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2020年4月21日火曜日

少なさ際立つ日本の「コロナ死」 病床数など関係も…「ドイツや韓国を見習え」論の不可解―【私の論評】数字に頼るだけではなく、数字を客観的に正しく読むべき(゚д゚)!

少なさ際立つ日本の「コロナ死」 病床数など関係も…「ドイツや韓国を見習え」論の不可解


東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「大きな差になるかは微妙だが、SARS(重症急性呼吸器症候群)の際もホテルの掃除でカーペットのウイルスを吸入して感染したという報告がある。新型コロナウイルスも布や床、壁で2~3日生きているとされ、靴を脱ぐことで屋内のウイルスの濃度を下げることになり、感染確率は下がる」と指摘する。

厚生労働省の統計では、新型コロナウイルスによる死者は70~80代が多いが、感染者は20代と40~50代が多い。

児玉氏は「欧米では死亡リスクが高い60歳以上の感染者が多いのに対し、日本は50歳以上が少ないため、感染者数の増加の割に死亡者が少ないと考えられる。高齢者が欧米ほど出歩かないなど、文化の違いもあるかもしれない」とみる。

厚労省のクラスター対策班や現場の医療従事者の奮闘、多くの国民の自粛の努力もあって持ちこたえている日本だが、感染者も死者も増え続けていることは厳粛に受け止めるべき事態だ。前出の真野氏は地方での感染爆発に懸念を示す。

「沖縄県の石垣島で感染者が出たが、こうした例は危険だ。国内での医療資源は都市部に偏在しているため、地方で感染が広がれば、感染者数が横ばいのままでも死者数が急増する恐れがある。都市部から動かないことが重要だ」

東京都は死後にPCR検査の結果で感染が判明した場合でも、原則的に感染者の死亡として公表している。全国の警察が3月中旬から4月中旬までの約1カ月間に変死などとして扱った遺体のうち、埼玉、東京、神奈川、三重、兵庫5都県の計11人が感染していたことが分かっている。

医療リスクマネジメントに詳しい内科医で、中央大大学院戦略経営研究科教授の真野俊樹氏は、「死者数は嘘をつけない。新型コロナウイルス感染症は間質性肺炎なので普通の肺炎と異なるため、見落とすケースはほとんどないはずだ」と否定する。

真野氏は「私の専門は海外との客観的比較で、現場の医療関係者とで見解は異なるかもしれないが、日本の健闘には、転換可能な病床数の多さや患者の在院日数の長さが、医療の余裕になって関係しているのではないか」と指摘する。

経済協力開発機構(OECD)の2017年の統計では、1000人当たりの病床数はスペインが3・0、イタリアが3・2で、米国が2・8、英国が2・5とさらに低く、日本は13・1と加盟国中最も多い。

注目されているのが、米疾病予防管理センター(CDC)の機関誌電子版に掲載された論文だ。中国・武漢の集中治療室で働く医療従事者の靴底から新型コロナウイルスが確認されたという。室内で靴を脱ぐ日本の生活習慣が感染死の少なさにつながっているのか。

東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「大きな差になるかは微妙だが、SARS(重症急性呼吸器症候群)の際もホテルの掃除でカーペットのウイルスを吸入して感染したという報告がある。新型コロナウイルスも布や床、壁で2~3日生きているとされ、靴を脱ぐことで屋内のウイルスの濃度を下げることになり、感染確率は下がる」と指摘する。

厚生労働省の統計では、新型コロナウイルスによる死者は70~80代が多いが、感染者は20代と40~50代が多い。

児玉氏は「欧米では死亡リスクが高い60歳以上の感染者が多いのに対し、日本は50歳以上が少ないため、感染者数の増加の割に死亡者が少ないと考えられる。高齢者が欧米ほど出歩かないなど、文化の違いもあるかもしれない」とみる。

厚労省のクラスター対策班や現場の医療従事者の奮闘、多くの国民の自粛の努力もあって持ちこたえている日本だが、感染者も死者も増え続けていることは厳粛に受け止めるべき事態だ。前出の真野氏は地方での感染爆発に懸念を示す。

「沖縄県の石垣島で感染者が出たが、こうした例は危険だ。国内での医療資源は都市部に偏在しているため、地方で感染が広がれば、感染者数が横ばいのままでも死者数が急増する恐れがある。都市部から動かないことが重要だ」

【私の論評】数字に頼るだけではなく、数字を客観的に正しく読むべき(゚д゚)!

上の記事で、「中国・武漢の集中治療室で働く医療従事者の靴底から新型コロナウイルスが確認されたという。室内で靴を脱ぐ日本の生活習慣が感染死の少なさにつながっているのか」という部分が目を引きました。

なぜかというと、数日前イタリアでお年寄りたちが、互いの足を触れ合わせて、挨拶のかわりにしているという風景をみたからです。そこでYouTubeを閲覧してみると以下のような動画がみつかりました。


握手をしたり、ハグをしたり、キスをしたりでは、間違いなく中国ウイルスの感染を高める可能性が高いですが、もしかすると足と足で「こんにちわ」をする挨拶も、感染を誘発している可能性あると思います。これは、いずれの機関でも良いので是非調査していただきたいものです。

日本では、もともとこのようなことをしなくても、昔から挨拶はお辞儀と決まっています。そうして、このお辞儀、正しいお辞儀をするのは結構難しいものです。だから、新入社員などは、最初にお辞儀の練習をさせられたります。「挨拶がきちんとできれば、一人前」ともいわれます。

日本では、挨拶としてのお辞儀が根付いています。会社でも、お辞儀をするのは当たり前です。以前ある地方都市の市役所の年配の方が全く挨拶をしないということを聴いたことがあったので、驚いたものです。それも何十年もお辞儀をしないそうです。民間企業であれば、そのような人は無理やりにでもお辞儀をさせられるでしょう。

下の動画は、ドライブレコーダーの記録ですが、多くの人々が車を停車させたドライバーに挨拶をしています。


これは、海外では見られない風景です。私自身も、信号のある横断歩道で最初から信号を待っている場合などは、お辞儀はしないですが、信号がない横断歩道で車が自分のために止まってくれた場合には、ほとんど無意識にお辞儀をしています。

これは、日本人としては、ごく当たり前の仕草です。以前、このブログにはコミュニケーションについて述べたことがありますが、日本では企業内の厳密なコミュニケーション等に問題があるようですが、社会的にはコミュニケーションが成立した社会なのかもしれません。

ごく当たり前なので、子供たちもそれを見習いごく自然にお辞儀をするようになったのでしょう。これは、素晴らしいことです。この素晴らしいことが、もしかすると中国ウイルスの蔓延を防いでいるのかもしれないです。

神社に参拝する前には、手水の作法も様式化されています。この作法を正確にできる人は今日少ないかもしれませんが、とにかく神社にお参りするときには、まずは手を洗って清めなければならないということは、ほぼすべての日本人が知っていて、実行していると思います。


このような習慣も、普段の手洗いの励行を促し、中国ウイルスの感染を防いでいる要因になっているのかもしれません。暑さのせいもあるのか、一日2回以上も、シャワーを浴びる東南アジアなどは、例外として、日本人の多くは日々風呂に入るというのも、感染防止に役立っているのかもしれません。

このような習慣が日本でウイルスの蔓延を防止に寄与してきたのは、事実だと思いますが、私自身は、やはり日本のクラスター対策が功を奏して着たのだと思います。

世界保健機関(WHO)で緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は10日にジュネーブで行った記者会見で、日本の新型コロナウイルス封じ込めについて、「非常に組織的にクラスター(感染者集団)を調査する手法を取ってきた」と評価しました。ただ、東京の現状には一定の懸念を示しました。

