2016年2月26日金曜日

【痛快!テキサス親父】左派による洗脳が解けていない国連委 日本の主張を否定する専門家とは誰なんだ?―【私の論評】国連は元々反日!慰安婦問題をより複雑化させたのは日本国内の戦後利得者ども(゚д゚)!


外務省の杉山審議官は、国連で「慰安婦の強制連行」を否定した

 ハ~イ! みなさん。

 日本政府が国連で「慰安婦の強制連行」を否定したようだな。スイス・ジュネーブの国連欧州本部で16日、女子差別撤廃委員会の対日審査会合が開かれ、外務省の杉山晋輔審議官が断言したという。

 俺は今回参加できなかったが、親友のシュン(=テキサス親父日本事務局の藤木俊一氏)らがジュネーブに乗り込み、日本の名誉を取り戻す、素晴らしい活動をしていた。彼から報告を受けたし、英文のニュースでも見たぜ。

 杉山氏は、「韓国・済州(チェジュ)島で女性狩りをした」という虚偽の本を執筆した吉田清治氏と、彼の発言や著書を大きく報じた朝日新聞を名指ししたそうじゃないか。きっと痛快だっただろうな。ぜひ、杉山氏の全発言を英文で読みたいので、日本の外務省はHPに載せてほしい。

 ただ、国連は依然として、韓国や日本の左派グループによる洗脳が解けていないようだな。杉山氏の発言を受けた、国連側のリポート(抜粋)を読むと、以下のような記述があった。

 《専門家は、慰安婦問題に関する日本代表(=杉山氏)の解答は受け入れ不可能なものであり、矛盾に満ちたものであったと述べた。日本政府は慰安婦の存在そのものを否定しながら、この問題について韓国政府と合意に達したと言っている》

 《専門家によると、人権侵害というものは、被害者が満足を得るまでの間、生じ続けるものとみなされる》

 おいおい、「専門家」って一体誰のことだ? コメントした人物が、本当に専門家なのか分からないじゃないか。慰安婦問題は、政治的に利用しようとしている輩が多いから、きちんと明記してほしい。

 大体、日本政府は慰安婦の存在を否定していない。「強制連行を示す資料が存在しない」と言っているだけだ。これは朝日新聞が大誤報を認めてから、専門家の間では常識のはずだ。

 慰安婦問題を含む日韓の戦後補償問題は、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」している。加えて、昨年末の日韓合意で「最終的かつ不可逆的に解決」することで合意した。その専門家やらは、いつまで引っ張るつもりなんだ? 本当に専門家なのか?

 俺は以前から、国連なんて大して信用していなかった。各国の思惑が渦巻く、国益闘争の舞台だからな。今回の一件で、改めて国連の無価値さを感じたぜ。日本人は「国連=神聖なる機関」と思い込んでいる人も多いらしいが、目を覚ました方がいいぜ。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

 では、また会おう!

 ■トニー・マラーノ

【私の論評】国連は元々反日!慰安婦問題をより複雑化させたのは日本国内の戦後利得者ども(゚д゚)!

トニー・マラーノ氏
ブログ冒頭の記事でトニー・マラーノが指摘するように、日本人の中には、国連の本質を知らず国連を神聖なる機関であるとか、公正中立、正義の味方であるかのように思っている人が以外に多いです。

そもそも、国連とは、United Nations の日本語訳ですが、この日本語訳が本質を見えにくくしています。この国連とは、全くの誤訳です。正しくは、連合国です。連合国とは、無論のこと第二次世界大戦中の連合国のことです。

これを知れば、そもそも、この機関は第二次世界大戦の連合国、すなわち戦勝国のための組織であることは誰にでも理解できると思います。

これに関しては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
潘国連事務総長に高まる疑問の声 ソウル前支局長起訴に沈黙 韓国世論優先? ―【私の論評】国連の事務総長が反日的であるのは、歴史からみて、ある程度あたり前だが、やはり報道の自由に関しては、連合国側の常識に従うべき(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より国連に関する記述のみコピペします。


"
『国際連合』というと、日本では世界の殆どの国が属した平和目的のための組織と思われているようです。そうして、多くの日本人が、国により力の強弱はあれ、’正義’というモラルに反しない、反することを許さない拘束力がそこにはあるはずという思い違いをしているようです。

そもそも、国際連合を英語で何というのかを知れば、その実体は自ずと分かるはずです。

ニューヨークの国連本部 クリックすると拡大します

国際連合は、英語では『United Nations 』―直訳すると「連合した国家」ということです。 この言葉には、InternationalとかGlobal という日本語でいう「国際」という単語は入っていません。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』も、英語で『United Nations 』です。
 
なぜ、わざわざこのような名称にしたのか考えてみれば明らかです。"United Nations"には、何のための連合であるかということすら示されていません。

日本人の感覚からすれば、United Nations for International Peace 略してU.N.I.P であれば、受け入れやすいかもしれませんが、現実はそうではありません。

歴史的にいうと、日本では戦中は『United Nations』を『連合国』と訳していましたが、戦後に『国際連合』と訳を変えています。

中国では現在も「聯合國(連合国)」と呼んでいます、日本以外の国では、『連合国』と意味で国際連合をとらえています。

今更、「日本人は『国連』と『連合国』を別物だと思ってましたなどと言えば、外国人、特に戦勝国の人間には、笑われてしまうかもしれません。特に英語圏の人に笑われてしまうかもしれません。

彼らにとっては、"United Nations"は、そのままであり、昔から今に至るまで、『連合国』であり、変わりようもないからです。

そうして、第二次世界大戦の『連合国』と『国際連合』が英語では同じというのが、まさに実態を表しています。

安保理の常任理事国5か国(米、英、仏、露、中)は第二次世界大戦の戦勝国で国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位にあり、拒否権も与えられています。

日本やドイツが常任理事国入りするためには、国連憲章の改正が必要で、5常任理事国すべてが賛成しなければならないのです。そうして、国連憲章には敵国条項があり、日本は敵国であるという条項が今でも生きています。

そんな、国連の事務総長が反日的な発言をするというのは、ある意味当然といえば当然です。

世界は今も第二次世界大戦の戦勝国のルールで動いている。日本がいかに世界平和に貢献しようとどんなに多く国連分担金を納めようと(世界2位、下表)常任理事国入りを目指そうと、中国が反対するから無理です。

国連分担金の多い国
順位国名分担率(%)分担金額
(百万未満四捨五入)
1アメリカ合衆国(米国)22.0006億1,850万
2日本10.8332億7,610万
3ドイツ7.1411億8,200万
4フランス5.5931億4,250万
5英国5.1791億3,200万
6中華人民共和国(中国)5.1481億3,120万
7イタリア4.4481億1,330万
8カナダ2.9847,600万
9スペイン2.9737,580万
10ブラジル2.9347,480万

(単位:%、米ドル 出典:外務省 「2011-13年 国連通常予算分担率・分担金」(2013年))

日本の常任理事国入りを認めると、日本を許す、反日を解除しなればならなくなり、中国共産党の正当性が崩壊してしまうことになります。「5常任理事国すべての賛成が必要」という国連憲章も、改正するには5常任理事国すべての賛成が必要です。だから、中国が自滅するまでは、ほとんど不可能です。

とは、いいながら、実はこれも確かなことではありません。そもそも、日本と現在の中国、中華人民共和国とは、戦争をしたことがありません。

日本が正式に戦争をしたのは、あくまでも、現在の台湾である、中華民国です。そもそも、戦争中には、中華人民共和国など存在しませんでした。中華人民共和国が建国したのは、1949年10月1日であり、終戦後のことです。

であれば、現中国は、戦勝国ではないわけです。それが、"United Nations"という組織の矛盾です。

1942年1月1日,国連宣言を表象する世論形成
ポスター「連合国:自由のために戦う国際連合」

ましてや、朝鮮人は、戦争中は日本に併合されていましたから、戦勝国ではありません。中国も、韓国も戦勝国ではないのですから、今の国連のあり方は、本当に矛盾しているわけです。
"

