2012年12月14日金曜日

【日本の解き方】雇用問題が論争されない悲劇 改善に重要な金融政策―【私の論評】雇用問題と金融政策は全く無関係だと思い込んでいるのは先進国では日本人だけ!!

【日本の解き方】雇用問題が論争されない悲劇 改善に重要な金融政策:

衆院選では野田佳彦首相が「民主党政権で雇用を改善させてきた」と訴えている。まずデータを確認しておこう。雇用者については、2009年9月の5457万人から12年10月に5528万人と71万人増となっている。

就活をして何度も何度も会社を受けても内定がもらえない人も多い
 もっとも、この数字は注意してみる必要がある。筆者が関係した小泉・安倍政権では、01年4月の5383万人から07年9月5499万人と116万人増えたが、雇用調整助成金にほとんど頼らない雇用増だった。しかし、民主党政権では、雇用のカサ上げのために雇用調整助成金の大盤振る舞いだ。12年10月でも対象者は64・6万人もいる。この点を考慮すると、民主党政権下では、形式的な数字をうのみにできないだろう。


一方、どのように雇用を改善させるか、明確でない政党も目立つ。米国の大統領選では雇用や失業は常に大きな争点である。しかし、日本では雇用問題が政策論争の前面に出てこない。なぜだろうか。

マスコミの人とこの問題を議論するとき、筆者は雇用問題でどこに取材するかと聞く。ほとんどの人は厚労省に取材するという。もし米国だったらどうだろうか、労働省ではなくFRB(連邦準備制度理事会)だ。政府は統計数字を作るだけで、雇用を拡大できるのはFRBである。

このように米国では、金融政策は雇用政策とほぼ同義である。というのは、短期的には失業率とインフレ率の間に逆相関関係(フィリップス曲線)があり、「犠牲率」という概念が広く共有されている。犠牲率とは、インフレ率を低下させるためにはどの程度の失業率の上昇になるかということだ。この概念を用いることで、これ以上下げられない失業率より現実の失業率が高ければ、インフレ率を少し高めて失業率を低下させるという政策を実施できる。

・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・

筆者はかつて金融政策で雇用の確保ができることを連合の古賀伸明会長に話したことがある。同氏はかなり驚いて興味を示していたが、いつの間にか立ち消えになった。民主党政権が欧州左派政党のように金融政策を雇用政策の柱として位置づけることを密かに望んでいたが、はかない期待だったようだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】雇用問題と金融政策は全く無関係だと思い込んでいるのは先進国では日本人だけ!!



さて、雇用といえば、ここしばらく、特に女子学生の就活など大変です。何社受けても内定をとれないひとなどざらにいます。この状況は、まだまだ続きそうです。このブログでは、以前若者の雇用について掲載したことがあります。

若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、特に雇用に関することで述べたことを以下にコピペしておきます。それから、本日は、雇用の話なので、就活女子の写真とともに掲載させていだ
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。 
日銀が、やるつもりもないインフレ目処1%など無視して、インフレ率を本当に2〜3%上昇させたとします。そうすれば、日本でも、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これは、マクロ経済学上で昔から知られているし、経験則としても成り立っている法則です。
無論、雇用対策のため、のべつまくなく、インフレにするというわけにはいきません。ある程度以上、インフレになれば、ハイパーインフレとなり大変なことになる場合もあります。そういうときは、中央銀行は、すぐにはインフレ率を高めるわけにはいきませんから、これは、打ち出の小槌のようにいつもできるというわけではありません。雇用枠が増えても、ハイパーインフレということにでもなれば、雇用が増えたという経済に対するブラス要因が、ハイパーインフレというマイナス要因によってかき消されるどころか、経済が悪化してしまいます。 
それに、経済のその時々の状況で、インフレ率を高める方法もいろいろあります。いろいろある方策のうち、雇用に悪影響を及ぼす方策もあります。同じ二つ三つの金融政策を実施するにしても、順番があります。順番を間違えると、かえって、雇用に悪影響を与える場合もあります。こうしたことを認識しながら、雇用調整を行うことは、本当に難しいことです。だからこそ、アメリカではFRBの金融政策の専門家が専門家的立場から、これを調整して、雇用対策を行います。 
雇用を直接生み出すのは、日本でも、本来日銀であるはずです。しかし、日本では雇用対策といえば、厚生労働省の管轄とかたく信じて疑わない人が多いようです。しかし、厚生労働省は、雇用枠を増やすことはできません。一定の雇用枠の中で、雇用対策ができるのみです。できることは限られていて、雇用のミスマッチを改善することくらいのものです。