ライアン氏は、クラスター対策は「非常に専門的なチーム」が主導していると指摘。クラスター分析により、感染者のうち二次感染を起こしたのは5分の1にとどまるなど「とても有益な情報」が分かったと強調しました。

一方、東京など一部地域で感染経路を追えない例が増えているのは「良くない」と述べました。ただ、日本政府は状況の変化に応じ、クラスターより広範な感染状況を追う方針に修正してきていると分析。さらに、日本全体が東京のようになっているわけでもないとして、政府の対応を「うれしく思っている」と語りました。

実際、いままでのところ日本の感染者数は、10万人あたりでは、9.3人に過ぎません。台湾の感染対策は称賛を浴びていますが、台湾の人口は2000万人台であり、10万人あたりでは、数人ということで、これは大陸中国の数字に近いものになっています。このあたりからしても、中国のこの数値は信頼できません。台湾は、人口が1億2千万人日本よりは実数は少ないですが、10万人あたりでみれば、日本が台湾より格段に劣っているわけではありません。

ただし、初期段階で、中国からの渡航者などを制限しなかったことは、失敗でした。台湾なみに、すぐに渡航者を制限していた場合、台湾と同等の成果をあげることができたかもしれません。その点はかえすがえすも残念です。

なお、中国の感染者数は10万人あたりでは、5.8人、10万人あたり死者数では、0.3人と極端に少ないです。これは、無論中国政府当局が操作をしているのでしょうが、その操作が稚拙だったのかもしれません。中国の人口は約14億人であり、感染者数や死者の実数は、人口の少ない他国より多くなるのは当然です。

しかし、中国政府当局はそのことを忘れていたのかもしれません。10万人あたり感染者数をドイツくらいにしたものを元に、14億人あたりの実数を計算すれば良かったのだと思いますが、14億人という人口まで考慮に入れなかったので、このように、10万人あたりの感染者数が台湾なみというような、あり得ない明らかにおかしな数字になったのでしょう。

10万人あたりの、死者数も0.3人と、日本なみというのも異様です。ただ、中国では経済の統計数値も出鱈目ですから、最初から信じる方が馬鹿ということでしょう。

さて、以下に台湾と日本の感染者数等の推移を掲載します。




台湾に関しては、日本のマスコミは一時感染が終息したような扱いをしていましたが、19日には、22人の新たな感染者数が見つかっています。ただし、死者は累計でも6人です。いくら台湾が日本より人口が少ないとはいえ、これは特筆に値します。

日本は、東京は増えているようですが、日本全体でみると、減りつつあるようにみえます。

これから、どうなるか余談は許しませんが、私としては、台湾も日本も、ともに5月中には、少なくとも感染者数が横ばいになるのではと漠然とした期待を持っています。その後にゆっくりと終息するのではないでしょうか。

もし、そうなれば、日台がなぜ感染拡大を防ぎ得たのか本格的な調査をすべきです。特に、日本が海外からの渡航者の制限に他国に比較して大幅に遅れたにもかかわらず、海外のような感染拡大が起こらなかったのかを徹底究明すべきです。それが、究明され、日本で挨拶であるお辞儀が効果があるということが証明すれば、世界の挨拶はお辞儀にかわるかもれしれません。

そうして、これは、日本でも大昔からあった疫病に対する有効な防御策であったことが、解明されるかもしれません。

それと、これも気になることなのですが、日本語は比較的抑揚が少なく、強いアクセントはあまりありません。これに比較して、北京語やハングルなどはかなりアクセントが強いです。西欧の言葉もアクセントは強いです。アクセントが強いと、かなり唾液なども飛びます。

日本人は、抑揚の少ない日本語を話し、しかも感染病予防のため、マスクをつけているということも関係しているかもしれません。この場合、世界中の人が日本語のように、抑揚のないアクセントのない語り口で語るということはできないでしょうが、マスクは有効です。

いずれにせよ、10万人あたりの感染者数などで比較するなどのことをしない、マスコミの報道などは、いたずらに恐怖を煽るものです。

それどころか、台湾を見習は理解できますが、ドイツや韓国を見習えなどの主張は全く的はずれです。特に以下のような記事は、明らかに安倍総理にリーダーシップが欠けているという主張にしかみえません。

新型コロナ対応の「優等生」は「台湾・韓国・ドイツ」  
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指導者の洞察力・リーダーシップが重要な要素に
  
しかも、その主張が間違ったエビデンスに基づき行われているとしかみえません。おそらく、この記事を書いた人は、いわゆる「ど文系」といわれる種類の人ではないかと思います。数字もまともに見ることができないようです。これでは、まともな批判もできません。本業のエコノミストもまともに勤まらないのではないかと思います。そのようなエコノミストと呼ばれる人は日本に大勢います。

私自身は、安倍総理を政策の是々非々で見ています。そもそも、安倍総理自身が良いとか、悪いとか等と考えたことはありません。ましてや、良い人、悪い人などは、判断基準には入れていません。安倍総理のどの政策が正しい、どの政策が間違いという見方をします。だから、批判することもあれば、評価することもあります。

このブログの読者の方には、是非そのことを知っていただきたく本日は以上のようなことを主張させていただきました。

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2020年2月15日土曜日

【日本の解き方】景気悪化「台風と暖冬」理由の不可解 消費増税の影響をなぜか無視…財務省やマスコミへの忖度か ―【私の論評】財務省とその走狗らは、戦中の軍部と同じく資金を隠匿し続ける(゚д゚)!

【日本の解き方】景気悪化「台風と暖冬」理由の不可解 消費増税の影響をなぜか無視…財務省やマスコミへの忖度か 

西村康稔経済再生相

 17日に公表される昨年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値はマイナス成長になるとの見方が出ている。西村康稔経済再生相は「台風や暖冬」を理由に掲げているが、消費増税を理由にしないのは不可解だ。

 西村再生相は、「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要はそんなに大きくはなかったし、その後の落ち込みもそんなに大きくないとみていたが、10月から12月の期間は台風や暖冬の影響がある」と述べたという。

 1月にスイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が、「日本経済は昨年第4四半期にマイナス成長に陥った。これは主に2回の台風被害に見舞われたことに起因する」と発言している。

 昨年10~12月期の落ち込みは、各種の経済指標で裏付けられている。総務省が公表している家計調査の2人以上世帯の実質消費支出について、昨年10月で前年同月比5・1%減、11月で2・0%減だった。業界団体の12月のデータでは、全国食品スーパー売上高(既存店ベース)で前年同月比1・0%減、全国コンビニエンスストア売上高(既存店ベース)で前年同月比0・3%減となっている。日銀が発表している消費活動指数でみても消費の落ち込みは明らかだ。

 これらの要因は台風被害ではなく、消費増税であることは誰の目にも明らかであろう。
 経済産業省が発表している鉱工業生産指数の地域別数字でみても、各地域ともに低下している。台風の影響が比較的少なかった近畿も、関東と同じように低下しているので、やはり経済減速を台風のせいとはできないだろう。

 これまで、消費増税は創設時を含めて4回ある。税率は1989年4月に3%、97年4月に5%、2014年4月に8%、19年10月に10%となった。

 このうち89年4月は、個別物品税廃止との引き換えだったので、悪影響は少なかった。しかもバブル景気の最中なので、問題にならなかった。しかし、その後の消費増税は景気に悪いタイミングであるとともに、ネット(純額)での増税だったので、予想通り景気は悪化した。

 こうした予想は、消費増税により可処分所得が減少し消費が落ち込むという標準的な経済学を理解していれば容易に分かることだが、財務省とその走狗(そうく)のエコノミストは「影響は軽微だ」と口をそろえる。消費の減少は「増税前の駆け込み需要の反動減」という説明もなされるが、一面的でしかない。本質的には可処分所得減少による消費の落ち込みであるが、それは説明されない。

 前述の西村再生相の説明も、駆け込み需要の反動減はないというもので、可処分所得減少による消費落ち込みの説明を避けている。

 なぜ、西村再生相や黒田総裁がこのような発言をするのだろうか。筆者の答えは、消費増税の影響を隠したい財務省やマスコミへの「忖度(そんたく)」というものだ。これまでの消費増税と同様に、景気の悪影響があっても、別の理由にされてしまうのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】財務省とその走狗らは、戦中の軍部と同じく資金を隠匿し続ける(゚д゚)!

