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2019年1月23日水曜日

対中貿易協議、トランプ米大統領の態度軟化見込めず=関係筋―【私の論評】民主化、政治と経済の分離、法治国家が不十分な中国で構造改革は不可能(゚д゚)!

対中貿易協議、トランプ米大統領の態度軟化見込めず=関係筋

米中会談時に演説するトランプ米大統領。2017年11月に北京

複数の米政府当局者によると、トランプ大統領は米中貿易協議で成果を出し、株価を押し上げたいと考えているが、中国側が知的財産権の問題を含め、本格的な構造改革に踏み切らない限り、態度を軟化させることはないとみられる。

中国側が米国製品の輸入拡大を提案しても、それだけでは問題は解決せず、1月末に訪米する劉鶴副首相との協議でも構造改革が議題になる見通しという。

米政府は、中国が知的財産を盗んでおり、中国に進出する米国企業に技術移転を強制していると批判。中国側はそうした事実はないと反論している。

米政府は3月1日までに貿易協議で合意できなければ、2000億ドル分の中国製品に対する制裁関税の税率を10%から25%に引き上げる方針だが、関係筋によると、両国の隔たりは大きく、合意には構造問題の解決が不可欠という。

ある米政府当局者は匿名を条件に「まだ、我々の懸念が十分に対処されたと言える状況ではない」と指摘。対中強硬派のライトハイザー通商代表部(USTR)代表が率いる米国の交渉団は、貿易不均衡だけでなく、構造問題を重視しているとの認識を示した。

国家経済会議(NEC)のカドロー委員長も、ロイターに対し、技術の強制移転、知的財産権の侵害、出資制限が、トランプ政権の優先課題だと指摘。「大統領はこうした問題がいかに重要であるかを繰り返し表明している。大統領は譲歩しない」と述べた。

関係筋がロイターに明らかにしたところによると、トランプ政権は、協議の進展がみられないため、劉鶴副首相の訪米を控えた米中の通商予備協議を拒否した。

劉鶴副首相

フィナンシャル・タイムズ(FT)紙も、通商予備協議が拒否されたと報じたが、複数の米当局者は報道を否定。カドロー委員長はCNBCに対し、通商予備協議を巡る「報道は真実ではない」と言明した。

ホワイトハウスのウォルターズ報道官も「今月末の劉鶴副首相とのハイレベル協議の準備のため、接触を続けている」と述べた。

ただ、ある関係筋は「協議は進展しているが、文書化できる合意はまだ何も成立していないと認識している」とコメントした。

トランプ大統領は、株価への影響を意識し、協議が概ね順調に進んでいるとの見解を示している。19日にはホワイトハウスで記者団に「何度も協議を重ねており、中国との合意がまとまる可能性は十分にある。順調に行くだろう」と表明した。

ムニューシン財務長官は先月、中国が1兆2000億ドルを超える米国製品の輸入を確約したことを明らかにしたが、米当局者は「単なる『確約』で事が解決すると考えるのは、我々の過去の経験を見過ごしていると思える」とコメント。

米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所で中国問題を担当するスコット・ケネディ氏は、中国側は新法の制定などを通じて知的財産権の問題にすでに対処したとの考えを示唆しているが、米国側は満足していないとし、「今後の協議で、中国が知的財産の問題でさらに譲歩するのか、引き続き輸入拡大に軸足を置くのかがわかるだろう」と述べた。

カドロー委員長は「私に言えるのは、月末の劉鶴副首相との会談が非常に重要だということだけだ」と語った。

【私の論評】民主化、政治と経済の分離、法治国家が不十分な中国で構造改革は不可能(゚д゚)!