さて、これをご覧いただければ、いかに雇用の確保が、世界の日本以外の国では、中央銀行の金融政策が、雇用に重大であると受け止められているのか良くお分かりになると思います。さらに、これを裏付ける発言がアメリカFRBのバーナンキ議長から発言されていまいす。それを以下に掲載しておきます。
 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、連邦公開市場委員会(FOMC)の2日目の会合を開き、2015年半ばまで続けるとしていたゼロ金利政策について、時期の明示に代えて、少なくとも失業率が6.5%を上回り、今後1、2年のインフレ見通しが2.5%を下回る限りは継続するとの新たな目安を決めた。決定は11対1。バーナンキ議長は会合後の記者会見で「金融政策の透明性を高める」と説明した。
 また、期間が短めの米国債を月450億ドル売って長期国債を同額購入する緩和強化策「ツイスト・オペ」を予定通り年内で終了させる一方で、短期国債の売却を伴わない形で、長期国債を月450億ドル購入する方針を決定。月400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)を購入する量的緩和第3弾(QE3)も継続する。量的緩和の拡大を意味し、FRBの保有資産は一段と膨らむことになるが、将来のインフレ高進などのリスクを冒してでも、労働市場の回復を支える姿勢を示した。(2012/12/13-12:36)



上のバーナンキ議長の将来のインフレ高進などのリスクを冒してでも、労働市場の回復を支える姿勢を示したという最後の文書をみれば明らかです。 しかし、日本では、このことがほとんど理解されていないことを冒頭の高橋洋一氏の記事が説明しているわけです。

そうして高橋洋一氏は、このように米国では、金融政策は雇用政策とほぼ同義である。というのは、短期的には失業率とインフレ率の間に逆相関関係(フィリップス曲線)があり、「犠牲率」という概念が広く共有されている。犠牲率とは、インフレ率を低下させるためにはどの程度の失業率の上昇になるかということだ。この概念を用いることで、これ以上下げられない失業率より現実の失業率が高ければ、インフレ率を少し高めて失業率を低下させるという政策を実施できるとも語っているわけです。 そうして、フィリップス曲線とは、以下のようものです。
フィリップス曲線を示すグラフ
この曲線をご覧いただければ、消費者物資があがる、要するにインフレになれば、失業率が下がっていくことを示しています。要するに、インフレになれば、雇用率があがっていくということです。これは、無論国によって、相関係数などは異なりますが、どこの国にもあてはまります。無論、日本だってあたはまります。

こんな、当たり前のことが、日本では、全く理解されていません。皆さんの中には、日銀と雇用とのが関するなど全く結びつかない人もいると思います。しかし日本だけが、他国で通用している、マクロ金融や、経済いの法則くが成り立たないということはありません。日本でも成り立ちます。



そうして、最近選挙ですから、皆さん、安部総裁の金融政策など聞いたことはありませんか。安部総裁は、金融緩和策によって、無論円高・デフレを克服しようとしています。これを克服しなければ、日本の経済はなかなか良くなることはありません。それに、金融緩和を実施すれば、その過程で、雇用も改善んされるということです。


デフレ・円高を終わらせ、しかも、雇用を劇的に改善する、安部総裁のインフレターゲット政策、若者にも、雇用という面でかなり期待できそうです。しかし、このインフレ政策、まだまだ反対の人が多く、実施できるかどうかは、来年夏の参院選の結果をみてみないと、まだ、何ともいえないところもあります。

それにしても、これだけ就職氷河期が続いているのですから、日銀は、はやく金融緩和を本格的にすすめるべきです。円安傾向になり、さらに、特に若者の就職率があがれば、それだけでも随分違うと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?







