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2018年1月14日日曜日

南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に北を空爆せよ」―【私の論評】ルットワックの真骨頂は綺麗事を排して、リアリズムに徹すること(゚д゚)!

南北会談で油断するな「アメリカは手遅れになる前に北を空爆せよ」
エドワード・ルトワック (米CSIS戦略国際問題研究所シニア・アドバイザー)
グアムから朝鮮半島にかけて行われた米韓合同軍事演習
<2年ぶりの南北会談はまたも問題先送りで終わるだろう。北朝鮮がアメリカに届く核ミサイルを完成させる前に、核関連施設を破壊すべきだ>
1月9日、韓国と北朝鮮による2年ぶりの南北高官級会談が行われているが、結果は今までと同じことになるだろう。北朝鮮の無法なふるまいに対し、韓国が多額の援助で報いるのはほぼ確実だ。かくして、国連安保理がようやく合意した制裁強化は効力を失う。一方の北朝鮮は、核弾頭を搭載した移動発射式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を複数配備するという目標に向けて着実に歩みを進めていくだろう。

北朝鮮の過去6回の核実験はいずれも、アメリカにとって攻撃に踏み切る絶好のチャンスだった。イスラエルが1981年にイラク、2007年にシリアの核関連施設を爆撃した時のように。いかなる兵器も持たせるべきでない危険な政権が、よりによって核兵器を保有するのを阻止するために、断固として攻撃すべきだった。幸い、北朝鮮の核兵器を破壊する時間的余裕はまだある。米政府は先制攻撃をはなから否定するのではなく、真剣に考慮すべきだ。

当然ながら、北朝鮮を攻撃すべきでない理由はいくつかある。しかしそれらは、一般に考えられているよりはるかに根拠が弱い。北朝鮮への軍事行動を思い止まる誤った理由の一つは、北朝鮮が報復攻撃をしてくるのではないかという懸念だ。

ソウルが火の海になっても

アメリカの情報機関は、北朝鮮がアメリカ本土に到達しうる核弾頭を搭載した弾道ミサイルをすでに開発したと言ったと伝えられる。しかし、これはほぼ間違いなく誇張だ。むしろ、将来の見通しとでもいうべきものであり、迅速な行動によってまだ回避できる。

北朝鮮が、長距離弾道ミサイルの弾頭に搭載しうる小型化可能な核兵器を初めて実験したのは2017年9月3日。そして、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の初の本格実験を行ったのは2017年11月28日。それから今までの短期間で核搭載のICBMを実用化することなど不可能だ。

北朝鮮を攻撃すれば、報復として韓国の首都ソウルとその周辺に向けてロケット弾を撃ち込む可能性はある。南北の軍事境界線からわずか30キロしか離れていないソウルの人口は1000万人にのぼる。米軍当局は、そのソウルが「火の海」になりかねないと言う。だがソウルの無防備さはアメリカが攻撃しない理由にはならない。ソウルが無防備なのは韓国の自業自得である面が大きいからだ。

約40年前、当時のジミー・カーター大統領が韓国から駐留米軍を全面撤退すると決めた際(最終的には1師団が残った)、アドバイザーとして招かれた国防専門家たち(筆者自身を含む)は韓国政府に対し、中央官庁を北朝鮮との国境から十分に離れた地域に移転させ、民間企業に対しても移転のインセンティブを与えるよう要請した。

避難シェルター設置の義務化も促した。例えばスイスのチューリッヒは、新しく建築される建物は独自のシェルターを設置しなくてはならない。さらに今の韓国には、イスラエルが開発したロケット弾迎撃システム「アイアンドーム」を安く購入するという選択肢もある。アイアンドームは、人の住む建造物を狙って北朝鮮がロケット弾攻撃をしてきた場合、9割以上の確率で迎撃できる能力を持つ。

イスラエルが開発したロケット弾迎撃システム「アイアンドーム」
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
しかし、韓国政府は過去40年にわたり、これらの防衛努力を一切行ってこなかった。ソウル地区には「シェルター」が3257ヵ所あることになっているが、それらは地下商店街や地下鉄の駅、駐車場にすぎず、食料や水、医療用具やガスマスクなどの備蓄は一切ない。アイアンドームの導入についても、韓国はそのための資金をむしろ対日爆撃機に注ぎ込むことを優先する始末だ。

北は軍事技術を売却している

今からでも北朝鮮によるロケット砲やミサイル攻撃に備えた防衛計画を韓国が実行すれば、犠牲者を大幅に減らすことができる。支柱や鉄骨を使ってあらゆる建物を補強するのも方法の1つだ。3257基の公共シェルター(避難施設)に生活必需品を備蓄し、案内表示をもっと目立たせることもそうだ。当然、できるだけ多くの住民を前もって避難させるべきだ(北朝鮮の標的に入るおよそ2000万人の市民は、南へ30キロ離れた場所に避難するだけでも攻撃を免れられる)。

