2016年12月16日金曜日

【日露首脳会談】中国、日露連携を警戒「包囲網」強化に対抗―【私の論評】会談のもう一つの目的は、ロシアを安全保障のダイヤモンドの一角に据えること(゚д゚)!

【日露首脳会談】中国、日露連携を警戒「包囲網」強化に対抗

日露による「対中包囲網」を警戒する習近平
中国の習近平指導部は、日本がロシアと連携を深める動きを「対中包囲網」の強化と見なし、強く警戒。ロシアとは経済、軍事協力を通じて「歴史上最良」(中国メディア)の関係を維持し、日本に対抗する構えだ。中国は安全保障面で「厳しい状況」(北京の外交筋)が続いている。

米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を決めた韓国とは関係が悪化。トランプ次期米大統領は台湾に接近する姿勢を見せ、南シナ海の軍事拠点化にも批判的だ。日本とも東シナ海を巡る緊張が解けていない。

こうした状況の中でも、ロシアとは良好な関係を保っており「日米韓をけん制する重要なカード」(中国人研究者)。それだけに日ロ首脳会談の行方には神経をとがらせており、国営通信、新華社は「ロシアを引き込み、中国を包囲しようとの考えは希望的観測に基づく妄想だ」と批判した。

【私の論評】会談のもう一つの目的は、ロシアを安全保障のダイヤモンドの一角に据えること(゚д゚)!

今回の日露首脳会談に関しては、日本のメデイアは北方四島の返還ばかりがクローズアップしており、いささか謝狭窄にすぎてあまりにも話にならないので、以下に「対中包囲網」の準備としてのこの会談の意義について以下に掲載します。

日本のメディアなどは、中露というと、無条件で同盟国であるくらいの認識しかないと思います。しかし、これは無論表面上はそのように装っていますが、どちらも互いに相手を信頼のおける同盟国などとは見ていません。

それに関しては、このブログでも何度も掲載してきました。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
【西村幸祐氏FB】ルトワックはウクライナ危機でシナとロシアの接近は氷の微笑だと分析する。―【私の論評】東・南シナ海が騒がしくなったのは、ソ連が崩壊したから! 安全保障は統合的な問題であり、能天気な平和主義は支那に一方的に利用されるだけ(゚д゚)!
エドワード・ルトワック氏
この記事は、2014年5月27日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この頃米の著名な戦略研究家、地政学者でもあるルトワックが来日中だったが、安倍首相と会っていました。ルトワックは当時ウクライナ危機でシナとロシアの接近がみられたものの、内実は氷の微笑だと分析していました。

この記事には、西村幸祐氏のFBを掲載しましたが、それにルトワック氏の支那とロシアの関係を分析した内容の日経新聞の記事が掲載されていました。それを以下に引用します。
接近する中ロ、氷の微笑が消えるとき

2014/5/25 3:30
 ウクライナ危機をきっかけに中ロはさらに接近し、日米へのけん制を強める……。世界ではこんな見方が多いが、ルトワック氏の予想はちがった。

ロシアは、中国とは仲良くならない。シベリアなどに侵食してくる中国を脅威だとみているからだ。むしろ、ロシアは中国をにらみ、本当は日米と協力を広げたいはずだ――。ルトワック氏はこんな趣旨の予測を披露したという。 
 中ロの表面的な動きをみるかぎり、この分析は必ずしも当たっていない。まさに同じ20日、中ロはこれでもかと言わんばかりの仲良し劇を演じたからだ。 
 訪中したプーチン大統領は、習近平国家主席と懸案だった天然ガスの輸出交渉を決着。対ロ制裁への反対をかかげ、来年に対日・独戦勝70周年式典を共催することも決めた。 
 だが、会談では結局、日米の安保当局者がいちばん注目していた商談が署名にいたらなかった。ロシアの最新鋭戦闘機スホイ35(24機)と地対空ミサイルS400を、中国が買うための契約だ。 
 売却の条件で折り合わなかったとされるが、理由はそれだけではさそうだ。モスクワからは、ルトワック氏の読みを裏づけるような本音が聞こえてくる。 
 「プーチン氏は中国に相当、いら立っている」。クレムリンの内情を知るロシアの安保専門家らは、こう明かす。プーチン氏はかねて中国の台頭に懸念を抱いていたが、昨年12月、不信感を一気に強めるできごとが起きたのだという。 
 それは、習主席とヤヌコビッチ・ウクライナ大統領(当時)が北京で署名した友好協力条約だった。「ウクライナが核で脅されたら、中国が必要な安全を保障する」。条約にはこんな趣旨の合意が入った。 
 中国は「核の傘」を使い、ロシアの縄張りであるウクライナにまで手を突っ込むつもりか。プーチン氏はこう反発したようだ。 
 中国の国内総生産(GDP)はロシアの4倍を超える。中国はその分、ウクライナを含めた周辺国に影響力を広げるのは自然なこと、と考えているのだろう。 
 歴史的にも、長い国境を接する中ロの相性は良いとはいえない。新中国建国の直後、毛沢東、スターリンの両首脳はモスクワで会い、同盟の契りを交わした。それもつかの間、やがて路線対立が始まり、蜜月は10年と続かなかった。 
 「いまの中国は共産党体制だったときのソ連と同じだ。何を考えているのか、外からは分からない。しばしば、唐突な行動にも出る」。公式な場では決して中国を批判しないロシアの政府関係者からも、こんなささやきが聞かれる。 
 では、日本はどうすればよいのか。中ロの結束が弱まれば、日本の選択肢は広がる。それでもロシアが対中外交で協力したり、領土交渉で譲ったりすると期待するのは禁物だ。 
 米政府当局者は「ロシアに過剰な期待を抱かないほうがいい。日本には戦中の経験もある」と語る。第2次大戦末期、日本の降伏が確実とみるや、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄し、攻め込んできた。 
 ユーラシアの両雄はどこに向かうのか。日本は歴史の教訓をひもときながら、冷徹に次の一手を練るときである。(編集委員 秋田浩之)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO71758060V20C14A5SHA000/?dg=1
習近平とプーチン
この日経の記事にもあるように、「中ロの結束が弱まれば、日本の選択肢は広がる。それでもロシアが対中外交で協力したり、領土交渉で譲ったりすると期待するのは禁物です」。

ルトワック氏は、「ロシアは、中国とは仲良くならない。シベリアなどに侵食してくる中国を脅威だとみているからだ。むしろ、ロシアは中国をにらみ、本当は日米と協力を広げたいはずだ――」ど分析しているそうですが、それを裏付けるような情報はいくつもあります。

このブログ記事には、いくつか引用記事があります。それをご覧いただければ、これはすぐにご理解いただけるものと思います。その記事のリンクを以下に掲載します。
米海軍幹部、自衛隊にNATO加盟国並みの役割期待― 【私の論評】自滅する現中国の現実を見つめよ!現中国は、モンゴル帝国の末裔であり漢民族の中国は唐の時代に滅んでいることを(゚д゚)!
上念司「中国包囲網の決定打はモンゴル・トルコのランドパワー強化に在り!」―【私の論評】ソ連崩壊後、小国ロシアになってから国境溶解が顕著になり中国にとって軍事的脅威はなくなった!日本は経済援助を通じて中国と国境を接する国々のランドパワーを強化すべき(゚д゚)!
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、要旨とそれに簡単に説明をつけて以下に簡単にまとめておきます。

ロシアというと、日本では未だに強国というイメージがあるものの、それはイメージに過ぎず現在のロシアは人口は、日本と同程度(日本1億2千万人、ロシア1億4千万人)、GDPは日本の1/5に過ぎません。

そのロシアは、世界で最も長い国境線を中国と接しています。そうして、この国境線付近では、多数の中国人が国境を越境して、ロシア側で、様々な事業を営んでいます。今では、従来のように国境ははっきりしなくなってしまい、この現象を国境溶解と呼びます。

国境溶解が急速に進む中ロ国境
国境溶解の勢いは衰えることなく、さらに加速され、ますます多くの中国人がロシア領内に自由に入り込んだり、中国領内に戻って大量の物資をロシア領内に持ち込むようなことが、日常茶飯事で繰り返されています。

そうして、このような状況により、中国はかつてのようにソ連との国境線上に軍隊を配置するなど、ソ連の脅威に備える必要はなくなったこともあり、今日海洋新進出が実行しやすくなっているという点は否めません。

これに対処する策として、経済評論家上念氏は、中国と国境を接する国々が経済成長をして、ランドパワーを強化することが有効であることを主張していました。

強面ロシアは、ウクライナではかなり強気にでているようにもみえますが、ロシア側の立場たてば、ウクライナが完璧に西側に落ちてしまえば、西側でも国境溶解がはじまりとんでもないことになるとの脅威からあのような行動にでたものと思います。



そうして、NATO諸国などが本気で、ウクライナに対して軍事援助をした場合、ロシアの脅威は頂点に達します。今のロシアは、米国と戦争する力などまったくありません。おそらく、米軍抜きのNATOとも戦えば負けるし、そもそもそれだけの戦争を遂行する力(経済力および軍事力)はありません。

このように分析すると、ロシアの外国に対する脅威は半端なものではないことが十分に理解できます。

そうして、中国を封じ込めたいということで、まさにロシアと日本の利害は一致しているわけです。

中国を封じ込めたいということでは、ロシアと日本の利害は一致している
さて、首脳会談に対する日本側の関心は「北方領土が返ってくるか否か」に集中しています。歯舞、色丹の2島返還が実現するとの期待が高まっていた事情もあって「2島返還は当然。国後、択捉にも道筋が付かなければ失敗」という厳しい見方もあるほどです。

4島の帰属問題と対ロ経済協力が今回の会談のテーマなのですから、日本側で北方領土の行方に関心が集中するのは当然ではあります。そもそも4島は先の戦争終結後のどさくさに紛れて旧ソ連が奪ったのだから、返してもらうのは当然でもあるとは思います。

