2015年10月6日火曜日

【外信コラム】韓国、ノーベル賞の時期は憂鬱な季節…―【私の論評】精神的に最初から敗北?反日歴史修正をしている限りいつまでたっても無理(゚д゚)!


韓国で唯一ノーベル賞(平和賞)を授与された金大中元大統領

北里大特別栄誉教授の大村智氏が5日、ノーベル医学・生理学賞を受賞することが決まった。毎年この時期になると、韓国ではノーベル賞受賞への期待が高まり、発表後は失望の「ため息」が付きものとなっている。

 韓国人でノーベル賞を受賞したのは、平和賞の金大中(キム・デジュン)元大統領ただ一人。いつもの“対日比較”で、知人の韓国人記者などから「日本はこれまで何人受賞したのか」と聞かれることがよくある。「分からないねえ。去年も何人かもらったみたいだし。結構いるよ」。別に嫌みでもない。正直に答えると、相手はたいてい無言になる。

 2002年に田中耕一さんが化学賞を受けた際、筆者はソウルに駐在していた。島津製作所の一社員の受賞に韓国社会が衝撃を受けていたのを覚えている。「サラリーマンにノーベル賞を取らせる日本企業とは」などと、当時、韓国メディアはしきりに日本を激賞していた。韓国では、「どうすれば日本のように受賞者を続々と出すことができるのか」という論議が必ず展開される。

 「賞とは狙って取るものなのか」。“韓国式ノーベル賞観”に違和感を覚えつつ、「本人の努力の結果でしょう。第一、彼らはノーベル賞を狙って研究していたとは思えない」と答えるようにしている。

名村隆寛

【私の論評】精神的に最初から敗北?反日歴史修正をしている限りいつまでたっても韓国でノーベル賞は無理(゚д゚)!

日本では、昨日のに続いて本日は、ノーベル物理学賞の受賞者に、物質のもとになる最も基本的な粒子のひとつ「ニュートリノ」に質量があることを世界で初めて観測によって証明し、「ニュートリノ」には質量がないと考えられてきたそれまでの素粒子物理学の定説を覆した東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが選ばれました。

梶田隆章氏

昨年は、3人受賞者がでて、今年二人です。梶田隆章さんの受賞で、日本人の受賞はこれで、24人です。これに比して韓国は、今年も受賞者なしです。

ノーベル賞の季節が近づくと、毎年韓国では、「今年こそは誰々がノーベル賞を獲得するかもしれない」との報道がなされるそうですが、韓国で毎年肩透かしをくらわされるという状況です。

今年もやはり、このような番組がテレビで報道されました。その内容をかんこく! 韓国の反応翻訳ブログというサイトから以下に引用させていただきます。
科学技術分野のノーベル賞、韓国はいつ頃の授賞可能だろうか

[アンカー] 
今年も相変わらず、ノーベル賞の季節が来た。 来週の月曜日からノーベル賞受賞者が発表される予定ですが、我が国でも科学技術分野でノーベル賞受賞者が輩出されるためにどのような努力と準備が必要でしょうか。  
今日「科学論評」で調べてみます。 漢陽大学キム・サンソン教授です。 こんにちは 今年の科学技術分野のノーベル賞受賞者発表があと数日も残っていないんですね。 どのような日程で発表される予定ですか? 

[インタビュー/キム教授]
 ノーベル賞は、この1901年から毎年、ノーベルの命日の12月10日に授賞式を挙行していて今年115回目を迎えることになります。受賞式に先立ち、毎年この頃にはノーベル賞受賞者を確定し発表することになるが、今年は来週の月曜日生理医学賞を皮切りに、火曜日には物理学賞そして水曜日には化学賞受賞者が発表される予定です。 
これまで、科学分野では、計575人のノーベル賞受賞者が輩出されたが、よくご存知のとおり惜しくも韓国の科学者はまだ一人もノーベル賞をもらえてませんでした。 参考に隣国日本では、昨年まで科学の分野で計19人のノーベル賞受賞者を輩出しました。 このような理由によって毎年今頃になると韓国科学者のノーベル賞受賞に対する期待や失望が繰り返され、韓国の科学者たちは不本意ながらまるで罪人でもなったように気が引けたりします。 

[アンカー] 
今年、韓国もノーベル賞受賞者を輩出する可能性があると見ますか? 

[インタビュー] 
よくご存知の通りに昨年、世界的な学術情報サービス社であるトムソンーロイターが発表した9カ国27人のノーベル賞受賞候補者リストに初めて韓国科学者2人(チャールズ・リー、ソウル大医学部客員招聘教授、ユリョンIBS研究団長)が含まれ、かつてないノーベル賞受賞者を輩出に対する期待が大きかったが、結局、排出されませんでした。
 参考にトムソンーロイターではこの2002年から予想者を発表してきているが発表された予定者の約1/3が実際にノーベル賞を受賞するなど高い的中率を示しています。 
今年もであるトムソンーロイターでは15人のノーベル科学賞の候補を発表したが、残念ながら韓国科学者の名前を見つけられません。もちろん、ここに名前がないとしてノーベル賞を受けられないわけではなく、我々は来週まで韓国人初のノーベル科学賞の受賞者輩出の消息を期待しています。 
[アンカー] 
韓国もすでに様々な分野で世界的なレベルの科学技術力を保有しているが、特にノーベル賞受賞の知らせが伝わって来ないないんです。その理由は何と読みますか? 

[インタビュー]  
ノーベル賞を受賞するのが目標になることでは無いが、韓国の国家競争力に照らしてみると、これまでノーベル賞受賞者を輩出しなかったことが残念なのは事実です。 
しかしながら我が国の科学技術現実をじっくり見ると、これまでノーベル賞受賞者を輩出しなかった事は得てして当然な事だと思います。 まずノーベル賞の業績は少なくとも20~30年以上の累積的な業績を見てるもので、我が国の場合、科学技術開発歴史が短すぎる点を挙げることができます。 
1966年に韓国科学技術研究所(KIST)の設立以来、わずか50年足らず、研究費の規模の面でも80年代初めまでは国家研究開発事業費の規模が100億ウォン水準にとどまっており、研究開発に当たって基礎研究よりは産業化開発研究費の方がさらに至急な状況でした。  
例えば基礎研究を主に担当する大学の場合をみれば、最近は教育を心配するほど、研究開発をたくさんしているが、ここ90年代初めまでは「寝ている象牙の塔」というニックネームが付けられるほど、研究機能がほとんどなかったのです。これまで、基礎研究よりは応用及び開発分野で政府出資と企業などの努力した結果、韓国は今日、半導体、造船、鉄鋼、自動車などほとんどすべての産業技術分野で先進国と肩を並べる水準に到達したのは、大変な成果では無いと否定する事は出来ません。 
そうと基礎研究分野の成果も悲観的なものはありません。たとえ少し遅く始めたが、この90年代序盤から基礎研究分野にも重点をおいて努力してきた結果、かなりの成果を出したものと評価されています。例えばSCI登載論文数で世界10位圏であり、質的水準を分けることができる論文被引用数上位1%論文数でも世界15位圏に達しています。  
わずか30余年の短い基礎研究支援の歴史に照らしてみると、このように急速な成長を見せているのは非常に希望的だと思います。「雨後のたけのこの」という言葉があります。雨降ったあとには竹の子が恐ろしいスピードで湧き出るように、たとえわずか20余年の短い基礎研究の歴史によってまだはノーベル賞受賞者を輩出していないが、もうすぐ優秀な成果が雨後の竹の子のように噴き出しながら、ノーベル賞受賞も遠くないと思いますし、一度受け始めると、継続して多くの受賞者を輩出するものと期待出来ます。 

