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2017年2月26日日曜日

陸自が米海兵隊と合同訓練、離島奪還を想定―【私の論評】日本は自国の防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!

陸自が米海兵隊と合同訓練、離島奪還を想定



 離島防衛能力を高めようと、アメリカ・カリフォルニア州で陸上自衛隊がアメリカ海兵隊と合同訓練を実施しています。

陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の合同訓練、通称「アイアン・フィスト(鉄拳)」。12回目となる今年の訓練には、日米あわせて850名の隊員が参加しました。現地25日は、武装した敵に占拠された離島を奪還するという想定で、沖合の揚陸艦から水陸両用車が続々と上陸し、部隊を展開する様子が公開されました。

「水陸両用車AAV7には、陸上自衛隊の隊員も乗り込んでいます。操縦訓練なども行うということで、こうした訓練は今回初めてになります」(記者)

今回の訓練は、来年3月に離島防衛などを担う「水陸機動団」が新編されることをにらみ、実際に配備されるものと同じタイプの水陸両用車で陸上自衛隊の隊員が操縦訓練を行うなど、より実戦に近い形で実施されました。

「まさに同盟の抑止力、そして対処力を強化しうる、極めて重要な機会と考えています」(陸上自衛隊西部方面総監部 戒田重雄 幕僚副長)

日米それぞれの幹部は、「こうした訓練を通じて日米の連携をさらに深めていく必要性がある」と強調しています。(26日10:51)

【私の論評】日本は自国の防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!

今でこそ水陸両用作戦を自衛隊員がアメリカまで赴いて訓練をしていますが、元々は日本が編み出したものです。これは、元々は日本軍が真珠湾攻撃に続き、太平洋諸島を攻略した際に編み出した戦法です。


上の写真は、大東亜戦争中に島嶼に上陸した特三式内火艇です。本車は潜水機能を持ち、走行装置を強化、車体前後に浮航用の浮舟を装着しています。砲塔の上部に搭載されているのは投棄可能な展望塔です。砲塔後方の筒は空気吸入筒です。

自衛隊は昨年も10月末から11月にかけ、北マリアナ諸島で実施した米軍との大規模な合同演習で、まさにその作戦の訓練を行いました。

水陸両用作戦は、今の日本が安全保障上の最大の懸案とみなす尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題にかかわっています。

水陸機動団の要水陸両用車AAV7
日本は現在、3000人規模となる水陸機動団の編成を進めています。日本は、ようやく米海兵隊に相当する部隊を設けようとしているのです。その理由はひとつ。中国との間で尖閣諸島問題を抱え、侵入された場合の奪還作戦に備えようとしているからです。

さらに、防衛省は30年度までにオスプレイ17機を取得することを目指し、佐賀空港への配備を計画しています。昨年、11月8日には山口祥義知事の要請を受け、米海兵隊が騒音確認を目的としたオスプレイの試験飛行を実施しました。

水陸機動団は離島防衛の専門部隊「西部方面普通科連隊」(約700人)を置く長崎県佐世保市などに配置し、3連隊を整備。新設する「陸上総隊」の直属部隊とし、計2千~3千人規模の大部隊とします。


政府は平成30年度までの編成完了を想定しており、中国による尖閣諸島(沖縄県石垣市)への威嚇と挑発をにらみ、不測の事態に対処できる態勢整備を急いでいます。

機動団の主要戦力「第1連隊」は西部方面普通科連隊を発展的に改組し、司令部とともに長崎県佐世保市に置きます。第2、第3連隊の人員はそれぞれ700~900人とする予定で、相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県)に「水陸機動団」を新設し、約55キロ離れた佐賀空港のオスプレイと一体運用する方針です。尖閣諸島(沖縄県石垣市)などの離島奪還作戦をにらんだ南西諸島防衛強化の柱と位置づけています。

機動団は米軍の海兵隊的機能の中核をなす水陸両用車について、30年度までに52両を配備する予定です。

陸上自衛隊は水陸両用車を投入する作戦構想を策定します。構想の素案では、南西諸島の島(とう)嶼(しょ)部が侵攻された場合、水陸両用車を戦闘地域の島から数キロ離れた海上から発進させ、戦闘部隊を揚陸させます。さらに、陸自はMV22オスプレイで前線にピンポイントで部隊を投入することも想定しています。

安倍晋三首相も出席した航空観閲式で展示された米海兵隊の
垂直離着陸機MV22オスプレイ(奥)=平成26年10月
離島侵攻の際、陸海空3自衛隊の統合運用を指揮するのは、新設の「陸上総隊司令官」となる見通しです。

総隊司令官は機動団の運用に加えて、全国を5地域に分けた方面隊も統括します。陸上自衛隊では、現場に全国各地から派遣できる「即応機動連隊」を機動師団と機動旅団の傘下に導入する方針で、各地域の部隊も迅速に南西諸島へ展開させる考えです。

陸上総隊司令官は、海上自衛隊の作戦中枢「自衛艦隊」や航空自衛隊の「航空総隊」と連動した作戦調整も主導します。米軍との連携強化を念頭に、陸上総隊司令部は在日米陸軍司令部があるキャンプ座間(神奈川県座間市など)に置く案が有力視されています。


