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2016年10月10日月曜日

豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?―【私の論評】移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!

豊洲6000億円の移転費用、実は都民の負担はナシ!?

いったい誰が払うのかというと…

豊洲市場の水産仲卸売り場(2015年10月)
 移転費用と捻出、その内訳

築地市場の豊洲移転に関して、当初4000億円とされていたはずが、すでに6000億円もの「巨額」の事業費が投入されていることが発覚し、話題になっている。さらにここにきて、小池都知事が移転延期を表明したため、費用はさらに膨らむという報道もある。

この莫大な額をいったい誰が払うのか。都民が負担を強いられることはないのだろうか。

'13年1月の段階では「4500億円」と試算されていた移転費用。もともとこれは「中央卸売市場会計」のこれまでの蓄えである余剰金から2400億円、国庫交付金から100億円を捻出し、残り2000億円は築地市場跡の売却の一部を充てるという算段だった。

ここで登場する「中央卸売市場会計」とは、築地市場を含めて11の中央卸売市場の決算をとりまとめているもの。「独立採算制」を原則として運営されていて、都の一般会計から独立したおカネとして扱われる。

その中央卸売市場会計の平成26年度決算を見ると、まずは収益のメインは市場利用者から徴収した施設使用料で、この総収益は約187億円に達する。ここから人件費、物件費などのコストを引いて計算すると、経常利益は約1億円の黒字となる。

次に貸借対照表を見てみると、保有する資産の総額は7705億円。対して負債は2676億円、資本金4261億円、剰余金は768億円。損益状況と財務状況に問題がないことがわかるが、一方であまりにも巨額の移転費用を単独で賄い切れるほどの「余裕」はないことも見えてくる。

 実は都民の負担はなし!?

築地市場の一コマ
それではやはり、6000億円に膨らんだ事業費を捻出するために「都民の追加負担」が必要になってくるかというと、実はそうでもない。

というのも、現在の計画では築地市場跡地の売却収入が2000億円しか組み込まれていないからだ。これは公示地価をもとに都が弾いた跡地の価値3500億円の一部にすぎない。

そもそも、一般的に公示地価は実勢価格より低くなる。また、最近の地価の上昇傾向も踏まえると、築地市場跡地の実勢価格は、5000億円以上とも言われている。つまりはこれで財源は賄えてしまう。

ちなみに、中央卸売市場会計には、都の一般会計から補助金19億円が、「営業外収益」のなかに投入されている。ただこれは中央卸売市場の事業拡充のための補填であって、税金を移転費用に回す目的で入れられているわけではない。

もっと言えば、この規模の補助金を貰っている事業は他にもある。例えば都営地下鉄や都バスも、同様に独立採算制を取っている。地下鉄は東京都交通局の高速電車事業会計、都バスは交通事業会計として扱われる。そして平成26年度決算を見ると、地下鉄には25億円、都バスには12億円の補助金が入っている。

豊洲移転では、様々な問題が世間を騒がせているが、経済面で見れば、「即刻移転」の選択肢がベストだ。今のうちに早く移転を完了させれば、都民の追加コストはない。ただし、延期すればするほど、業者の維持費用がかさんでいく。

老朽化した築地市場よりも、新しい豊洲市場のほうが清潔。だからその安全性を証明でき次第、一刻も早く移転させたほうがいい。

『週刊現代』2016年10月15・22日号より

【私の論評】豊洲移転と、意思決定の問題とを分けて考えられない人は緊縮脳の恐れが(゚д゚)!

