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2016年12月16日金曜日

【日露首脳会談】中国、日露連携を警戒「包囲網」強化に対抗―【私の論評】会談のもう一つの目的は、ロシアを安全保障のダイヤモンドの一角に据えること(゚д゚)!

【日露首脳会談】中国、日露連携を警戒「包囲網」強化に対抗

日露による「対中包囲網」を警戒する習近平
中国の習近平指導部は、日本がロシアと連携を深める動きを「対中包囲網」の強化と見なし、強く警戒。ロシアとは経済、軍事協力を通じて「歴史上最良」(中国メディア)の関係を維持し、日本に対抗する構えだ。中国は安全保障面で「厳しい状況」(北京の外交筋)が続いている。

米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を決めた韓国とは関係が悪化。トランプ次期米大統領は台湾に接近する姿勢を見せ、南シナ海の軍事拠点化にも批判的だ。日本とも東シナ海を巡る緊張が解けていない。

こうした状況の中でも、ロシアとは良好な関係を保っており「日米韓をけん制する重要なカード」(中国人研究者)。それだけに日ロ首脳会談の行方には神経をとがらせており、国営通信、新華社は「ロシアを引き込み、中国を包囲しようとの考えは希望的観測に基づく妄想だ」と批判した。

【私の論評】会談のもう一つの目的は、ロシアを安全保障のダイヤモンドの一角に据えること(゚д゚)!

今回の日露首脳会談に関しては、日本のメデイアは北方四島の返還ばかりがクローズアップしており、いささか謝狭窄にすぎてあまりにも話にならないので、以下に「対中包囲網」の準備としてのこの会談の意義について以下に掲載します。

日本のメディアなどは、中露というと、無条件で同盟国であるくらいの認識しかないと思います。しかし、これは無論表面上はそのように装っていますが、どちらも互いに相手を信頼のおける同盟国などとは見ていません。

それに関しては、このブログでも何度も掲載してきました。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
【西村幸祐氏FB】ルトワックはウクライナ危機でシナとロシアの接近は氷の微笑だと分析する。―【私の論評】東・南シナ海が騒がしくなったのは、ソ連が崩壊したから! 安全保障は統合的な問題であり、能天気な平和主義は支那に一方的に利用されるだけ(゚д゚)!
エドワード・ルトワック氏
この記事は、2014年5月27日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この頃米の著名な戦略研究家、地政学者でもあるルトワックが来日中だったが、安倍首相と会っていました。ルトワックは当時ウクライナ危機でシナとロシアの接近がみられたものの、内実は氷の微笑だと分析していました。

この記事には、西村幸祐氏のFBを掲載しましたが、それにルトワック氏の支那とロシアの関係を分析した内容の日経新聞の記事が掲載されていました。それを以下に引用します。
接近する中ロ、氷の微笑が消えるとき

2014/5/25 3:30
 ウクライナ危機をきっかけに中ロはさらに接近し、日米へのけん制を強める……。世界ではこんな見方が多いが、ルトワック氏の予想はちがった。

ロシアは、中国とは仲良くならない。シベリアなどに侵食してくる中国を脅威だとみているからだ。むしろ、ロシアは中国をにらみ、本当は日米と協力を広げたいはずだ――。ルトワック氏はこんな趣旨の予測を披露したという。 
 中ロの表面的な動きをみるかぎり、この分析は必ずしも当たっていない。まさに同じ20日、中ロはこれでもかと言わんばかりの仲良し劇を演じたからだ。 
 訪中したプーチン大統領は、習近平国家主席と懸案だった天然ガスの輸出交渉を決着。対ロ制裁への反対をかかげ、来年に対日・独戦勝70周年式典を共催することも決めた。 
 だが、会談では結局、日米の安保当局者がいちばん注目していた商談が署名にいたらなかった。ロシアの最新鋭戦闘機スホイ35(24機)と地対空ミサイルS400を、中国が買うための契約だ。 
 売却の条件で折り合わなかったとされるが、理由はそれだけではさそうだ。モスクワからは、ルトワック氏の読みを裏づけるような本音が聞こえてくる。 
 「プーチン氏は中国に相当、いら立っている」。クレムリンの内情を知るロシアの安保専門家らは、こう明かす。プーチン氏はかねて中国の台頭に懸念を抱いていたが、昨年12月、不信感を一気に強めるできごとが起きたのだという。 
 それは、習主席とヤヌコビッチ・ウクライナ大統領(当時)が北京で署名した友好協力条約だった。「ウクライナが核で脅されたら、中国が必要な安全を保障する」。条約にはこんな趣旨の合意が入った。 
 中国は「核の傘」を使い、ロシアの縄張りであるウクライナにまで手を突っ込むつもりか。プーチン氏はこう反発したようだ。 
 中国の国内総生産(GDP)はロシアの4倍を超える。中国はその分、ウクライナを含めた周辺国に影響力を広げるのは自然なこと、と考えているのだろう。 
 歴史的にも、長い国境を接する中ロの相性は良いとはいえない。新中国建国の直後、毛沢東、スターリンの両首脳はモスクワで会い、同盟の契りを交わした。それもつかの間、やがて路線対立が始まり、蜜月は10年と続かなかった。 
 「いまの中国は共産党体制だったときのソ連と同じだ。何を考えているのか、外からは分からない。しばしば、唐突な行動にも出る」。公式な場では決して中国を批判しないロシアの政府関係者からも、こんなささやきが聞かれる。 
 では、日本はどうすればよいのか。中ロの結束が弱まれば、日本の選択肢は広がる。それでもロシアが対中外交で協力したり、領土交渉で譲ったりすると期待するのは禁物だ。 
 米政府当局者は「ロシアに過剰な期待を抱かないほうがいい。日本には戦中の経験もある」と語る。第2次大戦末期、日本の降伏が確実とみるや、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄し、攻め込んできた。 
 ユーラシアの両雄はどこに向かうのか。日本は歴史の教訓をひもときながら、冷徹に次の一手を練るときである。(編集委員 秋田浩之)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO71758060V20C14A5SHA000/?dg=1
習近平とプーチン
この日経の記事にもあるように、「中ロの結束が弱まれば、日本の選択肢は広がる。それでもロシアが対中外交で協力したり、領土交渉で譲ったりすると期待するのは禁物です」。

ルトワック氏は、「ロシアは、中国とは仲良くならない。シベリアなどに侵食してくる中国を脅威だとみているからだ。むしろ、ロシアは中国をにらみ、本当は日米と協力を広げたいはずだ――」ど分析しているそうですが、それを裏付けるような情報はいくつもあります。