日本には、すでに「いずも」などの大型揚陸艦があるので、こうした離島奪還作戦は、現実味のあるものです。

強襲揚陸艦「いずも」の尾部 ここからAAV7などが島嶼に向かって発進する
日本にとってもう1カ所、厄介な場所となりかねないのは、中国が軍事施設の建設を進める南シナ海です。

稲田防衛相は昨年9月、自衛隊が米海軍などと共同のパトロールや訓練などを通し、南シナ海での活動を拡大すると述べました。

こうした地域紛争は、日本の軍事力を根底で支える日米同盟の試金石となるかもしれません。

これに関しては、米国の戦略家のルトワック氏も以下のように述べています。
 日本について言うならば、2017年には支那が尖閣諸島に多数の「漁民」を軽武装で上陸させてくる可能性がある。実際には民兵であるこれら「漁民」は人民解放軍の指揮下にある「漁船」で上陸し、日本側が出動させるヘリコプターに対してフレア・ガン(照明弾や発煙弾を発射する信号銃)を一斉発射して撃退するだろう。 
 この尖閣攻撃は、支那側が日本のなまぬるい対応を事前に知っているためにその可能性が高くなってきた。 
 日本側は憲法上の規制などで尖閣に侵入してくる支那の軍事要員に対しても警察がヘリで飛来して、違法入国で逮捕し、刑事犯として扱おうとする対応を明らかにしている。だから支那側の偽装漁民はフレア・ガンでまずそのヘリを追い払うわけだ。ヘリがフレア・ガンに弱いことはよく知られている。この場合、米軍の介入も難しくなる。 
支那の海上民兵
 日本に必要なのは、尖閣諸島を、重要施設が集中している「東京都千代田区」と同じにみなし、そこへの侵略は本格的な軍事作戦で撃退することだ。日本側はいまその軍事反撃ができないことを内外に広報しているような状態であり、支那の侵略をかえって誘発する危険を高くしている。 
 日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならない。そのことこそが支那の軍事的な侵略や威嚇への抑止となるのだ。 
 トランプ次期大統領の安倍晋三首相への信頼度は高い。安倍氏をいまの世界で最高水準の指導者とみなし、日本をアメリカにとって第一の同盟国とみていると言える。11月17日の両首脳の会談ではトランプ氏は安倍氏に支那への新たな強硬策を伝えたと私は聞いている。 
 だからトランプ政権下では日本は支那に対して強い措置をとる際にこれまでのようにアメリカ政府にいちいち了解を求める必要はもうなくなるだろう。 
 トランプ氏は安倍首相に今後のアメリカが支那に対して新たに厳しい姿勢をとることを内密に告げ、その後に台湾の蔡英文総統と電話会談することでその姿勢を内外に明示したのだ。 
 だから2017年は、アメリカはこれまでと異なる対支政策をとり、その結果、まったく新たな米支関係が始まるだろう。その変化は日本にとっても、プラスが多いと言える。
まさに、ルトワック氏の言うように「日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならない」のです。その日本による答えが、水陸機動団であり、今後日本としては、島嶼防衛のため、たとえ民兵であっても、水陸機動団を派遣して民兵の活動を阻止する考えを表明するべきです。
【関連記事】

トランプ氏が中露分断で「支那大包囲網」が完成か―【私の論評】日本は自国防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!




2017年1月16日月曜日

トランプ氏が中露分断で「支那大包囲網」が完成か―【私の論評】日本は自国防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!

トランプ氏が支露分断で「支那大包囲網」が完成か

このブログでは、「中国」という表記は本年より用いません。そのため、引用記事などで、中国と表記されているものもすべて支那に変えています。

村上政俊氏 写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 トランプ次期大統領の米国ならば北朝鮮との劇的な接近があり得る、と元外交官で前衆議院議員の村上政俊氏は読む。支那が北朝鮮を支えられなくなれば、北朝鮮が新たな事大の相手先として米国に急接近する可能性は高いという。

* * *

 トランプ大統領によって“支那大包囲網”が実現した際に、北朝鮮が支那を裏切るというのが二番目のシナリオだ。「現代のツァーリ」プーチンはトランプを才能ある人物と述べたのに対し、トランプはプーチンをオバマよりも優れた指導者だと称えており、トランプが大統領に就任して真っ先に打ち出すのは米露関係のドラスティックな改善だろう。

 そもそも米国における伝統的な安全保障観ではロシアが米国にとっての最大の脅威と位置付けられており、米国の安全保障専門家からはトランプのプーチンに対する宥和姿勢にかねて疑問符が付けられていた。

 しかしそこは大実業家のトランプだ。思惑なしにプーチンに対して一方的に譲歩しようということではなかろう。

 一つの可能性として考えられるのが“中露分断”だ。プーチンと習近平がいまのところガッチリとタッグを組んでいるのは、米国主導の国際秩序を打破しようという大戦略が一致しているからだ。しかし、冷戦期には中ソ対立という東側陣営の内輪揉めの歴史があり、現在もシベリアへの支那人大量流入など、表面的には蜜月にみえる中露にも地雷は数多い。

 トランプがこれまでの米国の安全保障観を転換し、支那を最大の脅威と考えているとすれば、プーチンへの接近とその先に見据えているであろう“中露分断”が全て一本の線で結ばれる。

