2009年12月1日火曜日

日銀、臨時会合で10兆円規模の資金供給を決定 デフレ・円高克服へ-政府や日銀は歴史という法廷に立つ覚悟はあるのか?

日銀、臨時会合で10兆円規模の資金供給を決定 デフレ・円高克服へ(この内容、すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)



 日銀は1日、臨時の金融政策決定会合を開き、新しい資金供給手段の導入で10兆円規模の資金を供給し、やや長めの金利低下を促す方針を決めた。
 固定金利0.1%で、国債や社債、コマーシャルペーパー(CP)などを担保に融資するもので、供給期間は3カ月間。金融市場に一層の資金供給を続けることで、デフレや円高克服に向け、政府と歩調を合わせる姿勢を鮮明にする。日銀が臨時の金融政策決定会合を開くのはリーマン・ショックで金融市場の混乱が続いた昨年12月以来、約1年ぶり。
 日銀の白川方明総裁は2日、鳩山由紀夫首相と経済情勢について意見交換する予定。会談を前に、新たな金融緩和策を打ち出すことで、景気の「二番底」突入を食い止める効果を狙ったものとみられる。
 日銀は声明文で「極めて低い金利でやや長めの金利のさらなる低下を促し、金融緩和の一段の強化を図る」と説明した。

しかし、上記の措置、あまり効果は、なく日銀の追加策はターム物オペ新設のみのため、市場は円買いに反転した。

 日銀の追加緩和策が資金供給オペ(3カ月、金利は0.1%)の新設にとどまったことから、より踏み込んだ対応策を読み込んでいた金融市場では、日中の取引から一転して円債が売られ、為替市場でも円が買い戻された。

 市場からは、臨時の金融政策決定会合を開いた割には追加策は小粒で、日銀に対する政府の圧力は続く、との見方が出ている。

 円債の東証夜間取引(イブニングセッション)では、国債先物が日中終値を下回って推移。一時日中終値を32銭下回る140円15銭まで下落した。参加者からは「日銀が国債買い切りの増額にも利下げにも踏み切らず、一部で失望売りが出た」(外資系金融機関)との声が聞かれた。

 みずほインベスターズ証券シニアマーケットエコノミストの落合昂二氏は「デフレと円高対策には、ほとんど効果はないと思われる。政府の要請に応えたという感じで、失望的な内容」と述べている。

 為替市場では円が買い戻され、ドル/円は87.50円付近から86.81円まで、ユーロ/円は131.25円付近から130.23円付近まで急落した。大規模な量的緩和策の導入を期待する声が上がっていた市場では「内容が失望された」(外銀)。

 バークレイズ銀行FXストラテジストの逆井雄紀氏は「為替市場の一部では、介入関連のなんらかの措置を期待する向きもあったが、実際は、政策金利を据え置き、特段目新しい材料もなかったため、円の買い戻しを誘発した」という。

 日銀の追加策への市場の思惑は続きそうで、住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は「政府は国債買い入れを望んでいたとみており、十分に満足しないかもしれない。鳩山首相との会談では、一段の緩和要求が出る可能性もある」と話す。 

政府や日銀は歴史という法廷に立つ覚悟はあるのか?
日銀の追加緩和策が資金供給オペ(3カ月、金利は0.1%)の新設にとどまっのは、残念なことです。鳩山首相は、赤字国際を刷りたくないないばかりに、日銀に対して、緩和要求をしたのでしょぅが、この程度では、焼け石に水くらいの影響力しか発揮できません。海外アナリストは、日本のことは良くは知りませんが、経済に関しては敏感です。これでは、納得しないでしょう。

さて、国も、努力を続けていかなければなりません。日本の公共投資実は、10年ほど前から、ほとんど伸びていないどころか、暫減傾向にあります。ところが、先進国はもとより、新興国もこの10年間で公共投資が幾何級数的に伸びています。日本だけが、延びていません。

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏が、日本の失われた10年の状況について、このように述べています「日本の経済を通行人、日本政府の経済対策を車にたとえると、本当は、車に人を乗せて走り去ってしまえばすぐに経済は速やかに回復するのに、日本の場合は、不十分な対策を行い、車で人を轢いているようなものだ。もっと悪いことに、日本の場合は、人が車を轢いても、そのまま立ち去れば良いのに、危険を感じて、車がバックして、轢かれた人をもう一度轢いているようなものだ」語っていました。

まさに、そのとおりで、日本では、いわゆるバブルになって経済が一時停滞したという教訓が強すぎて、あまりにも及び腰になってしまい、本来は発生させなくてもよかったいわゆる「失われた10年」を招来してしまったのです。

この傾向は、その後も色濃く引き継がれて、政府も、日銀も及び腰です。今は、100年に一度の金融危機の最中にあるわけですから、これは、ほんの少し手当てをしたからといって、なかなか景気は浮揚しません。思い切った手が必要です。私は、このブログで日本の実体経済を良くするには、社会変革が必要だということをずっと主張してきました。しかし、社会変革を実行するためには、前提条件があります。まずは、金融経済を良くする必要があります。実体経済と、金融経済とはまた異なります。そのためには、日銀は、さらなる、大きな金融緩和措置をとるべきです。数年間で、100兆円くらいは明示して行うべきです。さらに、政府も、さらに、強力な公共投資を少なくとも、単年度で数十兆は実施すべきです。

それをしたから、といって以前にも、このブログに過去にも掲載したように、日本が財政破綻することはありません。ただし、一時的に赤字国債を刷らなければならない状態にはなります。それで、国民の借金が増えるということはありません。

