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2019年5月12日日曜日

誤算?無策?習政権、トランプ氏“逆鱗”読み切れず… 中国「報復」示唆も米側は切り札投入―【私の論評】「大幅な譲歩」か「強行路線」か?いずれに転んでも、習近平は過酷な状況に直面せざるを得ない(゚д゚)!


ワシントンで言葉を交わすライトハイザー米通商代表(右)と、
              中国の劉鶴副首相(左)=10日

ドナルド・トランプ米政権は、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆円)分に課している追加関税率を10%から25%に引き上げた。習近平政権も報復を示唆するが、米国側は「全輸入品への追加関税」という切り札を出してきた。貿易戦争が長期化すれば深い傷を負うのは中国側であることは明確で、習政権の「誤算と無策」がハッキリしてきた。

 米通商代表部(USTR)は10日、中国からの輸入品約3000億ドル(約33兆円)分に25%の追加関税を課す手続きに入ると発表した。実施すれば中国からの全輸入品が25%の対象となる。

 トランプ大統領は10日、ツイッターで、追加関税について「交渉次第で撤回するかもしれないし、しないかもしれない」と中国に譲歩を迫った。一方で「交渉は良い雰囲気で続けており、急ぐ必要はない」と記すなど、脅したりすかしたりの老獪(ろうかい)さをみせた。

 10日の閣僚級協議も合意に至らず、次回協議について、スティーブン・ムニューシン財務長官は米CNBCテレビに「予定されたものはない」と語った。一方、中国の劉鶴副首相は、米国との貿易協議を早期に北京で開催することで合意したと強調するなど、決裂ではないことを強調するのに懸命の様子だった。

 中国商務省は10日、「必要な対抗措置を取らざるを得ない」との報道官談話を発表したが、関税競争は中国に分が悪い。2018年の対米輸出額が4784億ドル(約52兆5900億円)だが、輸入額は1550億ドル(約17兆400億円)にとどまり、報復関税にも限界がある。

 関税が引き上げられた対米輸出品についても、中国側が価格を引き下げて対応しているのが実情で、トランプ氏は「米国製品のコストへの影響はごくわずかで、ほとんど中国が負担している」と勝ち誇っている。

中国全人代の閉幕式に臨む習近平国家主席=3月5日、北京の人民大会堂

 中国は論点も見誤った。

 米国側は、外国企業からの強制的な技術移転や産業補助金などを最重要課題としているが、中国側は貿易赤字の問題にすぎないと軽視していた節もある。

 習政権はメンツにこだわり、米国と対等であるかのように交渉に臨んだ。閣僚級協議でも、習国家主席がトランプ氏に書簡を送ったが、効果はなかった。習氏とトランプ氏との電話協議など直接交渉で打開を図るが、展望は見いだせない。

【私の論評】「大幅な譲歩」か「強行路線」か?いずれに転んでも、習近平は過酷な状況に直面せざるを得ない(゚д゚)!

ロイター通信8日付は、米政府関係者らの話として、中国当局は今までの交渉で知的財産権保護や技術の強制移転、為替などの事項に関して、国内法の改正を約束したにもかかわらず、今月3日に米政府に送った合意文書案で約束を撤回したそうです。

中国当局が突如態度を変えた理由について憶測が飛び交っています。

今年に入ってから、中国経済がやや回復の兆しが表れていました。中国税関総省が発表した3月の貿易統計では、同月ドル建て輸出は、市場予想を大幅に上回り、前年同月比14.2%増加しました。5カ月ぶりの高水準といいます。中国当局によるテコ入れ策で、3月の新規人民元建て融資や社会融資総量が予想外に急増し、投資の拡大が示されました。中国当局は、景気が上向きになったことで、強気に出た可能性があります。

今年4月までは、株価も回復していたが・・・・・・

しかし、中国経済の好調が、約束を反故した主因ではないようです。中国当局の最高指導部が「政治的な賭けに出た」という見方が、最も説明がつきます。

国際社会は、中国共産党政権が真に構造改革を行うと信じていません。構造改革を行い、市場を開放してインターネット封鎖を解除し、情報の自由を認めるためには、単に掛け声をかけて投資をすれば成就するという簡単なものではありません。