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2012年12月13日木曜日

「北朝鮮の衛星打ち上げ成功」が意味するもの−【私の論評】直前の発射の遅れの告知は、命中率120%の日本をだますためのカモフラージュだった可能性もかなり高い!!

「北朝鮮の衛星打ち上げ成功」が意味するもの:



北朝鮮南浦特別市にある学校で撮影。Photo: (stephan)/Flickr。画像は別の英文記事より

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は12月12日、人工衛星「光明星3号2号機」の打ち上げに成功したと発表し、北米防空司令部(NORAD)も「なんらかの物体」が軌道に到達したことを確認した

これで同国は、独自の衛星を軌道に打ち上げることに成功した11カ国からなる小さなグループの一員になった。(それまでの10カ国は打ち上げ順にソ連、アメリカ、フランス、日本、中国、英国、インド、イスラエル、イラン。なお、ロシアとウクライナも1992年にソ連から承継したシステムで衛星を打ち上げている)

北朝鮮に関するニュースを伝えるサイト「NK News」が掲載した以下の中国の動画では、実際に飛行しているロケットを確認することができる。

こうしたロケット技術がすぐに大陸間弾道ミサイル(ICBM)の成功につながるわけではない。ICBMの打ち上げ軌道は、ロケットの打ち上げ軌道とは大きく異なる。ICBMは宇宙空間に入った後で、地球の裏側にある街を目標としながら大気圏に再突入する必要があるからだ。制御が難しいほか、再突入に耐えうる高度な素材等も必要になってくる

いっぽう、「北朝鮮はこれまでも、イラクやパキスタンといった常連客にミサイルを販売してきた。具体的には、旧ソ連のスカッドや、それを改良したノドン(射程1,000km以上の準中距離弾道ミサイル)、そしてムスダン(推定射程距離3,200km~5,000km)といったミサイルだ。北朝鮮は今回の技術を常連客に売ることができる」と指摘するのは、戦略国際問題研究所(CSIS)で北朝鮮問題を分析するヴィクター・チャーだ。

「ICBMを核兵器と結合させるという観点からすると、北朝鮮は重要な境界を越えた。弾頭の小型化や、再突入体の開発といった技術的境界はまだあるものの、これは間違いなく大きな境界といえる」とチャー氏は述べた。

北朝鮮は今回、12月22日までに打ち上げるとしていたが、直前になって第一ロケットに問題があると認めてこの枠を29日まで拡大したため、多くのアナリストが打ち上げはもっと遅れると判断していた。しかし実際には、1日遅れただけで打ち上げに成功した。

「技術的な問題は、即座に修正された軽微なものだったか、あるいは(領土に接近した場合は)ロケットを迎撃すると公言していた日本をだますためのカモフラージュだったかのいずれかだ」と、ソウルにある北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「New York Times」に語った

ほかに北朝鮮は、激化する韓国との軍備競争に後れを取るまいとしている、韓国と日本で行われる12月の選挙の時期に合わせた、あるいは単に注目を集めたかった、などの説もある。

※北朝鮮はミサイル開発を外貨獲得の手段として用いており、スカッドとノドンをエジプト、シリア、リビア、イエメン、イラン、パキスタンなど多くの国に輸出している。今回のロケットでは、1段目にノドンBを4つ束ねて利用したとされ、この技術をICBMに転用できた場合、射程距離は13,000km以上に達し、全米が射程に入るという見方もある

※この翻訳は抄訳です。


【私の論評】直前の発射の遅れの告知は、命中率120%の日本をだますためのカモフラージュだった可能性もかなり高い!!