ペンス米副大統領は16日、「中国当局は国際ルールを無視している」と中国を再び非難しました。米ボイス・オブ・アメリカが17日報じました。

ペンス副大統領は同日、米国務省が開催した「駐外公使会議(Global Chiefs of Mission Conference)」で演説を行いました。副大統領は演説のなか、複数回にわたって中国当局に言及しました。

ペンス副大統領

「中国は近年、世界の安定と繁栄を半世紀にわたり維持してきた国際法とルールを無視してきた。米国としてはもう座視できない」

また、副大統領は、中国当局が「債務トラップ外交」と「不公平な貿易慣行」で影響力を拡大し、南シナ海で「攻撃的な行動」を取っていると批判しました。「すべての国は航行の自由と開かれた貿易取引ができるよう、米国は自由で開かれたインド太平洋を支持する」

ペンス副大統領は、中国当局が不公平な貿易慣行を改め、構造改革を実施すべきだと強調しました。昨年2500億ドル(約27兆円)相当の中国製品を対象にした追加関税措置を通じて、トランプ政権は「中国に警告した」と述べました。副大統領は今後、米中通商協議で中国当局が米中双方の利益にかなう改革に取り組まなければ、対中関税を引き上げると強調しました。

副大統領は会議に出席した米国の外交官に対して、中国当局やイスラム過激派テロ組織「ISIS」、イラン、キューバ、ベネズエラなどが「米国が過去半世紀にわたり守ってきた国際秩序を覆そうとしている」が、これに対抗するために「米国が戻ってきた」と述べましたた。過去の政権の外交・軍事政策を修正したトランプ政権は、「力による平和」の実現に注力し、米の軍事力を強化していくといいます。

劉鶴副首相とのハイレベル協議においては、知的財産権の保護や非関税障壁など中国経済の「構造改革」が主な争点となるとみられます。

さて、このような「構造改革」を本当に実行するためには、ただ単に中国政府が掛け声をかけて、資金を投入すればできるというものではありません。

構造改革とは、現状の社会が抱えている問題は表面的な制度や事象のみならず社会そのものの構造にも起因するものであり、その社会構造自体を変えねばならないとする政策論的立場のことです。

日本では、いわゆる構造改革は失敗して結局何も変わりませんでした。その要因としては、日本の経済の不振は、構造的なものよりも、マクロ経済政策が間違っていたことによることのほうがより悪影響が大きかったためです。

このような状況の中では、まずはまともなマクロ政策を実施して、ある程度経済を良くしなければ、構造改革などできません。実施したとしても、何が良くなれば、何かが悪くなるというもぐら叩き状態になるだけです。そのため、日本のいわゆる構造改革はほとんど掛け声だけに終わりました。何一つ成功したものはありません。

今でも構造改革病の人がいるようですが、そういう人には現在の韓国を見ろといいたいです。現在の韓国では、まさに過去の日本のように構造改革病にとりつかれています。文在寅は、金融緩和はせずに、最低賃金だけあげるという、まるで立憲民主党代表の枝野氏の主張するような経済対策を実行したがために、雇用が激減してとんでないことになっています。

しかし、中国は日本などの先進国とは異なります。中国はまずは構造改革しないことには、まずは米国の制裁を免れることはできないですし、制裁は別にしてもこれから先経済発展するのも不可能です。

そのことは中国もある程度は理解していたようで実は、中国自身も過去に構造改革を進めようとしていました。

2015年の中国経済を振り返ると、1-9月期の成長率は実質で前年同期比6.9%増と前年よりも0.4ポイント低下しました。もっと低いのではとの見方もあって議論になっていますが、確かなのは構造変化が進んでいることで、第2次産業の伸び鈍化と第3次産業の堅調(伸び横ばい)、投資の伸び鈍化と消費の堅調(伸び横ばい)という“ふたつの二極化”が起きていました。

中国経済を「世界の工場」に導いた従来の成長モデルは限界に達しており、対内直接投資が伸び悩むとともに対外直接投資が急激に増えてきました。中国経済を供給面から見ると世界における製造業シェアがGDPシェアを10ポイントも上回る過剰設備の状態にあり、需要面から見ると投資の比率が諸外国と比べて突出して大きい過剰投資の状態にあります。そして、この過剰設備(又は過剰投資)の調整を進めれば、成長率を押し下げる大きな負のインパクトをもたらすことになります

中国政府はこの負のインパクトを和らげようと、新たな成長モデルを構築するための構造改革を進めていました。具体的には、需要面では外需依存から内需主導への構造転換、供給面では製造大国から製造強国への構造転換、同じく供給面では第2次産業から第3次産業への構造転換の3点である。この構造改革を三面等価の観点から再整理すると下図表のようなイメージになります。