このブログ記事には、いくつか引用記事があります。それをご覧いただければ、これはすぐにご理解いただけるものと思います。その記事のリンクを以下に掲載します。
米海軍幹部、自衛隊にNATO加盟国並みの役割期待― 【私の論評】自滅する現中国の現実を見つめよ!現中国は、モンゴル帝国の末裔であり漢民族の中国は唐の時代に滅んでいることを(゚д゚)!
上念司「中国包囲網の決定打はモンゴル・トルコのランドパワー強化に在り!」―【私の論評】ソ連崩壊後、小国ロシアになってから国境溶解が顕著になり中国にとって軍事的脅威はなくなった!日本は経済援助を通じて中国と国境を接する国々のランドパワーを強化すべき(゚д゚)!
 詳細は、この記事をご覧いただくものとして、要旨とそれに簡単に説明をつけて以下に簡単にまとめておきます。

ロシアというと、日本では未だに強国というイメージがあるものの、それはイメージに過ぎず現在のロシアは人口は、日本と同程度(日本1億2千万人、ロシア1億4千万人)、GDPは日本の1/5に過ぎません。

そのロシアは、世界で最も長い国境線を中国と接しています。そうして、この国境線付近では、多数の中国人が国境を越境して、ロシア側で、様々な事業を営んでいます。今では、従来のように国境ははっきりしなくなってしまい、この現象を国境溶解と呼びます。

国境溶解が急速に進む中ロ国境
国境溶解の勢いは衰えることなく、さらに加速され、ますます多くの中国人がロシア領内に自由に入り込んだり、中国領内に戻って大量の物資をロシア領内に持ち込むようなことが、日常茶飯事で繰り返されています。

そうして、このような状況により、中国はかつてのようにソ連との国境線上に軍隊を配置するなど、ソ連の脅威に備える必要はなくなったこともあり、今日海洋新進出が実行しやすくなっているという点は否めません。

これに対処する策として、経済評論家上念氏は、中国と国境を接する国々が経済成長をして、ランドパワーを強化することが有効であることを主張していました。

強面ロシアは、ウクライナではかなり強気にでているようにもみえますが、ロシア側の立場たてば、ウクライナが完璧に西側に落ちてしまえば、西側でも国境溶解がはじまりとんでもないことになるとの脅威からあのような行動にでたものと思います。



そうして、NATO諸国などが本気で、ウクライナに対して軍事援助をした場合、ロシアの脅威は頂点に達します。今のロシアは、米国と戦争する力などまったくありません。おそらく、米軍抜きのNATOとも戦えば負けるし、そもそもそれだけの戦争を遂行する力(経済力および軍事力)はありません。

このように分析すると、ロシアの外国に対する脅威は半端なものではないことが十分に理解できます。

そうして、中国を封じ込めたいということで、まさにロシアと日本の利害は一致しているわけです。

中国を封じ込めたいということでは、ロシアと日本の利害は一致している
さて、首脳会談に対する日本側の関心は「北方領土が返ってくるか否か」に集中しています。歯舞、色丹の2島返還が実現するとの期待が高まっていた事情もあって「2島返還は当然。国後、択捉にも道筋が付かなければ失敗」という厳しい見方もあるほどです。

4島の帰属問題と対ロ経済協力が今回の会談のテーマなのですから、日本側で北方領土の行方に関心が集中するのは当然ではあります。そもそも4島は先の戦争終結後のどさくさに紛れて旧ソ連が奪ったのだから、返してもらうのは当然でもあるとは思います。

しかし、日本とロシアが友好関係が深まれば、今度は中国にとって脅威になります。中国とロシアは地中海や日本海で合同軍事演習をしたり、たびたび首脳会談を開いて蜜月ぶりをアピールしてきましたし、軍事技術においてはまだまだ中国はロシアに頼りっきりです。

現在に中国で日本や米国とまともに渡りええる戦闘機は、ロシアから輸入した最新式のスホーイ戦闘機のみといっても良いくらいです。

そんなロシアが日本と北方領土問題の解決で一致したり、日本が本格的な対ロ経済協力に乗り出せば、中国は脅威に感じるはずです。現在中国を1番の潜在的脅威と認識している日本にとって日ロ友好は、中国を牽制する上でこの上ない良い機会となります。

日本がいくら「日本はこうありたい」と理想論を語ったとしても、自分だけではどうにもなりません。

いくら「平和な日本でありたい」と願ったとしても、他国が侵略してきたら日本の平和は維持できません。そんな時に、憲法9条があっても、何の役にも立ちません。実際に北朝鮮は今年日本海に21発のミサイルを発射しています。中国は軍艦を動員して尖閣諸島を脅かしています。韓国は、未だに竹島を実力で占拠しているます。

日本の平和と安定はアジアの平和と安定抜きには考えられない
こういう現実の中では、日本はできるだけ多くの国と友好関係を深めて、中国や北朝鮮が暴発しないように抑止していくことが日本の安全保障にとってより良いことになります。無論、中国や北朝鮮などと直接友好関係を結ぼうにも、結べるものではありません。

こんなときに、日本がロシアとの友好関係を深めれば、ロシアは中国になど軍事技術を供与しなくても良いと考えるかもしれません。もし、そう考えなかったにしても、中国側はそのように受け取るかもしれません。

安全保障のダイヤモンドを構想し、それを全方位外交を通じて実行してきた安倍総理は、当然の腹の中で、このように考えており、何とか、中国封じ込めの一角にロシアを加えたいと当然考えていることでしょう。そうして、これは、今回の日露首脳会談の目的の一つであることは間違いありません。

ロシアのプーチンは、以前にもこのブログに掲載したように、政敵は暗殺するなどして容赦なく潰すのが常であり、腹の中では何を考えているかは見えないところがあります。だから、本当に信頼できるかどうかはわかりません。

しかし、私たちは、中国やロシアのやり方で学ぶべきところがあります。それは、腹の中では互いに相手を信頼していないにもかかわらず、中ロはウクライナ危機をきっかけに中さらに接近したように首脳会談などを実施して見せつけて、日米へのけん制を強めるように中ロは動くと、世界中に思わせたという実績があります。

これは、ルトワック氏には見ぬかれてしまいましたが、成功していれば、ロシア・中国連合は、日本はもとより、世界中の国々にとって、かなりの脅威となったことでしょう。ロシアの軍事技術と、中国の経済力が結びつけば、これは大変なことです。しかし、現実はそうではありませんでした。

日本も彼らのこのやり方を参考にして、中国に脅威を与えるべきです。実際にその効果はブログ冒頭の記事にある、新華社の「ロシアを引き込み、中国を包囲しようとの考えは希望的観測に基づく妄想だ」という言葉にもあるように、中国は日露首脳会談に警戒感を抱いています。

安倍総理としては、ロシアをうまく操って中国の脅威を少しでも除去できるように努力して頂きたいです。

日露首脳会談そのものについては、いずれ日を改めて、掲載したいと思います。それにしても、日本のメディアや知識人など、このような見方は全くできないようで、単なる領土交渉とそのための経済協力の話くらいにしか思っていないようです。だから、本日は日露首脳会談がらみのテレビ番組など見ていません。あまりにくだらなく幼稚です。

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2016年4月7日木曜日

日米比越4カ国で中国を威嚇 海自護衛艦の“歴史的”寄港で南シナ海「対中包囲網」―【私の論評】マスコミが絶対に国民に知られたくない安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!