今回の、北朝鮮のロケット打ち上げ直前の、第一ロケットに問題があると認めてこの枠を29日まで拡大するという告知に関しては、いろいろい憶測が飛びかっていますが、私自身として、日本の迎撃をおそれての公算もかなりたかいものと思っています。

なぜなら、日本ではほんんどなぜか報道されていないものの、日本のイージス艦の操船性能ならびに、ミサイル迎撃性能は、世界一と言っても良く、北朝鮮側これで今回の記念碑的なロケット打ち上げを万が一にも、日本によって迎撃撃破されないようにするための措置だったことが十分考えられます。

これについては、以前のこのブログでも掲載しましたので、以下にそのURLを掲載しておきます。

【北ミサイル発射予告】PAC3が宮古島に到着 ミサイル日本領域落下で迎撃―【私の論評】ミサイルの日本領域落下で迎撃ではなく、日本領域通過で迎撃せよ!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に日本のイージス艦のミサイル迎撃能力を示す部分のみコピペしておきます。これは、アメリカで日本のイージス艦が、大陸間弾道弾の迎撃訓練をしたときの模様を掲載したものです。
第二回目は、2010年10月26日のことです。全世界を震撼させる、ある事件が起こりました。日本の海上自衛隊の護衛艦「きりしま」が、ハワイ沖で大陸間弾道弾の迎撃試験を見事成功させたのです。
「きりしま」の放った迎撃ミサイルは、6発の大陸間弾道弾にすべて命中。弾道弾を、宇宙空間で迎撃してしまったのです。これは世界初の快挙です。世界で二番目に大陸間弾道弾がミサイルで撃墜させられたのです。しかも、この時は、軍事上の機密ということで、あまり詳しくは発表されてはいませんが、北朝鮮ミサイルも迎撃できることを十分証明することができたようです。
現在の最新型の、ICBMは、一基を打ち上げると、先端部分には、6つも核弾頭が搭載されており、それが6つに別れて、別々の目標に到達するようになっています。だから、ひと昔前は、この全部を一度に撃ち落とすることなど不可能といわれていたのです。しかし、この限界を日本のイージス艦「きりしま」がやすやすと破ってしまったのです。

こんなロケットなら大歓迎なのだが?
この情報は、日本ではほとんど報道されず、知る人も少ないですが、世界的には話題となった大ニュースであり、多くの人々が、知るところです。軍事関係の人なら知らない人は誰もいないでしょう。無論、北朝鮮の軍事筋も無論知っていることと思います。

日本は、一隻のイージス艦で、複数の核弾頭すべてを撃ち落とす能力があるわけですし、しかも、今回に限らず、北朝鮮がミサイルを発射を予告した場合は、いつも複数のイージス艦を派遣して、もしもの場合に備えています。

この複数のイージス艦が、一斉に一発の北朝鮮のミサイルにむけて迎撃ミサイルを放った場合北のミサイルが撃墜される可能性はかなり高いです。



私は、他の理由もあるかもしれませんが、これをおそれていた可能性はかなりあると思います。それに、北朝鮮側では、もし、逆の立場であれば、撃ち落せるものは、何が何でも撃ち落とすことを考えるだろうし、自分たちだったらそうすると考えると思います。

上のURLの記事では、私は、北がミサイルを打てば、 "ミサイルの日本領域落下で迎撃ではなく、日本領域通過で迎撃せよ"と主張しています。北朝鮮側は、逆の立場であれば、自分たちもそうすると考えているに違いありません。



撃墜してしまえば、日本領域通過で撃墜していまえば、北朝鮮の脅威は未然防ぐことを世界に向かってアピールできたでしょうし、それに、北の今回の記念碑的な打ち上げを失敗させ、北朝鮮の国家的威信を貶めることもできたし、何よりも、今回であれば、フィリピンの安全保障にも日本は十分寄与できるし、それどころか、アメリカの安全保障にも寄与することができることを十分に示すことができたと思います。

次の発射では、持てるイージス艦の大部分を派遣して、必ず撃ち落とすべきと思います。これくらないやらないと、拉致問題など進展しないと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?






