【一服どうぞ】裏千家前家元・千玄室(この項すでに、ご存知の方は読み飛ばしてください)
■心を癒やす一服のお茶
昨年は海外での仕事が殊更多かった。それも茶会や講演会などを通じて、日本の立場を理解していただき、その立場を良くしようとする民間外交の役割が加わっていた。米国をはじめ欧州・中近東・中国・韓国等7カ国へ16回の旅であった。85歳の身体はすこぶる快調。重要な役割を果たすことができたことを神仏の御加護と、支援者の協力のおかげと感謝している。
私の健康のもとは一服(わん)の抹茶にあると常々申している。朝昼に必ず濃茶を静かにいただく。抹茶と相対する瞬間、あざやかな緑色が目を通じて心に入っ てくる。ホッとした安堵(あんど)感が生まれる。また一口すするごとに身体全体に活力がみなぎってくる。「貴方は茶の家の方だから、しかも家元という立場 であったから当然でしょう」と言われればそれまでである。しかし、茶服を持つときは、一人の人間になっている。
手前、向かって一番右が家元
禅宗の臨済録の教えに「一 無位の真人」という言葉がある。人間はどんな地位立場の人であろうとも裸のままで世に生まれ出てきた。みんなが無垢(むく)で純白なままで成長すれば、世 の中は真に平和であろうが、成長するにしたがい智恵がつき、垢(あか)が身についてくる。この教えは、そうした虚仮(こけ)にまとわれたものを捨てて無の 人になるという教えである。なかなか難しいことではある。しかし、茶室の中では世間的な地位などは関係なく、すべての人が平等である。そして、人と人が一 体となるためにも、すすめ合う一服の茶が主役になる。「いかがですか」「お先に」「どうぞ」こうしたすすめ合いの言葉で一服をいただくとき、そこには素直 な無垢の自分がある。茶道は作法にのみ拘泥(こうでい)して難しいという人がある。こういう方にこそ、一服のお茶で人間らしさを教える道の在り方を、ぜひ とも理解していただきたい。
中国から渡来した茶は、既に奈良時代に は薬用として極めて実利的な面と、神仏にささげる精神的な意義をもたらした。唐の時代の760年ごろ、文人陸羽は世界で初めての茶書『茶経』を記した。そ の中に「茶の効用は、味がいたって寒であるから、行い精(すぐ)れ倹の徳のある人の飲むに最もふさわしい」といっているのに注目すべきである。寒や倹徳と は味がすぐに味わえるものではなく、よく静かに味わってこそ、真の味が感得できるということである。
抹茶は単なる飲み物としても、ビタミンやカテキンを豊富に含み肉体をうまくコントロールしてくれる。鎌倉時代の栄西禅師(1141~1215)の『喫茶養生記』には、「茶は末代養生の仙薬にして、人倫延齢の妙術なり」とある。さらに陰陽五行の思想を基に、茶を飲んだときに苦く味わうことが心臓に良いと説いている。医学的・薬学的にも緑茶の成分は、人間の身体に良いと報告もされているが、昔は妙薬として用いられていた。最近ではカテキンの作用により糖尿病やがんの予防になるといわれ、消化器障害には良く効くとのことである。
私は茶服(丸い茶碗(ちゃわん))を地球と思い、両手にいただき、緑の茶と一体になる。地球に対する感謝、そして自然環境の緑を大切にする思いを持つのである。こうしたたった一服のお茶だが、心を癒やす糧にもなる。(せん げんしつ)
服=怨の心を皿に
忙しいときほど必要な一服?
上の記事を見ていて、昔のことをふと思い出したので、掲載します。私の母は茶道をしていて、教授の免許も持っていたので、高校くらいまでには多少お茶会にも出させていただいたことがあります。それからは、そのような機会もなかなかなく、最近はとんとご無沙汰しています。
家元には、一度だけ当家においでいただいた想い出があります。私が小学校4年生くらだったでしょうか?とは、言っても無論、私の家は、家元となんらかの関係があるということではありません。その当時から家元はいつも全国のお茶会を回り歩いていて、当家にいらっしゃったのも、その一環にだったと思います。
もう、その家も当時から古いものだったので、解体されてなくなってしまいましたが、とにかく座敷が広かったし、暖房も当時としてはスチームだったので冬でも暖かく、一時は毎週のようにお茶会を開いていたこともありました。お茶用の炉も据えてありました。光(にじり)口のついた和室がありました。毎週近所のお嬢様がたが和服姿で集まり、それはきらびやかでした。
当時は田舎町に住んでいたので、こんなところにも家元がいらっしゃるのかと思い驚いたものです。そうして、実際いらした家元をみてまたびっくりです。やはり、立ち居振る舞い、話し方などが一般の方とは違います。私のようなものにも優しく、お言葉をかけていただきました。まさに、その当時は子供ながら、大人の立ち居振る舞いの見本をみたような心もちがしたものでした。
あれから、数十年も経っています。しかし、家元もお元気で活躍されていて、大変喜ばしいことだ思います。いまでは、日本全国どころか、海外にも頻繁に行かれているのですね。まさに、民間親善大使のようなものですね。
今のご時世、100年に一度という金融危機のさなかにあり、上の家元のお言葉は心にしみます。
最近世の中はどこか、変に気ぜわしすぎて、人々が大事なことを見失っているような気がします。商売関係でも、アメリカ流自由主義の権化のようだった、アメリカの金融・経済主導よるバーチャル需要におどらされて、トヨタなど北米市場に力を入れていたところは軒並み大赤字です。日本市場からほとんど出なかったことが幸いして、NTTの減収増益です。世界をまたにかけていた、ノキアは大赤字です。まさに、日本のことは無視して、アメリカ流の自由主義を信奉して、社会は無視して、金さえ儲かれば良いというような、そこまではいかなくても、利益をのみを重視したような、昔の日本人だったら忌むべき行為をした会社が苦しんでいます。
日本の中で日本のお客様に顔を向けて商売をしている人たちに影響は少ないようです。NTTに限らず、昨年の暮れは、街のケーキ屋さんが、空前の大繁盛をしました。渋谷などの都内で、いわゆる「かわいい系」のファッションの勢いはとどまることを知りません。フランスからも市場調査にきているくらいです。そのほか、日本のアニメや音楽でも注目を浴びているものはたくさんあります。
わたしたちは、もう一度日本という国を等身大でみる必要がありそうです。良くみれば、その奥行き、その広さに驚くに違いありません。もう一度、現代の日本の良さ、そうして、その基本もとなっている「和」の精神を見つめなおす必要がありそうです。その中でも、「茶道」は本当に日本の精神の基ともいえる基本的なものだと思います。
私は、最近このブログに「内需」という言葉を使っていましたが、上記の家元の言葉を読み、それだけでは足りないと思いました。今注目すべきは、「和」の精神だと思います。今こそ、「和心」が日本を変えていくときだと思います。非常に即物的な言い方ですが、お茶会など頻繁に開催することでも、内需拡大につながっていくのではないかと思います。まずは、お客が集まる、集まれば皆でどこかへ行くという機会も増えると思います。それに、着物が売れるとか、さらには単なるモノの消費ではないということが、多くの人に受けられられやすいと思います。茶道だけではな、生け花とか、和太鼓など他にもいろいろあると思います。やはり、今後の日本を考えるには「和心」を抜かすことはできないと思います。
私も近頃は、茶道のことはすっかり忘れていたと思います。私も、また基本にたちかえり、たまにはお茶を一服いただき、明日の活力の糧にしていきたいと思います。
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