それを実行したとしても、現実には何も変わらないです。それを実行して根付かせるためには、一定以上の民主化、政治と経済の分離、法治国家化をする必要があります。

それを本当に実行すれば、中国共産党政権は統治の正当性を失い、崩壊することになります。

さらに、ここまで米の要求を受け入れると、党内から「弱腰外交」と習氏への批判が沸き立つことでしょう。

中国共産党の本質を見極め、強硬姿勢を示すトランプ政権は、貿易戦を通じて、中国当局に2つの究極の選択肢を突きつけました。中国共産党一党独裁を捨てても中国経済を守るのか、それとも中国共産党政権を維持するのかです。

約束の撤回は、中国当局からの返事だと見てもよいです。「一強体制」を築いたように見える習近平国家主席は、政権維持に拘れば、難しい政権運営を強いられることになります。

江沢民(左)と曽慶紅(右)

4月下旬、江沢民派の主要人物である曽慶紅氏が久しぶりに公の場に姿を見せました。習近平氏は近年、反腐敗キャンペーンで江派の高官を次々と失脚させ、江沢民派の勢力は衰退しました。その一方で、江沢民氏、曽慶紅氏2人の摘発を放置しました。専門家は、習近平氏は中国共産党体制の崩壊を避けるために、江沢民氏らに譲歩したとみてきました。

インターネット上に投稿された動画によると、4月20日、曽慶紅は江西省トップの劉奇氏とともに、故郷の同省吉安市を視察しました。劉奇氏は、習近平氏が浙江省トップを務めた際の部下で、習氏の側近です。曽と劉の両氏の組み合わせは、習派と江派が「仲良くやっている」というメッセージを送り、党内の団結をアピールしているように見えます。しかし、習近平氏が政権維持に拘り、江沢民派に譲歩しても、団結は長く続きません。

トランプ大統領が5日のツイッターで対中追加関税の引き上げを発表したのを受け、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは6日、情報筋の話を引用し、貿易交渉で中国側が約束した内容の一部に対して習近平氏が認めず、交渉が失敗すれば「自分がすべての責任を負う」と述べたと報じました。

サウスチャイナ・モーニング・ポストは、2015年にアリババグループに買収され、親江沢民派メディアとして認識されています。

劉鶴副首相は、9日と10日の米中通商協議に予定通り参加しました。渡米前、劉氏は「圧力下での渡米」とメディアに語りました。習近平氏の政敵は、今回の交渉を「米国の圧力に屈した侮辱的な交渉」と捉え、習氏への批判を強めるでしょう。この交渉でどんな結果が生じても、敵対勢力に攻撃の口実を与えることになります。

劉副首相の訪米は、米国の圧力に屈したというよりも、親江沢民派メディアの報道への対応と言えます。

実にトランプ米大統領の5日のツイッター投稿を受けて、中国人民銀行(中央銀行)は6日株式市場の取引開始前に、中小銀行を対象に預金準備率の引き下げを発表しました。これによって、市場に2800億元(約4兆5174億円)の資金を供給するといいます。中国当局が、トランプ大統領の発言で、中国経済や株式市場が受ける影響を予測したことが読み取れます。

しかし、中国当局はサウスチャイナ・モーニング・ポストの報道を予測できませんでした。

今後の見通しとして2通りの展開があります。一つは中国側が大幅に譲歩し、米側と合意するというものです。しかし、こうなった場合、江沢民派が必ず、「主権を失い国を辱めた」として、習近平氏に反撃するでしょう。党内闘争が一段と激しくなり、政権の不安定さが高まることになります。

もう一つは、中国当局が引き続き意図的に貿易交渉を先延ばし、米中両国が物別れに終わることです。これが起きれば、中国経済が壊滅的な打撃を受けることになります。

輸出、投資、個人消費の低迷が深刻化するほか、中国当局が最も不安視する債務危機もぼっ発する可能性が高いです。これに伴う企業の倒産、労働者の失業が急増し、中国当局への社会不満が一気に爆発することになります。