昨年10~12月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長になったのは、減税したためであるということは明らかです。それを台風と暖冬のせいにするとは、全く笑止千万と言わざるを得ません。

内閣府が昨年11月11日発表した10月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが前月から10.0ポイントの大幅低下となりました。その原因として、消費増税と台風の影響で家計関連の落ち込みが大きかったとしています。

さすがに、消費税増税の直後だったので、この落ち込みの原因として、台風だけにするにはどう考えても無理があるので、台風以外に消費税増税もあげたのでしょう。

しかし、今回の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)のマイナスなるとの見方が出関して西村康稔経済再生相は「台風や暖冬」だけを理由に掲げました。

しかしおそらく、このような言い訳をするのは十分に予想できました。ただ、何を理由とするのかは、わかりませんでしたが、「台風と暖冬」とは思いもよりませんでした。その記事のリンクを以下に掲載します。
【田村秀男のお金は知っている】「新型ウイルス、経済への衝撃」にだまされるな! 災厄自体は一過性、騒ぎが収まると個人消費は上昇に転じる―【私の論評】今のままだと、新型肺炎が日本で終息しても、個人消費は落ち込み続ける(゚д゚)!

この記事では、香港の個人消費を例にあげて、まともというか、デフレから脱しきれていないうちに消費税をあげるというような馬鹿マネさえしなければ、SARSの蔓延のような事態があっても、それが終息すると消費が飛躍的に伸びることを主張しています。

であれば、台風や暖冬などがあったにしても、元々それによる被害は日本全体からすればわずかであり、しかも台風などの被害があっても、被災地においては、その後は様々な消費が急激に伸びるはずであり、それが景気に及ぼす影響はほとんど相殺されるはずです。

では、他に何が原因があるかといえば、やはり消費税以外にないのです。

この記事では、台風どころではなく、大東亜戦争のような大きな戦争ですら、経済統計を年度ベースでみていると、後世の歴史家は、大戦争があったことを気づかないかもしれないということを述べました。以下に簡単にまとめてそのことを再掲載します。

これは、日本でも欧州でもそうだったのですが、戦時中の末期に近い頃ですから、欧州でも日本ても、爆撃を受けようが何があろうが、戦争遂行のために兵器などを生産し続けるため、戦争中のGDPは、いかに生活物資が不足し国民が耐乏生活を送っていたとしてもさほど低くはなかったのです。

そうして、戦争が集結すると、戦争に勝とうが負けようが、今度は国民生活に必要な、民需が逼迫して、その解消に向けての大増産が起こり、年ベースの経済統計では、戦争があった年も、なかった年でも、GDPにさほど違いはなく、ほんの少し減ったくらいにしか見えないのです。

だからこそ、第二次世界大戦中の経済統計をみていても、後世の歴史家はそれだけみている限りでは、戦争があったことに気が付かないかもしれないのです。

日本もそのような状態だったのです。実際統計上でみれば、日本は戦争をしても直後には戦争開始時の国富の70%もが温存されていたのです。

ちなみに、国富は再生産可能な生産資産である「在庫」、「有形固定資産(住宅・建物、構築物、機械・設備、耐久消費財など)」、「無形固定資産(コンピュータソフトウェア)」と、「非生産資産(土地、地下資源、漁場など)」を足し合わせたものに「対外純資産」を加減して求められる。国民総資産から総負債を差し引いたものと同じとなります。日本の正味資産としての国富は、この10年ほど概ね3000兆円前後で推移しています。

良く、終戦直後には、日本は全部が焼け野が原になり、すべてがゼロになり、ゼロからのスタートだった等という人もいますが、統計上からみれば、日本の中核都市などは確かに焼けのヶ原になりましたが、地方都市やその他の町や村には、生産設備や田園などが、残り、そこからの出発だったのです。

だから、他のアジアの諸国などから比較すれば、はるかに有利なスタートを切ることができたのです。

大戦争のときですら、このような状況なのですから、ましてや台風や暖冬の被害など微々たるものであり、これがマイナス成長の原因とするのは、甚だしい間違いです。その原因は、はっきりしています。それは、消費増税による個人消費の落ち込みです。

戦争、そうして台風や暖冬などで、消費が落ち込んだとしても、それは一過性のものであり、戦争や台風・暖冬などで、被害があったにしても、それはすぐに回復します。そうして、年ベースでみるとさほどではないのです。

しかし、デフレから回復しきっていない時期での消費増税など、経済政策を間違ってしまえば、その影響は甚大であり、GDPの中で60%以上を占める個人消費を減衰させ、結果としてGDPが落ち込むのです。

そうして、日本ではあがった消費税は二度と下がることはないという固定観念もあり、戦争、新型肺炎などよりさらに悪影響があり、なかなか消費は回復しないのです。

現状の日本にとっては、戦争や新型肺炎よりも、消費税の増税のほうが悪影響をもたらすのです。

ちなみに、先に日本では、戦争直後でも戦前の国富の70%が温存されていて、他のアジア諸国などと比較すれば、ゼロあるいはマイナスからのスタートではなく、かなり有利なスタートきることができたと述べました。

ただし、これには日本ならではの特殊事情がありました。それは、旧軍部等による様々な物資の隠匿でした。旧軍部は、終戦直前に、金塊、医療品、食料、燃料、衣料品など莫大な物資を隠匿したのです。これは、当然のことながら、70%の国富に含まれていました。

この物資が国民すべてに、終戦直後から回されていれば、多くの国民は国富70%からのスタートを実感できたでしょう。しかし、そうではなかったため、終戦直後からしばらく、多くの国民は、耐乏どころか衣食住の食でする満足に得られない窮乏生活を強いられたため、ゼロからのスタートというイメージが定着したのです。

物資の隠匿に、多くの軍人も関わったとみられますが、それらは単に命令に従っただけで、多くは旧陸軍省・旧海軍省の高官、すなわち官僚が実行したものです。このあたりは、闇に埋もれてわからないことも多いようですが、是非とも明らかにして欲しいものです。

      NHKスペシャル「東京ブラックホール」で紹介された、1948年
      米軍に発見された日本軍の隠匿物資の夥しい量の金塊

そうして、この記事でも主張したのですが、隠匿という点では、昔の官僚も現在の官僚も変わりません。現在の財務省の官僚は、物資を隠匿はしていませんが、様々な形で資金を隠匿しています。それこそ、いっとき盛んにいわれていた財務省の埋蔵金というものです。

これは、いわゆる特別会計という複雑怪奇で一般の人にはなかなか理解できない、巨大な会計の中に隠蔽されていたりします。それは、戦時中の隠匿物資のように、一般人には見つからないように隠匿されています。

しかし、それは、終戦直後に大多数の国民が窮乏生活を送っていたときに、国富が70%もあったというのと同じく、現在でも統計資料を見ると理解できます。

まずは、政府の負債です。これについては、財務省は1000兆円などとしていますが、これは負債だけをみているわけであり、一方では日本政府はかなりの資産を持っています。これを相殺すると、日本政府の借金はさほどではありません。米英よりも低い水準です。

