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2019年11月7日木曜日

最新鋭潜水艦「とうりゅう」進水 海自、ディーゼル推進で世界最大級―【私の論評】リチュウム乾電池搭載潜水艦で日本は「巡洋艦戦略」を実施し、中国海軍を大いに悩ませることになる(゚д゚)!


進水する海上自衛隊の最新鋭潜水艦「とうりゅう」=6日午後、神戸市中央区の川崎重工業神戸工場

海上自衛隊の最新鋭潜水艦の進水式が6日、川崎重工業神戸工場(神戸市中央区)で開かれ「とうりゅう」と名付けられた。12隻の配備が計画されている主力潜水艦「そうりゅう型」の12番艦となる。今後、装備の取り付けや試験航行を経て、2021年3月ごろの就役を予定している。

 海自によると、とうりゅうは基準排水量2950トン、全長84メートル、全幅9・1メートルで、ディーゼル潜水艦としては世界最大級となる。乗員数は約65人、水中での最大速力は約20ノット。建造費は約690億円で、配備先は未定としている。

 11番艦の「おうりゅう」に続きリチウムイオン電池を搭載し、従来型より潜行時間が延びた。

 とうりゅうの名前は、奇岩の間を加古川の激流が流れる兵庫県加東市の名勝「闘竜灘」に由来し、荒々しく戦う竜を意味するという。

 式典には防衛省や川崎重工業の関係者ら約380人が参加した。海自トップの山村浩海上幕僚長がロープを切ると、とうりゅうはドックから水上に勢いよく滑り出し、大きな拍手が上がった。

【私の論評】リチュウム乾電池搭載潜水艦で日本は「巡洋艦戦略」を実施し、中国海軍を大いに悩ませることになる(゚д゚)!

冒頭の記事では、「そうりゅう型」11番艦の「おうりゅう」からリチュウム電池を搭載したことが述べられていますが、本日はこのリチュウム電池搭載の意味や意義などを掲載します。

「そうりゅう型」へのリチウムイオンバッテリーの搭載は、当初は5番艦「ずいりゅう」(2011年進水)から予定されていたのですが、技術開発費不足などから、実現は7年後の11番艦まで待たなければなりませんでした。潜水艦という酷使に耐えなければならない機器に求められるリチウムイオンバッテリー技術の革新は、それだけハードルが高いものだったことが伺えます。

「おうりゅう」以降に搭載されたGSユアサ製バッテリーは画期的な安全性を実現したとされますが、スマートフォンなどの小型家電ですら最近もバッテリーの発火事故が報じられていることからも、全般的には今なお発展途上の技術であるとも言えるでしょう。

GSユアサ制バッテリー(潜水艦搭載型のものではありません)

イスラエルに本社がある軍事用バッテリーメーカー、Epsilorのマーケティング&販売部長のフェルクス・フライシュ氏は、「リチウムイオンバッテリーはあらゆるエレクトロニクス産業に大きな影響を与えているが、防衛産業も今、ドラマチックな変化の時を迎えている」と同社のブログ記事に書いています。

その理由の一つは、リチウムイオンバッテリーのコストが10年ほど前の5分の1程度まで下がっていることです。2022年には、さらに現状の半分まで下がるとみられます。また、安全性・信頼性を含む総合性能が上がり、大型の防衛機器での使用に耐えるものも出てきているのは、「おうりゅう」の登場で証明されたところです。

軍事用でも、無線機、衛星通信機器、熱探知カメラなどのポータブル機器、ECM・ESMなどの電子戦装置などでは、既に10年ほど前からリチウムイオンバッテリーが使われています。フライシュ氏は、一昨年8月の時点で、今後5年間で軍用車両、船舶、シェルター、航空機、ミサイルなどの「酷使に耐えなければならない機材」にも、リチウムイオンバッテリーの使用は広がると予測しています。

フライシュ氏によれば、
現代の戦争は大国同士の軍隊がぶつかり合うものではなく、民間人に紛れた武装勢力やゲリラとの戦闘がほとんどだ。そうしたケースでは、正規軍の方にも隠密行動が求められる。例えば、各国の陸軍を代表する兵器と言えば主力戦車や装輪装甲車だが、これらにも今は潜水艦のような静粛性が求められている。そのため、各国の軍隊で高性能バッテリーの需要が高まっているという。 
特に高性能バッテリーとの関連性が挙げられるのが、 「サイレント・ウォッチ」という夜間監視・偵察活動だ。敵に気づかれないように夜間の警戒任務に当たる戦車や装甲車はエンジンを止め、バッテリーのみで監視装置や武器を使用できるようにしなければならない。鉛蓄電池を8個から10個搭載する現行車両が「サイレント・ウォッチ」任務につけるのはせいぜい4、5時間。例えば中東の夜は10時間から14時間続くが、同等のリチウムイオンバッテリーに置き換えれば12時間程度監視任務を持続できるとされる。つまり、ほぼ夜通しの任務遂行が可能となる。 
現在、アメリカやイスラエルの軍産複合体が「サイレント・ウォッチ」を見据えたリチウムイオンバッテリーを開発中だという。また、デンマーク陸軍は既にリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリー搭載型のピラーニャV装輪式兵員輸送車を発注済。イタリア軍が採用しているフレッチャ歩兵戦車、チェンタウロ戦闘偵察車も、次期タイプではリチウムイオンバッテリーを搭載するとみられる。さらに、イスラエルのエイタン装輪装甲車もハイブリッドになると見られ、インド軍も10年以内に2,600両以上のリチウムイオンバッテリーを搭載した歩兵戦闘車を配備しようとしているという。
海自はこのリチウム潜水艦で何をしようとしているのでしょうか。それは、南シナ海でのゲール・デ・クルース(guerre de course)です。旧軍では「巡洋艦戦略」と訳された海軍戦略です。

リチウム化による性能向上、具体的には長距離展開能力、戦域内移動力、接敵能力の強化はそれへの指向を示している。またAIP撤去も従来の待ち伏せ主要からゲリラ戦への変化を示唆しています。

リチウム電池化で得られる諸能力である、長距離展開の実現、戦域内移動力の向上、接敵機会増大により、はじめて海自がゲール・デ・クルース(guerre de course)を可能にしたともいえます。

リチウム化により。海自潜水艦は倍以上も遠くまで進出できます。南シナ海展開は今よりも容易となりました。あるいはマラッカ西口展開も実現性を帯びます。

今日、在来潜水艦も基本的には潜水状態で移動します。水中移動して、ディーゼルで充電を繰り返します。ところが、鉛電池型では最大でも4kt(7km/h)、100時間、400nm(740km)程度だ(ロシア制潜水艦を参照)す。それで電池切れになります。そして充電を完了するまで10時間位はかかります。実際は放電量1/3~1/4で小充電をするのでしょう。ただ能力はその程度です。

それがリチウム化により2-4倍となるのです。電力容量8倍はそれを可能とします。速力2倍で消費電力を4倍としてもなお2倍の時間移動できるのです。8ktで最大200時間、1600nmを移動できるのです。

しかも充電時間は従来のままです。リチウム化で充電速度も約8倍程度に上がります。充電電流量は5倍となり電力量から貯蔵量への変換効率も1.5倍となります。つまり7.5倍です。8倍容量の電池でもほぼ同じ時間で充電できます。

これはゲール・デ・クルースに有利です。より遠方まで進出して潜水艦により脅威を与えられることになります。計算上、鉛電池では呉―バシー間は2週間程度を要します。それがリチウムでは6日半となる。さらには呉から10日で南沙諸島まで展開可能となるのです。

また戦域内移動力も向上します。1隻の潜水艦で南シナ海全体に脅威を与えられます。たとえば台湾海峡で中国艦船を攻撃し、4日間で南沙諸島に移動して再び中国艦船を攻撃し、また3日間で海南島に移動して3たび中国艦船を攻撃するというような行動が可能となります。

その効果は大きいです。中国は南シナ海全体での対潜戦を強要されることになります。たとえば、3海面に対潜部隊を展開するのです。「日本潜水艦はもういない」と判断できるまではそうするのです。

これは中国の対潜努力の強要に向くことになります。「潜水艦は乗員数で400~600倍の敵海軍を拘束する」ともいわれます。乗員65人の海自潜水艦1隻は1海面で中国海軍を3万人づつを拘束する計算となります。3海面並行しての対潜戦なら拘束規模は合計9万人にも及ぶでしょう。


さらに、接敵機会拡大があります。これもリチウム電池による充電高速化の成果です。中国艦船を攻撃可能な位置に収めるチャンスが増えるのです。これもゲール・デ・クルースに資することになります。

短期間で潜水艦脅威を顕在化できるからです。また移動先海面で短期に成果をあげ、すぐに別海面に転進できます。従来の鉛電池潜水艦は低速です。電池容量から接敵速力は上限で8ktでした。戦時には20ktを出す軍艦や平時から15kt付近で航行する商船よりも遅いのです。