[アンカー]  
それなら、今後の基礎研究分野で優秀な成果が継続して出て、結果的に多くのノーベル賞受賞者を輩出するには、どのような支援と努力が必要ですか。 

[インタビュー]  
秘法が別に有るわけではないが、様々な要素の中で優秀な人材確保、投資拡大、そして研究インフラの拡充が一番重要だと思います。 
まず、最も重要なのは、優秀な人材の確保です。科学技術は何といっても優秀な人材の双肩にかかっていると言うことができます。幼い頃から優秀な人材が科学技術を夢見ることができるようにする土壌を作らねばならず、科学技術界へと進出した人たちが精進出来る様に研究できる環境を造成し、科学技術人たちが尊敬される風土、さらには退職した後も安定的な生活を享受できる環境を作る等、全生涯周期にわたる努力しなければならないのです。  
次に、科学技術発展の核心要素の一つである科学技術投資の側面から見て、韓国の国はこれまでとても上手くやってきていると思います。この10年余り(05年~14年)の間、政府の科学技術投資は年平均9.5%増加幅を維持してきており、さらに、IMF事態で困難を経験している時も研究開発投資拡大基調を維持してきました。 たとえ、最近の福祉財政需要急増、税収の不確実などにより、来年度の科学技術分野の政府予算が今年度比0.2%増加した18.9兆ウォンの水準にとどまっているが、国会で超党的な支援があるだろうと期待しています。 

[アンカー] 
最後に、世界的な基礎研究成果の創出を支援するため、特にどんな点にもっと気を使わなければならないでしょうか。 

[インタビュー]  
失敗を恐れて安全な研究だけを志向する研究の風土、研究費が多い大型課題を好む、協同研究の風土の不足、研究者尊敬文化の不足、供給者中心の研究費支援などを早急に変えていかなければならないだろうと思います。  
その中でも特に強調したい事項は、基礎研究費の支援方式の再検討です。  
ノーベル賞のような成果は一本に没頭できる環境づくりが重要だと思います。そのためには研究費持続性が一番重要です。最小限の研究費を途切れることなく持続して支援することにより、流行に流される必要もなく、渡り鳥のようにあちこち手を出す必要も無く、気兼ねせずにやりたい研究、得意な研究にだけ没頭できる環境を作ってくれなければならないのです。  
隣国日本の場合も、とても豊かではないが、最小限の研究費を持続して支援することにより、理工系大学教授が研究費の心配なく、したい研究を持続して行うことのできる環境の中で、世界的な成果を多く創出して多数のノーベル賞受賞者を輩出していることを参考にすることができます。 

[アンカー]  
基礎科学研究に対する支援が継続して後押しされ、我が国でもノーベル科学賞の受賞者が排出される嬉しい知らせが伝えられたらいいです。 今までの漢陽大学キム・サンソン教授でした。 ありがとうございます
上の記事では、韓国から科学技術分野のノーベル賞受賞者が出ない背景を、金教授は「わずか30余年の短い基礎研究支援の歴史」のせいにしています。私は、決してそうではないと思います。

なぜなら、韓国からは、欧米にもかなりの数の留学者がいて、中にはアメリカやヨーロッパでながらく研究している研究者も存在します。その中からも受賞者が未だに一人も出ないということから、これだけが、理由とは思えません。

何か根本的な原因があるに違いないと思います。私は、そもそも韓国にはまともな学問を醸成するような背景に欠いているのではないかと思います。

まずは、そもそも学問の基本姿勢というものが、まだまだないがしろにされています。学問の基本姿勢として重要なことをアインシュタインが語っています。それに関しては、このブログにも過去に掲載したことがありますので、その記事のリンクを以下に掲載します。
BOOK REVIEW 『これからの思考の教科書』- ビジネススキルとしての思考法を順を追って学べる良書―【私の論評】常に革新的であるために、一つの思考方法に凝り固まるな!!アインシュタインと菅総理大臣から真摯に学ぼう!!
アインシュタインと菅元総理
アインシュタインといえば、あの相対性理論で有名です。特にその中でも、「E=MC2」という式は、統合的思考の産物です。わずか、この一行の式の持つ意味はまるで、広大な宇宙のようです。 
こうした、アインシュタイン自身が自分の業績について語った言葉が印象的です。「私の理論は、すでに先人がそのほとんどすべてを開拓したものです。私が付け加えたのは最後のほんの!%程度くらいにすぎません」。これは、かなり、謙遜した言葉と受け取られるかもしれません。しかし、真実です。 
アインシュタインは、先人が開拓した物理の理論を情報として、徹底的に、頭の中にインプットしたのだと思います。そうして、そこから、様々な知識を生み出し、その過程で、無論、論理的思考と、水平的思考を駆使し、最後の最後で、統合的思考方法を適用して、壮大な理論を「E=MC2」という、単純な公式としてまとめあげたのです。わずか、!%といいながら、その1%は、偉大であり、人類の金字塔となったのです。
私が学問の基本姿勢とするのは、まさにアインシュタインの言う「私の理論は、すでに先人がそのほとんどすべてを開拓したものです。私が付け加えたのは最後のほんの!%程度くらいにすぎません」という言葉です。

本当に新しいことなど、この世にほとんどありません。現実は、先人たちの努力に負うところが、大きいです。それに全く新しいことをほんの1%も付け加えることができれば、ノーベル賞級の研究になるのです。現在のノーベル賞受賞者の人々も、過去の受賞者や、その他の無数の人々の研究に負うところが非常に大きいです。

だから、すべて学問を志す人は、先人の業績を虚心坦懐に真摯に学ぶ必要があります。これが、まずは学問の基本中の基本だと思います。これができない人には学問などできないと思います。できたとしても、似非学問に過ぎません。

これを学問の基本姿勢とすると、韓国の場合、この精神にあまりに欠けています。特に、歴史の分野では、反日的歴史修正が韓国の常です。

慰安婦の虚偽、強制連行の虚偽など、韓国ではまことしやかに、韓国に都合の良い歴史の修正が行われ、学校などで教えられています。それにだけではなく、韓国内で流布している歴史は、古代・中世に関してはほとんどファンタジーです。

近代史ですら、まとに読むと、ファンタジーの部分が多いです。現代史は、先に述べたように、ファンタジーなどはるかに凌駕して、修正の連続です。

世界四大文明の源は韓国だったとする、韓国の歴史ファンタジー

こうした、歴史教育を低学年から受けている韓国人に、アインシュタインが語るような学問の基本姿勢が身につくはずはありません。まずは理系、文系など関係なく、学問を志すなら、まずは先人の業績を何も加えない、何も引かないという精神でまずは全部受け入れて、真摯に学ぶ必要があります。

日本は、韓国の近代化に相当力をつくしてきました。戦前も、戦後もかなり尽力してきました。しかし、その近代化の歴史を韓国は、真摯に学ぼうとせず、歴史を歪めて受け入れています。

世界の中で、先進国から発展途上国に、発展途上国から先進国になった国は滅多にありません。あるとすれば、日本とアルゼンチンだけです。日本は、発展途上国から先進国になりました。アルゼンチンは、先進国から発展途上国となりました。

このような稀有な例、特に韓国の隣の日本に関しては、韓国としては、真摯に研究すべきです。

これは、日本の明治前後の先達たちとは、大きな違いです。幕末の志士たちは、尊皇攘夷を標榜しながらも、和魂洋才をキャッチフレーズに、西洋の科学技術などを積極的に受け入れました。さらに、大日本帝国憲法を制定する際にも、当時の世界最強のイギリスの憲法もかなり参照しました。

ただし、イギリスの場合は、憲法典は制定されておらず、慣習法が多いので、憲法典をつくるにあたっては、イギリス憲法を参照して憲法典化されたベルギー憲法をかなり研究しました。しかし、その憲法典を参照するにしても、憲法の本質は「我々は何者か」という意味での日本の歴史を徹底的に参照してから作成しています。

このような精神が残っているからこそ、今の日本は、様々な偏向した考えがありながらも、特に科学技術の分野では、その精神が息づいており、それが背景となり日本がノーベル賞受賞者を排出する要因となっていると考えられます。

しかし、韓国の場合、このような真摯な精神には欠けていると思います。このような反日歴史修正を続けている限り、韓国には科学技術分野においても、ノーベル賞を受賞するような人は出てこないと思います。韓国であろうが、なかろうが、歴史ファンタジーを教育するような国では、まともに学問を尊重する精神など宿ることはないです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年10月5日月曜日

【ノーベル賞】 2015年医学生理学賞、寄生虫研究でキャンベル、日本の大村智、中国のトゥ・ヨウヨウ共同受賞―【私の論評】受賞者数を中韓と比べてみたら・・・・・?