これについては、このブログにも何度が詳細をのべてきました。詳細を知りたいかたは、その記事をごらんになるか、高橋洋一氏、田中秀臣氏などの記事をご覧になってください。

さらに、もう一つの隠匿手段があります。それは、統合政府ベースの見方です。統合政府とは、政府と日銀などを一つにした見方です。民間企業でいうと、連結決算など連結ペースでみる見方です。

現在では、大企業は連結決算を作成し、公開する義務を追っているのですが、なぜか政府に関する統計では、連結ベースではだされていません。

しかし、統合政府ベースでみると、政府による借金は近年現象傾向にあり、2018年あたりからは、赤字どころか黒字になっているくらいです。

しかし、財務省はそのことは表に出さず、それどころは、政府の資産についても触れず、政府の借金はほとんど問題ないのに、あるように装って、消費税増税などを実行しています。

まさに、戦中の軍部の官僚が夥しい物資を隠匿していたのとそっくりです。結局日本の役人の腐った根性は、戦争中も今も変わらないようです。

日本の一番の問題は、このような腐った官僚の根性を叩き直すこともなく、放置しておいたということかもしれません。

日本の政治家もこのあたりに、そろそろ手を付けてないと、日本はとんでもないことになりそうです。

財務省の走狗?

財務省とその走狗達は、昨年の段階では景気の落ち込みは、消費増税と台風の影響で家計関連の落ち込みが大きかったとせざるを得なかったものを、現時点では、西村再生相や黒田総裁が台風のせいとか、暖冬のせいだけにしたのと同じように、今後も続く景気の落ち込み増税とは全く関係ないとし、新型肺炎だけのせいだとするでしょう。

このままでは、いつまでたっても日本ではまともな機動的な財政政策ができなくなります。

【関連記事】

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2016年4月14日木曜日

山尾氏、今度は衆院選直前に不可解な「500万円の移動」 週刊新潮報道 ―【私の論評】献金問題と同じく匿名ブログに基づく議論も指弾されるべきだ(゚д゚)!


相次いで疑惑が浮上している山尾氏
民進党の山尾志桜里政調会長(41)に、新たな疑惑が浮上した。2014年末の衆院選直前、500万円もの大金が同日中に「山尾氏→選挙区総支部→山尾氏」と移動しており、週刊新潮が「脱税」の疑いを指摘したのだ。山尾氏は、プリペイドカードを使った多額のガソリン代を政治資金収支報告書に記載しながら、根拠も示さず「秘書が不正をした疑いがある」と釈明したばかり。一体、どうなっているのか。

 新たな疑惑は、14日発売の週刊新潮が、《法と証拠に基づかず秘書をワルにして居座り!》《民進党「山尾志桜里」政調会長の嘘と政治資金ミステリー》という記事で報じた。

 同誌が「選挙運動費収支報告書」や、山尾氏が支部長を務める「民主党愛知県第7区総支部」の報告書を調べたところ、14年末の衆院選直前、注目すべき「カネの動き」があったという。

 14年11月21日に、民主党(当時)から山尾氏は「公認料500万円」を受け取り、10日後の12月1日、山尾氏から総支部に「寄附金」として500万円を計上した。ところが、同じ12月1日、今度は総支部から山尾氏に「選挙費用」として500万円が移動している-というのだ。

 夕刊フジでも報告書を調べたところ、500万円の移動が確認できた。

 週刊新潮は、政治資金に詳しい税理士の話として、山尾氏から総支部へ寄附することで、申請すれば「寄附金控除のための書類」を受け取ることができ、「所得税を減らすことも可能になる」「(寄附金控除を受けた場合は)ざっと170万円の税金を浮かすことができる」「実際は寄附を行っていないのに控除を受けていたとしたら、脱税が疑われる」という見解を紹介している。

 実は、この500万円の件は、ガソリン疑惑が発覚した直後から、永田町の一部で注目されていたという。

 政治資金に詳しい永田町関係者も「同じ日に500万円を『山尾氏→総支部→山尾氏』と移動させるメリットは、週刊新潮の指摘ぐらいしか考えられない」と語った。

 ただ、元検事である山尾氏がそんな“錬金術”をしていたとは、にわかに信じがたい。

 そこで、夕刊フジでは不可解な資金の流れを指摘したうえで、「脱税、節税目的で資金を移動した事実はあるのか」などとFAXで質問した。すると、山尾事務所から文書で「現在事実関係を確認中です」との返答があった。

【私の論評】献金問題と同じく匿名ブログに基づく議論も指弾されるべきだ(゚д゚)!

民進党の山尾志桜里政調会長は昨日の記者会見で、多額のガソリン代計上などの政治資金問題に関し「元公設秘書の不正」の可能性に言及した根拠を再び示しませんでした。山尾氏はブログ冒頭の記事にもでている、不可解な「500万円の移動」疑惑も「必要があれば回答したい」と繰り返し、明解な説明を行いませんでした。

さらに、山尾氏は元秘書との接触について「弁護士から『コンタクトするべきではない』といわれている」と強調。弁護士と元秘書との接触の有無も答えませんでした。

山尾氏の資金管理団体が「新築祝い」として選挙区内の花店に2万1千円を支出した件については、週刊ポストが山尾氏の事務所から、新築祝いを渡した相手について「選挙区内であることが判明した」との回答を得たと報じていました。公職選挙法が禁じる寄付行為の可能性があるが、山尾氏は記者会見では「記事を見ていないのでコメントできない」と答えていました。

さらに、政党支部が24年の衆院選期間(約1カ月)のみに約17万8千円の「コーヒー代」を支出していたことについても、山尾氏は「調べて、必要があれば報告する」と述べるにとどまりました。

結局今のところ、すべての疑惑について「調べて、必要があれば報告する」と述べるにとどまっています。

様々な事実が少しずつ公表されてきたので、今一度、以下に現時点での山尾氏をめぐる献金問題についてまとめておきます。


政治資金団体「桜友会」が、2012年分の政治資金収支報告書に山尾から政治資金規正法で定める上限額を超える1114万円の寄附を受けたと記載していたことや、山尾が代表を務める民主党愛知県第7支部が桜友会から2012年に10回にわたって計899万円の寄附を受けたと収支報告書に記載したにも関わらず、桜友会側の収支報告書には5回分423万円分の寄附しか記載されていなかったことが、2016年3月31日付の週刊新潮に報じられました。

さらに、第7支部は同じ2012年に年間230万円分のガソリン代を出費したと記載、同じ店舗で一日10万円分のガソリン代を出費するなど他の問題箇所も指摘されている。政治活動としては額が大きすぎるとの指摘も上がっており、民進党の岡田克也代表も「きちんと調査し、あまり時間をかけずに説明することが求められている」としていますが、山尾は「事実を確認中」を繰り返し、その後、4月6日になって記者会見を行い、ガソリン代に関してはプリペイドカードで支出されたとされていましたが、料金をチャージした形跡がなく、支部と無関係に支出されていたことを明らかにした上で、既に退職した公設秘書が私的に流用したと主張しましたが、連絡は取れないとし証拠も提示しませんでした。

桜友会が寄附の上限を超える寄附を受けていたことについては事務的ミスであると主張しました。さらに2014年の収支報告書でも「新築祝い」名目で選挙区内の店舗に2万1000円の支出についての記載があったことも判明しましたが、こちらについては記載ミスと釈明しました。

山尾氏は、甘利明前経済再生担当相の秘書による不祥事を追及し、議員辞職を求めた際には、「秘書のやったことについて、本人の責任が免れるわけではない」と繰り返し強調していました。にもかかわらず、自らはあっけらかんと続投を宣言しました。