中国当局は、この最も恐れる状況に、どう対処するのでしょうか。習近平氏が政治手腕を発揮し、反対派の攻撃を圧制することができたとしても、経済崩壊を迎えた中国共産党政権は末路をたどるしかありません。

米中貿易戦、中国国内および共産党の現情勢を分析すれば、米中貿易交渉で勝負に出た中国当局は、初めから失敗に向かっていることが分かります。米中通商協議の結果がどうであれ、中国共産党体制の崩壊が加速化します。

10日、2日間の米中閣僚級協議を終え、トランプ大統領は同日、今後も交渉を続ける方針を表明しました。ロイター通信は10日、情報筋の話として、劉副首相は国内法の改正を拒む立場を変えておらず、国務院令や行政命令で対応すると提案したと報じました。米側はこれに拒否したといいます。

前国家経済会議(NEC)副委員長のクリート・ウィレムス(Clete Willems)氏は米メディアに対して、トランプ氏は交渉チームに「満足できる内容でなければ、いつもで立ち去れ」と告げた、と話しました。

「強国路線」を掲げてきた習氏にとって、米側への大幅な譲歩は国内の求心力を失いかねないですが、強硬姿勢を貫いて貿易摩擦がエスカレートすれば、経済成長の減速に拍車がかかるというジレンマに陥っているのです。

どちらに転んでも、習近平は過酷な状況に直面せざるを得ないのです。

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2014年12月1日月曜日

安倍首相、消費増税めぐる財務省の政界工作を示唆 省益優先で不況下に緊縮財政の罪―【私の論評】敵は財務省にあり!今回の解散総選挙は、官僚主導から政治主導への転換の第一歩である(@_@;)

安倍首相、消費増税めぐる財務省の政界工作を示唆 省益優先で不況下に緊縮財政の罪

文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授

田中秀臣氏

11月30日、各党代表が出演したテレビ番組『新報道2001』(フジテレビ系)内で安倍晋三首相は、キャスターの「(衆議院)解散の理由は財務省による消費増税包囲網を打開するため、という見方があるが、その真意は」という質問に対して、以下の2点を述べた。

ひとつは理念的な理由ともいえるが、来年10月に予定していた8%から10%への消費再増税を2017年4月へ先送りし、総選挙でその信を国民に問うというものだ。さらに「現実論として」と断ったうえで、「財務省が『善意』ではあるが、すごい勢いで(消費再増税にむけて)対処しているから党内全体がその雰囲気だった」と明かし、その「勢い」を転換することが必要だったと述べた。事実上、キャスターの問いを肯定するものだった。

●財務省の「善意」

ところでこのような財務省の「善意」は、どのような動機で行われているのだろうか。例えば財政再建を実現して国益に資するという意味での「善意」なのだろうか。

「そうではない」という結論を、多くの経済学者たちは導いている。著名な公共経済学者・柴田弘文氏は、財務省が不況時に限ってなぜ緊縮財政のスタンスに固執するかを解明した。財務省の予算編成に関わる部局は、できるだけ自由裁量的な予算を獲得しようとする。その理由は将来の天下り先への影響、財務省の他省庁に対する優位の確保などの「省益」がその根本的な理由だ。しかし、不況になると税収減によって予算総額が圧縮されるため、そのような自由裁量の余地が難しくなる。加えて国債発行増額への要求は自然と高まる。

 財務省にとってこのような要求は省益を長期的に損なうものと映る。なぜなら国債は将来返済しなくてはいけない「固定費」であるため、将来的な財務省の自由裁量の幅は、(将来の)好不況に関係なく「固定費」が増えれば増えるほど制約されると考えてしまう。したがって、現時点では経済が不安定であるにもかかわらず、財務省は国債発行に慎重になり、緊縮財政を志向してしまう。