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2012年12月12日水曜日

もし"安倍新首が誕生したら「大胆な金融緩和」は実現するのか!? 当面のポイントは選挙結果と日銀総裁人事と財務大臣人事―【私の論評】日銀をめぐってすぐに何か一悶着がおこらなければ、金融緩和は難しいかも?

もし"安倍新首相"が誕生したら「大胆な金融緩和」は実現するのか!? 当面のポイントは選挙結果と日銀総裁人事と財務大臣人事:

安倍総理が誕生しそうな勢いだが、まだまだ前途多難か?
2012年12月12日(水)

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[ 山崎元「ニュースの深層」 ]
もし"安倍新首相"が誕生したら「大胆な金融緩和」は実現するのか!? 当面のポイントは選挙結果と日銀総裁人事と財務大臣人事 

[山崎 元]

先週の月曜日の12月4日、筆者は、ニコニコ動画で『現代ビジネス』主催の対談に参加した。アゴラ研究所代表取締役の池田信夫氏と慶応大学教授の池尾和人氏がお相手で、池田氏が主に司会役を務められた。対談の様子にご興味のある方はアーカイブを観て頂くとして、議論の大筋を筆者の立場から要約すると以下の通りだ。

・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・


かくして、来年の前半は、(1)2%へのインフレ目標引き上げ、(2)少なくとも当面は政府のデフレ対策に協力的な日銀、(3)財政による需要追加、という「デフレ対策」のためのマクロ経済政策が、程度については不透明ながら、方向性としては実現する公算が大きい。

日銀法改正まで行けるか、次期日銀総裁は「いい人」に決まるか、等、幾つか心配な点はあるし、財政支出のあり方については自民党の方針に少なからぬ疑問を持ってはいるが、マクロ政策のミックスについては、期待できそうだと筆者は思っている。

また、予想に責任は持てないが、この通りになるなら、当面の株価にとってもプラスだろう。早晩、もう一段の株価上昇が実現する可能性がある。

もっとも、金融政策の実施と効果の間には、タイムラグ(1年半くらいという意見が多い)がある。予想通りの政策が実現したとしても、現実のインフレ率に顕著な効果が出るのは、2014年くらいからだろう。
この記事の詳細は、こちらから!!


【私の論評】日銀をめぐってすぐに何か一悶着がおこらなければ、金融緩和は難しいかも?



さて、上の記事の結論、「現実のインフレ率に顕著な効果が出るのは、2014年くらいからだろう」ということですが、これは、安倍総裁の語る政策がそのまますぐに実行された場合でも、このくらいかかるということです。しかし、現実にそうなるかどうかは、まだ予断を許しません。

いかにいくつかのリスクを考えてみます。

まず、第一のリスクとして、今回の選挙で民主党が政権交代で獲得したように、単独で300以上の議席を獲得する必要があります。さらには、来年夏の参院選挙でも、自民党が単独で大勝する必要があります。それに大勝したとしても、自民党内でも、安倍総裁の経済対策に反対の勢力が、2/3近くいます。だから、圧勝する必要があります。
デフレであればインフレ傾向にしてくべきなのに、インフレの害をあおるという手もある!!

そうでなければ、公明、民主が例の三党合意で国会を通過させた、消費税増税法案がぶりかえす可能性があります。そうなったら、最悪です。いくら、金融緩和をしても、景気は落ち込み、デフレ・スパイラルが続きます。

第二リスクとしては、いくら、安倍総裁が強力な、金融緩和をしようにも、日銀の総裁人事がうまくいかなければ、駄目になる可能性が高いです。

そうならないためには、安倍総理誕生のあかつきには、組閣初日に白川総裁に辞表を提出させる。それがうまくいかなければ、日銀法改正により、総裁罷免の内容を設定し、それにあてはまらない、白川総裁を罷免する。それも、ままならなければ、4月の日銀人事で、安倍総裁の意のままになる人を送り込むことです。