とはいえ、長年にわたってこうした対策を怠ってきたのが韓国自身である以上、最終的に韓国に被害が及ぶとしてもアメリカが尻込みする理由にはならない。北朝鮮の核の脅威にさらされているアメリカと世界の同盟国の国益を考えれば当然だ。北朝鮮はすでに独自ルートでイランなど他国に弾道ミサイルを売却している。いずれ核兵器を売却するのも目に見えている。

アメリカが北朝鮮に対する空爆を躊躇する理由として、成功が極めて困難だから、というのも説得力に欠けている。北朝鮮の核関連施設を破壊するには数千機の戦略爆撃機を出動させる必要があり不可能だ、というのだ。しかし、北朝鮮にあるとされる核関連施設はせいぜい数十カ所で、そのほとんどはかなり小規模と見てほぼ間違いない。合理的な軍事作戦を実行するなら、何千回もの空爆はそもそも不要だ。

アメリカの軍事作戦の不合理さが露呈するのは、今回が初めてではない。米空軍は昔から、標的を絞った限定攻撃の代わりに、「敵防空網制圧」(SEAD)の実施を主張してきた。敵防空網制圧とは、米軍パイロットの身の安全を守るため、敵国の防空レーダーや地対空ミサイル、滑走路、戦闘機を余さず破壊するという、いかにも奇抜な作戦だ。北朝鮮の防空レーダーやミサイル、戦闘機はひどく老朽化し、電子機器もずいぶん前から交換されずに古いままであることを考慮すれば、米空軍が示した条件は何もしないための口実にすぎない。確かに限定攻撃だと手押し車の1台や2台は見逃すかもしれないが、今はまだ、北朝鮮には核弾頭を搭載したミサイルの移動式発射台が存在しない。叩くのは今のうちだ。

北朝鮮空軍のミグ21戦闘機

中国も北朝鮮を見放した

アメリカが北朝鮮への空爆を躊躇する唯一の妥当な理由は、中国だろう。だがそれは別に、中国がアメリカに対抗して参戦してくるからではない。中国がなんとしても北朝鮮を温存するという見方は、甚だしい時代錯誤だ。もちろん中国としては、北朝鮮の体制が崩壊し、北朝鮮との国境を流れる鴨緑江まで米軍が進出してくる事態を決して望まない。だが戦争行為の常套手段である石油禁輸を含め、中国の習近平国家主席は国連安保理で採択された対北朝鮮経済制裁の強化を支持する姿勢を見せており、核問題をめぐって北朝鮮を見放し始めている。アメリカが北朝鮮の核関連施設を先制攻撃すれば中国が北朝鮮を助けに行く、という見方は的外れだ。

今のところ、北朝鮮に対する先制攻撃という選択肢を米軍幹部が排除しているのは明らかに見える。だが、北朝鮮が核兵器を搭載可能な長距離弾道ミサイルを実戦配備するまでに残された月日でアメリカが北朝鮮を空爆すれば、果てしない危険から世界を救える。

インド、イスラエル、パキスタンの3カ国が核兵器を保有しているのは事実だが、今のところ破滅的結果を招いていない。3カ国は北朝鮮にないやり方で、自国の信頼性を証明してきた。北朝鮮のように、大使館でヘロインや覚醒剤などのいわゆる「ハードドラッグ」を売ったり、偽造紙幣で取引に手を染めたりしない。3カ国とも深刻な危機に見舞われ、戦争すら経験したが、核兵器に言及すらしなかった。ましてや金正恩のように、核攻撃をちらつかせて敵を脅すなどあり得ない。北朝鮮は異常だ。手遅れになる前に、アメリカの外交政策はその現実を自覚するべきだ。

From Foreign Policy Magazine

【私の論評】ルットワックの真骨頂は綺麗事を排して、リアリズムに徹すること(゚д゚)!

ルトワックの上記の提言に関しては、乱暴であるという意見も多いです。織田邦男元空将の意見はその典型的なものです。以下にその意見を述べている動画を掲載します。


上の動画は、日本の安全保障を考える上で、非常に参考になることが多いです。特に、米国ではなく、日本の安全保障については参考になることが多いです。しかし、ルトワック氏の提言は乱暴であると簡単に言うことができるのでしょうか。私自身は、腑に落ちないところがあります。

織田邦男元空将は、米国が現時点で北を攻撃することは、予防的攻撃になるとして、これは国際法違反であると断じています。そうして、先制攻撃は国際法に照らして合法ですが、予防的攻撃は違法だと断じています。しかし、私はそのようにきっぱりと割り切れるものではないと思います。

私自身は、現在米国が北を攻撃したとしても、予防的先制攻撃ということで国際法違反になるかどうかは別にして、多くの国々から批判を受けるということにはならないのではないかと思います。

結論から言って、国家元首が核で周辺国を脅し、兄を暗殺し、叔父を処刑し、国内での人権侵害は常軌を逸するレベルです。そんな国に核兵器を持たせたままで良いのでしょうか。