 現在、アベノミクスの積極財政を反映して国債発行圧力は十分に大きく、財務省としては将来の裁量余地が極めて狭まったことになる。それに抗するためには、財務省は消費増税という「緊縮財政」を積極的に進めることがどうしても必要に思えたのだろう。税率を上げれば税収も増え、それだけ財務省の自由裁量の余地が拡大する。

 もちろんこのような財務省の見解は視野狭隘であり、国益ではなく「省益」にすぎない。十分な巡航速度に到達していないのに大規模な増税をすれば、経済は必ず失速する。税率を上げても十分な税収が手に入るかは不透明なはずだ。

●消費再増税にどう対処すべきか

 今回の消費再増税延期に伴い、その時の景気状況から増税可否を判断するという、いわゆる景気条項を外して、「18カ月後」の再増税を政府は確約している。これについて、政治が財務省に屈しているという指摘がされているが、財務省に屈しているかどうかは現時点では検証のしようがない。そのため、本稿では2年半後の消費再増税にどう対処すべきかを指摘するにとどめたい。

 ポイントは3点ある。ひとつは97年の消費増税時の所得減税のような「先行減税」もしくは「同時減税」を行うことである。これは事実上の消費再増税のちゃぶ台返しになる。

 2つ目は、日本銀行のインフレ目標到達と雇用最大化をできるだけ早期に実現することだろう。

 3つ目は、これも高橋氏が指摘していることだが、「17年4月に消費再増税を行うということは政治的には決まっていない」という解釈がある点である。今後の法改正を含めて、政治的自由度がかなりあるともいえる。

 いずれにせよ、経済が不安定な時の消費増税が経済に大きいショックを与えることだけは自明になった。この経験を生かして、衆院選後の経済政策の運営をチェックしていく必要があるだろう
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)

この記事は、要約です。詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】敵は財務省にあり!今回の解散総選挙は、官僚主導から政治主導への転換の第一歩である(@_@;)

上の記事、前々から明々白々の事実であり、今やまともな人なら周知の事実だと思います。よって、付け加えることなどほとんどないのですが、若干以下に、これも当然のことなが当たり前のど真ん中を掲載しておきます。

民主党は、政治主導をスローガンとしましたが、実施したことといえば、ほぼ意味のない事業仕訳と、できもしない、官僚の事務仕事を取り上げるというものでした。これは、見事に失敗したのは、周知の事実です。

そもそも、上の記事でも指摘されている財務省が、強力な政党でもあるかのような、一大政治勢力になっていることが非常に問題です。

一政府の下部機関に過ぎない財務省が日本では一大政治勢力となっている

最近では、あまり指摘されなくなりましたが、そもそも政府には大きな借金がといわれていますが、それと同時に日本政府は、世界一の金融資産を有しています。世界にこれだけの大きな金融資産を有している政府は日本以外にありません。これを相殺すると、実は政府の借金はさほどでもありません。

そのほとんどが、財務省が管轄しているというのが実体です。特に特別予算というおそろしく、複雑な体系をつくりだし、蓄積しています。

これがいわゆる財務省の埋蔵金というものです。とにかく、貯めればよいという考え方で、このような化け物のような、システムをつくりだし、自分たちの権益を拡大していましたし、これからも拡大しつづける腹づもりでした。増税も無論のこと、その一環の活動です。

しかし、この目論見は、安倍総理の増税見送りという判断により、最初の一撃をこうむったということです。

この第一撃だけでは、財務省の体質はすぐに直るということはありませんが、それにしても、最初の打撃はかなり大きいものになったものと思います。

それにしても、財務省は政府の一下部組織に過ぎないわけであり、しかも官僚は、選挙という手段で国民から選ばれるわけでもありません。

今の財務省のやり方は、根本的に間違えています。本来は、増税などの判断は、政府主導で行うものであり、政府が方向性を決め、財務省はその方向性に従って、専門家的な立場から、具体的に実行する方法を選ぶことしか実施してはならないものです。