そのため接敵・攻撃のチャンスは少なくなります。8ktの潜水艦は20ktで走る軍艦の針路前方47°の範囲にいない限り接敵できません。それがリチウム化で大幅改善します。水中速力12ktあるいはそれ以上も差し支えないのです。それにより攻撃圏は20ktの軍艦の前方74°以上に広がるのです。

リチウム化はゲール・デ・クルースを容易にするということです。そして海自はAIPエンジンを捨てました。水中潜航状態で1週間2週間を待機できる特殊エンジンを廃止したのです。

これは何を意味するのでしょうか。潜水艦運用体制の変化です。冷戦期の待ち伏せから対中対峙におけるゲール・デ・クルースにシフトしたのです。従来は待ち伏せに主軸がおかれていました。

敵軍港前面や重要海峡で待機する。そこを通過する敵潜水艦を攻撃する運用です。そのためAIPエンジンも採用されたのです。その軸足はゲール・デ・クルースに移りつつあります。海自潜水艦の動向、なによりもリチウム化とAIP撤去はそれを示唆しているのです。

進水した「とうりゅう」写真と仮付の艦名プレートの拡大写真

海自はこれにより中国海軍力の分散を目論んでいるようです。潜水艦を広範囲に行動させるのです。南シナ海あるいはマラッカ西方まで展開させるのです。それにより中国に広範囲での潜水艦対応を強要します。また中国に南シナ海防衛を強要し、対日正面戦力の転用・減少を狙う腹積もりなのでしょう。

リチュウム乾電池搭載の潜水艦は、「とうりゅう」でまだ二隻目ですが、これがこれが少なくとも5隻くらいになれば、日本はゲール・デ・クルース(guerre de course)を実施し、中国海軍を大いに悩ませることになるでしょう。

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2018年11月22日木曜日

シュライバー米国防次官補単独会見 米、中国海軍と海警、海上民兵の一体運用による尖閣奪回を警戒―【私の論評】冷戦Ⅱで日本は尖閣から中国を排除しやすくなった(゚д゚)!

シュライバー米国防次官補単独会見 米、中国海軍と海警、海上民兵の一体運用による尖閣奪取を警戒

シュライバー米国防次官補
【ワシントン=黒瀬悦成】シュライバー米国防次官補が21日、産経新聞との単独会見で東シナ海での中国海警局の公船や漁船に乗り込んだ海上民兵に対して厳しく対応していく姿勢を打ち出したのは、これらの勢力が実質的に中国人民解放軍の指揮下にあり、「非軍事組織」を装いつつ中国軍と事実上一体となって尖閣諸島(沖縄県石垣市)の奪取に動くことを強く警戒しているためだ。

 日本の海上保安庁に相当する中国海警局は7月、中央軍事委員会の傘下にある人民武装警察部隊(武警)に編入された。軍の指導機関である軍事委の傘下に入ったことで、沿岸警備とは別に中国海軍と連携した軍事行動をとる恐れがあるとの懸念が強まっている。

 また、米海軍大学校のアンドリュー・エリクソン教授は軍事専門誌で、中国の海上民兵が「人民解放軍の指揮命令系統に組み込まれ、国家主導の作戦で運用されている多数の証拠がある」と指摘。エリクソン氏は、これらの海上民兵をウクライナの分離独立派を支援するロシア軍要員「緑の小人」にちなんで「青い小人」と名付け、米国としてもその実態を白日の下にさらすべきだと訴える。

 さらに、米議会の超党派政策諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」が14日に発表した年次報告書によると、中国海軍は今年、原子力潜水艦やフリゲート艦を尖閣諸島の接続水域に初めて侵入させ、軍用機の訓練飛行を頻繁に実施するなど、尖閣をめぐる日本の主権と施政権を否定する行動を繰り返している。

 日中首脳は10月の首脳会談で東シナ海を「平和・協力・友好の海」とすることを確認したが、中国による行動は発言とは正反対といえる。米国防当局者によると、マティス国防長官は10月、シンガポールでの魏鳳和国防相との会談で、この問題に関する米国の懸念を明確に伝えたという。

 北朝鮮問題に関しては、「交渉は外交官に任せる」として国務省主導の非核化協議を支援する立場を打ち出す一方、「北朝鮮との間では幾つかの信頼醸成措置が取られたものの、北朝鮮は通常兵力を全く削減していない」と指摘し、「北朝鮮は引き続き重大な脅威だ」と訴え、米韓同盟に基づく米軍駐留の必要性を強調。在韓米軍の削減をめぐる議論は「現時点で一切行われていない」とした。

 非核化協議を進展させる狙いから中止されている米韓の大規模合同演習を来年春以降に再開するかについては「北朝鮮の交渉態度が誠実かどうか次第だ」と指摘。これに関し国防総省は21日、今後の演習に関し、規模を縮小して実施するなどの選択肢を検討しているとする声明を発表した。◇

 ランドール・シュライバー米国防次官補 西部オレゴン州出身。海軍情報士官として湾岸戦争(1991年)などに参加後、ハーバード大で修士号(公共政策)取得。ブッシュ(子)政権下の2003~05年に国務次官補代理(東アジア・太平洋問題担当)を務めるなどした後、コンサルタント会社「アーミテージ・インターナショナル」をリチャード・アーミテージ元国務副長官らと共同設立した。アジア地域を専門とする政策研究機関「プロジェクト2049研究所」の代表も務めた。18年1月から現職。

【私の論評】冷戦Ⅱで日本は尖閣から中国を排除しやすくなった(゚д゚)!

海上民兵
昨日は海警については掲載したので、本日は海上民兵について掲載します。

海上民兵について、上の記事では詳細については掲載されていません。これは、どのような存在なのか、今一度振り返っておきます。

海上民兵は過去にすでに尖閣諸島付近に姿を現しています。2016年8月5日に尖閣諸島周辺に200~300隻にも上る中国漁船接続水域に現れました。その後、5日間にわたってこの海域にとどまり操業を続ける様子を、警戒にあたった海上保安庁の航空機がしっかりと映像に捉えていました。

「視界の及ぶ限り延々と中国漁船が浮かんでいました。この漁船団とともに最大で15隻もの中国海警局の公船が一体となって、日本の領海への侵入を繰り返していたのです。警戒にあたる巡視船の基本は、マンツーマンディフェンスですが、これほどの数だと、対応しきれません」(海上保安庁幹部)

現場からはさらに驚くべき動きが伝えられました。

「尖閣諸島周辺海域に押しかけた中国漁船に多数の海上民兵が乗船していたというのです。その数は100人を下らない。多くは漁船の船長として、乗組員である一般の漁民らを指揮していたと見られています」(同前)

今回だけでなく、近年、尖閣周辺に入り込む中国漁船に海上民兵が乗船するのは、もはや日常の光景と化しています。

「尖閣周辺の上空で毎日欠かさず警戒にあたる海上自衛隊の哨戒機P─3Cが捉えた中国漁船の写真には、海上民兵と思しき軍服を着た人物が乗り込み、船体には軍の識別番号、甲板には20mm連装機関銃を搭載した様子まで映っていた」(防衛省関係者)

そもそも海上民兵とは、漁民や民間の船会社の船員などのうち、軍事的な訓練を施され、必要に応じて漁船などで軍の支援活動をする者たちをいいます。漁業繁忙期には漁にいそしみ、漁閑期には国防を担うことで日当を政府からもらう、パートタイムの軍人というべきかもしれません。民兵(Min Bing)の略である、MBのワッペンや記章が付いた軍服を着て活動します。

中国民兵の肩章

中国国防法22条には、「人民の武装力は中国人民解放軍および予備部隊、人民武装警察部隊、民兵組織によって構成される」と謳われ、民兵は軍を所掌する中央軍事委員会の指導下にありますが、彼らはフルタイムで軍務に従事するわけではありません。その数は10万人以上とも言われるますが、正確には判明していません。

この海上民兵が米軍や自衛隊関係者の間で大きく注目されています。近年、急激に活動を活発化させているからです。

「2009年に海南島沖の公海上で米海軍の音響測定艦インペッカブルが、中国の海上民兵が乗り込んだトロール漁船などから執拗に妨害を受けるということがありました。

南シナ海で中国が進める人工島の埋め立て作業にも海南島などの海上民兵が動員され、さらに2015年から米軍が始めた『航行の自由』作戦に参加したイージス艦が、海上民兵が乗る武装漁船によって取り囲まれるという事態が二度にわたり起きたことを米太平洋艦隊の司令官が2016年5月に明らかにしています。

海上民兵は単なる半漁半軍の集団ではなく、米中の軍事的緊張の最前線に躍り出る存在となったのです」(同前)

その海上民兵たちの拠点となる漁村は、東シナ海および南シナ海に面した浙江省から福建省、広東省、海南省にかけての海岸線沿いに複数点在しています。日本の公安当局はその実態の把握に躍起となっています。