【ノーベル賞】 2015年医学生理学賞、寄生虫研究でキャンベル、日本の大村智、中国のトゥ・ヨウヨウ共同受賞

3人のノーベル医学生理学賞受賞者

2015年ノーベル医学生理学賞は寄生虫関連研究に献身したアイルランドと日本、中国の研究者 らが受賞しました。

スウェーデン、カロルリンスカ医大ノーベル委員会は5日(現地時間)アイルランド出身のウィリア ム・キャンベル、米国ニュージャージー州マディソン、ドリュー大学教授、大村智、日本北里大学名 誉教授、中国の屠[口幼](トゥ・ヨウヨウ)中国伝統医学研究院教授など3人を今年ノーベル 生理医学賞共同受賞者に決めたと発表しました。

中国出身の研究者がノーベル生理医学賞を受賞したのは今回が初めてです。トゥ・ヨウヨウ教授 は合わせて歴代12番目のノーベル生理医学賞女性受賞者になりました。

キャンベルと大村教授は寄生虫感染と関連した研究で、賞の半分を共同受賞し、トゥ・ヨウヨウは マラリア治療法を開発した功績で残り半分を受賞しました。

ノーベル委員会は「今年の受賞者たちは最も破壊的な寄生虫関連質疾患の治療法を画期的に発 展させることによって毎年数百万人に影響を及ぼす病気に対抗する新しくて強力な手段を人類に 提供した」と選定理由を明らかにしました。

受賞者らには800万クローネの賞金が与えられます。この日、ノーベル生理医学賞は今年のノー ベル賞の中で一番最初に発表されました。ノーベル生理医学賞に続き物理学賞、化学賞、文学 賞、平和賞、経済学賞が順に発表されます。

【私の論評】受賞者数を中韓と比べてみたら・・・・・?

本日のニュースは何といっても、これです。大村智、日本北里大学名誉教授本当におめでとうございます。

大村智、日本北里大学名誉教授
平和賞と文学賞を除く2000年以降のノーベル賞の受賞者出生国別の人数では、米国71人、日本13人、英国12人の順となりました。

受賞時の所属大学別で得点を比べた場合、1位は米スタンフォード大、2位は米コロンビア大、3位は米カリフォルニア大バークリー校となり、上位10校中8校を米国の大学が独占。残りはイスラエルとドイツが1校ずつで、日本を含むアジアの大学は圏外でした。

日本人としては、ノーベル医学・生理学賞は利根川進氏、山中伸弥氏に次いで計3人目の快挙となりました。

以下に大村智氏の略歴を掲載します。

大村 智(おおむら さとし、1935年7月12日 - )氏は、日本の天然物有機化学者。北里大学特別栄誉教授。薬学博士(東京大学、1968年)。理学博士(東京理科大学、1970年)。山梨県韮崎市生まれ。
1954年 - 山梨県立韮崎高等学校を卒業し、山梨大学学芸学部自然科学科に進学。
1958年 - 山梨大学学芸学部自然科学科卒業[4]1963年 - 東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了
1963年 - 山梨大学助手1965年 - (社)北里研究所入所
1968年 - 北里大学薬学部助教授1968年 - 東京大学より薬学博士「Leucomycinに関する研究」
1970年 - 東京理科大学より理学博士「ロイコマイシン、スピラマイシン及びセルレニンの絶対構造」
1971年 - 米国ウェズリアン大学客員教授
1975年 - 北里大学薬学部教授1984年まで)
1985年 - 学校法人北里学園理事[4]1990年 - 北里研究所所長(2008年まで)
2001年 - 北里大学生命科学研究所所長(初代、2003年まで)
2002年 - 北里大学大学院感染制御科学府教授(2007年まで)
2005年 - 米国ウェズリアン大学 MaxTishler教授[4]2007年 - 北里大学名誉教授、女子美術大学理事長[4](2015年まで)
2008年 - (学)北里研究所名誉理事長(2012年6月まで)
2012年 - (学)北里研究所顧問
2013年 - 北里大学特別名誉教授
日本の、ノーベル賞受賞者を以下に掲載しておきます。
湯川秀樹、物理学賞、1949年
朝永振一郎、物理学賞、1965年
川端康成、文学賞、1968年
江崎玲於奈、物理学賞、1973年
佐藤栄作、平和賞、1974年
福井謙一、化学賞、1981年
利根川進、生理学・医学賞、1987年
大江健三郎、文学賞、1994年
白川英樹、化学賞、2000年
野依良治、化学賞、2001年
小柴昌俊、物理学賞、2002年
田中耕一、化学賞、2002年
小林誠、物理学賞、2008年
益川敏英、物理学賞、2008年
下村脩、化学賞、2008年
鈴木章、化学賞、2010年
根岸英一、化学賞、2010年
山中伸弥、生理学・医学賞、2012年
赤崎勇、物理学賞、2014年
天野浩、物理学賞、2014年
大村 智、医学生理学賞 2015年 
 ついでに、韓国の受賞者を掲載します。
金大中、平和賞、2000年
後にも、先にもこの一人だけです。韓国内では、毎年この季節が近づくと、今度こそは誰々が受賞するだろうと、報道されていますが、本年も受賞者はありませんでした。

中国の受賞者を掲載します。
劉暁波、平和賞、2010年
莫言、文学賞、2012年
屠[口幼](トゥ・ヨウヨウ)、医学生理学賞、2015年
200年代は、これだけですが、その他中国人・華人のノーベル賞受賞者が12人います。
中国の受賞者数は、人口を考えると、かなり少ないです。何しろ、中国の人口は日本の約十倍です。それを考えると、かなり少ないです。

ノーベル賞の受賞など、やはり、ある程度国の力を表すものだと思います。これからすると、韓国は問題外です。中国も、まだまだというところです。

それにしても、2000年代においては、日本は三位につけているというところが凄いです。アメリカと比較すれば少ないですが、ノーベル賞がもともと欧米の賞であることを考えると、日本はかなり健闘しているといえると思います。

これを機会に日本の凄さをもう一度、日本の凄さを見なおしてはいかかでしょうか。

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2015年10月4日日曜日

市場に流れる有力説…10・7「黒田バズーカ」第3弾が急浮上―【私の論評】最新iPhone6Sの日本国内での売れ行きからみる、追加金融緩和の重要性(゚д゚)!