何か、日本の政府(過去の自民党も含めて)も、日銀のやり方も、まるで、家計か企業の会計を考えているではないかと思えるほどやることが、小さすぎます。日本の経済はそんなものではありません。マスコミがいくら、卑下するからといって、実際の身の丈をあまりに知らなさ過ぎるのではないかと思います。

人間も、身の丈に合わないことをするなといわれていますが、政府や日銀とて同じことです。あんまり、チマチマしたことをしていると、また、クルーグマン氏に揶揄されてしまいます。今やるべきことは、チマチマして、デフレスパイラルに入ることよりも、緩和策をやりすぎて多少のバブルやインフレになっても已む無しという考えで、財政、金融政策を実施することです。日本なら、ここしばらくハイパーインフレになって、さらに、バブルになり、バブルが崩壊しても何とかやりようがあります。しかし、デフレ・スパイラルは非常にまずいです。デフレ状況が30年くらいも続けば、日本の実体経済もかなり悪くなり、立ち直ることはできないでしょう。ある人がその内容の是非はともあれ、「日本人がアルゼンチンタンゴを踊るとき」などという本を出版し、アルゼンチンの経済危機を例に挙げながら、日本経済のことを論じていました。このまま、デフレを容認すれば、私たちは、30年後には本当に「アルゼンチン・タンゴ」を踊らざるを得ない状況に追い込まれるかもしれません。

現在の財政や、金融政策がお粗末で、仮にデフレ傾向がしばらく続いてもここ30年くらいは日本の経済は安泰でしょうが、その後はどうなるかわかりません。事業仕分けの、結果に反論するある学者が「歴史という法廷に立つ覚悟はおありになるのでしょうか」という言葉を語っていました。名言だと思います。私は、この言葉を、今の政府の幹部や、日銀幹部に対して語りたいです。


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2009年11月30日月曜日

米Microsoft、Office / SharePoint Server / Visioなどの2010 β版を公開-最近家では、使わなくなりましたが・・・・・?!

米Microsoft、Office / SharePoint Server / Visioなどの2010 β版を公開(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください) <警告:なぜか、この記事、不具合があり、マイコミジャーナルのコラムがいくつも表示されたり、○が縦一列に並んで表示されることがあります。その場合は、一番上の灯台マークのついたタイトルをクリックして、該当記事のみご覧になってください、そうすると正常に見ることができます。現在原因究明中です。しばらくの間ご迷惑をおかけしますが、ご容赦をお願い申し上げます。>



 マイクロソフトは11月30日に記者会見を開き、次期オフィススイートの「Office 2010」関連製品について説明と新機能のデモンストレーションを行った。Office 2010は2010年上半期にリリース予定で、2009年11月19日にはベータ版の提供を開始している。

 Office 2010は、PC、携帯電話、Webブラウザの3つのスクリーンで、それぞれ最高の操作性を実現するとした同社の戦略を実現する初めてのバージョンとなる。現時点ではWeb版の「Microsoft Office Web Apps」が未完成であるため、具体的にPC版とWeb版で機能差がどうなるかという点は確定していないものの、どのバージョンで閲覧・編集してもラウンドトリップが可能になるという。デモンストレーションでは、PC版とWeb版のほか、携帯電話版でもPowerPointの資料が同様に閲覧可能である様子を示した。

最近家では使わなくなりましたが・・・・・・?!
β判がリリースされましたが、かなり、高機能になって、パワー・ポイントでは、動画の編集もできるとか・・・・・。それに、上のMovieのように、ものすごいプロモーションもやっているようです。私自身は、インストールする気もありません。家では、ほとんどOpen Officeを使っています。

Open Office、前のバージョンのOfficeとの違いは、罫線て点線がひけないことくらいだそうです。しかし、自宅で用いるなら、別に点線が引けなくても何の不自由も感じません。今回、新製品が発表されても、何かあまり感動を覚えません。何か、ワープロや表計算がただ複雑になっただけのような印象を受けます。

マイクロソフトOfficeにこれだけ興味がなくなってしまったのは、やはり、特に表計算ソフトや、パワーポイントなど、マイクロソフトの独壇場というか、すっかり、独占状況になってしまったからだと思います。特に、こ10年くらいは、それなりに、Officeは改善などされているのでしょうが、あまり興味もないし、実際さほど変わっているようにも見えません。

そういう意味で、Officeは面白みがなくなったと思います。昔、まだ、Windowsもなかったころ、さまざまなタイプのワープロソフトがあったのが懐かしいです。私は、個人的にはP1exeというワープロを使っていました。それに、表計算もLotus123なんてものがありましたね。あれも、懐かしいです。こちらには、ワープロ機能をアドオンできるようになっていて、それをわざわざ買ってインストールして使っていました。確か、4wordという名称だったと思います。これは、表計算とワープロを渾然一体として使えるので、かなり重宝しました。私は、未だに理解できないのですが、何でもかんでも、表計算で済ませようとしている人がいて、長文の報告書など書いていて、後から修正しようとして偉い苦労をしている人がいますが、このような方には特にお勧めのソフトでした。

これらの、ソフト、考えてみると、昔はハードディスクが普及していませんでしたが、起動用のフロッピーディスク、データ保存用のフロッピーディスクの2枚と、わずかのパソコン本体のメモリーで動いていたんですね。今だと考えられないです。でも、あれから、私たちの創造性、そのものはどうなのでしょうか?あまり変わらないような気がします。

