2013年3月30日土曜日

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々―【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!

首相外遊、5カ国目はモンゴル 対中戦略、外堀から着々


安倍晋三首相は30日から、就任以来5カ国目の外遊先としてモンゴルを訪問する。これまで東南アジア諸国連合(ASEAN)の3カ国と米国を自ら訪れ、オーストラリアとも活発なな外交を展開。今後はインド首相の来日も予定される。一見ばらばらに映るこれらの外交だが、いずれも日本の対中国戦略に欠かせないピースに他ならない。

中国とロシアに挟まれるモンゴルは、日米欧を「第三の隣国」と位置づけ、経済面などでの中露への依存度を下げる外交戦略を描いている。首相はこの戦略に歩調を合わせて連携を深めれば、「対中包囲網というパズルを埋める上で有効な『北方』のピースになる」(政府高官)と判断し、今回の訪問を決めた。

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【私の論評】安倍首相は、すでに情報戦を開始していた!!


安倍首相、モンゴル訪問の裏の目的は、中国牽制と鉱物資源開発での協力であることははっきりしていると思います。また、モンゴルは北朝鮮と国交があることも視野にいれているものと思います。

それにしても、安倍総理今回のモンゴル訪問も、本当に抜け目がないです。このようなことを見て、ただ親善訪問などと思っているいる人はいないとは思いますが、もしいたら、よほど鈍感な人だと思います。一連の安倍総理の動きは、中国包囲の意図もありますが、アメリカに対する牽制でもあります。

日本としては、アジアにおいて、アメリカと中国が強力に結びついて、日本が除外されるということにでもなれば、大きな損失です。これは、日本だけではなく、多くの国々にとって大きな損失となります。そんなことにならないために、中国包囲網を築き、このブログにも再三掲載したように、安全保障のダイヤモンドを着々と築いていっているのです。 TPP交渉参加も、対中国包囲網の一つです。

そもそも、安倍総理が、オバマ大統領と会談した後の発表を覚えいらっしゃるでしょうか?以下にその時の動画を掲載します。

訪米中の安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した。


この動画は、訪米中の安倍晋三首相が22日午後(日本時間23日未明)、初めてオバマ大統領とホワ­イトハウスで会談した後の声明の発表に関するものです。

北朝鮮の核実験に対し、両国が連携して厳しく対処する方針を確認。日米両首脳は環太平­洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加について「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」と確認する共同声明を発表しました。

首相は会談後、記者団に「日米同盟の信頼、強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言­したい」と述べました。

この強い絆は完全に復活したと自信をもって宣言というところに、注目していただきたいです。実際には、虚々実々のやりとり、かなり強烈なやりとりがあったようですが、安倍総理は、最後にこのようにダメ押しをしています。安倍総理は、このようにはっきり言うことにより、オバマ大統領の言質をとっています。

言質をとるとは、相手の言ったことを自分の言葉に置き換えて、相手の発言の意味をとることです。相手の言葉の言質を取るのは、自分が相手の言葉を理解するために必要なことです。

また、言質を取るのは相手にも自分の発言が理解されたということを示すうってつけの行動です。安倍さんのこの言質は、それを超えて、オバマ大統領に対して、全世界の人々の目の前で、同盟関係を確かなものにしなければならないという負い目すら与えているという点で、大成功だったと思います。

それに、TPPに関して、「一方的に全ての関税撤廃をあらかじ­め約束することを求められるものではない」という言質をとることにも成功しています。

この二点においても、この会談は日本側からすれば、かなり成功したものと思います。そうして、この会談の前から、安倍総理は、安全保障のダイヤモンド構想を発表しており、その後の発言、行動なども、この構想と全く矛盾していないどころか、完全に一致しているし、整合性があります。

それにしても、この安倍さんの一貫した態度当たり前だと思ってもらっては困ります。それは、過去の民主党の総理大臣の態度と比較してもらえば良くわかります。以下にその良い事例となる動画を掲載させていただきます。



この菅、胡錦濤会談は、あまりに酷すぎますが、これと比較すると、安倍総理の行動が、確たる信念を持って行われてるいることが良くお分かりになると思います。菅さんをはじめとする、民主党の閣僚の外遊などとは比較の対象にもなりません。

それから、今から思えば、とんでもない小沢さんの朝貢外交もありました。その時の動画を以下に
掲載させていただきます。


これは、2009年のことですから、2010年の中国漁船の巡視船の体当たり事件の前の年にあたります。本当に、今から見ると、バカ真似以外の何ものでもありません。

こんなことも、配慮せずに以下のような見方をするマスコミもあります。

「オバマ・安倍会談」の成果は特になし

 これは、言質を取られた側の米太平洋軍太平洋安全保障研究センターのジェフリー・ホーナン准教授への東洋経済によるインタビューです。言質を撮られた側として、成果は特になしとして、打ち消ししておいたほうが、アメリカの国益にはかなっています。マスコミはやはり、こういう報道をして、安倍総理の成果を日本国内でなるべく薄めたいのだと思います。

それにしても、オバマ大統領との単発の会談だけではこの手は成功しても、その後の安倍総理の外遊と、その行動を見ていれば、安倍外交の全面否定はできないものと思います。 安倍総理は、すでに情報戦を開始して、意図して意識して一連の外遊を行なっているということです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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