この構造改革に成功しても中国の成長率鈍化は避けられないです。しかし、成長の壁を克服するには他に道がないため、中国はこの構造改革は続けるしかありません。従って、第2次産業の伸び鈍化と第3次産業の堅調(伸び横ばい)、投資の伸び鈍化と消費の堅調(伸び横ばい)という“ふたつの二極化”も長く続くトレンドと考えられます。

そうして、この構造改革の最大のポイントは、個人消費を拡大することです。実際、中国の個人消費はGDPの40%であり、これは日本のような先進国が60%程度、米国では70%にも及ぶことを考えると、数字の上では確かにこの考えは妥当といえば妥当です。

それにしても、この構造改革なかなか進みませんでした。それが進まない中で、米国から厳しい経済冷戦を挑まれてしまったのです。

中国政府事態は、個人消費の拡大という構造改革を自身ですすめつつ、米国からは知的財産権の保護のための構造改革を迫られています。

さて、これらの構造改革を進めるには、実際にどのような改革を行うべきなのでしょうか。

それに必要なのは、まずは中国社会の根本的な構造改革が必要です。それについては、以前からこのブログに掲載してきました。

そうです、民主化、政治と経済の分離、法治国家化です。まずは、これがある程度実施されなければ、そもそも個人消費の拡大などおぼつきません。

先進国が先進国となり、国が富んだのは、まさにこれらを実行したため、多数の中間層ができあがり、それらが自由で活発な社会経済活動を行ったからです。個人消費を伸ばすにはまずはこれが不可欠なのです。政府が音頭をとって、金をバラマキ、個人消費を拡大することはできません。それは、一時的には可能かもしれませんが、長い間継続するのは不可能です。

また、知的財産権の保護についても、まずは中国国内で、これらが保証されない限りは、不可能です。そのため、やはり民主化、政治と経済の分離、法治国家は避けて通れません。

ただし、これを実行すれば、中国における共産党統党独裁は崩さざるを得ません。これらを実行すれば、中国共産党の統治の正当性が崩れてしまうからです。

中国の選択できる道は、共産党1党独裁を崩しても、構造改革を進め、国と国民を富ませるか、構造改革を拒否するしかありません。

なお、構造改革を拒否すれば、中国は経済的に衰退して、図体が大きいだけの、アジアの凡庸な独裁国家に成り果てることになります。そうして、他国に対して影響力を行使できなくなります。

米国としては、中国がどちらの道を選んでも良いわけです。ただ、現状のままの中国は許容しないということです。

私としては、中国の共産党幹部は、先進国の民主化、政治と経済の分離、法治国家化などによってなぜ先進国が先進国となり得たのかなど、本当は理解していないため、結局中国は滅びの道を自ら選ぶことになると思います。

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2016年5月11日水曜日

中国は「中所得国の罠」を抜けられない 今後の経済成長は線香花火に―【私の論評】中国の分析でも、中国は罠にどっぷりとはまり込むことになる(゚д゚)!

中国は「中所得国の罠」を抜けられない 今後の経済成長は線香花火に

中所得国の罠
一国の経済発展は対外取引が起爆剤になっている。鎖国したまま経済発展することは不可能であり、自由貿易体制が欠かせない。それは経済学の歴史でもある。しかし、今の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)には、中国が参加できない理由がある。

TPPには貿易だけでなく投資の自由化も含まれている。しかし、中国は社会主義なので、生産手段の私有化を前提とする投資の自由化は基本的に受け入れられない。

また、TPPでは国有企業が大きな障害になる。国有企業が大半を占める中国は、民営化などを迫られるだろうが、国有企業改革は国家体制を揺るがす事態につながりかねないのだ。

「1人当たり国内総生産(GDP)1万ドル」の水準は、「中所得国の罠」といわれ、なかなか突破できない。突破には対外取引自由化などが必要となるが、中国にはそれができない。

別の観点からもこの現象が説明できる。第2次産業が十分成熟しないうちに消費主導へ脱工業化シフトを急ぐと、成長が息切れしてしまうのだ。1980年以降の1人当たりGDPと第2次産業就業者比率の推移を見ると、安定成長国は成長停滞国に比べその比率が高い傾向にある。1人当たりGDPが1万ドルを超えてからは、第2次産業就業者のシェアが低下傾向にあり、安定成長国でも成長力の屈折の時期と重なっている。