いずれにせよ、安倍総裁が、このようなことを実行しはじめたら、日本弱体化推進派、大同団結して、徹底的に安倍叩き、日銀擁護に走ります。あらゆる勢力が、日銀の人事をめぐって、次の総裁を日銀出身者か、日銀の息のかかった人間にするように、ありとあらゆる手段を講じて日銀を擁護して、日銀の金融引締め政策を堅持するため、必至で挑んでくると思います。


第三のリスクとしては、安倍総理が誕生して、思い通りの経済対策をやったとしても、上の記事にもあるように実際に景気が良くなるには、1年半くらいのタイムラグがあるわけで、このタイム・ラグを利用して、「安倍景気対策効果なし」の新聞・テレビ・ラジオ・ネットの総力をあげた、必至の特大キャンペーンを打つことです。この大キャンペーンにつられて、公明はもとより、自民からも離反者が多数出て、安倍おろしに走るか、増税断行に走るなどのことが考えられます。

こんなキャンペーンなら楽しいのですが?
金融緩和をしても、増税などすれば、景気は一気に冷え込みます。そうなった場合、安倍経済対策は、やっぱり駄目だったということで、結局日本は、デフレ・スパイラルに無理やり押し込まれ、結局安倍経済対策が雲散霧消してしまうということも考えられます。

いずれにせよ、マスコミなどをはじめ、多くの反日勢力、日本弱体化推進勢力は、このようにして、必ず安倍叩き大キャンペーンを必ず繰り広げます。やらないで、手を拱いているはずはありません。そもそも、過去に日本がデフレから克服できなかったのは、こういう勢力のプロバガンダによるところが、大きかったと思います。

反日キャンペーンなどより、セクシーすぎるキャンペーンのほうが良い!!!
今回の選挙もし、大勝できたとしても、以上のような難関がまだまだ、安倍総裁を待ち受けているのです。それにしても、できるだけ大きく勝ったほうが良いには決まっています。

なるべく大きく勝っていただくものとして、私達は、選挙直後から、上のような予め予想されるような事態など、頭にいれておき、そのような動きがでる前に封じ込めるため、まともな世論を形成すべく、上のシナリンなど、頃合いをみて、拡散していく必要があると思います。

それに、上のシナリオなど、私が思いついたものをあげただけですから、他にも危ないシナリオがあるかもしれません。そのような、シナリオを思いついたかたは、是非お知らせ下さい。そのシナリオ、このブログや、SNSで拡散させていただきます。

いずれにせよ、安倍経済対策実現のため、私達も力をつくしましょう!

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2012年12月11日火曜日

若者が選挙に行かないとどれだけヤバイのかが一目で分かるシンプルなデータ―【私の論評】今回の選挙は、若者にとって重要!!普段は選挙に行かない人でも今回だけは行こう!!


若者が選挙に行かないとどれだけヤバイのかが一目で分かるシンプルなデータ

今回はニュースサイト『BUZZAP!』からご寄稿いただきました。

※すべての画像が表示されない場合は、http://getnews.jp/archives/277866をごらんください。

■若者が選挙に行かないとどれだけヤバイのかが一目で分かるシンプルなデータ


若者が選挙に行かないとどれだけヤバイのかが一目で分かるシンプルなデータ

(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
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■著者データ
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【私の論評】今回の選挙は、若者にとって重要!!普段は選挙に行かない人でも今回だけは行こう!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、上の記事は、以下の二つのグラフと、最後の結論に集約されます。

若者が選挙に行かないとどれだけヤバイのかが一目で分かるシンプルなデータ

若者が選挙に行かないとどれだけヤバイのかが一目で分かるシンプルなデータ

2009年と同じ投票率だったと仮定した場合ですら、20代の投票者数の割合は全有権者の6.4%、全投票者数と比較しても9.3%にしかなりません。ほんの1割弱です。

結局全投票者の1割弱にしかならず、この世代の意見が行政に反映される率はかなり低いということです。だからこそ、20歳台の若者こそ、選挙に行き自分たちの意見を反映させる必要があります。