上の記事、もっともだと思います。以前も豊洲市場については、盛り土が勝手に決められていたという都庁の意思決定の問題と、豊洲移転は全く別個に考えて、豊洲移転ははやめに実行すべきであることを掲載しました。

その記事のリンクを以下に掲載します。
豊洲盛り土問題の真相〜マスコミには高校化学の知識もないのか…―【私の論評】豊洲は安全、早期に移転しないと意味がなくなる(゚д゚)!
豊洲市場
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事では、今や老朽化した築地市場よりも豊洲市場のほうがよほど安全であり、なるべく早期に移転すべきであると主張しました。

「盛り土」をしないで、ピットにした事自体については、危険でも何でもなく、むしろ良い発想であり、予定どおりに盛り土されていないということと、豊洲移転とを結びつけて、この問題が解決しないければ、豊洲移転もできないという考え方は、非常に奇異ですらあるといえます。

そうして、以前の別のブログ記事ではでは、「盛り土」しないという意思決定に関して他の事例を出して以下のような解説をしました。これは、地方自治体の意思決定のいい加減さの事例として出したものです。
それは、私が学生の時に、シンクタンクのバイトである人口10万程度の地方都市の新しい下水道の設置をするために積算をしているときに発覚しました。

私は概算を積算したのですが、どうしても市で算出した積算とは数値がかけ離れていました。私の概算のほうが何度計算しなおしても、大きい数字が出るのです。概算であっても数値にあまりの差がありました。これは自分が計算間違いをしているのかもしれないと思い、そのことをシンクタンクの主任研究員に報告したところ、概算そのものは間違いがないようなので、現地調査に行くことになりました。
しかし、その原因は現地調査をするまでもなく、その地方都市の市役所で調べたところすぐに判明しました。何と、その積算は、現在の当該市の人口が変わらぬものというか、そもそもそのようなことは全く考慮に入れず計算したものだったのです。

当時は、今と違って、その地方都市は宅地開発などが盛んで、人口が増えていました。下水道も当然のことながら、人口増を念頭に入れて積算しなければなりません。それをしないと、下水道のキャパシティが不足して、すぐに追加工事が必要となるという事態になったことでしょう。

そうして、驚いたことに、その計算をした人は、その年に高校を卒業したばかりの新人であったことが判明しました。その新人に単純に計算の仕方を教えて、でてきた計算結果について特に調べもせずに、土木課長が押印し、その上の上司の部長もこれも何も調べもせす押印していたのです。

土木課長とはいっても、たまたまそこに配置されて、土木の仕事をしているというわけで、専門家でも何でもないので、こういうことになったのかもしれません。地方自治体には、人材が不足しているので、こうなったのかもしれません。それなら、それなりのやり方というものがあると思うのですが、どうもそうはなっていないようです。 
私はこの時初めて市役所などの地方自治体の仕事は、結構いい加減なことを知ったわけです。そうして、私は他のシンクタンクでもバイトをしたのですが、そのときにも似たような話をいくつか聴きました。本当に、その当時は、それらのことに憤りを感じたものです。その憤りは今でも、感じます。積算間違いは一歩間違えば、事故を誘発します。 
このような傾向はおそらく、この地方都市だけに限らず、他の都市でもあったし、今でもあるのかもしれません。ただし、現在なら少子高齢化の傾向ですから、このようなことがあっても問題にはならないだけなのかもしれません。
地方自治体においては、このようなことは良くあることなのでしょう。結局、土木課長とか、さらにその上の部長の肩書を持つ人も、土木の専門家でも何でもないので、良くりかいできず、めくら判をおしていたということです。

そうして、東京都庁でも、同じようなことが行われていたのでしょう。東京都は、図体は大きいのですが、やはり地方自治体の悪い面が豊洲移転問題にも出てしまったのでしょう。

しかし、意思決定の手続きの問題と、豊洲の安全性や、移転などとはやはり分けるべきでしょう。移転はなるべくはやくすすめて、意思決定の手続きの問題はそれとは分けて徹底的に原因を究明し、二度と同じようなことが起こらないように、意思決定のシステムを構築しなおすべきでしょう。

意思決定の問題はなおざりはできないが・・・・・・
さて、この件については、意思決定とか安全性の問題のほかに、さらに根深いものがあるような気がします。

これは、オリンピックの問題に関して考えると、合点がいきます。様々な施設に関して、経費がかかり過ぎであることが問題になっています。

確かに、経費のかかりすぎは問題ですが、何やら最近では、国や都の財政でも、とにかく緊縮するのが絶対善であるかのような風潮です。このような人たちは、頭が緊縮にとりつかれて、脳が緊縮脳とでも形容すべき状態になっているのでないでしょうか。豊洲やオリンピックの問題に関しては、やはりこうした風潮が影響しているのではないかと思います。

