米産業界、トランプ氏へ懸念の声 グーグルも対策議論?
大統領候補トランプ氏 |
米大統領選2016
「危険な人物だ。米国が不況に陥る」。ヒューレット・パッカード(HP)のメグ・ホイットマン最高経営責任者は3月上旬、こう痛烈に批判した。「扇動家は大統領にふさわしくない」とも語った。ゼネラル・エレクトリック(GE)を長年率いた「カリスマ経営者」ジャック・ウェルチ氏も出演したテレビで、トランプ氏が優位な情勢を「残念ながら」と嘆いた。ともに共和党支持者だ。
トランプ氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)に反対し、中国やメキシコに35%の高い関税を課すとも主張。ホイットマン氏は「彼の貿易政策の間違いはひどい」と指摘する。米経済紙は「貿易戦争になる」と警戒感を高める。
ハイテク企業の集積地シリコンバレーの経営者らは、「移民敵視」発言に敏感だ。移民の力が技術革新を促してきた歴史があり、それを否定する考えに反対する。米メディアによると、アップルやグーグルなどの経営トップが3月上旬に共和党系会議に出席し、党の主流派議員も加わって、「トランプ対策」をテーマに話し合ったという。
「工場を米国外に移した会社(菓子大手ナビスコ)の『オレオ』は食べない」
トランプ氏の論調の一つには「大企業が工場を国外に移したため、労働者の生活が苦しくなった」というものがあり、支持者からは喝采を受ける。指名争いの勝利が現実味を帯び、一方ではウォール街の重鎮カール・アイカーン氏をはじめ、支持を表明する経営者も目立ち始めた。著名資産家ウィルバー・ロス氏は「いまは人気取りの発言もあるが、指名候補になれば大統領らしい政策を語るだろう」と述べている。(ニューヨーク=畑中徹)
「お前はクビだ」 トランプ氏のTV仕込み演出術を分析
さらに、トランプ氏の対抗馬のヒラリー・クリントン氏が良い候補者であるかどうかには疑問があります。
クリントン氏には、いわゆる献金疑惑があります。それに関する記事を以下に掲載します。
これは、昨年4月22日のZAKZAKの記事です。
ヒラリー氏、早くもピンチ… 献金問題浮上で選挙戦略に大ダメージ
ヒラリー・クリントン氏 |
女性初の米大統領に挑戦する民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が、献金問題で苦境に立たされている。関係財団が外国政府から多額の献金を受けていたことをめぐり、メディアや共和党が追及姿勢を強めているのだ。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領も巨額裏金疑惑でピンチだが、ヒラリー氏は危機を乗り越えられるのか。
「(野党の出方は)予想していた。この手の攻撃はつきものだ」
ヒラリー氏は20日、ニューハンプシャー州で記者団にこう語った。共同通信が伝えた。
問題の財団は、夫のビル・クリントン元大統領が主宰し、温暖化や貧困への対策、女性の地位向上に取り組む慈善団体「クリントン財団」だ。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、ヒラリー氏周辺の資金の流れを追った「クリントン・キャッシュ」を来月出版する作家、ピーター・シュワイツァー氏が、同財団に献金した外国政府や企業が、ヒラリー氏が長官時代の国務省から有利な取り計らいを受けていた-と主張している。
シュワイツァー氏は、レーガン政権で国防長官を務めたキャスパー・ワインバーガー氏との共著『ネクスト・ウォー-次なる戦争』(二見書房)でも知られる人物だ。
AP通信によると、少なくとも16カ国の政府が最大1億3000万ドル(約155億円)を財団に献金していたという。この中には、女性の人権侵害が深刻なサウジアラビアなども含まれていたことが先に問題化し、同財団は外国政府からの献金を欧州4カ国とカナダ、オーストラリアの計6カ国に限定する方針を決めたばかりだった。
ヒラリー氏は12日の出馬表明に合わせて財団の理事職から退いているが、共和党側は「出馬する資格があるのか、有権者に疑問を抱かせる」(ポール上院議員)などと攻撃を強めている。この記事で掲載されていた、『クリントンキャッシュ』は、今年日本でも出版されています。以下にこの書籍に関して簡単に説明します。
今後、複数の米主要メディアが、シュワイツァー氏の協力を得て調査報道を行う方針といい、ヒラリー氏の選挙戦略にダメージとなりそうだ。
米大統領選では、あれだけ大本命と言われたヒラリー・クリントン前国務長官が、民主党内の指名争いで、サンダース上院議員と大接戦になるほど追い込まれています。指名争い初戦のアイオワ州での党員集会では、両者はわずか0.3%差でした。
日本での報道からは、なぜかファーストレディーや国務長官を務めた「スーパー・ウーマン」ぶりしか伝わってこないだけに、この苦戦ぶりは私達には意外にも思えます。そこで、その謎を解く鍵になるのが、今年2月10日に発売された本書『クリントン・キャッシュ』(著・ピーター・シュバイツァー、監修・あえば直道)です。
著者は財団の財務情報や、各国での報道などを調べ上げ、同財団に海外政府や企業などが多額の献金を行ってきた事実を丹念に描き出しています。しかも彼らは、クリントン一家がアメリカ政府を動かし、自分たちに便宜を図ってくれることを期待して、お金を振り込んでいた可能性があるというのです。
こうしたスキャンダルにまみれたヒラリーは、ついに国民の過半数から「嘘つき」「信用できない」と思われるまでになってしまい、選挙戦でも痛手を被ったのです。こうした裏事情を知らなければ、大統領選の真相は見えてきません。ヒラリーの疑惑に斬り込んだ本書は、まさに大統領選を語る上で必読の書と言えます。
この書籍で、もう一つの重要な点は、「チャイナ・マネー」です。南シナ海に人工島を建設するなど、中国による周辺国への脅威は日を追って増すばかりです。日本にとっても、同盟国アメリカと連携して、いかに危険な行動を抑止していくべきかが問われています。アメリカ大統領選は、外交政策を担っていくのかという問題でもあります。
『クリントン・キャッシュ』を通じて浮き彫りになってくるのは、「ヒラリー大統領」は日本の安全にとってはマイナスであるという点です。外国からの献金をやすやすと受け取ってしまう一家に、アメリカの外交を任せられるのでしょうか。
実際に、夫のビル・クリントン氏が大統領だった時代には、米民主党が中国からの多額の献金を受けて問題になったこともあります。この書籍から、「チャイナ・マネー」に弱い米大統領が誕生することの危うさを読み取っていただければ、幸いです。
ところで、アメリカはいわゆるエスタブリッシュメントとといわれる、ほんの一部の支配層が支配する国でした。そのエスタブリッシュメントのうちの多数派の中国に対するエンゲージメント派は、いずれ中国は民主化するであろうと見ているようで、中国は将来的にアメリカにとって自分たちが御せる良い市場になると信じているようです。
これに関しては、以下の動画をご覧いただければ、良く御理解いただけるものと思います。
トランプ・トレインに乗り遅れるなという世論が巻き起こっている |
【米大統領選】トランプ氏、中国に敵意むき出し クリントン氏も「中国は大量の政府情報盗んでる」―【私の論評】トランプが大統領になる日、日本はどうなる(゚д゚)!
中国不法漁船を爆破 インドネシアが拿捕して海上で 「弱腰」から「見せしめ」に対応―【私の論評】ルトワックが示す尖閣有事の迅速対応の重要性(゚д゚)!
【関連図書】
LUFTメディアコミュニケーション
売り上げランキング: 107,193
CCCメディアハウス (2016-02-02)