海上自衛官「いせ」 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

 日米両国が、フィリピンやベトナムとともに、南シナ海で軍事的覇権を強める中国を封じ込める動きを見せている。米原子力空母「ジョン・C・ステニス」が同海に展開するなか、海上自衛隊の護衛艦や潜水艦がフィリピンに寄港したのだ。護衛艦はベトナムにも向かう。海自最大級のヘリコプター搭載型護衛艦「いせ」も近く、フィリピンに寄港予定で、南シナ海の「航海の自由」を断固守る覚悟といえそうだ。

 海自の護衛艦「ありあけ」「せとぎり」と、練習用潜水艦「おやしお」は3日、南シナ海に面したフィリピン・ルソン島のスービック港に入港した。日本の潜水艦のフィリピン寄港は15年ぶりという。

フィリピンのスービック港に寄港した海上自衛隊の潜水艦「おやしお」(左)、護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」

 スービックは、アジア最大の米海軍基地が1991年まで存在した良港であり、中国は米軍撤退後、フィリピンも領有を主張していたミスチーフ(中国名・美済)礁に勝手に軍事施設を建設した。

 中国による「南シナ海」支配の野望を実感させる港に、海自艦船が寄港したことは、各国メディアも注視している。

 ロイター通信は先月、「艦艇の寄港は受け入れ国と親密な関係にあることを示すことになり、南シナ海でフィリピンと領有権を争う中国への牽制(けんせい)につながる」と事前に報じた。

 AFP通信は3日、「この港は中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー(同・黄岩島)礁から200キロの位置にある」としたうえで、フィリピン海軍の報道官の「今回の寄港は、地域の平和や安定の持続的促進および近隣諸国の海軍との協力強化が目的」との発言を伝えた。

 これだけではない、海自が誇るヘリ搭載型護衛艦「いせ」が今月中にも、スービック港に寄港する。同艦は、全長197メートル、全幅33メートル、基準排水量1万3950トン。乗員350人。200メートル近い全通甲板を備え、最大11機のヘリコプターが搭載可能だ。海自護衛艦の中でも屈指の哨戒ヘリ運用能力を持ち、潜水艦への警戒・監視活動に威力を発揮する。

 「いせ」は、今月12~16日の日程でインドネシアのパダンで開かれる多国間共同訓練「コモド」や国際観艦式に参加し、捜索・救難訓練や指揮所訓練などを行う。その後、南シナ海に入り、米海軍とフィリピン海軍との共同訓練を行う方向だ。

 さらに注目すべきは、「ありあけ」と「せとぎり」がフィリピン寄港後、日本の護衛艦として初めてベトナム・カムラン湾に寄港することだ。

 カムラン湾は、中国が覇権を強める南シナ海・パラセル(同・西沙)諸島や、同・スプラトリー(同・南沙)に近い軍事的要衝である。

 海自幹部は「特定の目的で(寄港地を)選んだわけではない」というが、西アジアの安全保障のために、日本と米国が、フィリピンやベトナムと連携して、中国を牽制・包囲する狙いが伝わる。

 世界の最重要シーレーンである南シナ海について、中国の習近平国家主席は昨年9月、オバマ米大統領との米中首脳会談で「南シナ海を軍事拠点化する意図はない」と語っていた。ところが、地対空ミサイルや対艦巡航ミサイルを配備した後に行われた先月31日の同会談では、習氏は「中国の主権を侵害する行為は許さない」と開き直った。

 中国の暴走を止められないのか。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「南シナ海の『航行の自由』が保障されなければ、世界経済の深刻なダメージとなる」といい、続けた。

ジョン・C・ステニス
 「米中首脳会談に合わせて、米国は空母『ジョン・C・ステニス』を派遣して中国に圧力をかけたが、首脳会談は平行線に終わった。海自護衛艦のベトナム寄港は歴史的な出来事だ。日本の安全保障政策は新たなステージ入った。日米とフィリピン、ベトナムの4カ国による『対中包囲網』が形成されるとみていい。これにインドネシアも加わる可能性がある」

【私の論評】マスコミが国民絶対に知られたくない、安全保障のダイヤモンドの完成(゚д゚)!

このような報道、やはり日本のテレビや、新聞でもほとんど報道しません。これは、何を意味するのか、日本のメディア自身も把握していないのでしょう。情けないことです。

今回の目玉はやはり「いせ」の南シナ海への寄港でしょう。「いせ」は厳密には、空母ではないものの、少し改装でもすれば、すぐにでも空母にもなるような艦艇です。これは、おそらく、戦後初めての南シナ海への空母の派遣ということになります。

米国は日本に対し、南シナ海で、無人有人の偵察機や、探知用のレーダーつきの軍艦、潜水艦などを出して、中国軍の動向について情報する「情報・監視・偵察(ISR)」をやってほしいと要望し続けています。しかし、日本は、まだ日本の領海である南西諸島など東シナ海でのISRを拡大している最中で、まったくの外国である南シナ海でISRを始める余力がない、と米国に返答しててました。

日本は自国周辺のISRについて、長らく米軍に全面依存し、独自の情報収集機能をほとんど持たなかったのですが、冷戦中からソ連に対する対潜哨戒活動を強化し、現状ではその能力は世界のトップクラスになっています。無論中国のそれと比較すると、数段上のレベルにあり、当面中国が追いつけるようなレベルではありません。

しかし、一時的な航行でなく、日本が南シナ海で恒常的に中国軍の動向を把握するISR(軍事諜報活動)を行うとなると、話は全く違ってきます。東シナ海は日本の領土領海なので、そこでのISRは正当な防衛ですが、日本と直接には関係もない南シナ海で日本が恒常的なISR活動を行うことは、南シナ海を中国の領海や経済水域でなく全くの「公海」とみなしたとしても「外国への軍事的影響力の行使」「覇権行為」とみなされることになります。特に、日本国内ではそうです。