とにかく、独壇場とか、独占などは、ソフトの世界に限らず、企業に慢心をおこさせるものであって、決して良い事ではないと思います。さらに、消費者にも選択の自由がなくなるし、競争もなくなるためいろいろなタイプの商品が出てこなくなるということで良いことではありません。企業経営者というものは、自社のシェアが伸びすぎた場合、それを是正するようにすべきです。全部を独占した場合、慢心がおこり、改善・改革の意欲が薄れます。それは、過去に崩壊したソビエト連邦や、東ヨーロッパの国々を見ていれば理解できることです。

先日、Google Chrom OSが発表されましたが、これがこうした風潮を打ち破る切っ掛けになってくれれば、良いと思います。クラウドの中で、いろいろなタイプのワープロ・ソフトとか、表計算ソフトなどが出てくれば良いと思います。

すでにそのような動きが出ています。たとえばGoogleDocsの中には、テンプレートが投稿できるようになっています。その中に、あるアメリカのBusiness Planのテンプレートがありました。これを埋めることができれば、アメリカの銀行からお金を借りる可能性がかなり高ます。かなり標準的なものであり、おそらく、実際に銀行から投資をしてもらったことがある人が作成したテンプレートなのだと思います。

MicroSoft OfficeもWeb上に公開するそうですが、こうしたものが、ほかにもいくつか出てきて、こちらもテンプレートを投稿できるようになると思います。こうした動きが重なり、また、昔のような状況に戻していただきたいものです。EUなどでは、独占禁止法で、マイクロソフトにある程度縛りをつけているようですが、そこまでしなくても、他社も努力しているので、いずれまた、新たな時代に入っていくのではないかと期待しています。


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2009年11月29日日曜日

露、仏の最新鋭揚陸艦購入交渉…周辺国は懸念-マクロ経済音痴には見えない日本再軍備の行く末?

露、仏の最新鋭揚陸艦購入交渉…周辺国は懸念(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

仏揚陸艦「ミストラル」


オランダ揚陸艦「ヨハンデウッド」

 ロシアのプーチン首相は26日、パリでフランスのフィヨン首相と会談し、ヘリコプター空母としての機能を持つ仏海軍の最新鋭強襲揚陸艦「ミストラル」級の購入について協議した。

 ロシアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国に大型兵器の輸入を打診するのは極めて異例。合意すると初のケースとなるが、ロシアに接するリトアニア、エストニア、グルジアなどは安全保障上の懸念を深めている。

 プーチン首相は27日、パリ近郊ランブイエで記者団に、「(購入を)最終決定したわけではない」と述べたが、仏紙フィガロによると、交渉はすでに最終段階に入っているという。

 ミストラル級は仏海軍が2隻を建造し、2006、07年にそれぞれ就役。現在3隻目の建造が進んでいる。全長約200メートルに達し、要員1000人程度に加え、ヘリコプター16機を搭載し、6機の同時離陸が可能。戦車13両も搭載でき、作戦指揮艦、病院船としての機能も持つ。推定価格は5億ユーロ(約650億円)。

 同紙によると、ロシアは昨年のグルジア侵攻で兵員派遣に手間取ったことへの反省から、ミストラル級に関心を持ったという。サルコジ仏大統領はグルジア危機の際、欧州連合(EU)議長国の元首としてロシアとグルジアの停戦を仲介しており、軍艦売却を目指す今回の攻勢は国際社会の反発を招く可能性がある。

 ロシアはミストラル改良型1隻の購入に加え、フランスからの技術移転を受けてヘリ空母4隻を国内で建造したい考え。技術獲得による海軍力強化が狙いとみられる。仏海軍は、プーチン首相の訪仏前の今月下旬、ミストラルを首相の地元サンクトペテルブルクに入港させ、露海軍将校などへのお披露目も済ませている。

マクロ経済音痴には見えない日本再軍備の行く末?
さて、ロシアがこの揚陸艦を購入するということで、周辺国が懸念しているそうです。ミストラルのほかには、オランダの「ヨハンデウッド」も候補に挙がっていたそうです。しかし、私は、さほど懸念するほどのことではないと思います。ロシア軍には、昔から大きな揚力艦がありました。水陸両用のかなり、大きなホバークラフトの揚陸艦もありました。

おそらく、今回の購入は、自ら開発するよりは、他国のものを購入したほうが、開発コストも含めた場合有利であると判断したためだと思います。外国の揚陸艦を購入するということは、外国、特にNATOに参加している国から購入するということは、最初から相手方に弱点をさらしているようなものです。戦争になったとしたら、部品などどうやって手に入れるのでしょうか?むしろ、ロシアの開発技術が遅れてしまっていることを如実に示しているいるのであり、軍事的脅威は以前より和らいだとさえいえるのではないでしょうか?

さて、ロシアがこういった買い物をするという程度で、周辺の国は懸念を発しているわけです。では、日本が核兵器も含めて本格的に「再軍備」を進めるとしたら世界はどうなるでしょうか?

