長島昭久元防衛副大臣 |
党の労組依存体質を批判し、安全保障法制の国会審議では「万年野党の『何でも反対』路線がますます先鋭化している」と警鐘をならした。
長島氏は、民主党の現状について「『改革政党』と見なす国民はほとんどいまい」と分析。「改革路線は維新の党にすっかりお株を奪われた」としている。
党内の議論については「民意からかけ離れた組織防衛の論理が跋扈(ばっこ)する低劣なものとなった」と非難した。
その上で、自ら関与している安保法制の国会審議の対応についても批判し、「もはや解党的出直ししか道はない」と指摘した。
具体的な対策として、(1)労組依存体質からの脱却(2)「大きな政府」路線を見直しアベノミクスに変わる経済政策と地方再生戦略の打ち出し(3)現実的な外交・安保政策への回帰-を挙げ、「目を覚ませ、民主党! さもなくば、消えゆくのみ」と締めくくっている。
【私の論評】橋下氏も三行半をつきつけた民主党というボロ船は、座して沈没を待つだけ(゚д゚)!
民主党への批判は、身内の長島昭久氏からのものもありますが、あの大阪都構想の橋下氏も自身のツイッターで以下のようにつぶやいています。
民主党への批判は、身内の長島昭久氏からのものもありますが、あの大阪都構想の橋下氏も自身のツイッターで以下のようにつぶやいています。
今の日本には自民党に対峙できる政党が必要だ。大阪都構想を進めるため、そして新しい野党ができる少しのきっかけになればと国政政党を0から立ち上げた。ただし民主党という政党は日本の国にとってよくない。なぜなら政党の方向性が全く見えない。もちろん個別メンバーは別。
— 橋下徹 (@t_ishin) 2015, 6月 14
維新の党は民主党とは一線を画すべき。自民党と国の在り方について激しく論戦できる政党を目指すべき。維新はイデオロギーにとらわれず、既得権に左右されず、現実的合理性を重視する。空理空論の夢物語りだけでは行政運営はできない。責任ある立場での現実的合理性を重視する。民主党とは決定的に違う
— 橋下徹 (@t_ishin) 2015, 6月 15
長島氏と橋下氏の民主党に対する批判をまとめると以下のようになります。(1)労組依存体質からの脱却
(2)「大きな政府」路線を見直しアベノミクスに変わる経済政策と地方再生戦略の打ち出し
(3)現実的な外交・安保政策への回帰
(4)政党の方向性が全く見えない
(5)責任のない立場で現実的合理性を軽視
まさに、現在の民主党の悪い点を凝縮しています。上の批判を一つ一つ解説しようと思います。
(1)労組依存体質からの脱却
労組体質からの脱却などとしていますが、民主党は本当に労組体質となっているのかはなはだ疑問です。そもそも、アベノミクスの第一の矢は欧米では、労働者の雇用の安定に役立つということで、労働組合が推進しようとする政策です。
労組依存体質といいながら、労働者の雇用状況を改善する、金融緩和に大反対する民主党の真意は何なのまったくはかりかねます。
これについては、このブログで以前解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
安倍政権に奪われた雇用政策 日銀法改正を主張する気概を 民主党代表選 ―【私の論評】日銀の金融政策は雇用と多いに関係あること、中央銀行の独立性とは目標ではなく、手段の独立性であるべきことを理解できない政党・政治家は結局何もできずに破滅するものと心得よ!!
日銀・経団連トップが連合新年会に初参加(2015/01/06) |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では金融緩和策は、労働者の雇用の安定に寄与するものであり、民主党はすっかり安倍政権にお株を奪われた形になっているどころか、反対しているありさまであることを批判しました。
こういうことからしても、本来ならば、民主党は日銀法を改正を提言すべきであるはずなのに、日銀の独立性の本来の意味すら理解せず、日銀政策審議員の人事に、ほとんど意味不明のいちゃもんをつけるに終始しています。(2)「大きな政府」路線を見直しアベノミクスに変わる経済政策と地方再生戦略の打ち出し
アベノミクスのうち、金融緩和は自民であろうが、民主であろうが全く関係なく、デフレだった日本では、絶対に実施しなければならない政策でした。にもかかわらず、民主党は反対のための反対を繰り返すのみでした。
そうして、アベノミクスの腰を折った8%増税に関しても、民主党は増税することにこだわりました。まともにマクロ経済を理解している人なら、誰もがデフレから完璧に立ち直っていない状況で増税せよなどとは言わないはずです。しかし、民主党は安部総理に増税を迫りました。
その結果は、どうだったかといえば、大失敗です。そうして10%増税に関しても、民主党は大賛成で増税すべきとしました。しかし、これは実施してしまえば、日本経済は完璧に破綻してしまうことはわかりきっているので、安部総理は歴代の総理大臣も含めではじめて、財務省に正面から挑み、昨年末の選挙によって大勝利し、10%増税を退けました。
本来、民主党は10%増税に関しては、何らかの理由をつけて、反対すべきでした。もともと、民主党は政権交代時には、民主党が政権についている間は増税しないという公約を掲げていました。それを反故にしたのが、菅元首相でした。
それについては、以前このブログにも掲載したことがあります、その記事のリンクを以下に掲載します。
さあ増税、新聞だけ特別扱い?大新聞が「野田歓迎」の理由−【私の論評】確実に滅ぶ民主党政権のご機嫌伺いをしていては、裏目にでる確率のほうが高いかも?