金融マーケットの関心は一点に絞られている。日銀の黒田東彦総裁が、いつ追加金融緩和に踏み切るかだ。

1日発表された日銀短観は前回より3ポイント悪化し、9月30日公表の鉱工業生産指数も2カ月連続マイナスと、ここへきて経済指標の悪化が目立ってきた。

「追加金融緩和に向けた外堀が徐々に埋まってきた感じがします。近いうちに実施される可能性は高いでしょう」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)

実は、安倍首相が新3本の矢を発表した先月24日、市場に衝撃が走った。

「具体性ゼロの中身もさることながら、金融政策への言及が全くなかったからです。市場は、政府は追加緩和を望んでいないと受け取った。ところが、市場の反応を否定するかのように、翌25日に安倍・黒田会談があった。やはりアベクロは金融緩和で動いているとの読みが主流となったのです」(市場関係者)


1日の日経平均が前日比300円以上も上昇し、1万7722円で引けたのも、“黒田バズーカ3”への期待が高まっているからだ。

■金融政策決定会合で決定か

市場は10月中にもバズーカ砲が放たれるとみている。最有力は10月30日の金融政策決定会合だが、ここ数日、前倒し予想が増えてきた。来週7日の同会合で決まる確率が高いというのだ。

「安倍首相は内閣改造を7日に行うとしています。主要閣僚は留任だし、株高をもたらすようなサプライズはないでしょう。市場は失望し、株価の下落傾向に拍車がかかります。それを食い止めるためのウルトラCが、黒田バズーカ3だと睨んでいます」(株式評論家の倉多慎之助氏)

郵政3社の株式上場も絡む。上場日は11月4日だが、公募価格が決まるのはゆうちょ銀とかんぽ生命が10月19日、日本郵政は26日だ。政府は、郵政上場を成功させるため、10月半ばには何としても市場を盛り上げておく必要がある。

「追加金融緩和が30日では公募価格の決定に間に合わない。となると7日しかない」(倉多慎之助氏)

追加緩和で日経平均は1万8000円を固め、1万9000円を目指すというのが市場のコンセンサスだ。7日説を信じるなら、来週前半は仕込み時だが……。


1日の日経平均が前日比300円以上も上昇し、1万7722円で引けたのも、“黒田バズーカ3”への期待が高まっているからだ。

■金融政策決定会合で決定か

市場は10月中にもバズーカ砲が放たれるとみている。最有力は10月30日の金融政策決定会合だが、ここ数日、前倒し予想が増えてきた。来週7日の同会合で決まる確率が高いというのだ。

「安倍首相は内閣改造を7日に行うとしています。主要閣僚は留任だし、株高をもたらすようなサプライズはないでしょう。市場は失望し、株価の下落傾向に拍車がかかります。それを食い止めるためのウルトラCが、黒田バズーカ3だと睨んでいます」(株式評論家の倉多慎之助氏)

郵政3社の株式上場も絡む。上場日は11月4日だが、公募価格が決まるのはゆうちょ銀とかんぽ生命が10月19日、日本郵政は26日だ。政府は、郵政上場を成功させるため、10月半ばには何としても市場を盛り上げておく必要がある。

「追加金融緩和が30日では公募価格の決定に間に合わない。となると7日しかない」(倉多慎之助氏)

追加緩和で日経平均は1万8000円を固め、1万9000円を目指すというのが市場のコンセンサスだ。7日説を信じるなら、来週前半は仕込み時だが……。

【私の論評】最新iPhone6Sの日本国内での売れ行きからみる、追加金融緩和の重要性(゚д゚)!

上の記事に掲載されてている、追加金融緩和が10月7日の金融政策決定会合で決定される可能性については、このブログでも最近掲載したばかりです。その記事のリンクを以下に掲載します。
焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減―【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に
大きな逆風となって作用してきた。札幌市内で撮影

詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では金融緩和をしてからそれが実体経済に反映されるまでには、少なくとも1〜2年かかることを掲載しました。しかし、株価は実体経済が良くなるよりもはるか前に高くなることが予想されます。実際、13年度4月からの金融緩和では、そのようになりました。といより、安倍総理が金融緩和すると発表してから間もなく市場はそれを好感して、株価が上がり始めました。

そのため、市場はこれを好感するのは当然で、もし追加金融緩和をされれば、確実に株価は上昇に転ずることでしょう。

しかし、金融緩和の効果はそれだけに及びません。それは、デフレからまだ完全に抜けきっていない日本をデフレから完全に脱却させ、さらに緩やかなインフレに転ずることを可能にさせることができます。

酷いデフレがいかに経済にマイナスなのかは、多くの識者やメデイアが語っており、多くの皆さんがご存知のこととなります。その弊害は、モノが売れない、賃金が上がらないどころか、低下する、雇用状況が悪くなるということです。

しかし、頭ではこのことは理解できても、なかなかその実体を身をもって体感するということは、デフレにかなり酷い目に直接あった人はともかくとして、それ以外の人はあまり実感できないことと思います。

なにせ、デフレはインフレがハイパー・インフレに代表されるように、上限などないほど急激に物価があがりとんでもないことになったりするのと比較すると、デフレは、年率でいえば、最大でも2%くらいにしかならず、長い時間をかけて徐々に実体経済を蝕んでいきますから、多くの人が長い間自覚できずいることもあり、場合によっては、影響を受けていることを自覚出来ない場合もあります。

本日は、それを実感できる事例を掲載したいと思います。それは、多くの人にとって、身近なスマホです。スマホといえば、iPhoneです。iPhoneといえば、最近発売されたiPhone6sです。このスマホが、デフレの酷さを体感できる事例です。

まずは、このスマホの最新型であるiPhone6sの売れ行きに関する記事のリンクを以下に掲載します。

【iRONNA発】新型iPhone なぜ、日本人だけが買いたがるのか

米アップルが発表した新型スマートフォン「iPhone 6s」(手前)

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事がiPhoen6sがかなり売れているということと、この記事の著者が分析したその理由を以下に掲載します。
 米アップルの最新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)6s」が先月、発売された。今や年に1度の「お祭り」になった感がある新型iPhoneの発売だが、世界シェアでは日本を除き、いまだ韓国サムスン電子の後塵(こうじん)を拝している。なぜ、日本人だけがiPhoneを買いたがり、こんなにもありがたがるのか。

日本は他の国々と違って、AndroidよりもiPhoneの人気が高い。このことから、よく日本人は「iPhone好き」と言われる。その理由はいろいろあると思う。
・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・
 ただ、こうしてiPhoneが普及してきたことによって、多くの人々がアップルの「質の良さ」がどういうものかを感覚として身につけ、評価するようになった面もある。 
 これに対し、日本の家電製品はというと、かつてはアップルにも影響を与えたソニーの製品が優れたデザインで世界を魅了していた。しかし、お膝元の日本では1990年代以降、こうした製品の売られる場所が大量の商品在庫と安値販売を目玉にした家電量販店に変わり、外観よりも製品に貼られた商品説明に書き込まれるスペックの(質ではなく)量で競うようになってから、良いものづくりができなくなってしまった。 
 アップルのものづくりにはこうした日本的なコンテクストは関係なく、商品の人気を武器に「販売したいならば」と売り場での展示方法までアップル流に変えてくる。こうした企業としての姿勢や展示の美しさもアップル人気の一因となっているはずだ。
・・・・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・・
 このようにアップル人気の理由はさまざまな要因が複雑に絡み合っていて、どれか1つに集約するのは難しいが、あえて1つにまとめるとしたら、「真摯(しんし)に良いものをつくり、売るときにもベストを尽くす」。この製造業の基本中の基本をごまかさずに正面から貫いていることではないか。 
 そして、そんなアップルがこの日本でなぜ人気なのかといえば、他の日本のメーカーが90年代の変な合理化のせいで、まっとうなものづくりができなくなってしまっているからではないだろうか。iPhoneを好む一方で、日本メーカーの復権を心待ちにしている人も決して少なくないと思う。
上の記事で、最後に「他の日本のメーカーが90年代の変な合理化のせいまっとうなものづくりができなくなってしまっている」と述べていますが、なぜ日本のメーカーが変な合理化をしたかといえば、やはり、それはデフレになったからです。日本がデフレになったのは、1997年からでした。

変な合理化とは、日本国内でモノが売れないので、これに対処するための合理化ということだと思います。

デフレ対応のため、変な合理化をしたからといって、すぐに日本のものづくりが大影響を受けて、日本の製品がつまらないものになったというわけではありません。

実際に、初代のiPhoneが発売されてから、しばらくは日本ではほとんど売れませんでした。私自身は、はじめてのIPhoneはIPhone3GS(iPhone4の一つ前のモデル)でした。その頃は、まだまだ携帯電話の中でもiPhoneは日本では少数派でした。IPhone が日本国内で爆発的に売れ始めたのは、iPhone4の2010年からです。