なんでも秘書のせいにするのは、まるで鳩山元総理大臣のよう
この状況は、あの多数の「故人」から献金を受けるという政治資金収支報告書の虚偽記載事件をめぐり、「すべて会計実務担当秘書の独断だ」として秘書のせいにした鳩山氏と、同じような苦しい言い訳です。

にもかかわらず、そして、この山尾氏の記者会見について岡田克也代表はこう称賛していました。

「かなり明確に説明された」「しっかりと対応された」「相当きちんとお答えになっていた」

結局岡田氏は党として山尾氏の対応に「これでよい」とお墨付きを与えた形になってしまっています。鳩山政権の民主党時代から、自民党などには厳しくで身内に甘い体質は何も変わっていません。こんな姿勢で甘利氏の証人喚問を要求したとしても、迫力も本気も何も伝わってきません。

山尾氏は、落選していたときには、パソナに世話になっていたことも明るみに出ています。これについては、日刊ゲンダイの記事を以下に引用します。一部分のみ以下に引用します。

    "
ASKA騒動が民主党にも飛び火している。ASKA(56)のスポンサーだったパソナグループの南部靖之代表(62)が、民主党の前原誠司元代表(52)から頼まれ、十数人の「民主党落選議員」を社員として雇い、大金を渡しているという話が一斉に広まっているのだ。

 パソナと民主党議員との“癒着”を糾弾する文書もバラまかれている。
<パソナでは、南部会長(代表)が応援している前原誠司民主党元代表から頼まれて、会社の特別顧問として、民主党落選組10人ほど養っている><月50万円ももらっている><社内でこの落選組の評判が悪い。仕事ができないばかりか、会社に出ても来ない>などと書かれているのだ。

「今月末で契約は終わりますが、たしかに業務委託という形でパソナに携わっていました。健康保険等は入っていませんから社員ではないです。月50万円? いやいや、半分にも満たないですよ。出勤は週2回。守秘義務がありますから詳しくは言えませんが、パソナさんが淡路島で新事業を立ち上げるということで、企画立案をしていました」

 やはり、前原の口利きがあったのか。
「昨年7月に直接、人事部だったかな、連絡をいただきました。南部代表とは前原さんを通じて、前から接点はありました。そういう意味で、関係あったのでしょうか」(神山氏)

 他にも名前が挙がった山尾志桜里(39=愛知7区)は、期限までに回答がなかった。匿名を条件に民主党元議員のひとりはこう言う。

「私のようにパソナに世話になっている落選組は10人程度います」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

"
以上のようなことを知ると、私が以前このブログに掲載した、「日本死ね」のブログは、やらせである可能性もなきにしもあらずと思えてきます。無論、そのあたりは、緻密に打ち合わせをして、第三者に書かせて、それをさも山尾志桜里が偶然発見したかのごとく、国会で用いたという疑惑も成り立ちます。

何しろ、あのブログ「匿名」ですから。匿名のブログを用いるということは、そのような疑いをかけられても致し方ないのです。

私自身は、ブログでもtwitterでもすべて実名を公開しています。ブログやSNSを始めるときに、知人などは、匿名にすべきなどと言った人も何人かいたので、少しの間匿名にしていたこともありましたが、やはりその後実名にしました。

これは、匿名のブログやツイートで、自分の意見などを述べるのはやはり、無責任であると思われたからです。無論、これは他の人もそうすべきということではありませんが、いずれにしても、匿名のものでは信ぴょう性は格段落ちることは間違いありません。

私自身も、匿名のSNSやブログ・サイトの場合、何か興味を惹かれるようなことが書かれてあったとしても、SNsなら自分で確かめられる範囲で、正しいと判断できるものは、リツイートくらいはすることもありますが、それを引用して、解説するということはありません。ブログ・サイトに関しては匿名のものは引用しません。あくまで、出処が明らかなものしか引用して、それを解説したり論評するようなこともしたことがありません。

それが本来まともなことであり、国会で匿名のブログをもとに、審議をするなどということは、考え及びもつかないことです。匿名のブログなど何の責任も伴わないものですから、そこに書かれていることなど、信ぴょう性も何もありません。疑問に思っても、書いた人間に質問することすらできません。そのようなものを元に、公の場で議論などすべきではありません。まともな会社の取締役会で、匿名のブログなどに基づいて議論をすすめる役員がいたら、愚か者と言われることでしょう。

これは、ネット社会における最低限のエチケット(ネチケット)であると思います。そのようなことを、認識できない山尾志桜里氏が、検事であったという事自体も信じられません。検事なら、何事に関しても、物的な証拠などを重視するのが普通だと思います。それに、マスコミが献金問題と同じようにその点を追求しないのも本当に奇異なことです。

このようなネチケットが守れない国会議員が何の指弾も受けない、それを褒めそやす党代表が存在したり、それを批判もしないメディが存在するということ自体が、現代の陰湿なネットいじめなどを助長していると思います。

ネットいじめの温床は何か?
匿名のブログはエビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)ではありません。新聞の報道はエビデンスであることが求められます。だから、まともな新聞記者は、情報の出処を裏取りして、正しい情報に基づいて報道します。国会での審議であれば、当然新聞社などより、さらこの点において厳格であらねばならないはずです。

このようなことがなおざりにされても、何の問題にもならない社会は病んでいるとしか言いようがありません。これでは、ますますネットいじめなどをさらに助長するだけです。

山尾氏を政調会長に抜擢する民進党はもう、最初からダメ政党であることを暴露してしまったようです。

本来ならば、献金問題と同じく、匿名ブログに基づく議論も指弾されてしかるべきです。現代では、政治もメディアもどこか、狂っているとしか思えません。

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2016年4月2日土曜日

2万円ガソリンプリカ購入「年に105回」 民進・山尾政調会長に不可解な金の流れ―【私の論評】匿名ブログは自作自演疑惑は当然ということが認識不能な頭では政治資金の扱いもぞんざいになる(゚д゚)!


「保育園落ちた 日本死ね!!!」問題の国会追及で名を上げた民進党の山尾志桜里政調会長(41)が、不可解な政治資金の流れがあると週刊誌に指摘された。その中でも、特にある項目がネット上などで注目を集めている。

山尾志桜里衆院議員は、2009年の政権交代選挙で初当選した「小沢ガールズ」の1人だ。小学校時代にミュージカル「アニー」の初代主役に抜擢され、その後は、東大法学部から検事になった異色の経歴も持つ。

保育園問題で名を馳せたが…(衆議院インターネット審議中継より)

■ハイオクガソリンで走っても、地球5周分
2016年3月27日の民進党結党大会で政調会長になったばかりだが、その出鼻を挫くような記事が週刊新潮の最新号(4月7日号)に載った。

それによると、山尾氏の資金管理団体「桜友会」と山尾氏が支部長をしていた旧民主党第7区総支部について、2012年の政治資金収支報告書におかしな記述が見つかった。その中でも、特にネット上で話題になったのが、民主支部のガソリン代の項目だ。

1年間でなんと、230万円も支出しており、これはハイオクガソリンで走っても、地球5周分の約21万キロにも上るという。新潮の記事では、これだけしか指摘がなかったが、実際の収支報告書を見ると、その異常ぶりが際立っていた。

ガソリン代として9回分、約20万円を計上しながら、2万円のガソリンプリペイドカードに計105回、総額210万円も支出していたのだ。特に山尾氏の事務所にもなっている民主支部に隣接していたスタンドで、95回もプリカを購入していたのが目立っている。1日で5回、10万円も購入していた日もあった。

そこでこのスタンドに取材すると、店員がこう答えた。

「議員ご本人は、私は見かけたことはありませんが、事務所のスタッフがよくプリペイドカードを買いに来ていたのは覚えています。スタッフは、今でも来られていますよ。給油もプリカを使っていましたが、なぜそんなに買われたのかは、こちらでは分かりません」