「浙江省や福建省などでは海軍の教育施設で海軍兵士と一緒に30日ほどの軍事訓練を受けており、その活動は海軍艦船への燃料や弾薬の補給から偵察、修理、医療など幅広く行います。なかには、機雷の設置や対空ミサイルの使用に習熟した民兵もおり、敵国艦船への海上ゲリラ攻撃を仕掛けるよう訓練された部隊もあるようです」(公安関係者)

この他にも中国が西沙諸島や南沙諸島などに作った人工島をあわせて新設した三沙市への移住を海上民兵に対して促すこともあるといいます。

1日あたり35元から80元(約500~1200円)の居住手当が支払われるといいますが、移住先の人工島で漁業などに従事させることで、中国領であるとの既成事実を作り上げようといしているのかもしれません。

以上のようなことから、海上民兵を日本の屯田兵のようなものとみなすことができると思う人もいるかもしれません。しかし、それは全くの間違いです。日本の屯田兵は、当時自他ともに自国領土とされる北海道に展開されていました。

屯田兵は、国境係争地等や他国領土、領海に配置されたことはありません。それは、あくまで軍隊が行っていました。屯田兵はあくまで、自国領地を守るという意味合いで設置されたものであって、中国の海上民兵とは全く異なるものです。

さて、このような海上民兵と闘うためにはどうすれば良いのでしょうか。

中国が尖閣諸島に多数の「漁民」を軽武装で上陸させてくる可能性があります。実際には民兵であるこれら「漁民」は人民解放軍の指揮下にある「漁船」で上陸し、日本側が出動させるヘリコプターに対してフレア・ガン(照明弾や発煙弾を発射する信号銃)を一斉発射して撃退することでしょう。

このような、尖閣攻撃は、中国側が日本のなまぬるい対応を事前に知っているためにその可能性が高くなってきました。

日本側は憲法上の規制などで尖閣に侵入してくる中国の軍事要員に対しても警察がヘリで飛来して、違法入国で逮捕し、刑事犯として扱おうとする対応を明らかにしています。だから中国側の偽装漁民はフレア・ガンでまずそのヘリを追い払うわけです。ヘリがフレア・ガンに弱いことはよく知られています。この場合、米軍の介入も難しくなります。

フレア・ガンを撃つ女性

日本に必要なのは、尖閣諸島を、重要施設が集中している「東京都千代田区」と同じにみなし、そこへの侵略は本格的な軍事作戦で撃退することです。日本側はいまその軍事反撃ができないことを内外に広報しているような状態であり、中国の侵略をかえって誘発する危険を高くしています。

日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならなりません。そのことこそが中国の軍事的な侵略や威嚇への抑止となります。

幸いなことに現在、トランプ大統領の安倍晋三首相への信頼度は高いです。トランプ大統領は、安倍氏をいまの世界で最高水準の指導者とみなし、日本をアメリカにとって第一の同盟国とみています。

現在トランプ政権では、対中国冷戦Ⅱを本気で実行している段階です。トランプ政権下では日本は中国に対して強い措置をとる際に従来のように米国政府にいちいち了解を求める必要はもうなくなりました。

2018年からは、米国はこれまでと異なる対中政策をとりはじめ、その結果、まったく新たな米中関係が始りました。この変化は日本にとっても、プラスが多いです。

もし中国が海上民兵を主体に尖閣上陸しようとした場合、日本が武力も含めて何らかの措置を講じ、海上民兵尖閣から排除した場合、米国は日本を同盟国としてさらに信頼することになるでしょう。

一方、世界の中で、中国、北朝鮮、韓国とごく一部の国を除いて、日本が海上民兵を排除したとしても、ほんどの国がそれを当然とみなし、非難する国はないでしょう。避難するどころか、中国の侵略や干渉に悩まされている国々からは賞賛の声があがることでしょう。

そうして、国内でも中国が武装海上民兵を尖閣に上陸させた場合、それを迅速に排除すれば、政府に対する信頼はますます深まるでしょう。野党は、大反対するかもしれませんが、これはかえって多数の国民から反発を買うことになるでしょう。

その逆に、海上民兵にやすやすと尖閣を奪取された場合、政府の支持率はかなり落ちることになるでしょう。これは、特に最近の政府の韓国に対する厳しい対応に対して、国民やマスコミなどから反対の声が起こらないことからも容易に推察できます。

もし、尖閣がやすやすと海上民兵に奪取された場合、普段野党は親中派・媚中派のようであるにもかかわらず、途端にあたかも反中派になったように、倒閣のために政府を大批判し、マスコミもこれに迎合し、これでもかこれでもかと政府の不手際を批判することになるでしょう。

その挙句の果てに、中国から大目玉を喰らって、意気消沈するなどの喜劇が発生するかもしれません。

このよなことにならないためにも、日本は法改正して、海保と海自が連携行動出来るようにすれば良いのです。当然海保の巡視艇は、中国の海警船並に、兵器を搭載します。敵の海警船と、我が巡視艇同士でも、砲撃戦が出来るようにしておくのが急務です。ことが大きくなったら海自の潜水艦やイージス艦が出て行けば良いのです。

また、予め中国に対して、海上民兵は軍事組織とみなすとはっきりと伝えておくことも重要です。

肝腎なことは、「中国は尖閣だけでなく、沖縄諸島を略奪することを企図している」ことをはっきりと表明していることです。これに対応するには妙案などありません。昨日もこのブログに示したように、迅速に行動することです。

いずれにせよ、トランプ政権になり冷戦Ⅱが始まってからは、日米の関係性からいって、日本は以前よりはるかに尖閣対応がやりやすくなったのは確かです。オバマ政権時代までには考えられないような対応ができるようになりました。

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2016年8月1日月曜日

日本単独で「核武装国」中国を壊滅させる秘策は機雷―【私の論評】戦争になれぱ中国海軍は、日本の機雷戦に太刀打ち出来ず崩壊する(゚д゚)!


平成20年6月12日、海上自衛隊による機雷の爆破処理で
海面に噴き上がる水柱。後方は神戸市街=神戸市沖
日本の国防を考える時、最大の脅威は中国だ。仮に共和党の大統領候補・ドナルド・トランプ氏が主張するように米国の後ろ盾がなくなったら、日本はどうすべきか。軍学者の兵頭二十八氏は、日本は「自衛」の結果、中国を簡単に滅する“奥の手”があると論じる。

* * *

在日米軍が2017年に急に引き上げ、日米安保が停止したとしよう。ふつうは他の集団的安全保障(たとえば核武装国である英・仏・印・イスラエルとの2国間の軍事同盟条約)を模索するだろうが、話を極度に単純化し、それもナシということにする。

すると日本は核武装国の中共に対して単独で自衛せねばならぬ。

体重百キロのチンピラに密室で襲撃された老人と同じく、弱者の自衛には手加減は不可能だ。日本は主権と独立を防衛するために、中共体制そのものを全力で亡ぼしてしまうしかない。じつはそれは簡単である。

まず尖閣の領海に機雷を敷設し、それを公表する。これは主権国の権利なのだが、チンピラの中共は必ず、わけのわからないことを叫び、軍艦か公船か漁船を出してきて、触雷するだろう。そのうえもっと軍艦を送り込むので、わが国は「自衛戦争」を始められる。

こっちは弱い老人だから体力のあるうちに早く決着をつけなくてはならぬ。すぐ、中共本土の軍港前にもわが潜水艦によって機雷を撒き、それを公表する。同時に黄海や上海沖で潜水艦によって敵軍艦も雷撃させ、わざとらしく「機雷が作動したと思われる」とアナウンスする。

すると中共海軍の防衛ドクトリンがスタートする。彼らは外国軍の潜水艦を北京や上海に寄せつけない手段として、漁船を動員して大量の機雷を撒かせることに決めているのだ。こっちが機雷を撒くと、向こうも機雷を撒く。レバレッジ(梃子作用)が働いて、わが自衛行動が数倍の効果を生むのだ。

 連中には撒いた機雷の位置を精密に記録するという訓練も装備もありはしない。しかもシナ製機雷には時限無効化機構もついてない。

自分たちで撒いた機雷により、シナ沿岸は半永久に誰も航行ができない海域と化す。中共に投資しようという外国投資家も半永久にいなくなる。なにしろ、商品を船で送り出せなくなるのだ。

外国船籍の原油タンカーがシナ沿岸には近寄らなくなる(無保険海域となるのでオーナーが立ち寄りを許可しない)結果、中共沿岸部の都市では、石油在庫はたちどころに闇市場向けに隠匿されて、表の市場には出てこなくなるだろう。他の生活必需物資も同様だ。

およそ精鋭の掃海部隊があったとしても、大量の機雷の除去には数十年を要する。中共軍にはその準備がないので、中共だけが「石油高」「電力高」「輸出ストップ」に長期的に苦しむ。闇石油を押さえた軍閥が強くなり、石油を支配していない中央政府と大都市・大工場は逼塞する。第二の袁世凱または張作霖があらわれるだろう。弱者の日本の正当防衛は成功したのである。

機雷戦のメリットは、いったんスタートすると、核をチラつかせた脅しや、シナ人得意の政治的工作をもってしても、事態を元には戻せないことだ。そもそも敵艦がわが領海を侵犯しなければ触雷はしないのだから、平和的だ。艦艇が沈む前に敵に脱出のチャンスを与えるという点では、対人地雷よりも人道的である。

そして、機雷戦がいったん始まれば、シナ大陸沿岸海域は長期にわたって無保険化することが確定するので、戦争の決着がどうなるかとは関係なしに、中共経済の未来は終わる。スタートした時点で、日本の勝利が決まるのである。

このように、強者の米国がバックについていない場合、余裕を失った弱者の日本は、却って簡単に中共を亡ぼすことになるのである。

※SAPIO2016年8月号

【私の論評】戦争になれば中国海軍は、日本の機雷戦に太刀打ち出来ず崩壊する(゚д゚)!