しかし、日本とロシアが友好関係が深まれば、今度は中国にとって脅威になります。中国とロシアは地中海や日本海で合同軍事演習をしたり、たびたび首脳会談を開いて蜜月ぶりをアピールしてきましたし、軍事技術においてはまだまだ中国はロシアに頼りっきりです。

現在に中国で日本や米国とまともに渡りええる戦闘機は、ロシアから輸入した最新式のスホーイ戦闘機のみといっても良いくらいです。

そんなロシアが日本と北方領土問題の解決で一致したり、日本が本格的な対ロ経済協力に乗り出せば、中国は脅威に感じるはずです。現在中国を1番の潜在的脅威と認識している日本にとって日ロ友好は、中国を牽制する上でこの上ない良い機会となります。

日本がいくら「日本はこうありたい」と理想論を語ったとしても、自分だけではどうにもなりません。

いくら「平和な日本でありたい」と願ったとしても、他国が侵略してきたら日本の平和は維持できません。そんな時に、憲法9条があっても、何の役にも立ちません。実際に北朝鮮は今年日本海に21発のミサイルを発射しています。中国は軍艦を動員して尖閣諸島を脅かしています。韓国は、未だに竹島を実力で占拠しているます。

日本の平和と安定はアジアの平和と安定抜きには考えられない
こういう現実の中では、日本はできるだけ多くの国と友好関係を深めて、中国や北朝鮮が暴発しないように抑止していくことが日本の安全保障にとってより良いことになります。無論、中国や北朝鮮などと直接友好関係を結ぼうにも、結べるものではありません。

こんなときに、日本がロシアとの友好関係を深めれば、ロシアは中国になど軍事技術を供与しなくても良いと考えるかもしれません。もし、そう考えなかったにしても、中国側はそのように受け取るかもしれません。

安全保障のダイヤモンドを構想し、それを全方位外交を通じて実行してきた安倍総理は、当然の腹の中で、このように考えており、何とか、中国封じ込めの一角にロシアを加えたいと当然考えていることでしょう。そうして、これは、今回の日露首脳会談の目的の一つであることは間違いありません。

ロシアのプーチンは、以前にもこのブログに掲載したように、政敵は暗殺するなどして容赦なく潰すのが常であり、腹の中では何を考えているかは見えないところがあります。だから、本当に信頼できるかどうかはわかりません。

しかし、私たちは、中国やロシアのやり方で学ぶべきところがあります。それは、腹の中では互いに相手を信頼していないにもかかわらず、中ロはウクライナ危機をきっかけに中さらに接近したように首脳会談などを実施して見せつけて、日米へのけん制を強めるように中ロは動くと、世界中に思わせたという実績があります。

これは、ルトワック氏には見ぬかれてしまいましたが、成功していれば、ロシア・中国連合は、日本はもとより、世界中の国々にとって、かなりの脅威となったことでしょう。ロシアの軍事技術と、中国の経済力が結びつけば、これは大変なことです。しかし、現実はそうではありませんでした。

日本も彼らのこのやり方を参考にして、中国に脅威を与えるべきです。実際にその効果はブログ冒頭の記事にある、新華社の「ロシアを引き込み、中国を包囲しようとの考えは希望的観測に基づく妄想だ」という言葉にもあるように、中国は日露首脳会談に警戒感を抱いています。

安倍総理としては、ロシアをうまく操って中国の脅威を少しでも除去できるように努力して頂きたいです。

日露首脳会談そのものについては、いずれ日を改めて、掲載したいと思います。それにしても、日本のメディアや知識人など、このような見方は全くできないようで、単なる領土交渉とそのための経済協力の話くらいにしか思っていないようです。だから、本日は日露首脳会談がらみのテレビ番組など見ていません。あまりにくだらなく幼稚です。

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2016年12月15日木曜日

衆院解散 1月見送り 安倍晋三首相決断、来秋以降―【私の論評】蓮舫・民進党の体たらくと財務省の弱体化で安倍首相は政局運営がやりやすい(゚д゚)!

衆院解散 1月見送り 安倍晋三首相決断、来秋以降

最近の安倍首相
 安倍晋三首相(自民党総裁)は、来年1月の衆院解散を見送る方針を固めた。各種情勢調査の結果を分析した結果、現状で衆院選を実施すれば、自民、公明両党で3分の2超を有する現有議席を割り込む公算が大きく、衆院任期2年弱を残して勝負を打つメリットはないと判断した。来夏は東京都議選が予定されているため、次期衆院選は来秋以降にずれ込む見通し。

 首相は、年末か来年1月の衆院解散を選択肢の一つとして、自民党の古屋圭司選対委員長に所属議員の集票力などを調査・分析するよう内々に指示していた。若手議員の一部差し替えも検討したが、民進、共産両党などが共闘して各選挙区の候補者を一本化した場合、自民党の現有議席(292議席)を割り込み、与党の議席数が3分の2を下回る可能性が大きいことが分かった。

 加えて、衆院任期を2年近く残して厳冬期に衆院選に踏み切れば「党利党略で国民を振り回すな」という批判が強まりかねない。首相はこのような情勢を総合的に勘案し、1月解散を見送った。首相は周囲に「1月の解散はない。メリットはない」と語った。

 来年の通常国会では、平成29年度予算案などに加え、天皇陛下の譲位に関する法整備など重要案件を抱えている。米英伊比など各国で首脳交代が相次いでいることもあり、首相は今後、外交・安全保障や内政などの政治課題に全力を傾注する構え。

 首相の悲願である憲法改正に関する審議は来秋の臨時国会以降に持ち越されることになる。このため、憲法改正の本格審議を前に、首相が来秋に衆院解散するかどうかが政局の焦点となる。合わせて日本維新の会など第三極勢力の動きが活発化する可能性がある。

 ただ、民進党の支持率は低迷を続けている上、蓮舫代表が「二重国籍」問題を抱えていることもあり、与党内では早期解散を望む声は少なくない。来年の通常国会冒頭で28年度第3次補正予算案を成立させ、速やかに解散すべきだという意見もくすぶっている。

【私の論評】蓮舫・民進党の体たらくと財務省の弱体化で安倍首相は政局運営がやりやすい(゚д゚)!

首相の来年早々の衆院解散については、このブログでも何度か掲載し、昨日の記事にもその話題に触れました。昨日の私の結論は来年早々の解散はないであろうとのものでした。昨日この話を掲載した途端に本日産経のこの報道が本日の夕方5時にあったので、本日はこの記事を掲載し、解説を加えることとしました。

なお、この首相の来年1月の衆院解散見送りの報道は、いまのところは新聞では、産経新聞だけのよううです。テレビなどでもほとんど報道されていません。

昨日のこのブログの記事のリンクを以下に掲載します。
GDP下方修正を読み解く 再びデフレ突入の瀬戸際も「600兆円」は達成可能―【私の論評】来年こそは安倍首相が財務省無視で、積極財政を推し進める(゚д゚)!
 
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、昨日の記事では、以下で述べる背景から、来年早々の衆院解散はないであろうと結論づけました。
①次の選挙戦で野党共闘が実施されれば、与党は議席をかなり多く失う可能性がある。
➁蓮舫民進党の体たらくと、強力だった政治集団財務省の弱体化により、安倍総理として政局を含めてかなりいろいろなことがやりやすくなった。
以上の二点から、来年早々の衆院解散はないであろうと結論を下しました。ただし、今から考えると、世界情勢の変化なども大きく影響を与えたと思います。ブログ冒頭の記事には掲載されていませんが、米国の大統領かトランプ氏に決まったこと、そうしてお隣韓国で朴槿恵政権が死に体になっていることも影響したと思います。

ところで、注目を集めた党首討論で安倍総理にこてんぱんにやられ、論理的に言い返せなくなった蓮舫氏はヒステリックに安倍総理を「嘘つき」「逃げる」「答えない」などとブーメランな言葉を吐きまくりました。

そのときの様子が風刺画になって、現在ネット上で実に的確であると話題になっています。その風刺画を以下に掲載します。




ブーメランを投げるどころか間髪入れずに自分の頭にぶち込む蓮舫氏の様子はまさに現実であった討論の様子そのもののようです。対する安倍総理は唖然としており、理解できない言行を繰り返す蓮舫氏に驚いています。

この風刺画をつくったのは絵を描くのが趣味というTwitterユーザーの「ヒカル@zwSZkh6wB2p5F9J」さん。投稿はあっという間に話題になり、即日3,000リツイートを超えて拡散されました。

党首討論など、普通はあまり話題にならないのですが、蓮舫氏の党首討論での振る舞い、発言があまりに上記を逸していたので、ネット上でもかなり話題になっています。

蓮舫氏は未だに二重国籍問題に関しては、はっきりさせず、未だに不明瞭です。そのためか、以下のようなピコ蓮舫の風刺画もネット上に人気を博しています。残念ながらこれを作成した方は誰なのか不明です。


このような時期には、選挙をするというより、安定的な政局運営をすべきと首相は判断したのだと考えられます。蓮舫氏は安倍政権の強力なチアリーダーをやってくれているのですから、確かにこれを利用しない手はないと思います。

そうして、上の記事に掲載してあるように、首相の悲願である憲法改正に関する審議は来秋の臨時国会以降に持ち越されることになりそうです。

そうなると、憲法改正に関する審議をするために、安倍政権が何をすべきかが、見えてきます。

それは、憲法改正審議の直前までに、なるべく内閣支持率を上げることです。そのためにできることのうち、最もやりやすくてかつ、効果のあるものは、やはり経済対策です。



これに関しては、この記事でも掲載したように、金融政策においてはさらなる量的緩和の拡大で、失業率を2.7%くらいまでにすることです。そうして、金融政策の効き目にはある程度のタイムラグがあり、来年秋ころまでにすぐに効果は出ない可能性もあるので、やはり、強力な積極財政政策を打ち出すことが考えられます。

過去を振り返ってみると、安倍政権における経済対策は、金融緩和はうまくいき、雇用状況はかなり良くなっていますが、残念ながら、財政政策においては、8%増税を実施してしまったため、その悪影響が未だに続いており、GDPの伸びは低迷していて、デフレに逆戻りしそうな状況にあります。

残念ながら、安倍政権が成立してからも、なぜか大規模な積極財政策は見送られるどころか、増税して、その悪影響を避けるために、補正予算を組むなどという、なんともちぐはぐな経済対策が行われるという有様でした。

この状況は何が何でも変えなければなりません。変えなければ、健忘改正までに経済を上向かせるようなことは到底無理です。大規模な28年度第3次補正予算案を打ち出すのは当然のこととして、消費税増税の悪影響の克服関しては、減税などの積極財政を打ち出すべきです。

安倍首相が、財務省の意向など完全無視して、選挙で民意を問うこともなく、安倍政権の裁量でこれを実行することができれば、経済はかなり上向き、憲法改正審議もうまくことが期待できます。

来年、安倍総理がまさに、財務省とは関係なく、政治主導でどの程度の積極財政ができるかによって、憲法改正への道が開かれる開かれないかの分水嶺になります。

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GDP下方修正を読み解く 再びデフレ突入の瀬戸際も「600兆円」は達成可能―【私の論評】来年こそは安倍首相が財務省無視で、積極財政を推し進める(゚д゚)!