しかし、今の財務省は完璧にこれから、逸脱して、短期的な省益のみの観点から、政治を動かしています。こんなことは、断じて許されるべきではありません。いずれ、これに関しては、法律など新たに作成して、白黒をはっきりつけるべきです。

日本では、日本銀行が日本国の金融政策を決定するという異常な状況が続いている


政治主導ということになれば、日銀の独立性というのも非常に問題です。世界的に、中央銀行の独立性とは、国の金融政策はあくまで、政府が定め、中央銀行はそれに従い、専門家的立場から、その方法を自由に選択できるというものです。

しかし、残念なことに日本では、日銀法が改悪されて以来、国の金融政策を日銀の政策決定委員の委員会で決定するという異常な状況に陥っています。日銀の政策決定委員など、国民から選挙という手続きで選ばれたものではなく、そのような委員が決定できるというシステムは根本的に間違えています。

日本政府の一下部機関に過ぎない財務省の省益に基づく、政治への働きかけ、日本の金融政策の方向性を自分たちの裁量で決めてきた日銀。これら、二つの官僚組織が、結局のところ、長い間緊縮財政、金融引き締めをしてきた結果日本は、15年以上もデフレという、古今東西にみることない、とんでもない状況に置かれてきたのです。

幸いなことに、日銀法は改正はされていませんが、日銀は黒田総裁をはじめ政策決定委員の多くが、安倍総理の考えに賛同する人が多かったため、昨年4月より、金融緩和に転ずることとなりました。

しかし、これとていつまで続くかわかりません。政策決定委員の多数派がデフレ・円高主義者になれば、またぞろ金融引き締めに転じて、またデフレが深化して、とんでもないことになりかねません。

やはり、近いうちに、日銀法の改正は必須です。財務省については、いずれなんらかの方法で、政府の財政政策を決定できないようにすべきです。

そこから、本当の意味での官僚主導から、政治主導が始まります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2012年5月27日日曜日

【大前研一のニュース時評】中国の経済統計、信用できず!副首相“発言”が示唆−【私の論評】大前研一氏が今更指摘するまでもなく、中国の統計はデタラメ!!気をつけなければならないのは、それだけではない!

【大前研一のニュース時評】中国の経済統計、信用できず!副首相“発言”が示唆:

李克強(り・こくきょう)氏

英フィナンシャル・タイムズ紙は、15日付で「中国経済、予想を超える急減速か」と題する記事を掲載した。来年3月に温家宝首相のあとを継ぐとされる李克強(り・こくきょう)第1副首相が、かつて経済成長を評価する際に「GDPではなく、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資の実行という3つの統計を重視する」と語っていたことを紹介したうえで、最近発表されたこれらの数値がいずれも落ち込んでいる、と同紙は指摘したのだ。

繁栄と貧困が混在する中国社会
李氏は、「今度、首相になる予定の私は統計のことをよく知っている。だから(GDPではなく)、こういう即物的な(電力消費量などの)指標をみるという癖がついています」と言いたかったのだろう。逆にいうと、中国政府が発表するGDPなどの経済統計は信用できないことを示唆したわけだ。

中国でも大人気の大前研一氏

これは非常に重要なことだ。中国経済で信用できるのは、李氏の言うとおり電力消費量、貨物輸送量、融資のペースなのだ。不動産の売買、ガソリン売上高などを加えてもいいだろう。最近の即物的指標はたしかに、全部マイナスになっている。



【私の論評】大前健一氏が今更指摘するまでもなく、中国の統計はデタラメ!!気をつけなければならないのは、それだけではない!