ただし、ISRについては、日本はすでに海外の実績があるのも事実です。それは、ソマリア沖の海賊対策として、日本の海上自衛隊はすでに対潜哨戒機を派遣して、海賊の監視活動にあたっており、かなりの成果を収めています。

ソマリア沖の海賊の監視には自衛隊が活躍している
この方面で、自衛隊は、水上部隊は護衛艦(対潜ヘリ搭載ミサイル駆逐艦)2隻、対潜ヘリ4機からなり海保から8名が同乗し海上警察活動をしています。

航空部隊は2機の対潜哨戒機と水上部隊所属機のヘリの整備も行う整備隊など約150名、基地の運営と警備を行う陸自部隊約50名、日本とジブチ間の補給物資の輸送を行う空自の輸送機部隊からなります。

この海賊対策は、多国籍軍によって行われていますが、昨年は海上自衛隊の伊藤弘海将補が昨年の5月末から7月末まで多国籍軍の司令官を勤めました、自衛隊としては初めて多国籍部隊のトップということになりました。

伊藤弘海将補
このような実績もあることから、米国が、台湾、フィリピン、南シナ海という一体の地域・海域を日本の自衛隊の活動地域として指定し、台湾とフィリピン、中国、東南アジアがそれを了承したとしたとすれば、日本がソマリア沖のように南シナ海でISRにあたるということは十分にあり得ます。



米軍と自衛隊の艦隊は、昨年10月19日までインドとの3カ国の合同軍事演習(Malabar 2015)に参加したかえり、日米軍が一緒に南シナ海を通った時に、10月28日から2週間ほどの期間で、初めての南シナ海での日米合同軍事演習を行いました。中国を敵に見立て、航行の自由を確保する軍事演習などが行われました。こうした流れから考えると、日本が南シナ海で中国を牽制するようになる日は、意外と近いかもしれません。

なぜかといえば、元々安倍総理は、総理大臣になる直前に、外国のサイトに安全保障のダイヤモンドに関して寄稿しているからです。

これについても、日本のマスコミはほとんど報道しなかったので、日本人でもこの重要な構想については知らない人が多いようです。

これについては、このブロクにも過去に掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、力による現状変更を目論む中国に対して、周辺諸国が協力して、以下のような安全保障のダイヤモンドを構築して、中国の囲い込みを行うという構想です。
この構想が公表されたのは、安倍総理が総理になる直前の、2012年12月27日のことです。安倍総理は、この頃から今日の南シナ海の状況を予見したともいえます。

安倍総理が総理になってから、全方位外国であらゆる国を訪問し、特に上記のダイヤモンドを形成することになる国々にも訪問して、その都度安全保障のダイヤモンドの実現のため鋭意努力されました。そうして、各国の首脳にこの構想に対して、賛意を評していただいたため、構想事態は間近と見て良いくらいです。

後は、実際に軍事的にも中国を封じ込める体制を整えることになりますが、それに対してもブログ上記の記事にあるように、安倍政権は着々と歩を進めているようです。

南シナ海での海上自衛隊の監視活動、いずれそう遠くない将来に始まると思います。そうして、東シナ海でも鉄壁の防備をすることが、このセキュリティーダイヤモンド構想の完璧な完成ということになります。

オーストラリアは、「そうりゅう型」潜水艦を日本から導入することを検討しているようで、もし「そうりゅう型」を導入しなかったとすれば、中国の影響から抜け切れていないと見るべきとする向きもありますが、いずれの潜水艦に決まったにしても、強固な日米比越の対中国包囲網が出来上がった後では、これに追随せざるを得ないでしょう。

米軍としては、及び腰オバマ大統領の後の大統領になったとき、中国が南シナ海での軍事行動をやめなければ、早期に決着をつけるべきでしょう。無論、爆撃するか、埋め立てられた環礁を包囲して、中国側の補給路を絶つなどして、それで中国の出方をみて、それでも中国が反撃をするなら、攻撃して粉砕するのです。

それで、本格的な戦争になったとしても、中国に米国や、安全保障のダイヤモンドに対抗したとしても勝てる見込みは全くありません。

もし、中国の南シナ海での暴挙をそのまま許しておけば、いずれとんでもないことになります。それこそ、中国は沖縄奪取、日本奪取、フイリピン、インドネシア、ベトナム奪取へと突き進むでしょう。

それは、中国が建国されてからまもなく、チベット、ウィグル、内蒙古に侵略したことからも明らかです。

まずは、手近ですぐにできる、陸続きの軍事的に弱い国々から侵略を開始しましたが、中国の欲望はとどまるところを知らず、今度は海洋においてそれを実践しようとしているのです。

そのようなことだけは、断固として避けなければなりません。その防波堤の役割を果たすのが安全保障のダイヤモンドです。そんなことは、当たり前のことなのに、日本のマスコミは中国の息がかかっているのでしょうか、安全保障のダイヤモンドの存在を絶対に日本国民に知られたくないようです。

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2013年3月30日土曜日

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々―【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々


安倍晋三首相は30日から、就任以来5カ国目の外遊先としてモンゴルを訪問する。これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)の3カ国と米国を自ら訪れ、オーストラリアとも活発なな外交を展開。今後はインド首相の来日も予定される。一見ばらばらに映るこれらの外交だが、いずれも日本の対中国戦略に欠かせないピースに他ならない。

中国とロシアに挟まれるモンゴルは、日米欧を「第三の隣国」と位置づけ、経済面などでの中露への依存度を下げる外交戦略を描いている。首相はこの戦略に歩調を合わせて連携を深めれば、「対中包囲網というパズルを埋める上で有効な『北方』のピースになる」(政府高官)と判断し、今回の訪問を決めた。

この記事の続きはこちらから!!

【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!