 1971年の「ニクソン・ショック」になぞらえればよりわかりやすいかもしれない。反共の闘士ニクソンが策士キッシンジャーを使って支那に接近したのは、支那を抱き込んで最大の敵であるソ連を孤立させるためだった。

 トランプがもし支那を最大の敵と見做すのであれば、支那を孤立させるためにロシアを抱き込みたいと考えるのは自然の成り行きだろう。ダマンスキー島(珍宝島)での武力衝突のように、中ソ対立が公になっていた点が当時と現代の違いだが、先程述べたように中露関係には潜在的な火種が多く、トランプがそこに火を点けて回るかもしれない。

 安倍晋三政権下での日露関係の改善もこうした流れの中で位置付けられる。元来、日露接近を最も嫌っていたのは米国だった。一番の敵ロシアと一番の子分(と米国が一方的に思っているだけだが)日本が近付くことは地政学上の大変動に繋がるという認識で、日ソ国交正常化(1956年)の際に北方領土問題は解決の可能性があったが、国務長官ダレスは当時米統治下にあった沖縄を返還しない可能性をちらつかせて日ソ接近を牽制した。いわゆるダレスの恫喝だ。しかし、トランプ大統領自身がロシア接近を打ち出せば前提が変わり、日露接近と北方領土交渉にはプラスに働く。

 こうして日米同盟だけでなく、米露、日露関係の改善でロシアも加われば、水も漏らさぬ“支那大包囲網”の完成だ。このシナリオで一番あたふたするのは北朝鮮である。従来のまま支那につき従っていては、一蓮托生で自分自身が包囲網に押し潰されてしまうという危機感を抱き、支那陣営からの脱走とトランプ側への寝返りを画策するだろう。

 北朝鮮はこの時に保有する核兵器を外交交渉のカードとして使うはずだ。核放棄に応じる代わりに、それまでの数々の悪行の許しを得ようとトランプに縋り付くだろう。習近平からトランプへの寝返りを受け入れなければトランプタワーのあるNYに核兵器を打ち込むなどと凄んでみせるかもしれない。

 旧東側陣営からNATO加盟国というれっきとした米国の同盟国に鞍替えした国が現にいくつもあるではないかと叫びながら、死に物狂いで同盟国の列の末席に滑り込もうとする絵も想像できる。

 しかし北朝鮮内部では、核放棄に応じたものの、最終的には体制崩壊を招いたリビアのカダフィ大佐の例をひいて核放棄に反対する意見が出るだろう。そうなれば、金正恩vs反金正恩の内乱が起き、寝返り前に“北朝鮮崩壊”との結末になる。首尾よく寝返りが成功すれば、支那大大包囲網が築き上げられ、支那は早晩崩壊する可能性が高い。

 いずれにしても北朝鮮の運命を左右するのは支那がどうなるかだ。一人の野次馬としては、支那が崩壊する前にキャラ立ちしているトランプと金正恩の直接会談を見てみたい。(文中敬称略)

 【PROFILE】むらかみ・まさとし/1983年大阪市生まれ。東京大学法学部卒。2008年4月外務省入省後、北京大学、ロンドン大学に留学し支那情勢分析などに携わる。2012年12月~2014年11月衆議院議員。現在、同志社大学嘱託講師、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。著書に『最後は孤立して自壊する支那 2017年習近平の支那』(石平氏との共著、ワック刊)がある。
 ※SAPIO2017年2月号

【私の論評】日本は自国防衛のため軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示せ(゚д゚)!

上のシナリオは十分にあり得るものだと思います。その根拠としては、このブログでも以前掲載したことのある、ルトワック氏の支露関係の分析です。ルトワック氏は、支那と露の関係は、氷の微笑であるとしていました。

今一度以下にルトワック氏の支露関係に関する分析を掲載します。これは、日経新聞に掲載されたものです。なお、このブログでは、中国という表記は使いませんので、以下の文中で特に断りがない限り、中国のことは支那、支と変更して表記しています。
接近する支ロ、氷の微笑が消えるとき

2014/5/25 3:30
ルトワック
 ウクライナ危機をきっかけに中ロはさらに接近し、日米へのけん制を強める……。世界ではこんな見方が多いが、ルトワック氏の予想はちがった。