以上のようなことから、国連がもともと反日的な組織であることははっきりしています。もし多くの日本人が国連を反日組織としたくないというのであれば、方法は2つしかありません。

一つは、もう一度日本が連合国と戦争をして、勝利する。もう一つは、"United Nations"という言葉を遣うのをやめさせ、"Nations for International Peace"などとすることです。

いずれも、第二次世界大戦に匹敵するようなとてつもないことが、世界で起こらない限り、不可能です。

残念ながら、これはおそらく余程のことがない限り実現不可能です。だからこそ、私たちは国連とはそういうものであるとみなして、付き合っていくしかありません。

だから慰安婦問題に関しては、国連などでは、ブログ冒頭の記事にある、外務省の杉山審議官が実施したように、これからも何度もことあるごとに「慰安婦の強制連行」を否定するということを繰り返し、繰り返ししつこく行っていくことが重要です。

それとともに、国内の反日勢力に対しても徹底的に否定し続けていくことが肝要です。

そもそも、1990年代より前までは、いわゆる「従軍慰安婦」問題など、ほとんど問題にな
っておらず、その当時は合法であった売春婦であるとの認識が一般的でした。それが終戦後45年以上もたった1990年代あたりから、どんどんとエスカレートし、強制的に徴用したとか、挙句の果てに性奴隷なとされていきました。

これはなぜかというと、敗戦後、連合国側により日本国内で利益を享受した、いわゆる敗戦利得者たちの反日連携プレーによるものです。

その実体のうち、おもだったものだけを以下に列挙します。
1974年 架空のキャラ「従軍慰安婦」の誕生 千田夏光(作家)

 
1983年 作り話を実録小説として出版 吉田清治(作家)

 ▼
1991年8月 全国紙で強制連行を捏造 植村隆(新聞記者)

 
1991年12月 証言を書き換えて提訴 高木健一、福島瑞穂(弁護士)
 ▼
1992年1月 首相訪韓の直前に捏造記事 朝日新聞、吉見義明(学者)

 ▼
1992年2月 慰安婦を「性奴隷」に変えた犯人 戸塚悦朗(弁護士)

▼ 
 1993年8月 無実の国民を犯罪者にした無自覚者 河野洋平(当時官房長官)

 
1996年9月 嘘の字幕で証言を捏造したテレビ局 中京テレビ

 
2000年 民衆法廷で天皇陛下を賤しめた左翼 左翼市民団体、北朝鮮工作員

 ▼
報道で敗戦利得者を援護する大手メディア 新聞社、テレビ

今日に至る


戦後何十年も経てから、問題になるということ自体が非常に異常なことです。終戦直後というと混乱していましたから、もし本当に性奴隷にされた人からもなかなか訴えの声があがらなかったというのも理解できますが、終戦後から10年後とか、20年後であれば、混乱もある程度収まったはずで、そのタイミングで訴えるのが当たり前だと思います。

しかし、なぜそのようなことがなかつたかといえば、無論のこといわゆる「従軍慰安婦」「性奴隷」などの強制招集など、作り事に過ぎなかったからです。

そうして、さらに時が経過してからいわゆる「従軍慰安婦」だったなどと声をあげた婦人たちが存在したのは、中国・韓国・北朝鮮などの外国勢力ならびに、反日日本人が婦人たちに入れ知恵したからです。

この「慰安婦問題」もしくは「性奴隷」に関しては、特に戦後利得者たちが、長い年月をかけて、でっち上げてきたわけですが、私達保守派も彼らと同程度の根気と執念をもって、真実をもって打ち消せばいずれ影を潜めると思います。

もともと反日的な連合国と、中・韓・北朝鮮などの連合国もどきと、日本国内の戦後利得者が「慰安婦問題」という妄想を膨れ上がらせるだけ膨れ上がらせ今日のような状態をつくりだしてしまったのです。

そうして、最近の動きでは、日本のメディアが英文で慰安婦問題を書き、それを米国のメデイアが引用し、それを再度日本のメデイアが引用して、さもさも米国メデイア発祥のようにして、捏造を繰り返すという新手法も編み出しています。

私達、保守派は、これらと未来永劫にわたって、どこまでも戦い続ける覚悟を持つべきなのです。

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2016年2月25日木曜日

【緊迫・南シナ海】米原潜、ステルス艦「ズムワルト」展開も 中国を抑止 太平洋軍司令官が証言―【私の論評】南シナ海の米中の武力衝突の前に、尖閣で前哨戦があったとしたら(゚д゚)!

7日、出航した米海軍最大級の新型駆逐艦ズムワルト=東部メーン州

 ハリス米太平洋軍司令官は24日、下院軍事委員会の公聴会で証言し、中国による南シナ海の軍事拠点化を抑止するための方策として、西太平洋に米空母2隻を常時、配備することは当面、難しいとの認識を示す一方、最新鋭のズムワルト級ステルス駆逐艦や、攻撃型原子力潜水艦の前方展開を検討していることを明らかにした。

 空母2隻体制についてハリス氏は「2隻目が欲しい。早いほど喜ばしい」としつつも、「2隻目を(常時)配備するには予算や外交、政治上の克服すべきハードルがある」と述べた。

 そのうえで「攻撃型原子力潜水艦や駆逐艦の追加的な駆逐艦、恐らくDDG1000(ズムワルト級)の前方展開が考えられる」と指摘。「空母の不足を補うために、できることは多い。(ズムワルト級などの前方展開は)、スプラトリー(中国名・南沙)諸島におけるさらなる軍事化を抑止するための、大きな部分だ」と語った。

 米国防総省はリバランス(再均衡)戦略に基づき、アジア太平洋地域に米軍艦船全体の6割を配備し、国防予算の厳しい削減下における量的な制約を、最新鋭艦船を配備することにより質的に補おうとしている。

 ハリス氏がレーダーに捕捉されにくいズムワルト級に言及したことは、リバランス戦略の一環であることに加え、中国による急速な軍事拠点化に対する強い危機感の表れだとみられる。

 ズムワルト級は当初、30隻以上の建造が計画されたが、高額のため3隻に削減された。1番艦は昨年に進水し、航行試験を経て年内に海軍に引き渡される。

 国防総省は2017会計年度(16年10月~17年9月)の国防予算案に、米軍佐世保基地(長崎県佐世保市)での運用を想定し、桟橋の改修工事費を盛り込んでいる。ただ、工事期間は17年5月から18年10月までで、米カリフォルニア州サンディエゴを母港とする予定の1番艦を前方展開するにしても、得意な形状の船体をもつズムワルト級の寄港地を、早急に確保することが先決となる。

【私の論評】南シナ海の米中の武力衝突の前に、尖閣で前哨戦があったとしたら(゚д゚)!