とにかく、あまりにも長い間デフレが続いしまったため、家計においては何でも節約するのが善であり、それはデフレ防衛のためには、当然のことなのですが、国や都の財政にまで、それが当然というか絶対善であるかのような考えの人が多いです。特に、マスコミの報道ぶりにそのような考えがありありと透けて見えます。

マスコミや、国民が無自覚にデフレ政策を求めてるような風潮があります。 概算要求の記事などでも「もっと歳出をカットしろ」「借金するなバカ野郎」のような内容が飛び交うのが定番のようになっています。
 
需要不足のデフレ下で需要抑制策の緊縮財政を行ったら逆効果なのに、そんなこともわからない人が多いようです。無論、政府や都が際限なく公共工事を行なうといっても限界があり、その限界を超えてしまえば、公共工事の供給制約が発生してしまうとか、クラウディング・アウトが生じてしまう負の側面はあります。

しかし、バランスをとって実行すれば、それは悪いことではありません。さらに、緊縮の反対の積極財政の方法は他にも、減税や給付金などもあります。 にもかかわらず、未だに緊縮財政=絶対善、果ては金融引き締め=絶対善だと信じて疑わないようなマスコミや多くの国民が存在することに辟易とすることがあります。こういう人たちは、国や都の財政をあたかも個人の懐具合のように考えていて、国や都が大量の資金を投じて何かを行えば、そのお金は世の中からきえしまうと思い込んでいるのではないかとさえ、思ってしまうことがあります。 

国の借金という妄想に取り憑かれた、緊縮脳の人が未だに大勢いることが信じられません。以下に政府の連結バランスシートを掲載します。


このようなバランスシートをみると、したり顔で、確かに国は多くの資産を持っているが、その資産が売れなければ、意味がないなどと語る愚かな人もいます。しかし、日本国の資産の7割は金融資産です。これを真っ向から否定して、増税すべきなどという酷い緊縮脳の人も多いです。

これも、20年前くらいならメディアの偏向報道という言い訳にできたでしょうが、ネットが普及した今では、そうとばかりはいえなくなってきていると思います。日本にも、反緊縮サイトは結構あります。なのに多くの人は学ぼうともしないし知ろうとしもしなようです。既存大手メディアは、財務省や日銀などの発表を吟味することもなく垂れ流しデタラメなニュースを発信し、それを鵜呑みにしてしまう人が何と多いことか。

自分達の無知を棚上げして安倍自民党を批判してる姿に腹立たしさすら感じることがあります。 選挙を通じて緊縮財政派や半金融緩和派を国会に送り込んでるのは誰なのか、公共事業を批判してデフレを固定化させたいのは誰なのか。 世論調査で赤字国債発行に猛反対して政治家から選択肢を奪ってるのは誰なんだといいたいです。

豊洲の問題や、オリンピックの問題にしても、その背後に緊縮脳がかなり影響しているものと思います。

特に、安全性と意思決定の問題を全く分けて考えることができない人は、緊縮脳におかされている可能性が大だと思います。

【関連記事】

2016年9月15日木曜日

都議会自民“崖っぷち” 豊洲移転の延期追及から一転…世論は小池氏支持―【私の論評】ローカルでは信じられない程いい加減なことが!東京もその例外ではなかった?