そのあたりの状況については、このブログでも過去に掲載しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
iPhone4の予約いったん停止へ…予想超える予約―日本でも受け入れられたタッチ型スマートフォン、iPhone


この記事は、2010年6月のものです。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事から当時の売れ行きを示す部分を以下に掲載します。
ソフトバンクモバイルは、6月24日の発売に先立ち、6月15日から開始したアップル製のスマートフォン「iPhone 4」の予約注文の受け付けを、6月18日の閉店時間をもっていったん停止すると発表した。
理由は、これまでに予測をはるかに超える、同社としては過去最大の予約が入ったため。今後については、できる限り早く再開できるよう努力する、とコメントしている。
この記事では、iPhone4より前までは、日本ではIPhoneが売れていなかったことも掲載しました。その部分を以下に引用します。

"

昨年は、本当にiPhoneがあまり売れなく、海外でのヒットと比べると人気は今ひとつでした。その折に、『どうして、日本人はiPhoneが嫌いなのか?』という海外コラムが掲載されたのですが、「あまり売れないので0円にしたけれどやっぱり売れていない」「日本人がiPhoneをどう見ているか」「日本人の携帯電話のあり方」といった内容です。
Why the Japanese Hate the iPhone | Gadget Lab from Wired.com(管理人注:現在は、残念ながらリンク切れになっています)


海外サイトではこの記事を受けて、不思議な日本市場の話題で大いに盛り上がっていました。このサイトに限らず、当時海外ではiPhoneを使わない不思議な日本人に対して、様々に揶揄する内容のブログやサイトで溢れていました。


日本では、ガラパゴス携帯といわれていたように、日本の携帯電話のほとんどは、他国では使うことができなかったりしたため、日本独自の発展を遂げていました。そもそも、スマートフォンが出てくるまえは、日本の携帯電話が、インターネットを見ることができましたが、海外のものは、見れなかったりしたものです。どちらかといえば、日本の携帯電話の邦画、技術的に優れていたのではないかと思います。

iPhoneの一番最初の型が日本国内で発売される直前(2008年6月)にあるサイトに以下のような記事が掲載されていました。これは、その当時の人からみれば当然のことだったと思います。

iPhoneには日本で流行している「着うた」「ワンセグ」「お財布ケータイ」などの機能がありません。 機能・価格・操作、その全ての面でiPhoneは日本に向いてないのです。ネット上での話題性は凄いでしょうが、現実にはソフトバンクのユーザ数がちょこっと増えるぐらいでしょう。 
数値にしてもおそらく携帯ユーザ全体の1%も移動はおきません。若者はどうか?「iPhoneいいですよ、iPodの機能もついてますし、どこでもネットが見られます。カメラも撮れますよ」。これで魅力を感じて貰えるかと言うと、ノーです。まずiPodはもうみんな持ってます。わざわざ携帯電話を買い換えてまで1つにまとめようという人はいません。そしてネットやカメラは今の携帯電話でも可能です。iPhoneにはウリと言える部分の魅力が弱いのです。
とは、いいながら、やはり、iPhoneに限らず多くのスマートフォンがでてきてから、状況は変わりました。私自身は、昨年11月あたりにiPhoneG3を購入しました。その時でも、やはり、iPhoneは少数派だったように思います。購入の際に、iPhoneでは、いわゆる携帯向けのインターネットサイトを見られないということが言われました、私自身は携帯電話のサイトどほとんど見たことがなかったので、何のためらいもありませんでした。また、「着うた」「ワンセグ」「お財布ケータイ」などの機能など、何も使っていませんでしたし、たいした興味もありませんでした。
"

さて、このような状況から、IPhone4以降にiPhoneが爆発的に売れるようになったのは、やはり、上の記事にもあるように、「日本の家電製品はというと、かつてはアップルにも影響を与えたソニーの製品が優れたデザインで世界を魅了していた。しかし、お膝元の日本では1990年代以降、こうした製品の売られる場所が大量の商品在庫と安値販売を目玉にした家電量販店に変わり、外観よりも製品に貼られた商品説明に書き込まれるスペックの(質ではなく)量で競うようになってから、良いものづくりができなくなってしまった」からでしょう。

そうして、量販店が台頭したのも、メーカーが変な合理化をしたのも、その背景にはデフレがあります。

デフレが長い間続いたので、メーカーは合理化し、消費者もデフレの影響を受け、「真摯(しんし)に良いものをつくり、売るときにもベストを尽くす」という企業の姿勢よりも、「低価格ながら、外観よりも製品に貼られた商品説明に書き込まれるスペックの(質ではなく)量」を重視するようになったのです。

それが、長い間デフレであった日本の実情でした。しかし、実際これが普通になり、しばらく時が経過し結果どういうことになったかといえば、真摯に良いものつくり、売るときにもベストをつくすような製品は日本の市場から消えてしまいました。

そこにiPhone4が登場したため、ひさしくそのような製品にお目にかかっていなかった、日本の消費者が反応して、爆発的に売れるようになったのだと思います。

そうして、2013年からは、まだまだ日本は過去のデフレの悪影響は色濃く残っているものの、日本は厳密な言葉の意味ではデフレから脱却しました。とはいいながら、2014年には8%増税が実行され、景気は減速しました。このような状況では、まだ日本の企業は、合理化の手綱を緩めるわけにはいきません。そうなると、消費者のニーズやウォンツを満たす製品は、日本のメーカーや、サムソンでもつくれないので、結局またまた、iPhone6sが爆発的に売れるという状況が生まれてしまったのです。

この私の分析に関して、ソニーやパナソニックだって、海外に販売しているのだから、国内市場の不調が、日本のメーカーのイノベーションを阻害しているとはいえないと思うかたもいらっしゃるかもしれません。

確かにそういう側面もありますが、日本のメーカーの開発者は日本語を母国語としているわけで、自分の足元の多くのユーザーが革新的なものを求めているなら、それにあわせて開発することもできますが、日本語が母国語ではない外国のユーザーのニーズは把握するのが難しいです。

やはり、日本語を母国語とする日本のユーザーが、革新的であれば、そのユーザーのニーズやウォンツを満たすため、革新的な製品を創造することができます。それは、アメリカの企業であるアップルも同じことです。アメリカは、デフレではなかったため、ユーザーの革新性は温存されたため、iPhoneなどの革新的製品を開発できたのです。

やはり、開発拠点の近くに、開発者がコミュニケーションをとりやすく革新的なユーザーが大勢いることが、開発の必要十分条件であると思います。

しかし、長い間デフレ・円高の環境に浸った日本のユーザーは、革新性よりも価格とコストパフオーマンスを重視してしまいました。それでは、日本のメーカーも革新的な製品は開発できないのです。
日本のユーザーが革新的であり続ければメーカーも革新的になる

そうして、最近は、デフレも収束しつつあるのですが、まだまだ日本のメーカは、合理化の手綱を緩めるわけにはいかないので、人材を募集するにしても、イノベーティプな人間を優先するのではなく、あたりさわりのないコミュニケーション能力を重視しているのです。

こうした、状況をはやく払拭するためには、日銀がさらに追加金融緩和を実行し、それが暫くの間間違いなく続き、日本は確実にデフレから脱却して、緩やかなインフレ傾向になり、革新的なモノを創造すれば、それが売れるようになると、日本のメーカーが本気で信じこむことができるようにならなければ、無理です。

以上述べたように、iPhone6sの売れ行きからみても、日本のユーザーは変わってきています。この状況がそのまま変わらず、これからも続けば、やがて日本のメーカーも変わります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減―【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

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2015年10月3日土曜日

焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減―【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