このようなこと、日本ではここしばらく考える必要などなかったのですが、実はこのブログの購読者の方から次のような質問がありました。「友人の勧めで田中宇氏の国際ニュースを時々みているのですが多極主義の裏読みをされています。アメリカ一極主義が崩壊して多極化していく世界についてどのように思われていますか」。本日は、この質問に関して、現在の私の知見から述べて見たいと思います。

まずは、オランダですらも、上記のような「揚陸艦」を自前で建造しているという世界の現実を認識していただきたいと思います。人口、1600万人、面積は、ご存知のようにかなり小さいです。最近は、派遣社員の位置づけなどに関しての先進事例として、よくテレビなどで報道されています。

この国が、揚陸艦を自前で建造して運用しています。何に使うのでしょうか?まずは、EU諸国内や外であっても、EUなどに直接利害からむことがら、あるいはNATO諸国で直接利害が絡むことがあれば、この船をさしむけて、軍隊を揚陸させるということだと思います。あるいは、自国が危機にあったとき、一時軍隊を近くの外国などに退避させ、時がくれば、自国に大量の軍隊を揚陸させるという意味合いもあるのだと思います。

この小さな国ですら、防衛のために、ロシア軍が欲しがるような揚陸艦を備えているということです。日本は、長い間、安保体制の中で、安全保障を考えてきたことや、憲法上の問題から、日本の経済力からすれば、貧弱な軍隊しかもってこなかったし、すっかり平和ボケになったと思います。

しかし、アメリカの経済力などが、以前と比較すると弱くなってきていることから、いわゆるパクスアメリカーナの時代がいつまでも続くとは考えられません。アメリカの覇権が弱まってくれば、多極的な時代になるのは、目に見えています。

その最中にあり、もし日本が今後30年以内くらいに、本格的な「再軍備」をした場合、世界の現在の軍事バランスは完全に壊れると思います。この30年とは、世界の経済を見た場合、中国の経済力がかなり増してきて、一人あたりのGDPが日本の1/5(現状は1/10近くになろうとしているが、私自身はこの統計は信じていません)くらいにはなっているからです。しかし、30年を超えて、最長50年後までをみると、中国の一人当たりのGDPは日本の1/5程度になっているかもしれません。といことは、国全体では日本の倍ということになります。さすがに、いかに一人あたりのGDPが日本よりかなり低くいとしても、国全体で倍ともなれば、どういうことになるか見当がつきますね。

さて、現在の世界の軍事バランスが崩れるとは、どの程度になるとかとえば、おそらく軍事的には、大西洋、ヨーロッパ、中東、ロシアを含む地域は、アメリカが覇権を握り、この地域だけでは従来のアメリカと変わらないような覇権を発揮します。環太平洋地区、太平洋、アメリカ南北大陸、中東を除くアジア全域は、日本が覇権を発揮し、従来のアメリカの肩代わりをすると思います。この2局体制が続くものと思います。

この、推論の背景には、日本の国力があります。日本の国力については、特に日本の国民がオバカなマスコミに操られて、日本を矮小化しすぎて捉えていることがあります。正当に評価すれば、このような考えに至るはずです。

このブログで以前掲載したように、赤字国債をかなり刷ったとしても、日本国が財政破綻することなどあり得ません。日本の財政破綻が何を意味するのか、分かっていないマスコミなどを筆頭にしたマクロ経済音痴の連中がこのような馬鹿げた、空念仏を唱えているに過ぎません。

アメリカが金融危機になった程度で、ご存知のように世界経済は、かなり影響を受けました。日本が、財政危機などではなく、本当に財政破綻などしたら、それどころではありません。金融危機ではなく、深刻な金融恐慌が世界を覆うことでしょう。無論間違ってもそんな事態にはなりませんが、もし、そのような兆しが見られたら、アメリカをはじめ世界の各国がそうなる前に日本に対してかなりのてこ入れをすることでしょう。それに、もし本当にそうなったら、世界の中でも、中国は、かなりの打撃を受けることでしょう。なぜなら、中国の経済活動のかなりの部分は、日本との合弁企業等で達成されているからです。おそらく、ガタガタになるでしょう。韓国、東南アジアも同じことです。

日本という国には、実は、金融資産(マネー)が、ギッシリ詰まっています。国民の金融資産が、1000兆超、政府の金融資産も、数百兆はあります。最近の円高でもっと増えたかもしれません。それが、市中に出回らないから、今はデフレなどに見舞われています。実は、他国と比較すれば日本くらい経済運営の簡単な国はないのです。さらに、マスコミなどに踊らされた、従来の自民党や、違った意味でマスコミに踊らされ、実質的に政治ではなくて、選挙運動ばかりやっている現民主党などが、かなりまずい経済運営をしたとしても、その影響は軽微でありその事実には変わりありません。ただし、国の中でいろいろな、不均衡が発生して、不均衡にさらされる人にとっては、大きな問題となるでしょう。しかし、国全体としてはそんなことはありません。

こうした経済力を裏づけとして、さらに日本の高い技術水準をもって、日本が30年以内に再軍備した場合、ロシアが揚陸艦を購入する程度のインパクトではすみません。おそらく、今までの軍事バランスが完全に崩れ、世界は、アメリカと日本の二極体制になるでしょう。なぜなら、日本は、アメリカを敵に回したくないし、アメリカも日本を敵に回したくないからです。両者とも、互いに対等なパートナーとみなし、協調路線をとることでしょう。そうして、今後の世界を考えた場合、世界中の人々にとってその方が良いに決まっています。ロシアや、中国の覇権が強固になったとしたら、どうしますか?あるいは、イスラム原理主義者の覇権が強固になったらどうなりますか?