2016年12月14日水曜日

GDP下方修正を読み解く 再びデフレ突入の瀬戸際も「600兆円」は達成可能―【私の論評】来年こそは安倍首相が財務省無視で、積極財政を推し進める(゚д゚)!

GDP下方修正を読み解く 再びデフレ突入の瀬戸際も「600兆円」は達成可能

GDPの推移、28年7-9は速報値

 8日に発表された7~9月期国内総生産(GDP)の改定値は実質値が下方修正された。1次速報と今回の改定値の違いは、法人企業統計など最新の統計が加わった点である。

 実質GDPの前期比でみると0・5%増から0・3%増、年率換算で2・2%増から1・3%増へそれぞれ下方修正された。

 内訳は、各項目の寄与度でみよう。1次速報と改定値では、民間消費が0・0%から0・2%、民間住宅が0・1%から0・1%、民間企業投資が0・0%からマイナス0・1%、民間在庫がマイナス0・1%からマイナス0・3%、公的需要が0・0%から0・1%、純輸出が0・5%から0・3%と修正された。

 いずれも誤差の範囲であろうが、本コラムで書いたように、マイナス金利による住宅投資増以外はぱっとしない内容である。

 さらに、気になるのがGDPデフレーターの動きだ。GDPデフレーターとは名目GDPから実質GDPを算出するために用いられる物価指数であるが、消費者物価と卸売物価の両方を合わせたようなもので、その推移でデフレ脱却かどうかの判断基準になるとされている。

2016年第3四半期(7-9月)の名目GDPは、前期から0.1%増加して537.3兆円。同様に、
実質GDPは0.3%増加して523兆円(2005年連鎖価格)、GDPデフレーターは0.3%低下して102.7。

 1次速報では、GDPデフレーターは前年同期比でマイナス0・1%と、2013年10~12月期以来、11期ぶりにマイナスになった。改定値でもGDPデフレーターは前年同期比でマイナス0・2%であり、一時、デフレから脱却したかに見えたが、再びデフレに突入の瀬戸際になっているという本コラムで書いた筆者の結論は変わっていない。原油価格の下落は言い訳にならない。原油価格の下落は輸入デフレーター低下になって、逆にGDPデフレーターの上昇要因になるからだ。

 GDPを見る際、今回からちょっとややこしくなった。というのは、国際基準の変更に伴って計算方法を見直したからだ。

 わかりやすいところでいえば、15年度の名目GDPは532・2兆円と、計算変更前に比べて31・6兆円上乗せされている。ただし、今回の改定値での影響は、ほとんど統計誤差の範囲であり、筆者はあまりないとみている。

 今回の計算方法の見直し結果をみて、政府の名目GDP600兆円という目標を揶揄(やゆ)する向きもあるが、国際基準の変更は政府目標のかなり前に決まっていた話なので、政府目標600兆円という話が出た段階で、この上乗せはプロであれば想定内である。

 これを揶揄する識者は、もともと目標達成などできるはずないという立場で批判していた人であるが、それができそうだというわけで、ケチをつけているのだろう。

 この計算方法の見直しがなくても、適切な財政出動を行えば、600兆円は達成可能な数字なのに、ケチをつけたい人は、日本経済の低成長や緊縮財政、日本の財政危機を前提として、増税路線をとる財務省の走狗(そうく)が多いようだ。

 いずれにしてもGDP統計がちょっとさえないので、第3次補正予算の話題も出てくるのではないか。それは、衆院解散と連動したきな臭い話である。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】来年こそは安倍首相が財務省無視で、積極財政を推し進める(゚д゚)!

冒頭の記事で、「いずれも誤差の範囲であろうが、本コラムで書いたように、マイナス金利による住宅投資増以外はぱっとしない内容である」と記していますが、高橋氏本コラムに該当する記事も以前このブログに掲載しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
日本の景気は良くなったのか 消費弱くデフレ突入の瀬戸際 財政と金融の再稼働が必要だ―【私の論評】何としてでも、個人消費を改善しなければ、景気は良くならない(゚д゚)!

今回の12月8日の7~9月期国内総生産(GDP)の改定値は、速報値と比較しても誤差の範囲内の相違に過ぎないと高橋洋一は語っています。結局、この時の見立てと何も変わっていないということです。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で、高橋洋一氏は「2014年4月からの消費増税の影響はかなりなくなってきているが、消費の力強さがないために、景気回復はまだしっかりしていない。そうなってくると、設備投資にも慎重になるのはやむをえず、横ばいにとどまった」としています。

この記事では、それを実証する、消費支出のグラフも掲載しています。そのグラフを以下に再掲します。


以下にこのグラフ説明をこの記事から引用します。
増税から一年半以上たっても消費税引き上げ直後の“反動減”の時期に当たる4月95.5、5月92.5とほとんど変わらない数字です。特に2015年11月は91.8と増税後最悪を更新しました。
増税前後のグラフを見ていただければ、L字型となっていて、数値が底ばい状態であることが判ります。これは反動減などではなく、構造的な減少です。現時点でも、2015年の平均を100とした指数で90台の後半をさまよい続けています。データでみれば一向に個人の消費が上向く兆しはありません。
この構造的な個人消費の低下は、当然のことながら平成14年4月からの消費税増税によるのです。
これは、どうみても、2014年4月からの8%消費増税が悪影響を及ぼしていることは間違いありません。

これだけ原因がはっきりしすぎるくらいはっきりしているわけですから、 高橋洋一氏上の記事でも主張しているように、大型の第3次補正予算は必須です。

そうして、この記事における、私の結論を以下に掲載します。
日本のGDPに占める個人消費の割合は、60%でありこれが最大です。これを上昇させないかぎり、GDPは上昇しません。政府、日銀とも、これを伸ばすための政策を実行すべきです。特に、積極財政の緊急度は高いです。何をさておいても、なるべくはやく、大型の積極財政策を打つべきです。
そうして、量的金融緩和を拡大しつつ、大型の積極財政を実施すれば、 無論デフレから完全脱却するだけにおよばず、政府の名目GDP600兆円も達成可能です。

そうして、高橋洋一氏は、上の記事で「いずれにしてもGDP統計がちょっとさえないので、第3次補正予算の話題も出てくるのではないか。それは、衆院解散と連動したきな臭い話である」としていますが、これは来年そうそう、衆院の解散総選挙があることを暗示していると思います。

しかし、私は昨日もこのブログで掲載したように、来年そうそうの衆院解散はないとみています。昨日の記事のリンクを以下に掲載します。
蓮舫・民進党の「体たらく」が、首相の解散判断に影響を与える可能性―【私の論評】嘘吐き蓮舫砲が轟きつづける限り、安倍政権は安泰(゚д゚)!
最近とみにブーメランに見舞われる民進党代表蓮舫氏

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、まずはもし次の衆院選において、野党共闘が実行されれば、自民党はかなり議席数を減らす可能性があることを掲載しました。その上で、蓮舫代表の民進党の動きが最近、あまりにも酷く連日のごとくブーメラン減少を起こしている事実を掲載しました。

そうして、結論は以下のようなものでした。
この状況が続く限り、民進党には政権与党に返り咲く資格など全くないと思います。返り咲けば、雇用も経済もぶち壊しになり、日本はまた酷いデフレスパイラルのどん底に舞い戻ることになります。 
このようなことは、一般に周知されるにはある程度時間がかかるようです。だとすれば、来年早々衆院解散選挙をするよりは少し伸ばしたほうが、選挙戦は有利になるかもしれません。これからも、蓮舫代表はブーメランを繰り返し、民進党の支持率はさらに下がるでしょうから、その頃に選挙に踏み切るべきなのかもしれません。

しかし、もう一つ圧倒的に有利なやり方があります。それは、現在3%程度の失業率を2.7%程度に下げることです。そのためには、さらなる追加金融緩和が必要です。

さらに、GDPをもっと上向かせる必要があります。そのためには、機動的な財政政策が必要です。そのためには、減税なども視野にいれるべきです。そのためには、増税一辺倒で国民の敵である財務省を完膚なきまでに打ち砕く必要があります。

これらのことを実行して、経済を完璧に上向かせるためには、それなりにある程度の時間を要します。経済が上向きつつあり、これからかなり良くなることがはっきり見えてきた段階で選挙にすれば、大勝利は間違いないです。