ハリス米太平洋軍司令官
ハリス太平洋司令官は、2つ空母戦闘群の常駐と、原潜の派遣、ズムワルトの派遣を検討しています。

ハリス米太平洋司令官が、公聴会でこのような証言をすることは、十分予想がつきました。それに関しては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【緊迫・南シナ海】米中、軍事衝突秒読み 米空母が東アジアで2隻展開も―【私の論評】南シナ海の武力衝突の趨勢は米潜水艦により決まり、中国軍はなすすべがない(゚д゚)!
米海軍のCVN-73ジョージ・ワシントンとCVN-74ジョン・C・ステニス空母戦闘群
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では南シナ海の武力衝突の趨勢は米潜水艦により決まり、対潜哨戒能力の弱い中国軍はなすすべながないことを掲載しました。その部分のみを以下にコピペします。

"
空母2隻の戦闘群が、表の顔とすれば、潜水艦は裏の顔です。空母は航行すればその姿ははっきりと中国側に捉えられ、空母群が最初に攻撃を加えるということになれば、中国側もそれをすぐに察知して、それに「紅旗(HQ)9」を用いて反撃を加えることができます。さらに、航空機を用いて、反撃することもできるでしょう。

しかし、潜水艦にはそのような対処は一切できません。突如とて米潜水艦からミサイルが発射され、それを防ぐ手立てはありません。また、米潜水艦は、当然のことながら、南シナ海の中国の軍事基地に対する弾薬、燃料、水、食料などの補給を絶つこともできます。

そのような米軍の攻撃に対して、中国側は全く打つ手がなく、大パニックに陥ることでしょう。

USSバージニアの魚雷発射管室内の制御装置
実際に武力衝突が始まるとすれば、米国側は最初は潜水艦による攻撃で口火を切るでしょぅ。先ほども述べたように、米側は、中国の艦船、潜水艦の動向をすべてつかむことができますから、まずは潜水艦によって、これらを無力化できます。これらは、初戦ですべて海の藻屑と消えます。

その後に、米潜水艦は、中国のミサイルや、その他の軍事的脅威を標的に攻撃をしかけ、これらも無力化することでしょぅ。

その後に、空母戦闘群が攻撃を加え、中国の軍事基地を無力化し、その後で海兵隊が上陸し、島嶼の基地を破壊し、戦闘員を殺害するか、捕獲して、比較的短時間に米軍の勝利に終わります。
米軍の攻撃型バージニア級原子力潜水艦
万に一つも、中国側に勝つ見込みはありません。中国軍は、最初から最後まで、苦しい戦いを余儀なくされるでしょう。

このように、南シナ海では日本の海上自衛隊の対潜哨戒による中国軍の監視と、米側の潜水艦による戦いにより、またたくまに趨勢が決まり中国側は、なすすべがなくなることでしょう。

そうして、当然のことながら、すでに米国の潜水艦は、南シナ海に派遣されており、いつでも攻撃ができる体制を整えていることでしょう。空母やイージス艦などは、これらを米国が南シナ海に派遣すれば、それは中国側にも、南シナ海の近隣諸国にもすぐに知られてしまうので、米側もこの海域に派遣することなどすぐに発表します。

しかし、潜水艦は違います。潜水艦はあくまで隠密行動で、米側も何も発表しません。しかし、まず間違いなく、派遣していることでしょう。
"

南シナ海で軍事衝突があったにしても、中国側の対潜哨戒能力が極度に劣っていることから、中国側は米国の潜水艦には太刀打ちができません。これに、さらに日本の自衛隊により対潜哨戒が実行されることとなると、日本の哨戒能力は世界一であるため、中国の艦船や潜水艦の行動を逐一把握できるにもかかわらず、中国側は米国の潜水艦や、ズムワルトの行動は把握することはできません。

しかしながら、特にズムワルトは最新鋭のステルス型駆逐艦であるため、日本での報道はこれに対する扱いが大きいですが、実際の戦闘ではやはり、潜水艦が趨勢を決めてしまうでしょう。

なぜなら、ズムワルトはステルス型ですが、それにしても、航空機や艦船などから視認することはできます。中国側が哨戒活動を強化すれば、たとえレーダーで捉えられないにしても、その動向はかなり把握できる可能性はあります。やはり潜水艦の隠密性には、今でも及ばないということです。

それと、ズムワルトはまだ一隻しか建造されていません。さらに、今後の予定でも、3隻ということで、これでは大きな戦闘力とはなりえません。補助的な役割を担うことになると思います。

米軍の戦略型オハイオ型原子力潜水艦
それに比較すると、潜水艦は昨年の米側の広報によれば、71隻です。そうして、先ほども述べたように、中国側の対潜哨戒能力はかなり劣るので、米国の潜水艦は全く察知されずに、南シナ海の領域に入り、中国側拠点に近づき攻撃を加えることができます。

やはり、南シナ海の武力衝突の趨勢は米潜水艦により決まり、中国軍はなすすべがないというのが実態であり、ハリス米太平洋軍司令官の脳裏にもそれがあり、ブログ冒頭の記事のような発言になったものと思います。

潜水艦発射弾道ミサイル・ハッチ
さて、このような動き、日本としても今後もこうした南シナ海の動きに、注視していかなければならないです。かといって、原油の運搬ルートでもある、シーレーンがどうのこうのという話はあまりにも当たり前のど真ん中なので、ここでは改めて説明はしません。

そんなことよりも、日本にとって尖閣諸島の危機がより一層高まることを予期して、それに備えることが日本の当面の緊急課題になるということです。

これに関しては、以前もこのブログに掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か ―【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!
(昨年11月)中国海軍の艦艇(東調232)が、東シナ海で不審極まる航行をしたことが注目されている。沖縄・尖閣諸島南方の接続水域の外側を、東西に反復航行していたのだ。 
航行が確認されたのは中国海軍のドンディアオ級情報収集艦で、海上自衛隊のP3C哨戒機が発見した。菅氏は「単なる通過ではなく、1日で東西に反復航行したのは特異な航行だ」と指摘し、警戒感を示した。 
中国といえば、南シナ海の岩礁を国際法を無視して軍事基地化したことをめぐって、米国と緊張関係にある。 
米軍は「航行の自由」と「法の支配」を守るため、先月27日、イージス駆逐艦「ラッセン」を派遣したうえ、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」をマレーシア沖で航行させて中国をけん制した。 
今月8~9日には、グアムから飛び立った、核爆弾搭載可能なB52戦略爆撃機2機が、南シナ海の人工島近くを飛行するなど、圧力を強めている。中国軍は、こうした米軍の攻勢に目立った動きをみせていない。
こうしたなか、少し離れた東シナ海で特異な航行をしたのはなぜなのか。 
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「情報収集艦の航行は、南シナ海での動きと連動しているとみて間違いない」といい、続けた。 
「中国は、米国が艦船だけでなく、戦略爆撃機まで投入するとは思っていなかったはずだ。対抗措置を取らなければ、中国のメンツが立たないうえ、国内世論の反発を食らう。といって、緊迫する南シナ海で下手に動けば、軍事力で歴然の差がある米軍と衝突する事態になりかねない」 
「苦肉の策として導き出したのが、東シナ海への艦艇派遣だったのだろう。『自衛隊が相手ならば、大きな事態にならない』と考えたのではないか。それだけ、米軍の『フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦』で追い詰められているということだ」
そうして、昨年12月には、中国はそれまでには派遣していなかった、機関砲を装備した公船を尖閣付近に派遣しています。さらに、最近では南シナ海にミサイルを配置したりしています。

「海警31239」(上)と「539 安慶」艦(退役)(下)の写真
中国は元フリゲート艦を公船に改造して尖閣諸島に派遣している
いずれにせよ、中国としては今後も米国が南シナ海に圧力をかけるのは目に見えているのですが、それに対して真正面から対峙しても全く勝ち目がないことは明らかです。

なんといっても、中国の貧弱な対潜哨戒能力では、どうみても一方的に惨敗するだけです。だから南シナ海での米軍との武力衝突はなんとしても避けたいのですが、さりとて、それに対する対抗措置を何もしないということになれば、国内での習近平に対する批判は高まります。

それをかわすために、習近平は再び、尖閣諸島に目をつけるかもしれません。日本の海軍力は中国を上回っており真正面から中国が日本に戦いを挑むと、これまた中国には勝ち目は全くありません。特に、先に述べたように、中国は対潜哨戒能力が極度に劣ることと、日本の潜水艦は、攻撃型としては世界一と言って良く、特にステルス性は世界一です。

日本の攻撃型潜水艦である「そうりゅう型潜水艦」
しかし、日本には憲法第9条があり、軍事的攻撃を受けた場合の防御しかできないとい縛りがあります。これは、中国側にも広く知られた事実です。

