2025年4月26日土曜日

英紙の視点「トランプ関税によって日本が持つ圧倒的な“生存本能”が試されている」—【私の論評】トランプ関税に挑む日本の魂:フィナンシャル・タイムズの浅薄な幻想

英紙の視点「トランプ関税によって日本が持つ圧倒的な“生存本能”が試されている」

まとめ
  • グローバル化の危機: トランプ2期目の保護主義政策(関税重視、移民批判)やHSBC会長の「グローバル化終焉」発言により、世界経済を支えたグローバル化が揺らぎ、歴史的転換期を迎えている。
  • 日本のグローバル化による成長: 日本は戦後約80年間、グローバル化の恩恵で経済大国に躍進(1960年代後半に世界2位)、海外展開で企業収益を拡大し、世界経済と連動した成長を遂げた。
  • 平和と貿易の戦略: 資源不足を貿易で克服し、米軍の保護下で平和主義的な起業家精神を発揮、「沈まない空母」として地政学的地位を確立し、文化大国としての富を築いた。
  • トランプ政権の影響: 関税政策や日米安保への疑念が日本に経済的・地政学的打撃を与える可能性が高く、関税免除失敗などで国内の不安が増大している。
  • 日本の生存本能: 明治維新や戦後復興で示した適応力とプラグマティズム(イデオロギーを捨て生存優先)を発揮し、過去の迅速な戦略(例:天安門事件後の中国進出)を活かして危機を乗り越える可能性がある。

トランプ2期目の発足により、世界経済を支えてきたグローバル化が深刻な危機に瀕している。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は、明治維新と戦後復興という二つの歴史的転換期を乗り越えた日本の「生存本能」に注目し、この激動の時代を生き抜くヒントがあると論じる。グローバル化は長年、政治指導者や企業経営者、歴史家に支持され、世界に安定と繁栄をもたらしてきたが、トランプ大統領の関税重視政策や副大統領J・D・バンスの移民批判、さらにはHSBC会長の「グローバル化終焉」発言により、その基盤が揺らいでいる。

日本は戦後約80年間、グローバル化の恩恵を最大限に受け、1960年代後半には世界第2位の経済大国に躍進。バブル崩壊で中国に抜かれた後も、企業の海外展開を加速させ、売上高は1991年比で約3倍に成長した。CLSA証券のストラテジストは、日本企業の収益が世界経済の動向と密接に連動していると指摘。平和主義的な起業家精神と貿易で天然資源不足を克服し、米軍の保護下で「沈まない空母」として地政学的地位を確立、文化大国としての富と国際的影響力を築いた。

しかし、トランプ政権の保護主義や日米安保への疑念は、日本に経済的・社会的な打撃を与える可能性が高い。2月の石破茂首相の訪米は成功とされたが、関税免除の約束を取り付けられなかったことで国内の不安が高まる。それでも日本は、過去の適応力とプラグマティズムで知られ、1989年の天安門事件後の中国進出のような迅速な戦略でグローバル化を活用してきた。明治維新や戦後復興期に示した「イデオロギーを捨て生存を優先する」姿勢は、少子高齢化や人口減少に直面する現代でも有効だ。日本の比類なき生存本能が、トランプ政権下の新時代でどのように発揮され、危機を乗り越えるのか、その展開が大いに注目される。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】トランプ関税に挑む日本の魂:フィナンシャル・タイムズの浅薄な幻想

まとめ
  • 天皇を中心とする霊性の文化の重要性:日本の真の力は、天皇を頂点とする霊性の文化に根ざし、これは日本人の魂の基盤であり、捨てれば日本のアイデンティティが失われる。
  • フィナンシャル・タイムズの誤った分析:記事は明治維新や戦後復興の適応力を称えるが、霊性の文化を無視し、グローバル化の終焉やトランプの脅威を誇張、プラグマティズムを過剰に礼賛する。
  • 明治維新の成功とドラッカーの洞察:ドラッカーは、明治維新が「和魂洋才」で天皇の文化を守りつつ西洋技術を融合させたため成功したと評価、世界が日本に学ぶべきだと説く。
  • 中国国交回復の誤り:1972年の中国との国交回復は、霊性の文化を軽視した近視眼的判断であり、中国の台頭とサプライチェーンの脆弱性を招いた失敗。
  • 現代日本の試練と使命:少子高齢化や技術遅れに直面する日本は、天皇の霊性の文化を保持しつつ、新たな戦略で人口減少や技術の壁を克服する必要がある。
 関税男(tarrif man)を自認するトランプ大統領

トランプの関税が世界を揺らし、日本の真価が試されている。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は、明治維新や戦後復興の適応力を称えるが、その目は曇っている。日本を動かすのは、天皇を頂点とする霊性の文化だ。これは単なる観念ではない。日本人の魂の根底に流れる、生きる力そのものだ。これを捨てれば、日本は消える。ピーター・ドラッカーは、明治維新の奇跡をこの文化の力に帰し、世界が日本に学ぶべきだと断言する。フィナンシャル・タイムズは、この真実を見ず、浅薄な危機論と空疎な楽観論に溺れる。その誤りを、暴く。

グローバル化の終焉? 日本の不屈の力

フィナンシャル・タイムズは、トランプの保護主義やHSBC会長の言葉を振りかざし、「グローバル化の終焉」を騒ぐ。だが、これは誇張だ。世界貿易機関(WTO)の2024年データでは、世界貿易量は3.2%増と堅調だ(WTO推計)。日本企業の海外売上高は1991年比3倍に跳ね上がり、グローバル化の力を証明する(JETROデータ)。トランプの関税は自動車産業を苦しめるが、ASEANへのサプライチェーン移行やデジタル経済が新たな道を切り開く。記事は、この現実を無視し、終焉の幻想に囚われる。