さて、ブログ冒頭の記事では、"日本単独で「核武装国」中国を壊滅させる秘策は機雷"としています。そうして、それがなぜなのかについて、ある程度説明はしているものの、肝心要の部分についてはほとんど解説されてないので、本日はそれについて掲載します。

その大きな一つして、真っ先にあげなければならないのは、日本の海上自衛隊による、機雷除去などの掃海能力は世界一だということです。世界一というと、以前にもこのブログではいわゆる通常型の潜水艦の能力や、P3Cなどの哨戒機による対潜哨戒能力(潜水艦を索敵する能力)は世界一であることを掲載したことがあります。

しかし、機雷除去などの掃海能力が世界一であることは、ほとんど掲載してきませんでした。これ抜きに、ブログ冒頭の記事のように、中国を壊滅される機雷作戦を敢行することはできません。

さて、日本にも昔から、掃海母艦、掃海艦、掃海艇、掃海管制艇があります。そうして、海上自衛隊が機雷掃海のために保有する艦艇は27隻に上ります。米国や英国など主要国の掃海艦艇は20隻以下とされおり、海自は世界一のの陣容を誇るのです。

「日本は高い掃海能力を持っている。掃海によって機雷を敷設することが無意味になっていく。つまり抑止力にもなる」

安倍晋三首相は一昨年6月9日の参院決算委員会で、自衛隊の掃海能力について、誇らしげにこう語りました。

最新鋭の「えのしま」型掃海艇は、木造船を使用してきた海自で初めて強化プラスチックを船体に使用し、耐用年数が大幅に延びました。掃海艇より大型の「やえやま」型掃海艦は潜水艦を標的とする深深度機雷の処理も行うことができます。

掃海艇「えのしま」
掃海艦「やえやま」
「うらが」型掃海母艦は旗艦として補給支援や機雷敷設などを行うほか、ヘリコプターの発着艦が可能で、掃海艇を狙った機雷を処理するためダイバー(水中処分員)を現場海域に送り届けます。「いえしま」型掃海管制艇はラジコンのような遠隔操縦式掃海具を操り、掃海艇が入れない水深の海域に敷設された機雷を処理します。

掃海母艦「うらが」
こうした総合力は、対潜水艦哨戒能力と並ぶ海自のお家芸ともいえます。一昨年7月の閣議決定で集団的自衛権の行使が認められたことにより、政府は新たに可能となる活動の1つとして、停戦合意前に中東・ホルムズ海峡で行う機雷掃海活動を挙げたのも、このためでした。

自衛隊が初めて海外での任務に投入されたのも、機雷掃海活動でした。

湾岸戦争終結後の平成3年、海上自衛隊はペルシャ湾掃海派遣部隊を送り込みました。当時はすでに他国海軍が活動しており、“遅参”した自衛隊に割り当てられた掃海区域は「最も危険で難しい場所しか残っていなかった」(海自関係者)といいます。過酷な条件下で海自部隊は約3カ月間に34個の機雷を無事に処分し、他国海軍から高い評価を受けたのです。
平成3年4月、湾岸戦争終結を受け、機雷掃海のためペルシャ湾に
向けて出航する、海上自衛隊の掃海派遣部隊=海上自衛隊横須賀基地
安倍首相が「高い掃海能力」を誇るのは、このときの経験も裏付けとなっています。ただ、防衛省関係者は「当時の海自部隊は装備面では他国に劣っていた面もあった」と指摘します。特に、水中に潜って爆雷を投下する装置にはカメラが付いておらず、水中処分員が目視で機雷を確認せざるを得なかったといいます。

海自が装備の遅れをカバーできたのは、先の大戦の“遺産”によるところが大きかったのです。

終戦当時、日本周辺海域には旧日本海軍が防御用に敷設した機雷約5万5000個のほか、米軍が敷設した約1万700個の機雷が残っていました。主要航路の掃海は昭和40年代後半まで行われ、現在も港湾工事前の磁気探査で機雷が発見されることがあります。これを処理してきた海自の経験が、精密で効率的な掃海能力を培ってきたのです。

機関砲や爆雷投下で処分できない機雷は、生身の水中処分員が潜って機雷に爆薬を取りつけます。水中処分員には体力、知力、精神力が要求され、海自の特殊部隊「特別警備隊」と同様に精鋭隊員が選ばれる。東日本大震災では「えのしま」型掃海母艦「ぶんご」に集約されたダイバーが、水中での行方不明者捜索に当たりました。

ホルムズ海峡だけではなく、東アジアでも有事の際は中国などが機雷を敷設して米軍や海自の艦艇を封じ込めようとする可能性が高いです。もちろん、ペルシャ湾派遣以降、海自掃海艦艇は「えのしま」型や「うらが」型などの導入により世界トップレベルとなっていいます。人と装備の両方を兼ね備えた海自掃海艦艇が担う役割は大きいです。

平成23年11月、不発弾を爆発処理し、海面に上がる水柱。
右は掃海艇「とよしま」=山口県下関市沖の関門海峡
さて、中国海軍は、新旧あわせて10万個以上の機雷を保有しているとされます。海自や米海軍は、イザというときに中国海軍には機雷を敷設する、機雷戦を仕掛ける能力と意思があるとみています。安上がりな機雷を使えば、強大な米海軍を追い払えるかもしれないからです。

米海軍大学の『海軍大学レビュー』(65号、2012年)の掲載論文「機雷の脅威を検討する-中国『近海』における機雷戦」によれば、湾岸戦争当時、イラクが敷設した1300個の機雷によって、米海軍はペルシャ湾のコントロールを一時失いました。10億ドルの米イージス艦が、2万5千ドルのイタリア製機雷で行動不能になったのです。

論文は、中国海軍が機雷をまくかもしれないケースとして、台湾封鎖や南シナ海危機、朝鮮有事を挙げました。グアム島近辺や東シナ海、西太平洋でもあり得るとしました。機雷は、水上艦艇だけでなく航空機や潜水艦、公船、商船、漁船でもゲリラ的に敷設することができます。

なぜか米海軍は、十分な数の掃海部隊をもっていません。そこで、海自とオーストラリア海軍に期待を寄せています。

さて、上の記事では、日本が単独で中国に機雷戦を挑み、中国を壊滅させることが掲載されています。機雷戦については、このように日本単独でもかなりのことができます。

しかし、より完璧にするためには、やはり集団的自衛権の行使は避けられません。政府与党の協議では、集団的自衛権の事例として、朝鮮有事などで邦人が乗った米艦船を自衛隊が守ることも論じられました。邦人がいなくても、各国民間人が乗った外国の艦艇、船舶が避難してくるときに、自衛隊が守らず見殺しになどできるはずもありません。そんなときに、北朝鮮でも中国でもいい、どこかの国が機雷を絶対にばらまかないという保証もありません。

南シナ海でも同じことです。世界の商業海運の半分が通過する大動脈であり、「航行の自由」が強く求められている海です。

中東だけでなく、アジア太平洋の海でも、集団的自衛権の限定行使として、海自が掃海にあたる事態は起こり得ます。

これは、米国の戦争に巻き込まれるという単純な話でもありません。実行するかどうかはそのときに決める話だが、日本の存立のため、安全保障の生命線である日米同盟を破綻させないために、できるようにしておくべきシビアな話です。幅広く考えておくことが、平和への備えにつながるのです。

そうして、日本の掃海能力が世界一ということは、掃海能力がほとんどゼロに近い中国に対してはかなりの強みであり、中国にとってはかなりの脅威です。

中国の081型掃海艇(ウォチー型/渦池型)技術的にもノウハウ的、人的資源の面からも
到底日本の掃海能力はには及ばない
掃海能力がほとんどゼロの中国海軍は、敵の飛行機から機雷バラ撒かれたらそれだけで、機能不全に陥ります。昔は、目標の海域に近寄らないと機雷を落とせなかったのですが、最近ゆで゜は、40海里離れたところから狙って落とせるようになりました。

米軍の最新式の「クイックストライク」機雷は、本体に滑空用の主翼が備わっていて、B-52Hから高空から投下すれば、40海里先まで飛翔して着水します。この実験は2014年9月23日に成功しています。

航空機から撒布される沈底機雷である「クイックストライク」は前からあったものですが、いよいよそれにJDAM機能が結合されたわけです。「GBU-62B(V-1)/B クイックストライクER」というのが正式名称です。