一方、成長停滞国はその段階に達する前に第2次産業が頭打ちとなり、「早すぎる脱工業化」の現象が生じる。中国は製造業拡大による成長段階の途上にあり、第2次産業のシェア拡大がこれまでの高い成長を支えてきたことが分かる。

李克強首相らは「最近は消費経済にシフトしつつある」と強調している。だが、現段階ではまだ、脱工業化できるほど第2次産業のシェアは十分に高くない。中国では30%程度までしか上がっておらず、成長停滞国と同じレベルだ。成長国は35%以上になっている。この段階で中国の第2次産業シェアが頭打ちになると、成長停滞国の二の舞いになるだろう。

これは中国当局の「中国経済は消費経済に移行しているので、経済成長は心配ない」という説明が当てにならないことを示している。

一般には可処分所得があって国内品を買えば消費、海外品を買えば輸入なので、両者は同じ方向に変化するのに、中国では消費と輸入が違いすぎる。さらに、中国がこの段階で消費経済に移行すると、「早すぎる脱工業化」で尻すぼみとなり、「中所得国の罠」は抜けられなくなる。

また、中国の第2次産業は国有企業が中心なので、技術の進歩などの成果を取り込めない。自由主義国の第2次産業は、貿易自由化、資本自由化を通して全国あるいは世界の市場に打って出られるが、中国の場合、一党独裁が完全な貿易・資本自由化を許さず、第2次産業を十分に発展させる邪魔になるという構造である。功に逸(はや)った中国だが、今後の経済成長は“線香花火”の恐れ大だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】中国の分析でも、中国は罠にどっぷりとはまり込むことになる(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事は、高橋洋一氏の分析です。中国人はどのように分析しているのか、楼継偉財政相の分席を以下に掲載します。

楼継偉(ロウ・ジーウェイ)中国財政相

楼継偉(ロウ・ジーウェイ)財政相は昨年4月下旬、北京の清華大学で開催された「清華中国経済ハイレベルフォーラム」の講演で「中国は今後5年から10年の間に50%以上の可能性で『中所得国の罠』に陥る」と発言して大きな波紋を呼んでいました。

具体的には、人口1人当たりの国内総生産(GDP)がほぼ3000ドル(約37万3000円)に近づくと、急速な経済発展によって蓄積された矛盾が集中的に爆発し成長が止まり、社会が混乱し争乱状態に陥る場合もあります。例えば、ブラジル、アルゼンチン、チリ、マレーシア、フィリピンなどの国々です。いずれも3000ドルから5000ドル(約62万2000円)の発展段階でもがいており、一時的にせよ、治安が不安定だった時期もありました。

世界第2の経済大国である中国の財政相が、中国も同じような状態になる可能性があると自ら語ったのですから、事態はかんり深刻です。

しかも、習近平(シー・ジンピン)国家主席は昨年末から中国が高度成長期を過ぎてなだらかな成長が続く「新常態(ニューノーマル)」に入ったと宣言しましたが、「中国は中所得国の罠には陥らない」と断言していました。ところが、習氏の経済ブレーンでもある楼氏が、罠に落ちる確率は5分5分以上だと悲観的な見方を明らかにしているのだから驚くべきことです。

楼氏は続けて、罠を乗り越えるには、「年間5〜7%の経済成長を実現し、今後5〜7年の間に全面的な改革を行い、中国市場に依然として存在する『ひずみ』を解決しなければならない」と対応策を提起しました。

その「ひずみ」について、楼氏は1・農業改革、2・戸籍改革、3・労働・雇用改革、4・土地改革、5・社会保険改革―の5点を挙げていました。いずれの問題も新中国建国以来の難問ばかりです。

ちなみに、中所得国の罠の一般的な10大特徴は次の通りです。1・経済成長の低下あるいは停滞、2・民主の混乱、3・貧富の格差、4・腐敗の多発、5・過度の都市化、6・社会公共サービスの不足、7・就職難、8・社会の動揺、9・信仰の欠如、10・金融体制の脆弱さ。驚くべきことに現在の中国にはこれが、すべて当てはまっています。