しかし、憲法解釈には東大を頂点とする日本の主流の憲法学者らの解釈では、「日本は自衛のためであっても、武力を保持したり攻撃することはできない」としていますが、少数派の京都学派の解釈では、「国際紛争を解決する手段として、武力を保持したり攻撃してはならないのであって、自衛のために武力を保持したり攻撃することまでは禁じられているわけではない」としています。

もし、中国が南シナ海での対応に手詰まり、中国国内で、習近平に対する批判が高まれば、習近平は人民解放軍による尖閣上陸を決断するかもしれません。日本が尖閣の実効支配を失えば、軍事基地の建設が進む南シナ海と同じ事態になることは、目に見えてはっきりしています。

元米海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏は「中国は尖閣に、簡単に基地を造ることができるだろう。オスプレイのような技術を盗み、機材を開発できるようになれば、大きな飛行場は要らない。ジェット機も尖閣に着陸できるようになる」と警鐘を鳴らしています。

中国は尖閣を奪取した場合、南シナ海の環礁のように
付近を埋め立て、軍事基地化することは十分予想される

尖閣は現在の南シナ海と同じく尖閣周辺を埋め立て「日本に最も近い中国軍基地」と化してしまう恐れが十分にあります。いよいよ、中国が尖閣に上陸というということにでもなれば、日本としては、憲法改正がそのときになってもできなかったとすれば、京都学派の憲法解釈に従い、人民解放軍に対峙すべきものと思います。

ただし、実際に尖閣諸島で本当に戦争になり、日本の自衛隊がこれに対して何の縛りもなく真正面から対峙することができれば、中国の人民解放軍には全く勝ち目がなく、中国側の艦船はことごとく海の藻屑と消え、戦争は短期間で終了することでしょう。

そうして、国際感覚からいえば、日本がこのようなことをしても、これに対して批判をするのは中国だけで、他国は全く批判などしないし、できないでしょう。自分の国の領海や領空を侵犯されたり、あるいは領土に上陸され場合、それに反撃するのは当然のことであり、それを真っ向から批判しては、世界秩序を保つことはできません。

これは、自然権(独立国として当然の)権利であり、国連憲章にも定められた、独立国の権利であり、これを否定することは本来中国を含めていずれの国も否定できません。そうして、多くの国々では、国の自衛権はあまりに当然の権利であり、憲法典にはわざわざ記載されていません。こんなことからも、京都学派による憲法解釈は国際感覚からすれば、当たり前の解釈といえます。
そうして、習近平が一番恐れているのは、安倍政権が尖閣諸島に自衛隊を派遣して、尖閣付近から中国の勢力根こそぎ奪ってしまうことです。

習近平にとって、一番良いのは、中国の軍事力を日本の国民が過度に脅威に感じて、戦争を防ぐために、尖閣諸島を中国に譲ることです。

日本としては、とるべき道は当然のことながら、中国が尖閣に上陸する場合は、それを全力で防ぐことです。米国のオバマは及び腰で、南シナ海や尖閣問題を現状のように、複雑なものにしてしまいました。


南シナ海では、今日のような行動を5年くらい前に発動すべきでした。それでも、中国が南シナ海での傍若無人ぶりをやめないというのなら、軍事的行動をとるべきでした。尖閣問題にしても、オバマは早めに、尖閣諸島は日本固有の領土であり、日中間に領土問題は存在しないと宣言すべきでした。

オバマが煮え切らない態度をとり続けたことが、中国の増長を招き、今日のような複雑な事態を招くこととなりました。しかし、そのオバマ大統領ですら、米国内での突き上げもあって、やっと重い腰をあげて中国に対峙しようとしています。オバマですらそうなのですから、次の大統領になれば、中国への圧力はますます強まるでしょう。

米国の圧力によって窮地に立たされている習近平(写真左)
安倍総理そうして、日本は、アメリカの二の轍を踏むべきではありません。中国が尖閣上陸をしそうになったら、日本の領海、領空、尖閣諸島上の中国人民解放軍を武力で殲滅すべきです。

以上のように、南シナ海での米中の本格的な浮力衝突の前に、中国による尖閣奪取というシナリオは十分に考えられます。それに対する、日本の自衛隊の備えは現在の中国人民解放軍の能力からすれば十分です。ただし、そのときの日本の国民の覚悟がその後の日本のあり方を決めてしまうことは間違いないようです。

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2016年2月24日水曜日

アベノミクスついに沈没「消費税8%」がすべての間違いだった―【私の論評】すでに、財務省による緊縮の病がぶり返している!増税すれば安倍内閣には致命傷(゚д゚)!

アベノミクスついに沈没「消費税8%」がすべての間違いだった

「どうする?」「どうしよう……」

失われた20兆円
'12年の年末、アベノミクスが始まった当初、日本のGDP(国内総生産)は順調な成長を続けていた。アベノミクス開始時のGDPが約517兆円。これが、'14年3月には実に約535兆円にも達した。

ところが、'14年4月の8%の消費税率導入を境に状況が一変した。'14年度第2四半期までに、GDPが一気に約14兆円も急落してしまったのだ。

その後もGDPは伸び悩み、直近の'15年7-9月期の数字は約530兆円。私の試算では、仮に消費増税さえしていなければ、GDPはその後も右肩上がりの成長を続け、今頃は約550兆円まで達していただろう。

差額は20兆円。これだけの金額が、増税によって失われたのだ。

この20兆円分の伸びがあれば、物価も上昇し、賃金も消費も好調という、良好な循環が生まれ、昨年中には「デフレ脱却宣言」ができただろう。日経平均株価も2万円台、為替も1ドル=120円の水準は保てたはずだ。

そもそも、GDPの6割を個人消費が占めている以上、増税による消費減退でGDPが下がるのはわかりきっていた。

増税の影響で失われた20兆円のGDPを国民一人頭で割ると、約15万円。所得が15万円も下がったと考えれば、買い物をする気が失せるのも当然だろう。

いま、日本では格安商品ばかりが売れる、デフレ時代と同じ状況が生まれている。アベノミクスの目標である、2%の物価上昇に相反する事態が起きているわけだ。だが、経済学の常識からして、増税すれば物価が下がるのは自明の理だ。

優秀なはずの財務官僚たちはそんなことすら理解できていなかった。自分たちの歳出権を拡大するため、なんとしても消費増税を可決させようと、「増税をしてもGDPは下がらない」という机上の空論を組み立て、押し切った。

5%に戻すしかない
失われた20兆円のGDPから試算される消えた税収は約5兆円。一方で、消費増税で増えた税収は約8兆円。

「3兆円多いのだから、増税のほうがいいのでは」と思うかもしれない。

しかし、冷静に考えると、増税によって税収を8兆円増やすのと引き換えに、一人当たり15万円のGDPを吹き飛ばしてしまったのだ。これが日本経済に与えたダメージは、計り知れない。

収益が上がらないのに税負担だけを増やしたので、企業は苦しみ、賃金も上がらない。消費も当然伸び悩む。アベノミクスの理想とは真逆の悪循環にはまりこんでいる。

結局、無知な財務官僚が身勝手な思惑で推し進めた増税で、国民は8兆円を取り上げられたあげく、本来、得られるべき所得までを失ったのだ。

この状況に、本来であれば、「責任をもって2%の物価上昇を達成させる」と明言している日銀の黒田東彦総裁こそが、「増税で物価が上がらないのなら、失敗を認めて減税するか、景気対策をしてください」と政府に強く進言すべきだろう。

だが、黒田総裁は「消費増税で成長が大きく損なわれることはない」と繰り返し発言してきた手前、今更もう何も言えない。起死回生のマイナス金利政策も、消費増税のダメージが大きすぎたため、いまのところ本来の効果が出ていない。