内田繁氏と小池知事 写真・チャートはブログ管理人挿入 以下同じ
「都議会のドン」こと内田茂都議率いる、都議会自民党が窮地に陥っている。土壌汚染対策の決め手となる「盛り土」が一部実施されていなかった豊洲新市場(東京都江東区)について、都側の主張に沿って「安全対策は万全」として、築地市場(中央区)からの移転推進の先頭に立ってきたからだ。会派幹部らは、都職員らの「独断」「隠蔽」「虚偽説明」を責め立てているが、最大会派のチェック機能に問題はなかったのか。

28日開会の定例議会を控え、都議会が慌ただしくなっている。

各会派は続々と豊洲新市場の視察を行っており、14日は公明党都議団が現地入りする。職員の都議会への出入りも、これまでにないほど激しくなっており、都庁内には、災害や非常事態のような緊張感もみられる。

そんななか、都議会自民党は14日午後、緊急の勉強会を開催し、土壌汚染対策の最新状況について、都側から報告を受ける予定だ。移転を強力に推進してきただけに、自民党都議が職員を厳しく糾弾する可能性もある。

実際、フジテレビは13日、担当部署の現在の幹部らが「盛り土」が行われていないことを把握しながら、伝達をしていなかったと報じている。職員に対する恨み節は当然といえる。

土壌対策として本来なされるべきであった盛り土についてチャートを用いて説明する小池東京都知事

 だが、豊洲新市場への移転は、都議会自民党が石原慎太郎知事時代から推進してきた目玉プロジェクトだ。職員だけを責め立てて、「俺たちは知らなかった」ですむ話ではない。

 都政の重要政策は、ドン・内田氏率いる都議会自民党の意向を無視して進められることはなかった。幹部職員は、真っ先に都議会自民党に“おうかがい”を立てるのが常識だからだ。

 都政事情通は「築地市場の豊洲新市場への移転延期は、都民の評価が真っ二つに割れていた。都議会自民党は、移転推進派の業者と一体となって『小池百合子知事の移転無期限延期は暴挙だ。業者への補償はどうなるのか』と反転攻勢に転じる計画だった。それが今回の盛り土の問題で、世論は『小池氏はよくやった!』と拍手喝采を送っている。自民党は厳しい立場にある」と指摘した。

 都議会自民党関係者は「今回の件は、まったく知らされていなかった。移転が完全にストップすれば、業者や自治体への影響は甚大だ。都議会自民党のダメージも計り知れない。議会のチェック機能も問われる…」と絶句している。

【私の論評】ローカルでは信じられない程いい加減なことが!東京もその例外ではなかった?

市場が移転されるにあたって、都は建設予定地の土壌と地下水の汚染状況を平面で調査した結果、土壌で2地点、地下水で13地点の汚染が確認されていることがわかりました。

検出された有害物質はシアン化合物、六価クロム、カドミウム等全部で7種類ありました。

それぞれ土壌及び地下水(六価クロムを除く)での汚染が確認されています。特にベンゼンによる土壌汚染がひどく、通常の10,000倍以上の汚染が確認された地点もありました。
また、以上のような高濃度の汚染が確認された地点において、深さ方向での汚染調査が行われた所、地下数十センチの範囲で基準値を超える汚染が確認されました。

都はこのような汚染状況の対策として、「法令で求められる水準を上回る手厚い内容の対策をとる。」と説明していました。

具体的な対策案として以下のような方法が書かれています。

土壌汚染対策
ガス工場操業時の地盤面の下2メートルまでの土は、きれいな土壌と入れ替えます。その上に厚さ2.5メートルのきれいな土壌を盛ります。ガス工場操業時の地盤面の下2メートルより下の土壌から、環境基準を超える操業に由来する汚染物質を取り除きます。 
出典:東京中央卸売市場
地下水汚染対策

地下水中に環境基準を超える汚染が見つかっている区画の地下水を汲み上げて浄化します。 
出典:東京中央卸売市場
この土壌汚染対策として行われてる工程が「盛り土」というものです。実際に都のHPにある豊洲市場が完成した際のイメージ図では以下のようになっています。


この赤枠で囲っている部分が問題になっている部分です。元々の計画では、本来汚染されていた土をきれいなものと入れ替え、更にその上に土を盛ってふたをするということになっていました。