安倍首相、モンゴル訪問の裏の目的は、中国牽制と鉱物資源開発での協力であることははっきりしていると思います。また、モンゴルは北朝鮮と国交があることも視野にいれているものと思います。

それにしても、安倍総理今回のモンゴル訪問も、本当に抜け目がないです。このようなことを見て、ただ親善訪問などと思っているいる人はいないとは思いますが、もしいたら、よほど鈍感な人だと思います。一連の安倍総理の動きは、中国包囲の意図もありますが、アメリカに対する牽制でもあります。

日本としては、アジアにおいて、アメリカと中国が強力に結びついて、日本が除外されるということにでもなれば、大きな損失です。これは、日本だけではなく、多くの国々にとって大きな損失となります。そんなことにならないために、中国包囲網を築き、このブログにも再三掲載したように、安全保障のダイヤモンドを着々と築いていっているのです。 TPP交渉参加も、対中国包囲網の一つです。

そもそも、安倍総理が、オバマ大統領と会談した後の発表を覚えいらっしゃるでしょうか?以下にその時の動画を掲載します。

訪米中の安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した。


この動画は、訪米中の安倍晋三首相が22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した後の声明の発表に関するものです。

北朝鮮の核実験に対し、両国が連携して厳しく対処する方針を確認。日米両首脳は環太平­洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加について「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」と確認する共同声明を発表しました。

首相は会談後、記者団に「日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言­したい」と述べました。

この強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言というところに、注目していただきたいです。実際には、虚々実々のやりとり、かなり強烈なやりとりがあったようですが、安倍総理は、最後にこのようにダメ押しをしています。安倍総理は、このようにはっきり言うことにより、オバマ大統領の言質をとっています。

言質をとるとは、相手の言ったことを自分の言葉に置き換えて、相手の発言の意味をとることです。相手の言葉の言質を取るのは、自分が相手の言葉を理解するために必要なことです。

また、言質を取るのは相手にも自分の発言が理解されたということを示すうってつけの行動です。安倍さんのこの言質は、それを超えて、オバマ大統領に対して、全世界の人々の目の前で、同盟関係を確かなものにしなければならないという負い目すら与えているという点で、大成功だったと思います。

それに、TPPに関して、「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」という言質をとることにも成功しています。

この二点においても、この会談は日本側からすれば、かなり成功したものと思います。そうして、この会談の前から、安倍総理は、安全保障のダイヤモンド構想を発表しており、その後の発言、行動なども、この構想と全く矛盾していないどころか、完全に一致しているし、整合性があります。

それにしても、この安倍さんの一貫した態度当たり前だと思ってもらっては困ります。それは、過去の民主党の総理大臣の態度と比較してもらえば良くわかります。以下にその良い事例となる動画を掲載させていただきます。



この菅、胡錦濤会談は、あまりに酷すぎますが、これと比較すると、安倍総理の行動が、確たる信念を持って行われてるいることが良くお分かりになると思います。菅さんをはじめとする、民主党の閣僚の外遊などとは比較の対象にもなりません。

それから、今から思えば、とんでもない小沢さんの朝貢外交もありました。その時の動画を以下に
掲載させていただきます。


これは、2009年のことですから、2010年の中国漁船の巡視船の体当たり事件の前の年にあたります。本当に、今から見ると、バカ真似以外の何ものでもありません。

こんなことも、配慮せずに以下のような見方をするマスコミもあります。

「オバマ・安倍会談」の成果は特になし

 これは、言質を取られた側の米太平洋軍太平洋安全保障研究センターのジェフリー・ホーナン准教授への東洋経済によるインタビューです。言質を撮られた側として、成果は特になしとして、打ち消ししておいたほうが、アメリカの国益にはかなっています。マスコミはやはり、こういう報道をして、安倍総理の成果を日本国内でなるべく薄めたいのだと思います。

それにしても、オバマ大統領との単発の会談だけではこの手は成功しても、その後の安倍総理の外遊と、その行動を見ていれば、安倍外交の全面否定はできないものと思います。 安倍総理は、すでに情報戦を開始して、意図して意識して一連の外遊を行なっているということです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月24日日曜日

海自飛行艇 印へ輸出 中国牽制、政府手続き着手―【私の論評】安全保障のダイヤモンドへの地固めは着実に進んでいる!!

海自飛行艇 印へ輸出 中国牽制、政府手続き着手:

US-2
政府が、海上自衛隊に配備している水陸両用の救難飛行艇「US-2」をインドに輸出するための手続きに着手したことが23日、分かった。インドは日本側に救難活動や海賊対策でUS-2を導入する方針を伝えてきており、製造元は現地事務所を設け、インド政府との交渉に入った。日本にとり輸出による生産増で1機当たりの製造コストを下げ、自衛隊の調達費を低減させるメリットがある。

この記事の続きはこちらから!!



【私の論評】安全保障のダイヤモンドへの地固めは着実に進んでいる!!



US-2は、海上自衛隊が運用する救難飛行艇。製作は新明和工業。US-1Aの後継機体です。US-1Aは優れた飛行艇であったが、いくつかの問題も抱えていました。特に海上自衛隊からは、離着水時の操縦性の改善・患者輸送環境の改善・洋上救難能力の維持向上などが要求されていました。これらの課題に対して、US-1Aの近代化に向けた研究は新明和工業社内で1991年(平成3年)から行われており、防衛庁(現 防衛省)の指名によるUS-1A改開発は1996年(平成8年)10月から新明和を主契約会社、川崎重工業、富士重工業及び日本飛行機(日飛)を協力会社として開始されました。

当時世界最大の飛空艇二式大艇

この飛行艇は世界で最も優れている点があります。それは何かといえば、嵐で波が高くても、離着陸がしやすいというものです。この性能にかけては、世界一です。さすが日本の飛行艇です。新明和ほどこの性能に優れた飛行艇をつくることは、他の国ではできないことです。

新明和工業株式会社(しんめいわこうぎょう、英: ShinMaywa Industries, Ltd.)は、兵庫県宝塚市に本社を置く日本の機械メーカーでした。戦前は川西財閥傘下の航空機製造会社でした。

紫電


戦時中に、世界最大の飛空艇二式大艇や局地戦闘機紫電、紫電改を開発製造したメーカーとして知られています。前身の川西航空機時代から優れた航空機のメーカーとして知られていましたが、戦後は民需転換に成功し、天突きダンプ、じん芥車、水中ポンプ、機械式駐車場、理美容機器と、航空機以外にもユニーク且つ多彩な製品を持つメーカーとして評価されています。ただし、自衛隊にUS-1飛行艇を納品しているので戦争当時のノウハウが生かされているといえます。

紫電改

さて、この新明和私は、高校生くらいの頃から知っていました。なぜ知っていたかといえば、私が通っていた床屋さんの椅子が新明和製だったからです。椅子だったから、鏡のほうだったか忘れましたが、確か「新明和」とはっきりメーカー名が記されていました。そこで、いつも髪を刈ってもらっていたので、「新明和」といえば、床屋の椅子というようなイメージを持っていました。

サイトでみつけた、新明和の床屋の椅子。私がお世話になったのはこれに近いものでした。


ところが、あるときに本屋さんに行くと、 US-1の開発物語が掲載された文庫本が売られており、立ち読みしたら、何とあの床屋さんの椅子のメーカーである「新明和」が開発したこと、それどころか、このメーカーがあの二式大艇や、紫電、紫電改を作ったメーカーであることを知り、びっくり仰天してその書籍を買い求めて、家で一気に読んでしまったことを覚えています。その書籍の内容は忘れてしまいましたが、とにかく開発者らの感動的な物語であったことは、はっきり覚えています。

ポーランドのセクシーなお姉さんが髪をカットする床屋さん。お客さんも満足げ?

