ラベル 中国、分裂、選択、不良債権、日本型システム、高度計経済成長、日本の経済発展システム、アメリカ、経済殖民地 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2008年4月11日金曜日

中国分裂の筋書―(8)迫られる中国の選択

日本の激動 世界の激動 (1/9) テレビ報道の50年

日本の経済発展は、中国分裂後に成立する民主中国にとっても非常に参考になると思われます。上は、テレビ報道の50年というNHKの特集の内容の動画。

さて、ここしばらく中国分裂の筋書ということで何回か書いてきましたが、本日はすでに中国のバブルが崩壊した、あるいは崩壊が確実になった後の筋書きを記載したいと思います。以前のブログで、不良債権の処理の仕方をめぐって大まかな二つの選択肢があることを記載しました。どちらの道を選択しようとも、民主化、政経分離と法治国家化は免れません。

このブログでは、書きませんでしたが、中国では市場経済化をしたとはいいながら、いまだ自由な経済活動をできる環境にはありません。それは、政治と経済が不可分に結びついているからです。今でも、国営企業が幅を利かせていて、中国の国営企業が具合が悪くなると、政治的力が働いてしまうという、他国では考えられないような不思議な土壌があります。

さらに、今でも人脈によってかなりの部分が動きます。そのため、完全な法治国家ではありません。厳密には法に触れるようなことでも、人脈しだいではどうにでもなるという土壌があります。では、人脈を使えばなんでも成功するように思われるかもしれませんが、せっかく掴んだ人脈も、人脈のトップが失脚してしまえば今までの約束などは反故にされるどころか、いきなり罰金をとられるなどということにもなりかねません。バブル崩壊後いずれの道を選んだとしても、これらは是正されなければ、公正な競争原理は働かないため、これらは完全に改革されることになるでしょう。

1.不良債権を持つ中国国内銀行を外国銀行に売却するで対処する
外国銀行に売却するためには、かつてアジア通貨危機のときの韓国とおなじように、中国がIMFの管理下に入って行われることになると考えられます。そうなると、結果として多くの企業が海外企業の子会社になるため、今の韓国のように儲けのほとんどが海外に流れることになります。アジア通貨危機時に、この道を選択したのが韓国で、IMFの管理下で銀行のほとんどが外国のファンドの手に渡っています。実質上アメリカのファンドの手に渡り、アメリカの経済植民地になってしまうでしょう。

そうこうしているうちに、中国国内でも分離独立の動きが活発となり。いずれ、アメリカからみて、特に益のない、チベットなどの辺境の地の国は、独立を認めることになるでしょう。そうして、中国は辺境の国と、比較的に大きな中国(以後民主中国と呼ぶ)とに分かれることでしょう。もちろん台湾も分離独立します。

この場合、アメリカの経済植民地である民主中国は、現在のような韓国のような国になり、中途半端な自由主義経済国になるでしょう。

2.国家が不良債権を買い取ることで対処する
国家が国債を発行して、この資金を調達して買い取ることになります。実際には、この国債を自国民や外国に買ってもらうという形になります。巨額の資金なので、自国だけでは賄いきれないため、米国、日本やIMFなどの先進諸国や国際機関に頼ることになります。アジア通貨危機のときに、マレーシアや、インドネシアなどがこの道を選択し、日本が資金を出しています。この道を選択したマレーシアや、インドネシアは少なくとも米国の経済植民地にはなっていません。しかし、韓国であろうと、他の国であろうと、もし、この道を選択して、IMFや米国~直接資金を得ていたとしたら、米国の経済植民地になっていたと考えられます。IMFに頼ったり、米国の資金を当てにすることは結局は、米国の経済植民地につながるものと思います。この場合も、いずれ各地の分離独立の運動が活発化して民主中国と他の国とに分裂することでしょう。

3.1.2.の道を選ばず、放置する。
この道を選択することも可能ではあります。その場合、ほんどカタストロフィの世界となり、おそらく民主中国すらできない、混沌とした、単なる小さな国の烏合の衆となることでしょう。こうなると、予想もつかない展開になると思います。小国同士が互いに争い、そのうち力のあるものが、群雄割拠し中国の古代史のような経過をたどることでしょう。ただし、私たちが生きている時代には、単なる、何の影響力も何もない小さな国同士が絶えず争いを続ける状態になり、現在のイラクよりももっと悲惨な状況が長らく続くことでしょう。

さて、1、2の道のどちらかを選択した場合、一応現代中国の継承者たる民主中国は残ります。ただし、現政権はもちろん解散させられ、全く新しい国家になることでしょう。共産主義という言葉もなくなるでしょう。中国にも本当の意味で共産党一党独裁ではなく、多数の政党が創設され、いわゆる議会制民主主義が成立することになると思います。