経済のことを考えれば、どう考えても、他の党では駄目で、やはり今のところは自民党に大勝利してもらう以外にありません。何とか、頑張って、次の選挙では大勝利していただきたいものです。
さて、民進党の蓮舫代表が「廃案」の大号令をかけたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案は最終的に本日成立しました。民進党は衆院段階では賛否すら決められずに退席し、その後、廃案にかじを切ったのですが、逆に参院では自民党と協調して審議重視の姿勢を取りました。国会対応が最後まで迷走したのは明らかで、蓮舫氏の指導力不足が露呈したといえます。

これは、昨日も述べたことですが、カジノに猛烈に反対する蓮舫氏が、実は民主党政権のときに行政改革担当大臣として、カジノを日本に導入しようとしていた張本人であることが分かっています民進党代表定例記者会見において、そのことをフリーの記者に指摘され、しどろもどろの返答をしていました。

民進党としては、このような事実もあることから、いつまでもカジノ法案に反対し続ければ、このことがさらにマスコミなどで吹聴され、かなり不利になることを認識したのでしょう。そのため、蓮舫氏抜きで、参院では自民党と協調して審議重視の姿勢を取り、カジノ法案成立を容認したものとみられます。

このような状況ですから、安倍政権としては、民進党に関しては蓮舫代表が代表である限りにおいては、民進党はかなり扱いやすいとみていることでしょう。

さらに、安倍政権にとっては、さらに有利なことがあります。それは、あの日本の一大背支持勢力でもあった財務省が最近弱体化の様相を呈していることです。

それについては、以前このブログで指摘したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
麻生大臣を怒らせた、佐藤慎一・財務事務次官の大ポカ―【私の論評】日本の巨大政治パワー財務省の完全敗北は意外と近い?
参院本会議で、民進党の蓮舫代表の代表質問を
聞く安倍晋三首相(左奥右)=9月28日午前
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
017年度税制改正について、8月末から9月にかけて盛り上がった配偶者控除見直しの動きが10月上旬、一気にしぼんだ。新聞報道によると、その理由は「衆院解散風」が吹き、有権者の反発を怖れた自民、公明両党が消極的になった、とされている。 
だが、首相官邸筋によると、迷走させた張本人は財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦だという。 
彼らは財務省内の合意を得ないまま、与党幹部には「首相官邸の了承を得ている」とウソをつき、暴走した。それを止めたのは副総理兼財務相・麻生太郎と官房長官・菅義偉だった。
麻生財務大臣はこれについては激怒したそうで、従来であれば、財務省は麻生氏を手球にとって、国際会議で、「増税は、国際公約」などと言わせるようなことまてしていましたが、最近は風向きが違います。財務省が衰退傾向にあるのは間違いないようです。

財務省がまだ強固で、民進党もいまよりはまだ活力のあった次期を振り返ってみると、安倍総理は、本来政権の専権事項である、「増税見送り」の決断を過去には、衆院解散総選挙という形で民意を問うて実行しました。

しかし、本来財務省は政府の一下部機関に過ぎないわけで、増税をするとか、減税するなどの方針は政府が決めて、財務省がそれに従い、専門家的な立場から、その実施方法などを選択するというのが、正しいあり方です。

しかし、日本では、そうではなく、財政に関しては、財務省があたかも一大政治勢力のように振る舞い、官庁や政治家などに働きかけ、自分たちのやりたいようにやってきたというのが実体でした。

しかし、先にも述べたようにこの状況は変わりつつあります。衰退した財務省と、最大野党の蓮舫・民進党の「体たらく」というこの2つが重なると、安倍総理としてかなりいろいろなことがやりやすくなります。

そうです。安倍総理は、財務省の意向とは、関係なしに、さらには財務省に無理やり納得させるために、選挙という手段に訴えることもなく、大規模な第3次補正予算等を推進す可能性があります。

来年のことを言うと鬼が笑うという諺もありますが、来年は財務省の意向とは関係なく、安倍総理が、積極財政を実行し始める元年となるかもしれません。そうして、日本における政治主導の元年となるかもしれません。どうなるか、今から楽しみです。

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2016年12月13日火曜日

蓮舫・民進党の「体たらく」が、首相の解散判断に影響を与える可能性―【私の論評】嘘吐き蓮舫砲が轟きつづける限り、安倍政権は安泰(゚д゚)!

蓮舫・民進党の「体たらく」が、首相の解散判断に影響を与える可能性

時間が経つほど、自民党がトクをする?

田崎 史郎

最近とみにブーメランに見舞われる民進党代表蓮舫氏
衆院解散・総選挙時期をめぐる報道がまた、にぎわしくなってきた。産経新聞が12月8日付朝刊で「首相、年内解散見送り 外交優先 来秋ずれ込みか」と打てば、日経新聞は「早期解散巡り臆測 年内?年明け? 真珠湾訪問で与野党に警戒感」(同9日付朝刊)、朝日新聞は「1月解散論 自民に浮上 真珠湾訪問 支持率上昇期待 年明け情勢調査へ」(同10日付朝刊)と報じた。「年内・年明け解散」の有無をめぐって、朝日、日経両紙と産経新聞が真っ向から対立する構図だ。

衆院解散・総選挙時期の見立ては首相退陣と同じくらい、各社政治部の力量が問われる。その戦いに、私も加わってみよう。

     「自民60議席減」の予測もあるなか…

衆院解散は首相の専権事項だから、解散時期を予測するには、安倍晋三、およびその側近にどれだけ食い込んでいるかが試される。と同時に、衆院解散・総選挙をめぐる情勢への認識が問われる。

まず、今、解散するべき時期なのか。2014年12月14日投票の衆院選から2年が経過したので、いつ解散が行われても不思議ではない時期に入った。だから今後、政局は解散の可能性がつねに1割程度はある展開になる。

だが、解散には、国民がなるほどと思う一定の理解が必要だ。米国で来年1月、大統領にトランプが就任。トランプがどんな政策を打ち出すかによって世界が大きく変わる。今年6月、英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まった。今月、イタリアでは憲法改正の是非を問う国民投票が行われ、敗れた首相・レンツィは辞意を表明した。

来年4~5月にフランス大統領選、来秋にはドイツで連邦議会(下院)選がある。その結果次第では、ドイツ首相・メルケルが続投できるかどうか分からない。世界が不安定化している中で、先進7カ国( G7)首脳会議(サミット)参加国で安定した政権運営を長期に続けているのは日本だけである。こんな時に解散して、国民が納得するだろうか。

国内の政治日程を見ても、安倍は来年1月中旬に豪州、東南アジア訪問を検討し、下旬には訪米してトランプと正式な日米首脳会談を行うことも計画している。そんな時期に衆院解散を行うのは日程的に厳しい。政権の命運がかかった衆院選を行うには、選挙態勢づくり、公約作成、争点設定など緻密な作業が求められるからだ。

また、衆院議員の定数削減・是正は4月の衆院議員選挙区画定審議会(区割り審)の勧告を経て、6月ごろ実現する見込み。このため、年明け解散だと「定数削減・是正逃れ」と批判されるようになるだろう。

次期衆院選で、自民党が議席を減らすのは必至とみられていることも、解散を判断する重要な要素だ。自民党が衆院選で続けて290を上回る議席を獲得したのは12年、14年しか例がない。次期衆院選では、野党統一候補が増える一方、自民党の12年当選組の選挙準備不足などによって、自民党は少なくとも30議席、多い場合には60議席近く減るとみられている。

    解散先延ばしの原因は「民進党」にアリ 

安倍は18年の自民党総裁選で3選され、21年まで続投する可能性が高い。これが現実となるなら、21年までにもう1回、衆院を解散することができる。

その場合、可能性が高いのは20年夏の東京オリンピック・パラリンピック直後の20年秋だ。年明け解散だと当選した議員の任期は21年2月ごろとなり、任期満了近くになってしまう。来秋以降の解散なら、任期満了までに余裕を持つことができる。

安倍官邸が衆院解散を急いでいない最大の理由は、9月に民主党代表に就任した蓮舫の人気が沸かないことだ。7日の党首討論で蓮舫は安倍を「息をするようにウソをつく」となじった。蓮舫の発言は前大阪市長・橋下徹が「人格攻撃」と指摘したように度を超えており、反安倍の人たちには受けても、分厚い保守層は民進党からますます離れただろう。

蓮舫の任期は19年9月まで。蓮舫を見る党内外の目は冷ややかであっても、当分、辞めそうにない。政権中枢部はこう言う。

「蓮舫の支持は今後も伸びず、民進党はもっと落ちていくだろう。解散は先に延ばした方が有利ではないか」

民進党の体たらくが解散時期を先延ばした方が有利という安心感をもたらしている。新聞社の攻防は産経の勝利になるのではないか。

(文中敬称略)

【私の論評】嘘吐き蓮舫砲が轟きつづける限り、安倍政権は安泰(゚д゚)!