ロシアは、支那とは仲良くならない。シベリアなどに侵食してくる支那を脅威だとみているからだ。むしろ、ロシアは支那をにらみ、本当は日米と協力を広げたいはずだ――。ルトワック氏はこんな趣旨の予測を披露したという。 
 中ロの表面的な動きをみるかぎり、この分析は必ずしも当たっていない。まさに同じ20日、中ロはこれでもかと言わんばかりの仲良し劇を演じたからだ。 
 訪中したプーチン大統領は、習近平国家主席と懸案だった天然ガスの輸出交渉を決着。対ロ制裁への反対をかかげ、来年に対日・独戦勝70周年式典を共催することも決めた。 
 だが、会談では結局、日米の安保当局者がいちばん注目していた商談が署名にいたらなかった。ロシアの最新鋭戦闘機スホイ35(24機)と地対空ミサイルS400を、支那が買うための契約だ。 
 売却の条件で折り合わなかったとされるが、理由はそれだけではさそうだ。モスクワからは、ルトワック氏の読みを裏づけるような本音が聞こえてくる。 
 「プーチン氏は支那に相当、いら立っている」。クレムリンの内情を知るロシアの安保専門家らは、こう明かす。プーチン氏はかねて支那の台頭に懸念を抱いていたが、昨年12月、不信感を一気に強めるできごとが起きたのだという。 
 それは、習主席とヤヌコビッチ・ウクライナ大統領(当時)が北京で署名した友好協力条約だった。「ウクライナが核で脅されたら、支那が必要な安全を保障する」。条約にはこんな趣旨の合意が入った。 
 支那は「核の傘」を使い、ロシアの縄張りであるウクライナにまで手を突っ込むつもりか。プーチン氏はこう反発したようだ。 
 支那の国内総生産(GDP)はロシアの4倍を超える。支那はその分、ウクライナを含めた周辺国に影響力を広げるのは自然なこと、と考えているのだろう。 
 歴史的にも、長い国境を接する中ロの相性は良いとはいえない。新支那建国の直後、毛沢東、スターリンの両首脳はモスクワで会い、同盟の契りを交わした。それもつかの間、やがて路線対立が始まり、蜜月は10年と続かなかった。 
 「いまの支那は共産党体制だったときのソ連と同じだ。何を考えているのか、外からは分からない。しばしば、唐突な行動にも出る」。公式な場では決して支那を批判しないロシアの政府関係者からも、こんなささやきが聞かれる。 
 では、日本はどうすればよいのか。中ロの結束が弱まれば、日本の選択肢は広がる。それでもロシアが対中外交で協力したり、領土交渉で譲ったりすると期待するのは禁物だ。 
 米政府当局者は「ロシアに過剰な期待を抱かないほうがいい。日本には戦中の経験もある」と語る。第2次大戦末期、日本の降伏が確実とみるや、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄し、攻め込んできた。 
 ユーラシアの両雄はどこに向かうのか。日本は歴史の教訓をひもときながら、冷徹に次の一手を練るときである。(編集委員 秋田浩之)
習近平とプーチン
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO71758060V20C14A5SHA000/?dg=1
日本では、著書『支那4.0』が話題のエドワード・ルトワック氏は、トランプ新政権は支那の冒険主義的な行動をもはや許容せず、米中関係は大きく変わると予測しています。

安全保障のダイヤモンド
さて、このブログでは、以前から北方領土交渉をめぐる安倍首相のプーチン接近の背後には、ロシアを支那封じ込め政策である「安全保障のダイヤモンド」の一角に据えようという目論見があることを主張してきました。それを掲載した記事のリンクを以下に掲載します。
【日露首脳会談】支那、日露連携を警戒「包囲網」強化に対抗―【私の論評】会談のもう一つの目的は、ロシアを安全保障のダイヤモンドの一角に据えること(゚д゚)!
日露による「対中包囲網」を警戒する習近平
詳細は、この記事をご覧いただくもとして、以下に結論部分のみを掲載します。
日本がいくら「日本はこうありたい」と理想論を語ったとしても、自分だけではどうにもなりません。
いくら「平和な日本でありたい」と願ったとしても、他国が侵略してきたら日本の平和は維持できません。そんな時に、憲法9条があっても、何の役にも立ちません。実際に北朝鮮は今年日本海に21発のミサイルを発射しています。支那は軍艦を動員して尖閣諸島を脅かしています。韓国は、未だに竹島を実力で占拠しているます。

こういう現実の中では、日本はできるだけ多くの国と友好関係を深めて、支那や北朝鮮が暴発しないように抑止していくことが日本の安全保障にとってより良いことになります。無論、支那や北朝鮮などと直接友好関係を結ぼうにも、結べるものではありません。

こんなときに、日本がロシアとの友好関係を深めれば、ロシアは支那になど軍事技術を供与しなくても良いと考えるかもしれません。もし、そう考えなかったにしても、支那側はそのように受け取るかもしれません。

安全保障のダイヤモンドを構想し、それを全方位外交を通じて実行してきた安倍総理は、当然の腹の中で、このように考えており、何とか、支那封じ込めの一角にロシアを加えたいと当然考えていることでしょう。そうして、これは、今回の日露首脳会談の目的の一つであることは間違いありません。

ロシアのプーチンは、以前にもこのブログに掲載したように、政敵は暗殺するなどして容赦なく潰すのが常であり、腹の中では何を考えているかは見えないところがあります。だから、本当に信頼できるかどうかはわかりません。

しかし、私たちは、支那やロシアのやり方で学ぶべきところがあります。それは、腹の中では互いに相手を信頼していないにもかかわらず、中ロはウクライナ危機をきっかけに中さらに接近したように首脳会談などを実施して見せつけて、日米へのけん制を強めるように中ロは動くと、世界中に思わせたという実績があります。 
これは、ルトワック氏には見ぬかれてしまいましたが、成功していれば、ロシア・支那連合は、日本はもとより、世界中の国々にとって、かなりの脅威となったことでしょう。ロシアの軍事技術と、支那の経済力が結びつけば、これは大変なことです。しかし、現実はそうではありませんでした。

日本も彼らのこのやり方を参考にして、支那に脅威を与えるべきです。実際にその効果はブログ冒頭の記事にある、新華社の「ロシアを引き込み、支那を包囲しようとの考えは希望的観測に基づく妄想だ」という言葉にもあるように、支那は日露首脳会談に警戒感を抱いています。