その後、床屋に行ったときは、床屋のお姉さん(注:私の行っていたのは上の写真のような床屋ではなく、普通の床屋(笑!!))に、その話をしたことを覚えています。このお姉さんも、新明和が二式大艇や紫電改のメーカーであったことなど知らなかったようで驚いていたことを覚えています。ちなみに、この床屋さんにはこの美人お姉さんがいたのて、それ目当てに行っていたというのは事実です。なにやら、髭をそってもらったりいろいろしていると、お姉さんの胸などが体にあたったり、いろいろ作業をしていると、作業衣の隙間から下着などが見えたりして、頭の中は、上の写真のような妄想状態でした(笑)!!今では良い思いでです。今回の話題で久しぶりにこのことを思い出しました。

この新明和現在では、理容室の椅子は製造していません。椅子の分野からは、2008年に撤退しています。理容室の椅子のシェアとしては当時は以下のようなものだったと思います。
タカラベルモント…70%
新明和…20%
その他…10%
撤退の理由は結局高齢化でこれから伸びることはない事業であること、それに、2008年といえば、デフレ真っ最中であり、しかも、リーマンショックがあったということもあり、断念したのだと思います。それに、椅子を作っていたのは、新明和本体ではなく、新明和リビテック株式会社という子会社だったということです。

これも、ポーランドの床屋。いかがわしいサービスはしません。本当に床屋だけのサービスです。

それにしても、今では床屋の椅子は作っていないものの、今の新明和でも手がける製品は本当に幅が広いのでびっくりしてしまいます。 軍事産業からの転身がうまくいった格好の事例だと思います。

そうして、この事実は今の日本の軍事産業を象徴しているように思えます。 とにかく武器輸出三原則なるものがあります。

武器輸出三原則とは、共産圏と国連決議による武器禁輸措置をとられた国、及び紛争地域への武器輸出を禁止したものであり、他の地域への武器輸出は「慎む」とされているため、武器輸出そのものを禁止しているわけではありません。しかし、日本は原則として武器および武器製造技術、武器への転用可能な物品の輸出をしていません。

武器輸出三原則によって原則に当てはまる武器輸出が事実上禁止されているますが、このことを直接規定した日本の法律は存在しません。

この武器輸出三原則により、政府が武器もしくは、武器に転用可能なものは輸出できにくい状況にありましたが、野田政権のときに武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出三原則」の緩和を正式に決め、官房長官談話として発表しました。それまでは、例外として輸出を認めるかどうか個別に判断していました。これを抜本的に見直し、新たに設ける基準に従い、平和・人道目的や、国際共同開発・生産への参加であれば輸出を容認することとしたのです。



この「US-2」の輸出もこうした輸出緩和の流れの中でのものだと思います。特に、US-2の場合は、海難救助用ですから、インドに販売するのは、何も問題がないのだと思います。でも、インドがどのように使うかはまた、別問題です。嵐であっても、このUS-2なら、武装集団を派遣する事が可能です。そうして、こうしたことを続けているうちに、いずれは、 US-2にミサイルや機関砲を装備したものも売れるようにすれば良いと思います。二式大艇の場合は、武装もしていました。飛行場がないところでも、飛ばして長距離爆撃機にできます。

そうして、インドに売るということには意味があると思います。それは、このブログの過去の記事にも、掲載したように、安倍総裁が提唱する安全保障のダイヤモンドの一角にはインドが含まれているからです。

安全保障のダイヤモンドに関するこのブログの過去の記事を以下に掲載します。

尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!! 

 



詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、安全保障のダイヤモンドについてのみ以下にコピペさせていただきます。

  (安倍首相は)「南シナ海には核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原子力潜水艦の基地とするのに十分な深さがある」「間もなく中国海軍の新型空母が頻繁に見かけられるようになる」「中国の周辺諸国を恐れさせる事態」などと記したうえで、中国の海洋覇権を防ぐために、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイが、インド洋から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しています。 
    この構想を進めるためか、岸田文雄外相は13日にオーストラリアに飛び、同国のカー外相と会談。米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意しました。 
    さらに、安倍首相は東南アジア歴訪の最後に訪れたインドネシアで18日、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、中国を強く牽制しました。 
    注目の論文では、セキュリティー・ダイヤモンドを強化するため、英国やマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています。英国は、もともと、マレーシア、シンガポール、ニュージランドのなどの宗主国でした。フランスも、この地域にかつて、植民地があり、タヒチの宗主国でもありました。 
    この構想には、周辺諸国は諸手をあげて賛成しています。もう時代は変わりました。このような構想を発表しても、周辺諸国は、日本の軍事力に脅威をいだくどころか、中国の脅威をかわす、希望の星です。
この安全保障のダイヤモンド一朝一夕 にしてできるものではありませんが、今回のインドへのUS-2の輸出はこのための良い下準備となるものと思います。

どんどんこの路線を進めて、中国の海洋進出の野望を挫くことは、周辺諸国の切なる要望だと思います。私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年3月17日日曜日

安倍首相のFacebookに韓国人・中国人が反日コメント するも、 何故かフランス人が論破した件―【私の論評】この件は安倍総裁の安全保障のダイヤモンドが関係しているかもしれない。もっと、俺達も海外にアピールしようぜエ~~!!

安倍首相のFacebookに韓国人・中国人が反日コメント するも、 何故かフランス人が論破した件



 ●戦場は安倍首相のフェイスブック
先日、安倍晋三首相がFacebookで中国を批判しました。

    3月11日の東日本大震災慰霊式典に「台湾の代表の取り扱い」を理由に中国が欠席いしました。

    昨年行われた慰霊式典では、台湾の代表は招待され出席していたにも関わらず名前すら読み上げられませんでした。
    震災発生時、台湾は世界のどの国よりも多額の200億円を超える義援金を贈ってくれた大切な日本の友人です。台湾の人々の気持ちを傷つける非礼な対応でした。
    今年はこの対応を改め、台湾に対し感謝の意を込めて「指名献花」をしていただくことにいたしました。

    このことに対して中国が代表を送らなかったことは大変残念なことであります。
    しかし私達はこれからも礼儀正しくありたいと思います。
    そして多くの支援をいただいた台湾をはじめ全ての国に対して、感謝の思いでいっぱいであります。



原文写真ともにそのまま引用。

この記事の続きはこちらから!!
■著者データ
ガジェ通ウェブライター
ウェブサイト: http://anews.jp/
TwitterID: anewsjp
 【私の論評】この件は安倍総裁の安全保障のダイヤモンドが関係しているかもしれない。もっと、俺達も海外にアピールしようぜエ~~!!