北朝鮮がもし完全な核兵器保有国となれば、韓国や日本はもちろん、全世界にとっても非常に危険な状態が生まれます。

そもそも、朝鮮民主主義人民共和国は、異常な国、無法の国です。先程は述べませんでしたが、日本国民の拉致事件もその一例です。政府が工作員を日本国内に潜入させ、罪のない日本人男女を冷酷に拉致して、そのまま長い年月の間むごたらしく拘束するという非人道的な行為を他のどの国家がするでしょうか。

核兵器についても、金正恩委員長は核を使用するという脅しを平然と語ります。国際社会の要請に逆らって核兵器を開発した国は北朝鮮だけではありません。しかし、たとえばインド、パキスタン、さらにはイスラエルなど、あるいは好戦的な対外姿勢をとる中国でさえも、国家首脳が核兵器の威力を外部に向けて宣伝して、威嚇の手段にするようなことはしていません。北朝鮮は異常です。異様な危険国家、犯罪国家です。だからその核武装は軍事手段に訴えてでも阻止すべきです。

それとともに、韓国に関するルトワック氏の見解ですが、これも一概に否定できないと思います。軍事でも経済でも韓国は強い力を持っています。しかしその力を使って、目前に迫った北朝鮮の核武装という重大危機を除去しようという国家的な意思がいまだにまとまっていません。それは韓国内で、自国の基本的なあり方をめぐって意見の分裂があり、国としての結束が決定的に欠けるからです。

韓国の文在寅政権に対しては、トランプ大統領自身も「appeasement」(宥和)という言葉を使い、軟弱すぎると非難したこともありました。「宥和」とは、第2次世界大戦前にイギリスのチェンバレン首相がドイツのヒトラーに対して必要以上の譲歩をしたときによく使われる表現です。その際のイギリスの過剰な譲歩がナチス・ドイツを増長させ、侵略へと駆り立てたとされています。

そうして、「国家としての結束の欠落」といった場合、最近では、「日韓合意」において韓国が日本に対してみせる態度の特徴であるようにもみえます。

韓国は、自分の首都すら守る意志がないにもかかわらず、日本に対する軍事攻撃の準備にだけは妙に熱 心です。

下の写真は去年6月15日に行われた竹島周辺を艦隊で通過する韓国海軍の訓練風景です。


もちろん、「訓練」と言う名の挑発行為です。駆逐艦や海洋警察の巡視船など7隻と、P3C哨戒機やF15K戦闘機など海・空軍機4機を投入した大規模なものでした。

わが国は、北の脅威も考慮に入れた上で冷静に対応したか良いようなものの国際常識では係争地でこんなまねをすれば開戦事由になりかねません。

この6月の前後は「週刊弾道ミサイル」といっていいような、北のミサイル実験が頻発していた頃です。 間違いなく、日米韓でもっとも緊密に協力すべき時期でした。なぜこの時期に、わが国にこのようなことを仕掛けたのか理解に苦しみます。

ルトワック氏は国際制裁が、韓国の裏切りによって破綻するだろうと予言していました。いくら国連決議を積み上げようと、制裁強化を叫ぼうと、韓国がそれをいっさい無効にしてしまうと読んでいます。

ブログ冒頭のルトワックの寄稿は、1月9日の板門店で開かれた南北会談以前に書かれたものでしょうが、まさにルトワックの観測どおりとなりました。

韓国は北の冬季五輪への参加の見返りとして、「南北関係のすべての問題はわが民族が当事者として解決する」という凶悪なまでに間抜けな言質を与えてしまっています。

この条項は、国連制裁決議を韓国は破壊して、北の核ミサイル開発を間接に「支援」するという意思表示にほかなりません。これでは、文在寅は自由主義陣営に後ろ足で砂をかけて、北と一緒に「わが民族」の側に与すると宣言したに等しいです。

以上のようなことを考慮すれば、ルトワックがソウルが無防備なのは韓国の自業自得である面が大きいと言うのも無理はないと思います。韓国のこの状況はこれからも変わらないでしょう。

ただし、私は北に「ソウルを火の海」とするような攻撃能力はないと思っています。詳述は別の機会に譲りますが、北の通常兵器による攻撃能力はとうに錆び付いて陳腐化しており、ほとんど使い物にならないと考えられています。

先日、マティスがソウルへの反撃については対処方法があると発言しましたが、米軍はMOABなどを使って38度線に張りついた北の砲撃部隊は、短時間で制圧できると考えているようです。

MOABはアメリカ空軍が開発した現在、通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾
ルトワックはこのまま北の時間稼ぎを許せば、もう軍事的手段をとりようがない時期になると見ています。