焦点:生産悪化で2期連続マイナス成長の公算、待ち受ける受注減
中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に
大きな逆風となって作用してきた。札幌市内で撮影

中国減速に端を発した世界経済の失速が、国内景気に大きな逆風となって作用してきた。8月生産は予想を大きく下回り、外需の悪化が設備投資にまで波及している姿が浮き彫りとなった。

7─9月期国内総生産(GDP)は4─6月期並みのマイナス1%台に転落する可能性が高まっており、この先に企業の新規受注の急減が表面化すれば、景気への悪影響は一段と強まる展開も予想される。

<8月生産と計画のかい離、東日本大震災以来の大きさ>

「生産面からみれば7─9月GDPは、4─6月期並みのマイナス成長になってもおかしくない」と、ニッセイ基礎研究所・経済調査室長の斉藤太郎氏は分析する。

8月生産に9月生産予測値を加えた7─9月期の生産は、前期比マイナス1.1%。ただ、このところ1次速報値は予測値から下方修正され続けており、一部のエコノミストは同マイナス1.4%程度に落ち着くと見込んでいる。

「生産はGDPをほぼ規定する重要要素。明確なマイナスとなるのに、GDPがプラスになるというシナリオは考えにくい」と斎藤氏はみている。

7─9月期のGDPに関し、民間エコノミストの見通しは8月時点で2.5%程度だった(フォーキャスト調査)。それが9月に1.7%に大幅下方修正され、30日発表の8月生産統計を織り込み後、ゼロ%近傍に一段と大幅修正する動きが相次いでる。

実際、8月生産は月初の生産計画から4.2%も下振れ、東日本大震災直後以来の大幅な見込み違いが発生するほど需要が減少した。中国減速や天津爆発事故の直接的な影響だけでなく、輸出全般の停滞が響いている。

加えて2次的な影響として、設備投資関連の需要悪化も目立ち始めた。資本財の生産は前月比4%近い落ち込みだ。一般機械では受注のキャンセルや納期延期が相次いだ。

GDPを左右する消費をめぐっては、10月2日発表の8月家計調査に注目が集まっている。今のところ実質消費支出は4─6月期平均と比べて横ばい程度で推移。7─9月を通してみれば、落ち込みの大きかった前期からは回復するとみられているが、けん引役になるほどの力強さは、どの統計からもうかがえない。

<景気後退論も浮上、政策対応への期待高まる>

政府関係者の中には、こうした事態を民間調査機関以上に深刻にとらえる声もある。ある政府関係者は「実需の落ち込みという面からみれば、リーマンショック以上かもしれない」との懸念を示す。

当時は金融機関の経営悪化から、企業の資金繰りや投資資金の回収といった金融面の引き締まりが発端だった。これに対し今回は、中国発の実需の縮小が直接影響している。

今のところ輸出や生産が急減というほどの悪化を見せていないのは、これまでの受注残を抱えているためだ。

しかし、9月の製造業PMIの新規輸出受注は1年3カ月ぶりに50を割り込み、急速な悪化となっている。9月ロイター企業調査でも、製造業の7割が今後の収益への懸念を示し、本格的な落ち込みはむしろ下期に出てくる見通しだ。

政府・日銀の中には、生産の停滞は「一時的」と楽観的に捉える声もある。だが、SMBCフレンド証券・チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は「生産統計で前向きな循環メカニズムはまだ崩れていないものの、かなり弱くなっている現実が示された。景気後退説も流れるだろう」と指摘。

そのうえで「今後は企業収益の下方修正が、どの程度になるかを見極めるステージに入りそうだ」と話す。

岩下氏は、7─9月期GDPがゼロ%近傍ないしマイナスとなる公算が高まる可能性があり、そのシナリオが実現した場合「日銀は景気判断が外れてしまい、昨年秋の追加緩和も効果があったとは言いづらい状況になる」とみている。

バークレイズ証券は「7─9月期の実質GDPが前期比マイナスとなる可能性が示されれば、物価の基調に下振れリスクが出てきたということで、金融政策、財政政策ともに動かざるを得ないであろう」と予想する。

そのケースでは「日銀の景気判断は誤っていたということになる」と指摘。さらに「11月から12月初頭に3─5兆円規模の経済対策の作成、来年1月に2015年度補正予算成立という流れが想定される」との見通しを示している。

【私の論評】今月の動きで日本経済のここ10年の先行きが決まる(゚д゚)!

さて、上の記事では、補正予算が組まれる可能性を示唆していました。今まさに、株価も上昇に転じています。これは、政府の補正予算を期待しての動きであることは否めないと思います。

そうした、市場の動きを察してか、政府筋は補正予算に関して前倒しで、判断するとの見通しを発表してます。それに関する記事が本日報道されていましたので、その記事のリンクを以下に掲載します。
景気対策、必要かどうか10月中に前倒しして判断=政府筋

政府は、経済対策が必要になるかどうか10月中に判断する方向となった。政府筋が2日、明らかにした。日本を取り巻く経済情勢が急速に厳しさを増し、11月16日発表の7─9月期国内総生産(GDP)を見てから判断するという従来の予定を大幅に前倒しする。 
場合によっては秋の臨時国会で補正予算を審議する可能性にも言及した。 
政府筋は、経済対策取りまとめの判断時期について「11月まで待っていると遅いかもしれない」と語り、経済指標の大枠が出そろう10月中に「準備にかかる可能性がある」との見解を示した。 
また、経済情勢次第では「緊急経済対策に伴う補正予算は、例年なら来年1月の通常国会となるが、前倒しした方がよいとの判断になる可能性もある」とした。 
そのうえで、経済対策について「あまりゆっくりもしていられない。状況は厳しい」と語った。 
足元の景気情勢に関して、政府筋は中国経済の減速や資源価格の下落、北欧数カ国で利下げに踏み切ったが金利情勢に変化が認められない状況などを挙げ、「世界的に相当デフレ圧力が強まっている」とも指摘。「国内の基盤は良いが、海外要因で国内(経済)が悪くなっている。海外のデフレは必ず連動してくる」と警戒感を示した。 
一方、日銀の追加緩和の是非については「日銀が判断すること」と述べるにとどめた。追加緩和による円安加速リスクに関しても「コメントできない」としたが、1ドル120円前後で推移する現状の為替相場については「コンファタブル(居心地が良い)」と答えた
規模に関しては、まだはっきりはしませんが、政府が補正予算を組むのは間違いないようです。それに関しては、以下の動画をご覧いただくと良くおわかりになると思います。



この動画によれば、官僚が大忙しで動き回っているそうで、補正予算を組むのはほぼ間違いないようです。

この動画でも解説してますが、鉱工業指数は97で前月比−0.5%、一昨日でた日銀短観では、製造業IDが、15から12に低下、非製造業IDは、23から25増となっています。

ただし、非製造業が増えたのは、日本の消費者の消費が増えたというよりは、中国の爆買いによるものと、上念氏は解説しています。ということは、これがいつまで続くのか保証の限りではないということです。

そうして、昨日でた家計調査による、消費支出は、実質2.9%増ということで、ようやっと8%増税の悪影響が薄れてきたようです。

いずれにしても、統計数値からみてこのままでは、日本経済がさらに落ち込むことが十分予想されます。

当然のことながら、経済が落ち込んだ原因は、まずは8%増税です。そうして、中国の経済の落ち込みもプラスアルファで悪影響を与えています。

安倍政権としては、来年の7月に参院選挙を控えていますから、その前までに確実に経済を良くしておかなければならないのはいうまでもありません。

だから、補正予算を組むのはほぼ間違いないと思います。

さらに、今月は、様々な重要日程が組まれています。10/6、7日銀政策決定会合があります。10/7内閣改造があります。

補正予算が、少なくとも10兆円を超えるものであれば、来年の参院選の頃には、ある程度間違いなく経済は回復していることが見込まれます。

金融政策決定会合において、追加金融緩和措置が決定したとしても、金融緩和の効果がはっきりあらわれてくるのは、1 年〜2年かかります。だから、すぐに追加緩和したとしても、来年の選挙の頃までにはあまり効果ははっきりしたものにはならないでしょう。