■事務所は「確認中です」
このスタンド店員によると、プリペイドカードには、5000円、1万円、2万円の3種類があるそうだ。山尾志桜里事務所のスタッフが来たときは、その都度、領収書を出していたとしている。3万円以上でないと、収入印紙は不要だった。

プリカの異常な購入ぶりについて、ネット上では、数々の憶測が流れている。

あくまで憶測だが、プリカを金券ショップで換金して、政治資金などに使っていたのではないかというのもある。

元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように解説した。

「あくまでも一般論ですが、もし換金していたのに、勘違いではなく意図的にガソリン代と収支報告書に記載していれば、政治資金規正法違反の虚偽記載になります。また、選挙運動期間中に有権者にお金やお中元、お歳暮などを配れば、公職選挙法違反にも問われることになります」

もっとも、購入したプリカについては、翌年以降に使うことも考えられる。その場合については、「使い切れなければ、当然繰り越しに計上しないといけないでしょう。しかし、ガソリン代を繰り越すようなことは、普通は考えられないのではないでしょうか」と言っている。

山尾氏の国会事務所では、取材に対し、「現在事実関係を確認中です」とだけコメントした。

【私の論評】匿名ブログは自作自演疑惑は当然ということが認識不能な頭では政治資金の扱いもぞんざいになる(゚д゚)!

民進党の山尾志桜里政調会長が、取り上げた「日本死ね」という汚い言葉が遣われているブログに関しては、このブログそのものや、それを取り上げる山尾氏のやり方などについて、このブログで徹底的に批判しました。

その記事のリンクを以下に掲載します。
【朝日新聞研究】朝日の手法は報道というよりキャンペーン 「日本死ね」問題と安保法制反対の類似―【私の論評】「日本死ね」は、福島産の小麦粉で作ったラーメンに「人殺し」というのと変わりなし(゚д゚)!
待機児童問題を報じる朝日新聞の紙面
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、酒井信彦氏の元記事に対して論評を行い、以下のような結論を導き出しました。
最後の結論として、上下左右など全く関係なく、すべからく社会人が発言・発信するなら、特に公に発言・発信するなら、いかなる場合も憎悪表現は禁忌とすべきです。そうして、当然のことながら、発言・発信は、エビデンスに基づいてするべきです。 
これが、あまりにも常識的なのですが、当たり前の社会人のあり方です。これができない、国会議員や新聞記者やデスクや作家など、もう一度小学生から常識を学び直すべきです。
要するに、立場の上下も、思想が右寄りであろうと、左よりであろうと、当たり前の社会人なら憎悪表現を用いるなということです。ましてや、国会議員が、いかに引用という形であっても、あのような憎悪表現をそのまま引用して話すのは良くないということです。

山尾志桜里議員による、「保育園落ちた 日本死ね!!!」の誰が書いたかも定かではなかったブログの引用に関して、それを国会の審議中で話したときに、自民党議員から野次がありましたが、民主党議員からも「やめろ」という野次の声が上がったそうです。

当然のことでしょう。あのような憎悪表現を話さなくても、現在の保育園の状況や利用者の状況など客観的な数字などを用いて話をすれば、憎悪表現など遣わなくても、十分審議ができたはずです。

そうして、山尾志桜里の国会での質問は、個人ブログの引用が大きな部分を占めたため、数字での検討がされておらず、重要な点を見逃していました。それに関しては、このブログにもグラフの形で掲載してあるので、そのグラフを掲載します。


要するに、山尾議員の質問だと、安倍政権は保育所待機児童のために何もしてこなかったかのような質問ぶりでしたが、このグラフをみれば良くわかります。グラフをみれば一目瞭然のように、保育量の拡大はなされていました。

待機児童数の推移からみると、H22からH26にかけては、一環して数が減っているにもかかわらず、H27年は増加に転じました。このグラフだけからは判断できませんが、今の日本は少子高齢化ですから、待機児童数の総計そのものは減少傾向にあるはずです。

ところが、待機児童数の数が増加傾向になったことに関しては、児童をかかえてる専業主婦のうち就業する人が増えた可能性もあります。実際、安倍総理は国会審議中にそのことに言及したのですが、山尾議員はそれを無視して、安倍自民政権に責任があるかのように誘導していました。

ところが、これも大きな間違いであることがわかっています。以下は、民主党が事業仕分けで保育所関係経費を削減したとのネット情報に関するツイッターのやり取りです。評論家の渡辺哲也氏と蓮舫氏の対決になっています。
待機児童問題に関して、民主党が事業仕分けで保育所関連経費を削減したとのネット情報があるが、全くのデマだ。公立保育所の予算は小泉政権時代の「三位一体改革」で平成16年に運営費が、福田内閣時代の平成20年に整備費が、それぞれ一般財源化されており、そもそも国の予算ではなくなっている。玉木雄一郎 (@tamakiyuichiro)2016年3月10日 12:47:08 
保育所関連施設を事業仕分けの対象にした、との間違いが時々見受けられますが、そもそも自民党が一般財源化したもので国の予算ではないためあり得ません。 https://t.co/wBjxg8CN0i蓮舫 (@renho_sha)2016年3月11日 7:14:10 
平成22年 3881億:民主党政権 平成28年 9294億:自民党政権  嘘は良くない。なぜ国の予算があるのですか @renho_sha渡邉哲也 (@daitojimari)2016年3月14日 7:51:34 
国会の資料を提示し質問しただけで @renho_sha 蓮舫さんにブロックされてしまった。 答えられないならば、自己弁護するなといいたいです。 渡邉哲也 (@daitojimari)2016年3月14日 7:55:35

さて、この公的資料を元に考察すると、保育関連予算に関しては、民主党政権から自民党政権に変わってから、実に2倍以上に大幅に増やしていることが確認できます。以下にその数字をあげておきます。
平成23年:4082億 平成24年:4304億 平成25年:4611億 
政権交代 
平成26年6248億 平成27年7975億 平成28年予算案 9294億
とはいいながら、現実問題として、待機児童がなかなか減らないということもあります。これは生活スタイルの変化による保育希望者の増加が最大の要因ようです。この問題に関しては、単に認定保育所を増やせば良いという問題ではなく、税が使われる以上、どこまで社会が面倒を見るのかという議論も必要です。
 
また、この問題は家族と国家のあり方にも関わる問題でなので、一時的なブームで終わらせるべきではなく、安直な政権批判や選挙の道具に使うべき問題ではありません。

この5年間で保育所に関する予算が、2倍以上に増えているのは、国会の厚生労働委員会に所属する議員の努力と審議の結果です。厚生労働委員会に属するなど厚生労働行政に全く関わっていない一部の議員が騒いでいますが、これは近く行われるであろう選挙の人気取りのために子供を利用したにすぎないのです。

そうして、ここから新たな疑惑が頭をもたげてきます。民進党の前進である民主党では過去に以下のような事件がありました。

2014年民主党は、青木大和という民主党のシンパの男を使ってひとつの工作をしていました。
青木大和
この青木大和という男は、小学生になりすまして「小4詐称政治サイト」を立ち上げ、それを民主党議員が大々的に取り上げて拡散し、週刊誌やメディアに解説させ、それで安倍政権を叩くという一連の流れを作ろうとしていました。