ただし、30年以上経て、50年後ともなれば、どう考えても日本が再軍備をしたとしても、そのときは手遅れです。おそらく、中国はじめとする東アジア諸国が台頭して、逆にEUや、アメリカが衰退していますが、なお、ある程度力を有し、世界は完全に多極化を迎え、軍事バランス的にも非常に複雑になり、紛争や戦争なども頻発することでしょう。日本も、アメリカや中国、ロシアその他の国々の狭間で、かなり難しい外交戦略を迫られることになるでしょう。

さて、この私の知見からの見方、本日は、単刀直入に示させていただきましたが、その根拠などもっと詳細に、それに、これからどうなるか、これからも検証を続けてその結果などブログに掲載していきたいと思います。

さらに、余計かもしれませんが、民主党は、今までの自分たちのマクロ経済音痴を反省し、国民に謝って素直に赤字国債を刷ればよいのです。役人の無駄遣いを全部除去したとても、今の日本の経済の規模を考えれば、さほど大きなものにはなりません。

このままでは、いずれこのような豊な国の政府で経済運営も楽であるにもかかわず、財源が尽きるのは目に見えています。今のところは、どうにかなるかもしれませんが、時間の問題です。そうなれば、満足な雇用対策も何もできなくなります。それは、あたかもこのような豊な国あって、派遣社員切りにあう、若者のようです。何も、いつまでも、赤字国債を刷り続けろなどと言っているわけではありません。今は、百年に一度の金融危機といわれて言います。逆の角度から見ると、他の時はそれほど刷らなくても良いのですが、ここ2~3年は、百年に一度の刷り時だということです。



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2009年11月27日金曜日

工人舎、10.1型ワイド液晶を2枚搭載したデュアルディスプレイノート-これってかなりのイノベーションかも?!



http://journal.mycom.co.jp/news/2009/11/27/083/index.html

これは、かなりのイノベーションかもしれない?!
私は、UMPCなどで大型画面をつけるとすれば、外部ディスプレイに接続するくらいしかできないと思っていましたが、こんなやり方もあったんですね。まさに、コロンブスの卵という感じです。見れば、すぐわかることなのですが、なかなか思いつくものではありません。これを考え付いた人すごいと思います。

外部ディスプレイではなく、画面を大きくしようと思えば、いつの時代になるかはわかりませんが、おそらく、折りたたみのできるディスプレイができて、初めて可能かなと思っていました。2枚使用時は最大で2,048×600ドットという、モバイルノートではありえなかった広大なデスクトップが使用できるのがすごいですね。液晶にはLEDバックライトを採用しているので、2枚重なっている状態でもそれなりに薄さは保たれているのもすごいです。

私は、工人舎が初めて世の中に出したマシンであるSAシリーズを購入しましたが、あのインパクトもすごかったですが、このマシンのインパクトは、そんなものではありませんね。この考え方、特許をとっているのでしょうか?もし、そうなら、ここしばらくノートは工人舎の独壇場になるかもしれませんね。やはり、モバイルは、軽くていいですすが、画面が小さいということがネックでしたが、完全に克服できましたね。画面を大きくしても、重量はさほど増えていないようなので、これもさらに魅力です。

これは、一見、奇をてらったマシンのようにも見えますが、実はかなり熱を入れたマーケティングをしていると思います。UMPCがどのようなシーンで用いられているのか、もっと使いやすくするにはどうしたらよいのか、そうして、行き着いたのが、やはり画面を広くすることだったのだと思います。UMPCの利便性を残しつつも、画面を広げる、でも単純に画面を広げるだけでは、筐体も大きくせざるをえない、この矛盾をどうやって克服するのか、真剣に考えた結果のブレークスルーが、液晶画面を二枚にするという方法だったのだと思います。別に小さなUSBディスプレイを添付するというような、陳腐な方法にこだわっていたら、このようなイノベーションはできなかったと思います。

これは、素晴らしい差別化だと思います。差別化に関しては、このブログではAmazonの事例など掲載しました。これらの事例では、顧客とのリレーションシップ(関係)を強化するというものでした。しかし、工人舎の例では、既存の技術の組み合わせでありながら、それまでにはない製品そのものを創造したということで、いかにもモノづくり日本の企業らしいイノベーションだと思います。この事例を見ていて、まだまだ、パソコンなどの分野でも工夫する余地はあるのだと思い知らされました。今後、人件費の高い日本などでは、こうしたイノベーションを積み重ねていくべきですね。

DZシリーズは、画面が10.1であることから、必然的に筐体も、SAシリーズ(7インチ)よりも、キーボードが大きいですから、その面でも使いやすいと思います。SAシリーズで失敗したと思ったのですが、筐体をあまりに小さくすると、キーボードも小さくせざるをえず、実用的には使えないです。やはり、キーボードは使えたほうが良いと思います。そのためと、あと、CPUが今ではお話にならないほど低い能力なので、私は、元祖のSAシリーズはほとんど使っていません。使うとすれば、メディアプレイヤーとして使っています。ほとんど、動画を見たり、音楽を聴くためにだけ使っています。ほとんどiPODのような使い方をしています。

従来から、小さなUSBディスプレイなど販売されていましが、結局買う気にはなれませんでした。外出時などでは、UMPCの小さな画面で我慢するしかないと思っていました。しかし、これで、十分画面を広く使うことができます。すぐ、手元でみるなら、動画など、一つのディスプレイで十分だと思います。もし、どうしても、大きな画面でみたければ、大きなディスプレイにつなげば良いと思います。