野党共闘により、次期衆院選では自民党がかなり議席数を減らすことは、産経新聞も予測の記事を出しています。その予測では、47議席を失う可能性を指摘しています。

その産経新聞の予測記事のリンクを以下に掲載します。
【衆院選シミュレーション】4野党共闘ならば47選挙区で当落逆転 与党326→279 全野党共闘ならば84選挙区で逆転…
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事に掲載されていた、チャートと表を掲載します。



この記事の、結論部分を以下に掲載します。
 試算では、4野党共闘と距離を置く維新の党(現日本維新の会)や次世代の党(現日本のこころを大切にする党)を第三勢力として別枠としたが、維新など全野党が共闘した場合、計83選挙区で与野党の勝敗が逆転する。この場合、与党は243議席と過半数(238議席)をわずかに上回る勢力まで落ち込み、政権運営は極めて不安定となる。
この状況をみると、田崎史郎氏が予想するように、確かに来年早々の解散はないかもしれません。

上の記事で、田崎氏は、"蓮舫の任期は19年9月まで。蓮舫を見る党内外の目は冷ややかであっても、当分、辞めそうにない"としています。

実際にそうです。特に最近の蓮舫代表は、大ブーメランの連続です。政策論争など抜きで、舌鋒鋭く自民党や、安倍首相を攻撃するたびに、鋭く大ブーメランが蓮舫氏を突き刺すことになっています。

特にカジノ法案については、蓮舫代表は党首討論でも、舌鋒鋭くギャンブル依存症の酷さを指摘しましたが、この指摘は非常に矛盾に満ちたものでした。

なぜなら、日本ではカジノは解禁されておらず、現在日本でギャンブル依存症に陥った人々の大多数が、パチンコでそのような依存症に陥っていることは明らかなのに、蓮舫代表はパチンコによる被害に関しては何もいいませんでした。

「パチンコでこのくらい酷い被害があるのだから、カジノを解禁すればもっと酷くなる可能性もある」というのならわかるのですが、パチンコについては一切述べず、まだ解禁になってもいないカジノの危険性を指摘するにとどまっています。これは、大きな矛盾です。

そうして、カジノといえば、カジノに猛烈に反対する蓮舫氏が、実は過去にカジノを日本に導入しようとしていた張本人であることが分かっています。

12月8日の民進党蓮舫代表定例会見において、ある記者が質問をしていました。



この動画の、11分16秒あたりで、フリーの記者の佐藤りょうへいという方が質問をしています。この動画また民進党に削除されるかもしれないので、以下に質問の要旨のみ掲載しておきます。

2011年、民主党はカジノ導入を成長戦略として考えていました。カジノ解禁に向けてつくられた資料は証拠として残っており、当時の行政改革担当大臣を調べるとなんと蓮舫氏。記者はこの点について「蓮舫氏の方針が当時と変わったという理解でよろしいでしょうか?」と質問しました。

これに対し、蓮舫氏は「カジノ解禁は当時たくさんあった規制改革案の一つにすぎない。私がカジノ解禁について議員立法に力を入れたことはない。政府として一つの選択としてあったという程度の認識です」と回答しました。

しかしこれは真っ赤な嘘。この受け答えはあまりにも卑怯です。

蓮舫氏のこわばった表情が全てを物語っています。要するに過去に自分自身もカジノをつくろうとしていたのに、安倍総理がやろうとするとたちまち反対派にまわったということです。

当時の民主党政権下でつくられた「国土交通省成長戦略」の資料によると、観光戦略としてカジノを中心に総合リゾート開発を推し進めることが力説されており、しかも数年以内の実現を目指すと具体的なスケジュールまで明記されています。

さて、その資料の一部を掲載します。

▼「2~3年後の実現を目指すもの」にカジノが挙げられています。治安が悪くなるリスクに配慮しながら、実施すると書かれています。


▼「早期の実現を目指すもの」に新しい観光アイテムとしてカジノが挙げられている。



党首討論において蓮舫氏は安倍総理を嘘つき呼ばわりすることで見事な自虐ネタを披露し盛大な笑いをとってました。蓮舫氏が投げるブーメラン攻撃がことごとく投げた本人に当たるものだから見ていて滑稽です。

この党首討論については、このブログでも紹介しています。その記事のリンクを以下に掲載します。
蓮舫代表、醜悪ブーメラン直撃 首相相手に罵詈雑言連発の党首討論デビュー―【私の論評】パチンコ業界守護神の蓮舫民進党は風前の灯火(゚д゚)!
7日の党首討論で、安倍晋三首相への口汚い批判を繰り返した蓮舫民進党代表
民主党政権時代の大臣としてカジノをつくろうとしていたのに、今では涼しい顔でカジノ反対派に転身です。白々しい以下のツイートをご覧頂きたいです。


多くの有権者は、そもそも戸籍謄本も公開できない日本人かどうかすら怪しい人に「世界に誇る美しい国」などと言われたくないでしょう。これぞ息をするように嘘をつく、蓮舫氏の嘘のつきっぷりはまさに神ってます。

それにかなり心配というか、蓮舫氏に関しては"大丈夫なのか?"と言いたくなります、わずか5年くらい前のことも記憶にない、記憶になかったとしても、党首討論などに備えるためには、その頃のことを調べてみたりするのが当たり前だと思います。私自身は、民主党政権は、カジノ法案を推進していた事は、うっすらとですが覚えています。

政治の世界は、本来少なくとも3年〜5年くらいのスパンで物事を考えてもらわないと困ります。民間会社ですら、最近では3年〜5年くらいの長期経営計画を立案して、会社の舵取りをしています。政治の世界では、10年、20年場合によっては、50年くらいのスパンで物事を考えなければならないことがあるはずです。

たとえば、総務省が11月29日発表した10月の労働力調査によると、正社員は前年同月に比べ74万人増え3405万人となりました。非正規は31万人増の2028万人でした。正社員の増加が非正規を上回るのは2カ月連続です。


企業は年末の繁忙期を前に、待遇のよい正社員でないと人手が集めにくくなっています。

厚生労働省が同日発表した正社員の有効求人倍率(原数値)は0.92倍と過去最高になった。全体の有効求人倍率(季節調整値)も1991年8月以来となる1.40倍の高水準に達しています。

10月の完全失業率は前月と同じ3.0%。総務省の同月の家計調査によると、実質消費支出は前年同月比0.4%減でした。正社員化による待遇改善が続けば、消費の活性化につながる可能性があります。

雇用に関してほとんど、無知と言っても良い、民進党は、雇用と金融政策との相関関係について全く理解していません。だから、雇用に関する質問や、発言はいつも頓珍漢です。

一般に金融緩和の過程で、雇用状況が改善していく過程において、最初はパート・アルバイトなどの雇用が増えます。そのため、実質賃金が下がるのですが、さらに雇用状況がよくなると、正社員の雇用も増え、実質賃金も増えるようになります。しかし、このようになるには少なくとも3年はかかります。

そのことを認識しない民進党は、金融緩和を始めて一年も経っていない時から、やれ「非正規ばかり増えている」とか「実質賃金が下がっている」挙げ句の果てに「民主党政権の時代のほうが正規雇用が多かった」などと大騒ぎをしていました。

民進党は、雇用に関しては、ほんとうに数ヶ月くらいのスパンでしか物事を見ていないようです。これは、民進党だけではなく、他の野党も大同小異です。野党はもつそろそろ、雇用と金融政策との関係を認識して雇用に関してもっと前向きでまともな論議をすべきです。

普通の会社ですら、業績が一端低下すると、それを元に戻したり、さらに成長させるためには、数年の年月を必要とします。

私は、最初は民進党のこの愚かな振る舞いや、蓮舫代表の愚かな発言に関して、何でも政争の道具にしようとするからあのようなことになると思っていたのですが、最近ではそうではないと思うようになりました。

雇用情勢や経済に対する民進党の発言をみていたり、わずか5年前に、カジノを推進していたことをきれいさっぱり、忘れている蓮舫代表などを見ていると、本当に数ヶ月単位でしか物事を考えていないのだと思います。まるで、脊髄反射のようです。

脊髄反射を起こすための刺激の伝導路、脊髄反射弓
この状況が続く限り、民進党には政権与党に返り咲く資格など全くないと思います。返り咲けば、雇用も経済もぶち壊しになり、日本はまた酷いデフレスパイラルのどん底に舞い戻ることになります。

このようなことは、一般に周知されるにはある程度時間がかかるようです。だとすれば、来年早々衆院解散選挙をするよりは少し伸ばしたほうが、選挙戦は有利になるかもしれません。これからも、蓮舫代表はブーメランを繰り返し、民進党の支持率はさらに下がるでしょうから、その頃に選挙に踏み切るべきなのかもしれません。

しかし、もう一つ圧倒的に有利なやり方があります。それは、現在3%程度の失業率を2.7%程度に下げることです。そのためには、さらなる追加金融緩和が必要です。

さらに、GDPをもっと上向かせる必要があります。そのためには、機動的な財政政策が必要です。そのためには、減税なども視野にいれるべきです。そのためには、増税一辺倒で国民の敵である財務省を完膚なきまでに打ち砕く必要があります。

これらのことを実行して、経済を完璧に上向かせるためには、それなりにある程度の時間を要します。経済が上向きつつあり、これからかなり良くなることがはっきり見えてきた段階で選挙にすれば、大勝利は間違いないです。

経済のことを考えれば、どう考えても、他の党では駄目で、やはり今のところは自民党に大勝利してもらう以外にありません。何とか、頑張って、次の選挙では大勝利していただきたいものです。

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2016年12月12日月曜日

【トランプ次期大統領】中国報道官、「一つの中国に縛られず」発言に「深刻な懸念」 中国紙は「武力統一」ちらつかせる―【私の論評】トランプ氏の対中国強硬策は正しい(゚д゚)!


北京の中国外務省で記者会見する耿爽副報道局長=12日
中国外務省の耿爽報道官は12日の定例会見で、トランプ次期米大統領の「一つの中国」原則をめぐる発言に対して「台湾問題は中国の主権と領土保全、核心的利益に関わることであり、『一つの中国』原則の堅持は中米関係を発展させる政治的基盤だ」と述べ、「深刻な懸念」を表明した。

 耿氏は、米国の新政権と指導者に対し「台湾問題の高度な敏感性を十分に認識し、『一つの中国』政策を引き続き堅持し、中米関係の大勢が著しく損なわれないよう促す」と強調した。

 中国の官製メディアもトランプ氏の対中姿勢に警戒感を強めている。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は12日付の社説で、トランプ氏が「一つの中国」政策を放棄した場合は「どうして台湾の平和統一を武力による回復に優先させる必要があるだろうか」として武力統一を選択肢とすることもにおわせた。

 社説はトランプ氏が「一つの中国」をカードとして利用し、短期的な利益を不正に得ようとしていると分析。外交面において同氏は「子供のように無知だ」と非難し、「一つの中国」政策は売買することができないと主張した。

【私の論評】トランプ氏の対中国強硬策は正しい(゚д゚)!