実質経済成長率と一人当たりGDPの推移(60年代以降):1万ドル前後で中所得国の罠に陥る国も

習近平指導部は1つでも対策を誤れば、奈落の底に落ちるような極めて厳しい状況に置かれていました。

このような状況のなかで、習氏が打ち出したのが、アジアインフラ投資銀行(AIIB)でした。習氏は中央アジアを中心とする陸の「シルクロード経済ベルト」と、東南アジアやインド洋沿海の国々を対象とした「21世紀海のシルクロード」という「2つのシルクロード」構想を打ち上げ、中央アジアの「絹の道」に高速鉄道という「鉄の道」を敷設。と同時に、インド洋のシーレーンに多数の港湾を建設しようとしています。AIIB創設の目的は、これらのインフラ建設プロジェクトのために資金を提供することにありました。

さらに、これらのプロジェクトで中国内の余剰鋼材やセメントを使用すれば、中国に資金が還流します。その結果、「年間5〜7%の経済成長」も可能になり、中所得国の罠に陥らない可能性が大きくなります。

習主席も出席した1月のAIIB開業式。金立群総裁は革新性を強調したが…
AIIBには昨年57カ国以上もの国々が名乗りを上げていましたが、それでも、このような壮大なトリックを現実化しようと、中国が執拗に誘っているのが日本でした。

昨年、4月には安倍晋三首相と習氏による2回目の日中首脳会談が行われました。習氏は一昨年11月の初の首脳会談での仏頂面とは打って変わって笑顔で対応。「AIIBは国際的に一定の評価を得ており、日本の評価が得られると信じている。日本が参加すれば、わが方も日本の立場を最大限尊重する」と語り、日本のAIIB参加を強く要請しましたた。

その後、4月から5月にかけて、序列第2位の李克強(リー・カーチアン)首相や3位の張徳江(ジャン・ダージャン)全国人民代表大会(全人代)委員長、4位の兪正声(ユー・ジョンション)中国人民政治協商会議(政協)主席ら日本側要人と相次いで会談に応じ、習氏同様、AIIB入りを熱心に説きました。

中国としては、日本が入ることでAIIBの格付けを高くし、自らの思惑を現実化する狙いがあるのは明らかでした。しかしながら、ご存知のように、日米両国ともAIIBには加入しませんでした。

このAIIBは現状では、その実態は日米や欧州との協調融資に頼り、独自の資金調達は先が見えないという羊頭狗肉であり、さらに習近平政権肝いりの別組織との内紛も生じかねない状況です。

大きな懸念材料である格付け問題は未解決です。開発銀行は通常、融資資金を調達するために債券を発行するのですが、最大の出資国である中国の格付けが反映されるAIIBは、ADBのように「トリプルA」格を取得するのは困難で、当面、無格付けで債券を発行する方針とみられます。

先行して中国とブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国のBRICS5カ国が設立した「新開発銀行」も、債券発行で「トリプルA格」を取得したのは、中国国内の2つの金融機関だけという状況でした。

米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは今年に入って、中国の信用格付け見通しを引き下げています。

融資資金を利率の高い借り入れで調達するにせよ、参加国からの出資金でまかなうにせよ限界があります。ADB (アジア開発銀行)や欧州復興開発銀行(EBRD)との協調融資で、先進国の助け舟を受けるしかないのが実情です。

組織運営でも中国のもくろみ違いが生じています。欧州諸国が雪崩を打ってAIIBに参加したことは中国にとっては“うれしい誤算”でした。うるさ型の先進国がメンバーとなったことでAIIBのステータスは上がったものの、中国のペースで運営することには限界が出でしまいました。

中国のための銀行だとの批判をかわすために体裁を取り繕ったところ、身動きが取りづらくなってしまったのです。

このような状況では、中国の頼みの綱のAIIBもまともに機能しそうにありません。そうなると、習近平の中央アジアの「絹の道」に高速鉄道という「鉄の道」を敷設し、インド洋のシーレーンに多数の港湾を建設しようという目論見は、頓挫することになりそうです。

しかし、この構想は最初から無理があったのではないかと思います。中央アジアの国々それに、ロシアにとっては、中国が中央アジアに高速鉄道網を築くことは、中国が軍隊や戦車などの兵器を迅速に送ることができるようになることを意味します。