それは過去の北の暴走に対して、米国がなすすべもなく「戦略的忍耐」という美名の不作為を重ねてきた結果として、現在のこじれきった状況があるからです。

ルトワックの真骨頂は綺麗事を徹底的に排して、リアリズムに徹するという思考型式です。 

ルトワックは著書『戦争にチャンスを与えよ』のなかで、欧米型民主主義の頭デッカチが、かえって中東に災厄をもたらしたと断じています。 

たとえばイラクです。独裁者フセインを排して民主主義を導入しようとした結果、スンニ派とシーア派の果てしなき宗教紛争の地獄の釜の蓋を開けてしまいました。 

イラクだけにとどまらず、米国はリビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、パレスチナ、そしてシリアなどで、こんなことなら昔の独裁者が統治していたほうがましだった、と住民たち言われるような状況を生み出してしまいました。 

そしてとどのつまりISというモンスターを生み出し、テロリストを退治するためにロシアの中東介入を許すはめになっていきました。 

ルトワックは、イラクには介入するな、するなら今の世代が消えて新世代に替わる半世紀は駐屯する覚悟で介入しろと主張していました。 

また、善意のNGOがテロリストにいいように利用され、紛争をいっそう血生臭くしたことも厳しく批判しています。 

私は、朝鮮半島でも米国が中途半端なことをすれば、後々現在の中東と同じようなことになり、禍根を残すことになると思います。

それを考えれば、いまのままであれば、たとえ韓国や日本に被害が出たとしても、米国はルトワックが主張するように、北の核施設を爆撃するべきだと思います。

もし、今年中にも爆撃をせずに、北を放置しておけば、北の思う壺にはまり、米国は北の核を容認するようなことにでもなれば、米国はまた第二のISを生み出してしまうことになるかもしれません。オバマ流の綺麗事では、世界の混迷は深まるばかりだと思います。

今すぐ攻撃すべきかどうかは別にして、米国による北爆撃は選択肢としてはいつでも実行できるように準備しておくべき筋のものと思います。

【関連記事】


2018年1月8日月曜日

韓国と北朝鮮の「南北会談」になんの期待も抱けない、歴史的な理由―【私の論評】周辺諸国は北崩壊後は「助けず、教えず、関わらず」の「非朝鮮半島三原則」を貫け(゚д゚)!

韓国と北朝鮮の「南北会談」になんの期待も抱けない、歴史的な理由

3月を越えればどうせまた…

髙橋 洋一氏  プロフィール

危機的状況になんら変わりなし

新年早々、北朝鮮情勢が動いている。1月1日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は、新年の辞で、韓国との対話チャネルが開かれているとし、2月の平昌オリンピックについて北朝鮮の選手団を派遣することを示唆した。

これに、韓国の文在寅大統領がすぐに飛びついた。これまで韓国の対話要求に対して北朝鮮は無視してきたが、金正恩氏の歩み寄りとも取れる発言を歓迎。早速、9日の南北高官級会談を北朝鮮に提案した。

一方、アメリカのニッキー・ヘイリー米国連大使は、北朝鮮が完全に非核化するまでは、いかなる話も真剣に受け止めないとして、今後北朝鮮と韓国との会談があってもアメリカ政府が重要視することはないと反応した。アメリカ国務省のナウアート報道官も、「北朝鮮の狙いは米韓分断にあるかもしれない」と警戒した。

金正恩氏は新年の辞で、「核のボタンが私の事務室の机の上にいつも置かれている」と述べており、対話路線とも取れる発言の一方で、アメリカには強硬姿勢を崩してはいない。

ただし、アメリカは、平昌オリンピック開催中の2月9日から25日までの間とその直後、そしてパラリンピックの期間中3月9日から18日までの間、米韓合同軍事演習を実施しないとし、韓国と北朝鮮の交渉を見守る姿勢を見せた。

それを受けて、5日、北朝鮮は韓国が提案していた南北高官級会談について応じるとの連絡を送ってきた。

以上が、今年に入ってからの米韓朝の動きである。

その背景には、国連の北朝鮮に対する経済制裁が累次に及び行われた結果、制裁決議内容はほぼ限界にまでなっていることが大きく影響しているだろう。この冬にエネルギー関係の対外取引を制限されるのは、北朝鮮にとっても痛いところだ。

昨年だけでも、

国連安保理決議第2356号(2017年6月2日 http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/RES/2356%282017%29)、

国連安保理決議第2371号(2017年8月5日 http://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/RES/2371%282017%29)、

国連安保理決議第2375号(2017年9月11日 https://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/RES/2375%282017%29)、

国連安保理決議第2397号(2017年12月22日 https://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/RES/2397%282017%29

とかなり実効的な措置が採られており、国連内からもこのままでは北朝鮮経済は壊滅的になるという見方もでている。たとえて言うと、クビを絞めているが、ほんの少し力をぬいている状態とはいえ、長時間になれば窒息死する程度である。