トランプ次期米大統領は11日放送のFOXテレビの番組で、米国が台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」という従来の政策を維持していくかは、中国の対応次第だとの考えを表明しました。

FOXテレビのインタビューを受けるトランプ氏(10日、ニューヨーク)
トランプ氏は同番組で「私は完全に『一つの中国』政策を理解している」と力説。一方で「貿易関係などで(中国と)合意を得られなければ、なぜ『一つの中国』政策に縛られないといけないのか」と言明しました。「一つの中国」政策を維持するかどうかを見極める具体的な政策として中国の通貨政策や、南シナ海での海洋進出、北朝鮮の問題での対処を挙げました。

さて、以下に過去の歴史を振り返っておきます。一つの中国ということが言われるようになったのは、1972年2月当時のニクソン大統領が中国を訪問し毛沢東らと会談し、米中共同宣言を発表しました。米中国交正常化は1979年に実現しました。

後にニクソンショックと呼ばれたニクソン、毛沢東会談
アメリカのニクソン大統領は、1971年8月、突然、来年の中国訪問を発表し、世界中を驚かせました。米中関係の改善の動きは、その前月、大統領特別補佐官キッシンジャーが密かに中国を訪問したことから始まっていました。

キッシンジャーは周恩来と会談して、米中関係の改善、ニクソンの訪中を打診し、同意を取り付けていました。ニクソンはベトナム戦争終結を模索し、当時はベトナムを支援していた中国に接近して和平の道を探ること、また中国と対立しているソ連を牽制することができる、と考えましたた。

キッシンジャー(左)と周恩来(右)
また、キッシンジャーの新しい勢力均衡論、つまり米ソの二極対立の時代は終わりソ連・欧州・日本・中国・アメリカの五大勢力が相互に均衡を保つことによって世界の安定を図るという考えを採用したものでした。

ニクソンは予定通り、1972年2月、訪中を実現し、アメリカ大統領として始めて中国首脳の毛沢東と握手をし、20年間にわたる敵視政策を転換させることを約し、両者は米中共同宣言(上海コミュニケ)を発表したのです。

この会談により、米中は体制間の相違を相互に認め、それを超えて「平和共存五原則」に基づき国際問題及び二国間問題を処理することを約束したのです。この会談により、「中国は一つであり、台湾は中国の一部である」との中国の主張を米側が認める形となりました。

この時米中とも戦略的に覇権主義的なソ連を強く意識したことは言うまでもありません。同時に中国が西側諸国との平和共存路線へ転換したことも意味していると考えられました。

約半年後の9月、中国は、日本と国交正常化を実現し、10月には西ドイツ、その後ベルギー、オーストリアなどと国交を樹立しました。イギリスとオランダはそれまでの代理大使級から大使級の外交関係に昇格しました。<天児慧『中華人民共和国史』1999 岩波新書 など>

鄧小平(中央)とカーター(右)
ニクソン訪中で相互の存在を承認しあったアメリカと中国は、その後交渉を重ね、1979年にカーター大統領と鄧小平のもとで、米中国交正常化を実現させました。この結果、中華民国政府(台湾)は、国際連合から追放され、アメリカ・日本など世界の各国は正式な国交を台湾と断絶しました。 → 中国の国連代表権

さらにニクソンは3ヶ月後にモスクワを訪れ、第1次戦略兵器制限条約(SALT・Ⅰ)に調印、華々しい外交成果を誇った。ニクソン大統領は前年の1971年8月には金とドルの交換停止というドル防衛策を発表して、ドル=ショックという衝撃を世界に与えましたが、この外交上の大転換も、もう一つのニクソン=ショックと言われました。いずれも1960年代後半からのアメリカの経済・外交の行き詰まりを打開するための起死回生をねらった政策転換でした。

ニクソン(手前左)とブレジネフ(手前右)
ニクソンの訪中は前年の1971年7月16日でしたが、日本に通知されたのはわずか数十分前にすぎず、その決定は日本を頭越しに飛び越え、米中だけで決定されました。日本政府(佐藤内閣)は仰天しました。日本はアメリカと強固な同盟関係にあるし、つい数ヶ月前はニクソン=佐藤栄作会談で、両国の緊密な連携を約束していたからでした。

当時日本の状況は中国共産党政権を承認し、台湾を切り捨てることは考えられなかったことであり、特に与党自民党の中には親台湾派が多数存在していました。なによりもアメリカがこのような重大な外交方針の転換を同盟国日本に相談なしに実行するとは考えられないことだったのです。

しかしアメリカのニクソン=キッシンジャー外交はそのような甘いものではなかったのです。事前に日本の了解を得ることは困難と考え、極秘裏に事を進め、ニクソン訪中のマスコミ発表の数十分前に電話で日本の外務省に知らせただけでした。

その背景には、当時並行して進められていた日米繊維交渉で、日本側の態度が煮え切らず、アメリカ側がイライラしていたこと、そもそもキッシンジャーは日本嫌いであったことなどが考えられるのですが、アメリカは外交を冷徹なマキャベリズムで判断していたのに対し、日本は「信頼関係」とか「友人」といった甘い、感情的なレベルでしか捉えていなかったことに問題があったのかもしれません。

日本政府、外務省がニクソン訪中について事前に情報をキャッチしていなかったことは、情報収集能力、外交能力に欠けるとして、マスコミは佐藤内閣と外務省を厳しく批判した。それは佐藤内閣が7月に退陣に追い込まれる直接の引き金となりました。

このような「一つの中国」をトランプ氏が「一つの中国に縛られず」と発言したわけですから、これは中国政府にとっては、「一つの中国」決まった当時の日本政府の狼狽よりも、さらに深刻であり、まさに青天の霹靂だったに違いありません。

さて、最近習近平はキッシンジャー氏と会談しています。それに関しては、このブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
【スクープ最前線】トランプ氏「中国敵対」決断 台湾に急接近、習近平氏は大恥かかされ…―【私の論評】トランプ新大統領が中国を屈服させるのはこんなに簡単(゚д゚)!
台湾の蔡英文総統との電話会談で中国を牽制したトランプ次期米大統領
詳細は、この記事をご覧いただくももとして、この記事ではドナルド・トランプ次期米大統領が、中国への強烈な対抗姿勢を示したことを掲載しました。

トランプ氏は、台湾の蔡英文総統と電撃的な電話協議を行い、「経済、政治、安全保障面での緊密な結びつき」を確認したうえ、フィリピンのドゥテルテ大統領とも電話会談で意気投合したのです。トランプ氏は「アンチ・チャイナ」の急先鋒(せんぽう)だっただけに、戦略的に行動した可能性が高いです。習近平国家主席率いる中国は衝撃を受け、「対中激突」や「孤立化」を恐れていいます。

そうして、実は、中国がトランプ、蔡両氏の電話協議に激怒した3日、中国共産党の機関紙「人民日報」は1面で、習氏とキッシンジャー元米国務長官が笑顔で握手する写真を掲載しました。記事は前日の会談を報じたもので、習氏は『(トランプ政権と)安定した発展を継続したい』と表明を出していました。世界各国が注視するなか、習近平氏は物笑いの種にされ、大恥をかかされたのです。

握手した習近平(左)とキッシンジャー(右)
トランプ氏はこのように中国に対して、強硬姿勢をとるというメッセージを強烈に発信していたのですが、さらに今回の「一つの中国に縛られず」発言です。この発言で、トランプ氏は習近平の面子を粉々に砕きました。

トランプ氏としては、ソ連が崩壊した後の中国は明らかにソ連に変わって覇権主義の道を走っているとみなし、米国の対中政策を変えることを宣言したのです。

トランプ氏の中国に対する発言

トランプ氏は、「一つの中国に縛られず」と発言しています。一つの中国に縛られずとは、大陸中国と台湾の両方を認めるということでしょうか、もしそうなら「台湾を独立国として認める用意がある」などと発言すれば良いことだと思います。

この「一つの中国に縛られず」という言葉にはもっと大きな意味が含まれている可能性があります。

その可能性は、現中国が建国以来他国に対して侵略を繰り返してきたことを考えれば、おのずと理解できます。

以下に、現中国が、建国したばかりの頃の中国の版図を示す地図をあげます。


建国したばかりの中国の版図は「支那」と掲載した赤い部分のみです。その他満州、内モンゴル、ウィグル、チベットはすべて独立後に支那が侵略して、自らの版図に組み入れたものです。

ニクソンが「一つの中国」を認めたとき、すでにこれらの本来外国であったはずの、国々は、中国が侵略して我が物としてきたのです。キッシンジャーや、ニクソン、カーターはこうした中国の覇権主義的性格を見抜けなかったのです。

そうして、その後は南シナ海に進出しています。このような国家は、侵略国家であり、覇権主義国家であることは明らかです。そうして、これらの国々は徹底的に中国の弾圧を受け、民族浄化の危機にあります。

このようなことを考えると、トランプ氏の対中国強硬策は当然のことと認識できます。一つの中国に縛られずというのなら、これらの国々も独立の方向で、長期戦略を練ってほしいものです。何十年かかってでも良いので、これらの国々は独立すべきでしょう。

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2016年12月11日日曜日

【流行語大賞トップ10】俵万智さん「『死ね』が世の中動かした」「こんな言葉を使わなくて良い社会に」―【私の論評】「日本死ね」を正当化する人々には「日本から出て行け」と言いたい(゚д゚)!