だからこそ、補正予算の規模が重要になってきます。

それにしても、安倍政権がデフレから完全に脱却して、長期安定政権になるためには、大規模補正予算も追加金融緩和も必要です。それに、以前もこのブログに掲載していたように、日本経済をどん底に沈める、10%増税を阻止するために、安倍総理が来年の参院選挙で「10%増税の延期」を公約としてかかげ、参院だけではなく、衆院も解散して、衆参w選挙として勝利するためにも、これらは絶対に必要です。

これらを確実にするために、安倍総理は今月中に、大規模な補正予算を方針を決めること、追加金融緩和を決めさせること、衆参w選挙をすることを決定するという意思決定をすることが必要不可欠です。

これらが、成就出来ない場合、ここ10年日本は長期の経済低迷の時代に再度見舞われることになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【関連図書】

政局をみるためにも、ある程度政治等に関する知識が必要です。以下の書籍をご覧いただければ、マスコミや民主党幹部のように政治・経済に疎くても、少なくとも政局を見誤ることはなくなります。

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2015年10月2日金曜日

民主・小西洋之氏「自衛隊員は他国の子供を殺傷する使徒」→ツイッター削除し「自衛隊員を救わなければ」に変更―【私の論評】日本国内の歴史修正をやめさせなければ、中韓の歴史修正も終わらないのでは(゚д゚)!


9月19日未明の参院本会議で安全保障関連法案の投票の際、
反対の青票を掲げながら発言する民主党の小西洋之氏=国会

民主党の小西洋之参院議員は9月30日、自身のツイッターに「自衛隊員の母親の望みも虚しく、自衛隊員は他国の子供を殺傷する恐怖の使徒になるのである」と記した。安全保障関連法反対の立場からの投稿とみられるが、2日現在この記述は削除されている。

小西氏の最初の投稿では、安倍晋三首相が9月末に行った国連総会の一般討論演説で、日本がシリア難民に支援した母子手帳に言及したことを紹介。首相が「わが子の成長に目を細める母のうち一体誰が、その同じ子が、成長したのち、恐怖の使徒となるのを望むでしょう」と述べた部分を逆手にとったようだ。

小西氏は1日のツイッターで、首相発言の紹介をそのまま残した上で、「安倍総理の安保法制により、自衛隊の集団的自衛権行使を受ける国の子供達は自衛隊員を『恐怖の使徒』と思うだろう。違憲立法から自衛隊員を救わなければならない」との投稿に差し替えた。

【私の論評】日本国内の歴史修正をやめさせなければ、中韓の歴史修正も終わらないのでは(゚д゚)!

この記事の小西議員の行状、論評にも値しないとは思いますが、敢えてしてみます。まずは、Tweetそのものを以下に掲載します。


さて、変更後のTweetを以下に掲載します。

自衛隊員が、「恐怖の使徒」になるとは、何やら常軌を完璧に逸しているようです。

小西議員は、同日に以下のようなTweetもしています。
このTweetには明らかに齟齬(齟齬:明らかな間違い)があります。まず、第一に日本国内に米軍の基地が存在するということは、もうそれだけで、日本は集団的自衛権を発動していることになります。

これは、なぜか、日本国内では、そのように受け取られていませんが、他国はそうは見ません。世界の常識では、もう日本は集団的自衛権を随分前から行使しているとみなされています。

次にね「昭和47年政府見解に、集団的自衛権行使の論理が存在していた」とは、いきなり天動説を唱え始めたがごとき空前絶後の暴論」としています。

これは、完璧に間違いです。これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
大新聞 安保法制反対デモは報じるが世界の賛成の声は報じず―【私の論評】中国のため日本国内で報道統制をする習近平応援メデイアには、もううんざり(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、雌雄団的自衛権に関しては、決して、安倍総理が突然いいだしたものではなく、歴史的にいえば、もともと集団的自衛権の行使が日本では容認されていたものが、佐藤内閣から変わったことを掲載しました。

その部分のみ以下にコピペさせていただきます。
憲法解釈による集団的自衛権の行使に関する誤解 
さて、次には、メディアでは、「戦後一貫した憲法解釈を守ってきた内閣法制局」と「それを変えようとしている安倍内閣」との構図で報道されています。しかし、これはそもそも大嘘です。 
それどころか、岸信介・池田勇人内閣では核武装まで容認し、集団的自衛権の行使など自明でした。そもそも、日米安保条約など、集団的自衛権を行使するための条約であるという理解が当たり前でした。 
そうして、現実には、日本はアメリカの基地を日本に置くということで、集団的自衛権を行使しています。アメリカ軍の基地を日本国内に設置することそのものが、すでに集団的自衛権の行使であることを日本のマスコミはほんど報道しません。 
日本に米軍基地が存在すことそのものが、集団的自衛権の行使である
朝鮮戦争勃発から池田内閣までの解釈をすべてひっくり返したのは佐藤栄作内閣の高辻正己法制局長官です。法制局がのたまう「戦後一貫した憲法解釈」など、せいぜい佐藤内閣・高辻長官以来の話にほかなりません。 
佐藤栄作政権期に境に集団的自衛権の解釈は明らかに変わっています。佐藤内閣以前の「(集団的自衛権を)持っているから行使できる(あるいはその都度考慮する)」から、「持っているが行使はできない」への変化が始まりました。 
この時代には、ベトナム戦争がありました。日本に集団的自衛権はあるが、米国のために他国に自衛隊を派兵することはできないということで、社会党との国会運営をめぐる調整で、佐藤政権が妥協したためこのような妥協が行われました。 
集団的自衛権の行使ができないなどという見解は、単なる妥協の産物に過ぎないのですが、今のマスコミはまるで日本が終戦直後から集団的自衛権に関しては、「日本は行使できない」という考え方を貫き通してきたような報道ぶりで、これを正しく伝えません。 
そのため、日本では多くの人々が、憲法解釈による集団的自衛権の行使に関して正しい認識を持っていません。
これは、歴史的事実です。少し資料を調べれば、誰にもわかることですし、そもそも年配の方であれば、この事実を記憶している人も多いと思います。集団的自衛権ならびに、個別自衛権の両方、すなわち「自衛権」は、そもそも国連憲章でも認められた独立国の権利です。それも、人権と同じように、自然権とされています。自然権とは、人が生まれながにして持っている当然の権利のことです。国、それも独立国も、自衛権は自然権として持っているというのが世界の常識です。

このようなことから、小西議員のこのTweetは全くの誤りです。そのような誤りを平気でTweetする国会議員が存在すること自体に本当に忸怩たる思いがします。それに、「恐怖の使徒」発言も、全くいただけません。完璧に常軌を逸した発言です。

そうして、これは完璧な現代史の歴史修正にほかなりません。世界では、中国や韓国などが、日本の歴史修正を公然と行い、そのせいで、慰安婦問題や、強制労働の嘘がまかり通っています。

しかし、国会議員みずからが、このような歴史修正をするのですから、まずは国内で歴史修正をやめさせなければ、中韓の歴史修正もなかなかおさまらないわけです、

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】





【関連図書】

集団的自衛権に関しては、政治家はもとより、憲法学者、マスコミもまともに、勉強していないようです。だから、安保法制の議論が一見理解しにくいようにみえますが、そんなことはありません。以下の三冊で基本的知識を身につけていただければ、疑問は綺麗さっぱり払拭されます。小西議員や、民主党の幹部もこれくらいの知識は、身につけてから議論していただきたかったものです。

日本人が知らない集団的自衛権 (文春新書)
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賛成・反対を言う前の集団的自衛権入門 (幻冬舎新書)
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日本人のための「集団的自衛権」入門 (新潮新書 558)
石破 茂
新潮社
売り上げランキング: 24,709

2015年10月1日木曜日

GDP600兆円実現に必要な消費再増税の見送りと日銀法改正 ―【私の論評】10%増税で、GDP600兆円どころか、安倍政権崩壊は免れない(゚д゚)!