制裁決議に反する闇の取引は依然行われているが、アメリカは、制裁決議に反する取引を規制するために、半軍事行動ともいえる「臨検」実施の可能性もちらつかせている。現在では国連憲章第7章41条(主として経済制裁)の実効性を高めるために、臨検が認められているとはいえ、戦時下では「軍事活動」ともされる行為である。
しかも、昨年12月末のクリスマス休暇で、在韓米軍の家族は一時アメリカに帰国している人も少なくない。そのまま、アメリカに滞在して韓国に戻らなければ、アメリは比較的容易に軍事オプションを行使できうる状態になっている。
そうした状況に対して、金正恩氏がついに反応せざるをえなかったのだろう。金正恩氏の言葉は威勢がいいが、ミサイル実験では、間違ってもアメリカを刺激しないような範囲に撃ってきている。この点から、かなりアメリカを配慮しているのは、北朝鮮問題の専門家では周知の事実である。
最悪のシナリオ
北朝鮮は、核ミサイル開発を進め、アメリカにそれを認めるように直接交渉を望んでいた。しかし、アメリカの強硬姿勢を崩さなかったためそれが挫折した。今さら中国にアメリカとの仲介を頼めないし、ましてアメリカと歩調を合わせる日本にもできない。そこで、もっとも与しやすい韓国を選んだのだろう。
韓国は、是非とも2月の平昌オリンピックを成功させたいという弱みがあるため足下を見られている。北朝鮮の誘いに対して、韓国が直ちに歓迎姿勢を示したのは、北朝鮮にまんまとはめられた公算が高い。金正恩氏の話の中には、繰り返し北朝鮮の核の力について言及している箇所もある。
北朝鮮は、決して非核化せずに、韓国にささやきながら、時間稼ぎをして、いまだ未完成とされる核ミサイルの再投入技術を最終的に完成させ、核ミサイルの実戦配置を成就させようという魂胆だ、とみたほうがいい。ここで非核化を飲むようなら、金正恩氏の失脚にもなりかねないからだ。
なお、再投入技術も、あと半年から1年以内で完成する予定という点は専門家間では意見の相違はほとんどない。ということは、この平昌オリンピックとパラリンピックの2月から3月までの時間を有効利用しないことはありえないはずだ。
これまで、6ヵ国協議でも北朝鮮の核ミサイル開発は止められなかった。それを韓国が実効的に止めれば、世界の平和のためには素晴らしい出来事だ。真のノーベル平和賞にも値するだろう。ただし、これまで国際社会を欺いてきた北朝鮮である。楽観論は禁物で、ここ2カ月は韓国のお手並み拝見である。
一方で筆者はこの時期に、韓国外務省が日韓合意について、日本政府との交渉過程についての検証結果を発表し、さらに文在寅大統領が、慰安婦問題をめぐる日韓合意に強く反対する元慰安婦の女性らと面会し「合意は政府が一方的に進めたもので、誤りだった」と謝罪したことがとても気になっている。
北朝鮮の誘いに韓国が乗ったことについて、米韓の分断を危惧するのは上に述べたとおりである。そのうえこの時期に、日韓合意を反故にするといわんばかりの韓国の行動は、日韓の分断を懸念させるものだ。
この事態について、日本の外務省は日韓関係がマネージ不能になると警告している。西側諸国としては、常識的にはちょっと首をかしげたくなることだが、韓国外交はどのような行動原理に基づいて動いているのか。
文在寅大統領は、昨年12月に中国国賓訪問したが、実はこれとあわせて考えると、韓国の外交スタイルが見えてくる。
歴史を紐解けば分かる
カギは半島国家としての韓国の歴史にある。
地続きの大陸側と海を隔てた海洋側に挟まれながら、国家運営をする宿命をもつ韓国。朝鮮半島の歴史をみても、朝鮮王朝では「事大交隣」、つまり大陸側には「事大」、海洋側とは「交隣」という関係だ。
事大とは「大国に事(つか)える」ことであり、陸続きの中国へ服従する朝貢関係だ。交隣は「隣国と交わる」ことであり、海を隔てた日本とは距離を置いた対等交際だ。
しかし、朝鮮戦争でこの構図に変化が起こった。アメリカが介入し、朝鮮半島は南北に二分され、南半分の韓国は大陸側の中国から離脱して、海を隔てた日本を含めた西側についた。韓国は、アメリカと同盟関係を結んだ。
一方、韓国と対峙する北朝鮮は中国の同盟国となった。韓国は「事大交隣」を大きく変更せざるを得なくなり、アメリカの同盟国である日本も並べての、日米韓という新しい関係になった。
そもそも、朝鮮半島の歴史において、現在の韓国のように朝鮮半島の一部が大陸側の影響を直接的に受けないのは、高句麗、百済、新羅の三国時代以来ともいえる。
この中で、韓国のTHAAD問題がある。いまは「事大交隣」ではなく、韓国が西側の一員になったという新たな関係である以上、北朝鮮の脅威に応えるためには、THAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)の韓国配備は自然であるが、これが超大国への道を歩もうという中国を刺激した。
この中国の怒りを前にして、韓国は最近忘れかけていた「事大交隣」のDNAがふたたび働き出したと考えるのがいい。正確にいえば、近年の中国の躍進に、韓国が恐れおののいて「事大交隣」の記憶がよみがえり、2015年9月、抗日戦争勝利70周年軍事パレードに朴槿恵大統領が西側諸国の国家元首でただ一人参加した。
これを受けて、中国に接近しすぎる勧告をけん制するために、アメリカがTHAADミサイルを配置させたといったほうがいいだろう。
3月超えればまた一触即発に
冒頭の文大統領の訪中は、いくら中国に冷たくされたとはいえ、まさに「事大」である。また、今回の北朝鮮の誘惑に乗るのも「事大」である。
しかし、日米に対しては「交隣」を保っている。今回の北朝鮮の誘いに乗って米韓関係がうまくいかなくても、慰安婦問題で日韓関係をこじらせても、もともと「交隣」の関係であるからかまわないという姿勢だ、としか思えない。昨年9月にニューヨークで開かれた日米韓首脳会談で、北朝鮮への圧力で合意しながら、韓国は北朝鮮への人道支援を打ち出したのも、日米には「交隣」という姿勢であることのあらわれだ。
さらに、トランプ大統領の訪韓時に元慰安婦を晩餐会に招いたことも、日本へは慰安婦問題の日韓合意を反故にしようとすることも、あるいはその一方で平昌五輪が窮地になると安倍首相に訪韓要請をするなどの傍若無人ぶりも、「交隣」という概念で理解できる。
しかしながらこれだけは言っておきたい。北朝鮮問題で、韓国が歴史的伝統とも言える「事大交隣」の姿勢を採ると、世界平和が脅かされる事態になってしまう、ということだ。
北朝鮮の核ミサイルは、いまや世界の脅威となっている。米国国民ですら、北朝鮮の核ミサイルを現実的な脅威と考える人が8割にもなっている。これは、実際にアメリカ本土まで核ミサイル攻撃があり得るという意味だけではない。
アメリカは、中東政策も転換しているが、もし北朝鮮が核ミサイル技術を手中にしたら、中東のイランへの核拡散が現実化して、中東の軍事バランスを一気に崩れかねない。となると、中東での核ミサイル保有がドミノ的に進展することは不可避である。
この核拡散は、アメリカのみならず世界によって最大級の脅威にならざるを得ない。そうした世界的な安全保障を考えると、アメリカはなんとしても朝鮮半島の非核化は譲れないところなのだ。これは、同じ核保有国である中国やロシアにとっても同じである。こうした大局観が韓国には欠けているようにみえる。
韓国は慰安婦問題でも、日韓の外交成果を反故にしようとしている。国家間の約束を無視することで、韓国外交の信用失墜になるだろう。
その「不誠実国家」の韓国と「ならず者国家」の北朝鮮が話し合っても、平昌オリンピック・パラリンピックを見かけだけでも成功させたい韓国と、核ミサイル完成のために時間稼ぎがしたい北朝鮮の思惑が当面の3月まで合致するだけで、朝鮮半島の非核化にはほど遠い内容になりそうだ。
これでは、国際社会から受けいれられるものになりそうもない。というわけで、2、3月は何とかなっても、その後は依然として朝鮮半島が一発即発の危機状況であることは、変わらなさそうだ。