今回それが市場建物の部分は行われていなかったということで、土壌汚染対策に本当に問題はないのかという大きな問題に発展したということです。

図の青い四角の部分が、本来盛り土されるはずが、コンクリートの構築物になった部分

都は盛り土を行わなかった理由として、建物の構造上、技術的に盛り土ができないという回答をしています。

更に、水産物を扱う売り場棟の建設で配管類を通すため床下に数メートルほどの空間を設ける必要が生じたため盛り土を行わず汚染土壌を除去しただけで建設をしたそうです。

説明によると、売り場棟の下にはコンクリート層を設け安全上には問題はないとしていますが、しかし当初の説明にあった土壌汚染対策とは違う方法で建設が進められたということです。

本来盛り土を行うことで汚染への対策と安全性を主張していたはずにもかかわらず、盛り土を行わないというのであれば土壌対策はされていないという認識になるのが当たり前です。

盛り土を行わなくても安全性に問題はないという見解がありますが、地盤や建物の強度としての「安全」を言っているのでしょうか。

生鮮物を扱う上で汚染による人体への影響がないという意味での「安全」なのでしょうか。

様々な点で気になる事が明るみになっていませんが、今後の都の説明次第で、移転にも影響がでてくるかもしれません。

以下にフジテレビで報道された、豊洲市場建物の本来盛り土されるはずだった部分の地下の動画を掲載します。

実際に放送された内容の動画を以下に掲載します。




おそらく、盛り土をしていれば、これほど水が貯まることはなかったのでしょう。上の動画で、この水を都職員は雨水としていますが、そのような断定は今の時点ではできません。いずれはっきりするでしょうが、地下からの水が湧き出ているということは十分考えられます。

なお、上の動画でリスマス試験紙を用いて、PHの測定をしている議員もいて、何やら意味ありげですが、これは全く意味がありません。コンクリートの原料は石灰で、石灰はアルカリ性です。打ち立てのコンクリにたまった水が、それが雨水であろうと、地下からのものであろうと、強アルカリを示しても不思議でもなんでもないです。未だ、詳しい検査をしてみないと何ともいえません。

しかし、この地下の水が汚染されているか否かはまだはっきりはしていません。そうは言っても盛り土がされていないのは事実であり、これは大問題です。

2011~14年、約850億円かけて敷地全体を2メートル掘り下げて土を入れ替えた上で、さらに2・5メートル盛り土をする大規模なかさ上げ工事を行ったと説明していました。

盛り土をせずに、コンクリートにしたことで、経費がどの程度浮いたのか、浮いたとしたら、その経費はどこに消えたのか、徹底的に調査をしていただきたいものです。

このような事例を見ると、私はやはり地方自治体のいい加減さを思い出します。ごく最近では、富山県議の不祥事があります。

富山市議会の政務活動費の不正請求問題で記者会見する「民政クラブ」の
針山常喜幹事長(右)と高田一郎会長=平成28年9月13日午前、富山市

富山市議会で政務活動費の不正請求が相次いで発覚している問題で、民進党系会派「民政クラブ」の針山常喜幹事長(70)は13日、領収書を改ざんし政活費を不正請求するよう事務員に指示していたことを認め、議員辞職する意向を表明しました。会派会長の高田一郎氏(69)も責任を取って辞職します。

富山市議会(定数40)の政活費不正を巡っては、自民会派の議員5人が領収書偽造など不正を認め、うち3人が辞職しています。

針山氏は富山市で記者会見し、会派事務員に領収書の金額欄に数字を書き加えさせるなどして、不正請求していたと明らかにしました。水増し分は、会派の口座から針山氏と高田氏の口座に移し、選挙時に使うためプールしていたといいます。

都でもそのこのようなお金がブールされている可能性も十分にあります。盛り土をせずに、コンクリートの構造物にしたということで、資金が浮いた可能性があります。この資金がブールされている可能性もあり得ます。

この都の資金のプール(裏金)については、佐藤優氏も指摘しています。それに関しては、このブログにも掲載したことがあります。

地方自治体は、国政と比較するとなかなか報道されなかったり、問題を指摘される機会がないせいでしょうか、このような問題は全国のあらゆる自治体に蔓延しているのかもしれません。