インド洋のシーレーンに多数の港湾を建設することは、中国の海洋覇権を南シナ海からさらにインドにまで拡張することを意味します。

中国はシルクロード経済圏構想でアジアの地政学的中心目指しているが・・・・
このようなことを周辺諸国や、日米が合意すると思ったのでしょうか。だとしたら、習近平は稀代の大馬鹿者としかいいようがありません。習近平は、以前米オバマ大統領との会談で「太平洋には両国を受け入れる十分な空間がある」と言い、事実上太平洋を2分割する提案をしましたが、にべもなく拒絶されています。

EU諸国などは、中国から地理的に相当離れいるので、儲かりさえすれば良いくらいの考えで、AIIBに参加したのでしょうが、ロシアは中国がどのような計画を持っているのか、探るために加入したのでしょう。中国の意図がわかれば、はやいうちにそれを潰すこともできます。鉄道網が構築されたとしても、その弱点を把握し、最も少ない努力と時間で、鉄道網を破壊する方途を考えだすことでしょう。

それに、ロシアは、ウクライナ問題で、欧米から制裁を受けていますし、国内にめぼしい産業がなく石油や天然ガスなどの資源が頼みの綱でしたが、原油価格の低落を受け、経済がかなり低迷しています。このままでいくと、国家基金が2019年初めに底つくといわれています。そのため、ロシアとしてもAIIBで儲かるならそれは、それで良いという考えだと思います。 

このような、AIIBに日米が、参加するなどと思い込むのは、あまりにも軽薄です。安倍総理が敢えて敵に塩を送るような真似はしないのは最初からわかり切っていることです。それに、いかに及び腰のオバマとはいえ、AIIBに加入するほどのお人好しではありません。

いずれ、AIIBは有名無実化することでしょう。そうして、高橋洋一氏が指摘するように、中国は、TPPには参加できません。そうなると、しばらく中国は国内でも、海外でもインフラ投資ができないことになります。

そうなると、中国はやはり、中進国の罠にどっぷりとはまるしかないわけです。

さらに、仮にオバマが稀代のお人好しで、米国がAIIBに参加したとしても、確かに中国はしばらくの間海外へのインフラ投資で経済がまた発展しだすかもしれません。

しかし、良く考えてみてください。海外インフラ投資が活発になれば、中国は再度経済発展をし始めることでしょう。しかし、海外インフラ投資が一巡して、インフラの投資先がなくなったらどうなるでしょう。無論、成長は止まります。習近平を含む中国共産党の幹部らは、このような単純なことも理解できないようです。

お先真っ暗の習近平主席。3月13日、中国時間の午後5時、中国政府の通信社「新華社」の
ウェブサイトに「中国最後の指導者、習近平」という報道が現れた。無論誤りだが・・・
インフラ投資で中国経済が一時息を吹替したにしても、中国市場に依然として存在する『ひずみ』を解決されていなければ、5年から10年もすれば、また中進国の罠にはまりこむしかなくなります。

現在の中国の経済をたてなおすためには、楼継偉財政相が指摘するように、1・農業改革、2・戸籍改革、3・労働・雇用改革、4・土地改革、5・社会保険改革―の5点を何とかしなければならなのです。

そのためには、まずはこのブロクでも何度も主張しているように、ある程度以上の民主化、政治と経済の分離、法治国家化をすすめなければならないのです。現在の先進国は、これをいずれかの時期に達成し、経済的中間層を多数輩出し、それらが、自由で活発な社会経済活動がすることにより、社会・経済が発展し、中進国の罠にはまることなく、経済的にも軍事的にも強国になったのです。

今のままでは、中国は中進国の罠にどっぷりと嵌り込むしかなくなります。その果てには、図体の大きなだけの、アジアの凡庸な独裁国に成り果てるしかなくなります。見込みがあるとすれば、いくつかに分裂して、沿海部の大都市部を含む国もしくは、国々が、民主化、政治と経済の分離、法治国家化をなしとげ、急速に発展することです。

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2013年8月17日土曜日

“嫌がらせ国家”中国 報復でノルウェーのサケ輸入激減、比のバナナも…―【私の論評】このような嫌がらせをまだするということは、未だ経済と政治の分離がなされていないことの証、このままではかつてのソ連のように崩壊することだろうよ(゚д゚)!