高度3万5000フィートから落とせば、40海里前に落ちます。航空機から機雷を撒く技術は、米軍は1943から実用化した。その基本的制約は2014までも同じでした。しかし、ようやくその技術に革命が起きたのです。

これを大量に使われたら、中国は南シナ海の人口島に、近寄れなくなってしまいます。ところが、米軍には「世界一の掃海屋」こと、海上自衛隊の助っ人が存在するので、機雷は怖くありません。これで、中国側の言う「領空侵犯」しなくても、一方的に中国を潰すことができます。中国には打つ手はありません。

日本にも、91式という凄まじい機雷があります。91式機雷(きゅういちしききらい)は、日本の海上自衛隊が装備する機雷で、世界初の複合誘導型追尾上昇機雷です。

91式機雷は、爆弾型の形状をしており、敷設された後は海底に鎮座する係維器と浮力を有する弾頭である缶体、そして両者を繋ぐ係維索(ワイヤー)により構成されています。目標を感知すると係維索が外れて缶体は浮力により浮上、その間も追尾しつつ目標に到達する仕組みになっています。

これまでの上昇機雷は、80式機雷の様に目標を探知して以降はそのまま浮力かロケット噴射により浮上するだけでしたが、91式は浮上中も目標を追尾し続ける点において世界初の装備です。その為に以下の特徴を有しています。
  • 係維器を筒型にしその内部に薄肉の缶体を収納することで、缶体の浮上するために必要な浮力と、航空機敷設時の耐振性、着水時の耐衝撃性を両立
  • 音響測定により目標の速度・方位を浮上追尾前に予測することによる、中・高速目標の対応や攻撃範囲の拡大
  • 低雑音性の潜水艦にも対応するためにパッシブ・ソナーだけでなく、磁気探知や測的にアクティブ・ソナーを用いた複合感応式
  • 音響測的による定方位比例航法を行うために、傾斜計方位計を用い地球重力極北を基準とした姿勢制御を行なう上昇追尾方式
91式機雷の模式図

類似した装備として目標を感知すると魚雷を発射するキャプター機雷がありますが、91式はそれらより本来の機雷寄りの装備と言えます。

この機雷簡単に説明すれば、海底に潜むように設置されており、海上や水中を中国の艦艇や潜水艦が近くを通過すれば、それを目掛けて機雷が自動追尾して、爆発し、破壊するわけです。

機雷というと、昔のイメージで、水中に設置してある爆弾で、船が触れると爆発するくらいの認識の方には、このブログ冒頭の記事の意味が良くお分かりにならなかったものと思います。しかし、ここまで掲載すれば、日本による機雷戦により、中国軍を崩壊に導くことも可能であることがお分かりになったと思います。

南シナ海でも、東シナ海でも、尖閣諸島付近でも、中国海軍は日本の海上自衛隊の機雷戦になすすべもなく、短期間に無力化され、機能を失うことでしょう。一方、掃海能力の優れた日本は、中国海軍に対して圧倒的強みを発揮することになります。

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2015年11月16日月曜日

中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か ―【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!

中国海軍、尖閣接近のウラ 米爆撃機の威嚇に習政権“苦肉の策”か 

B52を空母に搭載するとこんな感じです 合成写真
中国海軍の艦艇が、東シナ海で不審極まる航行をしたことが注目されている。沖縄・尖閣諸島南方の接続水域の外側を、東西に反復航行していたのだ。米国は先日、中国の南シナ海での暴挙を阻止するため、「死の鳥」と恐れられたB52戦略爆撃機2機を投入したばかり。どうやら、習近平国家主席率いる中国の窮状と関係しているようだ。

「領土、領海、領空を断固守るとの立場から、周辺の海空域の警戒活動には万全を期している」

菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、中国海軍の艦艇による異常航行について、こう強調した。

航行が確認されたのは中国海軍のドンディアオ級情報収集艦で、海上自衛隊のP3C哨戒機が発見した。菅氏は「単なる通過ではなく、1日で東西に反復航行したのは特異な航行だ」と指摘し、警戒感を示した。
中国といえば、南シナ海の岩礁を国際法を無視して軍事基地化したことをめぐって、米国と緊張関係にある。

米軍は「航行の自由」と「法の支配」を守るため、先月27日、イージス駆逐艦「ラッセン」を派遣したうえ、米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」をマレーシア沖で航行させて中国をけん制した。

今月8~9日には、グアムから飛び立った、核爆弾搭載可能なB52戦略爆撃機2機が、南シナ海の人工島近くを飛行するなど、圧力を強めている。中国軍は、こうした米軍の攻勢に目立った動きをみせていない。

こうしたなか、少し離れた東シナ海で特異な航行をしたのはなぜなのか。

軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「情報収集艦の航行は、南シナ海での動きと連動しているとみて間違いない」といい、続けた。

「中国は、米国が艦船だけでなく、戦略爆撃機まで投入するとは思っていなかったはずだ。対抗措置を取らなければ、中国のメンツが立たないうえ、国内世論の反発を食らう。といって、緊迫する南シナ海で下手に動けば、軍事力で歴然の差がある米軍と衝突する事態になりかねない」

「苦肉の策として導き出したのが、東シナ海への艦艇派遣だったのだろう。『自衛隊が相手ならば、大きな事態にならない』と考えたのではないか。それだけ、米軍の『フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦』で追い詰められているということだ」

習氏の歯ぎしりの音が聞こえてきそうだ。

【私の論評】日本と戦争になれば、自意識過剰中国海軍は半日で壊滅!東シナ海で傍若無人ぶりを働けば撃沈せよ(゚д゚)!

歯ぎしりする習近平
ボロ船、ボロ潜水艦、ズタボロ戦闘機しか製造できない中国

習近平は、アメリカに歯ぎしりさせられています。しかし、多くの日本人が知らないようですが、習は日本にはさらに歯ぎしりしています。

ブログ冒頭の記事では、米軍のことを主に掲載していますが、実は日本の自衛隊、それも海上自衛隊の実力は決して侮ることはできません。

日本の海上自衛隊は、他国の海軍と比較して、ひけを取らないどころか、実体は世界第二位です。日本の海上自衛隊に比較すれば、通常兵力では、中国海軍は比較の対象ですらありません。日本と交戦すれば、勝ち目は全くありません。これを信じることができない人は、以下の動画をご覧になって下さい。



このブログでも、中国海軍は日本の自衛隊に遠く及ばす、太刀打ちできないことは何度か掲載してきました。

その典型的な記事のリンクを以下に掲載します。
中国解放軍が初めて日本列島を南北から挟み撃ち・・三大艦隊が同事演習―中国報道―【私の論評】バトルシップのできない中国のボロ艦船隊がデモンストレーションしているだけ! 自衛隊が本気を出せば半日で壊滅するレベル(゚д゚)!
人民解放軍のボロ船艦隊による軍事演習
詳細は、このブログをご覧いただくものとして、とにかく中国の軍事力はかなり劣っています。なぜそのようなことになるかといえば、いくら軍事費を拡張したにしても、軍事および民間技術水準があまりに低いので、いくら頑張っても、日米に比較すると、数十年前の技術水準のボロ船、ボロ戦闘機しかつくれないからです。

そうして、このようなボロ船、ボロ戦闘機を作るにも、中国は大規模な予算を割かなければならないという、苦しい事情があります。どうして、そのようなことになるかといえば、軍事技術の肝心要の部分はどこの国も自主開発で、絶対他国には開示しないからです。

この状況では、いくら船や航空機を建造しても、中国の技術水準が低すぎて、とても太刀打ちできないという状況が続くことでしょう。この状況を中国が打破するには、ものまねではなく、独自の技術水準を高めるしかありません。それには、まだまだ、最低でも20〜30年はかかると思います。

それにしても、私自身は、中国の軍事力は格段に劣っていることは前から知っていましたが、上の動画で青山繁晴氏が述べているように、日本の自衛隊と戦えば、中国海軍が半日で壊滅するだろうと類推はしていたのですが、青山繁晴氏も上の動画で同じことを言っていたので、やはりそうなのだと得心しました。

これだと、米国海軍と中国海軍が戦うことになれば、半日どころか数時間で壊滅ということになるのだと思います。

これだけ軍事力に差があるということは、無論人民解放軍の上層部は知っています。だからこそ、このブログでも過去に掲載したように、中国は尖閣でも、武装船などはなく、武装していない、漁船や公船で、領海侵犯などしていました。

今回は、南シナ海では、米国に対抗すれば勝ち目がないことはわかりきっているので、苦肉の策で東シナ海への艦艇派遣となったのですが、それでも日本の自衛隊を恐れて、武装をしていない情報収集船の派遣をしたということです。

武装した艦船を派遣すれば、万一局地戦になった場合、中国海軍には、全く勝ち目がなく、半日以内に惨敗します。そうなると、尖閣付近から完全撤退せざるを得ない状況になることは、あまりにもはっきりしています。