【私の論評】周辺諸国は北崩壊後は「助けず、教えず、関わらず」の「非朝鮮半島三原則」を貫け(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事で、高橋洋一氏は、北朝鮮問題で、韓国が歴史的伝統とも言える「事大交隣」の姿勢を採ると、世界平和が脅かされる事態になってしまう、としています。

この歴史的伝統については、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
【書評】寄らば大樹の陰。朝鮮内部抗争に振り回された日本の歴史―【私の論評】過去の歴史に学び朝鮮半島とのつきあいは、拉致問題などの例外は除きほどほどにすべき(゚д゚)!
写真はブログ管理人挿入 以下同じ
この記事では、石平氏の『韓民族こそ歴史の加害者である』を紹介させていただきました。タイトルこそセンセーショナルですが、冷静な筆致で史実を丹念に辿り、その上で、このタイトル通りの結論を引き出しています。

「目から鱗(うろこ)」という使い古された表現がありますが、この本はまさに、今まで我々の目を覆っていた「韓民族は日本帝国主義の被害者だった」という鱗を取り除き、韓民族の真の姿をはっきりと見せつけてくれます。この本を読まずして、北朝鮮や韓国に関する歴史も外交も議論できないでしょう。
前置きが長くなりましたが、本書は、韓民族が内部抗争に勝つために周辺諸国を戦争に引きずり込んだ、というパターンが、7世紀初頭の高句麗・百済・新羅の三国統一戦争から、20世紀の朝鮮戦争まで繰り返されたという史実を克明に描いています。