この大きな画面、ブログなどのコンテンツを書くときに効力を発揮しそうです。私は、ブログを書く際には、大きな画面で、ブログを書くウィンドウ、資料のウィンドウを2~3開き、場合によっては、これにさらに、動画のウィンドウを開いているときもあります。これだけのウィンドウを開いて、作業をするということになると、UMPCの小さな画面だとほぼ絶望的であるため、ブログを書く際には、UMPCを使ったことはありません。外出中などに、たまに書く事もありますが、そのときには、かなり制約を感じていました。画面に出すのは、ブログを書くウィンドウと、一つの資料をウィンドウを出して精一杯という感じて、あとは、入れ替わりで表示するという感じでした。しかし、このマシンならば、これを一挙に表示しても大丈夫ですね。

このUMPCのデュアルディスプレイ、他のノートにも広がっていくかもしれません。皆が皆、大きな画面を必要としているとは限りませんが、かなり多くの人が必要としているのも事実です。でも、ある一定以上の市場をおさえるのは間違いないと思います。素晴らしい差別化だと思います。


それにしても、最近、アマゾンドットコムで、UMPCを購入したばかりで、まだ家に届いていないです。今週の日曜日につく、予定です。もう少し待って、これにすれば、良かったという気もしてきました。まあいいか、とてつもなく安かったですから。うーん。残念。次の機会には狙って見たいです。
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工人舎パソコンSAF00Aを購入してしまいました

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2009年11月26日木曜日

「国民全体の問題」=「赤ちゃんポスト」検証会議座長が会見-熊本・・・・・赤ちゃんポストの問題は実は財務省・事業仕分けにまでつながる!?

「国民全体の問題」=「赤ちゃんポスト」検証会議座長が会見-熊本(この内容すでにご存知の方は、この記事は読み飛ばしてください)


日本熊本の赤ちゃんポスト

赤ちゃんポストを内側からみたところ(ドイツ)

「赤ちゃんポスト」に関する最終報告書を公表した検証会議の座長を務める柏女霊峰・淑徳大教授は26日、記者会見し、「全国から預け入れがあるなど、国民全体の問題。県や市だけで取り組むような問題ではない」と話し、国が主導して妊婦の抱える問題ついて検討する必要性を訴えた。

 柏女教授は、ポストの利用状況について、「やむを得ない事情による利用もある一方、『(出産を)なかったことにしたい』などと、(母親の)倫理観を疑うような例もあった」と話し、運用の難しさをにじませた。

 慈恵病院にポスト設置を許可した熊本市の幸山政史市長は、「多くの命が救われたとの総括で、正直ほっとしている」とした上で、「利用されない方が望ましいという考えに変わりはない」と述べた。
 また、慈恵病院は「報告書によく目を通した上で、与えられた課題などを含めて十分な検討をし、対応していきたい」とコメントした。

赤ちゃんポストの問題は実は財務省、事業仕分けにまでつながる!?
■緊急避難的な意味合いで「赤ちゃんポスト」は必要か
赤ちゃんポスト設置の目的は、望まれない赤ちゃんを殺害と中絶から守ることにあります。新生児では外界に対する適応力(恒常性を維持する能力)が弱く、また単純にいわゆる「捨て子」として何らかの施設前に放置されると野犬や低体温症・熱中症といった脅威に晒される危険性すらあるため、これらの危険から守るために設置されています。

設置に際しては、しばしば「捨て子」を容認するのかといった議論にも発展するシステムではありますが、それ以上に「捨て子」が依然として存在している以上、それらの新生児は早急かつ安全に保護されてしかるべきだという議論もあり、道徳と人道の双方の観点からの議論があります。

道徳と、人道上の問題に関しては、私自身が述べるには、あまりにも大きな問題であると思いますので、ここには、掲載しません。しかし、「捨て子」という問題が現在でも厳然として存在する以上、この問題を放置しておくわけにもいかず、かといって、道徳的、倫理的な観点からどう問題を解決すべきかなど論議されつくしてからどうするなどのことを待ってから問題解決していては、間に合わないところもあり、私自身は、緊急避難的な意味合いからに「赤ちゃんポスト」の設置には賛成です。でも、本来的にはないほうが良いとは思っています。

■赤ちゃんポストは根本的な問題の解決にはなっていない
ただし、「赤ちゃんポスト」は緊急避難に過ぎず、根本的な問題の解決にもなっていないことは明らかで、では、どのようにして根本的な解決をすべきかを真剣に論議しなければならないと思います。しかし、これに関しては大きな社会問題で簡単に結論を出せるものでもないし、また、捨て子をする親の方にも、種々様々であり全国一律の解決方法など存在しません。ただ、困っている親にお金を与えればすむというような簡単な問題ではないと思います。最近は、少子高齢化の傾向が顕著であり、こうした問題は、いうまでもなく、「国民全体」の重大な社会問題であると考えるべきです。

このような問題昔であれば、一般の家庭でも三世代も同居しているのであれば、今のようにある程度経済的に恵まれている時代であれば、かなりの問題が解決できたと思います。この問題に限らず、たとえば、派遣切の問題などもかなりの問題が解決できたと思います。しかし、現在では昔と比較して、経済的には豊になったものの、大家族から核家族になってきたことによる問題が増えています。

この問題とは一見全く関係ないようにみえながら、実は非常に密接な関係があるファミリーレスランがあります。ファミリーレストランは、当時は新たな家族関係の象徴でもありました。このレストラン、創業の当初は、核家族を意識しながりも、まだまだ大家族のライフスタイルを引きずっていました。ファミリーレストランにいけば、子供から、夫婦、おじいちゃんん、おばあちゃんまで満足できる料理がありました。