さらに、海上自衛隊追撃戦など仕掛けられたら、勝ち目のない中国海軍は、命からがら港に戻ろうにも、それ以前に雪崩を打つように全部海の藻屑と消えるからです。これは、自殺行為以外のなにものでもありません。そのような冒険は、さすがに習近平もできないからです。

もし、そうなってしまえば、習近平体制は100%崩壊します。そうして、それだけでは済まない可能性も高いです。それこそ、共産党一党独裁体制が崩れるかもしれません。そうなれば、ドミノ倒しのように、中国は崩壊し、自治区は離れ独立し、元々の中国もいくつかの国に分裂することになります。

習近平は、南シナ海でも、東シナ海でも危ない綱渡りをしているのです。

日米の最初の対応のまずさ

それにしても、物事を知らないということは恐ろしいことです。民主党政権下のときに、漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりしたときの、民主党の狼狽ぶりは記憶に新しいことですが、彼らは上記で示したような中国の軍事力に関する認識などなかったのではないかと思います。

あのとき、きちんと対処せずに、漁船を捕獲して船長を拘束しても、すぐに解放してしまいました。彼らの頭では、中国海軍強大、日本海上自衛隊弱小という認識だったのだと思います。下手をすれば、戦争になる、戦争になれば日本は惨敗するくらいの認識しかなかったのだと思います。

正しい、認識をしていれば、あのような腰砕けの対応はしなかったでしょう。

その後の対応もあまりに不味すぎでしたす。それで中国がつけあがり、さらに傍若無人になってしまったのです。そうして、中国をつけあがらせたのは、日本の対応の悪さだけではなく、アメリカの対応の悪さもありました。

尖閣で傍若無人な態度を中国がとった直後に、米国が今回のようにイージス艦を派遣するなどの措置をとっていれば、尖閣問題は長引くことはありませんでした。

その後の南シナ海での米国の対応の遅れも、尾をひいています。南シナ海の環礁を埋め立てて、それに対して周辺諸国が批判しても、埋め立てが小規模なうちは、結局アメリカのオバマ政権は抗議はしましたが、何も行動を起こしませんでした。

これは、中国側からすれば、自分たちが南シナ海や東シナ海で中国が示威行動を繰り返しても、アメリカが結局何も対応しないのだから、米国は暗に「米中二国間関係」を認めているのではという、希望的観測を抱くのが当然のことです。

オバマが、二国間関係をはっきり拒否したのは、今年の習近平米国訪問のときです。さらに、イージス艦「ラッセン」の南シナ海派遣を決めたのは、ごく最近のことです。南シナ海でB52戦略爆撃機が飛行したのも、つい最近です。

このくらいのことは、最初の頃にやっておけば、中国は南シナ海の環礁の埋め立てなど最初からしなかったことでしょう。

しかし、おくればせながら、米国は南シナ海の中国の動きを封じる行動に出ました。

日本もそれなりの行動を起こすべき

私は、米国が実力行使にでた今、そろそろ日本もそれなりに中国に対して行動を起こすときではないかと思います。

このブログでは、東郷平八郎が、中国の便衣兵を満載したイギリスの商戦を撃沈したことを掲載したことがあります。

この撃沈は、何も偶発的に起こったものではなく、東郷平八郎の沈着冷静な判断によって、行われたものです。東郷は、国際ブロトコル(国際儀礼)に従い、最初は警告を出すとか、さらに日本海軍の将官をイギリス商戦に赴かせ、最後通牒をつきつけるなどのことを十分に行った後で、撃沈しています。

このようなことをしていたので、当然のことながら、この撃沈によって日本が国際的に非難されることはありませんでした。当初は、イギリスの世論も激高しましたが、イギリスの商船が、中国の便衣兵を満載していたことや、東郷が国際ブロトコルを遵守した上での撃沈だったことが、知れ渡るとイギリス世論も収まりました。

東郷平八郎元帥
冷静に考えれば、イギリスの船とはいえども、一民間の商船であり、しかも日本の敵である中国の大勢の便衣兵を載せていて、日本側は十分に警告をした後で、撃沈したわけですから、これは日本側には何の非もないわけです。イギリスの国民からしても、民間企業が運営する商船が金儲けのために、危険な綱渡りをして失敗したというだけのことです。

そうして、この沈着冷静な東郷の判断による撃沈によって、日本に対する世界の見る目は、変わりました。後の日英同盟締結にも、このときの東郷の胆力についても一定の良い評価があり、それがプラスに働いたといわれています。

そろそろ、日本も中国が、尖閣や東シナ海で、日本に対する傍若無人な振る舞いをやめなければ、東郷平八郎が国際プロトコルを遵守して、イギリス商戦を撃沈したように、中国艦艇を場合によっては、撃沈するくらいの心づもりをするべきではないでしょうか。

そもそも、元々日中には領土問題など存在せず、中国が手前勝手で、領土問題をでっち上げているだけです。これには、全く疑問の余地はありません。何の正当性もありません。

無論のこと、日本としては、いきなり撃沈するというのではなく、東郷のように国際ブロトコルを遵守し、最初は外交レベルできちんと、中国船がこれ以上領海侵犯するなら、場合によっては撃沈する場合もあり得ることを伝え、現場でも東郷平八郎のように国際プロトコルを遵守し、粛々と事をすすめ、最終的には撃沈するなどのことをすべきと思います。

多くの人は、そんなことをすれば、戦争になるなどと考えるかもしれませんが、そんなことは絶対にありません。まずは、国際プロトコルを遵守すれば、世界中の国々が日本を非難するということはありません。それに、他国でも自国の領空・領海を侵犯され、それが一度二度ではなく、何度にも及んだ場合、どの国でもこのような措置をとります。これが、自国防衛というものです。

そのようなことをすれば、手前勝手な中国だけが、吠えまくるかもしれません。中国は南シナ海でも、東シナ海でも、国際ブロトコルなど無視して、傍若無人な振る舞いを繰り返してきています。いずれの国も賛同することはないでしょう。賛同するとしたら韓国くらいものかもしれません。

それに、先に述べたように、中国の通常兵力は日本と比較すれば、問題外の水準ですから、敢えて日本と本格的に戦争をエスカレートするようなバカ真似はできないでしょう。もし、そうすれば、半日で中国海軍は壊滅することが最初からわかりきっています。そのような冒険は、さすがに中国もできないでしょう。

さらに、核攻撃も懸念はされますが、日本のイージス艦は過去の米国での演習で複数の核ミサイルを搭載した核弾道弾を全部を撃墜することができました。それも一回ではなく、複数回成功しています。さらに、日本の背後には、核を持つ米国が控えています。日本に核攻撃をすれば、米国の報復があることから、核使用はできないでしょう。

このくらいの胆力をもって、備えを十分にして、中国との外交に臨めば、場合によっては実際に中国の艦船を撃沈しなくても、中国の手前勝手な、野望を打ち砕くことが可能になると思います。そのような構えが、日本には不足していたと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年5月26日日曜日

インド洋に展開し始めた中国海軍の原子力潜水艦インド海軍はどう対応するか?―【私の論評】平和ボケ諸兄!諸姉!中国の核は日本に向けられている事実を忘れるな!!インドの智慧を見習え!!

インド洋に展開し始めた中国海軍の原子力潜水艦インド海軍はどう対応するか?

インドの潜水艦
日本と中国、インドによる外交合戦が活発になっている。5月4日には日本の麻生太郎副首相兼財務相がインドのデリーで、日印の協力関係に関する講演を行った。その中で以下の3点について明確な意思を述べている――1)日印はほとんど「同盟」関係になっている、2)海洋安全保障面で関係を強化する、3)武器輸出三原則を緩和し、かつ、集団的自衛権を行使できるようにして、関係を強化する、ことである。以前より深く踏み込んだ発言で日印関係の将来像を示したものと言える。

5月9日には、インドのサルマン・クルシード外相が訪中した。20日には中国の李克強首相が訪印した。そして27日、インドのマンモハン・シン首相が訪日し、日印の安全保障協力を進めようとしている。天皇陛下の訪印も控えている。

インドに圧力をかける中国軍

そんな折、インド国防省のあるレポートがリークされた。これによると、同省は2012年、中国海軍の原子力潜水艦が、インド洋で活発に活動し始めたことを警告している。その証拠として、中国海軍の原潜がインド洋周辺で、潜航中に22回の通信を行ったことを指摘した。中国海軍が領海外で行った通信は、2007年は6回、2008年には12回程度しかない。このうち何回かはインド洋周辺と考えられるが、その程度であった。インド洋周辺だけで、しかも2012年だけで22回というのは明らかな増加だ。中国海軍がインド洋においても情報収集目的のパトロールを開始したことを示している。

インド洋には日本のシーレーンがある。日本は2001年以来、インド洋に護衛艦を派遣し続けてきた。現在でも海賊対策として続けており、11年以上になる。事実上、シーレーンをパトロールして努力してきたのだ。そのインド洋において中国軍の潜水艦が自由に活動するようでは困る。日本としては、インド海軍にもっと努力してもらいたいところだ。