大阪の問題に関しては、橋下徹元大阪府町・元大阪市長であった橋下徹氏が、いろいろと暴露しました。地方自治体は、東京、大阪にかぎらず、いろいろな問題がありそうです。

私自身も、学生のときにそれを経験したことがあります。これに関しては、資金的なものではないのですが、本当に驚いたことがあります。

それは、私が学生の時に、シンクタンクのバイトである人口10万程度の地方都市の新しい下水道の設置をするために積算をしているときに発覚しました。

私は概算を積算したのですが、どうしても市で算出した積算とは数値がかけ離れていました。私の概算のほうが何度計算しなおしても、大きい数字が出るのです。概算であっても数値にあまりの差がありました。これは自分が計算間違いをしているのかもしれないと思い、そのことをシンクタンクの主任研究員に報告したところ、概算そのものは間違いがないようなので、現地調査に行くことになりました。


しかし、その原因は現地調査をするまでもなく、その地方都市の市役所で調べたところすぐに判明しました。何と、その積算は、現在の当該市の人口が変わらぬものというか、そもそもそのようなことは全く考慮に入れず計算したものだったのです。

当時は、今と違って、その地方都市は宅地開発などが盛んで、人口が増えていました。下水道も当然のことながら、人口増を念頭に入れて積算しなければなりません。それをしないと、下水道のキャパシティが不足して、すぐに追加工事が必要となるという事態になったことでしょう。

そうして、驚いたことに、その計算をした人は、その年に高校を卒業したばかりの新人であったことが判明しました。その新人に単純に計算の仕方を教えて、でてきた計算結果について特に調べもせずに、土木課長が押印し、その上の上司の部長もこれも何も調べもせす押印していたのです。

土木課長とはいっても、たまたまそこに配置されて、土木の仕事をしているというわけで、専門家でも何でもないので、こういうことになったのかもしれません。地方自治体には、人材が不足しているので、こうなったのかもしれません。それなら、それなりのやり方というものがあると思うのですが、どうもそうはなっていないようです。

現在はこのような積算用のソフトウェアがあるので、作業は格段に楽になった。
しかし、最初の想定が間違っていれば、このようなソフトも無用の長物になる。
私はこの時初めて市役所などの地方自治体の仕事は、結構いい加減なことを知ったわけです。そうして、私は他のシンクタンクでもバイトをしたのですが、そのときにも似たような話をいくつか聴きました。本当に、その当時は、それらのことに憤りを感じたものです。その憤りは今でも、感じます。積算間違いは一歩間違えば、事故を誘発します。

このような傾向はおそらく、この地方都市だけに限らず、他の都市でもあったし、今でもあるのかもしれません。ただし、現在なら少子高齢化の傾向ですから、このようなことがあっても問題にはならないだけなのかもしれません。

そうして、このいい加減さは、地方都市に限らず、東京都や大阪府のような大きな自治体でも、多かれ少なかれあるのだと思います。実際、多くの人が内田繁氏が、都議会のドンであるなどということは、最近報道されて初めて知ったのではないでしょうか。

そうして、全国の他の自治体にもこのようなドンが存在するのかもしれません。私達が気づいていないだけかもしれません。

東京といっても、日本の首都という側面の他に、テレビに東京のローカル放送があるように、ローカルとしての東京があります。このローカルの東京のいい加減さが、今回の豊洲市場の問題の背景にあることが、今回白日のもとに晒されたのです。

このような問題、曖昧にせずに徹底的に調査して、二度とこのようなことが起こらないように、関係者を追求するだけでなく、システムそのものを変えていただきたいです。そうでないと、このような悪い体質は温存し続けることになると思います。

そうして、小池知事には是非東京だけに限らず、全国の他の自治体においても、このようないい加減さを排除するためにも、その先駆けになっていただきたいものです。また、私達もいままで以上に自分たちの身近な地方自治体に関心を持ち、何ができるのか考えていきたいものです。

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