それも、今回は、デフレから脱却できるかどうかがかなり大きな政策論争になっています。デフレで、雇用や賃金の面で最も大きな影響を受けるのは、どこの国でも若者です。デフレとは、お金の価値が増えるということですから、お金をたくさん持っている資産家のほうが有利です。そうして、こういう人たちは、無論高齢者が多いです。そうして、若者は、資産を持っていないため、かなり不利です。だから、若者のためにも、デフレは収束させなければなりません。

選挙登録を呼びかける、オーストラリア・セックス党のセクシーすぎるポスター
だから、実は安倍自民党や、みんなの党などが、主張している金融政策など若者の雇用や、賃金などにこれから直接に関わってくる重大事なのです。しかし、雇用というと日本では、なぜか厚生労働省管轄のようなイメージがありますが、これはとんでもない誤解です。

このことについては、以前にもこのブログに掲載したことがありますし、その解決方法に関することも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。


若者雇用戦略のウソ―【私の論評】雇用と中央銀行の金融政策の間には密接な関係があることを知らない日本人?!


詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に解決方法についてのみ掲載します。
上の発言(FRBバーナンキ議長の発言)で特に注目していただきたいのは、「特に米労働市場の改善が重要」というところです。この発言に関して、奇異に感じる人は、平均的な日本人かもしれません。奇異とも何とも思わず、当たり前の発言であると感じた人は、中央銀行による雇用調整策についてよくご存知の人かもしれません。
このブログの冒頭の記事を読んでいると、雇用に関して、野田総理大臣はもとより、この記事のなかに登場する人たちも、それに、この記事を書いた記者も、中央銀行(日本では日本銀行)による、雇用調整や対策のことを全く知らないのではないかとさえ思ってしまいます。
アメリカでは、雇用問題というと、まずは、FRBの舵取りにより、大きく影響を受けるということは、あたりまえの常識として受け取られていますし。雇用対策は、FRBの数ある大きな仕事のうちの一つであることははっきり認識されており、雇用が悪化すれば、FRBの金融政策の失敗であるとみなされます。改善すれば、成功とみなされます。 
この中央銀行の金融政策による雇用調整は、世界ではあたりまえの事実と受け取られていますが、日本だけが、違うようです。日本で雇用というと、最初に論じられるのは、冒頭の記事のように、なぜか厚生労働省です。
このブログでも、前に掲載したと思いますが、一国の雇用の趨勢を決めるのは、何をさておいても、まずは中央銀行による金融政策です。たとえば、中央銀行が、インフレ率を2〜3%現状より、高めたとしたら、他に何をせずとも、日本やアメリカのような国であれば、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これに関しては、まともなマクロ経済学者であれば、これを否定する人は誰もいないでしょう。無論、日本に存在するマクロ経済学と全く無関係な学者とか、マルクス経済学の学者には、否定する人もいるかもしれませんが、そんなものは、ごく少数であり、グローバルな視点からすれば、無視しても良いです。 
日銀が、やるつもりもないインフレ目処1%など無視して、インフレ率を本当に2〜3%上昇させたとします。そうすれば、日本でも、一夜にして、数百万の雇用が生まれます。これは、マクロ経済学上で昔から知られているし、経験則としても成り立っている法則です。
無論、雇用対策のため、のべつまくなく、インフレにするというわけにはいきません。ある程度以上、インフレになれば、ハイパーインフレとなり大変なことになる場合もあります。そういうときは、中央銀行は、すぐにはインフレ率を高めるわけにはいきませんから、これは、打ち出の小槌のようにいつもできるというわけではありません。雇用枠が増えても、ハイパーインフレということにでもなれば、雇用が増えたという経済に対するブラス要因が、ハイパーインフレというマイナス要因によってかき消されるどころか、経済が悪化してしまいます。