中国が発表する統計資料は、何も、大前研一氏が今更指摘するまでもなく、以前からデタラメであることは、周知の事実であったと思います。本日は、このことと、あとは、中国人女性に関して、中国健康的女性群画像集(笑)とともに掲載させていただきます。


まずは、2010年4月時点で、以下のような記事を私のブログに掲載しています。
上海市とチベット自治区を除く中国29の省、自治区と直轄市が25日、第1四半期の国内総生産(GDP)成長率を発表した。新疆ウイグル自治区以外の28の一級行政区(省・自治区・直轄市)はいずれも、全国GDP成長率の11・9%を上回り、その中でも18の省、自治区、市の成長率は15%を超えた。これについて、インターネットでは疑問と批判の声が多数寄せられている。
発表を行ったすべての一級行政区は、GDPの「成長」を遂げた。特に海南省は同期比、25・1%という数字をたたき出し、全国トップとなった。昨年上半期で唯一、マイナス成長となった山西省は19・1%の増加で大躍進を遂げ、上位にランキング。全国のGDP成長率11・9%を下回ったのは新疆ウイグル自治区(11%)のみだった。
「各地のGDP成長率が全国の数字を上回るのはよくあることだ」と北京工商大学経済学院産業経済研究センターの周清傑執行主任は語る。「統計のやり方に問題があるほか、地方政府が業績を上げるために、データを水増しした可能性もある」と指摘する。
中国は、他民族なので、西欧系かと見まがう女性もいる

これに関して、当時中国のネット界では、「躍進以来の大躍進」などと揶揄の声が多数上がっていました。さらに、この年の前の年のことに関しても、下記のように掲載しています。
昨年は、鉱工業生産が著しく伸びているという統計を発表しながら、片一方では電力消費量が大幅に減っているという統計を発表しています。元々中国の統計は、かなり疑問であるといわれきました。昔は、ほとんど細かい情報など発表しなかったので、それを鵜呑みにするしかありませんでしたが、最近では中途半端ではありますが、各種情報をだすようになってきたので、こうした矛盾が目立ようになってきました。その後、電力消費量の統計をださなくなりました。どうしてなんでしょうか?
中国中央政府はどうして、こんな初歩的なヘマばかりするんでしょう。おそらく、元々出鱈目なのだと思います。特に、地方政府から中央政府に統計を出すときに、かなり粉飾されているのでしょうが、それを中央政府がチエックする術もないのだと思います。さらには、統計を出すときにも、矛盾すらチェックもできないのだと思います。

まあ、これに関しては、何も私が指摘するまでもなく、多くの中国専門家らが、前々から指摘していることです。いまさら、降ってわいた話ではありません。


このようなことは、中国ではあまり珍しいことではありません。特に、人間関係でも同じことがいえます。人間関係で気をつけなければならないのは、特に、男女関係などです。これに関しては、私の知人で、中国人女性と結婚して離婚した人がいます。この人のいうには、どうしても我慢できなかったことがあるそうです。しかし、これは、私などがこうした少ない事例を述べるよりは、もっと、広く中国の事情に詳しい人の話を聴いたほうが良いと思いますので、以下にその動画を掲載します。


上の動画は、東洋史家の宮脇淳子氏をお迎えし、元産経新聞記者のジャーナリスト・福島香織氏と御一緒に著された新著書『中国美女の正体』を御紹介いただきながら、外見からは想像もつか­ないほどに、精神性も価値観も日本人とは大きく異なる中国人の、中でも"美女達"の繰り出す謀略から、自身と国を守るための術はあるのか、日本人が知っておくべき彼らの本­音と思考について、温かい叱咤激励とともに お話しいただいたものです。


ただし、私自身は、この動画をみて、中国人などという人種は存在しない以上、中国人女性という言い方もおかしく感じました。特に、私は、中国人というと、昔うちの会社のレストランでバイトをしていた、女性の方を思い出してしまうのですが、その方、レストランのその他の日本人よりもはるかに日本語ができ、私たち日本人の考え方も良く理解していました。よく言われるように、謝ることは絶対せず、自己主張だけ激しいなどということなく、ごくまともな方でしたので、すべての中国の女性が上の動画の類型にはてはまるなどとは、思いたくありません。


その方は、ご主人様も中国人で、当時は、ご主人が北海道大学水産学部の教授でした。中国にご主人ともどももどられて、しばらくしてから、船の事故でご主人様がなくなって、今は、函館のイカ釣りロボットの会社の大連の合弁企業で働いていらっしやいます。先日、NHKのテレビで大連の合弁企業のことが放映されていて、おそらく、その女性と思しきかたが、通訳などをしているところが、写っていました。


