2015.06.03
中国軍の孫建国副総参謀長は吠えているが、実情は…
中国が南シナ海の人工島に砲台を設置したことが判明した直後、米マスコミは大騒ぎして、図表入りで伝えた。なかには、「中国海軍が大増強されているので、米海軍は対抗できないのではないか」と報道したところまであったが、第7艦隊の友人はこう言った。
「中国はフィリピンやベトナムが領有を主張している南沙諸島の岩礁を埋め立て、人工島を作った。米国は、こうした不法行為を見逃すわけにはいかない。中国は、米国が介入すれば戦うと脅しているが、戦争をしかける能力はまったくない」
米国のあらゆる軍事情報からも、中国が米国と戦争する能力を持っていないことは明白だ。
米海軍は、「今後、南沙諸島周辺をイージス艦でパトロールする」と発表した。中国が軍事的な挑発行動を行った場合、米軍はイージス艦から発射するクルージングミサイル1発で人工島を木っ端みじんにするだろう。
中国が本土の海南島にある海軍基地から潜水艦を送り込もうとすれば、米国がフィリピン海溝に展開しているロサンゼルス型原子力攻撃潜水艦の餌食になる。
中国は、「空軍部隊を南沙諸島に進出させる」と言っている。だが、グアム島と沖縄に配備された米空軍のステルス性戦闘爆撃機F22数機が管制機E3Cの制御のもと迎撃を行えば、中国空軍の航空機が数十機、束になってかかっても撃ち落とされるだろう。
中国は、「尖閣諸島は自国の領土である」と主張し、東シナ海に防空識別圏と称する不法な空域をもうけて外国の航空機の進入を阻止すると主張した。だが、米軍はほぼ毎日、B2爆撃機と新型B52をグアム島から発進させ、防空識別圏の上空をこともなげに往復している。
中国が、米国の空母を西太平洋から追い出すために開発した「空母キラー」と称するクルージングミサイルDF21も速度が遅く、米国のイージス艦が容易に撃墜できることが判明した。
ロシアから買い入れて改造し、鳴り物入りで登場させた空母「遼寧」は、南シナ海で試運転を一回しただけで、エンジン主軸が壊れて使い物にならなくなってしまった。中国の工業力では、空母を動かす二十数万馬力のエンジンを製造できない。
米海軍で広報を担当している友人は、次のように言っている。
「中国が人民日報、新華社などを介して流すニュースはすべて宣伝だ。したがって、われわれは基本的には無視することにしている。中国の宣伝機関の発表をそのまま受け入れるのは間違いだし、危険だ」
中国が、米国と戦争すると騒ぎたてても宣伝に過ぎない。米国のマスコミ同様、日本のメディアも中国政府の誇大な発表を鵜呑みにして、そのまま伝える悪習を早くやめるべきだ。
■日高義樹(ひだか・よしき)
【私の論評】人民解放軍は日本の自衛隊にも勝てないレベル、それどころか軍拡によりソ連崩壊の二の舞いになる可能性も(゚д゚)!
上記の、記事概ね正しいと思います。ただし、上記では兵器の能力などだけで、語っていますが、人民解放軍の弱みはそれだけではありません。
まずあげられるのは、アメリカの軍隊は軍事のブロですが、中国はそうではないということです。アメリカの軍隊は、アメリカという国家に属する軍隊ですが、中国の人民解放軍は、そうではありません。
中国の人民解放軍は、各地域の共産党に属する、いわば共産党の私兵です。建前上も、実質上ももともと人民のための軍隊ではありません。これだけだと、知っている人も多いでしょうが、人民解放軍は他国の軍隊に比較すると全く異質なことを知らない人も多いです。
人民解放軍の本質は、日本でいうところの商社に似た存在です。日本の商社のように様々な事業を展開しつつ、軍備もしているという、他国の軍隊とは全く別物です。
これについては、過去のブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
人民解放軍に激震 習政権が軍部のカネの流れを徹底調査 聖域を破壊 ―【私の論評】習の戦いは、中国の金融が空洞化し体制崩壊の危機状況にあることを露呈した(゚д゚)!