………………<中略>…………………

インドは対抗する

インドは中国の挑戦に決然と立ち向かうだろうか。実力で明らかに上回る中国は、インドにとって恐るべき存在と言える。真っ向からぶつかるのは、インドにとって損である。

しかしインドは3つの理由で中国の挑戦に対抗する可能性が高い。1つは、インドがインド洋を自分の海と考えていることだ。インドに行くと「インド洋はインドの海ではない(The Indian Ocean is not Indian Ocean)」という英語のジョークを聞くことがある。何が面白いのか。日本海が日本の海でないのは当たり前だ。しかしインド人は、インド洋をインド人の海のように感じている。そして「インドの海」を公共の利益のために提供している、と思っている。その「モラルが高くて大国らしいインド」の姿に誇りを感じるから、笑うのである。

つまり、このジョークの存在そのものが、インド人がインド洋を自らの縄張りとしていることを示している。だから、そこに武器をもって侵入する国との対決には躊躇することがない。冷戦時代はインド洋に展開したアメリカ海軍にも対抗しようとした。中国が縄張りに入れば、インドは対決するだろう。

第2に、インドは駆け引きに強い。中国が得意とする強圧的な外交に対して、上手に程よく対抗する外交センスがある。去る4月中旬に中国軍がインドに侵入してテントを設置し始めた時も、上手な対応をした。

これは、中国軍の30~50人の部隊が、国境(実効支配線)を19キロも越えて3週間近く居座ったものである。このような明確な侵入は1986年以来であった。しかし、インドは過度なエスカレーションを起こすこともなければ、大きな譲歩をすることもなかった。5月5日夜、中国軍は撤退した。

そして第3にインドの方が中国よりも優れた点がある。それは、味方になる国が多いことだ。中国の強圧的な行動を支持する国はほとんどなくなっている。中国がインドに強圧的に接すればするほど、日本やアメリカ、東南アジア諸国やオーストラリアはインドを支援するようになる。その結果、中国は南にも東にも気を配らなければならない。包囲される危険が増していくのだ。

第一次世界大戦の時も、第二次世界大戦の時も、冷戦の時も、勝った側の国の数は、負けた側の国の数よりも多かった。インドの味方が多いということは、つまり、インドが中国に勝つ可能性があることを示唆しているのである。

先に紹介したインド国防省のレポートは、今後3年の間に、中国とインドとの間でインド洋を巡る競争が激化すると指摘している。激化するかもしれない。しかし激化することを恐れず、インドは中国に対抗し続けるものと考えられる。インドで最大の発行部数を誇る新聞タイムズ・オブ・インディア誌は5月5日、次の記事を掲載した。「マンモハン・シン首相は日本滞在期間を延長、中国に強いメッセージを送る」(注2)。4月中旬以来の中国軍侵入事件の最中である。まさに危機の最中、インドは日本とともに中国に立ち向かう姿勢をみせたのである。

【私の論評】平和ボケ諸兄!諸姉!中国の核は日本に向けられている事実を忘れるな!!インドの智慧を見習え!!

詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、この記事では、まさに危機の最中、インドは日本とともに中国に立ち向かう姿勢をみせたことを高く評価しています。私も、高く評価します。インドは、東京裁判のときのパール判事にもみられるように、アジアを列強の侵略から守るため、日本は防衛戦争をしたのであり、日本に戦犯などいないという判断をした、親日国です。

チャンドラ・ボース氏の障害を描いたインド映画のポスター

インド建国の父たちの一人、チャンドラ・ボース氏が、戦争中に日本に来て、東京で、ビハーリー・ボースやA・M・ナーイルらと合流した後、ビハーリー・ボースの後継者としてインド独立連盟総裁とインド国民軍最高司令官に就任し、その後日本の支援により同年10月21日にシンガポールで自由インド仮政府首班に就任。同年に行われた大東亜会議にオブザーバーとして参加しました。

その後チャンドラ・ボース率いるインド国民軍は、インドの軍事的方法による開放を目指してビルマのラングーンに本拠地を移動させ、さらに1944年に日本軍とともにインパール作戦に参加したことを皮切りに、連合軍と主にビルマで戦いました。

1943-44年,日本軍とともにインド独立のために戦った自由インド軍の将兵

なお、ドイツのインド旅団、すなわち自由インド軍団は、チャンドラ・ボースの日本への脱出後も欧州戦線でドイツ軍側で活動していた。また、当時の日本の首相である東條英機はチャンドラ・ボースを高く評価し、たびたび会談していた。東條自身、チャンドラ・ボースの東亜解放思想を自らが提唱する大東亜共栄圏成立に無くてはならないものだと考えていた。

日本の敗戦により、日本と協力してイギリスと戦いインド独立を勝ち取ることが不可能となった。ボースは東西冷戦を予想し、イギリスに対抗するためソ連と協力しようとし、日本軍関係者の協力を受けて東京経由でソ連へ向かおうとした時、台湾の松山飛行場で搭乗していた九七式重爆撃機が離陸に失敗した事故により死去したとされています。

インド側では、日本が大東亜戦争をしたおかけで、インドの独立は40年ははやまったと評価しています。私もそう思います。私自身、日本は大東亜戦争には勝ったと思っています。なぜなら、大東亜戦争後に、列強は、アジアの独立を認めざるを得なくなったからです。この独立は、大東亜の理想であり、その理想を実現したのですから、日本は勝ったということです。

まさに、日本は、 肉を切らせて骨を断つということわざ通り、自ら敗戦という憂き目に遭いながらも、大東亜の理想を実現したのです。もし、あのとき日本が、列強の圧力に屈して、立ち上がらなければ、アジア諸国も、日本も、列強の植民地か属国になっていたに違いありません。

中国でさえも、毛沢東は、日本が戦争をしてくれたことを感謝していたといわれています。これについては、このブログの過去の記事に掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
「トラは解き放てばオリに戻らない」 中国で革命起きるのは時間の問題か―【私論評】将来の中国の教科書には、「日本は、本当に正義の味方だ」と記載されるべきだ!!
毛沢東肖像画

詳細は、上の記事をごらんいただくものとして、以下にその抜粋をコピベさせていただきます。
そもそも、毛沢東は、日本に感謝していたという歴史的事実があります。これには、いろいろな見方がありますが、抗日戦争史の専門家・張振鵾(こん)氏は、『日本軍は国民党との正面戦場において攻撃を起こしては、国民党軍を打ち負かし、占領地を拡大していったため、毛沢東はこれに対し日本に「助けられた」と高く評価した』と分析しています。そうして、毛沢東の見方は正しく、それに、現実にそうだったと考えられます。

もし、日本が戦争をしなかったとしたら、今日の中華人民共和國はなかったでしょう。どうなっていたかはわかりませんが、外面は独立を保っているように見えても、ヨーロッパ列強の属国に近いような存在になってなっていたと思います。朝鮮半島も、そのような存在か、もしくは、中国に併合されていたと思います。それに、インドもイギリスの統治が続いていたかもしれません。他の東南アジアもその可能性が高いです。
 本来、日本は、中国や韓国などに感謝されてしかるべきなのに、近年では、まるで日本が、これらの国々に一方的に侵略して、陵辱でもしたような言い方をされます。これでは、まさに恩を仇で返すを地で行ってるようなものです。

結局は、戦勝国による日本弱体化政策の尻馬にのり、直接戦争に参加しなかった、中華人民共和国や、北朝鮮や韓国が、日本を貶めて、おこぼれに与ろうとしたということです。

さて、話が少し逸れてしまいましたので、本題に戻します。上の記事の中でも語られているように、インドは、中国の圧力に屈することなく、勝つとみられます。その理由は、上の記事でも解決されていますが、一つ大事なことが抜けています。

それは、インドが核保有国であるということ自体です。そうして、核不拡散条約があるなか、アメリカはインドの核兵器保有を実質的に認めているということです。これ抜きに、インドが中国に勝つとはっきり言い切る事はできないと思います。無論、この記事では、インドがアメリカから認められた、核保有国であることそのものは、前提条件として書かれているのでしょうが、それにしても、インドがアメリカから認められた、核保有国であることは、いくら強調しても強調しすぎるということはないでしょう。

今年1月に弾道ミサイルを海中から発射することに成功したインド

もし、インドが核兵器を持っていなかったとすれば、中国は最終的には、インドを核攻撃すると威嚇することができます。しかし、インドが核武装しているため、中国はその手をつかうことはできません。なぜなら、核攻撃すれば、自らも返り討ちにあうことは必定だからです。だから、原潜など使うことはあっても、核兵器はつかうことはなく、通常兵器で立ち向かうしかないわけで、そうなると、インドが勝つということです。