もし、安倍政権が予定通り、'17年の春に10%への増税を実行すると、どうなるか。8%増税の時と同じくらい、いや、それ以上の致命的なダメージを引き起こすだろう。

3%の増税でGDPが14兆円急落した。ということは、上げ幅が2%なら、単純計算で約10兆円のGDPが一瞬で失われる。さらに、今回は中国経済失速などの要因も加わるため、長期的に考えれば、8%増税時を上回る規模のGDPが失われる可能性がある。

消費増税が引き起こした負の連鎖から脱却するには、いますぐにでも消費税を5%に戻すのがベストなのは言うまでもない。だが、政府もいまさら引き返せないだろう。

それでも、本気で景気回復を目指すのならば、取れる策は消費減税の他にもいくらでもある。

例えば、国の特別会計上で余った資金、すなわち、いわゆる「霞が関埋蔵金」を使う手だ。

「外国為替資金特別会計」には円安の含み益の約20兆円、「労働保険特別会計」には約7兆円もの埋蔵金がある。これを原資に、国民に10兆円規模の給付金を配り、増税の痛みを和らげる。

この「埋蔵金10兆円バズーカ」をぶっ放し、景気に良好な刺激を与えて上向かせたところで、日銀が一気に金融緩和を推し進め、国債の購入量を今の80兆円から100兆円まで増やす。

極端な話に聞こえるかもしれないが、ここまでしてようやく、「8%増税の呪縛」は払拭される。

それほどまでに、消費増税が日本経済に与えたダメージは大きい。

高橋洋一

【私の論評】すでに、財務省による緊縮の病がぶり返している!増税すれば安倍内閣には致命傷(゚д゚)!

8% 増税に関しては、最初から大きな懸念がありました。そもそも、デフレの真っ最中であれば、減税するとか、減税しないというのなら、公共工事を増やすとか、給付金政策をするなどで、積極財政を実行すべきでした。ただし、公共工事に関しては、公共工事の供給制約が顕著でしたので、これは実行してもあまりは効果は期待できませんでした。

このような状況でアベノミクスは2013年の4月から、異次元の包括的金融緩和から始まりました。経済指標は、良くなる一方でした。しかしその直後の2014年4月になぜか、まだデフレから完璧に脱していない日本なのに、8%増税などという馬鹿げた緊縮財政政策を行ってしまい、病み上がりの日本経済に冷水を浴びせるようなことをしてしまいました。

緊縮財政というと、何も増税だけではありません。下のグラフをご覧ください。26年6月あたりから、財務省による緊縮財政と病がすでにぶり返しています。

緊縮財政という病は今でも進行中、これに10%消費税増税が加わると破滅的!
グラフは財政資金の対民間収支統計をもとに作成したものです。今さらながらですが、安倍内閣は緊縮財政に回帰していることに驚きました。政府は民間から税を徴収する一方で公共事業、社会保障などに支出しますが、支出増加額よりも税収の増加額が多ければ緊縮財政、少なければ積極財政となります。税収は急速に増えてきました。財政支出のほうは消費税増税前に大きく上積みされたましたが、増税後は急激に減りました。なかでも公共事業、社会保障と防衛費の合計でみるとこの傾向は顕著です。

税収が増えること自体は財政の健全化を最優先する考える向きにとっては万々歳です。しかし、民間の所得を政府が取り上げたまま、支出を通じて民間に資金を還元しない状態を続けると民間の需要を圧縮することになります。好景気で民間需要が旺盛で、インフレ率が上がる状態だと、財政支出を引き締めるのは理にかなっています。ところが、「20年デフレ」の日本にとって緊縮財政はまったく不合理です。

8%増税したたげではなく、さらに支出を減らし緊縮財政を推進する・・・・。こんなことでは、せっかく回復基調となってきたふたたび景気の好循環を破壊してまたデフレ経済へと戻してしまうことになりかねません。今のままでも、もうそうなりかけていますし、これをそのまま継続しても、日本経済はデフレに逆戻りすることでしょう。

来年予定通り、10%増税などしてしまえば、デフレスパイラルの底に沈む速度を飛躍的に高めるだけです。10%増税をしてから、2、3ヶ月もすれば、それは誰の目にも明らかになることでしょう。

このような、緊縮財政の繰り返しから政府の借金だけが膨らみ続け、民間の借金が縮小し続ける(=民間の投資が縮小し続ける)、こんなことを20年以上繰り返してきたのが日本でした。ただ最近過去の日本と比較すると多少ともましなのが、日銀が金融緩和を継続していることです。

しかし、今の日本はデフレから完全脱却していないのに、金融緩和は継続しているものの、8%増税などという愚かな緊縮財政を実行して、その悪影響が続いている状況にあります。

これを改善するには、積極財政と金融緩和を同時に実行することです。そうして、これは標準的なマクロ経済学の教科書に当たり前に掲載されている内容です。景気が悪化したときには、金融緩和と積極財政を行う、景気が過熱したときには、金融引き締めと、緊縮財政を行うというのが、マクロ経済学での当たり前のど真ん中です。

しかし、過去の日本は、景気が悪化しているにもかかわらず、金融引き締めと、緊縮財政を行うというバカ真似を実行し、15年以上もデフレを放置してきました。

そうして、2014年春からの日本は、日銀は金融緩和を、財務省は増税で緊縮という、非常にアンバランスな政策をとっています。

そうして、直近の10-12月の四半期GDPの速報が最近でたばかりですが、非常に悪化しているのは誰の目から見ても明らかです。

2月15日に2015年10-12月期のGDP速報値が内閣府から公表された。結果をみると、実質GDP成長率は前の四半期と比べて0.4%減、年あたりの換算で1.4%減となり、2015年4-6月期以来のマイナス成長に沈んだ。


これに関しては、暖冬のせいで冬物衣料が落ち込んだなどとするむきもありますが、それは全くの間違いであり、暖冬などには全く関係なく、個人消費の長期的な落ち込み傾向によるものであることは、以前のこのブログでも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
GDPマイナス成長は暖冬のせいではない―【私の論評】増税派はどこまでも、8%増税が大失敗だったことを認めたくない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、統計値では8%増税の悪影響が色濃く出ているにもかかわらず、財務省はこれについて何もコメントしません。政治家の多くも、増税推進派が多いため、8%増税は大失敗という声は大きくありません。さらに、マスコミも増税一色だったため、今更自分の非を認めたくないのか、ほとんど8%増税の失敗を報道しません。さらに、いわゆる日本の主流の経済学者らも、増税を後押ししてきた手前、あからさまに大失敗とする人もいません。

そのためでしょうか、多くの人が、8%増税は大失敗であるという事実をあまり認識さえしていないようではあります。とはいいながら、多くの国民が、消費を控えるという行動に出ているのですから、自分の消費行動などみれば、誰でもこの失敗は理解できるものと思います。

安倍首相は「リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施する」と言い続けていますが、昨年来の原油価格の崩落や世界的な株価下落、さらには中国経済の失速、さらに南シナ海、中東なども含む世界の各地に拡散した、いわゆる地政学的リスクはそれに匹敵するどころか、それ以上かもしれません。

安倍総理は「リーマンショック級ではない」と今も10%増税先送りを否定しています。しかし、7月の参議院議員選挙を控えて、景気ムードを好転させることが安倍内閣の必須課題になってくるだけに、数少ない「切り札」として消費増税再延期を打ち出すタイミングを慎重に見極めているのだと思います。

もちろん、財務省は再増税は既定路線として譲らない姿勢で、仮に首相が先送りを決める場合でも相当な政治的な軋轢が生じることでしょう。あまり早く消費増税を打ち出し、その後、海外株式相場などが大崩れするなど外的要因で景況感がさらに悪化した場合、打つ手がなくなってしまうことも予想されます。

前回の延期時と違い、再延期には法律を出して国会で通過させる必要があります。これも10%増税見送りのハードルを上げています。

そうはいっても、2014年の増税の影響が完全に吸収されていないことは誰の目から見ても明らかで、さらに消費が下り坂になっている中で、ここで再度の消費増税を打ち出せば、一気に消費が腰折れすることになります。