上の安倍総理のコメントに、最初は韓国人が身勝手なコメントをいれ、フランス人にたしなめられたわけです。そうして、次の段階では、今度が中国人が、身勝手なコメントを入れ、再度フランス人にたしなめられたということです。

このフランス人の日本語は確かに素晴らしいもので、私は最初ひよっとして日本人がフランス人を装って書いているのかと思ったほとです。しかし、この人のプロフィールをみてみると、やはりフランス人のようですし、それに、facebookは、他の匿名のサイトとは違い、実名を旨としているSNSなのでやはり知日家フランス人なのだと思います。

それにしても、フランス人が掲載しているということで、この記事は信ぴょう性が高まるものと思います。直接関与する国の人間である日本人や、中国人などよりも、第三者的な立場のフランス人が書いたほうが、説得力があります。おそらく、日本人が反論を書いても、他の国の人がみれば、フランス人のかいたもののほうが説得力があると思います。

そうして、思ったのは、この安倍総理の記事や、それに対する韓国人や、中国人のコメントにたまたまこのフランス人の方の目にとまったため、今回はこのような結果になったと思います。しかし、このようなことはいくらでもあります。

特に、昨日もこのブログに掲載した中山成彬議員による、従軍慰安婦問題の虚偽に関するものなど、私たち日本人としても、ことかあるごとに世界に訴えていくのは無論のことですが、やはり、フラン人をはじめとして日本以外の外国の人達に知ってもらい、それを拡散してもらうようにすれば、かなり効果的と思います。

そうして今回のこの件も、安倍総裁が外国の人達に対して行ったアピールの結果のせいでもあるのだと思いいたりました。そうです。あの、安倍総理による安全保障のダイヤモンドにも関連しているのではないかと思い足りました。このブログには、このダイヤモンド構想についても掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

尖閣侵犯、野田内閣“弱腰”で中国エスカレート 曳光弾封印…―【私の論評】知れば知るほど、納得する安倍総理の凄さ!!安全保障のダイヤモンドを知れ!!

詳細は、上記の記事をご覧いただくものとして、安全保障のダイヤモンドについてのみ以下にコピペさせていただきます。

 
(安倍首相は)「南シナ海には核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原子力潜水艦の基地とするのに十分な深さがある」「間もなく中国海軍の新型空母が頻繁に見かけられるようになる」「中国の周辺諸国を恐れさせる事態」などと記したうえで、中国の海洋覇権を防ぐために、日本とオーストラリア、インド、米国ハワイが、インド洋から西太平洋に広がる海洋権益を保護するダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しています。

この構想を進めるためか、岸田文雄外相は13日にオーストラリアに飛び、同国のカー外相と会談。米国を含めた安全保障分野の協力を加速させる方針で合意しました。

さらに、安倍首相は東南アジア歴訪の最後に訪れたインドネシアで18日、法の支配と自由で開かれた海洋の重視などを掲げた「日本外交の新たな5原則」を発表し、中国を強く牽制しました。

注目の論文では、セキュリティー・ダイヤモンドを強化するため、英国やマレーシア、シンガポール、ニュージーランド、タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています。英国は、もともと、マレーシア、シンガポール、ニュージランドのなどの宗主国でした。フランスも、この地域にかつて、植民地があり、タヒチの宗主国でもありました。

この構想には、周辺諸国は諸手をあげて賛成しています。もう時代は変わりました。このような構想を発表しても、周辺諸国は、日本の軍事力に脅威をいだくどころか、中国の脅威をかわす、希望の星です。
上の文書で注目していただきたいのは、太字で示した「タヒチのフランス太平洋海軍との連携についても触れています」というくだりです。安倍総理は、フランスにもこのダイヤモンドに加盟していただきたい旨をアピールしていたわけです。

この安倍総裁のアピールが、このフランス人の頭の中にあったのだと思います。中国が、この海域を我が物顔で動きまわるようになれば、フランスのタヒチにおける権益も脅かされるわけです。そうです。フランスの国益にも影響がでるわけです。そうして、韓国人や、中国人の反日コメントをみつけて、論破する気持ちになったのだと思います。

それにしても、この類推は多いにありうることだと思います。この件につき、いずれ、このフランス人に質問をしてみようと思います。

安倍総理のように海外の人々に日本をアピールしよう!!

いずれにせよ、この類推があたっていようとあたっていまいと、安倍総理のように機会があれば、海外にもアピールしておくことにより、中国などの国が日本に対して理不尽な要求をつきつけたり、韓国のように歴史を歪曲したにしても、外国の人にから反論していただければ、他の国久の人びとへの影響力が大きくなります。

このようなことを私たちも心がけるべきと思います。私自身もSNSやビデオチャットで、海外の人々とコミュニケーションをはかるときに、このようなことをするように心がけています。みなさんも、そのような機会があれば、是非心がけていただければ、日本が理不尽な扱いを受けても、海外の人々に擁護していただける確率が高まると思いますので、そうしていただれたら幸いです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2013年2月19日火曜日

【脱中国元年】英、独の中国擦り寄りと反日暴動の深い意味 複雑怪奇な世界情勢―【私の論評】 対中国政策が示す日が沈むEU、日が昇る日本。すでに不退転の決意を示している日本国民!!

【脱中国元年】英、独の中国擦り寄りと反日暴動の深い意味 複雑怪奇な世界情勢

頻発する反日デモ。中国は英、独との接近を背景に日本との緊張関係を恐れなくなった
 世界情勢は「複雑怪奇」に激変の最中である。日本人はとかく「西側同盟」と「日米同盟」が堅い絆で結ばれていると勘違いしている。国際政治の舞台裏では「昨日の敵は今日の友」「今日の友は明日の敵」である。

NATO(北大西洋条約機構)で団結していたはずの欧米同盟とて、中国と対立する米国に意外な方向から敵対者が出現した。何と、英国とドイツが米国に敵対 的態度を示すようになったのである。英、独は中国に異常接近し、特に、英国は金融市場で、ドイツは製造分野でこれまで以上の中国重視政策にかじ取りを変え た。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】 中国政策が示す日が沈むEU、日が昇る日本。すで不退転の決意を示している日本国民!!