それにしても、インドの核保有は、アメリカが認めています。こんなことは、従来はとうてい不可能だと言われていましたが、インドは現実にアメリカに核保有を認めさせました。これについても、このブログの過去の記事に掲載したことがありますので、そのURLを以下に掲載します。
【中国人船長釈放】インド、“中国脅威論”を裏付ける―世界最大の民主国家インドはなぜアメリカ公認核保有国になることが出来たのか?インドの智慧を見習おう!!
これも、詳細はこの記事をご覧ただくものとして、以下に要点を抜粋させていただきます。
実はインドははやくから核保有国でしたが、それをアメリカは認めていませんでした。アメリカとてしは、インドに核保有を認めてしまえば、他の国にも認めざるをえなくなるという考えがあるため、世界中の人々は、アメリカは永遠にインドの核保有を認めないだろとうと考えていましした。そんなことは、絶対にあり得ないと信じていました。

ところが、2006年にアメリカとインドの間で、民生用核協力協定が合意されました。民生用とはいえ、核拡散防止条約に署名せず、74年と98年に核実験を実施し、各国の制裁で孤立してきたインドにとっては、大きな支援となりました。この合意で制裁は事実上解除され、各国からの原発開発技術支援や核燃料輸入に道が開けました。しかも、核兵器の保有を禁じるといわけではありません。実質上これによって、アメリカはインドの核兵器保有を認めたということです。

このことに関しては、NHKスペシャルの「インドの衝撃」の中でも扱われていましたが、結局は、インド自身の努力、それに、インド系アメリカ人の強力や、用意周到なロビイスト活動によって実現したものです。このように、従来は考えられなかったようなことが、実現されているのです。
さて、このようなインドの努力に比較すると、日本はまだまだです。しかし、インドが中国の核の標的になっているように、日本も中国の核の標的になっています。それについては、以下の動画をご覧下さい。



この動画、時間のない人のために、以下に内容を説明しておきます。
●中国の核ミサイルは日本に照準されている

突然の核攻撃も「想定外」とは決していえない。

中国の中距離弾道ミサイルが日本に照準を合わせて配備されていることは、今から11年­前の2000年に米国政府関連機関の報告書に明記されていることが報道された。

これら日本向けミサイルはほとんどが通常弾頭装備用だが、一部には核弾頭装備の可能な­ミサイルもあるという。

2009年5月の、読売新聞の報道では、中距離ミサイルを、沖縄の米軍基地や日本の主­要都市に照準を合わせて配備していると報じている。

中国は北朝鮮との国境近くにミサイル基地があり、車両で移動できる射程1800キロの­弾道ミサイルなど24基の弾道ミサイルが配備されている。

また、防衛省などの資料によると、中国は現在、少なく見積もっても核兵器が搭載可能な­射程7000~1万3000キロの大陸間弾道弾26基、同1700~5000キロの中­距離弾道弾55基を配備し、射程7200キロの潜水艦発射型の弾道弾の配備も進んでい­る。

また、核弾頭は120~200個に上るとみられている。

ようするに、中国本土からも、太平洋の原子力潜水艦からも、日本全土が常に核ミサイル­で狙われているということである。

平和ボケと言われるわが国だが、政府や国会議員の中に、この状態を脅威だと真剣に感じ­ている閣僚や議員がどれだけいるだろうか。
海上自衛隊のイージス艦により、弾道ミサイルの迎撃実験の成功が報告されている­が、同時に多数のミサイルが飛来した場合に、全てのミサイルを100%迎撃できるだろ­うか。

福島第一原発事故に際して、多くのメディアや反原発論者が、「想定外では済まされない­、最悪の状況を想定するのが危機管理だ」と声高に責め立てていた。

それならば、北朝鮮をはじめとして、確実に核ミサイルを発射できる中国が、日本に照準­を合わせている現実に対して、突然の専制核攻撃も想定しておかなければならない。

中国の原子力潜水艦は、アメリカ空母の鉄壁の防御をすり抜けて、探知されることなく、­空母の鼻先に浮上した実績を持つ。

首都東京ののど元に、核ミサイルが突きつけられていると想定すべきである。

国籍不明の潜水艦から核ミサイルが発射されたならば、責任の所在さえ明らかにできる保­障はないのだ。

ましてや、相手国が判明したからといって、日本は敵国の本土を報復攻撃できない。

安保条約をたのみに、アメリカが報復してくれるという期待は、あくまでも、核攻撃が現­実のものとなっていない段階での、机上の理論でしかない。

アメリカが日本が受けた核攻撃の報復を行うということは、アメリカの本土が核ミサイル­で攻撃されることを意味する。

核の抑止力は、くしくも、この段階で機能してしまい、アメリカが報復を行うとは考えに­くい。

ようするに、日本は依然として核攻撃に対しては、全くの無防備だと言える。

北朝鮮が核ミサイルを実戦配備する確立が高まっている今、この問題について、真剣に議­論し、破局を回避するための戦略と、決断力と、実行力を培っておくべきである。

戦争を放棄するということは、とても複雑で、困難と、犠牲を覚悟しなければならない。

わが国自身が、真珠湾攻撃という「宣戦布告をしないままでの先制攻撃」をした歴史を持­っている。

何が起きても「想定外」とは言えないのだ。

青山繁晴氏など、心ある論客諸兄からの、追及を求める。

非常にわかりやすい内容なので、時間に余裕のある方は、是非ご覧になって下さい。なお、上の記事で、「中国の原子力潜水艦は、アメリカ空母の鉄壁の防御をすり抜けて、探知されることなく、­空母の鼻先に浮上した実績を持つ」と掲載されていて、中国の潜水艦、原潜の能力が高いように感んじられる、記載がありますが、これはあまり正しいとはいえません。

中国核兵器

日本の大戦哨戒能力の実力は、アメリカをも凌駕していて、中国の潜水艦がどこにいるかすぐに発見出来ます。それとは、対照的に、日本の潜水艦は原潜こそないものの、工作技術がかなり進んでいるため、音がほとんどせず、中国は補足できません。これとは、対照的に、中国の潜水艦も、原潜も、工作技術があまりにお粗末なので、まるで、ドラム缶をガンガン叩きながら、水中を走ってるようなもので、すぐにソナーで発見されてしまいます。

これに関しては、本日ソナーで漁網の被害があったなどという記事もありました。
 沖縄近海で漁網被害 背景に“潜水艦”か
漁網の被害にあわれた方は、お気の毒だとは思いますが、日本の海上自衛隊も米国も、中国潜水艦のソナー音を集めているということです。これを一度集めると、ソナー音は、個々の潜水艦ごとに違うので、どの潜水艦がどのような行動をしているのか、把握できます。少しでも、軍事的に有利なろうとして、努力しているのです。ちなみに、中国の潜水艦、原潜ともにアメリカも、日本もすぐに把握できます。しかし、これとは対照的に、中国は日本の潜水艦のソナー音をほとんど把握できません。これでは、最初から勝負が決まったようなものです。

おそらく、今の中国海軍の実力では、日本の海上自衛隊に勝つことはできません。 本気で戦えば、日本の潜水艦などの位置はほとんど見ることができず、あっという間に海の藻屑ときえてしまうことでしょう。戦う前から、勝敗は決まっているようなものです。目の見える人と、見えない人との格闘のようなものです。


水着姿で反日活動をする人たち。こうなると、意味不明です。先日の韓国反日水着と同レベルです。

しかし、これだってどうなるかわかりません。10年、20年たてば、逆転するかもしれません。そんなこともあり、日米安全保障条約があることから、いますぐにどうということはないです。しかし、将来はどうなるかわかりません。10年、20年たっても、日本人が平和ボケで、これをまともに考えなかったら、その時は、中国にしてやられるかもしれません。

インドがやったように、日本も核武装をして、アメリカにそれを認めさせるという選択肢もあるわけです。確かに現時点では、途方もなく難しいことのように考えられますが、かつてのインドでもそのような考えられていたのに、インドは、これをやり遂げています。日本だって、やりようによってはできないことではないと思います。日本は、インドの智慧を見習うべきです。これを、全く議論せずに、平和憲法を維持し、核武装も最初から忌避して何も考えないとなれば、日本は、とんでもない脅威にさらされるかもしれません。今のうちから、良く考えて、どの道に進むかの論議は重ねるべきです。この日本には、左右、上下にかかわらず、どの位置にいる人も平和ボケになっている人が多いです。

こんなことでは、将来中国にしてやられても「想定外」というしかなくなります。それに、北朝鮮は、最近日本になびいるようですが、これとて、どうなるかなんてわかったものではありません。その時の都合で、また振り回されるようになることも十分考えられます。そうして、北朝鮮は、核ミサイルを切り札にしようとしています。そんなときに、日本が平和ボケでいて良いはずがありません。せたしは、拉致問題も、結局は日本が核武装するか、あるいはその覚悟をして準備を始めるかくらいのことをしなければ、とても、解決できるものではないと思います。想定内の危機は、予め対策を考えておくのが、正しいリスク管理のありかたです。

だからといって、安倍総理にすぐ何とかすべきなどと攻撃するような、偽装転向コミンテルンのような真似をするつもりはありませんが、日本人が今から、平和ボケを直しておいて、将来的に核武装のことを語ることをタブーとしないようにしておく必要はあると思います。そう思のは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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