だから、すべての女性がそうだというわけではありませんが、上の動画の内容は、それなりに、真実でもあると思います。私たち、日本人は、中国人の容貌が日本人と似ていること、さらには、漢字などの共通文化や、儒教などの共通の文化があるので、ついつい、共通点が多いと思ってしまいがちですが、決してそうではないことを銘記しておくべきです。そうして、謀略には、個人レベルから、国家レベルの大きなものまであることを認識しておかなければなりません。


国家レベルというと、中国でいうところの、超限戦の一環でもあるハニーとラップにかかる人もかなり多いとききます。これは、何も、国の重要な機関に所属している人だけに関係していることではありません。とにかく、影響力の大きい人などには、これにかかる可能性は常にあると考えるべきです。


中国のハニートラップに関しては、以前のこのブログにも掲載しました。その部分と、ハニートラップに政府筋から利用されようになった、女性邵小珊さんの告白です。以下にのその部分をコピペしておきます。ついでに、邵小珊の写真も再掲します。

































女性スパイを使って、相手の男性から機密情報を手に入れる「ハニートラップ」。中国では、今でも盛んに行われている疑惑が浮上した。
日本でも近年、「わな」を仕掛けられたとされる外交官や自衛隊員が情報漏えいを迫られ、果ては自殺にまで追い込まれる悲劇が報じられた。最近では、中国の民主活動家にも女性スパイを接触させ、活動の妨害を図っているようだ。
「明日にでも毒を盛られ、殺されるかもしれない」
上海の美しい夜景の裏に潜むものは…
「外交官の息子と交際していた私に、中国軍当局はスパイ活動を強要した」
「軍の命令を拒んだ私は2年間にわたって監視、いやがらせを受けてきた」

 2011年7月31日、中国人女優の邵小珊さんはブログと、中国版ツイッター「新浪微博」に長文でこう告発した。「こんなことを書けば、明日にでも毒を盛られ、自然死に見せかけて殺されるかもしれない」と身の危険を感じながらも、当局の仕打ちに怒りを感じてインターネット上に公表した。
 

上の記事では、疑惑としていますが、これは疑惑ではありません。事実です。 まさに、中国は、国家の真の姿も偽り、海外からの投資をつなぎとめようとしています。さらに、女性を使って、ハニートラップを仕掛けて、情報を引き出したり、自分の都合の良いように動かそうとするのです。個人レベルでも、かつての儒教の教えは雲散霧消したどころか、偏狭な個人主義が蔓延しています。

最近中国のネット界で、清楚な少女として話題となった画像
他にも、危ない情報は、多くありますが、今日はこのくらいにします。とにかく、日本人は、中国のこうした側面をあらかじめ知ったうえで、つきあっていくという心構えが必要なのは間違いないことです。

それにしても、情報通で、このようなことは以前から十分承知のはずの大前氏が、わざわざ、これをいまさら取り上げて、文末で、「最近は米国も日本も、1人あたりのGDPをいくらにするといった目標は、さすがに掲げなくなった。こういう目標を掲げるのは途上国の特徴ともいえる」などと締めくくるという発言には、一体どういう含みがあるのでしょうか?

大前氏の主張には確かにときどき矛盾があります。しかし、中国経済に対する分析を一括してみてみると、中国の応援団と呼ぶに相応しいです。

現在日本は、デフレ・円高の真っ最中です。この状況であっても、日銀は、増刷拒否の姿勢を崩さず、政府・財務省は、一体で増税をしようとしています。この状況が続けば、ますます、日本のGDPは縮小し、さらに円高となります。これは、中国を利する行動に他なりません。大前氏よる、この文末の意味は、この日本による、中国経済応援システムをこれからも、続け日本の1人あたりのGDPをこれからも、減らし続けて、その分中国に上乗せしろと、言っているように聴こえるのは、私だけでしょうか?




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