“嫌がらせ国家”中国 報復でノルウェーのサケ輸入激減、比のバナナも…

劉暁波氏のノーベル賞受賞後、ノルウェーに理不尽な攻撃をする中国

 中国が、ノルウェーに“経済的恫喝”をしている疑いが出てきた。中国の民主活動家、劉暁波氏が2010年のノーベル平和賞を受賞して以降、同賞の選考機関があるノルウェーの主要輸出品であるサケの対中輸出が激減しているのだ。日本も尖閣沖中国漁船衝突事件直後、ハイテク製品の生産に不可欠なレアアースを一時禁輸された。同国の傲慢さがまた明らかになった。 

 これは、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が15日伝えた。

 ノルウェーから中国へのサケの輸出は10年には約11万トンあったが、同年10月の劉氏へのノーベル賞授与の決定以来、急速に減少し、今年上半期は約3700トンに減った。

 中国の「相手国の弱みを攻撃する」思考は変わらない。同様の事例は、ノルウェーや日本だけでなく、フィリピンでもあった。

 昨年5月、中国とフィリピンが南シナ海のスカボロー礁をめぐって関係が悪化した際、中国は「害虫駆除のため」として、フィリピンの主要輸出物であるバナナなど果物の検疫を強化し、事実上の「禁輸」措置を取ったのだ。

 中国問題に詳しい作家の宮崎正弘氏は「分かりやすい報復措置だ。中国人は『相手が困るだろう』と思ってやるが、レアアースは1年後、日本が別の調達先を用意し、中国では在庫の山となった。ノルウェーのサケも世界各国で売れている。最後に困るのは中国。世界中から『おかしな国、困った国だ』と思われている」と語っている。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】このような嫌がらせをまだするということは、未だ経済と政治の分離がなされていないことの証、このままではかつてのソ連のように崩壊することだろうよ(゚д゚)!



ノルウエイーの鮭を政治的駆け引きに使うとか、中国まったくどうしようもないです。
ノルウェイーの国旗をモチーフとした水着

しかし、ノルウエイーの鮭かなり品質が良いですから、世界中のどこの国でも売れます。何も、中国だけが、売り先ではありません。

これで、中国は政治と経済の分離が行なわれていないことを世界に向かって宣伝しているようなものです。中国に関しては、以前からこのブログでも、民主化、政治と経済の分離、法治国家化がなされていないことをことあるごとに批判してきました。

この中で、民主化とか法治国家というのは多くの人に理解しやすいのですが、政治と経済の分離という概念は、おおよそ普通の先進国などでは、随分昔から分離されているので、日本でも分離されているのが当然の状態なのでなかなか理解していただきにくいところがありました。

政治と経済が分離されていないとは、要するに国家資本主義という状況なのですが、これを説明するのがなかなか大変でした。

さて、国家資本主義とはどのようなものかといえば、以下のようものです。
18世紀以降の啓蒙専制君主や日本の明治維新、20世紀以降の開発独裁などは、国家が自由主義や資本主義を含めた近代化を推進した。ただし政治上の自由は厳しく制限した場合が多い。多くの国では一定の経済発展を成し遂げると民主化を進めていったが、権力者による私物化や汚職が長期間行われた場合は、近代化プロセスが破綻しクーデターや権力者の国外追放といった結末に結びつくことが多かった。 
現代においても、シンガポールの人民行動党政権、鄧小平時代後の中華人民共和国の改革開放(たちあがれ日本共同代表の一人与謝野馨などが、現在の中国を「国家資本主義」と呼称)、ベトナム社会主義共和国のドイモイ路線、プーチン政権のロシア(政権によるオリガルヒ統制)などが国家資本主義と呼ばれることがある。 
 中華人​​民共和国 
多くのアナリストは、中華人民共和国は21世紀における国家資本主義国家の一つであるとしている。 政治科学者イアン・ブレマーは著書The End of the Free Market: Who Wins the War Between States and Corporations『自由市場の終焉――国家資本主義とどう闘うか』において、中国は2008年の金融危機以降、先進国の自由市場経済に対抗する国家資本主義を推進する中心的国家であると述べている。 
 シンガポール 
シンガポールの経済モデルは国家資本主義の形態であり、国家が政府関連企業の支配株式を持っており、ソブリン・ウエルス・ファンドを通じて直接投資を行っているとの論がある。
このように定義など並べてもなかなか理解しにくいところがありますが、中国は政治と経済がはっきりと分離されていないのは周知の事実です。中国共産党幹部は、資本主義を理解していませんし、民衆もそうです。政府の重要人物とコネができれば、事業は何でも成功すると考えていました。要するに、実体経済の意味が良くわかっていないのです。金融経済などとは異なり、実体経済を変えることは政府にはできません。政府ができることは、せいぜい実体経済の激しい変化をやわらげ、ソフトランディングさせることくらいです。