しかし、青木大和の工作はあまりにも杜撰かつ稚拙であったためにあっけなく失敗し、それからマスコミも民主党もまったくこの件に触れなくなってしまいました。

そのサイトのURLを以下に掲載しておきます。設置されたのは、平成14年11月、衆院解散が決まった直後です。今でも見ることができます。


以下に、このサイトのヘッドラインを掲載します。


以下、小4生になりすました青木が掲載した、サイト訪問者への質問を掲載します。


今回の「日本死ね」という品性のないブログも、まったく同じパターンで民進党が仕掛けたものであると疑う人も出てきています。何しろ、パターンが全く同じです。

匿名の人間が書いた問題を、民進党シンパの人間が取り上げ、それを朝日新聞などの民進党シンパのジャーナリストが拡散し、マスコミが取り上げ、山尾しおりが国会で安倍政権を叩くというパターンです。あまりにも工作の方法が酷似しています。

概要は、以下のようなものです。

(1)インターネットで工作員が一般市民を装う。
(2)工作員が政権批判のネタを投げかける。
(3)市民団体やジャーナリストが騒ぐ。
(4)マスコミが取り上げる。
(5)民進党が政権攻撃のネタとしてそれを使う。

このような手法が民進党の世論工作のフォーマットとして出来上がっていのではないでしょうか。

民主党はインターネットで工作していたということは、「小学生なりすまし」の事件で誰もが知っていることです。そして今回の「日本死ね」は同じパターンを踏襲しているようにみえます。民進党の工作であったと疑われても仕方がないでしょう。

そうして、このような疑惑を持たれて「違う」と否定したとしても、民進党は疑惑を完全に払拭できません。なぜなら、それは「匿名」ブログであり、匿名であるからにはそれが工作員だったのかどうかは第三者には確認する方法がないからです。

青木のブログの場合は、早い時期に青木による偽物ということが、公にされたため、あまり問題になりませんでした。今回と違うのは、今回のものは未だに誰が書いたものなのかわからないという点です。

国会で匿名のブログを持ち出すということは、自作自演を疑われても反論できないということです。それを実行してしまったところに、民進党の未熟さと山尾志桜里の浅はかさがうかがえます。

そうして、その元凶を創りだした、山尾志桜里議員は「日本死ね」という憎悪表現のブログの内容をそのまま引用したということで、あろうことか、民進党の政調会長に抜擢されています。これは、本当にいかがなものかと思います。



そうして、政調会長に抜擢された直後に、政治資金の問題が明るみに出ています。言葉に関してあれほど、鈍感な山尾議員は、政治資金に関しても鈍感だったようです。

政治資金収支報告書は全て公開されています。誰でも、インターネットで直接見ることができます。私も、最近田母神さんのをみました。この報告書は、議員だけではなく、選挙に落ちた人のものも公開されているのです。

当然敵対勢力側はそれをチェックしていると考えるべきでしょう。そうして、チェックした内容を何か機会があった時に流すとみておくべきでしょう。

山尾議員は、本当にまともに検察官の仕事をしていたのでしょうか。自分に関わる法律すら理解出来ていないように見えます。とても、まともに検察官が勤まったとは思えません。

民進党は、このような議員を政調会長にするというのですから、余程人材がいなくてお困りなのでしょう。

山尾氏は、匿名ブログは自作自演ではないかとの疑惑を招くのは当然ということが認識できないようです。そのような理解力では、政治資金の扱いもぞんざいになるのも当然かもしれません。

民進党、スタートからこのような体たらくですから、多くの人が全く期待を持てないわけです。

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2015年6月2日火曜日

神社仏閣に“油かけ男”の素性 日本の伝統文化を敵視する不可解な言動―【私の論評】似非宗教家"金山昌秀"には理解できない中韓とは異質な日本の「霊性の精神世界」(゚д゚)!


男のオフィスが入るニューヨークのビル(左)
全国各地の寺社で油のような液体がまかれた事件で、千葉県警が香取神宮(同県香取市)に対する建造物損壊容疑で逮捕状を取った米国に住む日本国籍の医師の男(52)。男はキリスト教系宗教団体の創始者の顔も持ち、日本全国で布教活動を展開。各地の講演会では、多くの犠牲者を出した東日本大震災について「天のお父さまのみ心」と言い放ち、「神社に行くと呪いを受ける」など日本の伝統文化を敵視する発言を繰り返していた。油まきは何が目的なのか。男の素性は-。

「ハレルヤ。感謝しま~す」

柔和な笑顔を浮かべてマイクを握る男。2013年7月、男が創立した宗教団体による講演を収めた映像の一コマだ。話の切れ目ごとに「アーメン」と繰り返すこの男こそ、「油まき事件」への関与が疑われる人物だ。警察庁では香取神宮をはじめ、東大寺(奈良市)など16都府県、48の寺社や城(5月29日時点)で被害を確認している。

男をめぐっては、奈良県警も文化財保護法違反容疑などで捜査を進めている。

 そんな男が宗教家として活動を本格化させたのが、先の大震災が発生した11年3月11日からだったという。

過去の講演によれば、震災直前に来日を決意、地震発生2時間前に日本に向かう機上で「精霊が日本で地震を起こす」という“神の啓示”を受けた。13年5月には「霊の戦いの使命を終えて」(HPより)団体を設立。この「霊の戦い」と称する活動が「油まき事件」と関連があるのではないかとみられている。

日本の伝統文化のみならず、震災についても「天のお父さまのみ心」「この犠牲が何倍にも膨らんで素晴らしいリバイバル(再生)がくる」などと、「被災者の心情を逆なでする発言を繰り返している」(前出の関係者)。

ネット上で公開されている複数の講演の動画の中では「油を注ぎ、イエス・キリストの物とした」と犯行をほのめかすような発言を確認でき、捜査関係者によると、油はガソリンのような刺激臭ではなく、アロマオイルのような甘い香りがしたという。

男が設立した団体の事務所は東京都新宿区の高層ビル内のレンタルオフィスで、大阪府枚方市など府内2カ所に拠点がある。100人近い信者がいるともされるが、団体の関係者は「会員もおらず会費もない」と話している。

この記事の詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】似非宗教家"金山昌秀"には理解できない中韓とは異質な日本の「霊性の精神世界」(゚д゚)!

このあぶらかけ男、上の記事ではまだ容疑者ということで、氏名など公表していないのだと思います。しかし、ネットではもう名前は知れ渡っています。

その名前は、金山昌秀です。金山昌秀は、在日韓国人として東京に生まれて日本国籍を得た帰化人であるとされています。

それについては、『正しい歴史家観、国益重視の外交、核武装の実現』以下のリンクをご覧になって下さい。
金山昌秀は在日韓国人として生まれ日本国籍を得た帰化人・マスゴミは「日本人」を強調・寺社に油事件
この人物の講演の動画は以下に掲載します。



内容は、あまりにも馬鹿馬鹿しいので、全部ご覧になる必要はないと思います。私自身も、全部は視聴はしませんでした。ただし、最後のほうでは、「中国、韓国、日本は一つの国になる」と発言していました。ここからして、狂っていると思います。

それに、一応宗教家の体裁を装っていますが、とんでもない偽善者です。そもそも、日本に生まれて、日本で育ったというのに、日本の文化を全く理解していません。特に、今回のように神社や寺に油をまくなどという妄動をしたということで、日本の神道や仏教のことなど何も理解していないと思われます。

特に日本に古から存在する、神道については、全く理解してないでしょう。これが、日本で生まれて、日本で育った人間なのかと、本当に奇異に感じます。

そもそも、日本の神道は世界に類まれな存在です。その本当の意味を金山昌秀は全く理解していないです。宗教家を目指しているというのなら、それも、日本に生まれて、日本で育ったというのなら、国籍や人種を超えて、良い悪いの価値判断などは一時横においておいて、まずは日本の神道や日本の仏教について、もっと真摯に学ぶべきと思います。