それに、経済のその時々の状況で、インフレ率を高める方法もいろいろあります。いろいろある方策のうち、雇用に悪影響を及ぼす方策もあります。同じ二つ三つの金融政策を実施するにしても、順番があります。順番を間違えると、かえって、雇用に悪影響を与える場合もあります。こうしたことを認識しながら、雇用調整を行うことは、本当に難しいことです。だからこそ、アメリカではFRBの金融政策の専門家が専門家的立場から、これを調整して、雇用対策を行います。 
雇用を直接生み出すのは、日本でも、本来日銀であるはずです。しかし、日本では雇用対策といえば、厚生労働省の管轄とかたく信じて疑わない人が多いようです。しかし、厚生労働省は、雇用枠を増やすことはできません。一定の雇用枠の中で、雇用対策ができるのみです。できることは限られていて、雇用のミスマッチを改善することくらいのものです。
日銀と、厚生労働省の二つの雇用対策がマッチしてはじめて、若者の雇用なども含むまともな雇用対策ができます。日銀が、金融政策で雇用枠を増やしたとしても、それは、枠を増やしたというだけであって、現実には、雇用のミスマッチがあれば、雇用問題は解消しないわけです。ここで、厚生労働省が、実効的な雇用のミスマッチを是正する政策を行えば、雇用問題が解消するわけです。
しかしながら、現在日本で行われているような、厚生労働省が行う、雇用対策は、帯に短くタスキに長しという対策がほとんどのようです。まさに、このブログの冒頭の記事に書かれてあるようなことが、実態であると考えられます。このようなことを防ぐため、アメリカなどでは、地域に密着したNPOが、地域の雇用のミスマッチを解消するために、求職者に住宅から、職業教育、職場斡旋を含む包括的なブログラムを提供するということが行われています。このような、NPOの中には、地方銀行や、建築会社までメンバーとして含まれていたりします。NPOとはいっても、日本とは全く意味合いや、規模が違います。おそらく、こちらのほうが、政府が直接手を下すよりもはるかに、効果があると思います。こういうことも、大方の日本人は知らないようです。NPOというと、奇特な人たちが、手弁当で奇特なことをするものという認識だと思います。
さて、上の私のブログ記事を読んでいただければ、いかに日銀の金融政策が、雇用に大きな影響を持っているがお分かりになったと思います。そうして、現在まさに、日銀の金融緩和が選挙の争点になっています。このまま、日銀が金融引きしめを行い続ければ、若者の雇用はますます先細っていきます。賃金も下がります。

日銀が、金融緩和に転じると、雇用は増え、賃金もあがります。そうして、大規模な金融緩和をはっきりと政策としてあげているのは、安倍自民党と、みんなの党です。また、経済が回復するまで、すなわち、若者の雇用が確保されるまで、増税をしないと確約しているのも、安倍自民党と、みんなの党です。

アメリカの選挙を呼びかけるセクシーすぎるポスター
このブログにも良く登場する、経済評論家である、上念司氏は、最近下記のようなツイートをしています。
@smith796000: ネットにアクセスできない人のために1日5人の口コミという誓いをたてました。先ほど、親親戚に電話して、①安倍さんに対するマスコミ報道は95%ウソ。 ②地縁血縁の投票はNG ③第三極ならみんなの党、そうでないなら自民党 ④野田はデフレ容認、孫の就職考えろ! と力説しました!!
このツイートのなかの、「孫」とは無論、若者の皆さんのことです。このツイート私も大賛成です。まあ、しいてどこの党に投票しなさいなんてことは、はっきり掲載すれば、公職選挙法に触れるので、あえて掲載しませんが、特に若者が直近の自分の雇用や賃金を考える場合、自民党に入れるのが最も良いと思います。どうしても、自民が嫌というのなら、みんなの党だと私も思います。

今回の選挙は、上記のような意味あいで、特に若者にとっては近年まれな重要な選挙になります。若者こそ、次の選挙は是非投票に行くべきと思うのは、私だけでしょうか?


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