来年の消費増税をそのまま決行すれば、日本経済にとっては破滅的なことにになりかねません。

やはり、ここは10%増税は何がなんでも見送るべきです。そうして、その手段としては、夏の参院選のときに衆院も同時解散して、衆参同時選挙として、そうして安倍総理としては、当然のことながら「10%増税」も公約として掲げは、選挙で大勝利することです。方法として、10%増税を見送るのは、この方法しかないと考えられます。

とにかく、もうボンクラ財務官僚や、ぼんくら経済学者などの言いなりになる必要などありません。

とにかく、選挙で大勝利して、国民の信任を得て、10%増税は日本経済がデフレから完全に脱却して、インフレが加熱するまで、実行しないようにしていただきたいものです。

選挙で大勝利した後は、日銀法の改正と、財務省の解体を強行し、ボンクラ経済学者などは、政府関係の仕事などからは、完全パージして頂きたいです。


ボンクラ官僚や、ボンクラ学者などが、この国の経済の舵取りをとんでもない方向に持っていく可能性を完璧に排除していただきたいです。これが、達成されれば、日本の政治主導の夜明けとなることと思います。

これを実行しないかぎり、また日本は失われた20年に舞い戻り失われた40年が続くかもしれません。そうなれば、自民党政権も政権運営がかなり難しくなり、誰が総理大臣になったにしても、短期政権で終わることになってしまうでしょう。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】




【関連図書】

結局のところ、日本の政治は官僚特に財務官僚が主導しているところがまだまだ大きいです。官僚が政治に関与することは一概に悪いことではありませんが、意思決定はその時々の空気に流されることなく政治家、政府が地頭を使って行うべきものです。それすらも、官僚に譲ってしまえば、民主主義は成り立ちません。それを実感していただける三冊の書籍を以下にチョイスさせていただきこました。

総理の実力 官僚の支配 ─教科書には書かれていない「政治のルール」─
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官愚の国 日本を不幸にする「霞が関」の正体 (祥伝社黄金文庫)
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2016年2月23日火曜日

米国でも「STAP細胞はあります!」 共著者バカンティ氏、研究続ける 「正しいと確信したまま墓場に」―【私の論評】この事件誰が正しいか間違いかではなく、何が正しいか間違いかを検討しなれば、また同じ轍を踏むことになる(゚д゚)!


小保方さん(前列左)とチャールズ・バカンティ氏(前列右)
小島氏(後列左)、大和氏(後列右)
STAP細胞論文の共著者のチャールズ・バカンティ氏が、論文撤回後もSTAP細胞作製に向け、研究を続けていたとの記事を米誌ニューヨーカー電子版が22日、掲載した。同誌の取材に対し「(STAP細胞は)正しいと確信したまま墓場に行くだろう」と話したという。

記事によると、論文に不正があるのではないかと問題になった際、バカンティ氏は著者の小保方晴子氏に「データの捏造はしてないのか」と尋ね、「それならこんなに時間をかけて実験はしない」との回答を得たという。

バカンティ氏は論文の問題が指摘された後、2014年夏から1年間米ハーバード大を休職。大学は「復職後も再生医療の研究を続けている」としていた。

記事によると、同誌は昨年7月にバカンティ氏に取材。共著者の小島宏司医師と実験を続けていると説明。既に分化を終えた細胞にさまざまな刺激を与える手法で、どんな細胞にも分化できる万能性を獲得できるかどうかを検証した。万能性を示す遺伝子の働きを確認したが、実際に万能性がある細胞の作製には成功していないという。

STAP細胞の論文は14年1月に英科学誌ネイチャーに掲載され、7月に撤回された。 (ワシントン=共同)

【私の論評】この事件誰が正しいか間違いかではなく、何が正しいか間違いかを検討しなれば、また同じ轍を踏むことになる(゚д゚)!


以下にチャールズ・バカンティー氏とSTAP細胞に関して、wikipediaからまとめたものを以下に掲載します。
チャールズ・バカンティ(英: Charles Alfred Vacanti)氏は、アメリカ合衆国出身の、麻酔科医(医師:M.D.)。研究分野は、麻酔学、組織工学、細胞生物学。 
マサチューセッツ大学メディカル・スクール麻酔科教授、同 再生医科学センター長、国際再生医学会長、アメリカ麻酔学会長を歴任し、ティッシュ・エンジニアリング学会・学会誌の主宰者。現在はハーバード・メディカル・スクール及びブリガム&ウィメンズ病院教授。 
1995年10月に「ミミネズミ(バカンティマウス)」がBBCテレビで報道され、その視覚的に強烈なインパクトにより、バカンティと生体組織工学(組織工学、ティッシュ・エンジニアリング)は世に広く知られるようになった。同分野で多くの特許を持ち、生体組織工学においては著名な人物です。spore-like cellsやSTAP細胞の提唱者でもあります。
  ミミネズミ(バカンティマウス)
2001年にバカンティは弟のマーティン・バカンティとともに、生物の成体に小さなサイズの細胞が眠った状態の多能性細胞が存在するのではないかとの仮説を提唱。これを「spore-like cells」(胞子様細胞)と名付けました。 
しかし、同僚たちは同研究に極めて懐疑的であり、弁護に疲れ果てた末職場を去る決意をしました。新しい職場での面接では、胞子様細胞仮説に触れないように意識したといいます。その後、2008年に小保方晴子がハーバード・メディカルスクールに留学して来ることにより、研究が再始動。小保方は博士論文の研究として多能性の検証を行いました。 
2001年にJournal of Cellular Biochemistry誌へ掲載された論文での画像盗用の疑いや2011年3月TE誌論文での不適切な画像使いまわし。TE誌については2014年3月にバカンティが実験データを示す複数の画像や画像の説明内容を訂正しました 
前述のように、バカンティや小島宏司の下で小保方晴子は胞子様細胞に関する研究を行っていたのですが、2010年頃に彼らと大和雅之は、刺激により細胞が初期化されているという解釈に至りました。本研究は2011年以降、小保方が所属した理化学研究所を中心に研究が進み、2012年3月には米国仮特許出願、同年にはネイチャー、サイエンス、セルへ論文を投稿しましたが、3誌とも査読を通りませんでした。 
2012年12月から笹井芳樹が論文指導を行うことにより、論文は大きな変貌を遂げました。バカンティは笹井が共著者や責任著者に加わること、理化学研究所内で研究をあまりオープンにしないことを要求。また、特許の本出願を急がせてたり、論文共著者に誰を入れるか等についても注文を付けていました。 
2013年4月には特許の国際出願を済ませ、2014年1月30日には2報の論文がイギリスの科学雑誌ネイチャーに掲載されました。バカンティは取材で「小保方がいなければSTAP細胞の研究発表は先にまでずれこんでいただろう」と語り、STAP細胞はバカンティ自身の研究成果であり、小保方は研究協力者の1人との立場をとっています。
nature (ネイチャー) ダイジェスト 2014年 03月号 [雑誌]
STAP細胞に関して、2014年3月に掲載された"Natureダイジェスト"  
同年2月1日にはバカンティのチームがヒツジ治療にSTAP細胞を試みたこと、2月5日には新生児の皮膚線維芽細胞から作成したSTAP細胞の可能性がある細胞の写真を公表する等、BWH独自の研究成果も発表していきました。
日本でSTAP細胞の論文を巡りデータや画像に不自然な点があった問題が発生し、同年3月14日に小保方以外の共同執筆者が論文の取り下げに同意していたが、バカンティは「論文に提示されたデータが正しくないという説得力のある証拠がない限り、論文を撤回すべきではない」とコメントし、論文の取り下げに反対していた。同年5月末にネイチャーから強制撤回よりも自主撤回を促すコンタクトがあり、撤回に同意する方針に転換。小保方も撤回に同意し、STAP細胞の研究は撤回されて白紙になる見通しとなりました。なお7月2日のネイチャーによる論文撤回にあたっても、バカンティは自説を変えず、ボストン・グローブ誌はSTAP細胞やハーバードに対して否定的な報道を行いました。 
記者会見をする小保方さん
2014年8月12日にはブリガム&ウィメンズ病院により、バカンティが麻酔科長退任と1年間の長期休暇の意向であることを表明。病院はこれらの理由やSTAP問題との関連を明らかにしていないのですが、8月11日に自身のブログでメールを公開したポール・ノフラーは、病院で内部調査が進んでいる可能性を指摘しています。また、理化学研究所の検証実験中間報告が行われた一週間程後の同年9月3日に、小島宏司と共にプロトコル(手順)の改訂版を発表しました。
Charles A. Vacanti, Koji Kojima (2014-09-03) (PDF), REVISED STAP CELL PROTOCOL 2014年9月20日閲覧 
STAP細胞作製が簡単にできるのは間違いで個人差が大きいことを認めたものの、自分達が作成に成功したか否かは明らかにしませんでした。
さて、 チャールズ・バカンティー氏に関しては、疑惑は多いものの、それにしても、日米を含めて、責任を追求されて、一番大きな損失を被ったのは、小保方さん一人のみということで、やはりこの事件何やら割り切れないところがあります。