安倍総理としては、ロシアをうまく操っての脅威を少しでも除去できるように努力して頂きたいです。
さて、ロシアというとあまり信用できないところはあります。しかし、安倍首相はもとより、トランプ氏も支那と比較すれば、ロシアのほうが扱いやすいと考えていることと思います。

ロシアというと、日本では多くの人が大国というイメージが抜け切れていないところがあると思いますが、ソ連の末期は経済がガタガタでどうしようもない状況になっていました。現在のロシアになったばかりのときも、哨戒用のジエット戦闘機の燃料がないような状態になり、米国などから支援を受けていたこともあったくらいです。

現在でも、ロシアのGDPは日本の1/4程度に過ぎません。支那とは比較の対象にもなりません。人口も、支那は14億人であるのに対して、ロシアは1億4千万人に過ぎません。これは、日本よりわずかに2千万人多いに過ぎません。

そのロシアは、いっとき原油などで経済が潤い、BRICSの一国として脚光を浴びていた時期もあるのですが、従来から比較すると原油安の状況が続いています、

さすがに、軍事力や軍事技術ではまだ先端を行っていますが、それにしても国力の衰えは隠し仰せない程度にまで顕になっています。かつてのように、NATO軍と戦争する力など全くありません。

この状況ですから、当然のことながら、日米にとっては支那よりは御しやすいのは当然です。ロシアも、支那と同じように民主化、政治と経済の分離、法治国家が遅れている面はありますが、それでも支那よりははるかにましです。

そうして、何よりも、支那は腐敗撲滅運動の名のもとに習近平が反習近平派と熾烈な権力闘争をしていますが、ロシアはプーチンが強力なリーダーシップを発揮して、ロシアを統治しており、国民からの支持を集め安定しています。

であれば、日米はロシアと支那の両方を敵に回すよりは、ロシアを味方につけて支那から分断して、日米露の支那包囲網を構築したほうが、はるかに有利です。

だからこそ、安倍首相はその方向にすでに動き、トランプ氏もそれに続くことになるでしょう。これで、支那は日米はもとより、ロシアに対してもうかつに手をだせなくなるわけで、安全保障の面からかなり有利になるのは間違いありません。

ただし、日本については一つ懸念材料があります。それは、ルトワック氏も以下のように分析しています。
 日本について言うならば、2017年には支那が尖閣諸島に多数の「漁民」を軽武装で上陸させてくる可能性がある。実際には民兵であるこれら「漁民」は人民解放軍の指揮下にある「漁船」で上陸し、日本側が出動させるヘリコプターに対してフレア・ガン(照明弾や発煙弾を発射する信号銃)を一斉発射して撃退するだろう。 
 この尖閣攻撃は、支那側が日本のなまぬるい対応を事前に知っているためにその可能性が高くなってきた。 
 日本側は憲法上の規制などで尖閣に侵入してくる支那の軍事要員に対しても警察がヘリで飛来して、違法入国で逮捕し、刑事犯として扱おうとする対応を明らかにしている。だから支那側の偽装漁民はフレア・ガンでまずそのヘリを追い払うわけだ。ヘリがフレア・ガンに弱いことはよく知られている。この場合、米軍の介入も難しくなる。 
 日本に必要なのは、尖閣諸島を、重要施設が集中している「東京都千代田区」と同じにみなし、そこへの侵略は本格的な軍事作戦で撃退することだ。日本側はいまその軍事反撃ができないことを内外に広報しているような状態であり、支那の侵略をかえって誘発する危険を高くしている。 
 日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならない。そのことこそが支那の軍事的な侵略や威嚇への抑止となるのだ。

 トランプ次期大統領の安倍晋三首相への信頼度は高い。安倍氏をいまの世界で最高水準の指導者とみなし、日本をアメリカにとって第一の同盟国とみていると言える。11月17日の両首脳の会談ではトランプ氏は安倍氏に支那への新たな強硬策を伝えたと私は聞いている。 
 だからトランプ政権下では日本は支那に対して強い措置をとる際にこれまでのようにアメリカ政府にいちいち了解を求める必要はもうなくなるだろう。 
 トランプ氏は安倍首相に今後のアメリカが支那に対して新たに厳しい姿勢をとることを内密に告げ、その後に台湾の蔡英文総統と電話会談することでその姿勢を内外に明示したのだ。 
 だから2017年は、アメリカはこれまでと異なる対支政策をとり、その結果、まったく新たな米支関係が始まるだろう。その変化は日本にとっても、プラスが多いと言える。
トランプ大統領が登場すれば、世界は変わります。日本もその変化に対応しなければなりません。先日、トランプ氏がトヨタに苦言を呈しました。

このトランプ氏の苦言に関して、「なぜ一民間会社であるトヨタにまで・・・」などと批判する人も多かったです。トヨタのほうも最初は「心外である」などと語っていました。しかし、トヨタはアメリカに随分前から進出していて、現地の人々を多く採用し地域に根付き、アメリカで日本を代表するものというと「トヨタ」といっても良いほど親しまれています。