今度は人民解放軍にメス。習氏のもくろみは吉と出るか。写真はブログ管理人挿入。以下同じ。 |
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では習近平が反腐敗キャンペーンの一環として、それまでは聖域とされた人民解放軍に手を入れ始めたことを掲載しました。まだご覧になっていない方は、是非この記事をご覧になって下さい。
さらに、中国による長年の一人っ子政策により、人民解放軍の軍人のほとんどが一人っ子であり、子どものころから小皇帝などと呼ばれ、わがまま放題に育てられていため、実際に戦闘になれば、逃げ出す者も大勢でるであろうとする、軍事評論家もいるくらいのです。
そうして、人民解放軍は、日本の自衛隊にも勝てる水準ではありません。日本の自衛隊が、中国大陸にまで侵攻するというのなら、話は別ですが、海軍力、空軍力で日本に対抗しようとしても、今の段階では全く無理です。
そもそも、現代の海戦で最も重要な対戦哨戒能力が極度に劣っており、全く歯がたちません。空軍も同じことです。中国の現在開発中の最新鋭戦闘機ですら、米国の軍事筋の調査で第三世代に属するものであることがはっきりしています。さらに、戦闘機に搭載するレーダーなどの電子機器の性能も日本と比較すると格段に劣ります。
中国の最新鋭戦闘機「殲31」。ステルス機といわれているが、ステルス性も低く、 実質上第三世代に属するものとアメリカの軍事筋がレポートしている |
簡単に言うと、中国の航空機、艦船、潜水艦などは体裁は整えていて、外から見ていると素人目には立派にみえるのですが、その実技術水神があまりに低いので、日本の自衛隊などと比較すると同じ船でもボロ船、航空機もボロ飛行機、潜水艦もポロ潜水艦なので、全く話にならない水準ということです。
このような状況ですから、中国はどうあがいてもアメリカに戦争を挑むこともできません。挑めば、すぐにも崩壊します。まさに、自殺行為というものです。
このような現実を知っているからこそ、軍事力では全く歯が立たないので、中国は情報戦で何とか勝とうと努力しているわけです。だから、吠えまくったり、ハニートラップを使ってみたり、サイバー攻撃を仕掛けたりするわけです。
上記の、孫建国副総参謀長の咆哮も、情報戦の一環であるとみるべきです。尖閣に対する領空領海侵犯も同じことです。上陸してしまえば、日本の自衛隊にすぐに排除されてしまうだけなので、上陸もかなわず領海侵犯など繰り返し、あわよくば「中国は危険で面倒だから、尖閣などくれてやれ」という世論が日本に起こって、濡れて泡で手に入れたいというのが本音です。一番恐れているのは、日本政府が軍事力をもって日本の領海・領空から中国をちからずくで排除することです。そうなれば、到底太刀打ちできないことを彼らは十分に了解しています。
今回の孫建国副総参謀長の咆哮も同じことで、軍事的には全く勝つことはできないので、吠えまくったり、南シナ海で強硬な態度を繰り返して、アメリカ国内で「中国は危険で面倒だから、南シナ海などアメリカからはるか遠く離れていて直接関係ないからくれてやれ」という世論を起こすことが目的です。
そうして、この脆弱な人民解放軍は、中国をとんでもない方向に導いてしまうことになりそうです。それに関しては、以前のこのブログも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
そうして、この脆弱な人民解放軍は、中国をとんでもない方向に導いてしまうことになりそうです。それに関しては、以前のこのブログも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
アメリカのミサイル防衛システムの概念図 |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事の元記事は、2012年7月22日、ロシア・テレビ局による「ロシア・トゥデイ」に掲載された記事「米国のミサイル防衛システムが中国という経済の虎を封じ込める」に関するものです。
以下にそれをコピペさせていただきます。
今年3月、米国防総省はアジア及び中東におけるミサイル防衛システムの構成について公開した。中国を包囲するミサイル防衛システムに対抗するため、中国は自らの核兵器システムの近代化を迫られている。中国の軍事関係者も「近代化しなければ、核の抑止力を保つことができない」と認めている。
旧ソ連はその末期に米国に対抗するため多額の予算を軍事費に注ぎ込んだ。今の中国も同様の状況にある。中国経済は今、繁栄しているかに見えるが、しかし格差は広がり、いまだ2億5000万人が貧困層として残っている。こうした問題を解決できないまま、中国政府は巨額の資金を軍事費に注ぎ込むことを余儀なくされている。
冷戦を想起させる展開となっているが、中国は果たして政治と社会の安定を損なうことなく、軍事力を強化できるのか。その将来に注目が集まっている。この記事では、ミサイル防衛システムについて述べていますが、中国も軍事的な側面から宇宙開発には熱心です。独自技術がないため、技術の大半は膨大な資金を支払ってロシアから導入しているというのが実体です。当然宇宙開発には巨額の資金が必要となります。
そうして、ご存知のように、中国の軍事費は毎年二桁で増大しています。軍事費の増大そのものが、かなりの負担になることは明らかですが、中国の場合それに輪をかけて大きな負担に直面することになります。
それは何かといえば、中国の技術水準の低さに起因する問題です。アメリカや日本に負けまいと、軍拡をしても技術水神が低すぎるため、できるのは米国から比較すれば、数十年遅れのボロ船、ボロ航空機、ボロ潜水艦、ボロ戦車、ボロ核兵器にすぎません。しかし、これを作るにも、膨大な資金と時間を必要とします。
人民解放軍のボロ船、ボロ潜水艦群 |
たとえばMIG25という戦闘機は、当時最新鋭とされていましたが、日本の函館に当時のベレンコ中尉が、MIG25の機体とともに亡命したときに、調査したところ、電子部品の一部に真空管が使われていることが発覚しました。当時ですら、他国の最新鋭戦闘機には真空管など用いられていませんでした。
かつてのソ連の赤軍と同じく、人民解放軍は日本の自衛隊にも勝てないレベル、それどころか軍拡によりますます軍事費がかさむにもかかわらず、最新鋭の兵器を配備できないということで、ソ連崩壊の二の舞いになる可能性も大いにあるということです。
ただし、だからといって、日米ともに安全保障に手を抜くべきではありません。やプレかぶれになった、中国が崩壊直前に何をやりだすかなどわかったものではありません。彼らは、ボロ船とともに、ボロ核兵器も持っていて、技術水準は低いといいながらも、今でも日本に照準を合わせているし、アメリカ本土に到達可能な射程1万1000キロ以上の 大陸間弾道ミサイル「東風31A」の配備を進めていることを忘れるべきではありせん。
米国も、日本もこの事実を正しく認識すべきです。そうでないと、真実を見誤ることになりかねません。
私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?
【関連記事】
【関連図書】
中国の派遣妄想と、人民解放軍の実体を知ることのできる書籍をセレクトしました。
石 平
PHP研究所
売り上げランキング: 20,527
PHP研究所
売り上げランキング: 20,527
兵頭 二十八
講談社
売り上げランキング: 1,373
講談社
売り上げランキング: 1,373
主婦の友社 (2015-04-10)
売り上げランキング: 1,652
売り上げランキング: 1,652
0 件のコメント:
コメントを投稿