しかし、国家資本主義であれば、政府は、経済に介入して、財政政策や金融政策等で自由自在に実体経済をどうてもでも変えられるものとみなします。経済が小さなうちはそれでもなんとかなる部分はありますが、大きくなればそんなことはできません。

今までの中国は、とにかく経済など政府によって金融政策、財政政策、為替の固定化や通貨安などを自由に制御できるものとして運営してきました。

そうして、ごく最近まで、日本銀行が金融引締めにより、円高・デフレ政策を実施してきたため、経済がかなり大きくなった後でも、実際何とかなってきました。過去20年間は、危機があっても、政府が介入すれば、なんとか回復することができてきました。景気が悪くなれば、金融緩和、財政出動して、突貫工事をやれば、たちどころに景気が良くなりました。景気が加熱すれば、金融引締め、緊縮財政をやれば、たちとろころに景気は加熱気味から脱出できました。これらの政策を強行すれば、人民からの反発もありましたが、そのときには、武力でもって鎮圧しておしまいです。あまりにも簡単でした。だから、中国の経済と政治の分離は今でも進んでいません。

ところが、最近は風向きが変わってきました。日本銀行が、異次元の金融緩和をはじめたとたん、このブログでも指摘したように酷い状態になっています。
中国経済、大混乱! 飛び交う“銀行デフォルト連鎖”の噂―【私の論評】日本銀行が中国麻薬漬け金融政策をやめた途端この有様、日本人や中国社会のためにも、安全保障の観点からもアベノミクスの頓挫は許されないぞ(゚д゚)!
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、日本が異次元の金融緩和に転じたとたんに、中国の実体経済の脆さが明るみにでたということです。

もう、中国は政治と経済を分離して、まともな経済運営をするようにしなければ、経済が崩壊するだけです。そのことを中国共産党幹部は全く理解しておらず、今でも、過去の対策で十分やっていけると勘違いして、右往左往しています。もう、おそらく、過去の手法は通じません、おそらく政府は、過去の手法をやって、もぐらたたきになり、どうしようもなくなってから、自分たちの過ちに気付くことと思います。

中国は、日本を含む先進国が辿ってきた道をである、民主化、政治と経済の完全分離、法治国家化をして、いわゆる中間層を多数形成して、その中間層の活動によって経済を活発化し、復活するしか方法はありません。しかし、中国共産党政府にはその気は全くないようです。

なぜ、そのようなことがいえるかといえば、ノルウエーの鮭輸入を激減させたり、フィリピンのバナナの輸入を激減させたりなどするということは、政治と経済が全く分離されていないことを示す事象だからです。バナナの輸入量や、鮭の輸入量など、需要の変動にあわせるべきものであり、政府が決めるのではありません。このせいで、人民がバナナや鮭を食べられなくなったり、高くなってしまっては本末転倒です。それに中国の輸入業者はえらい迷惑です。需要があっても、政治問題があったら、輸入でないということでは経済を阻害するだけであり、無意味です。


普通の国であれば、これらの輸入は民間が実施することであり、政治的に問題があったからといって、このような露骨な禁輸措置はとれません。これじゃまるで、冷戦下のソ連と変わりありません。冷戦下では、外交官など、何かまずい問題があれば、ソ連に行ったときに、電気が通じず、お湯も出ないような、ホテルに宿泊させられるなどの嫌がらせを受けたなどいう話は良く聴きました。しかしそれは、冷戦下のソ連の話であって、ソ連はもうこの世に存在しましせん。

旧ソ連のミスコン第一回目の参加者たち,クリックすると拡大します
この様子では、中国の民主化も、政治と経済の分離も、法治国家化も無理だと思います。行き着く先は、経済の破綻であり、その頃には、中国も分裂していることでしょう。

このままでは、中国共産党政府は、本来やるべきことをしないで、モグラたたきを続け、いずれソ連のように崩壊していくと思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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