記者会見で新しい「三本の矢」を表明する
安倍晋三首相=24日、東京・永田町の自民党本部

自民党総裁に再選された安倍晋三首相が記者会見で、経済に注力するとして、「新3本の矢」が披露された。(1)希望を生み出す強い経済(2)夢を紡ぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障-という3項目だ。

政治家の話は、3つの柱にすることが多い。これは話をわかりやすくするためで、まず「3つあります」と切り出して、1番目の話をしているうちに2番目と3番目を考えているが、2番目まではなんとかなっても、3番目は出てこなかったという笑い話もあるくらいだ。

安倍首相はさすがにはじめから3つの柱にしておいたのだが、ロジカルな関係をいえば、1番目の「強い経済」がすべてだ。これがうまくできれば、2番目の「子育て支援」と3番目の「社会保障」もうまく進むはずだ。

もし政治家の話でなければ、目標には達成手段と達成時期が伴う。ただし、政治家の話ではそうした野暮なことはいわない。1番目の強い経済でも、2014年度に490兆円だった名目国内総生産(GDP)を600兆円に増やすという方向があるが、いつまでとは言っていない。甘利明経済再生相も達成時期は今後の問題としているが、20年の東京五輪後に達成可能という見解を示している。

こうした中期の経済成長の場合、達成手段は金融政策と財政政策になる。新聞では「旧3本の矢」とかいわれているが、今も有効なはずだ。甘利氏は、2%の物価目標は変わっていないとしている。

甘利氏が言う「東京五輪後に達成可能」というのは、これから名目3%成長が続けば、21年度には名目GDPが600兆円に達するという意味である。名目3%は今の政府が掲げている中期目標である。

本コラムの読者であれば、政府が掲げる名目3%目標の内訳は、実質2%、インフレ率1%になっていて、インフレ目標2%と矛盾していることをご存じだろう。しかも、17年4月から消費増税しても成長率への影響は軽微だというのが前提になっている。この前提は既に誤りであることがわかっているのに、政府の中期財政試算でも修正されていない。このため、甘利氏がいう東京五輪後に達成可能というのも実は怪しい。

インフレ目標2%なら名目4%になるはずで、そうであれば東京五輪前年の19年度でほぼ600兆円になる。17年4月からの10%への消費再増税をやらなければ、これはかなり可能性の大きい数字である。

いまだにデフレ脱却がおぼつかないので、この際、日銀法改正をしたうえでインフレ目標を3%に引き上げるのもアリだ。そうなれば、18年度にほぼ600兆円が実現可能だ。安倍総裁の任期は18年9月までであり、常識的には自分の任期内での目標のはずだ。それを達成するためには、17年の消費再増税の見送りと日銀法改正によるインフレ目標3%が必要となる。

安倍政権が「強い経済」を掲げるのは正しい。あとはその達成のために必要な政策の肉付けである。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】10%増税で、GDP600兆円どころか、財務省はほくそ笑み安倍政権崩壊は免れない(゚д゚)!

上の高橋氏の記事、当たり前のど真ん中です。増税などの緊縮財政をしているようでは名目3%も行くことはないでしょう。実質2%なら名目は1%です。物価は貨幣数量だけでは決まらないことを証明したこの2年間でした。大胆な金融緩和をしても、一方で増税などの緊縮財政をしていては物価は上りません。

これは、8% 増税であまりにもはっきりしすぎるほど明らかになりました。増税の悪影響により、政府の景気回復シナリオに暗雲が垂れ込めています。

4~6月期の実質GDP伸び率は前期比年率1.2%減でした。輸出、設備投資が悪化し、個人消費も悪化しました。7~9月期の鉱工業生産指数は2期連続のマイナスとなるのが確実な情勢で、同期間の国内総生産(GDP)伸び率もマイナスになるることは確実な情勢です。

2期連続のマイナス成長となれば、景気は足踏み状態にあり、7~9月に成長軌道に戻るという政府のシナリオは崩れ、景気後退局面入りの可能性が増してきました。

現在物価の動きは、あいかわらず、横ばいとみて良いと思います。これは、量的金融緩和でインフレ率は上向きなのですが、8%消費増税によるGDPギャップ(需要と供給の差)がいまだに解消されていないことと、原油価格の下落が短期的にはインフレ率の押し下げに効いているためです。

原油価格の下落については、長い目で見ればインフレ率の押し上げ要因になるのでさほど心配する必要はないと思います。しかし、GDPギャップを放置しておくと、なかなかインフレ率は上向きにはなりにくいです。

今のところ、これまでの金融緩和の累積的な効果があるため、雇用環境は好転していますが、これとてもGDPギャップが縮小していかないと、外的要因いかんによっては雇用環境の悪化もあり得ます。

GDPギャップを埋めて、今後の成長を確実にするマクロ経済政策(具体的には補正予算、追加緩和)が求められます。デフレ脱却や景気回復は、そうしたマクロ経済政策を実施するかどうか次第です。

「新3本の矢」のうち、まずは、希望を生み出す強い経済を実現するためには、まともなマクロ経済政策を実行することが重要です。これが実行されれば、他の「二本の矢」は自動的に実行できます。

この逆、すなわち、(1)希望を生み出す強い経済なしに、(2)夢を紡ぐ子育て支援(3)安心につながる社会保障など実現することは不可能です。

新三本の矢を説明する安倍総理

そのためには、増税ではなく、積極財政、具体的には減税、給付金政策が必要です。なぜなら、現状では、公共工事の供給制約があるからです。給付金政策にからめて、再配分的な政策もとればさらに即効的な効果があります。

それとともに、追加金融緩和も当然必要になります。

これを実行せず、平成17年4月に増税することになれば、平成18年あたりには経済はかなり悪化します。

そうなれば、財務省は増税を実行できたということで、ほくそ笑み、時の政権が安倍政権であろうが、その他の政権であったとしても、必ず崩壊します。

その後は、また数年前のように、短期政権が続くことになります。そうして、また酷い円高・デフレに逆戻りして、何をしようにも、八方塞がりとなり、下手をすると、自民党は再度下野するかもしれません。これは、ここではっきり予言しておきます。


この記事では、長谷川 幸洋氏による、安倍総理は「10%増税先送り」を公約にかかげて、来年7月に衆参ダブル選挙に持ち込むであろうとの予測を取り上げました。長谷川氏の結論の部分のみ以下に掲載します。
10%引き上げを先送りするなら、安倍政権は来年7月のタイミングで衆参ダブル選に持ち込むのではないか。安倍政権の内閣支持率は終戦70年談話の発表後、持ち直しているが(たとえば産経・FNN合同世論調査で3.8%増の43.1%)、政権選択選挙でない参院選は、強すぎる与党を嫌う国民のバランス感覚が働きやすい。 
増税先送りは与党に追い風をもたらす。それならダブル選で政権選択選挙に持ち込み、勢いに乗って参院選も有利に戦う。そんな政治判断は合理的である。
私は2016年ダブル選予想を7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』で初めて話した。コラムは同17日発売『週刊ポスト』の「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)が初出である。そちらもご参考に。いずれマスコミも安保関連法案の熱狂が覚めれば、報じ始めるだろう。
残念ながら、10%増税をくい止める方法は、今のところこれしかありません。もし、これが実現しなければ、上に述べた私の最悪のシナリオが成り立つことになるでしょう。そうして、またまた、日本は失われた20年にまっしぐらに突進することになります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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