宮崎正弘氏
上の記事なかなか、面白かったです。さすが、宮崎氏です。ドイツとイギリスが今のこの時期に中国に大接近とは、ドイツもイギリスも落ち目ということでしようか?EUというと、私は昔からこのブログで掲載してきましたが、おそらくうまくいかないと思います。EUの前進になるような組織は昔からありました、古くは神聖ローマ帝国から、ナポレオンのヨーロッパ統一、ヒトラーの統一と、とにかくヨーロッパに住む人々は、ローマ帝国に憧憬の気持ちを強くもっていて、一つにまとまって強くなろうとするのですが、ことごとく失敗してきたわけです。

私は、この最終の最新版がEUだと思っています。現在のEUも、特に経済統合には無理がありすぎです。ドイツや、イギリスの経済とスペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャなどの経済はあまりにも異なっています。これらの国々が一つの経済圏で活動するにはあまりにも無理がありすぎます。だから、先の例に漏れることなくいずれ瓦解するのであろうと思っています。

最近のEUの様子を示す興味深い動画があります。



公開日: 2013/02/14

上記の動画は、一時帰国中の川口マーン惠美氏をお招きし、負担と分け前を巡って紛糾した、EU予算編­成での英国の功績や、それに便乗したドイツの強かさなどについてご解説いただくほか、­利権にまみれた農業問題と、国境無き「馬肉問題」、退位を表明したベネディクト16世­の話題など、混乱するEUの現状についてお聞きしたものです。


上の動画でお分かりになるように、EUの予算年度は7年間という長期にわたるものです。いくら、大所帯とはいえ、予算が7年というのでは、あまりにも長すぎです。これでは、硬直的であり、予算年度の間に何か不測の事態があった場合柔軟に対応できないと思います。

こんな状況ですから、ドイツもイギリスも、EU外に、投資先や輸出先を求めて、すでに落ち目の中国に接近せざるを得ないというところなのだと思います。ドイツなどは、自然エネルギーに力を入れ、原発を廃止することを決めていいます。これでは、落ち目になるのは、目に見えています。イギリスにも昔日の面影はありません。それに、イギリスは日本の消費税にあたる付加価値税の大増税によって、大失敗して、大不況の状況にあります。これら二国が、中国に接近することは、両国のさらなる没落を予兆しているような気がしてなりません。


中国、韓国は、アベノミクスによる円安でもうかなり経済がズタボロになりつつあることははっきりしています。中国の習近平は、ラスト・エンペラーともいわれています。要するに、習近平は、現体制の最後の皇帝であるということです。こんな現体制の中国に投資をしたり、技術移転をすることは非常に危険です。現体制の中国と契約したり、提携したとしても、この体制が崩れれば、すべてが無駄になる確率が高いです。

これに対比すると、日本政府は賢いです。中国とはあくまでも戦略的互恵関係でいこうとしています。戦略的互恵関係とは、言葉は美しいですが、はっきりいえば、日本にとって利益になることがあれば、つき合うが、それ以外はお断りということです。 それで、良いと思います。中国と、日本が疎遠になって、互いに貿易関係がなくなったとしても、日本にとってはGDPの数パーセントに過ぎません。この程度のことは、他で埋め合わせのつくことです。しかし、中国にとっては大痛手です。なにしろ、中国のGDPの10%以上は、合弁企業などの日本の企業と関わりのある分野によるものとされています。だから先日のブログでも、中国政府は、日本企業が撤退しないようにと監視を強めているのです。

セカンド・ライフのチャイナ・ビキニの広告

両国とも、それなりに、諜報機関を持っているから、中国にはもう先行きがないということを了解しているはずです。先日もこのブログに掲載したように、日本企業は撤退すること自体が大変であるということに今更ながら気がついて苦慮しているという最中、イギリス、ドイツが日本に変わって、中国に進出しようとしているのなら、愚かと言わざるを得ません。後先を考えずにそうするには、そうするなりのわけがあるのでしょう。

日本としては、先日もこのブログに掲載したように、安全保障のダイヤモンドを早期に樹立して、フランスともてを結び、日本、アメリカ、フランス、インド、東南アジアの国々と組んで、ドイツ、イギリスが没落していくの見守れば良いだけの話です。


日本は、かつてドイツと日独伊三国同盟を結んでいました。イギリスとは、日英同盟を結んでいたことがあります。第二次世界大戦で一番損をした国はイギリスです。これに対して一番徳をした国は当時の最も邪悪な国ソ連です。アメリカにとっては、結局何も良いことはありませんでした。第二次世界大戦中にイギリスが日英同盟を破棄しなければ、世界は変わり、ソ連の封じ込めに成功し、冷戦など存在せず、ソ連崩壊も早かったかもしれません。

米国に関しては、日米開戦の10年ほど前までは、両国が戦争をするなど、誰も想像さえしなかったほど、元来は親密な関係でした。一番徳をした国は、結局ソ連です。ソ連のコミンテルンの工作により、日米開戦が画策されたということです。こんなことを書くと、それこそユダヤの陰謀に近い妄想に近いことを書いていると思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これについては最近では、倉山満氏の著書『嘘だらけの日米近現代史』にも、指摘されているところであり、これ以前から多くのまともな国内外の歴史学者らが指摘しているところですし、丹念にある程度の文献を読み解いていけば誰にも理解できることです。

しかし日本においては、マスコミがまともではなく、学者の中にも、戦後利得者もしくは、その系譜のものも多数存在すること、それに現在では日本では他国では当たり前のスパイ防止法も存在しないため、ソ連のコミンテルンに加えて、米国、中国のスパイなどが日本国内で自由に暗躍しているなどのことがあり、第二次世界大戦の真実を覆い隠しているはかりでなく、現代の各国の動きも、上の記事で宮崎氏が指摘しているように、一見複雑怪奇な世界情勢に見せているのです。

宮崎氏は、上記の記事で以下のように結んでいます。
激動・激震が予測される今後、果たして日本人は経済成長回復という甘い期待だけではなく、どれほど不退転の決意を示せるのか? 
宮崎氏の懸念は、それなりに理解できます。しかし、私はこれだけ日本の国民が中国の傍若無人さ、節操のなさ、異形ぶり、異質ぶりを見せつけられたら、不退転の決意などという次元は超えてしまい、大多数の国民がもう中国とはなるべく関わりあいたくないと思っていると考えます。中国のこうした行動が、安倍政権を誕生させたといっても過言ではないと思います。直近のアンケートでは、80%の国民が、中国を好ましくない国としています。そういった背景からみれば、日本国民はすでに中国に対して不退転の決意を示していると思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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