日本の戦後成長をグローバル化と米国の庇護だけに帰するのも的外れだ。1960年代の高度成長は、内需とインフラ投資が牽引し、輸出はGDPの10%未満だった(経済企画庁データ)。土地改革、財閥解体、教育投資、通産省の産業政策が経済を鍛えた。ソニーやトヨタの技術、アニメやJ-POPの文化が世界を魅了した。日本の強さは、天皇を中心とする霊性の文化に根ざす。記事は、この魂の力を軽んじ、表層的な物語に逃げる。

トランプの影と日本の底力

下関戦争の写真

記事は、トランプの関税や日米安保への疑念が日本を「経済的・地政学的に叩きのめす」と煽る。笑止千万だ。日本の経済は多角化し、2024年の輸出先は米国(18%)、中国(17%)、ASEAN(15%)が拮抗する(JETROデータ)。関税の衝撃は限られ、円安(2025年4月時点で1ドル=150円)が輸出を後押しする。観光業や半導体の内需も盾となる。日米安保への疑念はトランプの虚勢に過ぎず、米国のアジア戦略における日本の価値は不動だ。記事は、日本の底力を侮る。

「圧倒的なプラグマティズム」を礼賛するが、その中身は空疎だ。幕末の尊皇攘夷は、単なる打算ではない。天皇を頂点とする霊性の文化が、外国への抵抗(長州藩の攘夷決行)や国家観を燃やした。薩摩や長州が開国に転じたのは、武士の内紛や欧米の軍事力(1863年の薩英戦争)との対峙が生んだ苦渋の選択だ。明治維新を打算の勝利と飾る記事は、尊皇攘夷の魂を見ない。ドラッカーは、明治維新の成功を、天皇中心の文化を守ったことに帰す。日本の適応力は、霊性と現実の融合にある。記事はこの真実を踏みにじる。

霊性の魂と未来への挑戦


記事が掲げる「イデオロギーを捨てろ」は、日本の魂を切り裂く暴論だ。天皇を頂点とする霊性の文化は、神道や仏教に根ざし、日本人の心を結ぶ。これは観念ではない。生きる力の源だ。尊皇攘夷、明治維新の神道復興(1868年の神仏分離令)、 当時世界的に見ても先進的だった大日本帝国憲法、伝統文化(茶道、能)の保護は、この霊性が導いた。

ドラッカーは、明治維新が「和魂洋才」で西洋技術を日本の魂に溶かし込んだからこそ、非西欧で唯一の成功例となったと喝破する。インドやペルシャが西洋化で躓いた時、日本は天皇の文化を守った。ドラッカーは、グローバル化と文化の衝突を乗り越えるには、「変わるもの」(技術革新)と「変わらないもの」(天皇の霊性の文化)の調和が必要だと説く。天皇は、この「変わらないもの」の守護者として、戦乱やコロナ禍でも日本を支えた。記事は、この魂を無視し、打算に話をすり替える。

この打算の過信は、1972年の中国との国交回復にも表れる。これは明らかに間違いだった。日本の指導者は、経済的利益と国際的調和を期待し、中国共産党との関係を急いだが、これは日本の霊性の文化を軽視した近視眼的判断だ。中国は、その後の経済的台頭(2024年GDPは米国に次ぐ2位)と軍事的膨張(南シナ海の領有権主張)で、アジアの安定を脅かす。

日本企業は中国市場に依存し、サプライチェーンの脆弱性を露呈した(2024年、半導体供給網の混乱)。国交回復は、短期的な利益を追い、天皇中心の価値観や地政学的慎重さを蔑ろにした失敗だ。記事が称える「プラグマティズム」は、こうした歴史的誤りを正当化する危険な幻想である。

現代日本の試練は重い。少子高齢化(2025年で人口の29%が65歳以上)、労働力不足、官僚の硬直性が足枷だ。1989年の中国進出は輝いたが、米中対立と中国の減速(2024年GDP成長率4.5%)下では危険だ。エネルギー高騰やサプライチェーンの混乱も重荷だ。記事はこれを軽視し、「生存本能」と曖昧に逃げる。明治維新や戦後復興は、伊藤博文や吉田茂の外交手腕、若年人口の活力と国際環境に恵まれたが、今は違う。原発再稼働の遅れやデジタル化の停滞が、打算の限界を晒す。トランプ関税への具体策(FTA拡大、産業再編)も示さず、記事は空虚だ。

結論

フィナンシャル・タイムズは、トランプ関税が日本の力を試すと見抜くが、肝心な点で躓く。「圧倒的なプラグマティズム」は中身がなく、尊皇攘夷の魂、天皇を頂点とする霊性の文化を見ず。この文化は観念ではなく、日本人の魂の基盤だ。これを捨てれば、日本は消える。1972年の中国国交回復は、打算の過信が招いた誤りだ。

ドラッカーは、明治維新の奇跡を天皇の文化の力に帰し、世界が学ぶべきだと叫ぶ。記事は、グローバル化の終焉やトランプの脅威を誇張し、高齢化や技術の遅れの試練を軽んじる。その分析は、薄っぺらい危機論と楽観論の寄せ集めだ。日本の使命は、天皇の霊性の文化を守り、人口減少や技術の壁を打ち破る新たな道を切り開くことだ。トランプの嵐など、日本の魂の前では、ただの風だ。

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