その中で、日本が巻き込まれたのが、西暦661年の白村江の戦い[a]、1274(文永11)年、1281(弘安4)年の元寇[b]、そして近代の日清戦争、日露戦争ある。特に元寇では、高麗国王が自らの生き残りのために、日本征伐をフビライに提案する経緯が生々しく描かれていて、「そうだったのか」と思わせます。

この記事では、近代における日清、日露、朝鮮戦争の部分のさわりのみを紹介させていただきます。この書籍まだご覧になっていない方は、上のリンクをご覧になれば、一部紹介しています。一部しか紹介していないので、是非ご覧になってください。まさに「目から鱗」です。

内部抗争から始まった朝鮮戦争
 日本の降伏後、米ソは38度線を境にして、それぞれ南北を占領した。米ソ英は5年間の信託統治期間の後、朝鮮の独立と統一政権の樹立を図るという「モスクワ協定」を結んだが、肝心の韓民族自身が、例の如く内部闘争に明け暮れて、統一政権どころではなかった。 
 結局、ソ連を背景とした金日成と、アメリカから戻った李承晩が、それぞれ北朝鮮と韓国の政権を樹立した。それだけでなく、彼等は、それぞれ相手国を打倒して、自らが朝鮮の統一政権になることを目指していた。 
 最初に仕掛けたのは金日成だった。当時は日本の産業施設が多く残っていた北朝鮮の方が、農業中心の韓国よりも、圧倒的に国力は上だった。金日成はソ連のスターリンに南進の許可を求めた。邪悪な政略の天才スターリンは、もしアメリカとの戦争になったら、中国を矢面に立たせようと、毛沢東の支援を得るよう指示した。 
 中華人民共和国を建国したばかりの毛沢東は慎重で、38度線を越えてアメリカが攻め込んできたら、自国の国境が脅かされるので参戦をする、と消極的な支持を表明した。これをもとに、北朝鮮は1950年6月25日、38度線を越えて、韓国内に侵攻した。
3ヶ月で済んでいたはずの朝鮮戦争が..........
 北朝鮮は2ヶ月後の8月末には南朝鮮の90%以上の領土を占拠したが、ここで米軍を中心とした国連軍が救援に入り、わずか1ヶ月でソウルを奪還した。米軍もも国連軍も、38度線まで奪還すれば、そこで戦闘を止める計画だった。その通りに事が運んでいたら、朝鮮戦争は3ヶ月で停戦を迎えていたはずだった。
 しかし、ここで李承晩は一気に北朝鮮を打倒して統一政府を作ろうと、韓国軍に38度線を突破させた。これに引きずられる形で、国連軍も38度線を越えて進撃し、ついには中国国境沿いにまで近づいた。ここで毛沢東はやむなく中国共産党軍を投入したのである。
 こうして米中の激突となった朝鮮戦争はさらに2年9ヶ月以上も続き、結局、38度線の振り出しに戻って、停戦を迎えた。金日成なくば、そもそも朝鮮戦争は起こらずに済んだかも知れないし、李承晩がいなければ、3ヶ月で終わって、その後の6百万の犠牲者の大部分は失われずに済んだろう。
 結局、韓民族の内部抗争と外部勢力の引きずり込みという伝統的な宿痾で、米中ともに何の益もない戦争に巻き込まれたのである。
活用し損ねた歴史の叡知
 こうして朝鮮半島の歴史を通観して見ると、日清、日露、朝鮮戦争という3つの戦争とも、同じ構造をしていることが明らかになる。韓民族が内部抗争に勝つために、それぞれ周辺諸国を戦争に引きずり込むというパターンである。
 通常の民族のように、韓民族が一つにまとまって独立統一国家を作っていれば、中国、ロシア、日本の緩衝地帯となり、東アジアの平和が保たれていた可能性もある。そう考えると、韓民族は「東アジアのトラブルメーカー」だ、という石平氏の指摘は説得力を持つ。
 韓民族が内部抗争という宿痾を自ら克服できないなら、今のように南北でせめぎ合い、結果として日米中ソの緩衝地帯になっている方が良い、というのは、冷酷な地政学的戦略から言えば、合理性がある。米中とも、現在はその戦略をとっているのだろう。だから、北朝鮮で膨大な餓死者が出ようと、各国は手は出さないのである。これが冷厳な国際社会の実態である。
「半島とは一定の距離をおいて、韓民族内部の紛争にできるだけ関与しないようにするのが、もっとも賢明な道」とは石平氏の結論ですが、この本で半島の歴史を丹念に辿ってみれば、頷くしかない結論です。