今から、30年ほど前くらい、ファミリーレストランができあがっから、今から10年くらい前までは、核家族化の本当の問題は表面化していなかったのだと思います。ここらあたりまでは、核家族とはいいながら、核家族になってから一世目(初めて核家族になった世代という意味)が多かったのだと思います。しかし、最近では、核家族二世とか、若い人であれは、結婚しなか、できないでいるか、結婚したとしたら核家族三世になる人も増えてきているのだと思います。

今年、スカイラークの旧来型の店舗がすべて閉店してしまったことは本当に象徴的なことだと思います。これらのレストランが繁盛していた時代は、核家族化がはじまりながら、まだ、核家族化の弊害ではなく、プラスの面が多かった時代であり、それが日本国内で深く進展し、そろそろ10年前くらいからは、核家族化の弊害が目立つようになり、そうして、旧来型ファミリーレストランがなくなった今年からは、弊害がかなり目立つ時代に突入したのではないかと思います。

特に最近では、核家族二世と、結婚していない若者か、結婚して核家族三世の時代に完全に突入しているのだと思います。核家族一世、二世までは、またまだ、大家族主義や日本古来の家という考えをひきずっていて、たとえ家庭を築いて、核家族としての生活をしていても、精神的には、まだ、親の世代とも近く、頼ったり相談などしやすかったのだと思います。ただし、三世にもなると、完全に大家族主義は崩壊してしまったのだと思います。それとともに、家の制度の良いところが失われ、大家族であったからこそ、伝承された子育ての知恵や、その他、性に関する知識や、倫理観などの伝承もされなくなったのだと思います。

親の方も子供に頼るとか、世話になるという気持ちはなく、そのかわり、子供が成人してからは、たとえ精神的であっても、助けるということをしない、子供の方も、親の面倒を見るとか、世話をしたりとか、あるいは逆に精神的にでも頼るなどとい気持ちもないのだと思います。それと、大家族主義の時代であれば、親から家をついだ人なら、ある程度経済的にも恵まれていたのですが、今は、バラバラになってしまったので、一つ一つの家庭が自ら努力して、資産を築かなければならなくなったというところがあるのだと思います。

子育てなども、昔なら、親や兄弟、姉妹、あるいは叔父叔母などに相談できたり、あるいは頼ったりということができたのですが、今ではそうはいかなく、核家族の特に若い主婦にかなりの負担となっているのだと思います。また、派遣切の問題もそうです。昔であれば、たとえば、少しの間実家に帰って、稲作の手伝いをするとか、店などの手伝いをするなどですんでいたものが、今は、帰る家もないという状況になっているのだと思います。昔だと家をついだ人のところもしく、親族で最も裕福な人に若い人が少しの間世話になるなどのことは何も珍しいことではありませんでした。

日本は、核家族化の問題は過去の問題だと思っている人も多いようですが、上で述べたように、その弊害が特に若い世代にも降りかかってくるようになったのは、ここ10年くらいのことだと思います。多くの日本人は、核家族主義ということで、昔の社会(特に家という概念)を壊してきたのですが、壊すだけで、それを補うような社会のシステムを構築してこなかったのだと思います。

だから、直近では、デフレなどの問題もありながら、50年ほど前から比較すれば、それでもはるかに豊になったはずなのに、まだまだ、50年前のような捨て子や、雇用の問題などが残っているのだと思います。これは、本当に恥ずべき問題だと思います。

だからといって、この問題をどう解決すべきでしょうか、政府や自治体ではなかなか無理です。どうしても、全国一律の解決方法とか、画一的なものにならざるを得ません。それに、今でも実際に捨て子があるということから、今までは解決できなったということです。かといって、民間営利企業ではますます無理です。さらには、個々人の努力でもどうにもなりません。病院などでは、赤ちゃんポストを設置して、赤ちゃんが健康を損ねていれば、それを直し、施設に渡すことまでしかできません。さらに、受け取った施設では、その子をある年齢まで育てることはできますが、それ以外にはできません。普通に生活している人が、捨て子の問題に関して、直接動くなどのことはなかなかできません。

■NPO(非営利企業)が活動できる土壌を醸成する必要がある
こういった、大きな社会問題、日本の場合は、ここで行き止まりになってしまいます。八方塞になってしまいます。そのために、多くの人々が閉塞感にさいなまされています。こういった、大きいな社会問題に対処するには、やはり、それを解決することを人生の目標、目的とする社会問題の専門家が必要です。専門家といっても、学者が必要といっているのではありません。

たとえば、社会学者などの学者は、社会問題を的確に捉えることには、役に立ちます。それは、それで立派なことです。十分学者としての使命を果たしていると思います。しかし、それを具体的に解決することは無理です。せいぜいできることは提言です。上の記事にで掲載してあるような人々は、結局、集会や会議を開いて、この問題の重要性を訴えたり、何とかしようと呼びかけたりするだけです。結局善意だけでは何もできないのです、無論それだけでも意義のあることですが、これだけだと具体的な解決に至る可能性はかなり低くなります。

であれば、この問題は永遠に解決できないのでしょうか?そんなことは、ないと思います。欧米などでは、核家族制度の歴史が古いです。そのため、社会の中にこれらに対応するシステムが構築されています。それは、主に、NPOという組織であり、少数の有給の正規職員と、多数のボランティアで運営されています。結婚前のお付き合いの仕方から、結婚から出産まで、その後の夫婦生活から、倫理観まで懇切丁寧にアドバイスなどしてくれたり、場合によっては、雇用なども絡む多数のプログラムの中からいろいろな問題を解決する糸口を提供してもらえたり、場合によっては資金も提供してもらえます。それも、地域に密着したNPOが多いため、地域性についてもかなり柔軟に対応しています。