STAP細胞がある特定の手法を用いてる必ず、生成されるという次元にはありませんが、それにしても、バカンティ教授以外にも、STAP現象はあり得るかもしれないことを実証した実験結果は存在します。それに関しては、このブログにも以前掲載したことがありますので、その記事のリンクを以下に掲載します。
小保方さんの発見は真実!ネイチャーにマウスの体細胞が初期化して多能性を持つ「STAP現象」がアメリカの研究者により発表される―【私の論評】日本のマスコミや識者もSTAP細胞騒動を二度と繰り返すな(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、このような発見もあったことですから、少なくともSTAP現象については存在するかもしれないことを全く否定はできなくなったと思います。

STAP細胞をめぐる問題で、小保方晴子さんが理化学研究所(理研)から「ES細胞」を盗んだ容疑で、兵庫県警から任意での事情聴取を受けているそうです。2月18日、そんな衝撃的なニュースが飛び込んできました。これは、昨年1月に、理研OBの男性が容疑者不詳で窃盗容疑の告発状を県警に提出し、捜査が進められていた件で、現在はあくまで参考人の1人とされており、真相は不明です。


理研の調査委員会は2014年12月、STAP細胞は「(生成過程で)似たような特徴を持つES細胞が混入したものである」と結論づけていました。

では一体誰がES細胞を混入させたのでしょうか? 声を上げたのは理研OBの石川智久氏。独自調査の結果、STAP細胞論文の共著者の一人である若山照彦・山梨大教授が理研在籍中に構えていた研究室で行方不明になったES細胞入りチューブが、小保方研究室で発見されたというのです。


 若山氏は2013年3月まで理研で研究活動を行い、小保方氏は若山研の研究員でした。石川氏の見立てでは、ES細胞を若山研から盗んだのは小保方氏以外に考えられず、それを意図的に混入させSTAP細胞と偽った可能性があるといいます。

この調査結果をもとに15年1月、兵庫県警にES細胞の窃盗がなされたとして告発状を提出。同年5月に正式に受理されました。ただし、告発相手は小保方氏と決め付けず「被疑者不詳」としました。  

ここがポイントです。舞台裏を知る関係者は「被疑者不詳、つまり誰が盗んだかは分からないことにして、捜査範囲を広げた。今回の件で動いたのは兵庫県警だけではない。地検や警察庁までもが動き、立件できるか精査した。裏を返せば、受理したのだから、当局はイケると踏んでいるということだ」と話したそうです。 

水面下で理研職員や関係者から事情を聴いて外堀を埋めた上で、満を持して“本丸”小保方氏への参考人聴取に踏み切ったとみられます。 

「小保方研にあった試験管には『ES細胞』と手書きされていたものがあった。調査委員会はそれ以上調べなかったが、当局が筆跡鑑定すれば誰が書いたか一発で分かるだろう」とは別の関係者。

1月28日、小保方氏がSTAP細胞問題で14年末の理研退職後に初めてまとまった主張を行った手記「あの日」(講談社)を出版したことも、少なからず捜査に影響を与えたのかもしれません。 

同書で小保方氏は「私がES細胞を混入させたというストーリーに収束するように仕組まれているように感じた」「私の上司にあたる人たちによって、周到に準備され、張り巡らされた伏線によって仕掛けられた罠だったとも受け取れた」などと“陰謀論”を展開していました。 

あの日


さて、この事件これからどのような展開をするのか予断を許さないところだと思います。

それにしても、もし本当にES細胞を小保方さんが意図的に混入させたと仮定したとして、理研という組織ではそんなことが簡単にできてしまう組織ということなのでしょうか。STAP細胞の生成が、事実だったとすれば、世紀の大発見のはずです。

そんな大発見にもかかわらず、ES細胞を小保方さんが、簡単に持ち込んで、さらにそれを混入させることができるとすれば、別に小保方さんでなくても、誰でもできる可能性はあると思います。

このような、大発見などをする研究所ならば、それ相当の秘密保持の体制ができていなければ、おかしなことというか、異常です。

ましてや、理研は国立の研究所です。国民の税金が投じて運営されている研究所が、一研究員の不正を事前に察知できないとすれば、これはかなりの問題です。

マスコミなどは、こうした観点からの報道は一切行わず、何やら小保方さんの倫理の欠如を追いかけるのみです。

これに関しては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
手記出版「あの日」…小保方さんは何を語っているのか―【私の論評】小保方さんの手記ではみえないSTAP細胞問題の背後にある危機(゚д゚)!
これも、詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この問題の背後にある本当の危機について以下にコピペします。

まずは、STAP細胞に関しては、一連の騒動で、まるでまがい物の代表であるかのごとく印象付けられてしまっていますが、決してそうではないということを示した部分を以下にコピペします。


現在、日本ではSTAP細胞=ウソ、いかがわしいものの代名詞のような扱いを受けています。しかし、複雑な手順を経ることなく万能細胞を生み出そうとするSTAP細胞と同様のコンセプトを掲げ、世界中の科学者たちが日夜熾烈な競争を繰り広げており、小保方さんもその渦中にあったことだけは間違いないです。

今や世界の先進国で日本だけが、STAP細胞まがい物という、世論が形成されている稀有な国と言っても過言ではないと思います。

日夜熾烈な競争というと、化学や物理学等の他の分野もそうなのですが、それにしても、これらの学問の歴史は古いので現状ではある程度落ち着いたという感がありますが、生物学の分野は裾野も広く、ここ数十年で長足の発展をとげ、それこそ最先端の分野では、激烈な競争が繰り広げられています。

その激烈な競争の一端を知ることができるあのiPS細胞の生みの親である、山中教授の発言もあります。

京都大学の山中伸弥教授が応じた『週刊朝日』のインタビューでは、この構造が「仁義なき戦い」と形容され、山中氏自らこう語っています。

「簡単に言いますと、ヒトのiPS細胞は自分たちのほうが先に作っていたんや、とアメリカのベンチャー企業が主張しました。同社の特許の請求内容を見たら、京大が先に出願していた請求内容とほとんど違わない。もう完全に戦争するつもりできているわけですね」(『週刊朝日』、2014年11月7日号)
山中教授がiPS細胞を発表したほぼ同時期に、アメリカのベンチャー企業が、同じ内容の論文を発表しています。これはつまり、アメリカが京都大学のデータを盗んでいたということを意味します。この時に京都大学がとった措置は、アメリカで裁判を起こすと不利になるため、アメリカでの特許権を放棄する代わりに、アジア・ヨーロッパで認めてもらうように図らうことでした。

