「日本は、アメリカか中国か選ぶことになる」トランプ大統領「41歳のブレーン」が衝撃発言⋯ブチ切れたアメリカ庶民が「日米同盟を破壊する日」
まとめ
- アメリカはトランプ政権下でグローバル化や同盟ネットワークから孤立主義に回帰し、戦後80年の方針を転換する。
- リフォーモコン(改革保守)は、グローバル資本主義が中間・貧困層を貧しくしたと批判し、関税引き上げや同盟国への防衛負担増を主張。
- オレン・キャス氏は、国際秩序のリセットと日本の中米選択の必要性を警告し、トランプ政権の政策を理論的に支える。
- グローバル化による格差拡大や戦争の犠牲がアメリカ庶民の怒りを生み、トランプ政権の支持基盤となる。
- 日米安保条約の見直しや日本への駐留経費全額負担要求が本格化し、国際関係の構造変化が予想される。
アメリカが「世界のお節介焼き」としての役割を終え、孤立主義に回帰しつつある。トランプ大統領は、戦後80年にわたり米国が推進してきたグローバル化やリベラルな同盟ネットワークを転換し、初代大統領ジョージ・ワシントンの「他国と距離を置く」理念を復活させようとしている。戦後の日本にとって米国は精神的・物質的な「地盤」である一方、干渉的な「上司」でもあったが、この関係は大きく変わる可能性がある。
背景には、グローバル資本主義がエリート層を富ませ、中間・貧困層を貧しくしたとの不満がある。保守系シンクタンク「アメリカン・コンパス」を主宰するオレン・キャス氏(41歳)は、トランプ政権を支える「リフォーモコン」(改革保守)の代表的知識人として、自由貿易や同盟関係のコストが利益を上回ると主張。関税の大幅引き上げや、日本など同盟国への防衛負担増を求め、1980年代に日本が米国の圧力で現地自動車生産を増やした例を挙げる。
アメリカでは過去30年で不法移民が1000万人を超え、株価は5倍に上昇した一方、中間層の所得は停滞。富裕層と下位層の資産格差が拡大し、イラクやアフガン戦争で若者が犠牲になり、帰還兵の心身の傷や薬物問題が深刻化。「他国のためにアメリカ人が傷つく必要はない」との怒りが広がる。トランプ政権はこうした「傷ついた庶民」の声に応え、「リフォーモコン」の理念に基づき、日米安保条約の見直しや日本への駐留経費全額負担要求を本格化させる可能性がある。
キャス氏は「国際秩序はリセットされつつあり、日本は米国か中国かを選ぶ必要が出てくる」と警告。自由貿易や同盟関係の見直しは、トランプ支持者だけでなく、グローバル化に取り残された多くのアメリカ人の不満を反映している。「リフォーモコン」の思想に支えられたこの動きは一過性のものではなく、国際社会の構造を根本的に変えるかもしれない。
(「週刊現代」2025年4月28日号より)
【私の論評】リフォーモコンが築くアメリカの魂:労働者の誇りと霊性文化の創造
まとめ
- リフォーモコンは、グローバル資本主義の害を正し、労働者階級の誇りを復活させる運動であり、政治、外交だけではなく、米国独自の霊性文化を構築することを使命とすべき。
- その精神性—労働者の尊厳、ナショナリズム、反エリート主義、現実主義—は、バークの保守主義(伝統、道徳的秩序、コミュニティ、現実主義)と共鳴し、グローバル化の断絶を癒す。
- 日本の霊性の文化に学び、ピューリタニズム、フロンティア精神、地域信仰を基盤に、労働者の誇りと国家の誇りを結ぶ霊性を築くべきである。
- 地域伝統の支援、愛国教育、自然保護を通じて、グローバル化の無機質な文化に対抗し、国民の霊的結束を強化する。
- 若手保守派団体ターニング・ポイント・USAと直接の連携は薄いが、トランプ支持層や若者層への訴求で間接的に響き合い、霊性文化を若い世代に広める力となるだろう。
上の記事にも出てくる、リフォーモコンは、グローバル資本主義の毒を洗い流し、労働者階級の誇りを蘇らせる運動だ。関税を上げ、同盟を問い直し、アメリカを再び強くする。しかし、その戦いは経済や外交だけで終わるものではない。アメリカの魂、つまり米国独自の霊性を呼び起こす文化を築くことこそ、真の使命としてほしい。
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「鹿の国」公式ガイドブック |
先日このブログにも掲載した、日本のドキュメンタリー映画「鹿の国」は、日本の霊性の文化を呼び起こさせ物質に溺れた現代人に土着の信仰と自然の神聖さを突きつけ、魂の渇きを癒した。リフォーモコンも同じだ。ピューリタンの信念、フロンティアの魂、地域の信仰を掘り起こし、労働者の尊厳と国家の誇りを結びつける霊性を打ち立てるべきだ。
この霊性は、エドマンド・バークの保守主義—伝統と秩序への敬意、コミュニティの絆—と、リフォーモコンの精神—労働者の誇り、ナショナリズム、反エリート主義、現実主義—を一つに熔かし、グローバル化の荒波でバラバラになったアメリカを再び結びつける。アメリカの若手保守派団体ターニング・ポイント・USA(TPUSA)の若者たちとのつながりは、この霊性を若い世代に根付かせる推進力となる。アメリカの再興は、魂の復活にかかっている。