さて、その後に民主中国が選択する道があります。それには、日本が多いに関わってきます。議会制民氏主義が成立した、新たな民主中国が選択すべき道は大きく言って二つあります。

アメリカの経済植民地になる選択肢
第一は、アメリカの援助を受け、アメリカ風の自由主義経済の道を歩むことです。昔、毛沢東はアメリカと手を結ぼうとして、できなかったので当時のソ連と組んだと経緯があります。もし、毛沢東とその当時のアメリカが手を組んだら、その後の中国は随分変わったと思います。ですから、おそらく中国は後で述べる選択肢よりも、この選択肢を選ぶ確率が高いと思われます。それは、ともかく、もし選んだとしたら、完全にアメリカの経済植民地となり、中途半端な自由主義経済国となると思います。アメリカの巨大ファンドによって、蹂躙されると思います。おそらく、経済発展も行き詰ると思います。


日本の経済発展モデルを導入する方式
第二は、日本の援助を受け、援助を受けるだけではなく、日本がかつて実施してきた健全な社会を築く道を選択することです。以前のブログにも述べたように、日本の政治家は、明治時代や、第二次世界大戦終了後しばらくは、経済ではなく社会を良くすることに注力を注ぎました。その間にも勿論、いろいろな社会的矛盾は多数発生しましたが、大局的には、社会を良くすることに注力をはらっていたことには、疑いのないことだと思います。その結果として、その後奇跡の経済発展が成就されました。現代政治家とは、全く違ったスタンスです。人を幸せにするのは、経済発展ではありません。健全な社会を創造することです。ただし、健全な社会を創造するためには、ある程度の経済発展も必要だということです。
上は、東京オリンピックの開会式の模様。東京オリンピックは、実は開催された年の20年前にも開催される予定だったが、戦争などの影響で中止になったという経緯がある。現代中国での開催は、この幻の東京オリンピックを想起させる。本来、現代中国が民主化してから行うべきではなかったのか?しかし、皮肉なことに今このオリンピックが、中国分裂への道のりを加速化している。

これからどうなるかは、全く未知数の民主中国がもしこの道を選んだとしたら、結果として急速な経済発展が予想されます。国には、社会の成熟や、経済の発展度合いによっていろいろな政策を、そのときの事情にあわせて実施していく必要があります。特に、日本は、1960年代から80年代の半ばまで、日本独自の規制の多い社会経済体制を維持しつつ、奇跡の経済発展を行ってきました。これを民主中国で再現するのです。そのためには、日本の社会システムの導入が大きな役割を果たすことでしょう。

実は、日本は、25年以上前までは、「共産主義国家」だったのです。こういうと、皆さんは怪訝に思われるかもしれませんが、実質上は本当にそうだったといえます。この時代は、非常に政府の規制が多く、外国の企業は入りにくくなっていて、規制が網の目のように張り巡らされ、しかも平等主義ににつらぬかれた社会だったいえます。このような社会は、現在振り返ってみると、共産主義といってもおかしくはありません。良い面悪い面もありましたが、あれだけの経済発展を実現した日本の社会体制はその時代においては、良く機能し、素晴らしいシステムであったことには疑いの余地はないと思います。

このシステムについて、かつてのソビエト連邦の経済学者が崩壊の2~3年前に、以下のように語っていました。「われわれの共産主義は失敗した。私は、世界の中で理想の共産主義を実現している国はないかと探してみたところ、私たちの理想に近い共産主義を実現している国を見出した。それは日本である」と語っています。

日本は、明治維新という偉大な無血革命による社会改革(経営学の大家故ドラッカー氏も絶賛しています)、敗戦後における果敢な社会政策に基づいた奇跡の経済成長を成し遂げた国でもあります。さらには、80年代に、いまは無き元橋本総理大臣により、ビッグバンを行い、自由主義経済の道を選択しました。その後のバブル、バブルの崩壊と、失われた10年も経験してきています。これほどの浮き沈みを経験をしてきた国はありません。こうした日本の経験を踏まえ、中国にまずは、日本型共産主義を導入するのです。そうして、ある程度の経済発展が実現されるまでは、このシステムを最大限生かす道を選択してもらうのです。私は、これが民主中国が選択するべき最善の選択肢だと思います。

以下に上記記事との関連記事を掲載しました。まだの方は是非ご覧になってください。反転文字列をクリックしていただければ、当該記事の内容に飛ぶことができます。

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■中国分裂の筋書き−(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

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