この結論は、日清戦争前に金玉均が残忍な方法で処刑された後、彼を支援していた福沢諭吉が『脱亜論』で「我れは心に於て亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり」と語ったのと同じです。この叡知を当時から活用していれば、我が国の近代史もまた別の形になったでしょう。我々は歴史の叡知を活用し損ねたようです。
石平氏の書籍からもわかるように、韓国が大陸との緩衝地帯になるという見方がありますが、歴史を見れば緩衝地帯と言うよりも、内部の勢力争いから外国勢力を引き入れて戦争を引き起こしてきた事の方が多いのです。最近では朝鮮戦争が良い例ですが、朝鮮戦争において米国は韓国を助ける必要があったのでしょうか。
朝鮮半島が統一国家であったとしても、ロシアや中国に対して完全な独立国であることが出来るでしょうか。現在も北朝鮮は中国に依存し、韓国はアメリカに依存して生きています。歴史的に見ても朝鮮王朝が中国王朝に対して単独で戦って勝ったという歴史はありません。だから緩衝地帯になる事はあまり期待出来ないです。

韓国の軍部ですら、在韓米軍が撤退したら韓国軍は北朝鮮に勝てないと言っているくらいです。歴史的に見ても朝鮮半島が一番安定していた時は中国の属国になっていた時であり、あるいは南北に分かれて国家が存立していた時です。
三世紀の朝鮮半島
だから朝鮮半島は日本の手が離れてからは、中国の属国となるか、南北に分かれて大陸と海洋勢力で均衡がとられるかのどちらかです。北朝鮮が崩壊して韓国によって統一される事はあるのでしょうか。あるとすれば韓国が中国と手を組んで北朝鮮を滅ぼす事かもしれません。

歴史を見れば新羅が唐と手を組んで高句麗を滅ぼしました。しかし唐は内乱状態となり朝鮮統治に手が回らなくなり新羅が朝鮮を統一しました。文在寅大統領は、中国の手を借りて北朝鮮を併合して、新羅のように朝鮮半島を統一できると夢見ているのかもしれません。しかし、これは古代の事であり11世紀以降は高麗と李氏朝鮮の時代となり、大陸国家の一部となりました。

朝鮮半島は内部抗争が激しく、歴代の中国王朝も手を焼いたから属国として統治しました。ところが、日本は朝鮮半島を併合して直接統治しようとしました。それが間違いの元であり、朝鮮民族は統治が難しく冊封していた歴代中国王朝も手を焼いてきました。

朝鮮半島が分断国家となったのは、ロシアや中国やアメリカとの勢力争いで戦争となったからですが、冷戦体制は共産主義勢力の圧倒的な攻勢が続きました。韓国が共産主義に落ちれば他のアジア諸国にも影響が及ぶと恐れられるほどになり、日本にも共産主義の脅威は吹き荒れました。

韓国はかろうじて独立は保ち、韓国の高度経済成長は自由主義のショーウィンドウとして機能しました。しかし政治的には安定せず経済成長も財閥経営であり一部のものにしか恩恵が回りませくん。一昨年大韓航空機が羽田で事故を起こしても会社側は事故を認めず、羽田が一日中混乱したにもかかわらず大韓航空の謝罪はありません。

韓国は日本に仕掛けて来た「歴史戦」でも、謝罪や賠償を求め続ける姿は朝鮮民族の統治の難しさを実感させるものです。日本国を非難し続けるのも、過去の歴史のトラウマが残っているからであり、日帝時代に大規模な独立運動が起きなかったのもトラウマであり、3.1の独立運動も過大に評価したものに過ぎません。韓国の歴史では中国に亡命政権が出来て韓国は戦勝国と教えられているようです。

米国が北朝鮮を最近まで放置状態にしていたのも、米国は関わりたくないだけであり、中国に丸投げしてきたということです。北朝鮮も韓国も対外的に騒ぎまくるのも、放置される事を嫌うからであり、日本に対する嫌がらせ攻勢も無視されたくないから従軍慰安婦や竹島でも騒ぎ立てて無視されないようにしているのです。
韓国は、中国寄りの姿勢を変えず「事大主義」を繰り返し、北朝鮮と交わり「交隣主義」を繰り返そうとしています。その果にあるのは、朝鮮半島統一かもしれませんが、こんなことでは、とても韓国は北朝鮮の脅威に立ち向かえそうにありません。
私自身は、いずれ朝鮮半島は、北が崩壊しその後は日米中露が、国連軍などの形で北の領土を分割して統治し、韓国もいずれ内乱などがおこり、それを日米中露は無視して、2つから3つに分割し、半島に小さな国家群ができあがるようになれば、最も良いのではないかと思います。
そうして、いずれは日米中露も撤退しつつも、国境は一ミリにたりとも侵犯されないようにしてこれを囲み、朝鮮半島のこれら複数の国家群が互いに「事大交隣」を繰り返し、幾つかの国が合同したり、離散したりを永遠に繰り返している状態になりただし、周りの国々はそれを助けもせず放置して、害が及ばないようにするのが最も良いのではないでしょうか。
周辺諸国が「助けず、教えず、関わらず」の「非朝鮮半島三原則」を貫き、半島内の諸国が互いに「事大交隣」で疲弊し、半島外の国々に害を及ぼさないように隔離するのです。そうでないと、いずれ周辺諸国や米国も、悪影響を被ることになります。
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