こうした問題の解消も、欧米ではNPOが解決に取り組む、社会事業(ビジネス)という位置づけです。欧米では、このような社会事業に取り組むことも、ビジネスと呼び、営利事業をするのと何も変わらず、真摯な態度で、シビアにことを進めます。間違っても、善意だけでことを運ぼうとはしません。日本と違い、資金も、人手も多数使います。善意だけでは何もできないし、何も変わりません。違うのは、営利事業では成果の尺度が、経済的なものですが、非営利事業では社会的使命を遂行することということだけです。

日本にも、最近ようやっと、社会事業の芽が生えてきたところです。社会事業家、社会起業家が社会問題に熱心に取り組み、社会問題の解決の糸口をつかんだり、実際に解決したりしています。この社会事業家が事業をするためには、日本でもNPO(非営利企業)という組織を設立して実施するのが普通です。そうすることによって、社会的にも認知され、国からも補助金を受けられます。しかし、彼らが行っているのは、まだまだ小さなことばかりです。無論小さなことを解決するにも意義があり、それだけでも大変なことです。しかし、小さなことばかりしているのは、日本の社会事業家がやる気がないとか、能力がないということではありません。実は、日本には、彼らが自由に活発に動き回れるようにな土壌が醸成されていないのです。

なぜ醸成されていなかについては、このブログでも何回も述べてきていますが、その第一は、まずは政府から補助金がスズメの涙であるということです。そのため、多くのNPOは、ギリギリの予算でようやっと成り立っているというのが実情です。今年の1月に、NPO法人彩経会(高桑五郎理事長)では、多くの行き場のないご老人が火災のためになくなってしまいました。しかし、このNPO法人その後も存続しています。明らかに必要な施設でもあるにも関わらず、結局は資金不足でこのうよな結果を招いてしまったようです。このようなNPOを運営するためには、ある程度の資金が必要です。しかし、政府の補助金だけではなかなか成り立たないというのも真実です。

さらに、悪いことには、日本には、海外ではNPOの活動資金の源泉ともなっている寄付の文化がありません。なぜ寄付の文化が根付いていないかというと、何も、寄付金の文化が根付いてる、アメリカやイギリスのお金持ちが善意に満ち溢れていて、日本のお金持ちがケチで地も涙もないというわけではなく、日本では、NPOに寄付したからといって税制上の優遇措置を受けられないという重大な問題があるからです。アメリカやイギリスなどでは、普通になっている税制上の優遇措置が日本では税制化されていないのです。アメリカでは、NPOに税制上の優遇措置があるとか、政府から補助金が大きいなどで、アメリカ全国のNPOの年間の歳入は、なんと、アメリカの国家予算に匹敵するほどの額になっています。

なぜ日本だけが、そのようになっていないかというと、その根本原因は、実は財務省にまでさかのぼります。これは、以前のブログにも掲載しましたので、詳しくは、そちらを見ていただくとして、かいつまんで述べます。実は、財務省にはいわゆる「財政民主主義」という考えがあって、NPOなどにたくさんの資金が集まることは、「財政民主主義」趣旨からするとよろしくないことだそうです。しかし、寄付金が多く集まるということは、当該NPOが民意を反映したことをしていることを意味しているのではないかと思います。そんなことをいいながら、財務省は、資金配分をして多くのいりもしない、独立法人や、天下り官僚に資金配分をしているではありませんか。多くの埋蔵金を生み出しているではありませんか!!これは、正しい意味での「財政民主主義」ではなく、一部の財務高級官僚がつくりだしてる「似非財政民主主義」ではありませんか?

■この問題の真の解決は本当の事業仕分けをすることである
これを正さなければ、永遠に日本ではNPOが活動しやすい土壌が生まれてきません。私は、このブログで、「似非財政民主主義」を信奉する一部の財務省高級官僚を「財政ゾンビ」と呼んでいます。日本で、NPOが自由に動き回れるような風土を醸成するためには、この財務ゾンビと財務ゾンビの信奉する似非財政民主主義にもとづく、システムやインフラを壊して新しいものにつくりかえる必要があります。

これを実施するには、どうしたらよいでしょうか?そうです。現在民主党政権がやっている事業仕分けではなく、真の事業仕分けをすることです。それも、財務省を対象として実施ことです。民主党の現在の事業仕分けは、ほとんどパフォーマンスに過ぎません。そもそも、粉砕しなければならない、財務省の作ったマニュアルで仕分けを行っているようでは、話になりません。自分たちの頭を使って、「財政ゾンビ」に引導わたすとともに、財政ゾンビがつくりだした、資金配分システムおよびインフラを破壊し、新しいものをつくりだすべきです。予算の中でも、特別予算をなんとかすれば、10兆円のお金がでてきます。これが、もっと有意義な社会事業に割り当てられたら素晴らしいことになると思います。

これをせずに、現在のようなパフォーマンスの意味しかないような、事業仕分けをしても、財務ゾンビはびくともしません。まずは、財務ゾンビと似非財政民主主義と真っ向から対峙すべきです。それが真の事業仕分けになります。それなしには、赤ちゃんポストの問題、派遣切の問題などの真の社会問題の根本的な解決にはなりません!!健全な社会をつくれなければ、健全な実体経済も育むことはできません。私は、民主党が行うべき改革は、これが一番優先順位が高く、これを成就できたら、それだけでも政権交代をした意義があると思うのですが、皆さんはどう思われますか?

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