真摯に学んでいれば、今回のような 軽挙妄動はしなかったと思います。

日本の神道に関しては、以前このブログにも掲載しましたので、そのリンクを以下に掲載します。
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!
式年遷宮「遷御の儀」で現正殿から新正殿に向かう渡御行列。
伊勢神宮は日本人と心のふるさと、未来への道しるべだ
=平成25年10月2日夜、三重県伊勢市の伊勢神宮
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では式年遷宮に関して記載し、このようなとてつもない文化を伝承し続ける、日本人の精神世界について掲載しました。以下に一部分のみ掲載します。

まずは、この記事の元記事である上田和男(こうだ・かずお)氏の文章から引用します。日本人は、霊性を重んじる精神構造を有していますがそれについて上田氏は以下のように、論評しています。
霊性の根源に万世一系の天皇 
フランスの作家で、ドゴール政権の文化相を長く務めたアンドレ・マルローは自著各編で、こんな趣旨のことを書いています。 

アンドレ・マルロー

「21世紀は霊性の時代となろう。霊性の根源には神話があり、それは歴史の一面を物語っている。世界の神話が現代なお生きているのが日本であり、日本とは、それ自体、そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性である。霊性の根源に万世一系の天皇がある。これは歴代天皇の連続性であるのみならず、日本文化の継続性の保証でもあるのに、戦後日本はそのことを忘却してしまった。しかし、霊性の時代が、今や忘却の渕から日本の真髄を取り戻すことを要請している。また文化は水平的に見るのではなく、垂直的に見るべきだ」

確かに、中国や朝鮮文化の影響を過大に語る一部日本の文化人には大きな誤解があるように思えます。知る限り、英仏独の文化人、史家には、後生大事にギリシャ・ローマを奉る人など皆無であり、米国の識者がイギリスをむやみにもてはやす事例を耳目にしたこともありません。日本文化・文明と日本人は、中華文明や長年にわたりその属国であり続けた朝鮮文明とは全く異質であり、むしろアジアの中でも、もっとも遠い存在であるといえます。日本人の氏神、天照大御神に思いを致すのは今でしょう。
キリスト教中心の西洋文明の終末 
スイスの心理学者グスタフ・ユングも「キリスト教中心の西洋文明の終末は20世紀末から21世紀初頭にかけて到来する。そして次の文明は、一神教や独裁専制ではなく、霊性の支配する時代となるであろう」と期せずしてマルローと同じ予言をしております。

カール・グスタフ・ユング

要するに、カネ・モノに執着する物質依存世界から、人間の理性と精神世界を重視する義と捉えるならば、超大国アメリカや金と軍事力で餓鬼道に陥った中国を痛烈に批判・否定しているように思えます。それに比して、多神教日本は、古来、山や川に霊性を感じ、自然を畏れ、神を尊ぶ心を抱いてきたわけで、その代表が伊勢の森だったといえるのです。 
考えるに、人類文化の危機は「画一化」にあり、文明が衝突するのではなく、文明に対する無知が紛争の根源となるのだと思います。思考のプロセスを自省し、他にかぶれたり迎合させられたり、徒に自虐的になることから一歩距離を置いて、確信されてきたものを再吟味し、忘れ去っていた古き良きものへ思いをきたし、一方で他民族との交流においては、異質なもの・新たなものを受容し合う-。こうしたことが、文明間の対話で重要だと思います。
以上上田氏の記事に対する、私の論評から以下に一部をコピペさせていただきます。
他国の影響を吸収しきってというというと、日本の神道では、八百万の神といって、昔から他者の神や文化を全部受け入れ、その上で、連綿たる一個超越性を保っているという点にも示されているように、素晴らしい考え方です。
宗教は良いことではあるのですが、それが教条的になると、酷く残虐になる場合もあります。魔女狩り、宗教戦争、十字軍、現代のイスラム原理主義の行き過ぎによる、過ちなどの悲惨な事例は、枚挙に暇がありません。しかし、日本の場合は、宗教から霊性の次元にまで高めてしまったため、そのようなことはありません。

・・・・・・・・〈私の論評〉・・・・・・・・・

このように、神話が現代なお生きているのが日本であり、日本それ自体が、神話そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性を保つ国が日本であり、霊性の根源に万世一系の天皇がある国が日本なのです。そうして、マルローが指摘したかどうかは、わかりませんが、日本では、過去が現在に現在が未来につながっているのです。そうなのです。霊的に時間を超越してつながっているのです。私たちの霊は、この悠久の流れにつながっているのです。こんなことは、当然であり、だからこそ、マルローも指摘しなかったのかもしれません。

京都府神道青年会が主催したバスツアー「神主さんと行く 
伊勢参宮」。女子大生107人が応募に殺到したといわれます。
私たち日本人は、このような国日本に誇りを持ち、自信を持ち、世界に日本の素晴らしさを伝えてていくべきです。日本のやり方が、世界伝わりそれが理解されれば、世界は変わります。
さて、このような日本独自の「霊性を重んじる文化」に関しては、上の断片的な引用文だけでは、ご理解いただけないものと思います。是非元の記事を読んでいただきたいです。

それから、「霊性の世界」は、実は今は文明国では日本にしか残っていませんが、世界の他の地域にも古代にはありましし、現在でも発展段階の文明の地域には今でも残っているところがあります。

それは、アニミズムとか、シャーマニズムというもので、民俗学者らが、各地の少数民族などを研究して、宗教が世界を席捲する以前には、世界中のどの地域でも、「霊性」が信奉されていたとしています。

日本以外の外国では、宗教が興隆するとともに、アニミズムやシャーマニズムは忘れ去られてしまいました。ただし、神話だけは残っている地域もあります。しかし、日本だけが、それを捨てることなく、今日まて神道という形で連綿と継承してきたのです。そうして、継承するだけではなく、現在の形式にまで昇華させました。

そうして、「霊性を重んじる精神」を基礎として、日本でその基礎は動かず、それを土台として、他の宗教を受け入れてきました。だから、日本では、今日見られるような、宗教対立はみられません。

これは、素晴らしいことだと思います。日本みられるこのような「霊性を重んじる精神」が残っていれば、世界にも宗教対立はなかったかもしれません。だからこそ、ユングは、宗教的は世界観だけは限界があると考え、キリスト教中心の西洋文明は崩壊すると予言したのです。

しかし、私はユングの予言は当たらないかもしれないと思っています。なぜなら、日本には神道はあるものの、キリスト教も存在しています。他の宗教も存在します。日本では、「霊性を重んじる精神」が土台にあるから、その精神性からすれば、たとえ宗教が異なったにしても、気脈を通じ合うことができます。

私は、世界は今一度「霊性の世界」を取り戻すべきと思っています。そうすることによって、宗教対立はなくなると信じています。ただし、ユングが予言しているように、現状の宗教観だけでは、対立が深まるばかり、いずれ崩壊します。それは、難しくて、時間もかかることでしょうが、世界中の人々が「霊性の世界」をとりもどせば、宗教対立はなくなると信じます。

このような、同じアジアにありながら、中韓にはない日本独自の精神世界。似非宗教家油かけ男の金山昌秀は全く理解していないのでしょう。愚かなことです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【追記】平成27年6月3日

男は、もともと在日韓国人だったが、1979年に日本に帰化した。これは、この年の官報に記載されていた。
男の家族にもキリスト教徒がおり、この家族は、宗教情報サイトで、在日韓国人として自らのアイデンティティに悩み、イエス・キリストと出会って救われたと明かしていた。

この家族の代理人をしている弁護士は、取材に対し、油まき容疑の男について、「報道では名前が出ていませんので、本人かどうかは分かりません。油まきについては、知らないと言っています」と答えた。
男とは、数年前に両親が亡くなった後に不和になり、日本とアメリカと住む場所が離れていることもあって、それから連絡を取っていないという。
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