炎上した俵真智さんのツイート

 「2016ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに「保育園落ちた日本死ね」が入ったことについて、審査員を務める歌人の俵万智さん(53)が11日までにツイッターを更新し、「良い言葉ではないが、世の中を動かした。そこには言葉の力があった」と選考理由を自ら説明した。

「保育園落ちた日本死ね」は、匿名のブロガーが保育園の抽せんに落ちた怒りをつづったもので、大きな反響があった。また、この言葉が新語・流行語大賞に選ばれ、ユーキャン(東京都新宿区)に街宣活動があるなど、賛否両論があった。

俵さんは「『死ね』が、いい言葉だなんて私も思わない。でも、その毒が、ハチの一刺しのように効いて、待機児童問題の深刻さを投げかけた。世の中を動かした。そこには言葉の力がありました。お母さんが、こんな言葉を遣わなくていい社会になってほしいし、日本という国も日本語も、心から愛しています」(原文のまま)とつづった。

俵さんは、この文章をツイートする前に「ちょっと見ないうちに、何か書かないと次に進めない雰囲気になっていました。だから一回だけ、その件について、私の思いを書きますね。お騒がせ&ご心配おかけしました」(原文のまま)と前置きして、自らの思いを述べた。(Web編集チーム)

【私の論評】「日本死ね」を正当化する人々には「日本から出て行け」と言いたい(゚д゚)!

俵万智
今年の流行語に関してはまだまだ物議をかもしているようです。。毎年何かと問題は起きるようだが、特に今年は「待機児童問題」というナーバスで解決糸口の見えにくい内容もからみ、そして「日本死ね」という言葉の汚さからさらなる波紋を呼んでいる。さてそんな中、審査員である俵万智さんが、それについてツイートし炎上していました。審査委員を務めた歌人の俵万智さん(53)に対し、「俵万智さんが選んだとは思いたくない」などとネット上で批判の書き込みが相次いでいます。

以下に俵さんのツイートそのものを掲載しておきます。
日本死ねに関しては、数々の問題を投げかけましたが、その中で言葉の汚さが問題として取り沙汰されていました。そんな中審査員である「俵万智」さんがついにその選出理由を語りました。するとたちまちネットでは炎上。やはり審査員が「日本死ね」の選出理由を正当化することで、火に油を注ぐ形となってしまったのは案の定としかいいようがありません。。

また別件でこの問題に関し発言をしていた、つるの剛士さんも持論を述べ炎上してしまいました。このツイートそのものは、現在はネット上には見当たりません。以下にそのコピーを掲載します。

フォローするつるの剛士
✔@takeshi_tsuruno

『綺麗な言葉を使おうね』なんて一言も言ってないです。そもそも僕も言葉使い良い方ではないですし。。
ただ、死ねが流行語??と。そんな声に国会議員が満面の笑みで登壇に違和感を覚えたというイチ視聴者の感想ツイートでした。。すいませんでした https://twitter.com/sirenia888/status/804839067804266496 …2016年12月3日 09:18
5,3775,377件のリツイート 7,555いいね7,555件
以下に、つるの剛士氏の持論に関する記事を掲載します。

つるの剛士の持論「保育園落ちたの受賞が悲しい」にネット共感
http://www.yukawanet.com/archives/5139969.html

その他、「日本死ね」に関するネットの反応など集めて見ました。

ーネットの反応
・ 「日本死ね」の何年も前から保育園は増え続けていますよ。
・ ツッコミ山ほど入ってるけど、問題は歴史が書き換えられていることだと思うよ。
・ 「日本死ねと言われる方も悪い」という論調は「虐められる方も悪い」という論調と同じように愚かだ。
・ ナイフの滅多刺しの誤りでは?
・ 他者に死ねという事を肯定してしまってる点が問題だよ
・ あなたは日本語の美しさを表現する短歌という分野で世に知られた人で有りながら【保育園落ちた日本死ね】と言う日本語として美しさも品性の欠片も無い言葉を価値の有るものと認めた。
・ 仰る通りですね。
・ いきなり後ろから殴られたような……いきなりけんかを仕掛けてきたような
・ 「死ね記念日」の俵さんに脱皮でしょうか??
・ 博愛ですね。まったく心に響きません。これがマチさんの言霊です。
・ 日本死ねって言葉を広めておいて、こんな言葉を使わなくてすむような世の中にしたいみたいな、偽・ 善者丸出しなとこがたまらん。
・ 言葉のプロが、言葉の影響力を見誤った結果
・ 暴言には暴言で返されるだけだ。
・ 『死ね』という言葉は背景に何があろうと認めてはいけない。
・ 釈明や説明がいる時点で流行語ではありません。
これに関しては、このブログでも以前も掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
つるの剛士さん「保育園落ちた日本死ね、が流行語大賞なんて…」―【私の論評】日本社会は発狂してしまったのか?
つるの剛士
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の結論部分のみ以下に掲載させていただきます。
国会での審議など、多くの国民の規範にもなるべきものと思います。そんなところで、平気で「死ね」などという言葉を審議過程で用いられ、あまつさえ流行語大賞になってしまえば、小学校などでも、「死ね」「殺す」が当たり前になってしまうのではないでしょうか。 
そうして、「死ね」「殺す」よりはまだましであると思われるような、「菌」などという言葉、何のてらいもなく大声で話される言葉になってしまいかねません。

国会議員、マスコミなどが、どんな文脈であれ、このような言葉を平気で使う日本社会は狂っているとしか思えません。
「死ね」などという言葉横行する組織は、学校であれ企業であれ、「いじめ」が横行しかねない
国会議員や、マスコミなどが駄目なら、少なくとも私たちの日々過ごす組織の中では、こういうことは禁忌とすべきと思います。というより、国会議員やマスコミが狂っていても、日本の多くの組織の中では、このようなことは元々禁忌となっていると思います。だから、国会議員やマスコミが狂っていても、日本の社会は安定しているのです。 
組織の中では、禁忌とされることをしでかしてしまったものは、たとえ一見それが正しいことのために行われたようにみえても、いずれ懲罰を受けます。いつまでたっても、出世しないとか、給料が上がらないとか、禁忌を破った直後か、そうではなくとも、何年かたったあと左遷されたり、減給されたり、降格されたりします。そのとき、はじめて禁忌を破ったことの重大性に気づく愚か者も存在します。最近では、気づかいない人もいるです。しかし、これは組織の秩序を保つため当然のことです。 
国会議員やマスコミなども、今のままでは、さらに増長しとんでもないことになってしまいかねません。山尾志桜里のような議員には、選挙では票を入れないことです。マスコミは新聞・テレビなどの購読や視聴をやめることです。
とにかく、この狂った社会風潮は何十年かけてでも、是正すべきです。
以下に、保育所の問題については、渡邉哲也氏が動画で語っています。以下にその動画を掲載します。



この動画をみていただければ、保育所関連についても「日本死ね」という本来つかってはいけない汚い言葉をつかってまで、自民党批判をしようとした民進党にとってブーメランになっていることがわかると思います。

そもそも、保育所に関しては、民進党時代には予算が凍結されたのですが、自民党時代に入ってから予算も増え、施設数は倍増しています。

民進党の山尾志桜里は、単なる不勉強で国会であのような質問をしたわけです。

このブーメランに関連する用語を流行語大賞とするというのは、いかなる理由をつけても、正当化はできないものと思います。

この言葉遣いを正当化する人は、まともな神経ではありません。日本死ねを正当化するというのなら、本当に日本が死んだのと同じような状態(日本国に住んで、日本国民としての権利がなくなる)に自ら身をおくという意味で、この日本から出て行けと言いたいです。

日本から出て異邦人になったとき、その時本当の意味で「日本死ね」という言葉の意味が理解できるのだと思います。これは、過激な発言と受け取られるかもしれませんが、そもそも「日本死ね」という言葉自体が「日本はら出て行け」より過激な発言であり、このような発言をする人を私はとても正常な神経の持ち主であるとは思えません。

私は、「日本を出て行け」と「日本死ね」という言葉の間には、その意味合い、程度において天と地程の差があると思います。

このようにある程度過激に発言しなければ、理解不能の人々が多数存在するこの社会は狂っているとしか思えません。日本人はいつから惻隠の情を失ってしまったのでしょうか。

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2016年12月10日土曜日

台湾初の慰安婦記念館が開館―【私の論評】蓮舫氏には、謝家一族の現状、事業と資産ならびに、戸籍など情報公開できない理由がある?


台湾の女性人権団体「婦女救援基金会」は8日午前、台湾初となる
慰安婦記念館の台北市内の予定地で看板除幕式を開催した。元慰安婦の
女性らと共に前馬英九総統(前列右から5人目)も出席した。

台湾で初めてとなる慰安婦記念館「阿●(女へんに、つくりは「麻」の下に「糸」の上部分)=アマ(おばあちゃん)=の家 平和・女性人権館」が10日、台北市内で正式に開館した。

 台湾では、1992年に元慰安婦だと名乗り出た58人のうち3人が存命。開館式典にはその一人、陳蓮花氏(92)が出席し、「みなが思いやりをもって守ってくれた」と謝意を述べた。鄭麗君文化部長(文部科学相に相当)は「歴史を残すことで傷みに向き合い、同じ過ちを避けることができる」とあいさつした。

 記念館は、女性人権団体「婦女救援基金会」が台北市内の2階建て商店跡を改装した。展示物に史料は少なく、同基金会による支援活動を振り返る写真や絵画などが中心。1階の喫茶店の収益を維持費に充てる。

 式典には、台湾で慰安婦として過ごした韓国人女性のほか、日本や中国、米国の支援者も出席した。今年3月に行われた看板の除幕式には、元慰安婦への思い入れが強い馬英九総統(当時)が出席、日本政府に謝罪と賠償を求めた。5月に発足した蔡英文政権は日本への配慮から、表だって慰安婦問題を取り上げていない。

【私の論評】蓮舫氏には、謝家一族の現状、事業と資産ならびに、戸籍など情報公開できない理由がある?

