、システムなどの問題は一切考慮せずに、現場で次々と問題を起こす労働者を「怠け者」とか、「不注意な性格」、「ヤル気がない」、あるい単純に「頭が悪い」と思い込むことです。


2つ目は、心理学的な状況とはまた、別の次元で、この工場の現場監督も、経営者も、「同じような問題が何度も繰り返し起こる場合は、最早人の問題ではなく、システムの問題である」という大原則を理解していないということです。

特に、2つ目は、重要です。原因が、根本的帰属の誤りであれ、他のものであれ、同じような問題が繰り返し起こる場合は、それは、そもそも人によるものではないということてず。この大原則に関しては、ドラッカーが何十年も前に、「マネジメント」などの著書で示しているものです。

ドラッカーは、「同じような問題が何度も繰り返し起こる場合は、最早人の問題ではなく、システムの問題である。これを解消するためには、体系的かつ徹底的に考えることに時間を使わなければならない」としています。

こんなときに、ただ怒鳴るだけであれば、何も解消はしません。こんなことを繰り返していれば、上のGMの工場のようになるだけです。


特に、徹底的に考えることに時間を使わなければならいということは、重要です。これは、少し前に、このブログにも掲載しました。


目標を達成し、思考の質を向上させるために「連続4時間」の作業時間を持つ―【私の論評】ライフログを取得や、時間管理の究極の目的は、本当に重要なことを考えるときにたっぷりと時間をとりとことん考えること!!




詳細は、上の記事をご覧いただくものとて、今回の話題と関係のある部分を以下にコピペさせていただきます。
会社などの組織でも、職位が低いうちはまだ良いのですが、職位が高くなるにつれて、このようなこと(長時間かけてものを考えること)が重要になってきます。もし、このようなことを実施する習慣を身につけることができなければ、そのような人は、いつも、寸断された時間の中で、単純にしか物を考えなくなり、自分の持つ限られた過去の経験・知識によって、即物的にものごとを処理することしかできなくなります。 
こんな生活を3年以上も続けると、そこから抜け出すのは、大変です。5年以上もつづければ、もう考えることなどできなくなります。それが当たり前になってしまい、深く物は考えられなくなります。職位が低いうちは、それでも何とかなりますが、管理者以上になってしまえば、それではすみません。そういう人は、大きな責任を担うことはできません。そんなことにならないために、意図して意識して、ライフログを取得したり、時間管理をして、長時間かけてものを考える時間を持つ習慣をつける意義があるのです。

本日の話題、特に、GMの工場での、生産性の低さは、まさに現場監督や、経営者が、寸断された時間の中で、単純にしかものを考えなくなり、自分の持つ限られた過去の経験・知識によって即物的にものごとを処理(怒鳴る)ことしかできなくなっていたからです。長時間かけてものごとを考える習慣がついておらず、こんな生活を5年以上もつづけてきたからです。

これに対して、トヨタの現場監督や、経営者は、徹底的に考える時間を使う習慣をもっていたということです。工場でおこる不都合特に度重なり発生する不都合に関しては、それを単なる個人の力量のせいにするのではなく、それをシステム改善・変更・改革・付加・削除などのシグナルとみるべきなのです。特に管理者は、怒鳴るためにいるのではありません。シグナルを見て、考え、行動するためにいるのです。そうして、経営者も怒鳴るためにいるのではありません。管理者が行動するしやすいように支援するためにいるのです。

上の記事は、最後に以下のように締めくくっています。

あなたが誰かに対して腹が立った時、彼らの行動を変えたいと思うでしょう。しかし、あなたがどれだけ高い役職に就いていても、他人の頭の中までコントロールすることはできません。怒鳴っても彼らの行動は変わりません。GM労働者のように反抗的になるだけです。 
他人の行動は変えられません。しかし、それ以外なら何でも変えられます。そして多くの場合、人を変えなくても変化は起こせるのです。

上の文章で、それ以外とは具体的に何かといえば、ドラッカー流にいえばシステムのことです。無論ITなどに限定するのではなく、人を含んだ総合的システム、仕組みという意味です。

システムの改善・改革、付加などに頭を使わない管理者・経営者は、上のGMの事例のようなことを招いてしまうということです。



ちなみに、ドラッカーは、効率良く運営されている工場はすぐに判るとしています。そのような工場、退屈なほど静かであり、騒音も少なく何もないが、効率の悪い工場に限って、現場が騒音や言い争いで充満しており、しょっちゅうドラマティックな何かの出来事があると評しています。

しかし、このようなこと、世間にはいくらでもあると思います。一番わかりやすいのは、政治です、政界では、同じような問題が繰り返し起こっています。これからも、繰り返されるでしょう。マスコミも反日報道の問題が繰り返し起こっています。これらも、もう、すでにシステムが制度疲労を起こしているのだと思います。いずれ、根本的なシステム改革が必要です。その中には、無論のこと、憲法改正も含まれるでしょう。


それに、巷には、まだまだこのような問題が山積していると思います。皆さんの職場や、皆さんの知っている他の職場などでもこのような問題があれば、人の問題にせずに、システムの問題であると考えることが、解決糸口になるし、早期解決の早道にもなります。





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沈むハリウッド、日米産業逆転の理由 ■ Forbs Japan日本編集部 まとめ 日本のコンテンツ産業、特にアニメが国際的に人気を博しており、非英語番組の需要が増加中。 米国のZ世代は日本のアニメを好み、動画配信やゲームの普及がブームを加速させている。 日本のコンテンツ全体が注目...