だから、トランプ氏の発言は一民間企業に対する発言というより、日本を代表する企業「トヨタ」に対する発言であったとみるべきです。そうして、その真意は、日本はトランプ率いる米国の味方であるのかどうかを確かめるためのものだったと解釈すべきです。

米国においては、トランプ氏もそうなのでしょうが、特に軍人はこの「味方」ということを強く意識します。信頼のおける相手かどうかを単純に「味方であるか否か」で判断します。

問題の発言が飛び出したのは今月5日。2019年の稼働を目指してメキシコに新工場を建設中のトヨタに対し、トランプ次期アメリカ大統領が自身のツイッターで、〈ありえない! 米国内に工場を作らないなら高額の『国境税』を払え〉と事実上の工場新設の撤回を求めたのです。

「アメリカ・ファースト(米国第一)」を掲げるトランプ氏は、これまでも米国内の雇用増大を最優先に掲げ、メキシコに工場を持つ米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やメキシコに新工場を計画するフォード・モーターに「口撃」を仕掛けてきたのですが、それが日本企業にまで及んだのです。

9日、米デトロイトで開催された北米国際自動車ショーで豊田氏はメキシコ工場の計画に変更がないことを述べた上で、「これまでの60年間で米国に220億ドル(約2.5兆円)を投資してきたが、今後5年間でさらに100億ドル(約1.1兆円)を米国に投資する」と表明しました。慎重な姿勢で知られるトヨタが即断即決で1兆円規模の投資計画を明言したことは、日米の経済界で大きなインパクトを持って受け止められました。

トヨタ自動車の豊田章男社長は9日、米デトロイトで開幕した北米国際自動車ショーの新型車
発表会で、今後5年間で米国の事業に100億ドル(約1兆1600億円)を投じる考えを表明した。
そもそもトランプが問題視しているのは、米国国内の雇用を減らすことです。トヨタは米国国内の工場を閉めてメキシコに新工場を作るわけではありません。メキシコ国内で雇用が生まれることは不法移民を抑えることにもつながり、トランプ政策にはむしろプラスと考えられます。

しかし、そうした理屈を説明してもトランプ氏は納得しなかったでしょう。そこでトヨタは1兆円というインセンティブを示したのです。しかも、このタイミングで出したことでトランプに良いイメージを与えました。結果的にメキシコ工場の撤回は避けられるでしょう。

フォードと比べれば、トヨタの対応はトランプ発言の真意を見抜いた「最高のアンサー」だったと思います。これによって、トランプ氏は日本の代表である、トヨタという企業を味方とみなしたことでしょう。そうして、これはトヨタという一企業だけにとどまらず、日本を「味方」とみなす上での最上の判断材料となったことでしょう。

私は、このトヨタの判断には、日本政府の意向も働いたのではないかと思います。意向まではいかなくとも、豊田氏は政府にも相談をしたのではないかと思います。そうして、政府は「最高のアンサー」になるようなアドバイスをしたものと睨んでいます。

さて、尖閣諸島の話に戻ります。ルトワック氏が「尖閣諸島を、重要施設が集中している「東京都千代田区」と同じにみなし、そこへの侵略は本格的な軍事作戦で撃退することだ。 日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならない。そのことこそが支那の軍事的な侵略や威嚇への抑止となるのだ」と指摘するように、日本は少なくとも自国の領土を守れるように、法整備などをすべきです。

自国の領土は自国で守る、それが独立国というものだ
これが出来ないようであれば、トランプ氏は自国の領土を自分で守ることをしない日本を「味方」とみなすことはしなくなることでしょう。日本を「味方」であると認識しなかったにしても、トランプ氏は支那に対して当面厳しく対峙することでしょうから、日本にとって良い状態がしばらく続くかもしれません。

しかし、その後支那の現体制が崩れて、支那がある程度の民主化、政治と経済の分離、そうして法治国家化を進めて、ある程度まともになり、特にブラック国家として、人民を搾取して、安い製品を製造して米国に輸出するなどのことをやめ、為替の不当な操作をすることもやめた場合、今度は支那を「味方」とみなすようになるかもしれません。

そうなれば、日本にとっては最悪です。そのようなことにならないためにも、ルトワック氏が語るように、日本は自国の防衛のために現実的かつ本格的な軍事作戦を遂行する意思や能力があることを示さねばならないのです。

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2015年6月3日水曜日

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【世界を斬る】中国に米国と戦争する能力はまったくない 空でも海でも餌食になるだけ 

2015.06.03


中国軍の孫建国副総参謀長は吠えているが、実情は…

中国が南シナ海の人工島に砲台を設置したことが判明した直後、米マスコミは大騒ぎして、図表入りで伝えた。なかには、「中国海軍が大増強されているので、米海軍は対抗できないのではないか」と報道したところまであったが、第7艦隊の友人はこう言った。

「中国はフィリピンやベトナムが領有を主張している南沙諸島の岩礁を埋め立て、人工島を作った。米国は、こうした不法行為を見逃すわけにはいかない。中国は、米国が介入すれば戦うと脅しているが、戦争をしかける能力はまったくない」

米国のあらゆる軍事情報からも、中国が米国と戦争する能力を持っていないことは明白だ。

米海軍は、「今後、南沙諸島周辺をイージス艦でパトロールする」と発表した。中国が軍事的な挑発行動を行った場合、米軍はイージス艦から発射するクルージングミサイル1発で人工島を木っ端みじんにするだろう。

