2012年7月25日水曜日

クリエイティブな良い仕事をするには、無意識に任せてなるべく放置すべし?―【私の論評】確かにそうだが、それには条件がある!!

クリエイティブな良い仕事をするには、無意識に任せてなるべく放置すべし?:


誰しも「先延ばしにする」ことを否定的にとらえがちですが、特にクリエイティブな仕事や課題の場合は、生産的に取り組めるようになるまで「待っている」というのもままあります。果たしてそれは良いことなのでしょうか? モンティ・パイソンのメンバーとして有名なイギリスの喜劇俳優であり、素晴らしい脚本家でもあるジョン・クリーズ(John Cleese)さんが、その問いに答えるようなクリエイティブに関するアイデアを教えてくれました。 ブログ「Co.Create」に、カンヌ国際映画祭で開かれた、クリエイティビティに関するクリーズさんのレッスンレポートがありました。そのうちのひとつは、サセックス大学の心理学教授Brian Bates氏の、クリエイティブでない建築家とクリエイティブな建築家を見分ける研究についてのものでした。 Photo by Rennett Stowe

ジョン・クリーズ氏

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【私の論評】確かにそうだが、それには条件がある!!

このブログでは、クリエーティビテイ(創造性)に関しては時々掲載しています。それは、自分のためでもあり、購読者の皆様のためです。最近では、ますます、知識労働が増える傾向にあります。知識労働には、創造性はかかせません。

結論からいうと、上の記事の「クリエイティブな良い仕事をするには、無意識に任せてなるべく放置」は、私も正しいと思います。しかし、これには二つ条件があると思います。

独創的な建築物
その条件とは、たとえば、建築家なら、まず、それこそ数十年建築家の仕事を続けてきて、建築に関するありとあらゆる知識が、特に今からつめ込まなくても、頭の中に一杯詰まっていて、たいていのことは、調べなくても既にほとんどを知っているという条件です。もう一つが、放置する期間は、なるべくリラックスして、睡眠時間を十分とるということです。



これなら、先の仮定は、ものの見事にあてはまると思います。しかし、そうではない人は、そもそも、これは、無理です。建築の仕事をはじめたばかりの人で、建築に関する情報や、知識が入っていない人、特に実務経験がほとんどない人が、「無意識にまかせてなるべく放置する」ようなことをしても、ほとんど閃きなど浮かんでこず、全く仕事にならないことでしょう。


しかし、このような人でも、この条件を満たせば、アイディアが沸々と湧いてくることがあります。それは、どういうことかといえば、上の経験豊富な建築家のような状況を人為的につくってしまうのです。どういうことかといえば、経験のない人が、建築の仕事、それも相当クリエーティブイブな仕事を要するタスクをするにおいては、まずは、徹底的に関連の建築に関する事柄について、徹底的に、人の話しを聴いたり、似たような建築物を実際に訪れたり、あるいは、インターネットや書籍などの情報を徹底的に頭にこれでもか、これでもかと詰め込むのです。


そうして、その後すぐに、建築の企画にとりかからず、上のように、しばらく放置しておくのです。それが、一晩なのか、一日なのか、あるいはもっと長いのかは、別にして、とにかく、一定以上の期間を必ずおくということが重要です。そうして、おいている間は、なるべく意識的にそのことを考えないようにます。これは、企画をする人たちの間では良くいわれている「考えを寝かせる」ということにあたります。


許されるなら、頭に関連事項の詰め込みが終わった直後には、すぐに寝て、何日になるかは、企画の内容にもよりますが、大きな企画の場合であれば、数日間は寝かせるのです。できれば、何もしないで自分の好きに遊んでいるのが一番良いでしょう。そうして、この間は、意図的に十分睡眠をとるようにします。このようなことが許されない人の場合は、その間、雑用など、企画にほとんど関係ないことを意図して意識して行うようにして、「考えを寝かせる」のです。この場合でも、無論、雑用がすんだらすぐ帰るようにして、家などでリラックスして、早めに寝て睡眠時間を十分とるようにします。


そうして、一定期間がたってから、おもむろに、また企画にとりかかるのです。そうなると、まだ情報で足りない部分をさらに補強したり、新たなアイディアが浮かんで、思ってもみなかったことを思いついたりします。この「寝かす」ということをしないで、情報集めなどから、すぐに企画づくりにはしると、ほとんど陳腐なものしか生まれません。



それは、脳科学的にも証明されているものと思います。

脳科学者茂木健一郎氏が脳科学にもとづいて自身の仕事術を紹介した日経新聞のコラムがあります。その中で、<午前中が創造的な仕事をするゴールデンタイム>と語る氏によれば、<寝ている間に脳が無意識のうちに記憶を整理してくれ、体験の意味がより明確になり熟成してくる>からだといいます。

茂木健一郎氏
睡眠中における脳の無意識下の働きについては、養老孟子氏も述べています。その記事、探してみたのですが、すでに消去されていたので、私が覚えている範囲内で、以下に要約を掲載します。
「人間の脳は、意識するとせざるに関わらず、昼間目にしたものや聞いたものを記憶し、溜め込んでいる。また、思考し何らかの考えも蓄積する。そうして、脳内のエントロピーが増大した状態で夜を迎え、眠る。眠りながら脳が働き整理する」ということです。


養老孟子氏
私が上記リンクの養老氏のコラムを読んだのは5、6年前の10月だと記憶していますが、それ以来、目覚めた時が一番脳が整理された状態であることが分かったので、茂木氏のように仕事を朝型に切り替えました。実に効率がいいです。ただし、上にも述べたように、睡眠時間は十分にとることが前提です。また、茂木氏があるテレビで、複数のそれぞれの世界でトップクラスの人たちが、意図的に、企画のときに眠ることの重要性を示唆したテレビ番組もあり、脳科学的に茂木さんが、ますます、確信を深めました。


もう一つ実践していることは、無意識下の脳に意識的に働かせることです。
「無意識で意識的?」と完全に論理は破綻していますが、不思議とそれができるのできるのです。

眠りに入る直前、意識が少し遠のく瞬間に一つの命題を脳に与えておきます。例えば企画書で書きたいと思うようなテーマの断片をいくつか思い浮かべるのです。すると、眠りに落ちる瞬間までそのことを少し考えます。眠ったあとは無意識の脳に任せます。茂木氏や養老氏の言うような情報整理のプロセスを脳が行っているうちに、その命題と脳内の情報や記憶の断片が結びつきます。うまくいけば、目が覚めると何んらかの考えが浮かんでいます。ベッドサイドに茂木さんのようにパソコンはないですが、できるだけ早くパソコンに向かうか、必死にメモをとります。最近では、iPhoneでフリック入力で素早くメモをとるようにします。毎回うまくいくわけではありませんが、なれてくると結構、勝率が良くなります。


こんな話をすると、「眠っている間までそんなことをしていたら、気が休まらないでしょ?」と人に言われることがあります。しかし、養老氏は「この脳の働きを裏付けている最大の証拠は、寝ていても起きていても、脳が使っているエネルギー量は変わらないということだ」 と語っています。誰しも眠っている間も脳を動かしているのです。どうせなら、それを効率的に使った方がいいでしょう。これは一つのライフハックと言えると思います。騙されたと思って、今夜にでもお試しあれ。


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