グローバル化の傷とリフォーモコンの魂
グローバル化はアメリカの心を蝕んだ。エリートは富を独占し、労働者階級は貧困と絶望に沈んだ。不法移民は1000万人を超え、株価は5倍に跳ね上がっても、中間層の所得は動かない。イラクやアフガンの戦場で若い命が散り、帰還兵は傷と薬物に苦しむ。こんな現実を前に、誰が黙っていられるのか。リフォーモコンの精神は、この怒りに火をつける。
労働者の尊厳は、ピューリタンが神に捧げた労働の誇り、フロンティア開拓者が荒野で築いた自立の魂と響き合う。ナショナリズムは、「神の下の国家」を信じる不屈の愛国心だ。反エリート主義は、労働者を「能力不足」と切り捨てるエリートへの民衆の正義の刃である。現実主義は、他国のためにアメリカが血を流す愚を拒む覚悟だ。
バークの保守主義は、この精神に深い知恵を与える。バークは伝統を「先祖が残した宝」と呼び、急激な変革を退けた。社会は過去と未来をつなぐ「永遠の契約」であり、家族、教会、地域といった「小さな集団」がその絆を守る。リフォーモコンの労働者コミュニティへのこだわりは、この精神そのものだ。
だが、リフォーモコンはバークの慎重さを超える。関税の壁を築き、日米安保を揺さぶる大胆さ、トランプのポピュリズムに支えられた勢いは、現代の断絶に応じた新しい炎だ。それでも、労働者の誇りと国家の再興を求める心は、バークの伝統と秩序への信仰と共鳴する。
「鹿の国」に学ぶ霊性の復活
日本の「鹿の国」は、霊性の復活が持つ力を教えてくれる。諏訪の信仰を背景に、鹿と自然の神聖さを描いたこの映画は、監督の4年にわたる執念が生んだ。グローバル化の無味乾燥な世界に疲れた日本人が、土地と命のつながりに涙した。
アメリカも同じだ。リフォーモコンの支持層—白人労働者階級、ラテン系、若者—は、2024年のトランプ勝利(得票率約50%)で声を轟かせた。彼らは金だけでなく、コミュニティと伝統を失った痛みに喘ぐ。グローバル化は魂を奪う。リフォーモコンは、ピューリタンの信仰、アパラチアの福音派、ミッドウェストの農村の祈り、南部のバプテストの讃美を呼び戻し、米国独自の霊性を築かねばならない。
この霊性は、具体的な行動で形になる。第一に、地域の伝統を守る。教会や農場を支え、福音派の集会や地域の祭りを盛り上げる政策が、魂の絆を強める。第二に、教育とメディアでアメリカの物語を語る。建国神話やフロンティアの英雄を子供たちに教え、労働者の誇りを讃える映画を広める。第三に、自然との絆を取り戻す。「鹿の国」が自然の神聖さを示したように、国立公園や農村の美しさを守る運動が、土地への愛を深める。これらは、グローバル化の冷酷な波に立ち向かう魂の砦だ。
若者と築くアメリカの未来
若手保守派団体ターニング・ポイント・USA(TPUSA)は、リフォーモコンの霊性を若者に広める鍵だ。TPUSAは大学キャンパスで保守主義を掲げ、愛国心を訴える。リフォーモコンと直接のつながりは薄いが、トランプの「アメリカ・ファースト」を共有し、反エリートや労働者優先のメッセージで響き合う。TPUSAのチャーリー・カークは、関税や製造業復興を支持し、リフォーモコンのオレン・キャスの論調と重なる。
TPUSAの自由市場重視はリフォーモコンの保護主義と異なるが、若者への動員力は霊性を広める力になる。2024年選挙で若者がトランプに流れた背景には、TPUSAの活動とリフォーモコンの訴えが共鳴した可能性がある。TPUSAのネットワークは、愛国心とコミュニティの霊性を若い心に刻む。
霊性文化の構築は、リフォーモコンの戦いを完成させる。バークが世代の絆を「永遠の契約」と呼んだように、霊性はアメリカ人を過去と未来で結ぶ。グローバル化の分断を癒し、エリートへの怒りを希望に変えるには、金や政策だけでは足りない。魂の基盤が必要だ。リフォーモコンの精神は、バークの伝統と秩序への信仰と一つになる。TPUSAの若者たちにこの霊性を広めれば、アメリカの再興は揺るぎない。
リフォーモコンは、米国独自の霊性文化を築く使命を担うべき。「鹿の国」が日本の魂を呼び戻したように、ピューリタニズム、フロンティア精神、地域信仰を基盤に、労働者の尊厳と国家の誇りを結ぶ霊性を打ち立てる。地域の伝統を守り、教育で物語を伝え、自然の美しさを愛する。それが、グローバル化の闇を吹き飛ばす光だ。TPUSAと手を携え、バークの保守主義とリフォーモコンの炎を融合させる。この霊性が、アメリカの魂を蘇らせ、国民を一つにする。
政治、経済だけでは、国民が一つにまとまるのは難しい。やはり固有の霊性の文化は欠かせない、日本は誇るべき霊性の文化があるのに、忘れてしまっている。日本は、これを思い出すべきだろう。そうなれば、日米ともに国民はまとまり、他の国々との無用な対決も避けることができるだろう。さらに、他の国の固有の霊性文化を尊重するようになるだろう。
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