山中伸弥教授 iPS細胞の世界で熾烈な理研争いが・・・・
これと同じように、STAP細胞に関しては、最先端の熾烈な研究活動だけではなく、利権を巡る熾烈な戦いもすでに始まっていたということです。

おそらく、世界的な医療分野の巨大企業は、かなりの投資をして、この分野の利権を得ようと血眼になっています。

理研も当然そのことは、承知しており、その渦中に小保方さんのSTAP細胞の研究があったということです。

そうして、アメリカの巨大企業は、何が何でも、ありとあらゆる手段で、STAP細胞の利権の先陣争いに勝とうと画策しているのは間違いありません。
"
 それと理研のリスク管理体制がまったくなっていないことを示す内容を以下にコピペします。

これは、クライン孝子さんという現在ドイツ在住の方の発言です。

「理研の平成24年度の内訳には予算が844億円、正社員が3000人くらいいる、外部から出入りするのが3000人くらい。外人のところを見てぎょっとした。636人中、中国が141人、韓国が88人、東南アジアは131人、欧州は192人、北米が60名。3分の1が中国韓国」。

「いろんなところで開発しようとしている。日本はかなりいい線いっているところを、日本の開発を止めさせようとしているのは見え見えだね」。


「理研も外国人の研究員や教授を呼んで、中国と韓国人で3分の1を占めて、本当に丸裸にされてきた。それに気がついていない。今になってこういう問題が出てくるのは当たり前だし、上の方は責任逃れだし。どうにもならない」。
この発言からも、うかがえるように、理研のリスク管理体制は脆弱です。ES細胞混入に関しても、小保方さんのみが疑われているようでもありますし、小保方さんは、著書で若山氏が混入させたと主張しています。

しかし、これはいずれも違うかもしれません。それこそ、理研というか、日本は他国では当たり前のスパイ防止法すらない国ですから、海外のスパイの活動をなかなか阻止できないと思います。

このようなことを考えると、あのSTAP細胞騒動に関しては、あのような問題を起こさせてしまった要因が取り除かれてもいないし、これからもとり除かれることもないかもしれません。

なぜなら、マスコミはとにかく、問題をすべて小保方さんの倫理問題にすりかえて、この問題を報道するだけです。理研の対応もそれに終始しているように思えてなりません。

警察や司法は、犯人探しと、その物的証拠を探すことに集中するだけです。無論、警察や司法はそれが仕事ですから、それだけでも良いと思います。

しかし、マスコミや、それに特にマネジメントする側の、理研の管理者や、理研を統括する文部科学省がそうであってはならないはずです。

このブログでは、良くドラッカーのマネジメントの原則を掲載することがあります。その中で、意思決定の原則として、「誰が正しいか、誰が間違いかではなく、何が正しいか、何が間違いかで意思決定すべきこと、また最初から何が受け入れるかを考慮して意思決定をしてはならない」というものがあります。

その原則を掲載した、このブログの過去の記事のリンクを以下に掲載します。
民主など 首相の大阪でのテレビ出演に抗議―【私の論評】最初から誰が正しいか何が受け入れられるかで意思決定するな!すれば与野党ともドツポにはまる(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただものとして、以下に意思決定の原則に関する部分をコピペします。

"

ドラッカー氏は、『経営者の条件』という書籍で以下のように述べています。
 意思決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。
これは、意思決定の過程においては、まずは「誰が正しくて、誰が間違いか」などという論議すべきではなく、あくまで「何が正しくて、何が間違いか」という議論をすべきであって、そうでなければ、全く不毛な論議となってしまい、まともな意思決定ができなくなってしまうということです。

いわゆる「安倍嫌い」は、最初から「誰が正しくて、誰が間違いか」という主張をしているに過ぎません。要するに、上のTweetで田中氏が述べているように、「自分と意見違うものはリンチという徹底した態度」ではまともな論議ができず、まともな意思決定もでなきないということてず。

そのためでしょうか、国会での最近の安保法制の議論など、全くまともな議論になっておらず、国民にとっても理解しがたいものになっています。

しかも、大方の政治家は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思うものです。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考えてしまいます。

妥協には昔から知られているように2つの種類があります。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づくものです。

前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。しかし、半分の赤ん坊では妥協にもなりません。

ラファエロ作『ソロモンの審判』
『ソロモンの審判とは、』旧約聖書に出てくる話であり、イスラエルの賢王ソロモンが、いかにも当時の絶対専制君主らしく、子を剣で半分に切って女二人で分けよと審判します。このような妥協ならしないほうがずっとましです。

民主党などの野党は、とにかく「安倍嫌い」の立場から、安倍総理の主張は全く間違いであり、自分たちが正しいものとして、物事を考えているようです。そうして、そのスタンスで安倍総理に対峙するものですから、とにかく憲法解釈の変更による集団的自衛権に関わる、安保法制は違法として、安倍総理に対峙しようとします。

そのため、全く話が噛み合いません。そうして、いずれ妥協の段階に入るとは思いますが、安倍総理の立場からすれば、民主党などの言うとおりに妥協してしまえば、まともな「戦争抑止法案」とはなりえず、それこそソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という結果を招いてしまい、とんでもないことになってしまうため、妥協はできません。そのため、無意味な審議は長引くばかりです。

ドラッカーは、何が受け入れられやすいか、何が反対を招くから触れるべきでないかを心配することは無益であって、時間の無駄だと言います。心配したことは起こらず、予想しなかった困難や反対が突然ほとんど対処しがたい障害となって現れるとしています。
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理研のこの事件に関する、調査は本当にしっくりきません。何やら、責任はすべて小保方さんの倫理観にあるかのような調査結果の内容です。

要するに、理研も「誰が正しいか、誰が間違いか」という観点で調査を行うという過ちを犯しているのだと思います。

このような調査ですませていては、今回自殺者まで出してしまった、事件に関して、一時しのぎはできるかもしれませんが、小保方さんがES細胞を混入させたさせないという観点ではなく、どうしてES細胞が混入するような事態が生じてしまったかという観点で調査すべきです。

小保方さんや、若山さん、あるいは他の人が混入させたにしても、そもそも、なぜ混入などという不祥事が生じてしまったのか、その背景と、それを阻止するための方策にまで言及すべきです。

人間は不完全ですから、誰でも間違いや失敗をすることはあります。しかし、その後でそれを単に個人の倫理観に委ねていては、何も解決しません。単に「あいつが悪い」で終わってしまいます。

そうして、それを起こしてしまった、システムや背景など何も改善されません。マスコミはまるで、倫理判定装置のような見方で報道するのではなく、こうした観点から、報道すべきですし、理研の幹部や、文部省は、このような観点から調査をするのはもとより、その結果から、理研のシステムを変更するとか、危機管理システムを創設するか、内容を変更するなどの具体的な行動をして、このような事件を再発しないように、あるいは似たような事態が生じた場合には、早めにリスク管理行動を起こして、傷口が今回のように大きく広がることを阻止すべきです。

このようなことを実行しないということは、結局それこそソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という結果を招いてしまい、また似たような事件が発生し続け、とんでもないことになりかねません。

いずれにしても、今回の事件では「小保方が悪い」などという単純な倫理の問題にすり替えていては、何も進歩しないことだけは確かです。そのようなことは、小学生にだってできます。それに犯罪に関しては、司法に任せれば良いことです。

まともな大人であれば、「何が正しい、何が間違い」で判断し、そうして「最初から何が受け入れられやすいか」などという観点で意思決定をすべきではありません。

こんなことをしていては、「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という結果を招くだけです、考えかたを根本的に変えて妥協するにしても「半切れのパンでも、ないよりはまし」というまともな妥協ができるようにすべきです。

結局この問題、まともな意思決定ができていないため、過度に小保方さんに責任をかぶせることで、「半分の赤ん坊は、いないより悪い」式の妥協になつてしまっているようで、非常に後味が悪いです。

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