詳細は、この記事をご覧いただくものとて、確かに民主党は政権交代の前から、交代した後でも少しの間は、増税はしばらくしないと明言していました。その査証となるものが、以下の新聞記事です。これは、麻生政権時代の新聞紙面です。
こういうところからも、本来民主党は、8%増税、10%増税ともに大反対すべきでした。三党合意で決めたことだからなどということは、お払い箱にして、期限つきでも良いから大反対すべきでした。せっかくの良いチャンスにもかかわらず、民主党はここでも10%増税を阻止した安部総理にお株を奪われてしまいました。
(3)現実的な外交・安保政策への回帰
外交・安保政策に関しても、民主党は頓珍漢な反対のための反対をしています。特に安保法制に関しては、個別的な問題で安部総理に反対のための反対をするだけで、結局民主党はどのような安全保障を考えているかということは、一切言いません。しかも、党内で党としての方針が全く定まっていないことが露呈しました。
これについても、このブログで以前掲載したことがありますので、そのリンクを以下に掲載します。
民主、安保審議で得意の「バラバラ攻撃」 保守・リベラル両派が質問で“党内不一致”を露呈―【私の論評】中国による現実的な脅威を認識して、与野党ともまともな政策論議を(゚д゚)!
衆院平和安全法制特別委員会で質問する民主党の 辻元清美氏=28日午前、国会・衆院第1委員室 |
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、安保法制に関して民主党内では党としての方針が明確にされておらず、国会でも保守派と、リベラル派が自民党や安部総理を攻撃するにしても、バラバラで統制に欠けていることを掲載しました。
民主党は国会審議でも全く統制に欠けているのですが、バラバラ攻撃をしかけるために、安保法制の論点が国民に非常に理解しにくいものとなっています。今回の安保法制の論点はさほど難しいことではありません。その論点を整理するために、以下に動画を掲載します。
この動画をご覧いただければ、今回の安保法案改正の論点はそんなに難しいことではないことがわかります。今回の改正では、ネガティブリスト方式に変更するというだけではなく、あくまでポジティブリスト方式の中で適用範囲を広げるというものであり、決してこの改正ができたとしても、侵略戦争などがしやすくなるというものではありません。
むしろ、最近の中国の出方を見ていれば、今のままではかえって、危険だし自衛隊員の生命も脅かされるため、それを是正するという筋合いのものです。
それを民主党が、個別の問題を出してクイズのような質問をしてみたり、挙句の果てに憲法学者の「違憲」という単なる意見を、大仰にさわぎたて、さも違憲が決定されたかのように吹聴しています。そもそも、違憲か合憲かは、司法が決めるものであり、国会で決めるものでも、政府が決めるものでもありません。
一連の安保法制改正で民主党は酷い勘違いをしています。アンケートをとると、安保法制改正は「違憲」とする人が多いとか、安保法制の論点が理解しにくいという人が多いので、民主党は自民党批判が成功しているように思っているようですが、そうではありません。
ましてや、民主党の支持が高まっているわけではありません。民主党の頓珍漢でバラバラな論点や、違憲論議で国民の大多数が惑わされて、簡単なことを理解しにくくして混乱させているだけです。だから、これをもって民主党が成功しているとか、国民の支持を得ているというわけではありません。(4)政党の方向性が全く見えない
これに関しては、様々な点でそうしたかことがあるのですが、最もわかりやすい事例は、集団的自衛権でしょう。
実は民主党は過去おいては、集団的自衛権を認めるべきだと主張していました。
2010年8月鳩山内閣でまとめた「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会の報告書」で集団的自衛権を行使できないとするこれまでの憲法解釈を批判しまた。
2012年12月野田内閣「国家戦略会議」の報告書で「集団的自衛権の見直しを図るべきだ」と提言していました。
菅内閣では仙谷官房長官が「内閣が責任を持って憲法解釈変更を国民に提示すべきだ」と発言していました。
現在の枝野氏は安保法制改正に現在では、大反対していますが、民主党内閣閣僚のときには「内閣法制局の意見は大事だが判断するのは担当大臣の私であり、最終的には閣議だ」と述べています。
過去の自民党政権で2回。民主党政権で2回。計4回作成された有識者会議の報告書はいずれも政府の憲法解釈変更を提言しています。
一般には、安保法制改正は、安倍首相が突然言い出したように思われていますが、実は麻生内閣でも民主党内閣でも集団的自衛権は認めるべきだとする方向でした。
民主党は野党になったとたんに、これまで主張していたことと正反対のことを言い出したのです。
だからこそ、 民主党の長島昭久元防衛副大臣はブログ冒頭の記事にあるように、「現実的な外交・安保政策への回帰」と主張しているのです。
これ一つとっても、民主党は、橋下氏が主張するように、政党の方向性が全く見えません。
(5)責任のない立場で現実的合理性を軽視
民主党には、橋下氏がTweetで「もちろん個別メンバーは別」と語っています。私も、個人的にはまともな人もいると思います。民主党幹部は、こうしたまともな人の意見も尊重すべきと思います。
そのような度量がないというのなら、本当に沈没してしまうと思います。
私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?
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以上述べてきたことでもお分かりでしょうが、民主党は、国家にとって重要である、経済に関しても、安全保障についても、その他の重要案件でも方向性が定まらず、自民党に対して反対のための反対を繰り返すのみで、全く責任のない万年野党の立場で、現実的合理性を軽視し続けています。このままでは、民主党いうボロ船は、座して沈没を待つだけになってしまいます。そんなことで良いのでしょうか。
民主党というボロ船は沈没するしかないのか? |
そのような度量がないというのなら、本当に沈没してしまうと思います。
私はそう思います。皆さんは、どう思われますか?
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【関連図書】
民主党は、結局のところ自民党のコピーのような政党であり、コピーした分だけ劣化しています。それは、民主党政権によって、白日のもとにさらされたのですが、喉元すぎれば熱さを忘れの格言の通り、そのことが忘れられています。
そのことを思い出していただくための書籍を以下にチョイスしました。
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