今頃、慰安婦の記念館がオープンされるということは、台湾というと、日本では無条件で親日とする一部の保守派の人々にとっては不都合な真実かもしれません。

日本と台湾とは明らかに利益が相反しているところもあります。それについてはこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!
民進党代表決定の名前を呼ばれる直前にハンカチで目頭を押さえる 蓮舫新代表=9月15日
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事で掲載した日本と台湾との利益が相反する事柄につい以下に簡潔に掲載します。

それは、この記事のタイトルにある通り、台湾が尖閣の領有権を主張していることと、南京虐殺に関しては大陸中国と同様に日本を批判していることです。

そうして、この二点に関しては、全く台湾側の主張は正しくはないというこも掲載しました。ただし、これらに関しては、前馬英九政権は主張していましたが、5月に発足した蔡英文政権はこれらのことについて主張しているわけではありません。

蔡英文氏
とはいいつつ、蔡英文政権はこれらをはっきりと取り下げているというわけでもありません。やはり、台湾にはこれらを主張する台湾の勢力も多数存在するので、これらを無下にとりさげるわけにも行かないのだと思います。

なぜ、このような状況になるかといえば、一口に台湾人といっても日本のような単一民族ではないし、同じ民族同士でも、立場が異なる人々がいるということで、台湾は決して一枚岩ではないからです。

さて、この記事からそのあたりを示した部分を以下に掲載します。

"

ちなみに、本省人とは戦前から台湾に移住して住んでいる人達の事です。本省人には2種類あり、福建系(ほとんど)と客家系(少数)にわかれます。本省人(福建)は台湾語を話し、本省人(客家)は客家語を話します。

台湾は日本などとは異なり、多民族国家です。本省人の他に、外省人とは戦後に中国大陸からやってきて台湾に移住した人達のことです。

台湾といえばネット等では「親日的」とされるのが常ですが、すべての人がそうではなく、特に外省人などは大陸中国に近い反日的な人間も多いです。また、本省人や現地人の中には、親日的な人も多いようですが、心からそう思っている訳ではなく一種の処世術でそうしている人も多いようです。しかし、そうはいっても、ある一定数の親日的な人々は確実に存在します。また、日本に無関心な人も多いです。これは、否定できません。

現在の台湾は国連に加盟しておらず国家として承認しているのはごく少数に留まっています。戦後すぐに急速な経済成長を遂げた台湾に対して、中国は大躍進・文化大革命の相次ぐ失敗で荒廃してしまいました。

そのため、中国人が海峡を渡って台湾に亡命する事も多かったものです。ところが、80年代にニクソン訪中をきっかけに急速な経済成長が始まり、あっという間に台湾を抜き去りました。とはいっても、それは全体のGDPだけの話ではあります。

日本、台湾、中国の一人あたりGDPは以下のような状況です。(単位:USドル)
日本   32,485.55 
台湾   22,287.56 
中国    7,989.72
それにしても、国全体では大陸中国は、台湾を圧倒するようになりました。それまで日本に好意的では無かった台湾が急に「親日的」になったのは、この頃からであり、苦境を乗り切るための国家戦略とも取れます。これは、大陸中国の脅威もありやむを得ないことであったかもしれません。

80年代以前の台湾は韓国や大陸中国と同じく、従軍慰安婦や日本の侵略を非難していました。ただし、その当時の反日活動は、今日の韓国や大陸中国のように、執拗で質の悪いものではありませんでしたが、当時は大陸中国も、韓国も、台湾も反日的であったのは事実です。

台湾には大きく分けて台湾独立を志向する政党と、中国による台湾統一を志向する政党、台湾による中国統一を志向する政党が存在します。

国民の考えもほぼこの3通りに集約されています。
"
この3通り考えのうち、中国による台湾統一を志向する国民のグループは当然のことながら、反日的ですし、このグループの数が比較的多いことから、蔡英文政権も、これらの人々の考えを全く無視するわけにもいかず、そのため台湾の尖閣諸島の領有権の主張や、日本による南京虐殺問題をはっきりと取り下げることはできないのでしょう。

そうして、今日台北で開館した慰安婦記念館も中国による台湾統一を志向するグループによるものです。馬英九元総統は、もちろんこのグルーブに属しています。

馬英九氏
このグループは政党では国民党ですが、国民党は下野し野党になりましたが、それでも今でも大き勢力であるには違いありません。現在のところ、民主進歩党が与党で、総統は蔡英文氏ですから、露骨な反日政策などはとりませんが、国民党が政権を奪還することもあり得ます。そうなれば、馬英九のような総統になる可能性もあるのです。

そうして、台湾というと、日本にとっては、蓮舫民進党代表の二重国籍問題があります。この問題最近あまり話題になりませんが、重要であることは今でも変わりません。

特に、元々台湾籍だった蓮舫氏が、3つのグループのどれに属していたのか、あるいは今でも属しているのかは、大きな問題です。

そうして、これについては、いろいろと調べてみたのですが、はっきりしません。蓮舫氏は、日本の企業との間で貿易業を営んでいた台湾人の政商である父・謝哲信と、「ミス・シセイドウ」だった日本人の母・斉藤桂子の長女として東京都で生まれました。

父に抱かれて兄とお墓参りに行った
ときのものとされる蓮舫一家の写真
この謝哲信氏について、調べたのですが、やはり3つのグループのうちどれに属しているのかも良くわかりませんでした。ただし、蓮舫氏の祖母にあたる人と謝哲信氏については以下のようなことがわかりました。


蓮舫氏の祖母である陳杏村氏は、昭和41(1966)年に参議院農水委員会で公明党黒柳明議員から追求されていました。

戦後バナナは、国内のほかのフルーツを圧迫することなどを理由に輸入制限されていましたが、昭和38(1963)年になって輸入自由化が発表されました。自由化で業者が乱立し、輸入競争が激化しましたた。

そこで、カルテルを結んで安定させようとして、 昭和40(1965)年に設立されたのが「日本バナナ輸入組合」でした。この組合の初代理事長には砂田産業の砂田勝次郎氏が就任したのですが、これは神戸市を地元とする自民党の代議士で文部大臣などを務めた砂田重民氏の兄弟でした。

この一連の動きに台湾側の窓口として暗躍したのが、台湾で日本への輸出枠の50%を握っていた陳杏村であり、その息子の謝哲信らでした。そして、これは「黒い霧・台湾バナナ事件」が参議院農林水産委員会で昭和41年11月1日 に取り上げられていました。そのなかに以下のような注目すべき言葉がありました。

質問したのは公明党の黒柳明参議院議員、答弁は主として三木武夫通産大臣だ。
「かつて日本が台湾バナナ輸入を自由化した当時から、国民政府によって輸出総量の50%の割り当てを与えられて、わが国の国内バナナ輸入業者に対して絶大な支配力を持っておる、こういう人が陳杏村」
「陳杏村氏の令息に当たる人で謝哲義と謝哲信、こういう人がおります。今度はむすこさんのことですが、それぞれ砂田という日本人商社名をつけた多数のバナナ輸入会社を実質的に支配し、まかされております」
「この駐日弁事処は、日本の業者がかつて輸入バナナ一かごに何百円というリベートを持参しなければ台湾バナナを輸入しない、そういうようなことでリベートを取って、外為法違反容疑で警察から取り調べを受けた事件がある」
結局のところこの件は、黒い霧として警察が調べたり国会で追及されたにもかかわらず、立件されなかったのですが、陳杏村がかかわる台湾側の組織が、日本の輸入業者からリべートをとったり、政治家にペーパーカンパニーをつくらせてそれを実質的に支配することで莫大な利益を上げていたと疑われたという事件でした。

昔コロッケ5円、ラーメン30円、国電初乗り
10円の時代に台湾バナナは1本100円で売られていた
そして輸入業者に本人や家族が関連している政治家としては、すべてが陳杏村と関連していたというわけではないでしょうが、小泉純也、河野洋平、吉武恵市、砂田重民、大竹平八郎、蓮見進がいると名前が挙がっていました。

謝哲信氏は同志社大学に留学し卒業したあと、母親である陳杏村のビジネスを、東京を拠点に手伝っていました。ホテルニュージャパンに住んで、毎晩、200~300万円の札束をポケットに銀座で豪遊していたと蓮舫へのインタビューで構成された「婦人画報」の記事にありました。

こうして築いた財産は、どうなったのでしょうか。蓮舫は父親は台湾でいっさいの財産を残さなかった、国籍もどこか分からないと9月のYahoo!インタビューで話しているのですが、どういうことなのでしょうか。蓮舫の自宅は母親が経営する会社の名義になっているので資産公開しても、その詳細は出てきません。

謝家一族の現状、事業と資産について不明のままでは、野党第二党の代表にはふさわしくはないと思います。さらに、蓮舫氏が戸籍など情報公開に応じないことも問題ありです。

最近トランプ氏の閣僚が次々と発表されていますが、確か財務長官はまだのはずです。オバマ氏が政権についたときは、財務長官が半年以上にわたって空席という異常な状態が続きました。
現米国財務長官ジェイコブ・ルー
財務長官になるためには、米国では候補者の身元を徹底的にこれでもか、これでもかというくらいに洗うそうです。そのための時間もかかるし、それに何から何まで調べ尽くされるので、嫌がる人が多いので、財務長官になるのを嫌がる人も多いのだそうです。そうして、大統領候補者の身元もこれ以上に徹底的に洗われます。こういうこともあってか、オバマ氏も大統領になってからも、身元について様々な憶測がなされていました。

日本でも、そこまではしなくても良いとは思いますが、野党第一党の民進党の代表ならば、少なくとも、先に掲載した、謝家一族の現状、事業と資産ならびに、戸籍など情報公開などはすべきではないでしょうか。そうして、今後は議員や、各党の幹部などについても、アメリカなみに身元を洗い、重要な情報は有権者に対して開示すべきものと思います。

今のままでは、蓮舫氏はこれを公開できない理由があるものと勘ぐられても仕方ないと思います。

そうして、現状では昨日のこのブログにも掲載したように、1月解散、2月総選挙ということは多いにありそうなことですが、直近でそれが、白日の下に晒される可能性もあります。そうなると、民進党は大惨敗を喫し、当然のことながら、蓮舫氏は、選挙での惨敗の責任をとって失脚ということになるでしょう。

そのようなことになる可能性は蓮舫氏も気づいていると思います。しかし、情報公開ができないのというのには、それなりの理由があるとしか思えません。

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