中国が本土の海南島にある海軍基地から潜水艦を送り込もうとすれば、米国がフィリピン海溝に展開しているロサンゼルス型原子力攻撃潜水艦の餌食になる。

中国は、「空軍部隊を南沙諸島に進出させる」と言っている。だが、グアム島と沖縄に配備された米空軍のステルス性戦闘爆撃機F22数機が管制機E3Cの制御のもと迎撃を行えば、中国空軍の航空機が数十機、束になってかかっても撃ち落とされるだろう。

中国は、「尖閣諸島は自国の領土である」と主張し、東シナ海に防空識別圏と称する不法な空域をもうけて外国の航空機の進入を阻止すると主張した。だが、米軍はほぼ毎日、B2爆撃機と新型B52をグアム島から発進させ、防空識別圏の上空をこともなげに往復している。

 中国が、米国の空母を西太平洋から追い出すために開発した「空母キラー」と称するクルージングミサイルDF21も速度が遅く、米国のイージス艦が容易に撃墜できることが判明した。

 ロシアから買い入れて改造し、鳴り物入りで登場させた空母「遼寧」は、南シナ海で試運転を一回しただけで、エンジン主軸が壊れて使い物にならなくなってしまった。中国の工業力では、空母を動かす二十数万馬力のエンジンを製造できない。

 米海軍で広報を担当している友人は、次のように言っている。

 「中国が人民日報、新華社などを介して流すニュースはすべて宣伝だ。したがって、われわれは基本的には無視することにしている。中国の宣伝機関の発表をそのまま受け入れるのは間違いだし、危険だ」

 中国が、米国と戦争すると騒ぎたてても宣伝に過ぎない。米国のマスコミ同様、日本のメディアも中国政府の誇大な発表を鵜呑みにして、そのまま伝える悪習を早くやめるべきだ。

 ■日高義樹(ひだか・よしき) 


【私の論評】人民解放軍は日本の自衛隊にも勝てないレベル、それどころか軍拡によりソ連崩壊の二の舞いになる可能性も(゚д゚)!

上記の、記事概ね正しいと思います。ただし、上記では兵器の能力などだけで、語っていますが、人民解放軍の弱みはそれだけではありません。

まずあげられるのは、アメリカの軍隊は軍事のブロですが、中国はそうではないということです。アメリカの軍隊は、アメリカという国家に属する軍隊ですが、中国の人民解放軍は、そうではありません。

中国の人民解放軍は、各地域の共産党に属する、いわば共産党の私兵です。建前上も、実質上ももともと人民のための軍隊ではありません。これだけだと、知っている人も多いでしょうが、人民解放軍は他国の軍隊に比較すると全く異質なことを知らない人も多いです。

人民解放軍の本質は、日本でいうところの商社に似た存在です。日本の商社のように様々な事業を展開しつつ、軍備もしているという、他国の軍隊とは全く別物です。

だから、人民解放軍内部には、様々な利権があり、幹部クラスは不正によって巨万の富を得ているという状況です。上の記事に出てくる孫建国副総参謀長も当然のことなが、汚職まみれで、米国軍の幹部や日本の自衛隊の幹部などと比較すれば、考えられないほどの巨万の富を築いています。

これについては、過去のブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
人民解放軍に激震 習政権が軍部のカネの流れを徹底調査 聖域を破壊 ―【私の論評】習の戦いは、中国の金融が空洞化し体制崩壊の危機状況にあることを露呈した(゚д゚)!
今度は人民解放軍にメス。習氏のもくろみは吉と出るか。写真はブログ管理人挿入。以下同じ。
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では習近平が反腐敗キャンペーンの一環として、それまでは聖域とされた人民解放軍に手を入れ始めたことを掲載しました。まだご覧になっていない方は、是非この記事をご覧になって下さい。

日本の商社が、たとえ強力な武装をしたとしても、だからといって本当にまともに戦争ができるでしょうか。全く無理です。ましてや、汚職まみれの中国の人民解放軍では、日本の商社が武装したよりもまだ脆弱なのは明らかです。

さらに、中国による長年の一人っ子政策により、人民解放軍の軍人のほとんどが一人っ子であり、子どものころから小皇帝などと呼ばれ、わがまま放題に育てられていため、実際に戦闘になれば、逃げ出す者も大勢でるであろうとする、軍事評論家もいるくらいのです。

そうして、人民解放軍は、日本の自衛隊にも勝てる水準ではありません。日本の自衛隊が、中国大陸にまで侵攻するというのなら、話は別ですが、海軍力、空軍力で日本に対抗しようとしても、今の段階では全く無理です。

そもそも、現代の海戦で最も重要な対戦哨戒能力が極度に劣っており、全く歯がたちません。空軍も同じことです。中国の現在開発中の最新鋭戦闘機ですら、米国の軍事筋の調査で第三世代に属するものであることがはっきりしています。さらに、戦闘機に搭載するレーダーなどの電子機器の性能も日本と比較すると格段に劣ります。

中国の最新鋭戦闘機「殲31」。ステルス機といわれているが、ステルス性も低く、
実質上第三世代に属するものとアメリカの軍事筋がレポートしている

簡単に言うと、中国の航空機、艦船、潜水艦などは体裁は整えていて、外から見ていると素人目には立派にみえるのですが、その実技術水神があまりに低いので、日本の自衛隊などと比較すると同じ船でもボロ船、航空機もボロ飛行機、潜水艦もポロ潜水艦なので、全く話にならない水準ということです。

このような状況ですから、中国はどうあがいてもアメリカに戦争を挑むこともできません。挑めば、すぐにも崩壊します。まさに、自殺行為というものです。

このような現実を知っているからこそ、軍事力では全く歯が立たないので、中国は情報戦で何とか勝とうと努力しているわけです。だから、吠えまくったり、ハニートラップを使ってみたり、サイバー攻撃を仕掛けたりするわけです。

上記の、孫建国副総参謀長の咆哮も、情報戦の一環であるとみるべきです。尖閣に対する領空領海侵犯も同じことです。上陸してしまえば、日本の自衛隊にすぐに排除されてしまうだけなので、上陸もかなわず領海侵犯など繰り返し、あわよくば「中国は危険で面倒だから、尖閣などくれてやれ」という世論が日本に起こって、濡れて泡で手に入れたいというのが本音です。一番恐れているのは、日本政府が軍事力をもって日本の領海・領空から中国をちからずくで排除することです。そうなれば、到底太刀打ちできないことを彼らは十分に了解しています。

今回の孫建国副総参謀長の咆哮も同じことで、軍事的には全く勝つことはできないので、吠えまくったり、南シナ海で強硬な態度を繰り返して、アメリカ国内で「中国は危険で面倒だから、南シナ海などアメリカからはるか遠く離れていて直接関係ないからくれてやれ」という世論を起こすことが目的です。

そうして、この脆弱な人民解放軍は、中国をとんでもない方向に導いてしまうことになりそうです。それに関しては、以前のこのブログも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
アメリカのミサイル防衛システムの概念図
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の元記事は、2012年7月22日、ロシア・テレビ局による「ロシア・トゥデイ」に掲載された記事「米国のミサイル防衛システムが中国という経済の虎を封じ込める」に関するものです。

以下にそれをコピペさせていただきます。
今年3月、米国防総省はアジア及び中東におけるミサイル防衛システムの構成について公開した。中国を包囲するミサイル防衛システムに対抗するため、中国は自らの核兵器システムの近代化を迫られている。中国の軍事関係者も「近代化しなければ、核の抑止力を保つことができない」と認めている。 
旧ソ連はその末期に米国に対抗するため多額の予算を軍事費に注ぎ込んだ。今の中国も同様の状況にある。中国経済は今、繁栄しているかに見えるが、しかし格差は広がり、いまだ2億5000万人が貧困層として残っている。こうした問題を解決できないまま、中国政府は巨額の資金を軍事費に注ぎ込むことを余儀なくされている。 
冷戦を想起させる展開となっているが、中国は果たして政治と社会の安定を損なうことなく、軍事力を強化できるのか。その将来に注目が集まっている。
この記事では、ミサイル防衛システムについて述べていますが、中国も軍事的な側面から宇宙開発には熱心です。独自技術がないため、技術の大半は膨大な資金を支払ってロシアから導入しているというのが実体です。当然宇宙開発には巨額の資金が必要となります。

そうして、ご存知のように、中国の軍事費は毎年二桁で増大しています。軍事費の増大そのものが、かなりの負担になることは明らかですが、中国の場合それに輪をかけて大きな負担に直面することになります。

それは何かといえば、中国の技術水準の低さに起因する問題です。アメリカや日本に負けまいと、軍拡をしても技術水神が低すぎるため、できるのは米国から比較すれば、数十年遅れのボロ船、ボロ航空機、ボロ潜水艦、ボロ戦車、ボロ核兵器にすぎません。しかし、これを作るにも、膨大な資金と時間を必要とします。

人民解放軍のボロ船、ボロ潜水艦群
このまま低い技術水準で、軍拡を続けていけば、行き着く先は、ソ連崩壊の二の舞いを舞うことになってしまいます。かつてのソ連もそうでした。

たとえばMIG25という戦闘機は、当時最新鋭とされていましたが、日本の函館に当時のベレンコ中尉が、MIG25の機体とともに亡命したときに、調査したところ、電子部品の一部に真空管が使われていることが発覚しました。当時ですら、他国の最新鋭戦闘機には真空管など用いられていませんでした。

かつてのソ連の赤軍と同じく、人民解放軍は日本の自衛隊にも勝てないレベル、それどころか軍拡によりますます軍事費がかさむにもかかわらず、最新鋭の兵器を配備できないということで、ソ連崩壊の二の舞いになる可能性も大いにあるということです。

ただし、だからといって、日米ともに安全保障に手を抜くべきではありません。やプレかぶれになった、中国が崩壊直前に何をやりだすかなどわかったものではありません。彼らは、ボロ船とともに、ボロ核兵器も持っていて、技術水準は低いといいながらも、今でも日本に照準を合わせているし、アメリカ本土に到達可能な射程1万1000キロ以上の 大陸間弾道ミサイル「東風31A」の配備を進めていることを忘れるべきではありせん。

米国も、日本もこの事実を正しく認識すべきです。そうでないと、真実を見誤ることになりかねません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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